JP2005032847A - 結晶化装置、結晶化方法およびデバイス - Google Patents

結晶化装置、結晶化方法およびデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】ライン型位相シフターにより得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することにより、結晶核からの十分な長さのラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することのできる結晶化装置。
【解決手段】一次元パターンの位相シフター(1)を照明する照明光学系(2)を備え、位相シフターを介して所定の光強度分布を有する光を半導体膜(4)照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置。照明光学系の射出瞳またはその近傍には長方形状(非円形状)の二次光源(2f)が形成され、位相シフターと二次光源とを光軸(AX)を中心として光学的に相対回転させるための回転機構(3)を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶化装置、結晶化方法およびデバイスに関する。特に、本発明は、所定の光強度分布を有するレーザ光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置および結晶化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば液晶表示装置(Liquid−Crystal−Display:LCD)の画素に印加する電圧を制御するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(Thin−Film−Transistor:TFT)は、非晶質シリコン(amorphous−Silicon)層や多結晶シリコン(poly−Silicon)層に形成されている。
【0003】
多結晶シリコン層は、非晶質シリコン層よりも電子または正孔の移動度が高い。したがって、多結晶シリコン層にトランジスタを形成した場合、非晶質シリコン層に形成する場合よりも、スイッチング速度が速くなり、ひいてはディスプレイの応答が速くなる。また、周辺LSIを薄膜トランジスタで構成することが可能になる。さらに、他の部品の設計マージンを減らせるなどの利点がある。また、ドライバ回路やDACなどの周辺回路は、ディスプレイに組み入れる場合に、それらの周辺回路をより高速に動作させることができる。
【0004】
多結晶シリコンは結晶粒の集合からなるが、単結晶シリコンに比べると電子または正孔の移動度が低い。また、多結晶シリコンに形成された多数の薄膜トランジスタは、チャネル部における結晶粒界数のバラツキが問題となる。そこで、最近、電子または正孔の移動度を向上させ且つチャネル部における結晶粒界数のバラツキをなくすために、大粒径の結晶化シリコンを生成する結晶化方法が提案されている。
【0005】
従来、この種の結晶化方法として、多結晶半導体膜または非晶質半導体膜と平行に近接させた位相シフターにエキシマレーザ光を照射して結晶化半導体膜を生成する「位相制御ELA(Excimer Laser Annealing)法」が知られている。位相制御ELA法の詳細は、たとえば非特許文献1に開示されている。
【0006】
位相制御ELA法では、位相シフターの位相シフト部に対応する点において光強度がほぼ0の逆ピークパターン(中心において光強度がほぼ0で周囲に向かって光強度が急激に増大するパターン)の光強度分布を発生させ、この逆ピークパターンの光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射する。その結果、光強度分布に応じて溶融領域に温度勾配が生じ、光強度がほぼ0の点に対応して最初に凝固する部分に結晶核が形成され、その結晶核から周囲に向かって結晶が横方向に成長(以降、「ラテラル成長」もしくは「ラテラル方向成長」とよぶ)することにより大粒径の単結晶粒が生成される。
【0007】
従来、特許文献1には、位相シフトマスク(位相シフター)を介して発生させた逆ピークパターンの光強度分布を有する光を半導体膜に照射して結晶化を行う技術が開示されている。
【0008】
【非特許文献1】
表面科学Vol.21, No.5, 2000 pp.278−287
【特許文献1】
特開2000−306859号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術において一般に用いられる位相シフターは、一次元パターンのライン型位相シフターであって、一方向に沿って交互に繰り返される2つの矩形状の領域で構成され、この2つの領域の間には例えば180度の位相差が付与されている。ライン型位相シフターを用いた場合、位相シフターの位相シフト線(位相の境界線)に対応する線領域において光強度が最も小さいほぼV字状の光強度分布が得られる。
【0010】
この場合、V字状の光強度分布において光強度が最も小さい領域またはその近傍が結晶核の形成点すなわち結晶成長開始点になり、この結晶成長開始点からV字状の光強度勾配(ひいては温度勾配)の向きに結晶がラテラル成長する。したがって、結晶核からの十分なラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶粒を充填率の高いアレイ状に生成するには、隣り合う2つのV字状の光強度分布が大きく離間することなくほぼ接するように調整する必要がある。
【0011】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、ライン型位相シフターにより得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することにより、結晶核からの十分な長さのラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することのできる結晶化装置、結晶化方法およびデバイスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、位相シフターを照明する照明光学系を備え、前記位相シフターを介して所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置であって、
前記照明光学系により形成される二次光源が非円形状であり、
前記位相シフターと前記二次光源とを光軸を中心として光学的に相対回転させるための回転機構を備えていることを特徴とする結晶化装置を提供する。
【0013】
この構成では、例えば長方形状の二次光源と一次元パターンのライン型位相シフターとを光学的に相対回転させることにより、光量損失することなく位相シフターへの入射光束の最大入射角度を連続的に変化させることができる。したがって、ライン型位相シフターへの入射光束の最大入射角度を適宜変化させて、ライン型位相シフターにより得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することができる。その結果、結晶核からの十分な長さのラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【0014】
第1形態の好ましい態様によれば、前記二次光源は前記光軸に関して回転非対称な形状を有する。また、前記回転機構は、前記二次光源と前記位相シフターとの間の光路中に配置されて前記光軸廻りに回転可能なダブプリズムを有することが好ましい。この構成により、小型で簡素な構成を有する回転機構を実現することができる。
【0015】
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に配置された結像光学系をさらに備え、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜は、前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定されている。あるいは、照明光学系を介して一次元パターンの位相シフターを照明し、前記位相シフターを介して所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法において、前記照明光学系の射出瞳またはその近傍に非円形状の二次光源を形成し、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜において所望の光強度分布を得るために前記位相シフターと前記二次光源とを光軸を中心として光学的に相対回転させることが好ましい。
【0016】
本発明の第2形態では、照明光学系を介して位相シフターを照明し、前記位相シフターを介して所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法であって、
前記照明光学系により形成される二次光源が非円形状であり、
前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜において所望の光強度分布を得るために前記位相シフターと前記二次光源とを光軸を中心として光学的に相対回転させることを特徴とする結晶化方法を提供する。この場合も結晶化装置の場合と同様に、ライン型位相シフターにより得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することができ、ひいては結晶核からの十分な長さのラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【0017】
第2形態の好ましい態様によれば、前記二次光源と前記位相シフターとの間の光路中に配置されたダブプリズムを前記光軸廻りに回転させることにより、前記位相シフターと前記二次光源とを相対回転させる。また、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとを互いにほぼ平行に且つ近接して配置することが好ましい。あるいは前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に結像光学系を配置し、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜の表面を前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定することことが好ましい。
【0018】
本発明の第3形態では、第1形態の結晶化装置または第2形態の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイスを提供する。この場合、結晶核からの十分なラテラル成長を実現して得られた大粒径の結晶化半導体膜に基づいて、良好な半導体デバイスや液晶表示デバイスなどを製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の装置における照明光学系と位相シフターとの間に設けられる光学系の要部構成を概略的に示す図である。同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明を省略する。図1を参照すると、本実施形態の結晶化装置は、一次元パターンのライン型位相シフター1を照明するための照明光学系2を備えている。
【0020】
照明光学系2は、光源として被結晶化処理層例えば非晶質シリコン層が高い光吸収特性を示す波長のエネルギー光、たとえば248nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源2aを備えている。なお、光源2aとしては非晶質シリコン層の光吸収特性の良い波長を出射する例えば、XeClエキシマレーザ光源、ArFエキシマレーザ光源、KrFエキシマレーザ光源やYAGレーザ光源のような他の適当な光源を用いることもできる。光源2aから出射されたレーザ光は、ビームエキスパンダ2bを介して拡大された後、第1のフライアイレンズ2cに入射する。第1のフライアイレンズ2cは、例えば複数の平凸レンズを縦横に且つ稠密に配置することにより構成されている。
【0021】
こうして、第1のフライアイレンズ2cの後側焦点面には複数の光源が形成され、これらの複数の光源からの光束は第1のコンデンサー光学系2dを介して、第2のフライアイレンズ2eの入射面を重畳的に照明する。第2のフライアイレンズ2eは、例えば複数の両凸レンズを縦横に且つ稠密に配置することにより構成されている。その結果、第2のフライアイレンズ2eの後側焦点面(すなわち照明光学系2の射出瞳またはその近傍)には、第1のフライアイレンズ2cの後側焦点面よりも多くの複数の光源からなる二次光源2fが形成される。ここで二次光源とは光源自体を一次光源と考えた場合の定義であり、位相シフターから光源方向を見たときの等価的な光源と定義する。典型的な照明学系の場合には、その照明光学系の射出瞳と一致する。
【0022】
第2のフライアイレンズ2eの後側焦点面に形成された二次光源2fからの光束は、第2のコンデンサー光学系2gを介して、位相シフター1を重畳的に照明する。ここで、第1フライアイレンズ2cおよび第1のコンデンサー光学系2dは、第1のホモジナイザを構成し、この第1のホモジナイザにより光源2aから供給されたレーザ光について位相シフター1の位相シフト面上での入射角度に関する均一化が図られる。
【0023】
また、第2のフライアイレンズ2eおよび第2のコンデンサー光学系2gは第2のホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザ光について位相シフター1の位相シフト面上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。位相シフター1の位相シフト面は、第2のコンデンサー光学系2gの後側焦点面に設定されている。ホモジナイザは、第1のホモジナイザで光強度の均一化を行い、第2のホモジナイザで位相シフター1への入射角度の均一化をしてもよい。
【0024】
本実施形態では、図2に詳細に示すように、照明光学系2と位相シフター1との間の光路中に、光軸AX廻りに回転可能なダブプリズム3が配置されている。ダブプリズム3は、透明体からなり台形プリズムまたは像回転プリズムとも呼ばれる光学素子である。こうして、照明光学系2と位相シフター1との間の光路中に配置されて光軸AX廻りに回転可能な非円形状の光学素子例えばダブプリズム3は、位相シフター1と二次光源2fとを光軸AXを中心として光学的に相対回転させるための回転機構を構成している。位相シフター1は、入射レーザ光を位相変調するもので、例えば石英ガラス板をエッチングすることにより矩形状パターンの高低を形成したものである。
【0025】
位相シフター1を通過したレーザ光は、被処理基板4の表面に所定の光強度分布を形成する。被処理基板4は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラスの上に化学気相成長法(CVD)により下地絶縁膜および非晶質シリコン膜、光吸収絶縁膜が順次形成されたものである。被処理基板4は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ5上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持されている。
【0026】
図3は、ライン型位相シフター1を介して被処理基板4の表面上にV字状の光強度分布が形成される原理を概念的に説明する図である。また、図4は、ライン型位相シフター1を介して被処理基板4の表面上にアレイ化されたV字状の光強度分布が形成される様子を模式的に示す図である。図3を参照すると、0度(光軸AXに平行な方向)と最大入射角度θとの間で様々な入射角度を有する光束がライン型位相シフター1に入射する状態が示されている。この場合、図中破線で示すように、入射角度が0度の光束31により、位相シフター1から距離dだけ間隔を隔てた被処理基板4の表面上には、位相シフター1の位相シフト線1aに対応する位置を中心とする逆ピークパターン状の光強度分布32が形成される。
【0027】
一方、図中実線で示すように、入射角度がθで位相シフターに入射した光束33により、被処理基板4の表面上には、位相シフト線1aに対応する位置から位相シフター1のピッチ方向へ距離d×θだけ横移動した位置を中心とする逆ピークパターン状の光強度分布34が形成される。ここで、光強度分布32と光強度分布34とは、互いにほぼ同じ逆ピークパターン状の光強度分布である。したがって、0度と最大入射角度θとの間で様々な入射角度を有する光束に基づいて被処理基板4の表面上に形成される光強度分布は、入射角度が0度の光束31により得られる逆ピークパターン状の光強度分布32を距離d×θまでの間で様々な距離だけ横移動した逆ピークパターン状の光強度分布の重ね合わせにより得られる。
【0028】
こうして、ライン型位相シフター1を介して被処理基板4の表面上には、位相シフター1の位相シフト線1aに対応する位置において光強度が最も小さく且つ位相シフター1のピッチ方向に対応する方向に沿って光強度が増大するほぼV字状の光強度分布35が形成される。この場合、V字状の光強度分布35において光強度が最も小さい領域またはその近傍が結晶核の形成点すなわち結晶成長開始点になり、この結晶成長開始点からV字状の光強度勾配(ひいては温度勾配)の向きに結晶がラテラル成長する。
【0029】
ここで、V字状の光強度分布35における光強度の最大値を1に規格化したときの光強度の最小値すなわちα値が重要になる。α値が大きくなり過ぎると、光強度の最小点を結晶成長開始に適した強度にした場合、光強度の勾配を大きくできないので、大きな結晶粒を生成できない。逆に、α値が小さくなり過ぎると、光強度の最小点を結晶成長開始に適した強度にした場合、光強度の最大点ではアブレーションが発生し、結晶膜が破壊されてしまう。また光強度の最大値をアブレーションの発生しない強度に設定した場合には、アモルファス領域が大きくなるので、位相シフト線1aが一定ピッチで配置されることを考えると、大粒径の結晶を得ることが困難になる。このように、結晶核を確実に生成して大粒径の結晶へ成長させるには、α値を諸条件により定まる最適値に設定する必要がある。
【0030】
また、結晶核からの十分なラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶粒を充填率の高いアレイ状に生成するには、図4に示すように、隣り合う2つのV字状の光強度分布が大きく離間することなくほぼ接するようにV字状の光強度分布をアレイ化する必要がある。α値およびV字状の光強度分布のアレイ化を最適化するには、位相シフター1に対する光束の最大入射角θを調整して最適化する必要がある。最大入射角θが最適値よりも小さければ、横移動が小さくなり過ぎて、α値が最適値よりも小さくなる傾向がある。
【0031】
また、最大入射角θが最適値よりも大きければ、横移動が大きくなり過ぎて、α値が最適値よりも大きくなる傾向がある。さらに、最大入射角θが最適値よりも小さければ、隣り合う2つのV字状の光強度分布が離間して、結晶粒を充填率の高いアレイ状に生成することができなくなる傾向がある。このように、位相シフター1に対する光束の最大入射角θを調整して最適化することにより、位相シフター1により得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することができる。
【0032】
なお、位相シフター1に対する光束の最大入射角θを調整するには、たとえば照明光学系2を組み換える方法や、照明光学系2の射出瞳に可変開口絞りを挿入する方法などが考えられる。しかしながら、照明光学系2を組み換える方法は、組み換えるための複雑な機構が必要となり現実的ではない。一方、可変開口絞りを用いる方法は、絞りを通過する際に光量損失が発生し、V字状の光強度分布における光強度が全体的に低下してしまうという不都合がある。また、照明系にフライアイレンズを用いた場合には、有限個の実質的な面光源により二次光源2fが構成されるので、可変開口絞りを用いる方法では光束の最大入射角θを連続的に変化させることができないという不都合もある。
【0033】
本実施形態では、一次元パターンのライン型位相シフター1を用いているので、光束の入射角度成分のうちV字状の光強度分布の形成に影響を及ぼすのは、ライン型位相シフター1の一次元パターンのピッチ方向に沿った入射角度成分のみである。そこで、本実施形態では、照明光学系2の射出瞳50またはその近傍には長方形状の二次光源2fを形成し、位相シフター1と二次光源2fとを光軸AXを中心として光学的に相対回転させることにより実効的な最大入射角度θを変化させる手法を採用している。即ち、位相シフター1と照明光学系2の射出瞳50を光軸AXに関して相対的に回転させることにより、位相シフター1への実効入射角度を変化させる。射出瞳50は、非円形である。射出瞳50は、位相シフター1に形成される被照射面である。
【0034】
図5は、本実施形態における基本的な作用を説明する図である。図5を参照すると、照明光学系2の射出瞳またはその近傍に形成される二次光源2fは全体的に長方形状であり、第2フライアイレンズ2eの各レンズ要素に対応するように縦横に位置する複数(図5では例示的に3×9=27個)の実質的な面光源51により構成されている。ここで、各面光源51は、第1フライアイレンズ2cのレンズ要素数に対応する数の小さな光源の集合によりそれぞれ構成されている。図5中において、二次光源2fは光軸に沿う方向から見た図である。
【0035】
一方、ライン型位相シフター1は、図5の各図下段に図示されているように一方向(図中水平方向)に沿って交互に繰り返される2つの矩形状の領域すなわちライン部52およびスペース部53で構成され、ライン部52とスペース部53との間には例えば180度の位相差が付与されている。ライン型位相シフター1は、透明体例えば高温において安定な石英ガラスからなりライン部52及びスペース部53は、ライン部52が高く、スペース部53が低く高低で形成される。高低は、エッチングにより製造できる。矩形状のライン部52、スペース部53が一方向に繰り返し配列され、位相シフター1をライン型位相シフター1という。図5(a)に示す初期状態では、回転機構としてのダブプリズム3が図2に示す回転位置状態にあるので、位相シフター1と二次光源2fとの相対回転角度φが0である。その結果、長方形状の二次光源2fの短辺方向と位相シフター1の一次元パターンのピッチ方向とが対応し、位相シフター1への入射光束のピッチ方向に沿った実効的な最大入射角度θは最も小さくなる。
【0036】
これに対し、図5(a)に示す初期状態から、ダブプリズム3を光軸AX廻りに回転させることにより、位相シフター1と二次光源2fとを角度φ1だけ相対回転させた図5(b)に示す回転状態が得られる。図5(b)に示す回転状態での入射角θは、長方形状の二次光源2fの短辺方向と位相シフター1のピッチ方向とがもはや対応しなくなり、位相シフター1への入射光束の実効的な最大入射角度θは図5(a)に示す初期状態よりも大きくなる。そして、位相シフター1と二次光源2fとを90度だけ相対回転させた回転状態(不図示)では、長方形状の二次光源2fの長辺方向と位相シフター1のピッチ方向とが対応することになり、位相シフター1への入射光束の実効的な最大入射角度θが最も大きくなる。これらの回転において、基本的に光の利用効率に変化はない。
【0037】
このように、本実施形態では、一次元パターンのライン型位相シフター1と長方形状の二次光源2fとをダブプリズム3の作用により光学的に相対回転させることにより、光量損失することなく位相シフター1への入射光束の最大入射角度θを連続的に変化させることができる。その結果、本実施形態では、ライン型位相シフター1への入射光束の最大入射角度θを適宜変化させて、ライン型位相シフター1により得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することができ、ひいては結晶核からの十分な長さのラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【0038】
次に、ダブプリズム3の回転により位相シフター1のパターンと照明光学系2の出射瞳50(二次光源2f)とが光学的に相対回転する様子を図11を参照して説明する。図11は、図2に対応する斜視図である。前述したように、本実施形態では、ダブプリズム3を光軸廻りに回転させることにより、照明光学系2の出射瞳50を図中破線で示す位置50aへ実際に光軸廻りに回転させなくても、また位相シフター1のパターンを実際に光軸廻りに回転させなくても、位相シフター1のパターンと照明光学系2の出射瞳50(二次光源2f)とを光学的に相対回転させることができる。そして、その結果、ダブプリズム3の回転により位相シフター1のパターンと照明光学系2の出射瞳50(二次光源2f)とを光学的に相対回転させることにより、光量損失することなく位相シフター1への入射光束の最大入射角度θを連続的に変化させることができる。
【0039】
図6〜図8は、本実施形態の各数値実施例において被処理基板の表面に形成される光強度分布を模式的に示す図である。縦軸は光強度分布であり、平均値を1.0に規格化している。横軸は位置であり、繰り返しの一周期を抜き出したものである。各数値実施例では、KrFエキシマレーザ光源2aから供給されるレーザ光の波長λを0.248μmと想定している。また、ライン型位相シフター1を構成するライン部52およびスペース部53のピッチ方向寸法がともに10μmであり、ライン部52とスペース部53との間に180度の位相差が付与されているものと想定している。また、位相シフター1と被処理基板4の表面との間隔dを60μmと想定している。また、最適なα値を0.45と想定した。
【0040】
さらに、二次光源2fは縦横に位置する3×9=27個の面光源51により構成され、図5(a)の初期状態において隣り合う面光源51の中心間距離は縦方向においても横方向においても入射角度に換算して0.012rad(ラジアン)であるものと想定している。図6に示す第1数値実施例では、位相シフター1と二次光源2fとの相対回転角度φを30度に設定している。この場合、ライン型位相シフター1への入射光束の最大入射角度θは、長辺方向に沿う中央の一列の面光源の列で近似されると考えると、0.012×4×sin30°=0.024rad≒1.376度になる。
【0041】
図7に示す第2数値実施例では、位相シフター1と二次光源2fとの相対回転角度φを50度に設定している。この場合、ライン型位相シフター1への入射光束の最大入射角度θは、0.012×4×sin50°≒0.0368rad≒2.110度になる。図8に示す第3数値実施例では、位相シフター1と二次光源2fとの相対回転角度φを70度に設定している。この場合、ライン型位相シフター1への入射光束の最大入射角度θは、0.012×4×sin70°≒0.0451rad≒2.585度になる。
【0042】
図6の第1数値実施例で得られた光強度分布を参照すると、隣り合う2つのV字状の光強度分布が大きく離間するような形態になっており、結晶粒を充填率の高いアレイ状に生成することができないことがわかる。かつ、第1数値実施例では、最大入射角θが最適値よりも小さ過ぎるため、α値が約0.25となって最適値よりも小さくなり、アモルファス領域が大きくなって大粒径の結晶を得ることが困難である。
【0043】
また、図8の第3数値実施例で得られた光強度分布を参照すると、中央において光強度のうねりが発生して明瞭なV字状の光強度分布が得られていないため、結晶核が生成されてもその位置が定まり難く、結晶のラテラル成長も途中で停止し易いことがわかる。かつ、第3数値実施例では、最大入射角θが最適値よりも大き過ぎるため、α値が約0.55となって最適値よりも大きくなり、アモルファス領域が形成されなくなり、ひいては結晶核が生成されなくなる可能性がある。
【0044】
これに対し、図7の第2数値実施例で得られた光強度分布を参照すると、隣り合う2つのV字状の光強度分布が互いにほぼ接するようなα値が約0.42の所望のV字状形態に調整され、結晶粒を充填率の高いアレイ状に生成することができることがわかる。かつ、第2数値実施例では、最大入射角θがほぼ最適値に設定され、ひいてはα値もほぼ最適値に設定され、所望のV字状形態の光強度分布に基づいて、結晶核からの十分な長さのラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【0045】
なお、図示を省略したが、各数値実施例に示す相対回転角度φ=30度、50度および70度以外の様々な相対回転角度φについて数値実施例を試み、相対回転角度φの変化によりα値を連続的に変化させることが可能なことを確認した。また、相対回転角度φの変化により、光強度分布のV字状形態を連続的に変化させることが可能なことを確認した。
【0046】
なお、上述の実施形態では、照明光学系2の射出瞳またはその近傍に長方形状の二次光源2fを形成している。しかしながら、これに限定されることなく、光軸に関して回転非対称な形状を有する二次光源を用いて、さらに一般的には非円形状の二次光源を用いて本発明を実施することができる。
【0047】
また、上述の実施形態では、位相シフター1と二次光源2fとを光軸AXを中心として光学的に相対回転させるための回転機構として、照明光学系2と位相シフター1との間の光路中に配置されて光軸AX廻りに回転可能なダブプリズム3を用いている。しかしながら、ダブプリズムを照明光学系の中に組み込む、すなわち、ダブプリズムと位相シフターの間に光学系を設けることも可能である。ダブプリズムを通過する光束が平行光に近いほど収差が少なくなるので、収差を小さくしたい場合には望ましい。またダブプリズムの代りにミラーやプリズム等を組み合わせて、同等の機能を有する光学系を用いることも可能である。また、ダブプリズム3を用いることなく、たとえば位相シフター1と被処理基板4と基板ステージ5とを光軸AX廻りに一体的に回転させる回転機構や、照明光学系2を回転させる回転機構を用いることもできる。ただし、これらの場合、回転機構が非常に大型になり且つ複雑になる。
【0048】
また、上述の実施形態では、位相シフター1と被処理基板(すなわち多結晶半導体膜または非晶質半導体膜)4と互いにほぼ平行に且つ近接して配置し、いわゆるデフォーカス法にしたがう結晶化装置に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、位相シフター1と被処理基板4との間に結像光学系を介在させて、いわゆる投影デフォーカス法にしたがう結晶化装置に対して本発明を適用する変形例も可能である。
【0049】
図9は、図1の実施形態の変形例にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。図9の変形例は図1の実施形態と類似の構成を有するが、図9の変形例では位相シフター1と被処理基板4との間の光路中に結像光学系6を備えている点が図1の実施形態と相違している。以下、図1の実施形態との相違点に着目して、図9の変形例を説明する。なお、図9では、図面の明瞭化のために、照明光学系2の内部構成の図示を省略している。
【0050】
変形例では、図9に示すように、被処理基板4は位相シフター1と光学的に共役な面から光軸AXに沿って所定距離だけ離れて設定されている。なお、結像光学系6は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。投影デフォーカス法にしたがう変形例においても、ライン型位相シフター1への入射光束の最大入射角度θを適宜変化させて、ライン型位相シフター1により得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することができる。
【0051】
また、照明光学系として2組のフライアイレンズを用いた光学系を例示したが、一組のフライアイレンズでもよく、全く用いない光学系でも良い。また、本発明で用いる二次光源は実像である必要はなく虚像でも良い。また、実像・虚像に係わりなく明確に結像されたものでなくともよい。例えば、レーザから出る平行光をシリンドリカルレンズで一方向のみ集光した場合は、線状の二次光源が無限遠に存在すると考える。上述の実施形態では、1次元パターンの位相パターンについて説明したが、2次元パターンの位相シフターでも一方向に伸びるライン型位相シフターに対しては同様な効果を得ることができる。要するに、位相シフター1のパターンと二次光源2fとを相対的に回転させるために回転可能にタブプリズムを光路に設けた光学系にある。
【0052】
また、上述の実施形態において、光強度分布は設計の段階でも計算できるが、実際の被処理面での光強度分布を観察して確認しておくことが望ましい。そのためには、被処理基板4の被処理面を光学系で拡大し、CCDなどの撮像素子で入力すれば良い。使用光が紫外線の場合は、光学系が制約を受けるため、被処理面に蛍光板を設けて可視光に変換しても良い。
【0053】
図10は、本実施形態の結晶化装置を用いて結晶化された領域に電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。図10(a)に示すように、絶縁基板80(例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNおよび膜厚100nmのSiO積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなど)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜した被処理基板4を準備する。そして、図1に示す結晶化装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の一部もしくは全部例えば予め定められた領域に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
【0054】
こうして、図10(b)に示すように、大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84が生成される。次に、図10(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を例えば薄膜トランジスタを形成するための領域となる島状の半導体膜85に加工し、表面にゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図10(d)に示すように、ゲート絶縁膜上にゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)をイオン注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、450°Cで1時間)を行い、不純物を活性化して島状の半導体膜85にソース領域91、ドレイン領域92を形成する。次に、図10(e)に示すように、層間絶縁膜89を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネル90でつながるソース91およびドレイン92に接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
【0055】
以上の工程において、図10(a)および(b)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶の位置に合わせて、チャネル90を形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体に薄膜トランジスタ(TFT)を形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶表示装置(ディスプレイ)やEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、例えば長方形状の二次光源とライン型位相シフターとを光学的に相対回転させることにより、光量損失することなく位相シフターへの入射光束の最大入射角度を連続的に変化させることができる。したがって、ライン型位相シフターへの入射光束の最大入射角度を適宜変化させて、ライン型位相シフターにより得られる光強度分布を所望のV字状形態に調整することができる。その結果、本発明では、結晶核からの十分な長さのラテラル方向の結晶成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の装置における照明光学系と位相シフターとの間の要部構成を概略的に示す図である。
【図3】ライン型位相シフターを介して被処理基板の表面上にV字状の光強度分布が形成される原理を概念的に説明する図である。
【図4】ライン型位相シフターを介して被処理基板の表面上にアレイ化されたV字状の光強度分布が形成される様子を模式的に示す図である。
【図5】本実施形態における基本的な作用を説明する図である。
【図6】本実施形態の第1数値実施例において被処理基板の表面に形成される光強度分布を模式的に示す図である。
【図7】本実施形態の第2数値実施例において被処理基板の表面に形成される光強度分布を模式的に示す図である。
【図8】本実施形態の第3数値実施例において被処理基板の表面に形成される光強度分布を模式的に示す図である。
【図9】図1の実施形態の変形例にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。
【図10】本実施形態の結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。
【図11】ダブプリズムの回転により位相シフターのパターンと照明光学系の出射瞳(二次光源)とが光学的に相対回転する様子を説明する図である。
【符号の説明】
1 ライン型位相シフター
2 照明光学系
2a KrFエキシマレーザ光源
2b ビームエキスパンダ
2c,2e フライアイレンズ
2d,2g コンデンサー光学系
2f 二次光源
3 ダブプリズム
4 被処理基板
5 基板ステージ

Claims (16)

  1. 位相シフターを照明する照明光学系を備え、前記位相シフターを介して所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置であって、
    前記照明光学系により形成される二次光源が非円形状であり、
    前記位相シフターと前記二次光源とを光軸を中心として光学的に相対回転させるための回転機構を備えていることを特徴とする結晶化装置。
  2. 前記二次光源は前記光軸に関して回転非対称な形状を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶化装置。
  3. 前記回転機構は、前記二次光源と前記位相シフターとの間の光路中に配置されて前記光軸廻りに回転可能なダブプリズムを有することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶化装置。
  4. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとは互いにほぼ平行に且つ近接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の結晶化装置。
  5. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に配置された結像光学系をさらに備え、
    前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜は、前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の結晶化装置。
  6. 照明光学系を介して位相シフターを照明し、前記位相シフターを介して所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法であって、
    前記照明光学系により形成される二次光源が非円形状であり、
    前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜において所望の光強度分布を得るために前記位相シフターと前記二次光源とを光軸を中心として光学的に相対回転させることを特徴とする結晶化方法。
  7. 前記二次光源と前記位相シフターとの間の光路中に配置されたダブプリズムを前記光軸廻りに回転させることにより、前記位相シフターと前記二次光源とを相対回転させることを特徴とする請求項6に記載の結晶化方法。
  8. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとを互いにほぼ平行に且つ近接して配置することを特徴とする請求項6または7に記載の結晶化方法。
  9. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に結像光学系を配置し、
    前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜の表面を前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定することを特徴とする請求項6または7に記載の結晶化方法。
  10. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の結晶化装置あるいは請求項6乃至9のいずれか1項に記載の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイス。
  11. 結晶化するためのエネルギー光を射出する光源と、
    この光源からの光路に設けられた照明光学系と、
    この照明光学系の光路に回転可能に設けられた透明体からなる非円形状光学素子と、
    この非円形状光学素子の光路に設けられた入射光を位相変調するための位相シフターと、
    この位相シフターの光路に設けられた被結晶化処理体とを具備してなることを特徴とする結晶化装置。
  12. 結晶化するためのエネルギー光を射出する光源と、
    この光源からの光路に設けられた照明光学系と、
    この照明光学系の光路に設けられた透明体からなる非円形状光学素子と、
    この非円形状光学素子の光路に設けられた入射光を位相変調するための位相シフターと、
    この位相シフターの光路に設けられた被結晶化処理体と、
    前記光学素子を回転させることにより前記位相シフターへの前記エネルギー光の入射角を制御する制御手段とを具備してなることを特徴とする結晶化装置。
  13. 前記光学素子は、ダブプリズムであることを特徴とする請求項11または12に記載の結晶化装置。
  14. 前記照明光学系は、エネルギー光が前記位相シフターに入射する入射角を均一化する第1のホモジナイザと、エネルギー光が前記位相シフターに入射するエネルギー光の光強度を均一化する第2のホモジナイザとを具備してなることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の結晶化装置。
  15. 前記位相シフターは、直線状の段差部を複数有することを特徴とする請求項11または12に記載の結晶化装置。
  16. 結晶化するためのエネルギー光を射出する光源と、
    この光源からの光路に設けられた照明光学系と、
    この照明光学系の光路に設けられた透明体からなる非円形状光学素子と、
    この非円形状光学素子の光路に設けられた入射光を位相変調するための位相シフターと、
    この位相シフターの光路に設けられた被結晶化処理体とからなる結晶化装置による結晶化方法であって、
    前記光学素子を回転させることにより前記位相シフターへの前記エネルギー光の入射角を制御して結晶化することを特徴とする結晶化方法。
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