JP2004186449A - 結晶化装置および結晶化方法 - Google Patents

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正清 松村
Yukio Taniguchi
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Abstract

【課題】所望の位置に結晶核を発生させることができるとともに、結晶核からの十分なラテラル成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することのできる結晶化装置。
【解決手段】位相シフター(1)を照明する照明系(2)を備え、位相シフターの位相シフト部に対応する領域において光強度の最も小さい所定の光強度分布を有する光を半導体膜(3)に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置。位相シフターは、位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶化装置および結晶化方法に関する。特に、本発明は、位相シフターを用いて位相変調されたレーザ光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば液晶表示装置(Liquid−Crystal−Display:LCD)の画素に印加する電圧を制御するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(Thin−Film−Transistor:TFT)の材料は、非晶質シリコン(amorphous−Silicon)と多結晶シリコン(poly−Silicon)とに大別される。
【0003】
多結晶シリコンは、非晶質シリコンよりも電子移動度が高い。したがって、多結晶シリコンを用いてトランジスタを形成した場合、非晶質シリコンを用いる場合よりも、スイッチング速度が速くなり、ひいてはディスプレイの応答が速くなる。また、周辺LSIを薄膜トランジスタで構成することが可能になる。さらに、他の部品の設計マージンを減らせるなどの利点がある。また、ディスプレイ本体以外にドライバ回路やDACなどの周辺回路をディスプレイに組み入れる場合に、それらの周辺回路をより高速に動作させることができる。
【0004】
多結晶シリコンは結晶粒の集合からなるが、結晶シリコンに比べると電子移動度が低い。また、多結晶シリコンを用いて形成した小型のトランジスタでは、チャネル部における結晶粒界数のバラツキが問題となる。そこで、最近、電子移動度を向上させ且つチャネル部における結晶粒界数のバラツキを少なくするために、大粒径の単結晶シリコンを生成する結晶化方法が提案されている。
【0005】
従来、この種の結晶化方法として、多結晶半導体膜または非晶質半導体膜と平行に近接させた位相シフターにエキシマレーザ光を照射して結晶化半導体膜を生成する「位相制御ELA(Excimer Laser Annealing)」が知られている。位相制御ELAの詳細は、たとえば「表面科学Vol.21, No.5, pp.278−287, 2000」に開示されている。
【0006】
位相制御ELAでは、位相シフターの位相シフト部に対応する点において光強度がほぼ0の逆ピークパターン(中心において光強度がほぼ0で周囲に向かって光強度が急激に増大するパターン)の光強度分布を発生させ、この逆ピークパターンの光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射する。その結果、光強度分布に応じて溶融領域に温度勾配が生じ、光強度がほぼ0の点に対応して最初に凝固する部分に結晶核が形成され、その結晶核から周囲に向かって結晶が横方向に成長(ラテラル成長)することにより大粒径の単結晶粒が生成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来技術において一般に用いられる位相シフターは、いわゆるライン型の位相シフターであって、一方向に沿って交互に繰り返される2つの矩形状の領域で構成され、この2つの領域の間にはπ(180度)の位相差が付与されている。図14は、ライン型の位相シフターの構成および作用を説明する図である。また、図15は、ライン型の位相シフターを用いて得られる光強度分布を示す図である。
【0008】
ライン型の位相シフターを用いた場合、図14(a)に示すように、たとえば180度の位相差を有する2つの領域101aと101bとの間の直線状の境界線101cが位相シフト部を構成することになる。したがって、図15に示すように、位相シフト部(境界線)101cに対応する線102上において光強度がほぼ0で且つ線102と直交する方向に周囲に向かって一次元的に光強度が増加するような逆ピークパターンの光強度分布が形成される。
【0009】
この場合、図14(b)に示すように、位相シフト部に対応する線102に沿って温度分布が最も低くなるとともに、位相シフト部に対応する線102と直交する方向に沿って温度勾配(図中矢印で示す)が発生する。すなわち、図14(c)に示すように、位相シフト部に対応する線102上で結晶核103が発生し、その結晶核103から位相シフト部に対応する線102と直交する方向に沿って結晶化が進行する。
【0010】
なお、図14(c)において、曲線104は結晶の粒界を示しており、これらの結晶粒界104によって規定された領域に結晶が形成される。その結果、結晶核103は位相シフト部に対応する線102上に発生するものの、線102上のどこに結晶核103が発生するかは不定である。換言すると、ライン型の位相シフターを用いた場合、結晶核103の発生位置を制御することは不可能であり、ひいては結晶の形成領域を二次元的に制御することは不可能である。
【0011】
また、ライン型の位相シフターを用いて得られる光強度分布では、図15に示すように、2つの隣接した逆ピークパターン部の間の中間部における光強度分布は不規則なうねり(光強度の増大と減少とを繰り返すような波状分布)を伴うのが一般的である。この場合、逆ピークパターン部の光強度分布において傾斜の大きい位置に結晶核103aが発生することが望ましいが、中間部のうねりにおいて光強度の低い位置に(すなわち望まない位置に)結晶核103bが発生することがある。また、望ましい位置に結晶核が発生したとしても、結晶核から周囲に向かって開始したラテラル成長が、逆ピークパターン部と中間部との境界において光強度が減少する部分で停止してしまい、大きな結晶の成長が妨げられる。
【0012】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、所望の位置に結晶核を発生させることができるとともに、結晶核からの十分なラテラル成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することのできる結晶化装置および結晶化方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、位相シフターを照明する照明系を備え、前記位相シフターの位相シフト部に対応する領域において光強度の最も小さい所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置において、
前記位相シフターは、前記位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成されていることを特徴とする結晶化装置を提供する。
【0014】
第1形態の好ましい態様によれば、前記位相シフターは、4つの矩形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有する。あるいは、前記位相シフターは、6つ以上の三角形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有することが好ましい。あるいは、前記位相シフターは、第1の偶数本の位相シフト線が交わる第1位相シフト部と、第2の偶数本の位相シフト線が交わる第2位相シフト部とを有し、複数の第1位相シフト部と複数の第2位相シフト部とが交互に配置された形態を有することが好ましい。この場合、前記第1位相シフト部は4本の位相シフト線が交わる点に対応し、前記第2位相シフト部は8本の位相シフト線が交わる点に対応していることが好ましい。また、この場合、前記第1位相シフト部は4つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応し、前記第2位相シフト部は8つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応していることが好ましい。
【0015】
さらに、第1形態の好ましい態様によれば、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとは互いにほぼ平行に且つ近接して配置されている。この場合、前記照明系の射出瞳は、一方の方向に沿った大きさと他方の方向に沿った大きさとが実質的に異なる形状を有することが好ましい。また、この場合、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間隔をDとし、光の波長をλとし、前記照明系の射出瞳が最も大きい方向に沿った前記位相シフターへの光の最大入射角をθmaxとし、前記照明系の射出瞳が最も小さい方向に沿った前記位相シフターへの光の最大入射角をθminとするとき、
D×tan(θmin)<1.2×(λD/2)1/2
D×tan(θmax)>1.2×(λD/2)1/2
の条件を満足することが好ましい。
【0016】
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に配置された結像光学系をさらに備え、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜は、前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定されている。
【0017】
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に配置された結像光学系をさらに備え、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜は、前記位相シフターと光学的にほぼ共役な面に設定され、前記結像光学系の像側開口数は、前記所定の光強度分布を発生させるための所要の値に設定されている。この場合、前記結像光学系の瞳は、一方の方向に沿った大きさと他方の方向に沿った大きさとが実質的に異なる形状を有することが好ましい。
【0018】
本発明の第2形態では、所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置において、
前記所定の光強度分布は、周辺よりも低い光強度を有する逆ピーク点を有し、該逆ピーク点から周囲に向かって延び且つ光強度の変化勾配が周辺よりも低い谷線を2本以上有することを特徴とする結晶化装置を提供する。この場合、前記谷線に沿った光強度分布は変曲点を有することが好ましい。
【0019】
本発明の第3形態では、位相シフターを照明し、前記位相シフターの位相シフト部に対応する領域において光強度の最も小さい所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法において、
前記位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成された位相シフターを用いることを特徴とする結晶化方法を提供する。
【0020】
第3形態の好ましい態様によれば、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとを互いにほぼ平行に且つ近接して配置する。あるいは、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に結像光学系を配置し、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜の表面を前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定することが好ましい。あるいは、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に結像光学系を配置し、前記結像光学系の像側開口数を前記所定の光強度分布を発生させるための所要の値に設定し、前記結像光学系を介して前記位相シフターと光学的に共役な位置に前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜を設定することが好ましい。
【0021】
本発明の第4形態では、所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法において、
周辺よりも低い光強度を有する逆ピーク点を有し、該逆ピーク点から周囲に向かって延び且つ光強度の変化勾配が周辺よりも低い谷線を2本以上有する光強度分布の光を、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜に照射することを特徴とする結晶化方法を提供する。
【0022】
本発明の第5形態では、位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成されていることを特徴とする位相シフターを提供する。
【0023】
第5形態の好ましい態様によれば、4つの矩形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有する。あるいは、6つ以上の三角形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有することが好ましい。あるいは、第1の偶数本の位相シフト線が交わる第1位相シフト部と、第2の偶数本の位相シフト線が交わる第2位相シフト部とを有し、複数の第1位相シフト部と複数の第2位相シフト部とが交互に配置された形態を有することが好ましい。この場合、前記第1位相シフト部は4本の位相シフト線が交わる点に対応し、前記第2位相シフト部は8本の位相シフト線が交わる点に対応していることが好ましい。また、この場合、前記第1位相シフト部は4つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応し、前記第2位相シフト部は8つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応していることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。第1実施形態の結晶化装置は、位相シフター1を照明する照明系2を備えている。照明系2は、たとえば248nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源2aを備えている。なお、光源2aとして、XeClエキシマレーザ光源のような他の適当な光源を用いることもできる。光源2aから供給されたレーザ光は、ビームエキスパンダ2bを介して拡大された後、第1フライアイレンズ2cに入射する。
【0025】
こうして、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面には複数の光源が形成され、これらの複数の光源からの光束は第1コンデンサー光学系2dを介して、第2フライアイレンズ2eの入射面を重畳的に照明する。その結果、第2フライアイレンズ2eの後側焦点面には、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面よりも多くの複数の光源が形成される。第2フライアイレンズ2eの後側焦点面に形成された複数の光源からの光束は、第2コンデンサー光学系2fを介して、位相シフター1を重畳的に照明する。
【0026】
ここで、第1フライアイレンズ2cおよび第1コンデンサー光学系2dは第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより位相シフター1上での入射角度に関する均一化が図られる。また、第2フライアイレンズ2eおよび第2コンデンサー光学系2fは第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより位相シフター1上での面内位置に関する均一化が図られる。したがって、照明系2はほぼ均一な光強度分布を有する光を位相シフター1に照射する。
【0027】
位相シフター1を介したレーザ光は、位相シフター1と平行に且つ近接して配置された被処理基板3に照射される。ここで、被処理基板3は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラスの上に化学気相成長法により下地膜および非晶質シリコン膜を形成することにより得られる。換言すれば、位相シフター1は、非晶質半導体膜と対向するように設定されている。被処理基板3は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ4上において所定の位置に保持されている。
【0028】
図2は、第1実施形態における位相シフターの基本単位部分の構成および作用を概略的に示す図である。また、図3は、第1実施形態において図2の位相シフターを用いて被処理基板上で得られる光強度分布を等高線で模式的に示す図である。図2(a)を参照すると、位相シフター1の基本単位部分10は、4つの矩形状の領域10a〜10dが1つの頂点10eを共通として隣接配置された形態を有する。ここで、第1領域10aの透過光を基準として、第2領域10bの透過光および第4領域10dの透過光には180度の位相差が付与され、第3領域10cの透過光には位相差が付与されない(0度の位相差が付与される)ように構成されている。
【0029】
すなわち、基本単位部分10では、第1領域10aと第2領域10bとの境界線が第1位相シフト線10fを、第2領域10bと第3領域10cとの境界線が第2位相シフト線10gを、第3領域10cと第4領域10dとの境界線が第3位相シフト線10hを、第4領域10dと第1領域10aとの境界線が第4位相シフト線10iを、頂点10eが位相シフト部をそれぞれ構成することになる。その結果、基本単位部分10は、位相シフト部10eにおいて交わる4本の位相シフト線10f〜10iを有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが180度の位相差を有する。
【0030】
具体的には、たとえば位相シフター1が248nmの波長を有する光に対して1.5の屈折率を有する石英ガラスで形成されている場合、第1領域10aと第2領域10bとの間、第2領域10bと第3領域10cとの間、第3領域10cと第4領域10dとの間、第4領域10dと第1領域10aとの間には、それぞれ248nmの段差が付与されている。位相シフター1は、必要に応じて、基本単位部分10を一次元的にあるいは二次元的に配置することにより構成されている。また、位相シフター1では、その位相シフト面(凹凸パターン)が被処理基板3と対向する面に形成されている。
【0031】
位相シフター1と被処理基板3とが密着配置されている場合、被処理基板3上には、4つの位相シフト線10f〜10iに対応する部分において光強度の低い十字型の光強度分布が形成されることになる。しかしながら、第1実施形態では位相シフター1と被処理基板3とが近接配置されているので、いわゆるデフォーカス効果(ボケ効果)により、図2(b)および図3に示すように、位相シフト部10eに対応する領域11において光強度が最も低く、4つの位相シフト線10f〜10iに対応する十字状領域12において光強度の比較的低い所定の光強度分布が形成される。
【0032】
なお、図3に示す光強度分布は、特定の数値例に基づいて得られたシミュレーション結果を模式的に示したものである。この数値例では、位相シフター1の各領域10a〜10dを5μm×5μmの正方形状、光の波長λを248nm、位相シフター1と被処理基板3との間隔Dを48μm、照明系2の射出瞳(第2フライアイレンズ2eの後側焦点面)に形成される面光源の形状を円形(すなわち円形照明)と想定している。
【0033】
したがって、第1実施形態では、図2(c)に示すように、位相シフト部10eに対応する領域11に結晶核13を発生させることができる。このとき、ライン型の位相シフターと比べ、位相シフト部10eでは4本の位相シフト線が交わっているため、大きなデフォーカス効果を与えても逆ピークパターンが消えにくい。逆にいうと、第1実施形態では、大きなデフォーカス効果を与えることができ、これにより、4つの位相シフト線10f〜10iに対応する十字状領域12における光強度分布から不規則なうねり(光強度の増大と減少とを繰り返すような波状分布)を除去することができるので、結晶核13から十字状に4つの方向に沿って周囲に向かって開始したラテラル成長が途中で停止することなく、大粒径の単結晶14が生成される。こうして、いわゆる近接法(デフォーカス法)にしたがう第1実施形態では、所望の位置に結晶核を発生させることができるとともに、結晶核からの十分なラテラル成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【0034】
図4は、第1実施形態の変形例にかかる結晶化装置の要部構成および作用を概略的に示す図である。また、図5は、第1実施形態の変形例において図2の位相シフターを用いて被処理基板上で得られる光強度分布を等高線で模式的に示す図である。図4の変形例は第1実施形態と類似の構成を有するが、照明系の射出瞳が一方の方向に沿った大きさと他方の方向に沿った大きさとが実質的に異なる形状を有する点が第1実施形態と基本的に相違している。以下、第1実施形態との相違点に着目して、図4の変形例を説明する。
【0035】
図4(a)を参照すると、照明系2の射出瞳に形成される面光源2gが円形状ではなく楕円形状になっている。すなわち、照明系2の射出瞳2gの大きさが第1方向(長径方向)16aに沿って最も大きく、第1方向と直交する第2方向(短径方向)16bに沿って最も小さくなっている。したがって、照明系2の射出瞳2gが最も大きい第1方向16aに沿ってデフォーカス効果が最も大きく、射出瞳2gが最も小さい第2方向16bに沿ってデフォーカス効果が最も小さくなる。その結果、図4(b)および図5に示すように、第1方向16aに対応する位相シフト線の影響を受ける領域12aにおける光強度の方が、第2方向16bに対応する位相シフト線の影響を受ける領域12bにおける光強度よりも高く(浅く)なる。
【0036】
なお、図5に示す光強度分布は、特定の数値例に基づいて得られたシミュレーション結果を模式的に示したものである。この数値例では、第1実施形態と同様に、位相シフター1の各領域10a〜10dを5μm×5μmの正方形状、光の波長λを248nm、位相シフター1と被処理基板3との間隔Dを48μmと想定している。しかしながら、第1実施形態とは異なり、照明系2の射出瞳に形成される面光源2gの形状を、長径:短径が6:5の楕円形(すなわち楕円形照明)と想定している。
【0037】
図5に示す光強度分布は、周辺よりも低い光強度を有する逆ピーク点11を有し、逆ピーク点11から周囲に向かって延び且つ光強度の変化勾配が周辺よりも低い2本の谷線12bを有する。こうして、第1実施形態の変形例では、第1実施形態と同様に、位相シフト部10eに対応する領域11に結晶核13が発生する。そして、光強度の高い(浅い)領域12aに沿ってラテラル成長が開始することなく、光強度の低い(深い)領域12bに沿ってのみラテラル成長が優先的に開始することになる。その結果、第1実施形態とは異なり、隣接する単結晶の影響を受けることなくラテラル成長するので、第1実施形態よりも大きな単結晶14を生成することができる。
【0038】
図6は、第1実施形態の変形例において必要な照明系の射出瞳の大きさを説明するための図である。図6を参照すると、位相シフター1により被処理基板3上に形成される光強度分布において、位相シフト線を中心として位相シフト線と直交する方向に沿って得られる逆ピークパターンの半値幅Lは、次の式(1)で表わされる。なお、式(1)において、上述したように、λは光の波長であり、Dは位相シフター1と被処理基板3との間隔である。
L=1.2×(λD/2)1/2 (1)
【0039】
一方、照明系2の射出瞳端を通る照明光によるデフォーカス量(ボケ量)Bは、次の式(2)で表わされる。なお、式(2)において、θは、考慮する方向に沿った位相シフター1への光の最大入射角である。
B=D×tanθ (2)
【0040】
デフォーカス量Bが半値幅Lを超えると、連続的な変化ではあるが、デフォーカス効果により逆ピークの光強度が高く(浅く)なり、ひいては逆ピークパターンが浅くなり始める。したがって、図4(b)に示す光強度分布において、領域(谷線)12aにおける逆ピークの光強度が浅くなり、領域(谷線)12bにおける逆ピークの光強度が浅くなることなく残る条件は、照明系2の射出瞳2gが最も大きい第1方向16aに沿ってB>Lが成立し、射出瞳2gが最も小さい第1方向16bに沿ってB<Lが成立することである。
【0041】
こうして、第1実施形態の変形例において必要な照明系2の射出瞳2gの大きさ、すなわち位相シフター1への光の最大入射角θmaxおよび位相シフター1への光の最大入射角θminは、次の条件式(3)および(4)によって規定されることになる。
D×tan(θmin)<1.2×(λD/2)1/2 (3)
D×tan(θmax)>1.2×(λD/2)1/2 (4)
【0042】
図7は、本発明の第2実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。第2実施形態は第1実施形態と類似の構成を有するが、第2実施形態では位相シフター1と被処理基板3との間の光路中に結像光学系5を備えている点が第1実施形態と基本的に相違している。以下、第1実施形態との相違点に着目して、第2実施形態を説明する。なお、図7では、図面の明瞭化のために、照明系2の内部構成の図示を省略している。
【0043】
第2実施形態では、図7に示すように、被処理基板3は位相シフター1と光学的に共役な面(結像光学系5の像面)から光軸に沿って所定距離だけ離れて設定されている。なお、結像光学系5(および後述の結像光学系6)は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。いわゆる投影デフォーカス法にしたがう第2実施形態においても、位相シフター1を用いて、第1実施形態と同じ所望の光強度分布を被処理基板3上に形成し、所望の位置に結晶核を発生させることができるとともに、結晶核からの十分なラテラル成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【0044】
ところで、第1実施形態では被処理基板3におけるアブレーションに起因して位相シフター1が汚染され、ひいては良好な結晶化が妨げられることがある。これに対して、第2実施形態では、位相シフター1と被処理基板3との間に結像光学系5が介在し且つ被処理基板3と結像光学系5との間隔も比較的大きく確保されているので、被処理基板3におけるアブレーションの影響を受けることなく良好な結晶化を実現することができる。
【0045】
また、第2実施形態では、位相シフター1と被処理基板3との間に設定すべき間隔が非常に小さい(たとえば数μm〜数百μm)ので、位相シフター1と被処理基板3との間の狭い光路中に位置検出のための検出光を導入することが困難であり、ひいては位相シフター1と被処理基板3との間隔を調整することが困難である。これに対して、第2実施形態では、被処理基板3と結像光学系5との間隔が比較的大きく確保されているので、その間の光路中に位置検出のための検出光を導入して、被処理基板3と結像光学系5との位置関係を調整することが容易である。
【0046】
図8は、本発明の第3実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。第3実施形態は第2実施形態と類似の構成を有するが、第3実施形態では結像光学系6を介して位相シフター1と被処理基板3とが光学的に共役に配置されている点が第2実施形態と基本的に相違している。以下、第2実施形態との相違点に着目して、第3実施形態を説明する。なお、図8においても、図面の明瞭化のために、照明系2の内部構成の図示を省略している。
【0047】
第3実施形態では、結像光学系6は、その瞳(射出瞳)に配置された開口絞り6aを備えている。開口絞り6aは、開口部(光透過部)の大きさの異なる複数の開口絞りを有し、これらの複数の開口絞りは光路に対して交換可能に構成されている。あるいは、開口絞り6aは、開口部の大きさを連続的に変化させることのできる虹彩絞りを有する。いずれにしても、開口絞り6aの開口部の大きさ(ひいては結像光学系6の像側開口数)は、被処理基板3の半導体膜上において所定の光強度分布を発生させるように設定されている。
【0048】
いわゆる投影NA法にしたがう第3実施形態においても第1実施形態および第2実施形態と同様に、位相シフター1を用いて所望の光強度分布を被処理基板3上に形成し、所望の位置に結晶核を発生させることができるとともに、結晶核からの十分なラテラル成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。また、第3実施形態においても第2実施形態と同様に、被処理基板3におけるアブレーションの影響を受けることなく良好な結晶化を実現することができるとともに、被処理基板3と結像光学系6との位置関係を調整することが容易である。
【0049】
図9は、第3実施形態の変形例にかかる結晶化装置の要部構成および作用を概略的に示す図である。図9の変形例は第3実施形態と類似の構成を有するが、結像光学系6の瞳が一方の方向に沿った大きさと他方の方向に沿った大きさとが実質的に異なる形状を有する点が第3実施形態と基本的に相違している。以下、第3実施形態との相違点に着目して、図9の変形例を説明する。
【0050】
図9(a)を参照すると、結像光学系6の瞳に配置された開口絞り6aの開口部6bが円形状ではなく楕円形状になっている。すなわち、結像光学系6の瞳6bの大きさが第1方向(長径方向)17aに沿って最も大きく、第1方向と直交する第2方向(短径方向)17bに沿って最も小さくなっている。したがって、結像光学系6の瞳6bが最も大きい第1方向17aに沿ってボケ効果が最も小さく(解像度が最も高く)なり、瞳6bが最も小さい第2方向17bに沿ってボケ効果が最も大きく(解像度が最も低く)なる。
【0051】
その結果、第2方向17bに対応する位相シフト線の影響を受ける領域12bの方が、第1方向17aに対応する位相シフト線の影響を受ける領域12aよりも光強度の低い部分の幅が広くなる。光照射後、この光強度分布は温度分布に変換されるが、半導体が溶融した状態では熱拡散係数が大きくなるので、溶融している時間内に熱拡散により温度分布が平均化される。したがって、光強度の低い部分の幅が広いほど、熱拡散により平均化された後でも温度が低い(深い)状態に保たれる傾向が強い。その結果、ボケ効果の大きな領域12bは温度が低く(深く)、ボケ効果の小さな領域12aは温度が比較的高く(浅く)なる。こうして、第3実施形態の変形例では、位相シフト部10eに対応する領域11に結晶核13が発生するが、温度の高い(浅い)領域12aに沿ってラテラル成長が開始することなく、温度の低い(深い)領域12bに沿ってのみラテラル成長が優先的に開始することになる。その結果、第1実施形態の変形例と同様に、隣接する単結晶の影響を受けることなくラテラル成長するので、第3実施形態よりも大きな単結晶14を生成することができる。
【0052】
なお、上述の各実施形態では、4つの矩形状の領域10a〜10dが1つの頂点10eを共通として隣接配置された形態を有する位相シフター1を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成された位相シフターを用いることもできる。例えば、図10に示すように、6つ以上の三角形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有する位相シフターを用いることもできる。この場合、位相シフト部としての頂点に対応する領域に結晶核が発生し、6つの位相シフト線に対応する方向に沿ってラテラル成長することになる。なお、図10に示す位相シフターに対しても、図4の変形例および図9の変形例を適用することができる。
【0053】
また、上述の各実施形態では、位相シフト部において交わる位相シフト線の本数が一定(4本または6本)である例について説明した。しかしながら、これに限定されることなく、第1の偶数本の位相シフト線が交わる第1位相シフト部と、第2の偶数本の位相シフト線が交わる第2位相シフト部とを有し、複数の第1位相シフト部と複数の第2位相シフト部とが交互に配置された形態を有する位相シフターを用いることもできる。例えば、図11(a)に示すように、第1位相シフト部に4本の位相シフト線が交わり、第2位相シフト部に8本の位相シフト線が交わる位相シフターを用いることもできる。
【0054】
図11(a)に示す位相シフターでは、第1位相シフト部1aは4つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応し、第2位相シフト部1bは8つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応している。そして、第1位相シフト部1aと第2位相シフト部1bとが縦横に交互配置されている。この場合、図11(b)に示すように、8本の位相シフト線が交わる第2位相シフト部1bに対応する領域11bにおいて光強度が最も低く、4本の位相シフト線が交わる第1位相シフト部1aに対応する領域11aにおいて光強度が次に低く、位相シフト線に対応する領域(図中破線で示す)において光強度の比較的低い所定の光強度分布が形成される。すなわち、光強度が最も低い領域11bから光強度が次に低い領域11aへ向かう領域12dにおける光強度の変化勾配は、光強度が最も低い領域11bから光強度が最も低い別の領域11bへ向かう領域12cにおける光強度の変化勾配よりも小さくなる。これは、領域11bと領域11bとの間に領域11aが入ることにより、中間部の光強度が下がったためである。
【0055】
図12は、第1実施形態において図11の位相シフターを用いて被処理基板上で得られる光強度分布を等高線で模式的に示す図である。図12に示す光強度分布は、特定の数値例に基づいて得られたシミュレーション結果を模式的に示したものである。この数値例では、図11(a)に示す位相シフターにおいて8つの三角形状の領域が形成する正方形の寸法を10μm×10μm、光の波長λを248nm、位相シフターと被処理基板3との間隔Dを32μm、照明系2の射出瞳(第2フライアイレンズ2eの後側焦点面)に形成される面光源の形状を円形(すなわち円形照明)と想定している。
【0056】
図12(a)に示す光強度分布は、周辺よりも低い光強度を有する逆ピーク点11bを有し、逆ピーク点11bから周囲に向かって延び且つ光強度の変化勾配が周辺よりも低い4本の谷線12dを有する。そして、図12(b)を参照すると、谷線12dに沿った(図12(a)の線A−Aに沿った)光強度分布は変曲点を有することがわかる。こうして、図11(a)に示す位相シフターを用いる変形例では、光強度の最も小さい第2位相シフト部1bに対応する領域11bに結晶核13が発生する。
【0057】
そして、第2位相シフト部1bから第2位相シフト部1bへ向かう位相シフト線に対応する領域12cに沿ってラテラル成長が開始しにくく、第2位相シフト部1bから第1位相シフト部1aへ向かう位相シフト線に対応する領域12dに沿ってラテラル成長が優先的に開始する。領域12dに沿ったラテラル成長は、隣接するラテラル成長の影響を受けないので、比較的大きな単結晶14を生成することができる。このように、交わる位相シフト線の本数が異なる位相シフト部を交互配置した位相シフターを用いることにより、被処理基板上で得られる光強度分布を制御し易くなり、設計の自由度を増すことができる。なお、図11(a)に示す位相シフターに対しても、図4の変形例および図9の変形例を適用することができる。
【0058】
ところで、図4の変形例および図9の変形例では、照明系2の射出瞳および結像光学系6の瞳6bを2回対称な楕円形状に設定している。しかしながら、これに限定されることなく、照明系2の射出瞳および結像光学系6の瞳6bが一方の方向に沿った大きさと他方の方向に沿った大きさとが実質的に異なる形状(たとえば長方形など)を有するように設定することもできる。
【0059】
なお、上述の各実施形態において、光強度分布は設計の段階でも計算できるが、実際の被処理面(被露光面)での光強度分布を観察して確認しておくことが望ましい。そのためには、被処理面を光学系で拡大し、CCDなどの撮像素子で入力すれば良い。使用光が紫外線の場合は、光学系が制約を受けるため、被処理面に蛍光板を設けて可視光に変換しても良い。
【0060】
図13は、各実施形態の結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。図13(a)に示すように、絶縁基板80(例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNおよび膜厚100nmのSiO積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなど)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜することにより、被処理基板3を準備する。そして、各実施形態の結晶化装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の一部もしくは全部に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
【0061】
こうして、図13(b)に示すように、大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84が生成される。次に、図13(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を島状の半導体膜85に加工し、ゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図13(d)に示すように、ゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)を注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、450°Cで1時間)を行い、不純物を活性化する。次に、図13(e)に示すように、層間絶縁膜89を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネル90でつながるソース91およびドレイン92に接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
【0062】
以上の工程において、図13(a)および(b)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶の位置に合わせて、チャネル90を形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体トランジスタを形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶ディスプレイやEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成された位相シフターを用いているので、位相シフト部に対応する領域に結晶核を発生させることができ、ライン型の位相シフターと比べて比較的大きなデフォーカス効果やボケ効果を加えられるので、位相シフト部に対応する領域における光強度分布は不規則なうねりを伴うことがない。したがって、結晶核から周囲に向かって開始したラテラル成長が途中で停止することなく、大粒径の単結晶が生成される。その結果、本発明では、所望の位置に結晶核を発生させることができるとともに、結晶核からの十分なラテラル成長を実現して大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】第1実施形態における位相シフターの基本単位部分の構成および作用を概略的に示す図である。
【図3】第1実施形態において図2の位相シフターを用いて被処理基板上で得られる光強度分布を等高線で模式的に示す図である。
【図4】第1実施形態の変形例にかかる結晶化装置の要部構成および作用を概略的に示す図である。
【図5】第1実施形態の変形例において図2の位相シフターを用いて被処理基板上で得られる光強度分布を等高線で模式的に示す図である。
【図6】第1実施形態の変形例において必要な照明系の射出瞳の大きさを説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。
【図9】第3実施形態の変形例にかかる結晶化装置の要部構成および作用を概略的に示す図である。
【図10】各実施形態および各変形例において適用可能な位相シフターの別の形態を概略的に示す図である。
【図11】各実施形態および各変形例において適用可能な位相シフターのさらに別の形態の構成および作用を概略的に示す図である。
【図12】第1実施形態において図11の位相シフターを用いて被処理基板上で得られる光強度分布を等高線で模式的に示す図である。
【図13】各実施形態の結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。
【図14】ライン型の位相シフターの構成および作用を説明する図である。
【図15】ライン型の位相シフターを用いて得られる光強度分布を示す図である。
【符号の説明】
1 位相シフター
2 照明系
2a KrFエキシマレーザ光源
2b ビームエキスパンダ
2c,2e フライアイレンズ
2d,2f コンデンサー光学系
3 被処理基板
4 基板ステージ
5,6 結像光学系
6a 開口絞り

Claims (25)

  1. 位相シフターを照明する照明系を備え、前記位相シフターの位相シフト部に対応する領域において光強度の最も小さい所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置において、
    前記位相シフターは、前記位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成されていることを特徴とする結晶化装置。
  2. 前記位相シフターは、4つの矩形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶化装置。
  3. 前記位相シフターは、6つ以上の三角形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶化装置。
  4. 前記位相シフターは、第1の偶数本の位相シフト線が交わる第1位相シフト部と、第2の偶数本の位相シフト線が交わる第2位相シフト部とを有し、複数の第1位相シフト部と複数の第2位相シフト部とが交互に配置された形態を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶化装置。
  5. 前記第1位相シフト部は4本の位相シフト線が交わる点に対応し、前記第2位相シフト部は8本の位相シフト線が交わる点に対応していることを特徴とする請求項4に記載の結晶化装置。
  6. 前記第1位相シフト部は4つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応し、前記第2位相シフト部は8つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応していることを特徴とする請求項5に記載の結晶化装置。
  7. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとは互いにほぼ平行に且つ近接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の結晶化装置。
  8. 前記照明系の射出瞳は、一方の方向に沿った大きさと他方の方向に沿った大きさとが実質的に異なる形状を有することを特徴とする請求項7に記載の結晶化装置。
  9. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間隔をDとし、光の波長をλとし、前記照明系の射出瞳が最も大きい方向に沿った前記位相シフターへの光の最大入射角をθmaxとし、前記照明系の射出瞳が最も小さい方向に沿った前記位相シフターへの光の最大入射角をθminとするとき、
    D×tan(θmin)<1.2×(λD/2)1/2
    D×tan(θmax)>1.2×(λD/2)1/2
    の条件を満足することを特徴とする請求項8に記載の結晶化装置。
  10. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に配置された結像光学系をさらに備え、
    前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜は、前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の結晶化装置。
  11. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に配置された結像光学系をさらに備え、
    前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜は、前記位相シフターと光学的にほぼ共役な面に設定され、
    前記結像光学系の像側開口数は、前記所定の光強度分布を発生させるための所要の値に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の結晶化装置。
  12. 前記結像光学系の瞳は、一方の方向に沿った大きさと他方の方向に沿った大きさとが実質的に異なる形状を有することを特徴とする請求項11に記載の結晶化装置。
  13. 所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置において、
    前記所定の光強度分布は、周辺よりも低い光強度を有する逆ピーク点を有し、該逆ピーク点から周囲に向かって延び且つ光強度の変化勾配が周辺よりも低い谷線を2本以上有することを特徴とする結晶化装置。
  14. 前記谷線に沿った光強度分布は変曲点を有することを特徴とする請求項13に記載の結晶化装置。
  15. 位相シフターを照明し、前記位相シフターの位相シフト部に対応する領域において光強度の最も小さい所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法において、
    前記位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成された位相シフターを用いることを特徴とする結晶化方法。
  16. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとを互いにほぼ平行に且つ近接して配置することを特徴とする請求項15に記載の結晶化方法。
  17. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に結像光学系を配置し、
    前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜の表面を前記位相シフターと光学的に共役な面から前記結像光学系の光軸に沿って所定距離だけ離れて設定することを特徴とする請求項15に記載の結晶化方法。
  18. 前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜と前記位相シフターとの間の光路中に結像光学系を配置し、
    前記結像光学系の像側開口数を前記所定の光強度分布を発生させるための所要の値に設定し、
    前記結像光学系を介して前記位相シフターと光学的に共役な位置に前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜を設定することを特徴とする請求項15に記載の結晶化方法。
  19. 所定の光強度分布を有する光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法において、
    周辺よりも低い光強度を有する逆ピーク点を有し、該逆ピーク点から周囲に向かって延び且つ光強度の変化勾配が周辺よりも低い谷線を2本以上有する光強度分布の光を、前記多結晶半導体膜または前記非晶質半導体膜に照射することを特徴とする結晶化方法。
  20. 位相シフト部を構成する点において交わる4本以上の偶数本の位相シフト線を有し、各位相シフト線について一方の側の領域と他方の側の領域とが約180度の位相差を有するように構成されていることを特徴とする位相シフター。
  21. 4つの矩形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有することを特徴とする請求項20に記載の位相シフター。
  22. 6つ以上の三角形状の領域が1つの頂点を共通として隣接配置された形態を有することを特徴とする請求項20に記載の位相シフター。
  23. 第1の偶数本の位相シフト線が交わる第1位相シフト部と、第2の偶数本の位相シフト線が交わる第2位相シフト部とを有し、複数の第1位相シフト部と複数の第2位相シフト部とが交互に配置された形態を有することを特徴とする請求項20に記載の位相シフター。
  24. 前記第1位相シフト部は4本の位相シフト線が交わる点に対応し、前記第2位相シフト部は8本の位相シフト線が交わる点に対応していることを特徴とする請求項23に記載の位相シフター。
  25. 前記第1位相シフト部は4つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応し、前記第2位相シフト部は8つの三角形状の領域が共通とする1つの頂点に対応していることを特徴とする請求項24に記載の位相シフター。
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