JPH08148423A - レーザアニーリング方法 - Google Patents

レーザアニーリング方法

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JPH08148423A
JPH08148423A JP28547194A JP28547194A JPH08148423A JP H08148423 A JPH08148423 A JP H08148423A JP 28547194 A JP28547194 A JP 28547194A JP 28547194 A JP28547194 A JP 28547194A JP H08148423 A JPH08148423 A JP H08148423A
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周一 藤川
Akihiro Suzuki
昭弘 鈴木
Mitsuo Inoue
満夫 井上
Takeo Haruta
健雄 春田
Shigenori Yagi
重典 八木
Yoshiyuki Goto
令幸 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な結晶性のポリシリコン層を形成できる
レーザアニーリング方法を得ることを目的とする。 【構成】 ビーム整形光学系27,28により、レーザ
発振器21から放射されたレーザビームのビーム断面形
状を整形して、ビーム断面形状が長方形状であってその
長手方向において基板31のアモルファスシリコン膜上
の被ポリシリコン化部の縦方向及び横方向のいずれか一
方よりも長い長さを有する線状レーザビームを生成す
る。そして、線状レーザビームを該レーザビームの幅方
向に被ポリシリコン化部上を相対的に移動させて照射
し、被ポリシリコン化部の全域を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基板上に形成された
アモルファスシリコン膜をレーザ照射によりポリシリコ
ン化するレーザアニーリング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図38は例えば特開平5−175235
号公開公報に開示された従来のレーザアニーリング方法
を説明するための図であり、図において、1は駆動回路
を作り込む部分、2は画素を作り込む部分、3は薄膜ト
ランジスタ(TFT)形成部、11はレーザビームスポ
ット、12はレーザビームの走査方向を示す矢印であ
る。
【0003】半導体膜としてアモルファスシリコンを用
いた薄膜トランジスタをスイッチング素子とする液晶デ
ィスプレイが実用化されているが、高精細化に伴って画
素サイズが小さくなってきており、薄膜トランジスタ部
の占有面積を極力小さくするために、アモルファスシリ
コンをより動作速度の速いポリシリコンに置き換えよう
とする開発が進んでいる。さらに、薄膜トランジスタを
駆動する回路までも、ポリシリコンを用いた薄膜トラン
ジスタを用いて形成していこうとしており、ポリシリコ
ンが液晶ディスプレイにおけるキーマテリアルとなって
きている。
【0004】ポリシリコン層を得る手段として、図38
に示したようなガラス基板等の基板上に形成されたアモ
ルファスシリコン層をレーザでアニーリングし、溶融再
結晶化する方法が有り、全体を高温に加熱する必要がな
いため、安価なガラスを基板として用いることができる
方法として期待されている。
【0005】アモルファス層全域を一度に照射するに
は、極めて大きなレーザ出力が必要となるため、従来は
矩形ビームをステップ毎に重ねあわせて照射して全域を
アニーリングする手法がとられていた。しかし、重ねあ
わせの部分とそれ以外の部分で結晶性が異なり、これを
ベースに構成される薄膜トランジスタの特性が均一でな
くなるため液晶画面にムラが生じるなどの問題点があっ
た。
【0006】一方、レーザの必要出力を少しでも少なく
する方法として、図38に示したように、アモルファス
層全域ではなく薄膜トランジスタを形成する部分のみを
照射する方法が提案されている。
【0007】次に動作について説明する。図38から明
らかなように、薄膜トランジスタが形成される部分は幅
数μm〜数十μmで一列に並んでおり、このような列が
数百列並ぶ構成となっている。ポリシリコンが必要な所
は当該部分のみであるので、レーザ発振器から放射され
た点状のガウシャンレーザビームはビームホモジナイザ
で整形された後、1つの薄膜トランジスタの幅より大き
い幅を有した均一な強度分布を有するレーザビームが当
該薄膜トランジスタが形成される部分に限定して照射さ
れる。これにより、レーザ出力は少なくてすむと言うわ
けである。また、薄膜トランジスタ一列分のレーザアニ
ーリングは、図38に示すように矢印12で示す薄膜ト
ランジスタ一列の長手方向にレーザ光を走査することに
より達成される。尚、レーザ光を走査するのに代わっ
て、基板をステージ等により矢印12とは逆方向に並進
移動させてもよい。
【0008】図39は例えば電子情報通信学会論文誌1
993/5Vol.J76−C−IINo.5,p24
1−248に示されている従来の他のレーザアニーリン
グ方法を説明するための構成図であり、図において、2
1はレーザ発振器、22はレーザ発振器21から放射さ
れたレーザ光、23はレーザ光路のX軸を調整する反射
ミラー、24はレーザ光路のY軸を調整する反射ミラ
ー、25は反射ミラー23,24を制御するモータコン
トロールシステム、26a,26bはモータコントロー
ルシステム25と反射ミラー23,24を接続する信号
線、27はビームホモジナイザ、29は真空チャンバ、
30は真空チェンバ29に設けられた窓、31はアニー
リング加工対象物、19はヒータ、33は真空ポンプで
ある。
【0009】次に動作について説明する。アニーリング
用レーザ発振器21としては例えばエキシマレーザが用
いられる。図39に示した従来例の場合、ArFエキシ
マレーザが用いられており、レーザ光のパルス幅は17
nsである。図40はレーザ発振パルス波形の一例を示
す図である。レーザ光のパルス幅はレーザ発振パルス波
形の半値幅で定義している。以下、この明細書におい
て、レーザ光のパルス幅はレーザ発振パルス波形の半値
幅であるとする。レーザ発振器21から出射されたレー
ザ光22は反射ミラー23,24により偏向、走査さ
れ、ビームホモジナイザ27により約3mm角の領域に
ビーム強度の均一化を行なった後、窓30を通じて真空
チャンバ29内のアニーリング加工対象物31に照射さ
れる。尚、真空チャンバ29内は真空ポンプ33により
1×10-4Pa以下の圧力に保たれる。
【0010】レーザ光が照射されるとアニーリング加工
対象物31の表面の温度が急上昇し、溶融する。そして
アニーリング加工対象物31に到達するレーザ光が途絶
えるとアニーリング加工対象物31の表面温度が低下
し、この過程で表面の結晶化が起こる。薄膜トランジス
タ形成部のアニーリング加工では、基板上に形成された
アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射してこの部分
を溶融し、その冷却過程でポリシリコンの結晶を成長さ
せる。得られた結晶の粒塊が大きい程この部分の電子移
動度が高くなり、製作する薄膜トランジスタの動作速度
が速くなる。それ故、薄膜トランジスタ形成部のアニー
リング加工では、粒塊の大きなポリシリコン結晶を得る
ことが課題となっている。
【0011】また、溶融再結晶時のポリシリコン結晶の
粒塊サイズは、溶融後の温度低下速度が遅く結晶化のた
めの時間を長く取れるほど大きくなる傾向がある。従っ
て、レーザ光を用いたアモルファスシリコン膜のアニー
リングにおいて、アモルファスシリコンが一旦溶融し再
結晶化する際の温度低下速度を低減することにより、粒
塊が大きく電子移動度の高いポリシリコン層を形成する
ことができる。このため、単一のレーザ光を用いた従来
のレーザアニーリング方法においては、アニーリング加
工対象物31であるアモルファスシリコン薄膜を形成し
た基板全体をヒータ19で加熱することにより温度低下
速度の低減を図っていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のアニーリング方
法は以上のように構成されているので、アモルファスシ
リコンが溶融し再結晶化した再結晶化部内に溶融部の流
動により生じた波紋状の不均一性層が混入してしまい、
特性の揃った薄膜トランジスタが形成されないという問
題点があった。図41は例えば特開平5ー175235
号公開公報に開示されたレーザアニーリング方法等によ
る照射結果を示している。このように、従来はレーザビ
ームを走査して薄膜トランジスタ一列分のアニーリング
を行っているので、溶融部の流動により生じた波紋状の
不均一性層5が再結晶化部4内に混入してしまうという
問題点があった。
【0013】また、レーザ発振パルス幅の短いパルスレ
ーザを用いた従来のレーザアニーリング方法では、発振
停止後の溶融部温度低下速度が大きく、それ故、粒塊が
大きく電子移動度の高いポリシリコン結晶が得られない
という問題点があった。特に、エキシマレーザ光を長い
細線ビームとして用いている場合、市販のエキシマレー
ザの発振パルス幅が10〜20nsと非常に短いのに加
えて、加工対象物表面にてビーム照射部と非照射部との
境界領域が長いことにより熱拡散が大きいので、この問
題点が顕著に現われていた。
【0014】さらに、基板の加熱に使用するヒータはジ
ュール熱を利用しており、熱伝導により基板全体の温度
を一様に上昇させてなくてはならないため、目的の温度
に到達するまでに時間を要するという問題点があった。
また、基板全体を加熱しなければならないため、ポリシ
リコン化を要するトランジスタ形成部以外の領域におい
て不要な熱が消費されるという問題点があった。
【0015】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、薄膜トランジスタが形成される
部分近傍をアニーリング対象領域とすべく線状レーザビ
ームを生成し、これにより該領域において均一な結晶性
のポリシリコン層を形成できるレーザアニーリング方法
を得ることを目的とする。
【0016】また、この発明は、細線状のレーザビーム
を用いたレーザアニーリング方法において線状レーザビ
ームの重なりを防止して画素一列分を一括して照射し、
均一な結晶性のポリシリコン層を形成できるレーザアニ
ーリング方法を得ることを目的とする。
【0017】また、この発明は、細線状のレーザビーム
を用いたレーザアニーリング方法において線状レーザビ
ームの重なりを防止して画素複数列分を一括して照射
し、加工速度を上げることができるレーザアニーリング
方法を得ることを目的とする。
【0018】また、この発明は、細線状のレーザビーム
を用いたレーザアニーリング方法において溶融再結晶時
の温度低下速度を小さくすることにより粒径が大きく電
子移動度の高いポリシリコン結晶を形成できるレーザア
ニーリング方法を得ることを目的とする。
【0019】さらに、この発明は、細線状のレーザビー
ムを用いたレーザアニーリング方法においてポリシリコ
ン化する領域周囲を確実に補助加熱することにより粒径
が大きく電子移動速度の高いポリシリコン層を形成でき
るレーザアニーリング方法を得ることを目的とする。
【0020】さらに、この発明は、細線状のレーザビー
ムを用いたレーザアニーリング方法において均一で安定
した強度分布を有した線状レーザビームを生成し、安定
で均一な加工を行うことができるレーザアニーリング方
法を得ることを目的とする。
【0021】さらに、この発明は、細線状のレーザビー
ムを用いたレーザアニーリング方法において線幅の方向
でより均一な強度分布を有した線状レーザビームを生成
し、安定で均一な加工を行うことができる上に照射位置
のアライメント精度を緩和できるレーザアニーリング方
法を得ることを目的とする。
【0022】さらに、この発明は、細線状のレーザビー
ムを用いたレーザアニーリング方法においてレーザビー
ムの加工対象物への入射角度を一定に維持し安定で均一
な加工を行うことができるレーザアニーリング方法を得
ることを目的とする。
【0023】さらにまた、この発明は、細線状のレーザ
ビームを用いたレーザアニーリング方法において線幅の
細い線状レーザビームを生成し、高精度な加工を行うこ
とができるレーザアニーリング方法を得ることを目的と
する。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るレ
ーザアニーリング方法は、レーザ発振器から放射された
レーザビームのビーム断面形状を整形して、ビーム断面
形状が長方形状であり、且つその長手方向においてアモ
ルファスシリコン膜上の被ポリシリコン化部の縦方向及
び横方向のいずれか一方の長さよりも長い長さを有する
線状レーザビームを生成する線状ビーム生成ステップ
と、線状レーザビームを該レーザビームの幅方向に被ポ
リシリコン化部上を相対的に移動させて照射し、被ポリ
シリコン化部の全域を照射する照射ステップとを含むも
のである。
【0025】請求項2の発明に係るレーザアニーリング
方法は、レーザ発振器から放射されたレーザビームのビ
ーム断面形状を整形して、ビーム断面形状が長方形状で
あり、且つその長手方向においてポリシリコン化により
基板上に形成される薄膜トランジスタ形成部の1列分よ
りも長い長さを有し、幅方向において薄膜トランジスタ
形成部の幅より広く、且つ薄膜トランジスタ形成部の列
間隔より小さい幅を有する線状レーザビームを生成する
線状ビーム生成ステップと、線状レーザビームを用いて
薄膜トランジスタ形成部の一列分を一括照射する照射ス
テップとを含むものである。
【0026】請求項3の発明に係るレーザアニーリング
方法は、線状ビーム生成ステップにおいて、長手方向に
おいて基板上に形成される薄膜トランジスタ形成部の1
列分よりも長い長さを有し、幅方向において薄膜トラン
ジスタ形成部の幅より広く、且つ薄膜トランジスタ形成
部の列間隔より小さい幅を有する線状レーザビームを複
数生成し、照射ステップにおいて、複数の線状レーザビ
ームを使用して薄膜トランジスタ形成部の複数列分を一
括照射するものである。
【0027】請求項4の発明に係るレーザアニーリング
方法は、基板上に照射される線状レーザビームのパルス
幅が50ns以上であるものである。
【0028】請求項5の発明に係るレーザアニーリング
方法は、50ns以上のパルス幅のレーザビームを生成
するために、レーザ発振器から放射されたレーザビーム
を複数のレーザビームに分割し、該複数のレーザビーム
のうちの少なくとも1つのレーザビームを他のレーザビ
ームに対して遅延させ、複数のレーザビームを重畳して
基板上に照射する光学的遅延ステップをさらに含むもの
である。
【0029】請求項6の発明に係るレーザアニーリング
方法は、レーザ発振器が、レーザ媒質としてのレーザガ
ス中において相対して設けられた第1及び第2の主電極
と、第1及び第2の主電極に並列に接続されたスパイカ
コンデンサと、第1及び第2の主電極にスイッチング素
子を介して並列に接続されたサステイナコンデンサと、
スパイカコンデンサを充電するスパイカ充電用電源と、
サステイナコンデンサを充電するサステイナ充電用電源
とを具備するものである。
【0030】請求項7の発明に係るレーザアニーリング
方法は、アニール用のレーザ発振器とは別に設けられた
他のレーザ発振器を使用して、アモルファスシリコン膜
又は基板を補助加熱する補助加熱ステップをさらに含ん
でおり、補助加熱用の他のレーザ発振器から放射された
レーザビームは、長手方向においてアニール用レーザビ
ームの長さより大きな長さを有し、且つ幅方向において
アニール用レーザビームの幅より大きな幅を有してお
り、更に、アニール用レーザビームパルスの時間幅より
も長いパルス状のレーザビームか又は定常発振のレーザ
ビームであり、補助加熱ステップにおいて同一の被ポリ
シリコン化部に対しアニール用及び補助加熱用レーザビ
ームを同時に一括照射し、且つ補助加熱用レーザビーム
の照射中にアニール用レーザビームの照射が完了するも
のである。
【0031】請求項8の発明に係るレーザアニーリング
方法は、線状ビーム生成ステップにおいて、レーザ発振
器から放射されたレーザビームを線状に整形すべく、遠
視野で複数の点を少なくとも1つの直線上に任意の位相
で結像するフーリエ変換型位相ホログラムを用いるもの
である。
【0032】請求項9の発明に係るレーザアニーリング
方法は、遠視野で複数の点を互いに平行な複数の直線上
にそれぞれ任意の位相で結像する位相ホログラムを用い
るものである。
【0033】請求項10の発明に係るレーザアニーリン
グ方法は、フーリエ変換型位相ホログラムによって結像
される複数の点に相当する複数のレーザビームがアモル
ファスシリコン膜に対して実質的に垂直に入射すべくフ
ーリエ変換型位相ホログラムの後方にレンズの前側の焦
点位置にフーリエ変換型位相ホログラムが配置されたも
のである。
【0034】請求項11の発明に係るレーザアニーリン
グ方法は、線状ビーム生成ステップにおいて線状レーザ
ビームを生成する前に、少なくとも線状のレーザビーム
の幅方向に相当するレーザビームの一断面方向にビーム
幅を拡大するステップをさらに含むものである。
【0035】請求項12の発明に係るレーザアニーリン
グ方法は、レーザ発振器が、少なくとも線状レーザビー
ムの幅方向に相当するレーザビームの一断面方向に関す
るビーム発散角を低減するための不安定型共振器を具備
するものである。
【0036】
【作用】請求項1の発明におけるレーザアニーリング方
法は、レーザ発振器から放射されたレーザビームのビー
ム断面形状を整形して、長手方向においてアモルファス
シリコン膜上の被ポリシリコン化部の縦方向及び横方向
のいずれか一方の長さよりも長い長さを有する線状レー
ザビームを生成し、線状レーザビームを該レーザビーム
の幅方向に被ポリシリコン化部上を相対的に移動させて
照射し、被ポリシリコン化部の全域を照射する。このよ
うに、線状レーザビームを用いて長手方向において被ポ
リシリコン化部のいずれかの辺の長さよりも長い長さの
領域を一括照射するので、レーザビームの重ね合わせ部
に見られるような結晶の不均一性や、連続発振のレーザ
ビームを走査することによる再結晶化部の波紋状の不均
一性がなく、照射部長手方向全域にわたって均一なポリ
シリコン結晶が得られる。
【0037】請求項2の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、線状レーザビームを生成する際に、長手方向
においてポリシリコン化により基板上に形成される薄膜
トランジスタ形成部の1列分よりも長い長さを有し、幅
方向において薄膜トランジスタ形成部の幅より広く、且
つ薄膜トランジスタ形成部の列間隔より小さい幅を有す
る線状レーザビームを生成し、薄膜トランジスタ形成部
の一列分を一括照射する。このように、線状レーザビー
ムを用いて長手方向において薄膜トランジスタ形成部の
1列分よりも長い長さの領域を一括照射するので、レー
ザビームの重ね合わせ部に見られるような結晶の不均一
性や、連続発振のレーザビームを走査することによる再
結晶化部の波紋状の不均一性がなく、照射部長手方向全
域にわたって均一なポリシリコン結晶が得られる。
【0038】請求項3の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、線状レーザビームを生成する際に、長手方向
において基板上に形成される薄膜トランジスタ形成部の
1列分よりも長い長さを有し、幅方向において薄膜トラ
ンジスタ形成部の幅より広く、且つ薄膜トランジスタ形
成部の列間隔より小さい幅を有する線状レーザビームを
複数生成し、複数の線状レーザビームを使用して薄膜ト
ランジスタ形成部の複数列分を一括照射する。このよう
に、線状レーザビームを用いて長手方向において薄膜ト
ランジスタ形成部の1列分よりも長い長さの複数の領域
を一括照射するので、レーザビームの重ね合わせ部に見
られるような結晶の不均一性や、連続発振のレーザビー
ムを掃引することによる再結晶化部の波紋状の不均一性
がなく、照射部長手方向全域にわたって均一なポリシリ
コン結晶が得られる上に加工速度を向上させ得る。
【0039】請求項4の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、パルス幅が50ns以上である線状レーザビ
ームを用いて基板上のアモルファスシリコン膜を照射す
る。これにより、アニーリング加工時に幅方向の拡散に
より失われる熱を補い、十分な加熱効果を得ることがで
きる。従って、アモルファスシリコンを線状レーザビー
ムにて十分加熱することができ、溶融後結晶化が進む部
分の時間を長くすることができる。この結果、粒塊が大
きく電子移動度の高い良質のポリシリコン結晶を得るこ
とができる。
【0040】請求項5の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、レーザ発振器から放射されたレーザビームを
複数のレーザビームに分割し、複数のレーザビームのう
ちの少なくとも1つのレーザビームを他のレーザビーム
に対して遅延させ、複数のレーザビームを重畳して基板
上に照射する。これにより、照射するレーザビームのパ
ルス幅を見かけ上増大させることができ、アニーリング
加工時に幅方向の拡散により失われる熱を補い、十分な
加熱効果を得ることができる。従って、アモルファスシ
リコンを線状レーザビームにて十分加熱することがで
き、溶融後結晶化が進む部分の時間を長くすることがで
きる。この結果、粒塊が大きく電子移動度の高い良質の
ポリシリコン結晶を得ることができる。
【0041】請求項6の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、スパイカ充電用電源により充電されたスパイ
カコンデンサから第1及び第2の主電極間に電力を供給
し、第1及び第2の主電極間の放電を開始させる。この
時点まではスイッチング素子はオフしており、第1及び
第2の主電極間の放電はスパイカコンデンサのみから供
給されるエネルギにより生ずる。次に、サステイナコン
デンサをサステイナ充電電源により充電した後、スパイ
カ回路による放電が終了する前にスイッチング素子をオ
ンする。この結果、スパイカ回路から供給されるエネル
ギで開始された主放電部に、サステイナコンデンサに充
電したエネルギが注入される。これにより、レーザ発振
器はパルス幅が大きいレーザビームを発振し、アニーリ
ング加工時に幅方向の拡散により失われる熱を補い、十
分な加熱効果を得ることができる。従って、アモルファ
スシリコンを線状レーザビームにて十分加熱することが
でき、溶融後結晶化が進む部分の時間を長くすることが
できる。この結果、粒塊が大きく電子移動度の高い良質
のポリシリコン結晶を得ることができる。
【0042】請求項7の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、アモルファスシリコン膜をポリシリコン化す
るアニール用のレーザ発振器とは別に設けられた他のレ
ーザ発振器を使用して、アモルファスシリコン膜又は基
板を補助加熱する。この際、補助加熱用の他のレーザ発
振器から放射されたレーザビームは、長手方向において
アニール用レーザビームの長さより大きな長さを有し且
つ幅方向においてアニール用レーザビームの幅より大き
な幅を有しており、更に、アニール用レーザビームパル
スの時間幅よりも長いパルス状のレーザビームか又は定
常発振のレーザビームである。また、補助加熱する際
に、同一の被ポリシリコン化部に対しアニール用及び補
助加熱用レーザビームを同時に一括照射し、且つ補助加
熱用レーザビームの照射中にアニール用レーザビームの
照射が完了する。これにより、基板全体を加熱すること
なく効果的に再結晶時の温度低下速度の低減を図ること
が可能となり、熱の影響を考慮することなく設計し得る
簡易な基板保持機構のもとで、精度よく瞬時に効率的な
アニーリングを行い、粒径が大きく均一な結晶性を有す
るポリシリコン層を得ることができる。
【0043】請求項8の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、線状レーザビームを生成する際、フーリエ変
換型位相ホログラムを用いてレーザ発振器から放射され
たレーザビームから、遠視野で複数の点を生成して少な
くとも1つの直線上に任意の位相で結像する。これによ
り、一直線上に多数の集光スポットを作りそれらを重ね
合せることにより、長手方向に均一な光強度分布を有す
る線状レーザビームを生成し、安定で均一なアニールを
行うことができる。
【0044】請求項9の発明におけるレーザアニーリン
グ方法は、フーリエ変換型位相ホログラムを用いて遠視
野で複数の点を互いに平行な複数の直線上にそれぞれ任
意の位相で結像する。これにより、複数の平行な直線上
に多数の集光スポットを作りそれらを重ね合せることに
より、より均一な光強度分布を有する線状レーザビーム
を生成し、安定で均一なアニールを行うことができる。
【0045】請求項10の発明におけるレーザアニーリ
ング方法は、レンズを用いてフーリエ変換型位相ホログ
ラムによって結像される複数の点に相当する複数のビー
ムがアモルファスシリコン膜に対して実質的に垂直に入
射するように調整する。従って、分割されて基板へ照射
されるレーザビームそれぞれの光軸が全て基板に対して
垂直になるので、入射角の変動によって基板へのエネル
ギー吸収率が変化することがなくなり、安定で均一なア
ニールを行うことができる。
【0046】請求項11の発明におけるレーザアニーリ
ング方法は、線状レーザビームを生成する際、前もっ
て、少なくとも線状のレーザビームの幅方向に相当する
レーザビームの一断面方向にビーム幅を拡大する。従っ
て、線状レーザビームの幅を小さくでき、ビーム発散角
の大きなレーザ発振器が使用できる。また、ビーム幅が
小さくなるに伴いトランジスタ形成部の列間隔を小さく
できるので、高精細の液晶ディスプレイを製作すること
ができる。
【0047】請求項12の発明におけるレーザアニーリ
ング方法は、レーザ発振器が具備する不安定共振器によ
り、少なくとも線状レーザビームの幅方向に相当するレ
ーザビームの一断面方向に関するビーム発散角を低減す
る。従って、幅方向のビーム発散角を小さくすることに
より、線状レーザビームの幅を小さくできる。それ故、
ビーム幅が小さくなるに伴いトランジスタ形成部の列間
隔を小さくできるので、高精細の液晶ディスプレイを製
作することができる。
【0048】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1はこの発明の一実施例によるレーザアニーリン
グ方法を示す説明図であり、図1(a)はこの実施例に
よるレーザアニーリング方法が適用される、アモルファ
スシリコンの薄膜が形成された、例えばガラス基板の平
面図を示しており、図1(b)は図1(a)のガラス基
板に照射される、この実施例によるレーザアニーリング
方法に使用されるレーザビームのビーム長手方向のレー
ザ光強度分布を示す図である。図1(a)において、1
はガラス基板の駆動回路を作り込む部分、2は画素を作
り込む部分、3は薄膜トランジスタ(TFT)形成部、
6は長手方向において薄膜トランジスタ形成部3の1列
分よりも長い長さを有し、幅方向において薄膜トランジ
スタ形成部3の幅より広く且つ、トランジスタが形成さ
れる列の間隔より小さい幅を有するような線状レーザビ
ームが基板上に投影されたビームスポットである。
【0049】図2はこの実施例によるレーザアニーリン
グ方法を実現する装置であり、上記したような断面形状
を有するレーザビームを生成して、基板に照射するため
のレーザアニーリング装置を概略的に示すブロック図で
あり、21はエキシマレーザ等のレーザ発振器、22は
レーザ光、23はレーザ光路のX軸を調整する反射ミラ
ー、24はレーザ光路のY軸を調整する反射ミラー、2
5は反射ミラー23,24を制御するモータコントロー
ルシステム、26a,26bはモータコントロールシス
テム25と反射ミラー23,24を接続する信号線、2
7はレーザビームの強度分布を均一にするためのビーム
ホモジナイザ、28はビームホモジナイザ27から出射
したレーザビームを細線状の形状に整形して集光するた
めのレンズ系(例えば、シリンドリカルレンズ)、29
は真空チャンバ、30は真空チャンバ29に取り付けら
れたレーザ光を導入するための窓、31はアニーリング
加工対象物、32はアニーリング加工対象物31を載置
するための台、33は真空ポンプである。尚、線状ビー
ム生成ステップは、主にビームホモジナイザ27及びレ
ンズ28によって実現され、照射ステップは、主に反射
ミラー23,24及び台32によって実現される。ま
た、ビームホモジナイザ27及びレンズ28は、線状レ
ーザビームを生成するためのビーム整形光学系を構成す
る。
【0050】図3及び図4はビームホモジナイザ27の
構成例を示す図である。ビームホモジナイザ27は、線
状レーザビームのような均一な強度分布を作り出すビー
ム整形光学系として用いられ、図3は「プロシーディン
グズ オブ エス・ピー・アイ・イー、第1377巻、
第30−35頁(Proceedings of SPIE Vol1377 p30-3
5)」に示されたビームホモジナイズ光学系を示してお
り、271はフライアイレンズ、272はコリメートレ
ンズである。この例では、レーザ光はフライアイレンズ
271によって多数の部分に分割されると同時に、それ
ぞれが拡大され、重ね合わされる。その後、コリメート
レンズ272によってコリメートされて均一な強度分布
のレーザビームが生成される。図4は同様に「プロシー
ディングズオブ エス・ピー・アイ・イー、第1377
巻、第30−35頁 (Proceedingsof SPIE Vol1377 p30
-35) 」に示された、ビームホモジナイズ光学系の第2
の例であり、273はプリズムである。この例では、レ
ーザ光はプリズム273で中央から分割され、それぞれ
が偏向されて重ね合わされることによって、均一な強度
分布を有するレーザビームが生成される。ビームホモジ
ナイザ27としては、図3又は図4に記載された光学系
が使用されるが、これに限定されるものではない。後述
するように、このようなビームホモジナイザは、良好な
均一強度分布を有するレーザビームを生成するのが困難
であるという問題点を抱えている。
【0051】次に動作について説明する。エキシマレー
ザ等のレーザ発振器21から出射されたレーザ光22
は、反射ミラー23,24により走査され、ビームホモ
ジナイザ27によりビーム強度の均一化を行なった後、
その断面形状はレンズ系28により細線状に整形され且
つ集光され、窓30を通じて真空チャンバ29内のアニ
ーリング加工対象物31に照射される。
【0052】レーザビームの整形は、アニーリング加工
対象物31に投影されたビームスポットの形状が、長手
方向においてアモルファスシリコン膜のポリシリコン化
する部分のいずれかの辺の長さより長い長さを有し、さ
らに、薄膜トランジスタ形成部3の1列分よりも長い長
さを有し、幅方向において薄膜トランジスタ形成部3の
幅より広く且つ、トランジスタが形成される列の間隔よ
り小さい幅を有するようになされる。この際、アニーリ
ング加工対象物であるガラス基板の画素を作り込む部分
2に照射されたレーザビームスポットはのビーム長手方
向のレーザ光強度分布は図1(b)に示すように均一で
ある。
【0053】図1(a)に示す画素を作り込む部分2の
全体に渡ってポリシリコン化するには、線状のレーザビ
ームを基板に対して相対的にそのビーム幅の方向(短辺
方向)に移動させなければならない。そのような相対的
な移動は、レーザビームを光学系によって偏向させる
か、又は、アニーリング加工対象物31を並進移動させ
ることによって達成される。
【0054】長手方向に強度分布が均一であるように整
形された線状のレーザビームは、アニーリング加工対象
物上で図1(a)における斜線部分で示されたビームス
ポット6を形成する。このように薄膜トランジスタ形成
部3の一列に対応する斜線部分を一括にレーザ光により
照射すると、アニーリング加工対象物31の斜線部分の
表面の温度が急上昇し溶融する。そして、加工対象物へ
到達するレーザ光が途絶えるとアニーリング加工対象物
31の表面温度が低下し、この過程で表面の結晶化が起
こる。これにより、一度のレーザビームの照射により斜
線部分を一括して溶融再結晶化させることが可能とな
る。尚、所望するポリシリコン化を達成するためには、
レーザビームの照射回数は複数回でも良い。また、アニ
ーリング中真空チャンバ29内は真空ポンプ33により
1×10-4Pa以下の圧力に保たれている。
【0055】図5は、この実施例によるレーザアニーリ
ング方法におけるレーザビームを用いて、アモルファス
シリコン膜を照射再結晶化した際の結晶性の状況を示す
図であり、7は粒径が0.1μm以上のポリシリコン層
の領域、8は0.1μm以下の領域である。なお、粒径
は照射条件、アモルファスシリコン膜厚みによって変化
するので絶対値そのものは、この発明に係る重要なファ
クターではない。このようなポリシリコン層の区分けは
粒径の大きな部分と小さな部分という定義に等しい。
【0056】従来、先述のように照射再結晶化部におい
て粒径のバラツキがみられるのが問題であったが、この
実施例によるレーザアニーリング方法によれば、薄膜ト
ランジスタ一列分に対応する領域が長手方向に対して一
括、同時に溶融再結晶化されるため、図5に示すように
長手方向全域にわたって均一な結晶化が実現されてい
る。これに対して、ポリシリコン化した部分は線状のレ
ーザビームの幅方向には、粒径の大きなポリシリコン層
の領域7と小さなポリシリコン層の領域8に分かれてお
り、粒径のバラツキが観測されたが、粒径の大きな部分
のポリシリコン層の領域7の幅は薄膜トランジスタを形
成するのに必要な領域の幅よりも十分広いため実質上問
題はない。
【0057】また、上記の説明では、一本の線状レーザ
ビームを用いたが、該レーザビームを適当な光学素子を
用いて複数に分割するか、もしくは、複数個のレーザビ
ームを用いて、複数列を同時に照射するようにしても良
い。
【0058】以上示したように、この発明によるレーザ
アニーリング方法は、典型的には、ポリシリコンを用い
た薄膜トランジスタを画素用スイッチング素子として備
えた液晶ディスプレイを製造するために使用されるが、
これに限定されるものではない。
【0059】実施例2.図6は、この発明の他の実施例
によるレーザアニーリング方法を説明するためのアニー
リング加工対象物の平面図であり、図において、図1に
示す参照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素
を示しており、9は薄膜トランジスタの駆動回路を構成
する要素であるトランジスタが形成される部分、10は
形状がその長手方向において被ポリシリコン化部(上記
トランジスタ形成部)の縦方向又は横方向の総長よりも
長い長さを持つような線状レーザビームのスポットであ
る。
【0060】次に動作について説明する。一般に、ガラ
ス基板の駆動回路を作り込む部分1の薄膜トランジスタ
の駆動回路を構成する要素であるトランジスタが形成さ
れる部分9は、ある回路パターンに従って配置される
が、この実施例では、その配置に制限を設け、縦列分又
は横列分の少なくとも一方が規則的な列をつくるように
したものである。この配置をとることにより、線状レー
ザビームを用いて、該一列分を一括してアニーリングす
ることができる。回路設計上に制限が生じるが、アニー
リング工程をきわめて簡易にすることができ、歩留まり
の向上をはかるとともに、制作コストを低減することが
できる。
【0061】この実施例では、薄膜トランジスタの駆動
回路を構成する要素であるトランジスタが形成される部
分9をレーザビームスポット10を生じさせるレーザを
用いてアニーリングしたが、図7に示すように、トラン
ジスタが形成される部分の配置を画素部2内のTFT配
置と同じ横列又は縦列上にもってくることにより、線状
スポット10’を有する線状レーザビームで両者を同時
にアニーリングしてもよい。これによって、線状レーザ
ビームを用いて、薄膜トランジスタ及び薄膜トランジス
タの駆動回路を構成するトランジスタの一列分を一括し
てアニーリングすることができ、アニーリング工程をき
わめて簡易にすることができ、歩留まりの向上をはかる
とともに、制作コストを低減することができる。
【0062】実施例3.図8はこの発明の他の実施例に
よるレーザアニーリング方法を説明するためのアニーリ
ング加工対象物の平面図であり、図において、図6に示
す参照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を
示しており、10a,10b,10cは、形状がその長
手方向において被ポリシリコン化部(上記トランジスタ
形成部)の縦又は横方向の総長よりも長い長さを持つよ
うな線状であるようなレーザビームのスポットである。
【0063】次に動作について説明する。上記実施例2
では、薄膜トランジスタの駆動回路を構成する要素であ
るトランジスタが形成される部分9をレーザ照射した
が、この実施例では回路設計に自由度を与え、代わりに
駆動回路対応部分全体をアニーリングするものである。
ただしこの際、線状レーザビームを図8に示すように密
接してステップ&リピート照射するように工夫すること
で、小出力のレーザで全体をアニーリングすることが可
能である。
【0064】実施例4.図9はこの発明の他の実施例に
よるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成を示
すブロック図であり、図において、図2に示す参照符号
と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示してお
り、21aは発振パルス幅200nsのパルスレーザ光
を放射するエキシマレーザである。
【0065】次に動作について説明する。エキシマレー
ザ21aは発振パルス幅が200nsと従来用いられて
きたエキシマレーザに比べて発振パルス幅が長い特徴を
有している。図10はこのエキシマレーザ21aの発振
パルス波形を示す図である。
【0066】エキシマレーザ21aから出射されたレー
ザ光は反射ミラー23,24により偏向、走査され、ビ
ームホモジナイザ27によりビーム強度の均一化を行な
った後、レンズ系28(例えば、シリンドリカルレン
ズ)により細線状に集光され、真空チェンバ29に設け
られた窓30を通じて真空チャンバ29内のアニーリン
グ加工対象物31に照射される。真空チャンバ内は真空
ポンプ33により1×10-4Pa以下の圧力に保たれ
る。
【0067】レーザビームの整形は、実施例1と同様
に、アニーリング加工対象物31に投影されたビームス
ポットの形状が、長手方向において被加工領域、例えば
アモルファスシリコン膜のポリシリコン化する部分のい
ずれかの辺の長さより長い長さを有し、幅方向におい
て、被加工領域の複数の加工部のそれぞれの幅、例えば
薄膜トランジスタ形成部の幅より広く且つ、トランジス
タが形成される列の間隔より小さい幅を持つようになさ
れる。この際、アニーリング加工対象物31であるガラ
ス基板の画素を作り込む部分に照射されたレーザビーム
スポットはのビーム長手方向のレーザ光強度分布は図1
(b)に示すように均一である。また、図1(a)に示
す画素を作り込む部分2の全体に渡ってポリシリコン化
するには、線状のレーザビームを基板に対して相対的に
レーザビームの幅方向(短辺方向)に移動させなければ
ならない。そのような相対的な移動は、レーザビームを
光学系によって偏向させるか、又は、アニーリング加工
対象物31を並進移動させることによって達成される。
【0068】レーザ光が照射されるとアニーリング加工
対象物31の表面の温度が急上昇し溶融する。そしてア
ニーリング加工対象物31に到達するレーザ光が途絶え
るとアニーリング加工対象物31の表面温度が低下し、
この過程で表面の結晶化が起こる。ここで、この実施例
の場合、エキシマレーザ21aから出射されるレーザ光
22の発振パルス幅が200nsと長い。このため発振
パルス幅が短いレーザ光を用いた場合に比べて加熱時間
が長く、さらにレーザ光強度がピークに達した後レーザ
発振が終了するまでの時間が長い。レーザ光照射時のア
ニーリング加工対象物31表面の温度変化の一例を図1
1に示す。パルス幅30nsのエキシマレーザ光を照射
した場合、加工対象物表面温度は15ns程度の短時間
に急激に上昇し、融点TMを越す。レーザ強度がピーク
値を迎えた後低下し始めると表面温度も低下する。融点
TM付近では溶融部の潜熱により温度勾配が緩やかにな
る。この部分で結晶化が進む。やがて溶融部の結晶化が
終わり固化すると、室温にむけて以後同一時定数にて温
度が低下していく。これに対して、この実施例のように
レーザ発振パルス幅が200nsと長い場合には、図1
1に示すように、レーザ強度がピーク値を迎えた後表面
温度が低下し結晶化が進む部分の時間が長くなる。
【0069】前述したように、薄膜トランジスタ形成部
のアニーリング加工では、溶融後の温度低下速度が遅く
結晶化のための時間を長く取れるほど、得られるポリシ
リコン結晶の粒塊サイズが大きくなり、電子移動度の高
いトランジスタを得ることができる。従って、この実施
例では、パルス幅が200nsと長いレーザ光を用いて
いるので結晶化が進む部分の時間を長くすることがで
き、粒塊サイズの大きなポリシリコン結晶を得ることが
できる。これにより、電子移動度が高く高速動作が可能
なトランジスタを得ることができる。照射するレーザパ
ルス幅とアニーリングにより得られるポリシリコン結晶
の電子移動度との関係の例を図12に示す。電子移動度
はレーザパルス幅の増大に伴って増加する。アニーリン
グにより製作する薄膜トランジスタでは、100cm2
/VSを越す電子移動度が要求される。図12から明ら
かなように、これを実現するためにはレーザアニール用
のレーザ発振器としてパルス幅が50ns以上のレーザ
を用いる必要があることがわかる。
【0070】以上述べたように、この実施例によれば、
アニーリング加工時に幅方向の拡散により失われる熱を
補い、十分な加熱効果を得ることができるレーザアニー
リング装置を提供できる。かかる実施例をTFTアニー
リング加工に適用することにより、アモルファスシリコ
ンを細線状ビームにて十分加熱することができ、溶融後
結晶化が進む部分の時間を長くすることができる。これ
により粒塊が大きく電子移動度の高い良質のポリシリコ
ン結晶を得ることができる。
【0071】実施例5.図13はこの発明の他の実施例
によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成を
概略的に示すブロック図であり、図において、図9に示
す参照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を
示しており、34a,34bはビームスプリッタ、35
は全反射ミラー、36a,36bはレーザ光の伝搬を遅
らせる光遅延部、37a,37bはそれぞれ、光遅延部
36a,36bにより遅延されたレーザ光である。光遅
延部36a,36bはそれぞれ、一般的に、複数の反射
ミラーで構成されており、光遅延部に入射したレーザ光
は反射ミラーで折り返され、所望する遅延時間分だけ余
計に空中伝搬させられる。尚、光学的遅延ステップは、
光遅延部36a,36b、ビームスプリッタ34a,3
4b、及び全反射ミラー35によって実現される。
【0072】次に動作について説明する。エキシマレー
ザ等のレーザ発振器21から出射されたレーザ光22
は、まず、ビームスプリッタ34aによって2つのビー
ムに分割され、更にビームスプリッタ34bにより2つ
のビームに分割され、その結果3つのレーザビームに分
割される。ビームスプリッタ34aで分割されたビーム
の一方は、例えばシリンドリカルレンズのような集光レ
ンズ28により細線状に集光され、アニーリング加工対
象物31に照射される。ビームスプリッタ34aで分割
されたビームの他方は、ビームスプリッタ34bにより
さらに2つのビームに分割され、それぞれ光遅延部1の
36a、光遅延部2の36bにより時間t1,t2だけ
伝搬を遅らせた後、集光レンズ28により細線状に集光
され、アニーリング加工対象物31に照射される。
【0073】図14は発振パルス幅30nsのエキシマ
レーザ光をビームスプリッタ34a,34bにより3分
割し、光遅延部1の36a、光遅延部2の36bにより
時間t1=20ns、t2=40nsそれぞれ遅延させ
た後アニーリング加工対象物31に照射した場合の加工
対象物31上でのビーム強度時間変化を示す図である。
Aは光遅延部36a,36bを通らずにアニーリング加
工対象物31に入射したレーザ光のパルス、Bは光遅延
部36aを通りt1=20nsだけ遅延されてアニーリ
ング加工対象物31に入射したレーザ光のパルス、Cは
光遅延部36bを通りt2=40nsだけ遅延されてア
ニーリング加工対象物31に入射したレーザ光である。
この場合、図14に示す様にアニーリング加工対象物3
1にはレーザビームA,B,Cが重畳されて照射され
る。これにより、エキシマレーザ等のレーザ発振器21
が放射するレーザ光のパルス幅より長い時間アニーリン
グ加工対象物31にレーザ光を照射することができる。
【0074】図14に示した例では、レーザ光源として
パルス幅30nsのレーザ光を用いて、ビームスプリッ
タによって3つのビームに分割して、その内2つのビー
ムについては光遅延部36a,36bにより時間t1=
20ns、t2=40nsそれぞれ遅延させ再度合成す
ることにより、ピーク値の半分以上のビーム強度が70
nsにわたるレーザ光を得て照射している。これによ
り、上記実施例4に述べた長パルスビームを用いるの場
合と同様に、かかる実施例をTFTアニーリング加工に
適用することにより、加工対象物にて溶融後結晶化が進
む部分の時間を長くすることができ、粒塊サイズの大き
なポリシリコン結晶を得ることができる。これにより電
子移動度が高く高速動作が可能なトランジスタを得るこ
とができる。
【0075】光遅延部36a,36bとしては、反射ミ
ラーで折り返して希望の遅延時間分だけ光を空中伝搬さ
せる構成にしてもよいし、図15に示すように、所望す
る遅延時間だけ伝搬に要する長さの光ファイバ36c,
36dを用いてもよい。
【0076】また、この実施例ではレーザビームを3つ
に分割し、その内2つのビームに所定の時間遅延を与え
て再度合成してレーザ光のパルス幅を見かけ上増大させ
たが、レーザビームの分割数は2つでも4つ以上でもよ
く、同様の効果を奏する。
【0077】さらに、この実施例では1つのレーザビー
ムを複数個に分割してそれぞれに所定の時間遅延を与え
たが、複数のレーザ発振器から得られるレーザビームを
用いてこれらの複数のレーザビームを時間をずらして照
射してもよく、同様の効果を奏する。
【0078】実施例6.図16はこの発明の他の実施例
によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成を
示すブロック図であり、図において、図9に示す参照符
号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示してお
り、21bはスパイカ・サステイナ方式エキシマレーザ
である。また、図17はスパイカ・サステイナ方式レー
ザの励起回路構成を示す図であり、図において、40は
レーザガスを封入するチャンバ、41はチャンバ40内
のレーザガス中に設けられた第1の電極、42はチャン
バ40内のレーザガス中において第1の電極41と相対
するように設けられた第2の主電極、43は第1の電極
41と第2の電極42との間に印加された電圧によって
起こったレーザ媒質を励起する放電、44は第1及び第
2の主電極41,42に並列に接続されたスパイカコン
デンサ、45はスパイカコンデンサ44を充電するスパ
イカ充電用電源、46は第1及び第2の主電極41,4
2にスイッチング素子を介して並列に接続されたサステ
イナコンデンサ、47はサステイナコンデンサ46を充
電するサステイナ充電用電源、48は予備電離溶電源、
49は予備電離用誘電体、50は予備電離用補助電極、
51はスパイカ回路とサステイナ回路を分離するスイッ
チ素子としての磁気飽和スイッチである。
【0079】次に動作について説明する。レーザチャン
バ40にレーザガスを封入した後、先ず予備電離用誘電
体39を介して予備電離用補助電極50と主電極41,
42間に電圧を印加し、主電極41,42間に予備電離
電子を供給する。
【0080】この後、スパイカ充電用電源45により充
電されたスパイカコンデンサ44から主放電電極41,
42間に電力を供給し、主放電電極41,42間の放電
43を開始させる。この時点までは磁気飽和スイッチ5
1はオフしており、主放電電極41,42間の放電43
はスパイカコンデンサ44のみから供給されるエネルギ
により生ずる。次に、サステイナコンデンサ46をサス
テイナ充電電源47により充電した後、スパイカ回路に
よる放電が終了する前に磁気飽和スイッチ51をオンす
る。これによりスパイカ回路から供給されるエネルギで
開始された主放電部に、サステイナコンデンサ46に充
電したエネルギを注入することができる。このようにス
パイカ・サステイナ方式エキシマレーザ21bでは放電
場に2段階にエネルギを注入することができ、従来用い
られてきたエキシマレーザに比べて長い発振時間を得る
ことができる。
【0081】図18はスパイカ・サステイナ方式エキシ
マレーザにより得られたレーザ発振波形の例を示す図で
ある。このように、スパイカ・サステイナ方式エキシマ
レーザ21bが放射するレーザ発振光の半値幅は約19
0nsとなり、従来用いてきたパルス幅17nsに比べ
て十倍以上長いレーザ光パルス得ることができる。従っ
て、図16に示す様に、スパイカ・サステイナ方式エキ
シマレーザ21bをレーザアニーリング装置に用いれ
ば、パルス幅が従来の装置に比べて十分長いレーザ光を
加工対象物に照射することができる。これにより、かか
る実施例をTFTアニーリング加工に適用することによ
り、ポリシリコンの結晶化が進む部分の時間を長くする
ことができ、粒塊サイズの大きなポリシリコン結晶を得
ることができる。これにより電子移動度が高く高速動作
が可能なトランジスタを得ることができる。
【0082】実施例7.図19はこの発明の他の実施例
によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成を
示すブロック図であり、図において、図2に示す参照符
号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示してお
り、31aはアニーリング加工対象物であるアモルファ
スシリコン膜、31bはアモルファスシリコン膜31a
が形成された基板、Dはアモルファスシリコン膜31a
の溶融再結晶化を行う第1のレーザ光、Eはアモルファ
スシリコン膜31aの補助加熱を行う第2のレーザ光、
21は第1のレーザ光Dを発生する第1のレーザ発振
器、37は第2のレーザ光Eを発生する第2のレーザ発
振器、38は第2のレーザ光Eのビーム形状を線状に整
形するビーム整形光学系、39は第2のレーザ光Eの進
行方向を変更するベンディングミラーである。尚、補助
加熱ステップは主に第2のレーザ発振器37により実現
される。
【0083】既に述べたように、溶融再結晶時のポリシ
リコン結晶の粒塊サイズは、溶融後の温度低下速度が遅
く結晶化のための時間を長く取れるほど大きくなる傾向
がある。従って、アモルファスシリコンが一旦溶融し、
再結晶化する際の温度低下速度を低減することにより、
粒塊が大きく電子移動度の高いポリシリコン層を形成す
ることができる。このため、単一のレーザ光を用いた従
来のレーザアニーリング方法においては、アニーリング
加工対象物であるアモルファスシリコン薄膜を形成した
基板全体をヒータで加熱することにより温度低下速度の
低減を図っていた。これに対して、アニーリング加工に
おいてレーザビームと基板との間で〜10μm程度の位
置精度が必要となるので、この発明の上記実施例の如く
線状レーザビームを用いてレーザアニーリングを行う場
合、従来のように基板全体を加熱してしまうと、熱によ
る基板の変形のため加工精度が低下するという問題点が
ある。
【0084】また、線状レーザビームを用いたレーザア
ニーリングは、図2に示した精密テーブル等の台32に
アモルファスシリコン膜を形成した基板を固定し、精密
テーブルを順次移動させながら標的とする薄膜トランジ
スタ形成列に対しアニーリングを行っていくが、基板全
体を加熱した場合、基板の熱が精密テーブルに伝わると
熱膨張により精密テーブルの移動精度が低下するため、
基板と精密テーブルとの間では断熱を保たねばならず、
基板の保持機構が複雑になるという問題点がある。
【0085】この実施例は、以上の問題点を解決するた
めに補助加熱用のレーザ発振器をさらに具備したもの
で、これにより大粒径且つ均一な結晶性を有するポリシ
リコン層を形成するものである。
【0086】次に動作について説明する。第1のレーザ
発振器21より出射した第1のレーザ光Dは、ビーム整
形光学系であるビームホモジナイザ27及びレンズ28
によりアモルファスシリコン膜31a上で線状集光する
よう整形され、アモルファスシリコン膜31aに照射さ
れる。第2のレーザ発振器37より出射した第2のレー
ザ光Eも同様にビーム整形光学系38によりアモルファ
スシリコン膜31a上でのビーム形状が線状となるよう
整形され、アモルファスシリコン膜31aに照射され
る。このとき第2のレーザ光Eのアモルファスシリコン
膜31a上における照射位置が、第1のレーザ光Dによ
る照射位置とほぼ同位置となるように、第2のレーザ光
Eの進行方向はベンディングミラー39により調整され
る。
【0087】図20はこの実施例における第1のレーザ
光Dと第2のレーザ光Eとのアモルファスシリコン膜3
1a上におけるビーム照射領域を示すものであり、図に
おいて、60は第1のレーザ光Dのビーム照射領域、6
1は第2のレーザ光Eのビーム照射領域である。
【0088】図20に示すように、アモルファスシリコ
ン膜31a上の第2のレーザ光Eのビーム照射領域61
は、幅、長さともに第1のレーザ光Dのビーム領域60
よりも大なる寸法を有しており、また、第2のレーザ光
Eの照射領域61が、第1のレーザ光Dの照射領域60
を覆うように、第1及び第2のレーザ光D,Eの照射位
置を調整している。このように、第2のレーザ光Eの照
射領域61が、第1のレーザ光Dの照射領域60を覆う
ようビーム形状、照射位置を設定しているので、第1の
レーザ光Dの照射位置と第2のレーザ光Eの照射位置と
のズレをある程度許容することが可能となる。
【0089】図21はこの実施例における第1のレーザ
光Dと第2のレーザ光Eの光強度の時間変化を示した図
であり、図において、Dは第1のレーザ光Dの光強度の
時間変化、Eは第2のレーザ光Eの光強度の時間変化を
示している。第2のレーザ光Eのピーク強度は、アモル
ファスシリコン膜を溶融せしめる第1のレーザ光Dのピ
ーク強度に比べ非常に低く、また、第2のレーザ光Eの
時間幅は、第1のレーザ光Dの時間幅に比べ短い。ま
た、第1のレーザ光Dは第2のレーザ光Eの照射中にア
モルファスシリコン膜への照射が開始して完了するよ
う、第1及び第2のレーザ光D,Eの照射タイミングは
制御される。
【0090】図22はレーザアニール時のアモルファス
シリコン膜31aの表面温度の時間変化を示しているグ
ラフ図であり、図において、62はこの実施例によるレ
ーザアニーリング装置によりアニーリングを行ったとき
のアモルファスシリコン膜31aの表面温度、63は単
一のレーザ光のみを用いる従来の方法でアニーリングを
行ったときのアモルファスシリコン膜の表面温度であ
る。この実施例によるレーザアニーリング装置を用いて
アニーリングを行った場合、第2のレーザ光Eを照射し
アモルファスシリコン膜31aを補助加熱しながら、第
1のレーザ光Dを照射することにより溶融再結晶化を行
うので、単一のレーザ光のみを用いた従来の場合に比
べ、図22に示すように、アモルファスシリコン表面の
温度がピークに到達したのち温度の低下する速度が遅く
なっている。
【0091】以上のように、第2のレーザ光Eを用いて
アモルファスシリコン膜31aを補助加熱している間
に、第1のレーザ光Dでアモルファスシリコン膜の溶融
再結晶化を行えば、アモルファスシリコン膜31aがピ
ーク温度に達した後の温度低下速度を効果的に減少させ
ることが可能となるので、粒径が大きく電子移動度の高
いポリシリコン層を形成することができる。また、この
実施例で示したように第2のレーザ光Eを用いてアモル
ファスシリコン膜31aの補助加熱を行えば、第2のレ
ーザ光Eのビーム形状を第1のレーザ光Dと同じく線状
に整形することにより、アモルファスシリコン膜31a
上の補助加熱する領域をポリシリコン化する部位の周囲
のみに限定することが可能となるので、不必要な領域で
の熱の消費を防ぐことができるばかりでなく、アモルフ
ァスシリコン膜31aを形成した基板31bの保持機構
の構成において熱の影響を考慮する必要がなくなり、そ
の結果簡易な機構で基板31bを保持することができ
る。また、第2のレーザ光Eを用いて補助加熱を行う
と、アモルファスシリコン膜31a自体の光吸収により
温度が上昇するため、瞬時にポリシリコン化領域の加熱
を行うことができる。
【0092】尚、この実施例では、第2のレーザEをア
モルファスシリコン自体に吸収させ補助加熱を行う方法
を示したが、第2のレーザ光Eの波長として、基板31
bがレーザ光を吸収するような波長を選択し、第2のレ
ーザ光Eで基板31bを補助加熱しても同様な効果が得
られることはいうまでもない。
【0093】実施例8.図23はこの発明の他の実施例
によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成図
であり、図において、図19に示す参照符号と同一の符
号は同一又は相当する構成要素を示している。この実施
例では上記した実施例7とは異なり、アモルファスシリ
コン膜31aの表面に対し、第1のレーザ光Dの照射方
向とは逆側から第2のレーザ光Eの照射を行っている。
第2のレーザ光Eの波長として、基板31bがレーザ光
をある程度透過し、アモルファスシリコンがレーザ光を
吸収するような波長が選択される。
【0094】次に動作について説明する。第1のレーザ
発振器21より出射した第1のレーザ光Dは、ビーム整
形光学系であるビームホモジナイザ27及びレンズ28
によりアモルファスシリコン膜31a上で線状集光する
よう整形され、アモルファスシリコン膜31aに照射さ
れる。第2のレーザ発振器37より出射した第2のレー
ザ光Eも同様にビーム整形光学系38によりアモルファ
スシリコン膜31a上でのビーム形状が線状となるよう
整形され、基板31bを透過した後アモルファスシリコ
ン膜31aに照射される。このとき、第2のレーザ光E
のアモルファスシリコン膜31a上における照射位置
が、第1のレーザ光Dによる照射位置とほぼ同位置とな
るように、第2のレーザ光Eの進行方向はビーム整形光
学系38に含まれる光学系又は図示していない反射ミラ
ーにより調整される。また、上記実施例7と同様に、図
20に示すように、アモルファスシリコン膜31a上の
第2のレーザ光Eのビーム照射領域61は、幅、長さと
もに第1のレーザ光Dのビーム領域60よりも大なる寸
法を有しており、また、第2のレーザ光Eの照射領域6
1が、第1のレーザ光Dの照射領域60を覆うように、
第1及び第2のレーザ光D,Eの照射位置を調整してい
る。
【0095】これにより、上記実施例7と同様に、第2
のレーザ光Eを用いてアモルファスシリコン膜31aを
補助加熱している間に、第1のレーザ光Dでアモルファ
スシリコン膜の溶融再結晶化を行えば、アモルファスシ
リコン膜31aがピーク温度に達した後の温度低下速度
を効果的に減少させることが可能となるので、粒径が大
きく電子移動度の高いポリシリコン層を形成することが
できる。また、アモルファスシリコン膜31a上の補助
加熱する領域をポリシリコン化する部位の周囲のみに限
定することが可能となるので、不必要な領域での熱の消
費を防ぐことができるばかりでなく、アモルファスシリ
コン膜31aを形成した基板31bの保持機構の構成に
おいて熱の影響を考慮する必要がなくなり、その結果簡
易な機構で基板31bを保持することができる。また、
第2のレーザ光Eを用いて補助加熱を行うと、アモルフ
ァスシリコン膜31a自体の光吸収により温度が上昇す
るので、瞬時にポリシリコン化領域の加熱を行うことが
できる。
【0096】尚、この実施例では、第2のレーザ光Eを
アモルファスシリコン自体に吸収させ補助加熱を行う方
法を示したが、第2のレーザ光Eの波長として、基板3
1bがレーザ光を吸収するような波長を選択し、第2の
レーザ光Eで基板31bを補助加熱しても同様な効果が
得られることはいうまでもない。
【0097】実施例9.図24はこの発明の他の実施例
によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成を
示すブロック図であり、図において、図2に示す参照符
号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示してお
り、70はレンズ、71はフーリエ変換型位相ホログラ
ム(以下ホログラムと略す)、72はレンズ70及びホ
ログラム71から構成されるビーム整形光学系である。
即ち、レンズ70及びホログラム71は、アニーリング
加工対象物31上で長手方向に均一なレーザ強度分布を
有する線状レーザビームを得るためのビーム整形光学系
72を構成している。
【0098】実施例1で述べたように、一般に、線状レ
ーザビームのような均一な強度分布を作り出すビーム整
形光学系として図3及び図4に示したビームホモジナイ
ズ光学系とシリンドリカルレンズとの組み合わせが用い
られるが、例えば図3に示したようビームホモジナイザ
では、レーザビームの小さな一部分が拡大されて他の部
分と大きく重ね合わせられるために、お互いに干渉して
干渉縞ができてしまい、均一な強度分布にならないとい
う問題点がある。また、均一強度分布以外の任意の強度
分布を作り出すことも大変困難である。
【0099】さらに、エキシマレーザは、短パルスの放
電励起レーザであり、放電の不安定性や、共振器内で発
振モードが十分に形成されないので、パルスごとのビー
ムプロファイルやビームの重心が不安定になっている。
さらに、放電電極の消耗などにより長期的にもビームプ
ロファイルやビームの重心が変化する。従って、図4に
示したビームホモジナイザでは、ビームの重心がずれる
と中央から分割できなくなってしまうという問題点があ
る。また、設計どうりのビームプロファイルにならない
と、重ね合わせても均一な強度分布にならない。
【0100】このように、従来のビームホモジナイズ光
学系は、短パルスレーザに対して安定に均一な強度分布
をつくることができず、安定な線状レーザビームを実現
するのが困難であるため、安定なアニールは難しかっ
た。
【0101】このような問題点を解消するために、この
実施例によるレーザアニーリング装置は、ビーム整形光
学系72を構成する重要な要素としてフーリエ変換型位
相ホログラムタイプのホログラム71を具備している。
【0102】次に動作について説明する。レーザ発振器
21から発せられたレーザ光は、レンズ70及びホログ
ラム71から構成されるビーム整形光学系72を通る。
この際、レーザ光はレンズ70によって基板31上に照
射されるが、図25に示す様に、レンズ70と基板31
との間に設けられたホログラム71によって基板31上
に一直線上に並んだいくつもの重なりあった照射スポッ
トを持つように空間変調される。ホログラム71は、そ
れぞれの照射スポットを基板31上の任意の位置に、任
意の強度で配置することができる。この実施例では、図
26(a)に示すように一直線上に照射スポットが並ぶ
ようなホログラム71を用い、図26(b)に示すよう
にそれぞれの照射スポットが重なりあうように調整す
る。これにより、基板31上で長手方向に均一なレーザ
照射強度分布を持つ線状レーザビームを得ることがで
き、安定なレーザアニールを実行することができる。
【0103】図27はこの実施例によるホログラム71
によって生成される複数のスポットの重なりぐあいを示
す図である。均一な強度分布を得るためには、図27に
示すように重なり合わせる照射スポットは、それぞれの
照射スポットの半値幅よりも小さな間隔で配置されて互
いに一部が重ね合わせられなければならない。隣り合う
照射スポットの中心間の距離、即ち重ね合せ間隔は狭い
ほど同一点上に重ね合わされる照射スポットの数が増す
ので、強度分布均一性は高くなる。しかしながら、レー
ザ光の空間的可干渉距離よりも狭い間隔で重ね合せる
と、干渉縞によってかえって均一性が悪くなる可能性が
あるので、重ね合せ間隔は狭ければよいというものでは
ない。
【0104】ホログラム71としては、設計したパター
ン、即ち一直線上に並ぶ複数の照射スポットへ回折する
光のエネルギーの割合である回折効率の高い位相ホログ
ラムを用い、光利用効率を高めている。これによって、
レーザ出力の数10%のエネルギーが実際のアニーリン
グ加工に利用できるようになる。
【0105】次にホログラム71によるレーザ光の空間
変調の方法について説明する。例えば、文献ジーグマン
(A.E.Siegman) 「レーザー("LASERS")」に示されるよう
に、ABCD光線行列で表わされる光学系を通して伝播
する光の回折像は次のように計算できる。
【0106】
【数1】
【0107】この入力像u(x1 )に空間周波数aで位
相が変化する変調板を重ね合せると、回折像は次のよう
になる。
【0108】
【数2】
【0109】右辺のg(x2 −Bλa)は変調板を挿入
していないときの回折像であるg(x2 )をBλaだけ
移動させたものである。右辺のその他の項は位相だけを
変化させる項である。入力像u(x1 )空間周波数aを
持った変調板を重ね合せるとBλaずれた位置に像が現
われ、空間周波数a1と空間周波数a2の成分が等しい
強度で重なりあった変調板を重ね合せると、Bλa1
びBλa2 ずれた位置に2つの像が現われる。これよ
り、いくつかの空間周波数成分を重ね合せてできた位相
分布を持つ変調板としての位相ホログラムを光学系に挿
入すると、それぞれの空間周波数に相当する位置にいく
つかの像を作ることができる。像と像との距離を互いに
インコヒーレントになる程度に離せば、像の位相は任意
の値でも干渉しないので、図25に示したようにレンズ
70による集光光学系にこのようなホログラム71を挿
入することにより、基板31上に一直線上に並んだ複数
の照射スポットを形成し、それらの照射スポットを互い
に重なりあうように配置することにより、アニールに適
した任意の照射強度分布を作り出すことができる。
【0110】ホログラム71の位相分布パターンは各照
射スポット即ち転写パターンそれぞれの位置に相当する
空間周波数を重ね合せて決定される。ホログラム71の
位相分布パターンは計算機で計算することによって決定
することもできる。ホログラム71は滑らかな位相分布
をいくつかの段階に量子化して製作することもできる。
この実施例では、ホログラム71は様々な空間周波数を
任意の初期位相で重ねあわせるものとしている。このよ
うなホログラム71では、位相を量子化する場合でも、
重ね合わせる初期位相をパラメータとして量子化誤差が
最小になるように最適化でき、高回折効率、低ノイズの
ホログラム71をパターニングできる。
【0111】図28はこの実施例による位相ホログラム
形式のホログラム71のパターニング方法を説明するた
めの図であり、図28(a)は、複数のセルに分割され
たホログラム71の一部における、位相を0度と180
度の2段階に量子化して計算機によって算出された位相
分布パターンを拡大して示しており、74は位相0度
部、75は位相180度部である。また、図28(b)
は、ホログラム71の位相分布パターン全体を示してい
る。このように、ホログラム全体を多数のセルに分割
し、それぞれのセルにおいて2段階に量子化して重ね合
わせる初期位相をパラメータとして量子化誤差が最小に
なるように最適化して位相を決めていく方法でパターニ
ングしている。レーザ用のホログラムを製作する場合、
使用できる材料が限られている。しかしながら、この実
施例のように位相を量子化して計算機でパターンを決定
すれば、限られた材料であっても実際の製作は比較的容
易である。
【0112】図29はホログラム71の製作方法を説明
するための図であり、711は位相シフト膜、712は
位相シフト部、713は屈折率変化部、714は位相シ
フト膜711,位相シフト部712,又は屈折率変化部
713が形成された合成石英等の基板である。図29
(a)は基板714に位相シフト膜711をつけて位相
分布を作る方法を示しており、このような位相ホログラ
ムは位相シフト膜711の膜厚によって位相シフト量が
決まるが膜圧の制御は比較的容易であるので、位相誤差
は小さい。図29(b)は合成石英等の基板714をエ
ッチングし、エッチング溝により位相シフト部712を
形成し位相分布を作る方法を示しており、図29(a)
に示したような耐光強度が比較的低い位相シフト膜と基
板と間の界面がないので、ホログラムの耐光強度を向上
させることができる。図29(c)は合成石英等の基板
714に屈折率変化部713を作ることによって位相シ
フト部を形成し位相分布を作る方法を示しており、この
方法でもやはり界面がなくなるので、ホログラムの耐光
強度を向上させることができる。
【0113】以上示したように、この実施例によるレー
ザアニーリング装置によれば、ホログラムを用いた光学
系により、ビームホモジナイザ光学系の欠点を克服する
ことができ、アニーリング加工対象物をアニールに適し
たレーザ照射強度分布でレーザ照射することができるの
で、安定で均一なレーザアニールを実行できる。
【0114】実施例10.図30はこの発明の他の実施
例によるレーザアニーリング方法を実現する装置による
アニーリング加工対称物上での照射スポットを示す図で
ある。この実施例によるレーザアニーリング装置の構成
は、基本的には図24に示した実施例9によるものと同
一である。
【0115】上記実施例9によるホログラムによって、
線状レーザビームの長手方向は均一な強度分布が得られ
るが、幅方向の強度分布は単一の照射スポットの強度分
布がそのまま反映されるので、レーザアニールにおいて
許容される強度を持つ領域は狭い範囲に限られる。この
ようなレーザビームでアニールを行う場合、薄膜トラン
ジスタ形成部1列をこの許容範囲内に収めるためには、
精度の高いアライメントを行うことが必要になることが
ある。そこで、この実施例によるホログラムは、図30
(a)に示すように、平行な2本の直線上にそれぞれ複
数の照射スポットを作るように構成されている。
【0116】次に動作について説明する。図30(a)
に示すような照射スポットを生成するホログラムを用い
て、図30(b)に示すようにそれぞれの照射スボット
が長手方向に重なりあって線状のビームを形成するとと
もに、2本の線状レーザビームも互いに1つの照射スポ
ットの強度分布の半値幅程度の重ね合せ距離で重なり合
うように調整する。これによって、図31(a)に示す
実施例9等によって形成されるアニーリング加工対称物
上における1つの線状レーザビームの幅方向の強度分布
と比べると、図31(b)に示すように前記重ね合わせ
距離で2本の線状レーザビームが重なり合い、幅方向に
ついても均一強度分布を持つ範囲が広がっている。これ
により、照射位置のアライメント精度を緩和することが
でき、安定なアニールが可能になる。さらに、多くの平
行な線状レーザビームを重ねることにより幅方向の均一
強度領域を広げることができ、さらに照射位置のアライ
メント精度を緩和できる。
【0117】実施例11.図32はこの発明の他の実施
例によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成
を示すブロック図であり、図において、図24に示す参
照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示し
ている。この実施例によるレーザアニーリング装置の構
成は、基本的に図24に示した実施例9によるものと同
一である。
【0118】実施例9ではホログラム71はレンズ70
の後方に配置されていたのに対して、この実施例では、
ホログラム71はレンズ70の前側の焦点位置に配置さ
れている。
【0119】次に動作について説明する。図32に示し
たこの実施例によるホログラム71及びレンズ70の配
置においては、ホログラム71で分割されたレーザビー
ムそれぞれの主光線がレンズ70によって元の光軸と平
行になる。このため、基板31に入射する全てのレーザ
ビームの主光線を基板31に垂直に入射させることがで
きる。基板31に対して光の入射角度が異なると、基板
31の光反射率や光吸収率が変化してしまい、たとえ照
射強度分布が均一であっても、基板31に吸収される光
エネルギーが均一でなくなり、アニールが不均一になる
ことがある。これに対して、図32に示すような配置を
とることにより、基板31に入射するレーザビームの主
光線がすべて同じ角度で入射するため、光入射角の影響
がなくなり均一で安定なアニールが可能になる。
【0120】実施例12.図33はこの発明の他の実施
例によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成
を示すブロック図であり、図において、図24に示す参
照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示し
ており、80は少なくとも線状のビーム形状の長手方向
と垂直方向にレーザビームのビーム幅を拡大するための
凹面のシリンドリカルレンズである。図33(a)はこ
の実施例によるレーザアニーリング装置の平面図を示し
ており、図33(b)はその側面図を示している。
【0121】上記実施例9から11においては、レーザ
発振器から出射されたレーザ光は、そのまま線状のビー
ム形状に整形されていたため、レーザ発振器からのビー
ム発散角が大きい場合には、トランジスタ形成部の列間
隔より小さい幅に集光できず、トランジスタ形成部の列
間隔を小さくして高精細の液晶ディスプレイを製作する
ことができないという問題点がある。
【0122】この実施例は、このような問題点を解消す
るためになされたもので、そのために凹面のシリンドリ
カルレンズ80を具備している。
【0123】次に動作について説明する。レーザ発振器
21から出射されたレーザ光は、凹面のシリンドリカル
レンズ80、凸レンズ70、ホログラム71と伝搬され
線状レーザビームに整形されて、アニーリング加工対象
物である基板31上のトランジスタ形成部に照射される
が、この途中でレーザ光は凹面のシリンドリカルレンズ
80により線状レーザビームの長手方向と垂直方向に拡
げられる。
【0124】一般に、焦点距離fの凸レンズを用いて光
を集光した場合、最小の集光幅ω0は、 ω0 =f・(α・λ/D) で表される。
【0125】ここで、λはレーザ光の波長、Dはレーザ
光が凸レンズに入射するときのビームの幅、αはレーザ
ビームのプロファイルやレーザ発振器21が出射される
レーザ光の発散角で決まる定数である。
【0126】従って、集光幅ω0 を小さくするには、凸
レンズの焦点距離f、若しくはレーザ光の波長λを小さ
くする必要がある。又は、凸レンズに入射するときのレ
ーザビームの幅Dを大きくする必要がある。
【0127】しかしながら、焦点距離fを小さくする
と、凸レンズの収差が大きくなり、むしろ集光幅が大き
くなる。加えて、凸レンズ70と基板31との間隔が近
づくことになるため、基板31からの飛散物が凸レンズ
70に付着するなどの弊害がある。また、レーザ光の波
長を小さくするとレンズ材料の選定が困難となり、レー
ザ発振器21の安定性が悪くなる。
【0128】凹面のシリンドリカルレンズ80に入射す
るビーム幅dのレーザ光を凹面のシリンドリカルレンズ
80によって、凸レンズ70に入射するときにはビーム
幅を拡大してDとすることにより、レーザ発振器のビー
ム発散角で決まるαが大きくても、ω0 の値を小さく抑
えることができる。即ち、ビーム発散角の大きなレーザ
発振器21でも集光幅を小さくできる。また、同一のα
を持つレーザビームを用いる場合は、最小の集光幅ω0
をd/Dに縮小することができ、この分だけ微細なトラ
ンジスタ形成部の列幅を小さくすることができる。
【0129】なお、この実施例では、凸レンズ70に入
射するビーム幅を大きくするために、凹面のシリンドリ
カルレンズ80を使用したが、重ね合わせピッチが十分
小さい場合、線状レーザビームの長手方向と平行方向に
ビーム幅を拡大して集光幅が小さくなっても均一な線状
レーザビームが得られるときは、凹面のシリンドリカル
レンズの代わりに通常の凹面レンズを用いても良い。
【0130】実施例13.図34はこの発明の他の実施
例によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成
を示すブロック図であり、図において、図33に示す参
照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示し
ており、81は反射ミラー、82は少なくとも線状のビ
ーム形状の長手方向と垂直方向にビーム幅を拡大するた
めの凸面のシリンドリカルミラーである。図34(a)
はこの実施例によるレーザアニーリング装置の平面図を
示しており、図34(b)はその側面図を示している。
この実施例では、上記実施例12の凹面のシリンドリカ
ルレンズの代わりに凸面のシリンドリカルミラー82を
用いる。
【0131】次に動作について説明する。上記したよう
に、入射するレーザ光のビーム幅を大きくすることによ
り、ビーム発散角の大きなレーザ発振器21でも集光幅
を小さくでき、且つ同一の発散角を持つレーザビームを
用いる場合は、最小の集光幅を縮小することができ、こ
の分だけ微細なトランジスタ形成部の列幅を小さくでき
る。レーザ発振器21から出射されたレーザ光は、反射
ミラー81で反射された後、凸面のシリンドリカルミラ
ー82、レンズ70、ホログラム71と伝搬され、線状
レーザビームに整形されて、アニーリング加工対象物で
ある基板31上のトランジスタ形成部に照射されるが、
この途中でレーザ光は凸面のシリンドリカルミラー82
により線状レーザビームの長手方向と垂直方向に拡げら
れる。これにより、実施例12と同様に、凹面のシリン
ドリカルミラー82に入射するビーム幅dのレーザ光を
凹面のシリンドリカルミラー82によって、凸レンズ7
0に入射するときにはビーム幅を拡大してDとすること
により、ビーム発散角で決まるαが大きくても、ω0
値を小さく抑えることができる。即ち、ビーム発散角の
大きなレーザ発振器21でも集光幅を小さくできる。ま
た、同一のαを持つレーザビームを用いる場合は、最小
の集光幅ω0 をd/Dに縮小することができ、この分だ
け微細なトランジスタ形成部の列幅を小さくすることが
できる。
【0132】実施例14.図35はこの発明の他の実施
例によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成
を示すブロック図であり、図において、図33に示す参
照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示し
ており、83は少なくとも線状のビーム形状の長手方向
と垂直方向にビーム幅を拡大するための凹面のシリンド
リカルレンズ及び凸面のシリンドリカルレンズ、又は凸
面のシリンドリカルミラー及び凹面のシリンドリカルミ
ラーから成るビームエキスパンダーである。図35
(a)はこの実施例によるレーザアニーリング装置の平
面図を示しており、図35(b)はその側面図を示して
いる。この実施例では、実施例12の凹面のシリンドリ
カルレンズの代わりに線状のビーム形状の長手方向と垂
直方向にビーム幅を拡大するための凹面のシリンドリカ
ルレンズ及び凸面のシリンドリカルレンズから成るビー
ムエキスパンダー83を用いる。
【0133】次に動作について説明する。レーザ発振器
21から出射されたレーザ光は、ビームエキスパンダー
83、レンズ70、ホログラム71と伝搬され、線状レ
ーザビームに整形されて、アニーリング加工対象物であ
る基板31上のトランジスタ形成部に照射されるが、こ
の途中でレーザ光はビームエキスパンダー83により線
状レーザビームの長手方向と垂直方向に拡げられ、実施
例12と同様に、ビームエキスパンダー83に入射する
ビーム幅dのレーザ光をビームエキスパンダー83によ
って、凸レンズ70に入射するときにはビーム幅を拡大
してDとすることにより、ビーム発散角で決まるαが大
きくても、ω0 の値を小さく抑える抑えることができ
る。即ち、ビーム発散角の大きなレーザ発振器21でも
集光幅を小さくできる。また、同一のαを持つレーザビ
ームを用いる場合は、最小の集光幅ω0 をd/Dに縮小
することができ、この分だけ微細なトランジスタ形成部
の列幅を小さくすることができる。また、この実施例で
は、レーザ光がレンズ70に入射する際、ビーム幅の広
い平行ビームとなっているので、実施例12の凹面のシ
リンドリカルレンズを用いた場合のように、凹面のシリ
ンドリカルレンズ80とレンズ70との距離により入射
ビーム幅が変化することなく、安定した集光幅でトラン
ジスタ形成部に照射することができる。
【0134】実施例15.図36はこの発明の他の実施
例によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成
を示すブロック図であり、図において、図33に示す参
照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示し
ており、84は少なくとも線状のビーム形状の長手方向
と垂直方向に不安定型共振器を組むためのミラー対であ
る。図36(a)はこの実施例によるレーザアニーリン
グ装置の平面図を示しており、図36(b)はその側面
図を示している。
【0135】上記した実施例9等においては、レーザ発
振器からのビーム発散角が大きい場合には、レーザ発振
器から出射されたレーザ光を線状のビーム形状に整形し
てもトランジスタ形成部の列間隔より小さい幅に集光で
きず、またトランジスタ形成部の列間隔を小さくして高
精細の液晶ディスプレイを製作することができないとい
う問題点がある。この実施例によるレーザアニーリング
装置は、かかる問題点を解消するために線状のビーム形
状の長手方向と垂直方向のビーム発散角を低減する不安
定型共振器84を備えている。
【0136】次に動作について説明する。不安定型共振
器84を具備したレーザ発振器21から出射されたレー
ザ光は、レンズ70、ホログラム71と伝搬され、線状
レーザビームに整形されて、アニーリング加工対象物で
ある基板31上のトランジスタ形成部に照射される。
【0137】既に述べたように、一般に、焦点距離fの
凸レンズを用いて光を集光した場合、最小の集光幅ω0
は、 ω0 =f・(α・λ/D) で表される。
【0138】ここで、λはレーザ光の波長、Dはレーザ
光が凸レンズに入射するときのビームの幅、αはレーザ
ビームのプロファイルやレーザ発振器21から出射され
るレーザ光の発散角で決まる定数である。
【0139】集光幅ω0 を小さくするには、凸レンズの
焦点距離f、レーザ光の波長λを小さくするか、若しく
は凸レンズに入射するときのレーザビームの幅Dを大き
くするか、又は、焦点距離f、レーザ光の波長λ、凸レ
ンズに入射するときのレーザビームの幅Dが変わらない
とすれば、ビーム発散角を小さくする必要がある。
【0140】実施例9等によるレーザアニーリング装置
では、線状レーザビームの集光幅をできるだけ小さくす
るため、通常のレーザ発振器では発散角が小さいとされ
る、電極方向と垂直な方向のビームを線状レーザビーム
の幅方向となるように構成することが多い。しかしなが
ら、安定型共振器を用いた場合にはこの方向の発散角の
小ささにも限界があるため、集光幅を十分小さくできな
い。
【0141】この実施例によるレーザアニーリング装置
は、電極方向と垂直な方向においてレーザビームのビー
ム発散角を抑えるような不安定型共振器84を備え、且
つ線状のビーム形状の長手方向と垂直方向を電極方向と
垂直方向となるようにしている。これによって、不安定
型共振器84から出射されるビームの発散角は、安定型
共振器から出射されるビームの発散角に比べ十分小さい
ため、集光幅がその分小さくなり、微細なトランジスタ
形成部の列幅を小さくできる。
【0142】実施例16.図37はこの発明の他の実施
例によるレーザアニーリング方法を実現する装置の構成
を示すブロック図であり、図において、図33に示す参
照符号と同一の符号は同一又は相当する構成要素を示し
ており、85はレーザ光軸に対して軸対称に不安定型共
振器を組むためのミラー対である。図37(a)はこの
実施例によるレーザアニーリング装置の平面図を示して
おり、図37(b)はその側面図を示している。
【0143】上記実施例15では、電極方向と垂直な方
向のレーザビームのビーム発散角を減少させるために不
安定型共振器を構成したが、この実施例によるレーザア
ニーリング装置は、軸対称な不安定型共振器85を具備
している。
【0144】次に動作について説明する。軸対称な不安
定型共振器85が組み込まれたレーザ発振器21から出
射されたレーザ光は、レンズ70、ホログラム71と伝
搬され、線状レーザビームに整形されて、アニーリング
加工対象物である基板31上のトランジスタ形成部に照
射される。重ね合わせピッチが十分小さい場合は、線状
レーザビームの長手方向と平行方向に対するビーム発散
角を小さくしても均一な線状レーザビームが得られると
きは、このような両者の方向に不安定共振器となる軸対
称の不安定型共振器85を用いることにより、微細なト
ランジスタ形成部の列幅を小さくできる。
【0145】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、レーザ発振器から放射されたレーザビームのビーム
断面形状を整形して、ビーム断面形状が長方形状であっ
てその長手方向においてアモルファスシリコン膜上の被
ポリシリコン化部の縦方向及び横方向のいずれか一方の
長さよりも長い長さを有する線状レーザビームを生成す
る線状ビーム生成ステップと、線状レーザビームを該レ
ーザビームの幅方向に被ポリシリコン化部上を相対的に
移動させて照射し、被ポリシリコン化部の全域を照射す
る照射ステップとを含むように構成したので、レーザビ
ームの重ね合わせ部に見られるような結晶の不均一性
や、連続発振のレーザビームを掃引することによる再結
晶化部の波紋状の不均一性がなく、照射部長手方向全域
にわたって均一なポリシリコン結晶を得ることができる
効果がある。
【0146】請求項2の発明によれば、レーザ発振器か
ら放射されたレーザビームのビーム断面形状を整形し
て、ビーム断面形状が長方形状であってその長手方向に
おいてポリシリコン化により基板上に形成される薄膜ト
ランジスタ形成部の1列分よりも長い長さを有し、幅方
向において薄膜トランジスタ形成部の幅より広く、且つ
薄膜トランジスタ形成部の列間隔より小さい幅を有する
線状レーザビームを生成する線状ビーム生成ステップ
と、線状レーザビームを用いて薄膜トランジスタ形成部
の一列分を一括照射する照射ステップとを含むように構
成したので、レーザビームの重ね合わせ部に見られるよ
うな結晶の不均一性や、連続発振のレーザビームを掃引
することによる再結晶化部の波紋状の不均一性がなく、
薄膜トランジスタ形成部長手方向全域にわたって均一な
ポリシリコン結晶が得ることができる効果がある。
【0147】請求項3の発明によれば、線状ビーム生成
ステップにおいて、長手方向において基板上に形成され
る薄膜トランジスタ形成部の1列分よりも長い長さを有
し、幅方向において薄膜トランジスタ形成部の幅より広
く、且つ薄膜トランジスタ形成部の列間隔より小さい幅
を有する線状レーザビームを複数生成し、照射ステップ
において、複数の線状レーザビームを使用して薄膜トラ
ンジスタ形成部の複数列分を一括照射するように構成し
たので、レーザビームの重ね合わせ部に見られるような
結晶の不均一性や、連続発振のレーザビームを走査する
ことによる再結晶化部の波紋状の不均一性がなく、照射
部長手方向全域にわたって均一なポリシリコン結晶が得
られる上に加工速度を向上することができる効果があ
る。
【0148】請求項4の発明によれば、基板上に照射さ
れる線状レーザビームのパルス幅が50ns以上である
ように構成したので、アモルファスシリコン膜を線状レ
ーザビームにて十分加熱することにより溶融後結晶化が
進む部分の時間を長くすることができ、粒塊が大きく電
子移動度の高い良質のポリシリコン結晶を得ることがで
きる効果がある。
【0149】請求項5の発明によれば、50ns以上の
パルス幅のレーザビームを生成するために、レーザ発振
器から放射されたレーザビームを複数のレーザビームに
分割し、該複数のレーザビームのうちの少なくとも1つ
のレーザビームを他のレーザビームに対して遅延させ、
複数のレーザビームを重畳して基板上に照射する光学的
遅延ステップをさらに含むように構成したので、アモル
ファスシリコン膜を線状レーザビームにて十分加熱する
ことにより溶融後結晶化が進む部分の時間を長くするこ
とができ、粒塊が大きく電子移動度の高い良質のポリシ
リコン結晶を得ることができる効果がある。
【0150】請求項6の発明によれば、レーザ発振器
が、レーザ媒質としてのレーザガス中において相対して
設けられた第1及び第2の主電極と、第1及び第2の主
電極に並列に接続されたスパイカコンデンサと、第1及
び第2の主電極にスイッチング素子を介して並列に接続
されたサステイナコンデンサと、スパイカコンデンサを
充電するスパイカ充電用電源と、サステイナコンデンサ
を充電するサステイナ充電用電源とを具備するように構
成したので、アモルファスシリコン膜を線状レーザビー
ムにて十分加熱することにより溶融後結晶化が進む部分
の時間を長くすることができ、粒塊が大きく電子移動度
の高い良質のポリシリコン結晶を得ることができる効果
がある。
【0151】請求項7の発明によれば、アニール用のレ
ーザ発振器とは別に設けられた他のレーザ発振器を使用
して、アモルファスシリコン膜又は基板を補助加熱する
補助加熱ステップをさらに含んでおり、補助加熱用の他
のレーザ発振器から放射されたレーザビームは、長手方
向においてアニール用レーザビームの長さより大きな長
さを有し、且つ幅方向においてアニール用レーザビーム
の幅より大きな幅を有しており、更に、アニール用レー
ザビームパルスの時間幅よりも長いパルス状のレーザビ
ームか又は定常発振のレーザビームであり、補助加熱ス
テップにおいて同一の被ポリシリコン化部に対しアニー
ル用及び補助加熱用レーザビームを同時に一括照射し、
且つ補助加熱用レーザビームの照射中にアニール用レー
ザビームの照射が完了するように構成したので、補助加
熱する領域をポリシリコン化する部位の周囲のみに限定
することができ、不必要な領域での熱の消費を防ぐこと
ができる効果がある。また、アモルファスシリコン膜を
形成した基板の保持機構の構成において熱の影響を考慮
する必要がないので、簡易な機構で基板を保持すること
ができる効果がある。さらに、補助加熱によりアモルフ
ァスシリコン膜又は基板自体の光吸収により温度が上昇
するので、瞬時にポリシリコン化領域の加熱を行うこと
ができる効果がある。また、補助加熱用レーザビームの
照射領域が、アニール用レーザビームの照射領域を覆う
ようビーム形状、照射位置を設定しているため、アニー
ル用レーザビームの照射位置と補助加熱用レーザビーム
の照射位置とのズレをある程度許容することができる効
果がある。
【0152】請求項8の発明によれば、線状ビーム生成
ステップにおいて、レーザ発振器から放射されたレーザ
ビームを線状に整形すべく、遠視野で複数の点を少なく
とも1つの直線上に任意の位相で結像するフーリエ変換
型位相ホログラムを用いるように構成したので、長手方
向に均一な光強度分布を有する線状レーザビームを生成
し、安定で均一なアニールを行うことができる効果があ
る。
【0153】請求項9の発明によれば、遠視野で複数の
点を互いに平行な複数の直線上にそれぞれ任意の位相で
結像する位相ホログラムを用いるように構成したので、
より均一な光強度分布を有する線状レーザビームを生成
し、安定で均一なアニールを行うことができる効果があ
る。
【0154】請求項10の発明によれば、フーリエ変換
型位相ホログラムによって結像される複数の点に相当す
る複数のビームがアモルファスシリコン膜に対して実質
的に垂直に入射すべくフーリエ変換型位相ホログラムの
後方にレンズの前側の焦点位置にフーリエ変換型位相ホ
ログラムが配置されるように構成したので、安定で均一
なアニールを行うことができる効果がある。
【0155】請求項11の発明によれば、線状ビーム生
成ステップにおいて線状レーザビームを生成する前に、
少なくとも線状のレーザビームの幅方向に相当するレー
ザビームの一断面方向にビーム幅を拡大するステップを
さらに含むように構成したので、線状レーザビームの幅
を細くするのに伴いトランジスタ形成部の列間隔を小さ
くできるので、高精細の液晶ディスプレイを製作できる
効果がある。
【0156】請求項12の発明によれば、レーザ発振器
が、少なくとも線状レーザビームの幅方向に相当するレ
ーザビームの一断面方向に関するビーム発散角を低減す
るための不安定型共振器を具備するように構成したの
で、線状レーザビームの幅を細くするのに伴いトランジ
スタ形成部の列間隔を小さくできるので、高精細の液晶
ディスプレイを製作できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるレーザアニーリン
グ方法を説明するためのアニーリング加工対象物である
アモルファスシリコン膜が形成された基板の平面図及び
線状レーザビームの長手方向の強度分布を示す図であ
る。
【図2】 図2はこの発明の一実施例によるレーザアニ
ーリング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成
を示すブロック図である。
【図3】 図2に示したレーザアニーリング装置に使用
されるビームホモジナイザの一例の構成を示す構成図で
ある。
【図4】 図2に示したレーザアニーリング装置に使用
されるビームホモジナイザの他の例の構成を示す構成図
である。
【図5】 図2に示したレーザアニーリング装置により
結晶化されたポリシリコン層を示す平面図である。
【図6】 この発明の他の実施例によるレーザアニーリ
ング方法を説明するためのアニーリング加工対象物であ
るアモルファスシリコン膜が形成された基板の平面図で
ある。
【図7】 この発明の他の実施例によるレーザアニーリ
ング方法を説明するためのアニーリング加工対象物であ
るアモルファスシリコン膜が形成された基板の平面図で
ある。
【図8】 この発明の他の実施例によるレーザアニーリ
ング方法を説明するためのアニーリング加工対象物であ
るアモルファスシリコン膜が形成された基板の平面図で
ある。
【図9】 この発明の他の実施例によるレーザアニーリ
ング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を示
すブロック図である。
【図10】 図9に示したレーザアニーリング装置に用
いられたエキシマレーザの発振波形を示す図である。
【図11】 図9に示したレーザアニーリング装置を用
いた場合の加工対象物表面の温度変化を示す図である。
【図12】 レーザアニーリング装置のレーザ発振器の
レーザパルス幅と製作されるポリシリコン結晶の電子移
動度との関係を示すグラフ図である。
【図13】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示すブロック図である。
【図14】 図13に示したレーザアニーリング装置に
用いられたエキシマレーザの発振波形を示す図である。
【図15】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示すブロック図である。
【図16】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示すブロック図である。
【図17】 図16に示したレーザアニーリング装置に
使用されるスパイカ・サステイナ方式エキシマレーザの
励起回路構成を示す回路図である。
【図18】 図16に示したレーザアニーリング装置に
使用されたスパイカ・サステイナ方式エキシマレーザの
発振波形を示す図である。
【図19】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示すブロック図である。
【図20】 図19に示した実施例に係るレーザアニー
リング方法の第1のレーザ光と第2のレーザ光のアモル
ファスシリコン膜上の照射領域を示す図である。
【図21】 図19に示した実施例に係るレーザアニー
リング方法の第1のレーザ光と第2のレーザ光の光強度
の時間変化を示す図である。
【図22】 図19に示した実施例に係るレーザアニー
リング方法、及び従来のレーザアニーリング方法におけ
るレーザアニール時のアモルファスシリコン表面の温度
変化を示す図である。
【図23】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示すブロック図である。
【図24】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示すブロック図である。
【図25】 図24に示したレーザアニーリング装置に
おけるビーム整形光学系の構成を示すブロック図であ
る。
【図26】 図24に示したレーザアニーリング装置の
ビーム整形光学系により生成される複数の照射スポット
を示す図である。
【図27】 図24に示したレーザアニーリング装置の
ビーム整形光学系により生成される複数の照射スポット
の強度分布を示す図である。
【図28】 図24に示したレーザアニーリング装置の
ビーム整形光学系に使用される位相ホログラムのパター
ニングを示す図である。
【図29】 図24に示したレーザアニーリング装置の
ビーム整形光学系に使用される位相ホログラムの製作方
法を示す図である。
【図30】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置に使用さ
れるビーム整形光学系により生成される複数の照射スポ
ットを示す図である。
【図31】 図30に示したレーザアニーリング装置の
ビーム整形光学系により生成される線状ビームの幅方向
の複数の照射スポットの強度分布を示す図である。
【図32】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置に使用さ
れるビーム整形光学系の構成を示す構成図である。
【図33】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示す平面図及び側面図である。
【図34】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示す平面図及び側面図である。
【図35】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示す平面図及び側面図である。
【図36】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示す平面図及び側面図である。
【図37】 この発明の他の実施例によるレーザアニー
リング方法を実現するレーザアニーリング装置の構成を
示す平面図及び側面図である。
【図38】 従来のレーザアニーリング方法を説明する
ためのアニーリング加工対象物であるアモルファスシリ
コン膜が形成された基板の平面図である。
【図39】 従来のレーザアニーリング方法を用いた場
合の照射結果を示す結晶化されたポリシリコン層の平面
図である。
【図40】 従来のレーザアニーリング装置の構成を示
すブロック図である。
【図41】 従来のレーザアニーリング装置に用いられ
たエキシマレーザの発振波形を示す図である。
【符号の説明】
21,37 レーザ発振器、28,70 レンズ、31
基板(又はアニーリング加工対象物)、31a アモ
ルファスシリコン膜、31b 基板、41 第一の主電
極、42 第二の主電極、44 スパイカコンデンサ、
45 スパイカ充電用電源、46 サステイナコンデン
サ、47 サステイナ充電用電源、51磁気飽和スイッ
チ(スイッチング素子)、71 ホログラム(フーリエ
変換型位相ホログラム)、84,85 不安定型共振
器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 満夫 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 春田 健雄 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 八木 重典 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 後藤 令幸 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 吉田 和夫 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術センター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたアモルファスシリコ
    ン膜をレーザ照射によりポリシリコン化するレーザアニ
    ーリング方法において、レーザ発振器から放射されたレ
    ーザビームのビーム断面形状を整形して、ビーム断面形
    状が長方形状であり、且つその長手方向において前記ア
    モルファスシリコン膜上の被ポリシリコン化部の縦方向
    及び横方向のいずれか一方の長さよりも長い長さを有す
    る線状レーザビームを生成する線状ビーム生成ステップ
    と、前記線状レーザビームを該レーザビームの幅方向に
    前記被ポリシリコン化部上を相対的に移動させて照射
    し、前記被ポリシリコン化部の全域を照射する照射ステ
    ップとを含むことを特徴とするレーザアニーリング方
    法。
  2. 【請求項2】 基板上に形成されたアモルファスシリコ
    ン膜をレーザ照射によりポリシリコン化するレーザアニ
    ーリング方法において、レーザ発振器から放射されたレ
    ーザビームのビーム断面形状を整形して、ビーム断面形
    状が長方形状であり、且つその長手方向においてポリシ
    リコン化により前記基板上に形成される薄膜トランジス
    タ形成部の1列分よりも長い長さを有し、幅方向におい
    て前記薄膜トランジスタ形成部の幅より広く、且つ薄膜
    トランジスタ形成部の列間隔より小さい幅を有する線状
    レーザビームを生成する線状ビーム生成ステップと、前
    記線状レーザビームを用いて薄膜トランジスタ形成部の
    一列分を一括照射する照射ステップとを含むことを特徴
    とする請求項1に記載のレーザアニーリング方法。
  3. 【請求項3】 前記線状ビーム生成ステップにおいて、
    長手方向において前記基板上に形成される薄膜トランジ
    スタ形成部の1列分よりも長い長さを有し、幅方向にお
    いて前記薄膜トランジスタ形成部の幅より広く、且つ薄
    膜トランジスタ形成部の列間隔より小さい幅を有する線
    状レーザビームを複数生成し、前記照射ステップにおい
    て、前記複数の線状レーザビームを使用して薄膜トラン
    ジスタ形成部の複数列分を一括照射することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のレーザアニーリング方
    法。
  4. 【請求項4】 前記基板上に照射される前記線状レーザ
    ビームのパルス幅が50ns以上であることを特徴とす
    る請求項2に記載のレーザアニーリング方法。
  5. 【請求項5】 50ns以上のパルス幅のレーザビーム
    を生成するために、前記レーザ発振器から放射されたレ
    ーザビームを複数のレーザビームに分割し、該複数のレ
    ーザビームのうちの少なくとも1つのレーザビームを他
    のレーザビームに対して遅延させ、前記複数のレーザビ
    ームを重畳して前記基板上に照射する光学的遅延ステッ
    プをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のレー
    ザアニーリング方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザ発振器が、レーザ媒質として
    のレーザガス中において相対して設けられた第1及び第
    2の主電極と、前記第1及び第2の主電極に並列に接続
    されたスパイカコンデンサと、前記第1及び第2の主電
    極にスイッチング素子を介して並列に接続されたサステ
    イナコンデンサと、前記スパイカコンデンサを充電する
    スパイカ充電用電源と、前記サステイナコンデンサを充
    電するサステイナ充電用電源とを具備することを特徴と
    する請求項4に記載のレーザアニーリング方法。
  7. 【請求項7】 アモルファスシリコン膜をポリシリコン
    化するアニール用の前記レーザ発振器とは別に設けられ
    た他のレーザ発振器を使用して、前記アモルファスシリ
    コン膜又は前記基板を補助加熱する補助加熱ステップを
    さらに含んでおり、補助加熱用の前記他のレーザ発振器
    から放射されたレーザビームは、長手方向においてアニ
    ール用レーザビームの長さより大きな長さを有し、且つ
    幅方向においてアニール用レーザビームの幅より大きな
    幅を有しており、更に、アニール用レーザビームパルス
    の時間幅よりも長いパルス状のレーザビームか又は定常
    発振のレーザビームであり、前記補助加熱ステップにお
    いて同一の被ポリシリコン化部に対しアニール用及び補
    助加熱用レーザビームを同時に一括照射し、且つ補助加
    熱用のレーザビームの照射中にアニール用レーザビーム
    の照射が完了することを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載のレーザアニーリング方法。
  8. 【請求項8】 前記線状ビーム生成ステップにおいて、
    前記レーザ発振器から放射されたレーザビームを線状に
    整形すべく、遠視野で複数の点を少なくとも1つの直線
    上に任意の位相で結像するフーリエ変換型位相ホログラ
    ムを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載のレーザアニーリング方法。
  9. 【請求項9】 前記フーリエ変換型位相ホログラムは、
    遠視野で複数の点を互いに平行な複数の直線上にそれぞ
    れ任意の位相で結像する位相ホログラムであることを特
    徴とする請求項8に記載のレーザアニーリング方法。
  10. 【請求項10】 前記フーリエ変換型位相ホログラムに
    よって結像される複数の点に相当する複数のレーザビー
    ムが前記アモルファスシリコン膜に対して実質的に垂直
    に入射すべく前記フーリエ変換型位相ホログラムの後方
    にレンズが設けられており、前記フーリエ変換型位相ホ
    ログラムが前記レンズの前側の焦点位置に配置されたこ
    とを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のレーザア
    ニーリング方法。
  11. 【請求項11】 前記線状ビーム生成ステップにおいて
    線状レーザビームを生成する前に、少なくとも線状のレ
    ーザビームの幅方向に相当するレーザビームの一断面方
    向にビーム幅を拡大するステップをさらに含むことを特
    徴とする請求項8から請求項10のうちのいずれか一項
    に記載のレーザアニーリング方法。
  12. 【請求項12】 前記レーザ発振器が、少なくとも線状
    レーザビームの幅方向に相当するレーザビームの一断面
    方向に関するビーム発散角を低減するための不安定型共
    振器を具備することを特徴とする請求項8から請求項1
    0のうちのいずれか一項に記載のレーザアニーリング方
    法。
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