JP3306990B2 - 波長変換レーザ装置 - Google Patents

波長変換レーザ装置

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JP3306990B2
JP3306990B2 JP9788493A JP9788493A JP3306990B2 JP 3306990 B2 JP3306990 B2 JP 3306990B2 JP 9788493 A JP9788493 A JP 9788493A JP 9788493 A JP9788493 A JP 9788493A JP 3306990 B2 JP3306990 B2 JP 3306990B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、波長変換されたレー
ザビームを、高出力域においても効率良く、時間変動な
く安定に、さらに長期間にわたり安定して発生させる波
長変換レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図20は、例えば、特開平3ー2521
86号公報に示された、従来の波長変換レーザ装置であ
る。図20において、1は基本波レーザビームを発生す
るレーザ発振器で、たとえばNd: YAGレーザの第2高調
波として発生されるグリーンレーザ発生装置、2はレー
ザ発振器1から発生された基本波レーザビーム、3は波
長変換素子である非線形光学素子で、たとえば、チタン
酸りん酸カリウムKTP(KTiOP4)や、ほう酸バリウムBBO(b
-BaB2O4)などの光学結晶、7は波長変換されたレーザビ
ーム、12は波長変換素子3の温度調節器、100は光
学基板である。
【0003】従来のレーザビーム波長変換装置は、上記
のように構成され、入射基本波レーザビーム2は、波長
変換素子3にある角度で入射すると、波長変換素子の非
線形効果により、その一部が波長変換され、高調波レー
ザビーム7として外部に出力される。その波長変換効率
は入射レーザビーム2のパワー密度に比例して増大す
る。
【0004】また、波長変換素子3内の進行方向に沿っ
た各点で発生した波長変換レーザビームが、互いに打ち
消し合わないようになる条件、いわゆる位相整合条件を
満たすには、波長変換素子3にある特定の方角からレー
ザビーム2を入射させる必要がある。この入射角度は波
長変換素子3の温度変動に従って変化するため、高出力
域で効率良く波長変換を実行するには、光学素子の温度
を温度調節器12により細かく調整する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の波
長変換レーザ装置では、波長変換素子3の吸収率は入射
基本波レーザビーム2に対しては小さく無視できるが、
波長変換レーザビーム7については大きい。
【0006】このことから、基本波レーザビーム2を集
光して波長変換素子3に入射させたり、基本波レーザビ
ーム2の出力を上げることにより波長変換素子3内での
入射ビームのパワー密度を上昇させて波長変換効率を上
げたり、さらに従来の実施例のように、複数の固体素子
を直列に配置して、基本波レーザビーム2と波長変換素
子3との相互作用を増大させて波長変換出力を増大させ
ようとすると、高出力の波長変換レーザビーム7の一部
が波長変換素子3に吸収され、波長変換素子3をレーザ
ビームの光路近傍で局所加熱して、これを局所温度上昇
をさせてしまい、この温度上昇により波長変換素子3の
位相整合状態が崩れ波長変換出力が減少し、従って入射
レーザビーム2の出力に比例して波長変換レーザビーム
7は上昇せず、結果として高出力の波長変換レーザビー
ム7を得ることはできなかった。
【0007】また、この温度上昇を温度調節器12によ
り抑えようと努力しても、波長変換素子3内の温度分布
が、レーザビームの分布に対応して局所的に発生し、こ
のために波長変換素子3が局所的に熱変形し、これが通
過するレーザビームの波面を乱すために、波長変換効率
が減少し、温度調節器12を用いて波長変換素子3全体
の温度を調整するだけでは、この減少を抑えることはで
きなかった。例えば、BBO結晶からなる波長変換素子3
による、グリーンレーザビームの紫外レーザビームへの
波長変換の実験例では、レーザビームの出力は入射グリ
ーン出力の10W以上に対して飽和してしまい、平均出力
として最高で2W程度が得られているに過ぎない。
【0008】また、波長変換素子3の温度上昇による波
長変換レーザビーム7の減少と、その減少による波長変
換素子3の温度下降による波長変換レーザビーム7の出
力の再上昇の繰り返しが短時間で起こり、これにより波
長変換レーザビーム7の出力が短時間内に大きく変動し
不安定になるという問題もあった。
【0009】さらに、百時間程度の長期間の運転を行う
と、波長変換レーザビーム7の波長変換素子3への吸収
により、波長変換素子3内にカラーセンターが生成さ
れ、これが波長変換素子3に色を付け、曇らせ、これに
より波長変換素子3の吸収率が増大し、波長変換レーザ
ビーム7の出力が減少するばかりでなく、極端な場合に
は波長変換レーザビーム7の発生が止ってしまうことも
あった。
【0010】さらに、入射レーザビーム2と波長変換レ
ーザビーム7の波長変換素子3内での進行方向が異な
る、いわゆるウオークオフにより、出射ビームが図21
に示すように偏平状となる強い方向性を示してしまい、
例えば半導体露光装置用の光源としての応用を考えた場
合、矩形状の広い領域を照射できるレーザ半導体露光プ
ロセシングが一度に行えず、生産の効率が低かった。
【0011】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、高出力域においても、波長変換
素子の温度上昇による位相整合のずれ、温度の短時間変
動による不安定発振、および波長変換素子内のカラーセ
ンターの発生が少なく、効率良く、安定に高出力の波長
変換レーザビームを長期にわたり得るとともに、その波
長変換レーザビームを用いて、効率的で、安定なレーザ
プロセシングを行うことを目的としている。
【0012】さらにこの発明は、半導体露光装置などの
光源用として最適な、例えば矩形状、円形状の広い領域
を均一に照射できるビーム形状をもつ波長変換レーザビ
ームを得るとともに、その波長変換レーザビームを用い
て、効率的で、安定なレーザプロセシングを行うことを
目的としている。
【0013】
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる波長変
換レーザ装置は、波長変換素子の近傍または側面に、入
射レーザビームに対して全反射で波長変換レーザビーム
に対して全透過である波長選択反射手段と、この波長選
択反射手段により全反射されたレーザビームを再び上記
波長変換素子に向けて全反射させる全反射手段とを備
え、その組み合わせにより、上記波長変換素子に導入し
た入射レーザビームを、波長変換素子内を複数回往復さ
せ、往復する光路の複数箇所から、波長変換レーザビー
ムを選択的に外部に取り出すと共に、上記複数箇所から
外部に取り出されたそれぞれの波長変換レーザビーム
ウォークオフにより扁平状となっており、扁平状の短手
方向に互いに空間的に重なりを持つように制御するも
である。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】この発明においては、波長変換素子の近傍また
は側面に設けられた入射光の全反射手段と、入射光に対
して全反射で波長変換されたレーザビームに対して全透
過である波長選択反射手段との組み合わせにより、入射
レーザビームを波長変換素子中で複数回往復させ、波長
変換されたレーザビームが大きくなる前に、往復する光
路の複数箇所から波長変換素子の外部に取り出され、波
長変換素子への波長変換レーザビーム吸収による波長変
換素子の発熱を最低限に押さえることができる。これに
より、高出力域においても波長変換レーザ出力は飽和す
ることなく、高出力の波長変換レーザビームが得られ
る。また、長期間の動作においてもカラーセンターなど
の波長変換素子の曇りの発生が少なく、波長変換素子に
色がつくことなく長期にわたり安定な動作が保証され
る。さらに、入射レーザビームは複数回波長変換素子を
通過するために、波長変換の効率は往復回数の増大によ
り容易に増大させることができる。このために、1回の
波長変換素子の通過による波長変換効率が低い条件でも
効率良く波長変換を行うことができる。このことから、
従来の装置を用いた場合と同じ波長変換レーザ出力を得
るために、必要な入射パワーを低くでき、従って発振の
効率を上げることができる。また入射パワー密度を下げ
ることもでき、波長変換素子表面の損傷が減少し長期間
の安定動作が実現できる。しかも、複数箇所から外部に
取り出されたそれぞれの波長変換レーザビームはウォー
クオフにより扁平状となっており、扁平状の短手方向に
互いに空間的に重なりを持つように制御することによ
り、一つのレーザビームとして外部にて用いるように
し、波長変換素子中の波長変換レーザビームの方向ずれ
によるビーム形状の変形を目立たなくすることができ、
さらにレーザ加工に必要な任意形状、例えばリソグラフ
ィー用に矩形状の波長変換レーザビームを作り出すこと
ができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【実施例】実施例1. 図1は発明の実施例1の構成を示す側面図であり、図
において、1、2、3、100は上記従来装置と全く同
一のものである。4、5は反射ミラーで、ミラー4は入
射基本波レーザビーム2を反射させ、波長変換されたレ
ーザビーム7を全透過させる波長選択光学薄膜60と波
長変換レーザビーム7に対する無反射光学薄膜40とを
備えている。また、ミラー5は入射基本波レーザビーム
2を全反射させる光学薄膜50が施されている。90は
反射ミラー4、5や波長変換素子3の角度を調整する角
度調整器である。
【0025】上記のように構成された波長変換レーザ装
置において、レーザ発振器1から発生した基本波レーザ
ビーム2は、波長変換素子3により波長変換され、波長
変換されたレーザビームは光学薄膜60の作用によりそ
のほとんどが波長変換レーザビーム7として外部に取り
出される。
【0026】入射レーザビーム2のうち波長変換されな
かった成分は、光学薄膜60の作用により、そのほとん
どがミラー4により反射され、再び波長変換素子3を紙
面左方向に通過するが、この方向では位相整合条件が満
たされないため波長変換はされず、ほとんど減衰するこ
となく光学薄膜50の作用によりミラー5で全反射され
る。
【0027】再び紙面右方向に、波長変換素子3中を位
相整合条件を満たしながら、従って波長変換されながら
進行し、波長変換レーザビーム7を外部に出射する。こ
うして入射レーザビーム2は、波長変換素子3中をミラ
ー4と5の作用により複数回往復し、各往復毎に外部に
波長変換レーザビーム7を出射する。
【0028】また、波長変換素子3への波長変換レーザ
ビーム7の一部吸収による温度上昇に伴う位相整合角の
変化に対応して、ミラー4、5、および波長変換素子3
の角度を、光学部品角度調整手段90により調整して、
波長変換条件が高出力域においても保たれるようにする
ことができる。なお、この位相整合角の調整は、ミラー
4、5および波長変換素子3のどちらか一方を調整する
ことにより行ってもよい。
【0029】実施例2. 次に、発明の実施例2について説明する。上記実施例
1で得られた波長変換レーザビーム7を、波長変換素子
3外部において重ね合わせて任意形状のビームパターン
を作る。例えば、図2に示すよう配置すれば、半導体露
光装置用の光源として最適な、矩形状のビームパターン
を得ることができる。
【0030】実施例3.なお、上記実施例1で用いた反
射ミラー4および5のいずれか、または両方を波長変換
素子3の側面に光学薄膜を施して、例えば図3に示すよ
うに構成してもよい。この図3では、波長変換素子3の
側面に波長選択薄膜60を施すと共に、他方の側面に、
入射レーザビーム2に対する全透過光学薄膜41と、全
反射光学薄膜50を部分選択的に施すことにより、上記
実施例と同様な効果を得ることができる。
【0031】実施例4.上記実施例3では、波長変換素
子3の各反射点からビームを出射する構成を示したが、
図4に示すように、波長選択反射光学薄膜60を施す波
長変換素子の側面に、波長変換選択反射薄膜60と全反
射光学薄膜50を交互に施すようにして、一部の反射点
からのみ波長変換レーザビーム7を取り出すようにして
もよい。
【0032】実施例5.また、例えば図5に示すよう
に、光路中に集光レンズ8などの集光光学系を配置する
か、反射ミラー4、5の表面を凹面状にして、集光ビー
ム状の基本波レーザビーム2が波長変換素子3中を通過
するようにしてもよく、こうすれば波長変換の効率が上
昇する。
【0033】実施例6.また、図6に示すように、両端
面に全反射光学薄膜50を施したブロック9を配置し
て、波長変換素子3内を基本波レーザビーム2が複数回
往復する光路が、2周以上となるようにしてもよく、こ
うすれば基本波レーザビーム2の波長変換素子3中での
往復回数が増して波長変換の効率が増す。
【0034】実施例7.また、図7に示すように、プリ
ズム形状の反射ミラー10を、波長変換素子3側面に配
置して、基本波レーザビーム2が波長変換素子3中を複
数回往復するように構成してもよい。このようにすれ
ば、構造が簡素化し、また各光路の位置調整が独立して
行える効果もある。
【0035】実施例8.また、図8に示すように、波長
変換素子3の最終位置で、レーザビームを反射ミラー5
により反射させてレーザ発振器1に戻るようにしてもよ
い。こうすれば波長変換されなかった基本波レーザビー
ム2は、再びレーザ1の共振器中で増幅されて波長変換
に寄与するため、波長変換の効率が上昇する。
【0036】実施例9.また、図9に示すように、波長
変換素子3を複数個に分割して往復する各光路に対応し
て備えるようにしてもよく、こうすると小さな波長変換
素子3が使えるために、安価に構成できる。
【0037】参考例1. 次に、本発明の参考例1について説明する。図10に示
すように、安価な複数の小型の波長変換素子3を光路上
に配置すると共に、各波長変換素子3の間に、入射基本
波レーザビーム2を全透過させ、波長変換されたレーザ
ビームを全反射させる波長選択光学薄膜61、入射基本
波レーザビーム全透過させる光学薄膜41を施した波長
選択ビームスプリッター11を配置する。こうすると小
さな波長変換素子が使えるために、安価に構成できる。
また、波長変換されたレーザビームは直ちに外部に取り
出され、波長変換素子への波長変換レーザビーム吸収に
よる波長変換素子の発熱を最低限に押さえることができ
る。これにより、高出力域においても波長変換レーザ出
力は飽和することなく、高出力の波長変換レーザビーム
が得られる。また、長期間の動作においてもカラーセン
ターなどの波長変換素子の曇りの発生が少なく、波長変
換素子に色がつくことなく長期にわたり安定な動作が保
証される。さらに、入射光は複数個の波長変換素子を通
過するために、波長変換の効率は波長変換素子個数の増
大により容易に増大させることができる。このために、
1回の波長変換素子の通過による波長変換効率が低い条
件でも効率良く波長変換を行うことができる。このこと
から、従来の装置を用いた場合と同じ波長変換レーザ出
力を得るために必要な入射パワーを低くでき、従って発
振の効率を上げることができる。また入射パワー密度を
下げることもでき、波長変換素子表面の損傷が減少し長
期間の安定動作が実現できる。
【0038】実施例10. なお、上記各実施例および参考例では何れも、波長変換
素子3の位相整合条件を、光学部品角度調整器90によ
り調整する場合について示したが、図11に示すよう
に、波長変換素子3の全体温度を波長変換素子3に接触
して設けられた温度調節器12により調節して行っても
よい。
【0039】参考例2. 次に上記のようにして得られた波長変換レーザビームを
波長変換レーザプロセシング装置に利用する場合につい
て説明する。図12に示す参考例では、複数の波長変換
レーザビームを、反射ミラー13でまとめてレーザ加工
プロセシングステーションに導いている。
【0040】この例では、レーザプロセシングステーシ
ョンは、波長変換レーザビーム7をまとめて集光する集
光レンズ14、これにより集光されたレーザビームによ
り、切断、熔接、焼き入れ、表面改質、蒸発加工などの
レーザ加工プロセシングを施される、鉄、アルミ、セラ
ミック、プリント基盤などの加工対象物17、加工を効
率良く行うために、酸素、アルゴン、ヘリウムなどのガ
スを吹き込むための導入口16、このガスを閉じ込める
ためのノズル15からなる。
【0041】波長変換レーザビーム7は、反射ミラー1
3により方向を変えられた後、レーザプロセシングステ
ーションに導かれ、集光レンズ14により集光され、ガ
ス導入口16から導入されたガスの雰囲気の中で、加工
物17のレーザ加工を行う。
【0042】例えば、基本波レーザビーム2と相性の悪
い加工材を効率良くレーザ加工でき、また短波長に変換
された波長変換レーザビーム7を用いた場合には、レン
ズ13によりより小さな集光スポットに絞られ、高い集
光強度を得て、効率良くレーザ加工が行える。
【0043】さらに、複数の波長変換レーザビーム7を
合成して生成された波長変換レーザビーム7は、強度が
高く、従って短時間で効率良くレーザ加工プロセシング
を行うことができる。
【0044】実施例11. 図13に示す実施例では、複数の波長変換レーザビーム
を、反射ミラー13でまとめてレーザ半導体露光装置プ
ロセシングステーションに導いている。
【0045】この実施例では、レーザプロセシングステ
ーションは、波長変換レーザビーム7をまとめて集光す
る第1の集光レンズ18、その集光性を調整するフライ
アイレンズなどからなる光学素子19、第2の集光レン
ズ20、パターンを転写するためのレチクル21、レチ
クル21上のパターンを半導体23上に転写するための
投影レンズ22、さらに半導体の位置を変化させる移動
ステージ24からなる。
【0046】波長変換レーザビーム7は、反射ミラー1
3により方向を変えられた後、レーザプロセシングステ
ーションに導かれ、レチクル21のパターンを半導体2
3の上に転写するが、基本波レーザビームより波長が短
くなるように発生させられた波長変換レーザビーム7
は、回折効果が小さく、より細かいレチクル21上のパ
ターンを半導体23上に転写できる。このため、密度の
高い電子回路を半導体上に転写でき、集積度の高い集積
回路を製造することができる。
【0047】さらに、複数の波長変換レーザビームを合
成して生成された波長変換レーザビーム7は強度が高
く、従って短時間で効率良く転写プロセシングを行うこ
とができ、生産性を向上させる。
【0048】実施例12. 図14に示す実施例では、複数の波長変換レーザビーム
7を、反射ミラー13でまとめて色素セル励起プロセシ
ングステーションに導いている。
【0049】この実施例では、レーザプロセシングステ
ーションは、波長変換レーザビーム7をまとめて集光す
る集光レンズ14、これにより集光されたレーザビーム
により、レーザ励起される色素が、アルコールなどの液
体に溶かされて詰められた色素セル25、励起された色
素セルからレーザビームを取り出す、全反射ミラー27
と部分反射ミラー26からなるレーザ共振器からなる。
【0050】波長変換レーザビームは、反射ミラー13
により方向を変えられた後、集光レンズ14により色素
が詰められた色素セル25中で集光され、これをレーザ
励起する。
【0051】レーザ励起された色素セル25から発生さ
れたレーザビーム28は、全反射ミラー27と部分反射
ミラー26の間を往復し増幅され、ある一定以上の大き
さになると、レーザビーム29として外部に取り出され
る。
【0052】レーザ励起された色素セル25は、広い波
長のレーザビームを発生する能力があり、従って共振器
の構成を変えて種々の波長を持つレーザビームを発生さ
せ、これにより例えば、レーザによるウラン濃縮などの
応用で必要とされる特殊な波長のレーザビームを発生さ
せることができる。
【0053】さらに、複数の波長変換レーザビームを合
成して生成された波長変換レーザビーム7は強度が高
く、従って色素セルを励起して、高いゲインを持つレー
ザ媒質を発生させることができ、このために高出力のレ
ーザビーム29が効率良く得られる。
【0054】参考例3. 次に、本発明の参考例3について説明する。図15
(a)(b)に示す参考例では、(a)に示すように、
複数の波長変換レーザビーム7を、集光レンズ14で光
ファイバー30に導き、光ファイバー30中で合成する
か、(b)に示すように、それぞれの波長変換レーザビ
ーム7に対して複数の光ファイバー30を備えて離れた
場所に伝送後に合成し、合成された高出力波長変換レー
ザビーム70を作り出している。
【0055】こうすれば、ほぼ均一な強度分布を持つ、
出力の高い波長変換レーザビーム70が得られ、さらに
波長変換レーザ装置から離れた場所まで、光ファイバー
30により安全に高出力波長変換レーザビーム70を導
くことができる。
【0056】さらに、光ファイバー30を、例えば酸化
物ガラスにより構成された非線形光学素子としたり、例
えば希土類元素をドープしたガラスからなるアップコン
バージョン光学素子とし、光ファイバー30中で2段目
の波長変換を行うようにすれば、高出力の波長変換レー
ザビームの作用により、効率良く2段階波長変換された
レーザビーム70を取り出すこともできる。
【0057】参考例4. 図16に示す参考例では、参考例3で示した装置によ
り、光ファイバー30中で合成された高出力波長変換レ
ーザビームにより、レーザ加工プロセシングを行ってい
る。この場合、光ファイバー30から出射されるレーザ
ビーム70は、高出力で均一なビームパターンを持つた
めに、これを集光して効率良く安定なレーザ加工が実現
できる。
【0058】さらに、図16に示す例では、光ファイバ
ー30端面のビームパターンを、2つの集光レンズ14
により加工物17上に像転写している。こうすれば、光
ファイバー端面で鋭く端切りされたレーザビームパター
ンを加工物17上に再現でき、これを用いて熱影響の小
さい、精度の高い安定なレーザ加工が実現できる。
【0059】参考例5. 図17に示す参考例では、実施例12で示した装置によ
り、光ファイバー30中で合成された高出力波長変換レ
ーザビーム70を、レーザ半導体露光プロセシングステ
ーションに導いている。光ファイバー30から出射され
るレーザビーム70は高出力で均一なビームパターンを
持つために、これを用いて効率良く安定なレーザ半導体
露光プロセシングが実現できる。
【0060】参考例6. 図18に示す参考例では、参考例3で示した装置によ
り、光ファイバー30中で合成された高出力波長変換レ
ーザビーム70を、レーザ色素セル励起プロセシングス
テーションに導いている。この場合、光ファイバー30
から出射されるレーザビーム70は高出力で均一なビー
ムパターンを持つために、これを集光して効率良くゲイ
ンの高い均質なレーザ媒質を色素セル25中に発生させ
ることができ、これから安定に、効率良く、高出力で高
品質のレーザビーム29が取り出される。
【0061】参考例7. 次に、本発明の参考例7について説明する。この参考例
では、Qスイッチ、またはモードロックなどのパルス
動作によりパルス発振するレーザ発振装置1を用いて、
パルス状に出力される基本波レーザビーム2を用いてい
る。波長変換の変換効率は、光強度のピークの値に比例
するために、パルス発振の基本波レーザビームがしばし
ば用いられる。従って、通常波長変換レーザビームはパ
ルス状のものが得られる。
【0062】図19を用いて動作を説明する。複数の波
長変換レーザビームは、それぞれ異なる光路を持つため
に、図2、図12、図15で説明したそれらの合成は、
時間的にずれて実行される。図19(a)は、横軸に時
間を取った場合のレーザビームの強度分布を示す。図
中、700は最初に波長変換素子を通過して発生された
波長変換レーザビーム、701は波長変換素子を一回往
復後に発生された波長変換レーザビーム、以下702、
703、...はそれぞれ2、3、...回往復後に発
生された波長変換レーザビームである。
【0063】ここで例えば、時間的に連続した強度を持
つ波長変換レーザビームを得たい場合には、波長変換素
子内の往復する光路を短くして、複数の波長変換レーザ
ビーム700〜703間の時間間隔を短くするか、基本
波レーザビームのパルス幅を増大させて、図19(b)
に示すように、複数の波長変換レーザビーム700〜7
03が互いに重なる部分を持つようにすればよい。
【0064】さらに、パルス周波数の間隔を短くして、
図19(c)に示すように、時間的にほぼ連続したレー
ザビームを発生させることができる。この時間的に連続
した光強度を持つ波長変間レーザビームを用いれば、安
定なレーザプロセシングが実行できる。
【0065】なお、上記何れの実施例および参考例にお
いても、特に説明しなかったが、光学素子のうち特に指
示のない部分にも、レーザビームが通過する部分には通
常の光学素子のように無反射薄膜を施せば光学素子通過
によるロスが減少し、効率の良い波長変換を実現するこ
とができる。
【0066】また、上記何れの実施例および参考例にお
ける波長変換レーザ装置も、何れの波長変換レーザプロ
セシング装置とも組み合わせて用いることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、波長変換素子に導入した入射レーザビームを、波長
変換素子内を複数回往復させ、往復する光路の複数箇所
から、波長変換レーザビームを選択的に外部に取り出す
ようにしたので、波長変換されたレーザビームは直ちに
外部に取り出され、波長変換素子への波長変換レーザビ
ーム吸収による波長変換素子の発熱を最低限に押さえる
ことができる。これにより、高出力域においても波長変
換レーザ出力は飽和することなく、高出力の波長変換レ
ーザビームが得られる。また、長期間の動作においても
カラーセンターなどの波長変換素子の曇りの発生が少な
く、波長変換素子に色がつくことなく長期にわたり安定
な動作が保証される。さらに、入射レーザビームは複数
回波長変換素子を通過するために、波長変換の効率は往
復回数の増大により容易に増大させることができる。こ
のために、1回の波長変換素子の通過による波長変換効
率が低い条件でも効率良く波長変換を行うことができ
る。このことから、従来の装置を用いた場合と同じ波長
変換レーザ出力を得るために、必要な入射パワーを低く
でき、従って発振の効率を上げることができる。また入
射パワー密度を下げることもでき、波長変換素子表面の
損傷が減少し長期間の安定動作が実現できる。しかも、
複数箇所から外部に取り出されたそれぞれの波長変換レ
ーザビームはウォークオフにより扁平状となっており、
扁平状の短手方向に互いに空間的に重なりを持つように
制御するので、ウオークオフによるビーム形状の偏平変
形を目だたなくすることができ、さらに矩形状の波長変
換レーザビームを容易に作り出すことができ、例えばリ
ソグラフィー、特に導体露光装置用の光源として最適に
用いることができる
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の構成を示す側面図であ
る。
【図2】 この発明の実施例2により得られたビームパ
ターンを示す説明図である。
【図3】 この発明の実施例3の構成を示す側面図であ
る。
【図4】 この発明の実施例4の構成を示す側面図であ
る。
【図5】 この発明の実施例5の構成を示す側面図であ
る。
【図6】 この発明の実施例6の構成を示す側面図であ
る。
【図7】 この発明の実施例7の構成を示す側面図であ
る。
【図8】 この発明の実施例8の構成を示す側面図であ
る。
【図9】 この発明の実施例9の構成を示す側面図であ
る。
【図10】 この発明の参考例1の構成を示す側面図で
ある。
【図11】 この発明の実施例10の構成を示す側面図
である。
【図12】 この発明の参考例2の構成を示す側面図で
ある。
【図13】 この発明の実施例11の構成を示す側面図
である。
【図14】 この発明の実施例12の構成を示す側面図
である。
【図15】 この発明の参考例3の構成を示す側面図で
ある。
【図16】 この発明の参考例4の構成を示す側面図で
ある。
【図17】 この発明の参考例5の構成を示す側面図で
ある。
【図18】 この発明の参考例6の構成を示す側面図で
ある。
【図19】 この発明の参考例7の動作を説明する説明
図である。
【図20】 従来の波長変換装置の構成を示す側面図で
ある。
【図21】 従来の波長変換装置により得られるビーム
パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器、2 基本波レーザビーム、3 波長
変換素子、4 反射ミラー、5 反射ミラー、7 波長
変換レーザビーム、8 集光レンズ、10 プリズム、
12 温度調節器、13 反射ミラー、17 加工対象
物、23 半導体、25 色素セル、30 光ファイバ
ー、40 無反射光学薄膜、41 無反射光学薄膜、5
0 反射光学薄膜、60 波長選択反射光学薄膜、61
波長選択反射光学薄膜、70 波長変換レーザビー
ム、90 光学部品角度調整器、100 光学基板、7
00 波長変換レーザビーム、701 波長変換レーザ
ビーム、702 波長変換レーザビーム、703 波長
変換レーザビーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 達樹 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−6075(JP,A) 特開 平3−282432(JP,A) 特開 平1−143376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/37 - 1/39 H01S 3/109

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ装置から発生された入射レーザビ
    ームを非線形素子でなる波長変換素子により波長変換し
    て入射レーザビームと波長の異なる波長変換レーザビー
    ムを取り出す波長変換レーザ装置において、上記波長変
    換素子の近傍または側面に、入射レーザビームに対して
    全反射で波長変換レーザビームに対して全透過である波
    長選択反射手段と、この波長選択反射手段により全反射
    されたレーザビームを再び上記波長変換素子に向けて全
    反射させる全反射手段とを備え、その組み合わせによ
    り、上記波長変換素子に導入した入射レーザビームを、
    波長変換素子内を複数回往復させ、往復する光路の複数
    箇所から、波長変換レーザビームを選択的に外部に取り
    出すと共に、上記複数箇所から外部に取り出されたそれ
    ぞれの波長変換レーザビームはウォークオフにより扁平
    状となっており、扁平状の短手方向に互いに空間的に
    なりを持つように制御することを特徴とする波長変換レ
    ーザ装置
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