JPH09236837A - レーザー光源 - Google Patents

レーザー光源

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JPH09236837A
JPH09236837A JP8043019A JP4301996A JPH09236837A JP H09236837 A JPH09236837 A JP H09236837A JP 8043019 A JP8043019 A JP 8043019A JP 4301996 A JP4301996 A JP 4301996A JP H09236837 A JPH09236837 A JP H09236837A
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JP
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laser
wavelength
light
optical
light source
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JP8043019A
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English (en)
Inventor
Soichi Yamato
壮一 大和
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザー光を発生するレーザー要素を複数並列
に束ねて構成すると共に、各レーザー要素から出力され
るレーザー光の発振波長を一定範囲内で一致させること
ができるレーザー光源を提供する。 【解決手段】並列に配置された複数のレーザー要素と、
これら複数のレーザー要素にわたって挿入された単一の
エタロン板11とを備え、各レーザー要素は、励起用の
半導体レーザー101と、半導体レーザー101からの
励起光を集光するレンズ102と、集光された励起光の
入射に応じて紫外光を発生する、波長変換用の非線形結
晶を含んで構成されるレーザー共振器とから構成され、
レーザー共振器は、反射鏡103と、Ndをドープした
YAG結晶(Nd:YAG)104と、複数の非線形光
学結晶105と、反射鏡106とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造工程で
使用される露光機の光源にかかわり、特に紫外レーザー
光等を発生するレーザー光源に関する。
【0002】
【従来の技術】情報機器の進歩にともない、半導体集積
回路の機能および記憶容量の向上が求められており、そ
のためには集積度を上げる必要がある。集積度をあげる
ためには、個々の回路パターンを小さくすればよいが、
最小パターン寸法は、製造過程で使用される露光機の性
能で決まる。
【0003】露光機は、マスク上に作られた回路パター
ンを、光学的に半導体ウェハーに投影、転写する。その
際のウェハー上での最小パターン寸法Rは、露光機で投
影に用いられる光の波長λ、投影レンズの開口数NAに
よって、以下の式で与えられる。
【0004】R=K・λ/NA ここで、Kは、照明光学系やプロセスによって決まる定
数であり、通常0.5から0.8程度の値をとる。
【0005】解像度を向上させる、すなわち最小パター
ン寸法Rを小さくする努力は、この定数Kを小さくしよ
うとする方向と、開口数NAを大きくする方向、そし
て、露光光の波長λを小さくする方向に向かってなされ
ている。
【0006】定数Kを小さくする方法は、まとめて広い
意味での超解像と呼ばれている。今までに、照明光学系
の改良、変形照明、フェーズシフトマスク法などが提
案、研究されてきた。しかし、適用できるパターンに条
件があるなどの難点があった。一方、開口数NAは、大
きいほど最小パターン寸法Rを小さくできるが、同時に
焦点深度が小さくなってしまうので、大きくするのにも
限界がある。通常0.5から0.6程度が適当とされて
いる。
【0007】したがって、最小パターン寸法Rを小さく
するのにも最も単純かつ有効なのは、露光に用いる光の
波長λを小さくすることであり、短波長の光を発生す
る、露光機の光源を提供することである。本発明は、こ
の要求に対応してなされたものである。
【0008】ここで、露光機の光源を作るうえでは、短
波長化を実現する以外にも、備えるべき条件がいくつか
ある。以下、これらの条件について説明する。
【0009】第1に、数ワットの光出力が求められる。
これは、集積回路パターンの露光・転写に要する時間を
短く保つために必要である。
【0010】第2に、波長300nm以下の紫外光の場
合、露光機のレンズとして使える材料が限られ、色収差
の補正を難しくなることから、発光スペクトルの線幅を
1pm以下にすることが求められる。
【0011】第3に、この狭い線幅にともない時間的コ
ヒーレンス(干渉性)が上がるため、狭い線幅の光をそ
のまま照射すると、スペックルと呼ばれる不要な干渉パ
ターンが生ずる。したがって、これを消すために、光源
ではその空間的コヒーレンスを低下させる必要がある。
【0012】次に、従来使用されてきた代表的な露光機
用光源について説明すると共に、各光源が、以上のよう
な条件を満たし、かつ、紫外光を発生しようとする場合
の問題点について説明する。
【0013】(1)水銀ランプ 水銀ランプの発光輝線のうち、g線(波長436nm)
およびi線(波長365nm)が用いられてきた。この
とき得られる最小パターン寸法(以下では最小寸法と呼
ぶ)はそれぞれ、約500nmおよび約350nmであ
る。これらの光源のスペクトル線幅は、後述するレーザ
ーより広く、したがって、時間的なコヒーレンスが低か
った。線幅が広くても、これらの波長ではレンズの色収
差の補正が可能であったので、従来は問題はなかった。
また、水銀ランプの空間的コヒーレンスもレーザーに比
べれば低く、これらのふたつのコヒーレンスの低さか
ら、スペックルの発生は問題とならなかった。
【0014】しかし、上記水銀輝線は波長が長く、新し
く要求される最小寸法に対応することが困難になってき
た。水銀輝線の、より短波長の紫外輝線を使う方法も一
部で用いられたが、そのスペクトル線幅が広く、紫外線
域では色消しレンズの利用ができないため、紫外領域で
の使用が困難であるとされている。
【0015】(2)KrFエキシマレーザー KrFエキシマレーザーは、248nmの光を発する。
したがって、最小寸法も250nm付近になる。この波
長では、色消しレンズの製作が困難であるので、光源レ
ーザーのスペクトル線幅を、1pm以下に狭帯域化する
必要がある。
【0016】ところが、この狭帯域化にともなって、時
間的コヒーレンスが上がり、スペックルの発生が問題と
なる。このため、例えば「エキシマレーザーステッパ
ー」(牛田一雄、光学、23巻10号、p602、19
94年10月)に記載の例では、空間的コヒーレンスを
低下させるための光学系を加えて、スペックルの発生を
抑えている。
【0017】露光機用のKrFエキシマレーザーは、す
でに開発され使用されているが、エキシマレーザーは水
銀ランプに比べて、高価で大型であり、有毒のフッ素ガ
スを用いる。さらに、光学系やフッ素ガスの交換などの
メンテナンスが必要で、その費用が高額になるという問
題があった。
【0018】また、発生する光がパルス光であるので、
連続光に比べてピークパワーが大きくなり、レーザーお
よび露光機内部の光学部品が光損傷を受けやすいという
問題があった。
【0019】(3)ArFエキシマレーザー ArFエキシマレーザーは、193nmの光を発する。
このときの実用的な最小寸法は、190nm程度であ
る。現在、露光機用のものは開発中であるが、このレー
ザーには、KrFエキシマレーザーと同じ短所がある。
すなわち、高価で大型で、有毒のフッ素ガスを用い、さ
らに、光学系やフッ素ガスの交換などのメンテナンスが
必要で、その費用が高額になる等である。
【0020】さらに加えて、露光機の色収差低減のため
に、レーザーの発振線幅を1pm以下に狭帯域化するこ
とが、KrFエキシマレーザーに比べて困難であるとい
う短所がある。
【0021】また、KrFレーザーに比べてもさらにエ
ネルギーの高い短波長のパルス光であることによって、
レーザーや露光機の光学部品の損傷がKrFレーザーに
比べてさらにひどくなるという欠点がある。
【0022】(4)半導体レーザー励起固体レーザーの
高調波発生による光源 紫外光を発生する方法として、2次の非線形光学効果を
利用して、長波長の光(可視光、赤外光)を紫外光に変
換する方法がある。例えば「Longitudinal
ly diode−pumped continuou
se−wave3.5−W green laser
(L.Y.Liu,M.Oka,W.Wiechman
n and S.Kubota,Optics Let
ters,Vol.19(1994),p.189)」
に記載されている例のように、半導体レーザー励起の固
体レーザーからの光を、波長変換するレーザー光源が開
発されてきている。この従来例では、Nd:YAGレー
ザーの発する1064nmの光を変換して、非線形結晶
を用いて波長変換し、4倍高調波である266nmを発
生させる方式が開示されている。
【0023】このような従来の半導体レーザー励起固体
レーザー光源は、コンパクトであること、エキシマレー
ザーよりもメンテナンスが容易であること、電力効率が
高いこと、光出力の制御が容易であることなどを長所と
して持つ。さらに、パルス光発生以外にも、連続光発生
も可能である点も利点である。さらに、発振線幅を小さ
くする際にも、波長変換する前の長波長の段階で行うこ
とができて、直接に紫外光を制御する必要のあるエキシ
マレーザーに比べて、その制御が容易である、という長
所がある。
【0024】このような長所があるにもかかわらず、上
記従来技術は、未だ露光機には応用されておらず、レー
ザー開発が実験室レベルで行われている。露光機の光源
としていまだ利用されていない一つの理由は、出力パワ
ーを上げようとすると、非線形結晶の損傷が起きて、装
置の寿命が短くなるという欠点があったためである。
【0025】さらに、後述するような理由により、エキ
シマレーザーのときよりもさらに、空間的コヒーレンス
が高くなってスペックルが発生するという欠点もある。
【0026】次に、スペックルの発生とコヒーレンスと
の関係について、より詳細に説明する。
【0027】スペックルなどの不要な干渉パターンの除
去は、光の時間的コヒーレンスを低下させること、ある
いは空間的コヒーレンスを低下させることで成し遂げら
れる。時間的コヒーレンスを低くするということは、い
ろいろな周波数の光を混ぜることを意味している。一
方、空間的コヒーレンスを低下させるということは、発
生場所と伝搬方向の異なる光を混ぜることを意味してい
る。
【0028】ところが、露光機で使用される紫外光は、
発振線幅を1pm以下にすることが求められており、こ
れは、結果として時間的コヒーレンスを高めてしまう。
また、レーザーの発生する光は、有限個の横モードから
なっており、この横モードの数が少ないことは空間的コ
ヒーレンスの高いことを意味する。
【0029】従来、KrFエキシマレーザーを用いる露
光機では、振動する反射鏡を用いてビームを複数に分割
し、空間的コヒーレンスを低下させてきた。エキシマレ
ーザーはもともと数100の横モードで発振し、空間的
コヒーレンスはレーザーとしては低めであったので、上
記方法で問題はなかった。
【0030】ところが、固体レーザーを非線形結晶で波
長変換する場合には、非線形結晶中でビームを強くしぼ
る必要から、通常、ひとつの横モードで発振させること
となる。これは、空間的コヒーレンスを最高に高い状態
にしてしまう事を意味し、このような場合に空間的コヒ
ーレンスの低下させるのは、従来は困難であった。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の各問題点、例えば露光機の光源として半導体レーザ
ー励起の固体レーザーを用いた場合に予想される、波長
変換用の非線形光学結晶の損傷や空間コヒーレンスの増
加に伴うスペックルの発生等の問題、さらに、露光機の
色収差低減のための、発生したレーザー光の発振線幅の
狭帯域化の必要性を考慮してなされたものである。
【0032】本発明の目的は、レーザー光を発生するレ
ーザー要素を複数並列に配置した場合に、各レーザー要
素から出力されるレーザー光の発振波長を一定範囲内で
一致させることができるレーザー光源を提供することに
ある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレーザー光源は、レーザー光をそれぞれ発
生する並列配置された複数のレーザー要素と、前記複数
のレーザー要素にわたり、それぞれの光路中に挿入さ
れ、当該光路を通るある特定の波長範囲の光だけを透過
させる光学的要素として機能する部分を備え、これら各
部が一体的に支持されている光学部材とを有する。
【0034】上記光学部材は、例えば、前記各レーザー
要素の光路中の互いに対応する位置で、すべての光路に
対して、目的とする透過光の波長に応じた、同一の傾き
を持つように挿入された、単一のエタロン板である。
【0035】より具体的には、本発明のレーザー光源
は、例えば、赤外から可視までの波長範囲内のレーザー
光を発生する、レーザー共振器を備えたレーザー光発生
部と、前記発生したレーザー光を非線形光学結晶を用い
て、紫外光に波長変換する波長変換光学系とをそれぞれ
有する、並列配置された複数のレーザー要素と、前記複
数のレーザー要素のすべてにわたり、各レーザー共振器
内の光路中に挿入されるように配置された、単一のエタ
ロン板とを有し、前記複数のレーザ要素のそれぞれは、
前記挿入されたエタロン板による透過波長範囲に含まれ
る波長のレーザー光を少なくとも発生するものである。
【0036】または、本発明のレーザー光源は、例え
ば、赤外から可視までの波長範囲内のパルスレーザー光
を発生する、レーザー共振器を備えたパルスレーザー光
発生部と、前記発生したパルスレーザー光を非線形光学
結晶を用いて紫外光に波長変換する波長変換光学系とを
それぞれ有する、並列配置された複数のレーザー要素
と、前記複数のレーザー要素のすべてにわたり、各レー
ザー要素のレーザー共振器の出射口の外側に位置する光
路中に挿入されるよう配置される、単一のエタロン板
と、前記エタロン板を透過したレーザー光の強度に応じ
て前記レーザー共振器の長さを制御することにより、当
該レーザー共振器から出射されるレーザー光の波長を制
御する波長制御手段とを有するものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるレーザー光源
について詳細に説明する。
【0038】本発明においては、単一のエタロン板を利
用して、複数のレーザー要素から発生されたレーザー光
の発振波長を、予め定めた波長範囲内で一致させる。こ
の方法について、最初に説明する。
【0039】レーザーの発振波長のスペクトルは、レー
ザー媒体の利得スペクトルと、レーザー共振器の共振特
性で決まる。
【0040】例えば、1064nmの光を発生するN
d:YAGなどの固体レーザでは、レーザー媒体の利得
スペクトルは、0.4nm程度のスペクトル幅を持つ。
また、レーザー共振器の共振は、波長スペクトル上で周
期的な形状を示し、波長をλ、共振器の1往復の長さを
2Lとすると、 Δλ=λ2/2L ・・・・・(1) の波長間隔で、共振波長が存在する。このそれぞれを縦
モードという。例えば、レーザー共振器の長さをL=
0.1mとすると、縦モードの波長間隔Δλは5.7p
mとなる。
【0041】したがって、このままの状態でレーザーを
発振させると、レーザーの発振波長は、0.4nm程度
のゲイン幅の中にΔλ=5.7pmの間隔で複数の縦モ
ードが存在することになる。
【0042】これらの中からある特定の縦モードを抽出
する手法として、エタロンの挿入がある。エタロンは、
平行な2つの反射面を持つ一種の共振器である。2枚の
ガラス板を空間を置いて構成したものと、一枚のガラス
板の両面を反射面としたものとがある。
【0043】なお、本実施形態では、ガラス板の両面を
反射面としたもの(エタロン板)を用いるが、もちろ
ん、その代わりに、2枚のガラス板から構成されるエタ
ロンを用いても構わない。さらに、エタロンと同様に、
目的とする波長範囲の光だけを透過することができ、か
つ、その透過部分を複数のレーザー要素にわたり挿入で
き、かつ、各部分を連動させることが出来るように一体
的に支持している光学部材であれば、エタロン以外の光
学素子を用いる構成としても良い。例えば、1枚の基板
上の、各レーザー要素の光路に対応する位置に、個別の
エタロン部分を形成するような構成としてもよい。
【0044】エタロンの作用については、Walter Koech
ner著、Solid-State Laser Engineering, 3rd Edition,
Springer Series in Optical Sciences Vol.1, Springe
r-Verlag, ISBN0-387-53756-2,のp225からp238
に詳しく記されている。
【0045】エタロンは、その中心波長λetalonをピー
クとして、幅がΔλetalonの山形の透過率を有する波長
選択フィルターとして働く。したがって、本発明では、
このエタロンの波長幅Δλetalonを、上述した縦モード
間隔Δλと同程度になるように、エタロンの厚さ、両面
の反射率を調整することで、上記複数の縦モードのう
ち、λetalonに一番近いモードの波長を透過させ、他を
透過しないようにすることができる。
【0046】エタロンの中心波長λetalonを決めるもの
は、エタロンの厚さと、透過光に対するエタロンの傾き
である。すなわち、λetalonの満たすべき関係式は、 2ndcosΘ=mλetalon ・・・・・(2) と与えられる。ここで、nはエタロン板の両反射面の内
部の屈折率、dは両反射面の間隔の厚さ(エタロンの厚
さ)、Θは光線のエタロンへの入射角、mは1以上の任
意の整数である。
【0047】複数のレーザー要素において、エタロンを
挿入する場合、上記のn、d、Θをそろえないと、各レ
ーザー要素の発振波長が一致しない。
【0048】そこで、本発明では、束にした複数のレー
ザー要素の発振波長を一致させるために、複数のレーザ
ー要素にわたって1枚の、均一な屈折率で、平行平板
の、エタロン板を挿入している。これによって、すべて
のレーザー要素において、同じ屈折率、同じ厚さで、同
じ傾きのエタロンが挿入されたことになる。
【0049】本発明によれば、すべてのレーザー要素に
おいて、1本の縦モードが選択されるとともに、その縦
モードの選択される波長がλetalon近傍に統一されるこ
とになる。また、発振波長λのλetalonからの最大のず
れは、Δλ/2である。
【0050】また、本発明において、固体レーザーなど
で発生したレーザー光を基本波とし、これを非線形結晶
によって例えば5倍波への波長変換を行うこともでき
る。このような場合には、上記基本波において生じた波
長のずれは、5倍波においては5分の1になる。
【0051】本発明の方法によらず、各レーザー要素に
個別のエタロン板を挿入しようとした場合には、各エタ
ロン板の屈折率と厚さと傾きを一致させることは困難で
あるが、本発明では、その困難を解決している。
【0052】次に、本発明を適用した、露光機の光源と
して好適な、紫外レーザー光源の一実施形態について図
1を参照して説明する。
【0053】本実施形態の紫外レーザー光源は、その一
部の構成が図1に示されているように、並列に配置され
た複数のレーザー要素と、これら複数のレーザー要素に
わたって挿入された単一のエタロン板11とを備えてい
る。図1では、説明のため、5本のレーザー要素だけを
示しているが、実際の装置として構成する場合には、例
えば、縦横それぞれ10本で、計100本のレーザー要
素を並列にして構成する。
【0054】各レーザー要素は、励起用の半導体レーザ
ー101と、半導体レーザー101からの励起光を集光
するレンズ102と、集光された励起光の入射に応じて
紫外光を発生する、波長変換用の非線形結晶を含んで構
成される、レーザー共振器とから構成される。
【0055】レーザー共振器は、反射鏡103と、Nd
をドープしたYAG結晶(Nd:YAG)104と、波
長変換部105と、反射鏡106とを備えている。レー
ザー共振器の共振器長は、例えば10cmである。した
がって、この場合の、Δλはおよそ5.7pmとなる。
【0056】励起光の波長を808nmとした場合に
は、反射鏡103は、入射される励起光である808n
m付近の光を透過し、1064nmに対しては反射鏡と
して働く。また、反射鏡106は、1064nm付近の
波長の光に対しては反射鏡として働き、他の波長に対し
ては透過する作用を持つものとする。
【0057】NdをドープしたYAG結晶(Nd:YA
G)104は、波長1064nmを発振するレーザー媒
体として働く。レーザー共振器中には、この1064n
mの光が共振状態で往復している。
【0058】波長変換部105は、例えば、直列配置さ
れた、LiB35(LBO)1051、1052、10
53、及び、β−BaB24(BBO)1054から構
成される。各非線形光学結晶は、上記1064nmの光
を、順に532nm、355nm、266nm、213
nmに変換する。これらの光は反射鏡106を透過して
出射される。このうち、213nmが露光用に使われ
る。
【0059】なお、図1では、番号をつけていないレー
ザー要素(不図示のものも含めて)も、上述したものと
同じ構造を持つものとする。
【0060】本実施形態では、上述した構成を有する複
数のレーザー要素にわたり、各共振器の内部におけるレ
ーザー媒体104と波長変換部105との間の光路中
に、共通の1枚の平行平板のエタロン板11を挿入して
いる。
【0061】ここで、すべてのレーザー要素は、エタロ
ン板11が挿入される部位の光路における光軸方向が互
いに平行となるように、予め配置されているものとす
る。
【0062】エタロン板の厚さは例えば0.1cmであ
り、平行配列された複数のレーザー要素全体に対する傾
きを調整することにより、その中心波長λetalonをN
d:YAG結晶のゲインの最大値付近に設定している。
【0063】本実施形態によれば、各レーザー要素に共
通のλetalonをもつエタロンが挿入されたことになり、
各レーザー要素の発振波長はλetalon近傍の1つの縦モ
ードのみが発振することになり、その発振波長はλetal
on近傍の一定範囲内におさまることになる。
【0064】本実施形態の例では、λetalonからの各レ
ーザー要素の発振波長のずれは、基本波ではΔλ/2=
2.8pmであるが、5倍波の213nmにおいては、
その1/5の0.53pmとなる。
【0065】本実施形態では、レーザーを連続発振させ
た場合を例に挙げて説明したが、この共振器中にQ−ス
イッチを置く手法によって、パルス発振をさせた場合に
も、同様な構成により本発明を適用することが出来る。
【0066】また、本実施形態では、エタロン板11を
レーザー媒体104と波長変換部105との間に配置し
ていたが、例えば、反射鏡103とレーザー媒体104
との間に配置する構成としてもよい。
【0067】次に、本発明を適用した、露光機の光源と
して好適な、紫外レーザー光源の他の実施形態について
図2を参照して説明する。
【0068】図2では、上記図1と同様に、説明のため
に5本のレーザー要素のみを示しているが、実際の光源
に含むべきレーザー要素の本数はこれに限定されるもの
ではなく、例えば、縦横でそれぞれ10本ずつ、計10
0本のレーザー要素を並列配置して構成する。
【0069】本実施形態の紫外レーザー光源は、図2に
示されているように、パルスレーザー光をそれぞれ発生
する並列配置された複数のレーザー要素と、これら複数
のレーザー要素にわたって挿入された単一のエタロン板
21とを備えている。
【0070】各レーザー要素は、励起用の半導体レーザ
ー201と、半導体レーザー201からの励起光を集光
するレンズ202と、集光された励起光の入射に応じて
パルスレーザー光を発生するパルスレーザー203と、
発生したパルスレーザー光を紫外光へ波長変換する波長
変換部204とを有する。
【0071】本実施形態では、上述した構成を有する複
数のレーザー要素にわたり、パルスレーザー203と波
長変換部204との間の光路中に、共通の1枚の平行平
板のエタロン板21を挿入している。
【0072】本実施形態の紫外レーザー光源は、さら
に、パルスレーザー203で発生するレーザー光の波長
を調整するための構成として、各レーザー要素毎に設け
られた、パルスレーザー203の共振器長を変位させる
ピエゾアクチュエータ22と、エタロン板21を通過し
たレーザー光の一部を取りだすための半透鏡23と、半
透鏡23により偏光された光の光量を検出する光検出器
24と、光検出器24で検出された光量に応じてピエゾ
アクチュエータ22を駆動するフィードバック回路25
とを有している。
【0073】パルスレーザー203は、反射鏡203
1、レーザー媒体2032、音響光学変調素子203
3、及び、反射鏡2034から構成されるものである。
本実施形態では、レーザー媒体2032としてNd:Y
AG結晶を用いたQ−スイッチレーザーを例に挙げて説
明する。また、このパルスレーザー203は、共振器長
を短くするなどの方法により、ここで想定する波長帯域
で実際に発振することが出来るレーザー光の縦モードを
1本にしてある。ただし、その波長は、ピエゾアクチュ
エーター22で反射鏡2034を移動させることによっ
て可変な構成としている。
【0074】パルスレーザー203を出た光は、エタロ
ン板21を通る。エタロン板の厚さは、例えば0.1c
mとする。
【0075】エタロン板21を通過した光の一部は、半
透鏡23で反射され、光検出器24に入る。光検出器2
4で受光した光の光量あるいは強度は、それに比例する
電気信号に変換され、フィードバック回路25に入力さ
れる。フィードバック回路25は、ピエゾアクチュエー
ター22に信号を送り、反射鏡2034の位置を変位さ
せることで、パルスレーザー光の発振波長を調整する。
【0076】パルスレーザーの発振波長がエタロン板2
1の中心波長に近くなるにしたがい、光検出器24で受
光される光量が増加する。よって、この光量が最大値に
なるように、ピエゾアクチュエータ22にフィードバッ
クをかけることで、発振波長を調整する。最大値を見つ
ける方法としては、例えば、ピエゾアクチュエーター2
2を微小振動させて、光検出器24からの検出信号が、
当該微小振動の周波数に対応した光強度変調を示さなく
なった場合を最大値とする方法を採ることができる。
【0077】なお、図2には示されていないが、光検出
器24、フィードバック回路25は、他のレーザー要素
(図に描かれていないものも含めて)にも付属している
ものとする。
【0078】本実施形態によれば、すべてのレーザー要
素が、同じ厚さで、同じ傾きのエタロン板21の中心波
長を基準として、波長を合わせることができるため、各
レーザー要素から発生されるレーザー光の波長は一致す
ることになる。なお、一致の誤差は、上述した波長調整
処理におけるフィードバックの誤差によって決まる。
【0079】上記の構成によって波長が調整され統一さ
れた基本波光(1064nm)は、例えば、LBO20
41及びBBO2042、2043が直列配置されて構
成された波長変換部204によって、順に、532n
m、266nm、213nmに変換され出力される。こ
のうち213nmが露光用に使われる。
【0080】本実施形態によれば、上記基本波の波長が
すべてのレーザー要素で一致しているので、5倍波(2
13nm)においても波長の一致がなされる。
【0081】なお、本実施形態では、パルスレーザー共
振器の長さを変位させることで、発振するレーザー光の
波長を制御しているが、本発明での波長制御方法はこれ
に限定されるものではなく、上述したフィードバックを
利用して、波長を変化させることが出来れば、他の波長
制御方法を用いても構わない。例えば、レーザー共振器
中に電気光学素子を入れて電気的に屈折率を変えること
で、等価共振器長を変化させたり、あるいは、波長変換
用結晶に電極を設けて電気光学素子を構成し、これを利
用して波長制御を行う構成としてもよい。
【0082】また、本実施形態では、エタロン板21を
パルスレーザー203と波長変換部204との間に挿入
しているが、上記図1の実施形態と同様に、パルスレー
ザー203内に挿入する構成としてもよい。なお、パル
スレーザー203内に挿入する場合には、パルスレーザ
ー203を構成する部材間の位置のうち、いずれの位置
に挿入してもよい。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、レーザー光を発生する
レーザー要素を複数並列に配置した場合に、各レーザー
要素から出力されるレーザー光の発振波長を一定範囲内
で一致させることが可能なレーザー光源を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による紫外レーザー光源の
構成を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態による紫外レーザー光源
の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
11、21・・・エタロン板 22・・・ピエゾアクチュエーター 23・・・ハーフミラー 24・・・光検出器 25・・・フィードバック回路 101・・・励起用半導体レーザー 102・・・レンズ 103・・・反射鏡 104・・・Nd:YAG結晶 105・・・波長変換部 106・・・反射鏡 201・・・励起用半導体レーザー 202・・・レンズ 203・・・パルスレーザー 204・・・波長変換部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/109 H01S 3/094 S 3/23 3/23 Z // H01L 21/027 H01L 21/30 515B 527

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光をそれぞれ発生する、並列配置
    された複数のレーザー要素と、 前記複数のレーザー要素にわたり、それぞれの光路中に
    挿入され、当該光路を通る、ある特定の波長範囲の光だ
    けを透過させる光学的要素として機能する部分を備え、
    これら各部が一体的に支持されている光学部材とを有す
    ることを特徴とするレーザー光源。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記光学部材は、前記各レーザー要素の光路中の互いに
    対応する位置で、すべての光路に対して、目的とする透
    過光の波長に応じた、同一の傾きを持つように挿入され
    た、単一のエタロン板であることを特徴とするレーザー
    光源。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記複数のレーザー要素のそれぞれはレーザー共振器を
    備え、 前記エタロン板は、前記レーザー共振器内の光路中に挿
    入されるものであることを特徴とするレーザー光源。
  4. 【請求項4】請求項2において、 前記複数のレーザー要素のそれぞれはレーザー共振器を
    備え、 前記エタロン板は、前記レーザ共振器外の光路中に挿入
    されるものであることを特徴とするレーザー光源。
  5. 【請求項5】請求項2において、 前記複数のレーザー要素のそれぞれは、基本波を発生す
    るための基本波発生部と、発生された基本波を波長変換
    するための波長変換部とを備え、 前記エタロン板は、前記基本波発生部と前記波長変換部
    との間に挿入されるものであることを特徴とするレーザ
    ー光源。
  6. 【請求項6】請求項3または4において、 前記複数のレーザー要素のそれぞれは、前記挿入された
    エタロン板を通過したレーザー光の強度に応じて前記レ
    ーザー共振器の等価長を調整することにより、当該レー
    ザー要素の発生するレーザー光の波長を制御する波長制
    御手段をさらに有することを特徴とするレーザー光源。
  7. 【請求項7】赤外から可視までの波長範囲内のレーザー
    光を発生する、レーザー共振器を備えたレーザー光発生
    部と、前記発生したレーザー光を非線形光学結晶を用い
    て、紫外光に波長変換する波長変換光学系とをそれぞれ
    有する、並列配置された複数のレーザー要素と、 前記複数のレーザー要素のすべてにわたり、各レーザー
    共振器内の光路中に挿入されるように配置された、単一
    のエタロン板とを有し、 前記複数のレーザ要素のそれぞれは、前記挿入されたエ
    タロン板による透過波長範囲に含まれる波長のレーザー
    光を少なくとも発生することを特徴とするレーザー光
    源。
  8. 【請求項8】赤外から可視までの波長範囲内のパルスレ
    ーザー光を発生する、レーザー共振器を備えたパルスレ
    ーザー光発生部と、前記発生したパルスレーザー光を非
    線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換する波長変換光
    学系とをそれぞれ有する、並列配置された複数のレーザ
    ー要素と、 前記複数のレーザー要素のすべてにわたり、各レーザー
    要素のレーザー共振器の出射口の外側に位置する光路中
    に挿入されるよう配置される、単一のエタロン板と、 前記エタロン板を透過したレーザー光の強度に応じて前
    記レーザー共振器の長さを制御することにより、当該レ
    ーザー共振器から出射されるレーザー光の波長を制御す
    る波長制御手段とを有することを特徴とするレーザー光
    源。
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