JPH09148658A - レーザー光源 - Google Patents

レーザー光源

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JPH09148658A
JPH09148658A JP7310763A JP31076395A JPH09148658A JP H09148658 A JPH09148658 A JP H09148658A JP 7310763 A JP7310763 A JP 7310763A JP 31076395 A JP31076395 A JP 31076395A JP H09148658 A JPH09148658 A JP H09148658A
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laser
light
light source
pulse
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JP7310763A
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English (en)
Inventor
Soichi Yamato
壮一 大和
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】露光機内部の光学系の光損傷が起こらないよう
にピークパワーを抑えた、低コヒーレンスのパルス光を
照射することができるレーザー光源を提供する。 【解決手段】レーザーパルス光151〜155をそれぞ
れ発生するパルスレーザー部131〜135と、各パル
スレーザー部での発光タイミングを制御するトリガー信
号発生装置14と、インジェクション・シードを行うた
めのシード光を連続発生するYAGレーザー光源11
と、前記シード光を各パルスレーザー部へ導く全反射鏡
121及び半透鏡122〜125とを有し、トリガー信
号発生装置14は、各パルスレーザー部から出射された
パルス光が互いに重ならないように、各パルスレーザー
部へ順次あるいはランダムに発光タイミングを指示する
ためのトリガー信号を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光源に係
り、特に、半導体製造工程で使用される露光機の光源等
のように、発生したレーザー光を光学系を通して試料表
面に均一に照射するための装置あるいはシステムで用い
られる、低コヒーレンスでスペックルの発生を抑制する
ことができるレーザー光を発生することが可能なレーザ
ー光源に関する。
【0002】
【従来の技術】情報機器の進歩にともない、半導体集積
回路の機能および記憶容量の向上が求められており、そ
のためには集積度を上げる必要がある。集積度をあげる
ためには、個々の回路パターンを小さくすればよいが、
最小パターン寸法は、製造過程で使用される露光機の性
能で決まる。
【0003】露光機は、マスク上に作られた回路パター
ンを、光学的に半導体ウェハーに投影、転写する。その
際のウェハー上での最小パターン寸法Rは、露光機で投
影に用いられる光の波長λ、投影レンズの開口数NAに
よって、以下の式で与えられる。
【0004】R=K・λ/NA ここで、Kは、照明光学系やプロセスによって決まる定
数であり、通常0.5から0.8程度の値をとる。
【0005】解像度を向上させる、すなわち最小パター
ン寸法Rを小さくする努力は、この定数Kを小さくしよ
うとする方向と、開口数NAを大きくする方向、そし
て、露光光の波長λを小さくする方向に向かってなされ
ている。
【0006】定数Kを小さくする方法は、まとめて広い
意味での超解像と呼ばれている。今までに、照明光学系
の改良、変形照明、フェーズシフトマスク法などが提
案、研究されてきた。しかし、適用できるパターンに条
件があるなどの難点があった。一方、開口数NAは、大
きいほど最小パターン寸法Rを小さくできるが、同時に
焦点深度が小さくなってしまうので、大きくするのにも
限界がある。通常0.5から0.6程度が適当とされて
いる。
【0007】したがって、最小パターン寸法Rを小さく
するのに最も単純かつ有効なのは、露光に用いる光の波
長λを小さくすることであり、短波長の光を発生する、
露光機の光源を提供することである。
【0008】ここで、露光機の光源を作るうえでは、短
波長化を実現する以外にも、備えるべき条件がいくつか
ある。以下、これらの条件について説明する。
【0009】第1に、数ワットの光出力が求められる。
これは、集積回路パターンの露光・転写に要する時間を
短く保つために必要である。
【0010】第2に、波長300nm以下の紫外光の場
合、露光機のレンズとして使える材料が限られ、色収差
の補正が難しくなることから、発光スペクトルの線幅を
1pm以下にすることが求められる。
【0011】第3に、この狭い線幅にともない時間的コ
ヒーレンス(干渉性)が上がるため、狭い線幅の光をそ
のまま照射すると、スペックルと呼ばれる不要な干渉パ
ターンが生ずる。したがって、これを消すために、光源
ではその空間的コヒーレンスを低下させる必要がある。
【0012】次に、従来使用されてきた代表的な露光機
用光源について説明すると共に、各光源が、以上のよう
な条件を満たし、かつ、紫外光を発生しようとする場合
の問題点について説明する。
【0013】(1)水銀ランプ 水銀ランプの発光輝線のうち、g線(波長436nm)
およびi線(波長365nm)が用いられてきた。この
とき得られる最小パターン寸法(以下では最小寸法と呼
ぶ)はそれぞれ、約500nmおよび約350nmであ
る。これらの光源のスペクトル線幅は、後述するレーザ
ーより広く、したがって、時間的なコヒーレンスが低か
った。線幅が広くても、これらの波長ではレンズの色収
差の補正が可能であったので、従来は問題はなかった。
また、水銀ランプの空間的コヒーレンスもレーザーに比
べれば低く、これらのふたつのコヒーレンスの低さか
ら、スペックルの発生は問題とならなかった。
【0014】しかし、上記水銀輝線は波長が長く、新し
く要求される最小寸法に対応することが困難になってき
た。水銀輝線の、より短波長の紫外輝線を使う方法も一
部で用いられたが、そのスペクトル線幅が広く、紫外線
域では色消しレンズの利用ができないため、紫外領域で
の使用が困難であるとされている。
【0015】(2)KrFエキシマレーザー KrFエキシマレーザーは、248nmの光を発する。
したがって、最小寸法も250nm付近になる。この波
長では、色消しレンズの製作が困難であるので、光源レ
ーザーのスペクトル線幅を、1pm以下に狭帯域化する
必要がある。
【0016】ところが、この狭帯域化にともなって、時
間的コヒーレンスが上がり、スペックルの発生が問題と
なる。このため、例えば「エキシマレーザーステッパ
ー」(牛田一雄、光学、23巻10号、p602、19
94年10月)に記載の例では、空間的コヒーレンスを
低下させるための光学系を加えて、スペックルの発生を
抑えている。
【0017】露光機用のKrFエキシマレーザーは、す
でに開発され使用されているが、エキシマレーザーは水
銀ランプに比べて、高価で大型であり、有毒のフッ素ガ
スを用いる。さらに、光学系やフッ素ガスの交換などの
メンテナンスが必要で、その費用が高額になるという問
題があった。
【0018】また、発生する光がパルス光であるので、
連続光に比べてピークパワーが大きくなり、レーザーお
よび露光機内部の光学部品が光損傷を受けやすいという
問題があった。
【0019】(3)ArFエキシマレーザー ArFエキシマレーザーは、193nmの光を発する。
このときの実用的な最小寸法は、190nm程度であ
る。現在、露光機用のものは開発中であるが、このレー
ザーには、KrFエキシマレーザーと同じ短所がある。
すなわち、高価で大型で、有毒のフッ素ガスを用い、さ
らに、光学系やフッ素ガスの交換などのメンテナンスが
必要で、その費用が高額になる等である。
【0020】さらに加えて、露光機の色収差低減のため
に、レーザーの発振線幅を1pm以下に狭帯域化するこ
とが、KrFエキシマレーザーに比べて困難であるとい
う短所がある。
【0021】また、KrFレーザーに比べてもさらにエ
ネルギーの高い短波長のパルス光であることによって、
レーザーや露光機の光学部品の損傷がKrFレーザーに
比べてさらにひどくなるという欠点がある。
【0022】(4)半導体レーザー励起固体レーザーの
高調波発生による光源 紫外光を発生する方法として、2次の非線形光学効果を
利用して、長波長の光(可視光、赤外光)を紫外光に変
換する方法がある。例えば「Longitudinallydiode-pump
ed continuous-wave 3.5-W green laser(L.Y.Liu,M.Ok
a,W.Wiechmannand S.Kubota,Optics Letters,Vol.19(19
94),p.189)」に記載されている例のように、半導体レー
ザー励起の固体レーザーからの光を、波長変換するレー
ザー光源が開発されてきている。この従来例では、N
d:YAGレーザーの発する1064nmの光を変換し
て、非線形結晶を用いて波長変換し、4倍高調波である
266nmを発生させる方式が開示されている。
【0023】このような従来の半導体レーザー励起固体
レーザー光源は、コンパクトであること、エキシマレー
ザーよりもメンテナンスが容易であること、電力効率が
高いこと、光出力の制御が容易であることなどを長所と
して持つ。さらに、パルス光発生以外にも、連続光発生
も可能である点も利点である。さらに、発振線幅を小さ
くする際にも、波長変換する前の長波長の段階で行うこ
とができて、直接に紫外光を制御する必要のあるエキシ
マレーザーに比べて、その制御が容易である、という長
所がある。
【0024】このような長所があるにもかかわらず、上
記従来技術は、未だ露光機には応用されておらず、レー
ザー開発が実験室レベルで行われている。露光機の光源
としていまだ利用されていない一つの理由は、出力パワ
ーを上げようとすると、非線形結晶の損傷が起きて、装
置の寿命が短くなるという欠点があったためである。さ
らに、後述するような理由により、エキシマレーザーの
ときよりもさらに、空間的コヒーレンスが高くなってス
ペックルが発生するという欠点もある。
【0025】次に、スペックルの発生とコヒーレンスと
の関係について、より詳細に説明する。
【0026】スペックルなどの不要な干渉パターンの除
去は、光の時間的コヒーレンスを低下させること、ある
いは空間的コヒーレンスを低下させることで成し遂げら
れる。時間的コヒーレンスを低くするということは、い
ろいろな周波数の光を混ぜることを意味している。一
方、空間的コヒーレンスを低下させるということは、発
生場所と伝搬方向の異なる光を混ぜることを意味してい
る。
【0027】ところが、露光機で使用される紫外光は、
発振線幅を1pm以下にすることが求められており、こ
れは、結果として時間的コヒーレンスを高めてしまう。
また、レーザーの発生する光は、有限個の横モードから
なっており、この横モードの数が少ないことは空間的コ
ヒーレンスの高いことを意味する。
【0028】従来、KrFエキシマレーザーを用いる露
光機では、振動する反射鏡を用いてビームを複数に分割
し、空間的コヒーレンスを低下させてきた。エキシマレ
ーザーはもともと数100の横モードで発振し、空間的
コヒーレンスはレーザーとしては低めであったので、上
記方法で問題はなかった。
【0029】ところが、固体レーザーを非線形結晶で波
長変換する場合には、非線形結晶中でビームを強くしぼ
る必要から、通常、ひとつの横モードで発振させること
となる。これは、空間的コヒーレンスを最高に高い状態
にしてしまう事を意味し、このような場合に空間的コヒ
ーレンスの低下させるのは、従来は困難であった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の各問題点、例えば露光機の光源としてエキシマレー
ザーのパルス光を用いた場合に生ずる問題であるところ
の、連続光に比べてピークパワーが大きくなり、露光機
内部の光学部品が光損傷を受けやすいという諸問題や、
露光機の光源として半導体レーザー励起の固体レーザー
を用いた場合に予想される、波長変換用の非線形光学結
晶の損傷や、空間的コヒーレンスの増加に伴うスペック
ルの発生等の問題を考慮して成されたものである。
【0031】本発明の目的は、露光機等のように発生し
たレーザー光を内部の光学系を通して試料へ導くような
システムで用いられるレーザー光源において、前記光学
系の光損傷が起こらないようにピークパワーを抑え、か
つ、低コヒーレンスのパルス光を照射することができる
レーザー光源を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記目的は、パルス状の
レーザー光を発生するためのレーザー要素を複数並列に
構成したレーザー光発生部と、前記複数のレーザー要素
の発光タイミングを制御するタイミング調整部とを有
し、前記タイミング調整部は、複数個のレーザーパルス
光が同時に出力されないように発光タイミングを制御す
ることを特徴とするレーザー光源により達成される。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明によるレーザー光源は、レ
ーザーパルス光をそれぞれ発生する複数本のレーザー要
素を束にしてレーザー光発生部を構成することにより、
光源全体としてのレーザー光出力の増加を図り、さら
に、各レーザー要素でのパルス光の発光タイミングを制
御することにより、出力されるパルス光のピークパワー
を抑えつつ、コヒーレンスの低下を図るものである。
【0034】本発明において、各レーザー要素の発光タ
イミングは、例えば、タイミング調整部において電気信
号(トリガー信号)を発生することによって決定される
ものであり、このトリガー信号を各レーザー要素に配分
するタイミングをずらすことによって、各レーザー要素
での発光タイミングが、予め定めた個数以上のレーザ要
素において一致しないようにしている。
【0035】このように各レーザーのパルス発生タイミ
ングをずらすことによって、光源以降の光学系が受ける
光の瞬間的なパワー(ピークパワー)が低く抑えられ、
光学系の損傷を回避することが可能となる。
【0036】さらに、各レーザー要素からの出力パルス
光が時間的に分離されているために、お互いに干渉する
ことがない。これによって、レーザー光源全体のコヒー
レンスが低下して、スペックルの発生が抑えられる。
【0037】さらに、複数のレーザー要素のうち1個づ
つを順次あるいはランダムに選択して発光させているた
めに、各レーザー要素に加えられる光学的負担を軽くす
ることができる。その結果、各レーザー要素の寿命が伸
び、レーザー光源全体としての使用可能期間も伸ばすこ
とができる。
【0038】また、本発明のレーザー光源においては、
発振スペクトル線幅の狭い単一のレーザー光源からの光
を用いて、各レーザー要素に周知のインジェクション・
シード法を適用することにより、各レーザーの発振スペ
クトル線幅を小さくし、かつ、各レーザー要素の発振波
長を一致させている。ここで、インジェクション・シー
ド法については、例えば、Walter Koechnerによる、Soli
d-State Laser Engineering,3rd Edition,Springer Ser
ies in Optical Sciences,Vol.1,Springer-Verlag,ISBN
0-387-53756-2,p.246-249に説明されている方法を用い
る。
【0039】通常、複数のレーザー要素が同時発光のま
ま、単一のレーザーからのインジェクション・シードが
行われると、各レーザー要素からの出射パルス光が互い
に強い干渉性を持ち、レーザー光源としてはコヒーレン
スが高くなり、スペックルの発生などの問題が起こる
が、本発明では上述したように発光タイミングを制御し
ているため、インジェクションシードを行った場合で
も、前述のような問題が生じることはない。
【0040】以下に、本発明によるレーザー光源の実施
の形態の一例を図1〜4を参照して、より具体的に説明
する。
【0041】本実施形態において、レーザー光源は、例
えば図1に示すように、レーザーパルス光151〜15
5をそれぞれ発生するパルスレーザー部131〜135
と、各パルスレーザー部での発光タイミングを制御する
トリガー信号発生装置(タイミング調整部)14と、イ
ンジェクション・シードを行うためのシード光を連続発
生するYAGレーザー光源11と、前記シード光を各パ
ルスレーザー部へ導く光学系とを有する。ここで、光学
系は、全反射鏡121と、半透鏡122〜125とから
構成される。
【0042】本実施形態においては、YAGレーザー光
源11と、1組の光学系及びパルスレーザー部(例えば
全反射鏡121及びパルスレーザー部131)とによ
り、単体のレーザー要素が構成されている。
【0043】なお、図1では、レーザー光源に5つのレ
ーザー要素が含まれている場合の構成が模式的に示され
ているが、実用に際しては、例えば図2に示すように、
100本のパルスレーザー部131、・・・を、その出
射端面131a、・・・が、10×10のマトリックス
状に配置されるように並列させた構成とする。もちろ
ん、本発明は、使用するレーザー要素の本数あるいはそ
れらの配置に係らず、適用することが可能である。
【0044】各パルスレーザー部は、半導体レーザー励
起のYAGレーザーで、いわゆるQ−スイッチ法により
パルス発振をするもので、例えば図3に示すような構成
を備えている。すなわち、各パルスレーザー部は、固体
レーザー(レーザー共振器)300と、2倍波への変換
用の非線形結晶(例えばLBO)35と、4倍波への変
換用の非線形結晶(例えばBBO)36と、5倍波への
変換用の非線形結晶(例えばBBO)37とを有する。
【0045】固体レーザー300は、レーザー媒質であ
るNd:YAGロッド32、音響光学効果を利用した変
調器33と、それらの両側に配置される反射鏡31、3
4とを有する。
【0046】固体レーザー300は、Qスイッチ法によ
り波長1064nm、パルス幅約10ns、パルスの繰
り返しが約10kHzの基本波を発生すものであり、平
均出力エネルギーは約1Wである。固体レーザー300
から出射された基本波は、最初の非線形結晶35で53
2nmの2倍波になり、2個目の非線形結晶36で4倍
波の266nmとなり、さらに、3個目の非線形結晶3
7を用いて、基本波と4倍波との和周波発生が行われ、
5倍波の213nmに変換される。
【0047】ここで、波長の変換効率をさらに上げるた
めに、集光レンズを設け、固体レーザー300からのパ
ルス光を集光した後に、非線形結晶35へ入射させる構
成としても良い。
【0048】本実施形態において発光タイミングを制御
するトリガー信号発生装置14は、各パルスレーザー部
に対して、順次に発光タイミングを指示するためのトリ
ガー信号を与える。トリガー信号の間隔としては、例え
ば20nsとする。この間隔は各パルスレーザー部で発
光するパルス光のパルス幅の10nsよりも長いので、
異なるパルスレーザー部から出射されるパルス光は互い
に時間的に分離され、干渉することがない。
【0049】図1において、151〜155の曲線は、
各パルスレーザー部131〜135で発生したパルス強
度の光軸上の空間分布を示しているものであり、この空
間分布はパルス発生の時間分布にも対応している。本例
では、パルスの時間幅が10nsであるので、パルスの
空間的な長さは約3mになる。また、パルスの発光間隔
が20nsであるので、各パルスの中心はお互いに約6
m離れることになる。
【0050】また、各パルスレーザー部を順次発光させ
る方法を、図2に示すような10×10の計100本の
パルスレーザー部からなるレーザー光源に適用した場合
には、100本のすべてのパルスレーザー部での発光が
終了するには2μsの時間を要する。また、各パルスレ
ーザー部でのパルスの繰り返し周波数は10kHzであ
るので、一本のパルスレーザー部あたりの発光間隔は1
00μsあり、レーザー光源の100本目の最後のパル
スレーザー部が発光してから、次に最初のパルスレーザ
ー部が発光するまでには時間的に98μsの余裕があ
る。
【0051】上述したように、出射されるパルス光が互
いに重ならないように、各パルスレーザー部を順次発光
させることで、各パルスレーザー部に対応する各レーザ
ー要素は互いに干渉性を持たない光源とみなせる。よっ
て、このようなレーザー要素を総合した紫外レーザー光
源を1つの光源として見た場合、当該光源から出射され
たレーザー光のコヒーレンスを低く抑えることができ
る。
【0052】本実施形態では、トリガー信号発生装置1
4による発光タイミングの制御によって、複数のパルス
レーザー部を順次発光させる構成としたが、本発明にお
ける各パルスレーザー部の発光順序はこれに限定される
ものではない。
【0053】すなわち、あるパルスレーザー部を発光さ
せた後には、そのパルスレーザー部と空間的に隣合って
いるパルスレーザー部を発光させる代わりに、その発光
周期において、いままでに発光していない他のパルスレ
ーザー部をランダムに選択し、当該選択されたパルスレ
ーザー部を発光させる構成としても良い。ここで、発光
周期とは、複数のレーザー要素により構成されたレーザ
ー光源を1つのレーザー光源として見た場合に、その光
源が発光しているべき期間を指す。
【0054】また、本実施形態では、2つの出射パルス
が重ならないように発光タイミングを制御しているが、
本発明においてはこれに限定されるものではない。例え
ば、本実施形態のレーザー光源からの出射パルス光を受
ける光学系の光強度がある程度あり、多少のスペックル
の発生も許容できるようなシステムにおいては、前後に
出射される2つのパルスの一部が重なるようにしたり、
あるいは2つ以上のレーザー要素から同時にパルス光を
発生するように発光タイミングを制御する構成としても
よい。
【0055】本発明のレーザー光源ではパルス光を用い
ているため、通常のパルス発光方法によると、その出力
パルス光のスペクトル線幅が広くなり、特に、本実施形
態で想定しているような紫外光の線幅に対しては、10
0pm程度となる場合もある。この問題点を解消するた
め、本実施形態のレーザー光源では、インジェクション
・シードを行っている。
【0056】具体的には、例えば0.1pm以下の、ス
ペクトル線幅の狭い連続光を発生するYAGレーザー光
源11からの光を、半等鏡122〜125と全反射鏡1
21から構成される光学系を用いて、各パルスレーザー
部131〜135へ導いて、インジェクション・シード
を行う構成を有している。
【0057】本実施形態では、上記インジェクション・
シードを行うことにより、各パルスレーザー部での発振
スペクトル幅を0.5pm以下に狭くすることができ
る。さらに、パルスレーザー部での発振波長も、YAG
レーザー光源11からのシード光の波長に一致する形で
揃えることができる。
【0058】この結果、図1あるいは図2に示すよう
な、複数のパルスレーザー部を総合して構成した紫外レ
ーザー光源において、単一のレーザー光源からシード光
を各パルスレーザー部へ供給することにより、出力する
紫外パルス光の波長のスペクトル幅を0.5pm以下に
することができる。
【0059】なお、YAGレーザー光源11及びパルス
レーザー部のレーザー媒質32(図3参照)としては、
YAG以外に、YLF、YVO4等も用いることができ
る。ただし、レーザー光源11とレーザー媒質32とで
は、発振波長が一致できるものを組み合わせる必要があ
る。
【0060】また、本実施形態では、レーザー光源11
からのシード光を、半等鏡や全反射鏡等から構成される
光学系により各パルスレーザー部へ導く構成としたが、
図4に示すように、光ファイバー221〜225によっ
てシード光を各パルスレーザー部131〜135へ導く
構成としてもよい。
【0061】また、本実施形態では、パルスレーザー部
から出力されるパルス光が紫外光である場合について説
明したが、本発明では出力されるレーザーパルス光の波
長に依らず、複数のレーザー要素から構成されるレーザ
ー光源に対して適用することができる。
【0062】次に、本発明の適用したレーザー光源の他
の実施形態例について、図5〜7を参照して説明する。
【0063】本実施形態でのレーザー光源の構成は、上
記実施形態と同じである。ただし、本実施形態では、ト
リガー信号発生装置14による発光タイミングの調整方
法が異なる。以下では、その相違点について説明し、上
記実施形態と同じ構成についての説明は省略する。
【0064】最初、上記実施形態で想定されていた発光
タイミングの調整方法について、より詳細に説明する。
なお、本実施形態の説明では、その都合上、レーザー光
源が10本のパルスレーザー部から構成される場合を例
として説明するが、本発明において、パルスレーザー部
の数(レーザー要素の本数)は、これに限定されるもの
ではない。
【0065】上記実施形態のレーザー光源での発光タイ
ミングを図5に示す。ここでは、10本のパルスレーザ
ー部から発生されたパルス光1〜10の発光した時間が
定性的に示されている。図5に示すように、上記実施例
での1発光周期T0は、各パルスレーザー部からパルス
光が順次発光されているパルスが集中する発光集中期間
1と、その後に来るパルスが全く出射されない非発光
期間T2とから構成されている。このため、上記実施例
のレーザー光源を露光機に用いる場合、露光開始と露光
終了の時刻が、上記の発光集中期間T1内であるか非発
光期間T2内であるかによって、総露光量の算出方法を
変える必要がある。
【0066】これに対し、本実施形態のレーザー光源で
は、図6に示すように各パルス光の発光間隔t0が均等
となるように発光タイミングを調整している。このよう
に調整することで、上述したパルスの集中する発光集中
期間T1とパルスが全くない非発光期間T2をなくすこと
ができる。
【0067】さらに、図6に示すように発光タイミング
を調整することにより、露光時間と総露光量とがほぼ比
例するような関係となる。このため、本実施形態のレー
ザー光源を露光機に使用することで、露光量の制御を容
易にし、任意の時刻に露光を開始あるいは終了すること
が可能となる。
【0068】例えば、各パルスレーザー部の平均パワー
が0.5Wで、繰り返し周波数が10kHz、すなわち
個別のパルスレーザー部でのパルス発光間隔t1が10
0μs、1つのパルスのエネルギーが50μJであった
とする。
【0069】このような場合、1つのパルスレーザー部
でのパルス発光間隔t1を、当該レーザー光源に含まれ
るパルスレーザー部の本数Nで割った値、すなわち10
μs(=t1/N=100μs/10)を、次々に異な
るパルスレーザー部から発光されるパルスの間隔t0
する。
【0070】以上のように発光タイミングを設定するこ
とで、レーザー光源全体としてみた場合、パルスの発光
間隔t0が、図6に示すように、常に一定値となる。そ
の結果、本実施形態のレーザー光源を露光機に使用した
場合、露光時間を制御することで、露光量を1パルスの
分解能で制御することができる。本例では、単一のレー
ザーパルスのエネルギーが50μJなので、露光量は5
0μJの誤差範囲で制御することできる。
【0071】本実施形態のレーザー光源の発光タイミン
グを制御する、トリガー信号発生装置14は、例えば図
7に示すように、パルス間隔t0の周期のクロック信号
を発生するクロック発生装置51と、発生されたクロッ
ク信号を順に数えて、10本のパルスレーザー部のそれ
ぞれへ、互いに間隔t0だけずれたトリガー信号を出力
する10進カウンタ52とから構成される。
【0072】本実施形態のレーザー光源によれば、異な
るパルスレーザー部から次々と出射されるパルス光の間
隔を等間隔にすることで、当該レーザー光源を露光機に
使用した場合に露光時間と露光量とがほぼ比例させるこ
とが可能となる。
【0073】さらに、本実施形態によれば、上記比例関
係を用いることで、露光量の制御をより容易にすること
ができる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、露光機等のように発生
したレーザー光を内部の光学系を通して試料へ導くよう
なシステムで用いられるレーザー光源において、前記光
学系の光損傷が起こらないようにピークパワーを抑え
た、低コヒーレンスのパルス光を照射することができる
レーザー光源を提供することができる。
【0075】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザー光源の実施形態の一例の
全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明によるレーザー光源の出射端面近傍の構
造の一例を示す斜視図である。
【図3】図1の実施形態におけるパルスレーザー部の光
学的構成の一例を示す説明図である。
【図4】本発明によるレーザー光源の実施形態の他の例
における全体構成を示す説明図である。
【図5】本発明におけるパルス発光タイミングの一例を
示すグラフである。
【図6】本発明におけるパルス発光タイミングの他の例
を示すグラフである。
【図7】図1の実施形態例におけるレーザー光源のトリ
ガー信号発生装置の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
11…YAGレーザー光源、14…トリガー信号発生装
置、31…反射鏡、32…Nd:YAGロッド(レーザ
ー媒質)、33…変調器、34…反射鏡、35、36、
37…非線形結晶、51…クロック発生装置、52…1
0進カウンタ、121…全反射鏡、122〜125…半
透鏡、131〜135…パルスレーザー部、151〜1
55…パルス光、221〜225…光ファイバー。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルス状のレーザー光を発生するためのレ
    ーザー要素を複数並列に構成したレーザー光発生部と、 前記複数のレーザー要素の発光タイミングを制御するタ
    イミング調整部とを有し、 前記タイミング調整部は、複数個のレーザーパルス光が
    同時に出力されないように発光タイミングを制御するこ
    とを特徴とするレーザー光源。
  2. 【請求項2】請求項1記載のレーザー光源において、 前記各レーザー要素は、入力されるトリガー信号に応じ
    て、レーザーパルス光を発生するものであり、 前記タイミング調整部は、前記トリガー信号を生成する
    と共に、前記複数のレーザー要素のうちの1つを順次選
    択し、その選択処理毎に、前記選択したレーザー要素へ
    前記生成したトリガー信号を出力するものであることを
    特徴とするレーザー光源。
  3. 【請求項3】請求項2記載のレーザー光源において、 前記複数のレーザー要素は、各レーザー要素のレーザー
    パルス光の出射端面がマトリックス状に配置されて、前
    記レーザー光発生部を構成するものであり、 前記タイミング調整部は、前記レーザー要素の選択処理
    に際して、空間的に隣合う位置に配置されているレーザ
    ー要素を順番に選択することを特徴とするレーザー光
    源。
  4. 【請求項4】請求項2記載のレーザー光源において、 前記複数のレーザー要素は、各レーザー要素のレーザー
    パルス光の出射端面がマトリックス状に配置されて、前
    記レーザー光発生部を構成するものであり、 前記タイミング調整部は、前記レーザー要素の選択する
    際に、その選択する順番をランダムとすることを特徴と
    するレーザー光源。
  5. 【請求項5】請求項2記載のレーザー光源において、 前記タイミング調整部が前記複数のレーザー要素へ出力
    する、複数のトリガー信号間の間隔は、前後に発生され
    る2つのレーザーパルス光が互いに重ならないように設
    定されるものであることを特徴とするレーザー光源。
  6. 【請求項6】請求項2記載のレーザー光源において、 前記タイミング調整部が前記複数のレーザー要素へ出力
    する、複数のトリガー信号間の間隔は、前記各レーザー
    要素でのパルス発光間隔を、前記レーザー要素の数で割
    った値とすることを特徴とするレーザー光源。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のレーザー
    光源において、 前記各レーザー要素は、 赤外から可視までの波長範囲内の光を発生する固体レー
    ザーと、 前記固体レーザーで発生したレーザーパルス光を非線形
    光学結晶を用いて紫外光に波長変換する波長変換光学系
    とを有することを特徴とするレーザー光源。
  8. 【請求項8】請求項7記載のレーザー光源において、 前記複数のレーザー要素のそれぞれに供給してインジェ
    クション・シードを行うためのシード光を発生する第2
    のレーザー発光部をさらに有し、 前記各レーザー要素の固体レーザーは、前記供給される
    シード光により励起される、前記第2のレーザー発光部
    の発振波長と一致する発振波長を備えるものであること
    を特徴とするレーザー光源。
  9. 【請求項9】パルス状のレーザー光を発生するためのレ
    ーザー要素を複数並列に構成されたレーザー光源におけ
    る発光タイミングの制御方法において、 前記複数のレーザー要素のそれぞれからのレーザーパル
    ス光が順番に出力され、かつ、出力されたレーザーパル
    ス光が互いに重ならないように、前記各レーザー要素の
    発光タイミングを制御することを特徴とするレーザー光
    源の発光タイミング制御方法。
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