JP3312447B2 - 半導体露光装置 - Google Patents

半導体露光装置

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JP3312447B2 JP30874393A JP30874393A JP3312447B2 JP 3312447 B2 JP3312447 B2 JP 3312447B2 JP 30874393 A JP30874393 A JP 30874393A JP 30874393 A JP30874393 A JP 30874393A JP 3312447 B2 JP3312447 B2 JP 3312447B2
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  • Lasers (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、露光光源としてのレー
ザ光源からの光でレチクルに形成された半導体回路パタ
ーン等をウエハ上に形成されたレジストに転写するため
の半導体露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体露光装置においては、半導
体集積回路の集積度を高めるために、短波長の露光光源
が使用されている。この露光光源として、例えば超高圧
水銀アークランプやエキシマ・レーザを挙げることがで
きる。
【0003】超高圧水銀アークランプにおいては、射出
光の波長は、435.8nm(g線)、404.7nm
(h線)あるいは365nm(i線)である。然るに、
これらの波長の内で最も短波長のi線を用いても、近年
の半導体集積回路に要求される0.25μm級の微細パ
ターンを形成することはできない。半導体集積回路にお
けるかかる微細加工の限界を越えるためには、露光光源
から射出される光の波長自体を一層短くする必要があ
る。
【0004】このような要求に対処するための方法の1
つに、エキシマ・レーザを露光光源として使用する方法
がある。エキシマ・レーザでは、通常希ガスとハロゲン
系ガスとの組み合せからなる混合気体中の放電でレーザ
発振を行わせる。混合気体としてKrFを用いた場合に
は波長248nmのレーザ光を、ArFを用いた場合に
は波長193nmのレーザ光を得ることができる。
【0005】しかしながら、エキシマ・レーザを半導体
露光装置の光源として用いる場合、以下のような問題点
がある。 (A)エキシマ・レーザのガスの寿命が短く、頻繁にガ
スを交換する必要がある。その結果、ランニングコスト
や保守コストの上昇を招き、しかも、半導体露光装置の
稼動率が低下する。 (B)レーザ装置の寸法が大きく、クリーンルーム内で
大きな占有面積を必要とする。 (C)発振動作がパルス発振であり、各パルスにおける
光強度の変動が大きい。 (D)波長選択を行わない場合、数100pmの発振線
幅を有しているため、波長選択制御が困難である。
【0006】このようなエキシマ・レーザの問題点を解
決し、しかも露光光源から射出される光の波長自体を短
くする別の方法として、例えばレーザダイオードによっ
て励起されたNd:YAGレーザから射出されたレーザ
光(波長:1064nm)の第4高調波(266nm)
を露光光源とする方法が提案されている(例えば、特開
平5−3141号公報を参照のこと)。
【0007】一方、露光光源から射出される光の波長が
短くなると、焦点深度(DOF)の値が小さくなる。即
ち、解像度を高めるためには波長の短い光でレジストを
露光される必要があるが、その結果、焦点深度の値が小
さくなる。このような相反する要求を満たすための技術
の1つに斜方照明法がある。この斜方照明法は、露光光
源とレチクルとの間に配置されたフライアイレンズ上に
フィルターを置き、レチクルを斜め方向から照射する方
法である。フィルターは、光を透過する4ヶ所の開口部
を有する。
【0008】一般に、レチクルに入射した光は、レチク
ルに形成されたパターンで回析される。そして、パター
ンで回析されずに直進した0次回析光と、パターンによ
って回析された±1次回析光、更に高次の±n次回析光
が生成する。レチクルに形成されたパターンのピッチ
(d)と回析角(θ)との間には、光の波長をλとした
とき、dsinθ=nλ という関係がある。従って、
ピッチ(d)が小さくなるほど回析角(θ)は大きくな
る。0次回析光を投影光学系に垂直方向から入射させた
場合、通常では、0次回析光と±1次回析光との干渉に
よって結像される。しかしながら、条件によっては、±
1次回析光を投影光学系に入射させることができなくな
る。然るに、0次回析光を投影光学系に斜めから入射さ
せると、±1次回析光の内の一方は投影光学系に入射可
能になる。その結果、投影光学系に入射した0次回析光
と±1次回析光の内の一方とが干渉して結像するので、
微細なパターンを結像させることができ、解像度を向上
させることが可能になる。
【0009】また、0次回析光を投影光学系に垂直方向
から入射させた場合、0次回析光及び±1次回析光が入
射するが、このとき、+1次回析光と−1次回析光の成
す角度をθ1とする。一方、0次回析光を投影光学系に
斜めから入射させると、±1次回析光の内の一方のみが
投影光学系に入射可能になる。その結果、投影光学系に
入射した0次回析光と±1次回析光の内の一方とが干渉
して結像する。この0次回析光と±1次回析光の一方と
の成す角度をθ2とすると、θ2<θ1となる。従って、
斜方照明法によって、焦点深度の値を大きくすることが
可能になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】エキシマ・レーザを半
導体露光装置の露光光源として使用した場合の問題点を
解決するためには、特開平5−3141号公報に開示さ
れた技術は極めて効果的である。しかしながら、Nd:
YAGレーザから射出されたレーザ光は、その干渉性の
高さから、可干渉距離が1km程度ある。一方、KrF
エキシマ・レーザから射出されたレーザ光の可干渉距離
は0.25m程度である。尚、光のスペクトル分布を波
数(波長の逆数)で表わしてガウス分布を示すとき、ス
ペクトルの半値幅Δν(cm-1)と可干渉距離CL(c
m)との間には近似的に、 Δν×CL≒1 の関係が成立する。
【0011】このように高い干渉性を有するレーザ光を
基板上に形成されたレジストに照射すると、スペックル
パターンが発生し、良質なるパターン転写性を得ること
ができない。干渉性を低下させるためには、通常、レー
ザ光を石英から成る楔状の回転拡散板やすりガラス等を
通過させているが、レーザ光の光強度低下を招くという
問題がある。
【0012】斜方照明法においては、フライアイレンズ
の上にフィルターを置くので、基板面における照度の低
下を招くという問題がある。また、フライアイレンズは
元来、露光光を多数の単位レンズを通過させることによ
って、単一の露光光源からの光を仮想的に多数の点光源
に変換し、個々の単位レンズから射出される光の積分効
果によりレチクル面の照度斑を解消する機能を有する。
従って、フライアイレンズにフィルターが装着される
と、照度斑の解消に寄与する単位レンズ数が減少し、照
度斑が増加する。また、フィルターの開口部が小さいた
めに、近接効果が増大するという問題もある。
【0013】従って、本発明の第1の目的は、簡単な構
造でしかも光強度を低下させることなくレーザ光の干渉
性を低減することができる半導体露光装置を提供するこ
とにある。更に本発明の第2の目的は、第1の目的と併
せて、超解像技術の一種である斜方照明法によるレジス
ト露光を照度低下等を招くことなく可能にする半導体露
光装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の第1の態様に係る半導体露光装置
は、レーザ光源、及びこのレーザ光源から射出された光
が入射されそしてこの入射光の第2高調波に基づいた波
長を有する光を射出する第2高調波発生装置を具備して
いる。そして、(イ)第2高調波発生装置から射出され
た光の光路をN個(但しN≧2)の光路に分割する光路
分割手段と、(ロ)少なくとも(N−1)個の分割され
た光路に配置された光路長伸長手段と、(ハ)N個に分
割された光路を1つに合成する光路合成手段、とから成
り、分割された光路の光路長と他の光路の光路長との光
路差が、第2高調波発生装置から射出された光の可干渉
距離以上であることを特徴とする。
【0015】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係る半導体露光装置は、レーザ光源、及
びこのレーザ光源から射出された光が入射されそしてこ
の入射光の第2高調波に基づいた波長を有する光を射出
する第2高調波発生装置を具備している。そして、
(イ)レーザ光源から射出された光をN個(但しN≧
2)の光路に分割する光路分割手段と、(ロ)N個の分
割された光路に配置された第2高調波発生装置と、
(ハ)少なくとも(N−1)個の分割された光路に配置
された光路長伸長手段と、(ニ)N個に分割された光路
を1つに合成する光路合成手段、とから成り、分割され
た光路の光路長と他の光路の光路長との光路差が、第2
高調波発生装置から射出された光の可干渉距離以上であ
ることを特徴とする。
【0016】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第3の態様に係る半導体露光装置は、N個(但しN≧
2)のレーザ光源、及び各レーザ光源から射出された光
が入射されそしてこの入射光の第2高調波に基づいた波
長を有する光を射出するN個の第2高調波発生装置を具
備している。そして、(イ)少なくとも(N−1)個の
第2高調波発生装置から射出された光の光路に配置され
た光路長伸長手段と、(ロ)N個の第2高調波発生装置
から射出された光の光路を1つに合成する光路合成手
段、とから成り、或る第2高調波発生装置から光路合成
手段に至る光路長と、他の第2高調波発生装置から光路
合成手段に至る光路長との光路差が、第2高調波発生装
置から射出された光の可干渉距離以上であることを特徴
とする。
【0017】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第4の態様に係る半導体露光装置は、レーザ光源、及
びこのレーザ光源から射出された光が入射されそしてこ
の入射光の第2高調波に基づいた波長を有する光を射出
する第2高調波発生装置を具備している。そして、
(イ)第2高調波発生装置から射出された光の光路をN
個(但しN≧2)の光路に分割する光路分割手段と、
(ロ)少なくとも(N−1)個の分割された光路に配置
された光路長伸長手段と、(ハ)N個の分割された光路
に配置された光路移動手段と、(ニ)N個に分割された
光路を1つに合成する光路合成手段、とから成り、分割
された光路の光路長と他の光路の光路長との光路差が、
第2高調波発生装置から射出された光の可干渉距離の5
0%以上100%未満であり、光路合成手段における各
光路末端の位置を光路移動手段によって移動させること
を特徴とする。分割された光路の光路長と他の光路の光
路長との光路差が、第2高調波発生装置から射出された
光の可干渉距離の50%未満では、最終的に、十分な干
渉性の低減を得ることができなくなる。
【0018】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第5の態様に係る半導体露光装置は、レーザ光源、及
びこのレーザ光源から射出された光が入射されそしてこ
の入射光の第2高調波に基づいた波長を有する光を射出
する第2高調波発生装置を具備している。そして、
(イ)レーザ光源から射出された光をN個(但しN≧
2)の光路に分割する光路分割手段と、(ロ)N個の分
割された光路に配置された第2高調波発生装置と、
(ハ)少なくとも(N−1)個の分割された光路に配置
された光路長伸長手段と、(ニ)N個の分割された光路
に配置された光路移動手段と、(ホ)N個に分割された
光路を1つに合成する光路合成手段、とから成り、分割
された光路の光路長と他の光路の光路長との光路差が、
第2高調波発生装置から射出された光の可干渉距離の5
0%以上100%未満であり、光路合成手段における各
光路末端の位置を光路移動手段によって移動させること
を特徴とする。
【0019】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第6の態様に係る半導体露光装置は、N個(但しN≧
2)のレーザ光源、及び各レーザ光源から射出された光
が入射されそしてこの入射光の第2高調波に基づいた波
長を有する光を射出するN個の第2高調波発生装置を具
備している。そして、(イ)少なくとも(N−1)個の
第2高調波発生装置から射出された光の光路に配置され
た光路長伸長手段と、(ロ)N個の第2高調波発生装置
から射出された光の光路に配置された光路移動手段と、
(ハ)N個の第2高調波発生装置から射出された光の光
路を1つに合成する光路合成手段、とから成り、或る第
2高調波発生装置から光路合成手段に至る光路長と、他
の第2高調波発生装置から光路合成手段に至る光路長と
の光路差が、第2高調波発生装置から射出された光の可
干渉距離の50%以上100%未満であり、光路合成手
段における各光路末端の位置を光路移動手段によって移
動させることを特徴とする。
【0020】これらの各態様の半導体露光装置において
は、光路長伸長手段は一対の凹面鏡から構成することが
できる。この場合、一対の凹面鏡による光の反射回数を
異ならせることによって光路長を制御することができ
る。また、光路合成手段をフライアイレンズから構成す
ることができる。
【0021】上記の第2の目的を達成するためには、上
記した各態様の半導体露光装置において、光路合成手段
上で四重極を形成する。ここで、四重極が形成されると
は、光路合成手段上に光強度の強い領域が4つ形成され
ることを意味する。尚、この4つの領域の光強度ピーク
は、光路合成手段の中心から延びるX軸及びY軸(これ
らの軸は直交している)上に存在し、しかも、光路合成
手段の中心から等距離に位置し、各領域における光強度
ピークは等しい。
【0022】これらの各態様の半導体露光装置において
は、レーザ光源は、レーザダイオード、Nd:YAGか
ら成る固体レーザ媒質及び非線形光学結晶素子から構成
されたLD励起固体レーザから成り、第2高調波発生装
置は、非線形光学結晶素子、光共振器及び共振器長制御
装置から成ることが好ましい。
【0023】
【作用】本発明の半導体露光装置においては、各光路の
光路長を光路長伸長手段によって変え、露光光の干渉性
を低下させる。この光路長伸長手段は、露光光の光強度
の大幅な低下を招くことがない。また、四重極を容易に
光路合成手段上に形成することができ、斜方照明法によ
る高い解像度と大きな焦点深度を半導体露光装置に付与
することができる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明の半導体露光装置を説明する。
【0025】(実施例1)実施例1は、本発明の半導体
露光装置の第1の態様に関する。実施例1の半導体装置
は、図1に概念図を示すように、レーザ光源10、及び
このレーザ光源10から射出された光が入射されそして
この入射光の第2高調波に基づいた波長を有する光を射
出する第2高調波発生装置20を具備している。そし
て、(イ)第2高調波発生装置20から射出された光の
光路をN個(但しN≧2)の光路に分割する光路分割手
段41と、(ロ)少なくとも(N−1)個の分割された
光路に配置された光路長伸長手段40A,40B,40
Cと、(ハ)N個に分割された光路を1つに合成する光
路合成手段50から成る。分割された光路の光路長と他
の光路の光路長との光路差は、第2高調波発生装置から
射出された光の可干渉距離CL(例えば、1km)以上
である。
【0026】レーザ光源10及び第2高調波発生装置2
0の詳細については後述する。
【0027】光路分割手段41は、例えばハーフミラー
から構成することができる。光路分割手段41に入射し
た光の例えば50%は反射され、残りの50%は光路分
割手段41を透過するように、光路分割手段41を構成
することが望ましい。実施例1においては、第2高調波
発生装置20から射出された光の光路は4つ(N=4)
に分割されるが、これに限定されるものではなく、最低
2つに分割すればよい。各光路における光強度は等しく
したが、等しくなくともよい。
【0028】光路長伸長手段40A,40B,40Cは
一対の凹面鏡から成る。実施例1においては、光路長伸
長手段は、3つの光路内に配置されており、1つの光路
には配置されていないが、全ての光路内に光路長伸長手
段を配置してもよい。一方の凹面鏡に入射した光は、一
対の凹面鏡の間で反射を繰り返し、所定の回数反射した
後、他方の凹面鏡から射出する。一対の凹面鏡間の距離
をA、反射回数をB、凹面鏡間に存在する媒質(例えば
空気)の屈折率をnとすれば、光路長伸長手段によっ
て、光路長は A×B×nだけ伸長される。各光路長伸
長手段40A,40B,40CにおけるA,B,nの値
を変えることによって、各光路長伸長手段における光路
長を変えることができる。
【0029】第2高調波発生装置20から光路長伸長手
段40A,40B,40Cの各々を経由して光路合成手
段50に至る光路長(光路長伸長手段が配置されていな
い場合には、第2高調波発生装置20から光路合成手段
50に至る光路長)を、分割された光路の光路長と規定
する。光路長伸長手段40A,40B,40Cの各々を
経由する分割された光路の光路長をOPLA,OPLB
OPLCとし、光路長伸長手段を配置していない分割さ
れた光路の光路長をOPLDとすれば、これらの各光路
長と可干渉距離CLとの間に以下の関係を成り立たせ
る。 |OPLA−OPLB|≧CL |OPLA−OPLC|≧CL |OPLA−OPLD|≧CL |OPLB−OPLC|≧CL |OPLB−OPLD|≧CL |OPLC−OPLD|≧CL
【0030】光路長伸長手段40A,40B,40Cの
各々を射出した光、及び光路長伸長手段を経由しない光
は、例えばプリズム(あるいはウェッジ)43を通過し
て、フライアイレンズから成る光路合成手段50によっ
て1つの光路に合成され、出来る限り均一に重ね合わさ
れる。各光路からの光が出来る限り均一に光路合成手段
50を照射するように、プリズム43を配置する。
【0031】光路合成手段50を射出した光は、反射鏡
60を介してレチクル61を照射し、レチクル61に形
成されたパターンを縮小投影光学系62を介して基板6
4上に形成されたレジスト63に転写する。レチクル6
1に形成されたパターンは、レジスト63上に形成すべ
きパターンが例えば5倍に拡大されたものである。縮小
投影光学系62は、入射した光を透過し、例えば1/5
に縮小した光学像をウエハ64に形成されたレジスト6
3に投影する。これによって、レジスト63には微細パ
ターンが形成される。尚、参照番号65は、基板64を
載置し、(X,Y,Z)方向に基板64を移動させるた
めの基板ステージである。
【0032】尚、上記の光学系においては、光路合成手
段50の有効光源面と投影光学系62の射出瞳とは共役
である。また、レチクル61とレジスト63とは共役で
ある。
【0033】このように、光路長伸長手段40A,40
B,40Cを配置することによって、光路合成手段50
によって合成された光の干渉性が低減し、スペックルパ
ターンが発生することを効果的に防止することができ
る。
【0034】(実施例2)実施例2は、本発明の半導体
露光装置の第2の態様に関する。実施例2の半導体装置
は、図2に概念図を示すように、レーザ光源10、及び
このレーザ光源10から射出された光が入射されそして
この入射光の第2高調波に基づいた波長を有する光を射
出する第2高調波発生装置20を具備している。そし
て、(イ)レーザ光源から射出された光をN個(但しN
≧2)の光路に分割する光路分割手段41と、(ロ)N
個の分割された光路に配置された第2高調波発生装置2
0と、(ハ)少なくとも(N−1)個の分割された光路
に配置された光路長伸長手段40A,40B,40C
と、(ニ)N個に分割された光路を1つに合成する光路
合成手段50とから成る。分割された光路の光路長と他
の光路の光路長との光路差は、第2高調波発生装置から
射出された光の可干渉距離CL(例えば、1km)以上
である。
【0035】光路分割手段41は、実施例1と同様に、
例えばハーフミラーから構成することができる。実施例
2においては、レーザ光源10から射出された光の光路
は4つ(N=4)に分割されるが、これに限定されるも
のではなく、最低2つに分割すればよい。各光路におけ
る光強度は等しくしたが、等しくなくともよい。
【0036】光路長伸長手段40A,40B,40C
は、実施例1と同様に、一対の凹面鏡から成る。光路長
伸長手段は、3つの光路内に配置されており、1つの光
路には配置されていないが、全ての光路内に光路長伸長
手段を配置してもよい。
【0037】第2高調波発生装置20から光路長伸長手
段40A,40B,40Cを経由して光路合成手段50
に至る光路長(光路長伸長手段が配置されていない場合
には、第2高調波発生装置20から光路合成手段50に
至る光路長)を、分割された光路の光路長と規定する。
光路長伸長手段40A,40B,40Cを経由する分割
された光路の光路長をOPLA,OPLB,OPLC
し、光路長伸長手段を配置していない分割された光路の
光路長をOPLDとすれば、これらの各光路長と可干渉
距離CLとの間に、実施例1と同様の関係を成り立たせ
る。
【0038】光路長伸長手段40A,40B,40Cの
各々を射出した光、及び光路長伸長手段を経由しない光
は、例えばプリズム43を通過して、フライアイレンズ
から成る光路合成手段50によって1つの光路に合成さ
れ、出来る限り均一に重ね合わされる。各光路からの光
が出来る限り均一に光路合成手段50を照射するよう
に、プリズム43を配置する。
【0039】(実施例3)実施例3は、本発明の半導体
露光装置の第3の態様に関する。実施例3の半導体装置
は、図3に概念図を示すように、N個(但しN≧2)の
レーザ光源10、及び各レーザ光源10から射出された
光が入射されそしてこの入射光の第2高調波に基づいた
波長を有する光を射出するN個の第2高調波発生装置2
0を具備している。そして、(イ)少なくとも(N−
1)個の第2高調波発生装置20から射出された光の光
路に配置された光路長伸長手段40A,40B,40C
と、(ロ)N個の第2高調波発生装置20から射出され
た光の光路を1つに合成する光路合成手段50とから成
る。或る第2高調波発生装置から光路合成手段に至る光
路長と、他の第2高調波発生装置から光路合成手段に至
る光路長との光路差は、第2高調波発生装置から射出さ
れた光の可干渉距離CL(例えば、1km)以上であ
る。
【0040】実施例3においては、レーザ光源10及び
第2高調波発生装置20を4つ(N=4)としたが、こ
れに限定されるものではなく、最低2つあればよい。各
第2高調波発生装置20から射出される光の強度は等し
くしたが、等しくなくともよい。
【0041】光路長伸長手段40A,40B,40C
は、実施例1と同様に、一対の凹面鏡から成る。光路長
伸長手段は、3つの第2高調波発生装置20に対して配
置されており、1つの第2高調波発生装置20に対して
は配置されていないが、全ての第2高調波発生装置20
に対して光路長伸長手段を配置してもよい。各第2高調
波発生装置20から光路長伸長手段40A,40B,4
0Cの各々を経由して光路合成手段50に至る光路の光
路長をOPLA,OPLB,OPLCとし、第2高調波発
生装置20から直接、光路合成手段50に至る光路の光
路長をOPLDとすれば、これらの光路長と可干渉距離
CLとの間に、実施例1と同様の関係を成り立たせる。
【0042】光路長伸長手段40A,40B,40Cの
各々を射出した光、及び光路長伸長手段を経由しない光
は、例えばプリズム43を通過して、フライアイレンズ
から成る光路合成手段50によって1つの光路に合成さ
れ、出来る限り均一に重ね合わされる。各光路からの光
が出来る限り均一に光路合成手段50を照射するよう
に、プリズム43を配置する。
【0043】(実施例4)実施例4は、本発明の半導体
露光装置の第4の態様に関する。実施例4の半導体装置
は、図4に概念図を示すように、レーザ光源10、及び
このレーザ光源10から射出された光が入射されそして
この入射光の第2高調波に基づいた波長を有する光を射
出する第2高調波発生装置20を具備している。そし
て、(イ)第2高調波発生装置20から射出された光の
光路をN個(但しN≧2)の光路に分割する光路分割手
段41と、(ロ)少なくとも(N−1)個の分割された
光路に配置された光路長伸長手段40A,40B,40
Cと、(ハ)N個の分割された光路に配置された光路移
動手段43,44と、(ニ)N個に分割された光路を1
つに合成する光路合成手段50とから成る。
【0044】分割された光路の光路長と他の光路の光路
長との光路差は、第2高調波発生装置20から射出され
た光の可干渉距離CL(例えば、1km)の50%以上
100%未満であり、光路合成手段50における各光路
末端の位置を光路移動手段43,44によって移動させ
る。
【0045】光路分割手段41は、実施例1と同様に、
例えばハーフミラーから構成することができる。実施例
4においては、レーザ光源10から射出された光の光路
は4つ(N=4)に分割されるが、これに限定されるも
のではなく、最低2つに分割すればよい。各光路におけ
る光強度は等しくしたが、等しくなくともよい。
【0046】光路長伸長手段40A,40B,40C
は、実施例1と同様に、一対の凹面鏡から成る。光路長
伸長手段は、3つの光路内に配置されており、1つの光
路には配置されていないが、全ての光路内に光路長伸長
手段を配置してもよい。
【0047】第2高調波発生装置20から光路長伸長手
段40A,40B,40Cの各々を経由して光路合成手
段50に至る光路長(光路長伸長手段が配置されていな
い場合には、第2高調波発生装置20から光路合成手段
50に至る光路長)を、分割された光路の光路長と規定
する。光路長伸長手段40A,40B,40Cの各々を
経由する分割された光路の光路長をOPLA,OPLB
OPLCとし、光路長伸長手段を配置していない分割さ
れた光路の光路長をOPLDとすれば、これらの各光路
長と可干渉距離CLとの間に以下の関係を成り立たせ
る。 0.5CL≦|OPLA−OPLB|<CL 0.5CL≦|OPLA−OPLC|<CL 0.5CL≦|OPLA−OPLD|<CL 0.5CL≦|OPLB−OPLC|<CL 0.5CL≦|OPLB−OPLD|<CL 0.5CL≦|OPLC−OPLD|<CL
【0048】光路移動手段は、例えばプリズム43と、
モータ及び歯車機構(詳細は図示せず)から成りプリズ
ム43を回動させる回動機構44とから構成することが
できる。このような光路移動手段43,44によって、
光路合成手段50上における各光路末端の位置を移動さ
せる。光路長伸長手段40A,40B,40Cの各々を
射出した光、及び光路長伸長手段を経由しない光は、例
えばプリズム43を通過して、フライアイレンズから成
る光路合成手段50によって1つの光路に合成され、出
来る限り均一に重ね合わされる。
【0049】例えば光路長伸長手段40Aを射出しそし
てプリズム43を通過した光の光路の光路合成手段50
上における末端は、光路移動手段43,44によって、
例えば光路合成手段50のX軸(方向は任意)に沿っ
て、その位置を移動させられる。また、例えば光路長伸
長手段40Bを射出しそしてプリズム43を通過した光
の光路の光路合成手段50上における末端は、光路移動
手段43,44によって、例えば光路合成手段50のX
軸に沿って、その位置を移動させられる。但し、光路長
伸長手段40Aを射出した光の移動方向とは逆の方向に
移動させられる。
【0050】一方、例えば光路長伸長手段40Cを射出
しそしてプリズム43を通過した光の光路の光路合成手
段50上における末端は、光路移動手段43,44によ
って、例えば光路合成手段50のY軸(X軸と直交す
る)に沿って、その位置を移動させられる。また、例え
ば光路長伸長手段を経由せずにプリズム43を通過した
光の光路の光路合成手段50上における末端は、光路移
動手段43,44によって、例えば光路合成手段50の
Y軸に沿って、その位置を移動させられる。但し、光路
長伸長手段40Cを射出した光の移動方向とは逆の方向
に移動させられる。
【0051】これらの光路の末端の移動速度は一定であ
っても、一定でなくともよい。
【0052】実施例4においては、光路合成手段50に
到達する直前の各光の干渉性は、光路長伸長手段40
A,40B,40Cによって十分には低減されていな
い。しかしながら、光路合成手段50における各光路末
端の位置を光路移動手段43,44によって移動させる
ので、各光の干渉性を十分に低減させることができる。
また、光路合成手段50における照度を均一化すること
ができる。
【0053】(実施例5)実施例5は、本発明の半導体
露光装置の第5の態様に関する。実施例5の半導体装置
は、図5に概念図を示すように、レーザ光源10、及び
このレーザ光源10から射出された光が入射されそして
この入射光の第2高調波に基づいた波長を有する光を射
出する第2高調波発生装置20を具備している。そし
て、(イ)レーザ光源10から射出された光をN個(但
しN≧2)の光路に分割する光路分割手段41と、
(ロ)N個の分割された光路に配置された第2高調波発
生装置20と、(ハ)少なくとも(N−1)個の分割さ
れた光路に配置された光路長伸長手段40A,40B,
40Cと、(ニ)N個の分割された光路に配置された光
路移動手段43,44と、(ホ)N個に分割された光路
を1つに合成する光路合成手段50とから成る。
【0054】分割された光路の光路長と他の光路の光路
長との光路差は、第2高調波発生装置20から射出され
た光の可干渉距離CL(例えば、1km)の50%以上
100%未満であり、光路合成手段50における各光路
末端の位置を光路移動手段43,44によって移動させ
る。
【0055】光路分割手段41は、実施例1と同様に、
例えばハーフミラーから構成することができる。実施例
5においては、レーザ光源10から射出された光の光路
は4つ(N=4)に分割されるが、これに限定されるも
のではなく、最低2つに分割すればよい。各光路におけ
る光強度は等しくしたが、等しくなくともよい。
【0056】光路長伸長手段40A,40B,40C
は、実施例1と同様に、一対の凹面鏡から成る。光路長
伸長手段は、3つの光路内に配置されており、1つの光
路には配置されていないが、全ての光路内に光路長伸長
手段を配置してもよい。
【0057】第2高調波発生装置20から光路長伸長手
段40A,40B,40Cの各々を経由して光路合成手
段50に至る光路長(光路長伸長手段が配置されていな
い場合には、第2高調波発生装置20から光路合成手段
50に至る光路長)を、分割された光路の光路長と規定
する。光路長伸長手段40A,40B,40Cの各々を
経由する分割された光路の光路長をOPLA,OPLB
OPLCとし、光路長伸長手段を配置していない分割さ
れた光路の光路長をOPLDとすれば、これらの光路長
と可干渉距離CLとの間に、実施例4と同様の関係を成
り立たせる。
【0058】光路移動手段は、実施例4と同様に、例え
ばプリズム43と、モータ及び歯車機構(詳細は図示せ
ず)から成りプリズム43を回動させる回動機構44と
から構成することができる。このような光路移動手段4
3,44によって、光路合成手段50上における各光路
末端の位置を移動させる。光路長伸長手段40A,40
B,40Cの各々を射出した光、及び光路長伸長手段を
経由しない光は、例えばプリズム43を通過して、フラ
イアイレンズから成る光路合成手段50によって1つの
光路に合成され、出来る限り均一に重ね合わされる。
【0059】光路合成手段50における、光路移動手段
43,44による各光路末端の位置の移動は、実施例4
と同様とすることができる。
【0060】(実施例6) 実施例6は、本発明の半導体露光装置の第6の態様に関
する。実施例6の半導体装置は、図6に概念図を示すよ
うに、N個(但しN≧2)のレーザ光源10、及び各レ
ーザ光源から射出された光が入射されそしてこの入射光
の第2高調波に基づいた波長を有する光を射出するN個
の第2高調波発生装置20を具備している。そして、
(イ)少なくとも(N−1)個の第2高調波発生装置2
0から射出された光の光路に配置された光路長伸長手段
40A,40B,40Cと、(ロ)N個の第2高調波発
生装置20から射出された光の光路に配置された光路移
動手段43,44と、(ハ)N個の第2高調波発生装置
20から射出された光の光路を1つに合成する光路合成
手段50とから成る。
【0061】或る第2高調波発生装置から光路合成手段
に至る光路長と、他の第2高調波発生装置から光路合成
手段に至る光路長との光路差は、第2高調波発生装置2
0から射出された光の可干渉距離CL(例えば、1k
m)の50%以上100%未満であり、光路合成手段5
0における各光路末端の位置を光路移動手段43,44
によって移動させる。
【0062】実施例6においては、レーザ光源10及び
第2高調波発生装置20を4つ(N=4)としたが、こ
れに限定されるものではなく、最低2つあればよい。各
第2高調波発生装置20から射出される光の強度は等し
くしたが、等しくなくともよい。
【0063】光路長伸長手段40A,40B,40C
は、実施例1と同様に、一対の凹面鏡から成る。光路長
伸長手段は、3つの第2高調波発生装置20に対して配
置されており、1つの第2高調波発生装置20に対して
は配置されていないが、全ての第2高調波発生装置20
に対して光路長伸長手段を配置してもよい。
【0064】各第2高調波発生装置20から光路長伸長
手段40A,40B,40Cの各々を経由して光路合成
手段50に至る光路の光路長をOPLA,OPLB,OP
Cとし、第2高調波発生装置20から直接、光路合成
手段50に至る光路の光路長をOPLDとすれば、これ
らの光路長と可干渉距離CLとの間に、実施例4と同様
の関係を成り立たせる。
【0065】光路移動手段は、実施例4と同様に、例え
ばプリズム43と、モータ及び歯車機構(詳細は図示せ
ず)から成りプリズム43を回動させる回動機構44と
から構成することができる。このような光路移動手段4
3,44によって、光路合成手段50上における各光路
末端の位置を移動させる。光路長伸長手段40A,40
B,40Cの各々を射出した光、及び光路長伸長手段を
経由しない光は、例えばプリズム43を通過して、フラ
イアイレンズから成る光路合成手段50によって1つの
光路に合成され、出来る限り均一に重ね合わされる。
【0066】光路合成手段50における、光路移動手段
43,44による各光路末端の位置の移動は、実施例4
と同様とすることができる。
【0067】(実施例7)実施例1〜実施例6において
は、各光路からの光が出来る限り均一に光路合成手段5
0を照射するように、プリズム43を配置する。これに
対して、実施例7及び実施例8においては、本発明の半
導体露光装置を所謂斜方照明法に適用する。
【0068】実施例7の半導体露光装置は、図7に概念
図を示すように、プリズム43とフライアイレンズから
成る光路合成手段50との間にシリンドリカルレンズ4
5を配置した点を除き、実施例1にて説明した装置と同
様とすることができる。また、4つの光路から光路合成
手段50に入射する光の光強度は等しくする。
【0069】光路長伸長手段40A,40B,40Cの
各々を射出した光、及び光路長伸長手段を経由しない光
は、例えばプリズム43を通過して、更に、シリンドリ
カルレンズ45によって矩形ビーム形状とされた後、フ
ライアイレンズから成る光路合成手段50によって1つ
の光路に合成される。光路合成手段50へ斜め方向から
各光を同じ入射角で入射させる。図8の(A)に、光路
合成手段50上における、4つの矩形形状の光ビームの
配置を模式的に示す。シリンドリカルレンズの曲率を変
えることによって、各光ビームの短辺方向の長さを変え
ることができる。各光ビームの間隔は、プリズム43の
位置を変化させることによって変えることができる。
【0070】図8の(A)中、光路長伸長手段40A,
40B,40Cの各々を射出した光に基づく光路合成手
段50における光ビームを46A,46B,46Cで示
し、光路長伸長手段を経由しない光に基づく光ビームを
46Dで示した。矩形の光ビームの各端部は光路合成手
段50上で重ね合わされ、四重極が形成される。四重極
を結ぶ領域は、光ビームの光強度や重ね合わせ量に応じ
た光強度を有する。また、光ビームが直接照射されない
光路合成手段50の中心部50Cは、各光ビームからの
光の滲み出しにより、所定の光強度を有する。
【0071】図8の(B)に示すように、各光ビーム4
6A,46B,46C,46Dの端部が若干はみ出すよ
うに各光ビームを重ね合わせてもよい。これによって、
光路合成手段50上で占める四重極の領域や光路合成手
段50の中心部50Cの面積比を適宜変えることができ
る。
【0072】実施例7においては、光路合成手段50に
到達する直前の各光の干渉性は、光路長伸長手段40
A,40B,40Cによって十分に低減される。また、
光路合成手段50において四重極を形成することができ
る。これによって、従来の技術において説明した、斜方
照明法における0次回析光の投影光学系への入射、及び
±1次回析光の一方のみの投影光学系への入射を達成す
ることができる。
【0073】実施例7においては、実施例1にて説明し
た半導体露光装置を基本として、四重極を形成させた
が、実施例2又は実施例3にて説明した半導体露光装置
を基本とすることもできる。
【0074】(実施例8)実施例8の半導体露光装置
は、図9に概念図を示すように、プリズム43とフライ
アイレンズから成る光路合成手段50との間にレンズ4
7を配置した点を除き、実施例4にて説明した装置と同
様とすることができる。また、4つの光路から光路合成
手段50に入射する光の光強度は等しくする。
【0075】光路長伸長手段40A,40B,40Cの
各々を射出した光、及び光路長伸長手段を経由しない光
は、実施例7と同様に、例えばプリズム43を通過し
て、更に、レンズ47によって円形のビーム形状とされ
た後、フライアイレンズから成る光路合成手段50によ
って1つの光路に合成される。
【0076】実施例8が実施例7と相違する点は、円形
の光ビームが、光路合成手段50上で移動させられる点
にある。この移動は、光路移動手段43,44によって
達成することができる。
【0077】実施例4〜実施例6においては、光路長伸
長手段40A,40B,40Cの各々を射出した光、及
び光路長伸長手段を経由しない光が、例えばプリズム4
3を通過して、フライアイレンズから成る光路合成手段
50によって1つの光路に合成され、出来る限り均一に
重ね合わされるように、光路移動手段43,44を制御
する。これに対して、実施例8においては、光路移動手
段43,44を制御して、光路合成手段50上における
光ビームの移動速度を変化させ、これによって四重極を
形成する。
【0078】例えば光路長伸長手段40Aを射出しそし
てプリズム43を通過した光の光路の光路合成手段50
上における末端は、光路移動手段43,44によって、
例えば光路合成手段50のX軸(方向は任意)に沿っ
て、その位置を移動させられる。移動速度を、光路合成
手段50の外縁部では早く、光路合成手段50の中心部
50Cでは遅くする。また、例えば光路長伸長手段40
Bを射出しそしてプリズム43を通過した光の光路の光
路合成手段50上における末端は、光路移動手段43,
44によって、例えば光路合成手段50のX軸に沿っ
て、その位置を移動させられる。移動速度を、光路合成
手段50の外縁部では早く、光路合成手段50の中心部
50Cでは遅くする。但し、光路長伸長手段40Aを射
出した光の移動方向とは逆の方向に移動させられる。
【0079】一方、例えば光路長伸長手段40Cを射出
しそしてプリズム43を通過した光の光路の光路合成手
段50上における末端は、光路移動手段43,44によ
って、例えば光路合成手段50のY軸(X軸と直交す
る)に沿って、その位置を移動させられる。移動速度
を、光路合成手段50の外縁部では早く、光路合成手段
50の中心部50Cでは遅くする。また、例えば光路長
伸長手段を経由せずにプリズム43を通過した光の光路
の光路合成手段50上における末端は、光路移動手段4
3,44によって、例えば光路合成手段50のY軸に沿
って、その位置を移動させられる。移動速度を、光路合
成手段50の外縁部では早く、光路合成手段50の中心
部50Cでは遅くする。但し、光路長伸長手段40Cを
射出した光の移動方向とは逆の方向に移動させられる。
【0080】このようにして、光路末端の移動速度が最
も遅いときに、円形の光ビームによって照射される光路
合成手段50の領域に四重極が形成される。四重極が形
成される光路合成手段50の領域に対して斜め方向から
各光を同じ入射角で入射させる。
【0081】実施例8においては、光路合成手段50に
到達する直前の各光の干渉性は、光路長伸長手段40
A,40B,40Cによって十分には低減されていな
い。しかしながら、光路合成手段50における各光路末
端の位置を光路移動手段43,44によって移動させる
ので、各光の干渉性を十分に低減させることができる。
また、光路合成手段50において四重極を形成すること
ができる。四重極を結ぶ領域は、光ビームの光強度に応
じた光強度を有する。また、光ビームが早い速度で移動
する光路合成手段50の中心部50Cは、所定の光強度
を有する。
【0082】実施例8においては、実施例4にて説明し
た半導体露光装置を基本として、四重極を形成させた
が、実施例5又は実施例6にて説明した半導体露光装置
を基本とすることもできる。
【0083】以上、各実施例にて説明した投影光学系用
光源としての使用に適したレーザ光源10及び第2高調
波発生装置20を、図10、図11及び図12を参照し
て、以下、説明する。尚、図10におけるレーザ光源1
0と第2高調波発生装置20の配置は、実施例1又は実
施例4に適した配置である。実施例2、実施例3、実施
例5、実施例6に関しては、各実施例にて説明した配置
にレーザ光源10及び第2高調波発生装置20を配置す
ればよい。
【0084】図10に示すように、レーザ光源10は、
レーザダイオード11、Nd:YAGから成る固体レー
ザ媒質12、非線形光学結晶素子13から構成された、
第2高調波を射出し得るLD励起固体レーザから成る。
また、第2高調波発生装置20は、非線形光学結晶素子
21及び光共振器22から成る。第2高調波発生装置2
0には、光共振器22の共振器長を制御するための共振
器長制御装置30が更に備えられている。第2高調波発
生装置20は、光共振器22に入射された光の第2高調
波に基づいた波長を有する光(固体レーザ媒質が生成す
るレーザ光を基準とした場合、第4高調波)を射出す
る。
【0085】図10に示すように、レーザ光源10は、
例えば、複数のレーザダイオード11(射出光の波長:
808nm)、Nd:YAGから成る固体レーザ媒質1
2(射出光の波長:1064nm)、及びKTP(KT
iOPO4)から成る非線形光学結晶素子13から構成
されている。固体レーザ媒質12は、端面励起方式であ
る。このような構成により、レーザ光源10からは、N
d:YAGから成る固体レーザ媒質の第2高調波である
532nmの光が射出される。レーザ光源10には、N
d:YAGから成る固体レーザ媒質12の前方に1/4
波長板14が配置されている。これによって、レーザ光
源において、所謂ホールバーニング効果による多モード
発振を抑制することができる。
【0086】非線形光学結晶素子13は、平面鏡15及
び凹面鏡16から成る光共振器の光路内に配置されてお
り、所謂外部SHG方式(レーザ発振器の外部に構成し
た光共振器中に配置する方式)を構成する。平面鏡15
は光の殆どを反射する。また、凹面鏡16はNd:YA
Gから成る固体レーザ媒質の第2高調波の殆どを透過
し、その他の波長を有する光を殆ど反射する。凹面鏡1
6は、例えばダイクロイックミラーで構成することがで
きる。
【0087】図10に示すように、第2高調波発生装置
20は、例えばBBO(β−BaB24)から成る非線
形光学結晶素子21及び光共振器22から構成されてい
る。第2高調波発生装置20を構成する非線形光学結晶
素子21は、光共振器22の光路内に配置されている。
即ち、第2高調波発生装置20は、所謂外部SHG方式
である。この光共振器22においては、所謂フィネス値
(共振のQ値に相当する)を例えば100〜1000程
度と大きくして、光共振器22内部の光密度を、光共振
器22に入射される光の光密度の数百倍とすることによ
って、光共振器22内に配置された非線形光学結晶素子
21の非線形効果を有効に利用することができる。
【0088】光共振器22は、一対の凹面鏡23,24
及び一対の平面鏡25,26から構成されている。第2
高調波発生装置20に入射した光(例えば、532nm
の波長を有する光)は、第1の凹面鏡23を透過し、非
線形光学結晶素子21を透過して少なくとも一部が第2
高調波(例えば、波長266nmの光)にされた後、第
2の凹面鏡24によって反射され、次に、平面鏡25,
26によって反射され、更には、第1の凹面鏡23によ
って反射される。このような状態において、第2の凹面
鏡24に入射した光(例えば、波長266nmの光)の
少なくとも一部が第2の凹面鏡24を透過し、第2高調
波発生装置20から光路合成手段50に向かって射出さ
れる。また、平面鏡26から第1の凹面鏡23へと入射
した光の一部分(例えば、波長532nmの光)は、第
1の凹面鏡23を透過し、後述する共振器長制御装置3
0へと入射する。尚、第1及び第2の凹面鏡23,2
4、平面鏡25,26は、以上の説明のように光を反射
・透過させるように設計する。第2の凹面鏡24は、例
えばダイクロイックミラーで構成することができる。
【0089】第2高調波発生装置20から射出された光
の波長は、第2高調波発生装置20に入射する光を基準
とすれば、かかる入射光の第2高調波である。即ち、第
2高調波発生装置20に入射する入射光の波長は532
nmであり、第2高調波発生装置20から射出する光は
266nmである。尚、Nd:YAGから成る固体レー
ザ媒質12から射出されるレーザ光の波長(1064n
m)を基準とすれば、第2高調波発生装置20から射出
される光は第4高調波に相当する。第2高調波発生装置
20からは、波長266nmの狭帯域を有するレーザ光
が連続的に射出され、かかる光のモード均一性は高い。
【0090】第2高調波発生装置20には、更に、共振
器長制御装置30が備えられている。光共振器22の共
振器長(L)は、共振器長制御装置30によって精密に
制御され一定長に保持される。この光共振器22の共振
器長(L)を一定長に精密に保持することにより、第2
高調波発生装置20から射出される射出光の強度を一定
に保持することができる。尚、共振器長(L)は、第1
の凹面鏡23、第2の凹面鏡24、平面鏡25、平面鏡
26、及び第1の凹面鏡23のそれぞれの反射面を結ん
だ光路長に相当する。
【0091】第2高調波発生装置20から射出される射
出光の波長をλとしたとき、光共振器22の共振器長L
0が、λ=L0/M(但し、Mは正数)を満足するとき
(ロック状態とも呼ぶ)、光共振器22は共振し、第2
高調波発生装置20は高強度の光を安定に射出する。言
い換えれば、光共振器22における光路位相差Δが2π
の整数倍のとき、第2高調波発生装置20を構成する光
共振器22は共振状態となる。即ち、ロック状態とな
る。ここで、非線形光学結晶素子21の屈折率をn、厚
さをlとしたとき、光路位相差Δは(4πnl/λ)で
表わすことができる。
【0092】また、光共振器22の共振器長L0±ΔL0
が、λ≠(L0±ΔL0)/M’(但し、M’は正数)の
とき(アンロック状態とも呼ぶ)、第2高調波発生装置
20は低強度の光を射出する。言い換えれば、光共振器
22における光路位相差Δが2πの整数倍からずれたと
き、第2高調波発生装置20を構成する光共振器22は
非共振状態となる。即ち、アンロック状態となる。
【0093】従って、第2高調波発生装置20から波長
λの光を安定に射出するためには、光共振器22の共振
器長(L)の経時的な変動(具体的には、例えば、凹面
鏡23,24、平面鏡25,26の位置の変動)を出来
る限り小さくする必要がある。そこで、共振器長制御装
置30の制御によって、第1の凹面鏡23と第2の凹面
鏡24とを結ぶ光軸上で、第1の凹面鏡23を移動させ
たり、かかる光軸に対する第1の凹面鏡23の配置角度
を変化させ、光共振器22の共振器長(L)の経時的な
変動を抑制し、光共振器22の共振器長(L)を一定に
保持する。
【0094】共振器長制御装置30は、本出願人が平成
4年3月2日付で特許出願した「レーザ光発生装置」
(特開平5−243661号)に詳述されている。
【0095】この形式の共振器長制御装置30は、図1
0に示すように、フォトダイオード等の光検出器31、
ボイスコイルモータ(VCM)32、ボイスコイルモー
タ制御回路(VCM制御回路)33、位相変調器34か
ら構成される。位相変調器34は、レーザ光源10と第
2高調波発生装置20との間の光路内に配置されてお
り、レーザ光源10から射出された光を位相変調する所
謂EO(電気光学)素子やAO(音響光学)素子から成
る。位相変調器34と第2高調波発生装置20との間に
は、集光レンズ35が配置されている。ボイスコイルモ
ータ32には、光共振器22を構成する第1の凹面鏡2
3が取り付けられている。
【0096】図11に模式図を示すように、ボイスコイ
ルモータ32は、磁性材料から成る基体320、1つ以
上の電磁石(所謂ボイスコイル)322、磁性体から成
るヨーク323、及び少なくとも1つのコイルバネ(あ
るいは渦巻き状の板バネ)321から構成された電磁ア
クチュエータである。コイルバネ321は、その一端が
基体320に取り付けられ、そして他端がヨーク323
に取り付けられている。また、ヨーク323には、第1
の凹面鏡23及び電磁石322が取り付けられている。
電磁石322に電流を流すと、磁界が形成され、ヨーク
323と基体320との間の距離が変化する。その結
果、第1の凹面鏡23の位置を移動させることができ
る。即ち、電磁石322に流す電流を制御することによ
って、光共振器22の共振器長(L)を変化させること
ができる。ボイスコイルモータ32に対して、サーボ制
御が行われる。
【0097】ボイスコイルモータ32の駆動電流は数十
〜数百mA程度である。従って、駆動回路構成を安価に
作製することができる。しかも、サーボループの複共振
の周波数を数十kHz〜100kHz以上とすることが
でき、位相回りの少ない周波数特性を有するため、サー
ボ帯域を数十MHzと広帯域化することができ、安定し
た制御を得ることができる。
【0098】光共振器22がロック状態にあるとき、例
えば第1の凹面鏡23から射出され光検出器31に到達
する光の強度が極小となり、また、かかる光の位相が大
きく変化する。このような変化を利用して光共振器の制
御を行うことが、例えば、R.W.P.Drever, et al. "Lase
r Phase and Frequency Stabilization Using an Optic
al Resonator", Applied Physics B31. 97-105(1983)に
開示されている。光共振器22のロック状態の制御は、
基本的にはこの技術を応用している。
【0099】即ち、例えば第1の凹面鏡23を透過し、
光検出器31に到達する光の強度が常に極小値(例えば
0)となるように、VCM制御回路33によってボイス
コイルモータ32を駆動して第1の凹面鏡23の位置を
変化させれば、光共振器22のロック状態を安定して保
持することができる。言い換えれば、レーザ光源10か
ら射出された光を位相変調信号に基づき位相変調を施し
て、第2高調波発生装置20に入射させ、第2高調波発
生装置20からの戻り光を光検出器31によって検出す
ることで検出信号を得る。そして、かかる検出信号を、
位相変調信号にて同期検波し、誤差信号を取り出す。こ
の誤差信号が0となるようにVCM制御回路33によっ
て、ボイスコイルモータ32を駆動して第1の凹面鏡2
3の位置を変化させる。
【0100】VCM制御回路33は、図12に構成図を
示すように、例えば、発振器330、位相変調器駆動回
路331、同期検波回路332、ローパスフィルタ33
3、及びボイスコイルモータ駆動回路(VCM駆動回
路)334から構成されている。
【0101】発振器330から出力された周波数f
m(例えば10MHz)の変調信号は、位相変調器駆動
回路331を介して位相変調器34に送られる。位相変
調器34においては、レーザ光源10から射出された光
(周波数fO。1014Hzオーダー)に位相変調が施さ
れ、周波数fO±fmのサイドバンドが生成される。
【0102】光共振器22を構成する第1の凹面鏡23
を通過して光共振器22の系外に射出された光(周波
数:fO及びfO±fm)は、光検出器31によって検出
される。このような周波数(fO及びfO±fm)を有す
る光の間のビートを検出するFMサイドバンド法によっ
て極性を有する誤差信号を得ることができ、かかる誤差
信号に基づき光共振器22の共振器長(L)を制御す
る。
【0103】即ち、この光検出器31から出力された信
号は、同期検波回路332に送られる。この信号は、周
波数f0の光の強度信号と、周波数fmの変調信号に対応
する信号とが重畳された信号である。同期検波回路33
2には、発振器330から出力された変調信号も(必要
に応じて波形整形や位相遅延等が施されて)供給され
る。光検出器31から出力された信号と変調信号とは同
期検波回路332において乗算され、同期検波が行われ
る。同期検波回路332から出力された検波出力信号は
ローパスフィルタ333に入力され、ローパスフィルタ
333においてこの検波出力信号から変調信号成分を除
去することで、光共振器22の共振器長の誤差信号が生
成される。ここで、誤差信号とは、光共振器22の設定
共振器長(L0)に対する測定共振器長(L0±ΔL0
の差(±ΔL0)を表わす信号である。
【0104】この誤差信号はVCM駆動回路334に送
られ、かかる誤差信号に基づきボイスコイルモータ32
が駆動され(具体的には、電磁石322に流れる電流を
制御し)、第1の凹面鏡23を透過しそして光検出器3
1に到達する光が極小値となるように(言い換えれば、
光共振器22の共振器長がL0となり、誤差信号が0と
なるように)、光共振器22の共振器長(L)が調整さ
れる。
【0105】光共振器22の共振器長(L)がL0に設
定されている場合(即ち、ロック状態においては)、共
振器長制御装置30の制御によって、光共振器22の共
振器長(L)の経時的な変動を、第2高調波発生装置2
0に入射する光の波長の1/1000〜1/10000
に抑えることができる。
【0106】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。光路分割手段41は、ハーフミラー以外にも、
ビームスプリッターや四角錐プリズム等、光路を分割し
得る如何なる手段とすることもできる。光路長伸長手段
40も一対の凹面鏡に限定されず、例えば、石英ガラス
製ロッドの両端面に一定の曲率を付与し且つ両端面を内
側に光を反射させる鏡構造としたり、光共振器22と同
様の構造(但し、4つの凹面鏡で構成する)とすること
もできる。また、一対の凹面鏡の間に適当な媒質を入
れ、屈折率nを変化させることもできる。
【0107】プリズム43を用いて各光路を光路合成手
段50に導く代わりに、反射鏡等、如何なる手段をも用
いることもできる。光路移動手段も任意の手段とするこ
とができる。また、プリズム43、シリンドリカルレン
ズ45、レンズ47の配置も適宜変更することができ
る。
【0108】四重極の形状も、実施例にて説明した形状
に限定されるものではなく、適宜変更することができ
る。また、実施例8にて説明した半導体露光装置を用い
て、光路合成手段50の外縁部近傍の領域に、光を輪帯
形状となるように回転移動させ且つ斜めに入射させるこ
とによって、所謂輪帯照明法を実施することもできる。
【0109】本発明の半導体露光装置においては、レー
ザ光源10及び第2高調波発生装置20の大きさをA3
版以下に納めることができる。従って、レーザ光源1
0、第2高調波発生装置20、光路分割手段41、反射
鏡42、光路長伸長手段40、プリズム43、回動機構
44、シリンドリカルレンズ45やレンズ47等の構成
部品を一体化することも可能である。
【0110】本発明の半導体露光装置は、上述した実施
例のような屈折系の光学系を用いた投影露光装置にのみ
限定されるものでなく、例えば反射系の光学系を用いた
半導体露光装置や近接露光装置にも応用することができ
る。
【0111】レーザ光源10、第2高調波発生装置20
及び共振器長制御装置30の構造は例示であり、適宜設
計変更することができる。固体レーザ媒質は、Nd:Y
AG以外にも、Nd:YVO4、Nd:BEL、LNP
等から構成することができる。レーザダイオードによる
固体レーザ媒質の励起方式も、端面励起方式だけでな
く、側面励起方式や表面励起方式とすることができ、更
にはスラブ固体レーザを用いることもできる。また、非
線形光学結晶素子として、KTPやBBOの他にも、L
N、QPM LN、LBO、KN等、入射光や射出光に
要求される光の波長に依存して適宜選定することができ
る。
【0112】一対の反射鏡から成る光共振器の光路内に
固体レーザ媒質と非線形光学結晶素子が配置された、所
謂内部SHG方式のレーザ光源を用いることもできる。
また、固体レーザ媒質12からの射出光を非線形光学結
晶素子13に通すような構造(即ち、平面鏡15及び凹
面鏡16から成る光共振器を省略する構造)とすること
もできる。更には、レーザ光源として、LD励起固体レ
ーザの代わりに、例えば青色半導体レーザを使用し、か
かる半導体レーザの射出光を第2高調波発生装置に直接
入射させることもできるし、かかる半導体レーザと非線
形光学結晶素子とを組み合わせた所謂内部SHG方式か
ら成るレーザ光源と第2高調波発生装置との組み合わせ
構造とすることもできる。また、平面鏡15及び凹面鏡
16から成る光共振器の共振器長の制御のために、共振
器長制御装置30を別途設けることもできる。
【0113】第2高調波発生装置20における光共振器
22の構造を、例えば、凹面鏡と平面鏡から構成された
ファブリ−ペロー型共振器とすることもできる。この場
合、第2高調波発生装置20に入射する入射光を透過
し、そして第2高調波発生装置20からの戻り光を反射
する反射鏡を、第2高調波発生装置20の手前に配置
し、かかる反射鏡で反射された光を光検出器31で検出
すればよい。光共振器22の共振器長を変えるために
は、第1の凹面鏡23を移動させるだけでなく、他の鏡
を移動させてもよい。
【0114】共振器長制御装置30の別の態様として、
PZT等から成る共振器長制御装置を挙げることができ
る。即ち、光共振器22を構成する第1の凹面鏡23を
移動させるために、PZT等から成る積層圧電素子及び
共振器長(L)の長さ変化に比例した信号をこの積層圧
電素子に供給する制御装置から成る共振器長制御装置を
用い、かかる信号をフィードバックしてサーボループを
構成する。これによって、光共振器22の共振器長の制
御を行い、第2高調波発生装置20から射出される射出
光の強度制御を行うこともできる。
【0115】第2高調波発生装置から射出される光は、
レーザ光源からの入射光の第2高調波に基づいた波長を
有する光であるが、この第2高調波発生装置から射出さ
れる光の波長は、実施例にて説明したように、固体レー
ザ媒質の射出する光を基準とした第4高調波だけでな
く、第5高調波とすることもできる。この場合には、例
えばNd:YAGから成る固体レーザ媒質から射出され
る光(波長:1064nm)と、第2高調波発生装置2
0から射出される光(波長:266nm)とを合成し
て、再び別の第2高調波発生装置20(例えば、非線形
光学結晶素子として有機結晶の urea CO(NH22
を用いる)を通すことによって、Nd:YAGから成る
固体レーザ媒質の第5高調波(波長:213nm)を生
成することができる。
【0116】基板としては、シリコン半導体基板や、G
aAs等の化合物半導体基板、TFT等を形成するため
のガラス基板等を例示することができる。
【0117】
【発明の効果】本発明の半導体露光装置においては、露
光光の光強度の大幅な低下を招くことなく、露光光の干
渉性を低下させてスペックルパターンの発生を効果的に
防止することができる。また、四重極を容易に光路合成
手段上に形成することができ、斜方照明法による高い解
像度と大きな焦点深度を半導体露光装置に付与すること
ができる。更には、構成部品は小型でありしかも簡単な
構造であり、、一体化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の半導体露光装置の概念図である。
【図2】実施例2の半導体露光装置の概念図である。
【図3】実施例3の半導体露光装置の概念図である。
【図4】実施例4の半導体露光装置の概念図である。
【図5】実施例5の半導体露光装置の概念図である。
【図6】実施例6の半導体露光装置の概念図である。
【図7】実施例7の半導体露光装置の概念図である。
【図8】光路合成手段上に形成された四重極を模式的に
示す図である。
【図9】実施例8の半導体露光装置の概念図である。
【図10】レーザ光源、第2高調波発生装置及び共振器
長制御装置の模式図である。
【図11】ボイスコイルモータの模式図である。
【図12】共振器長制御装置を構成するVCM制御回路
の構成図である。
【符号の説明】
10 レーザ光源 11 レーザダイオード 12 固体レーザ媒質 13 非線形光学結晶素子 14 1/4波長板 15 平面鏡 16 凹面鏡 20 第2高調波発生装置 21 非線形光学結晶素子 22 光共振器 23 第1の凹面鏡 24 第2の凹面鏡 25,26 平面鏡 30 共振器長制御装置 31 光検出器 32 ボイスコイルモータ 320 基体 321 コイルバネ 322 電磁石 323 ヨーク 33 VCM制御回路 330 発振機 331 位相変調器駆動回路 332 同期検波回路 333 ローパスフィルタ 334 VCM駆動回路 34 位相変調器 35 集光レンズ 40 光路長伸長手段 41 光路分割手段 42 反射鏡 43 プリズム(ウェッジ) 44 回動機構 45 シリンドリカルレンズ 47 レンズ 50 光路合成手段 60 反射鏡 61 レチクル 62 投影光学系 63 レジスト 64 基板 65 基板ステージ

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源、及び該レーザ光源から射出さ
    れた光が入射されそして該光の第2高調波に基づいた波
    長を有する光を射出する第2高調波発生装置を具備した
    半導体露光装置であって、 (イ)レーザ光源から射出された光をN個(但しN≧
    2)の光路に分割する光路分割手段と、 (ロ)N個の分割された光路に配置された第2高調波発
    生装置と、 (ハ)少なくとも(N−1)個の分割された光路に配置
    された光路長伸長手段と、 (ニ)N個に分割された光路を1つに合成する光路合成
    手段、 とから成り、 分割された光路の光路長と他の光路の光路長との光路差
    が、第2高調波発生装置から射出された光の可干渉距離
    以上であることを特徴とする半導体露光装置。
  2. 【請求項2】 N個(但しN≧2)のレーザ光源、及び該
    各レーザ光源から射出された光が入射されそして該光の
    第2高調波に基づいた波長を有する光を射出するN個の
    第2高調波発生装置を具備した半導体露光装置であっ
    て、 (イ)少なくとも(N−1)個の第2高調波発生装置か
    ら射出された光の光路に配置された光路長伸長手段と、 (ロ)N個の第2高調波発生装置から射出された光の光
    路を1つに合成する光路合成手段、 とから成り、 或る第2高調波発生装置から光路合成手段に至る光路長
    と、他の第2高調波発生装置から光路合成手段に至る光
    路長との光路差が、第2高調波発生装置から射出された
    光の可干渉距離以上であることを特徴とする半導体露光
    装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光源、及び該レーザ光源から射出さ
    れた光が入射されそして該光の第2高調波に基づいた波
    長を有する光を射出する第2高調波発生装置を具備した
    半導体露光装置であって、 (イ)第2高調波発生装置から射出された光の光路をN
    個(但しN≧2)の光路に分割する光路分割手段と、 (ロ)少なくとも(N−1)個の分割された光路に配置
    された光路長伸長手段と、 (ハ)N個の分割された光路に配置された光路移動手段
    と、 (ニ)N個に分割された光路を1つに合成する光路合成
    手段、 とから成り、 分割された光路の光路長と他の光路の光路長との光路差
    が、第2高調波発生装置から射出された光の可干渉距離
    の50%以上100%未満であり、 光路合成手段における各光路末端の位置を光路移動手段
    によって移動させることを特徴とする半導体露光装置。
  4. 【請求項4】 レーザ光源、及び該レーザ光源から射出さ
    れた光が入射されそして該光の第2高調波に基づいた波
    長を有する光を射出する第2高調波発生装置を具備した
    半導体露光装置であって、 (イ)レーザ光源から射出された光をN個(但しN≧
    2)の光路に分割する光路分割手段と、 (ロ)N個の分割された光路に配置された第2高調波発
    生装置と、 (ハ)少なくとも(N−1)個の分割された光路に配置
    された光路長伸長手段と、 (ニ)N個の分割された光路に配置された光路移動手段
    と、 (ホ)N個に分割された光路を1つに合成する光路合成
    手段、 とから成り、 分割された光路の光路長と他の光路の光路長との光路差
    が、第2高調波発生装置から射出された光の可干渉距離
    の50%以上100%未満であり、 光路合成手段における各光路末端の位置を光路移動手段
    によって移動させることを特徴とする半導体露光装置。
  5. 【請求項5】 N個(但しN≧2)のレーザ光源、及び該
    各レーザ光源から射出された光が入射されそして該光の
    第2高調波に基づいた波長を有する光を射出するN個の
    第2高調波発生装置を具備した半導体露光装置であっ
    て、 (イ)少なくとも(N−1)個の第2高調波発生装置か
    ら射出された光の光路に配置された光路長伸長手段と、 (ロ)N個の第2高調波発生装置から射出された光の光
    路に配置された光路移動手段と、 (ハ)N個の第2高調波発生装置から射出された光の光
    路を1つに合成する光路合成手段、 とから成り、 或る第2高調波発生装置から光路合成手段に至る光路長
    と、他の第2高調波発生装置から光路合成手段に至る光
    路長との光路差が、第2高調波発生装置から射出された
    光の可干渉距離の50%以上100%未満であり、 光路合成手段における各光路末端の位置を光路移動手段
    によって移動させることを特徴とする半導体露光装置。
  6. 【請求項6】 光路長伸長手段は一対の凹面鏡から成るこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載の半導体露光装置。
  7. 【請求項7】 一対の凹面鏡による光の反射回数を異なら
    せることによって、光路長を制御することを特徴とする
    請求項6に記載の半導体露光装置。
  8. 【請求項8】 光路合成手段はフライアイレンズから成る
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項
    に記載の半導体露光装置。
  9. 【請求項9】 光路合成手段上で四重極を形成することを
    特徴とする請求項8に記載の半導体露光装置。
  10. 【請求項10】 レーザ光源は、レーザダイオード、N
    d:YAGから成る固体レーザ媒質及び非線形光学結晶
    素子から構成されたLD励起固体レーザから成り、第2
    高調波発生装置は、非線形光学結晶素子、光共振器及び
    共振器長制御装置から成ることを特徴とする請求項1乃
    請求項9のいずれか1項に記載の半導体露光装置。
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