JPH07140642A - フォトマスクおよび縮小投影露光装置 - Google Patents

フォトマスクおよび縮小投影露光装置

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JPH07140642A
JPH07140642A JP19055793A JP19055793A JPH07140642A JP H07140642 A JPH07140642 A JP H07140642A JP 19055793 A JP19055793 A JP 19055793A JP 19055793 A JP19055793 A JP 19055793A JP H07140642 A JPH07140642 A JP H07140642A
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Keiichi Ueda
慶一 植田
Hirotoshi Kubo
博稔 久保
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

Abstract

(57)【要約】 【目的】縮小投影露光装置において、焦点深度を低下さ
せることなく解像力を向上させる。 【構成】光源51からの露光光は、フライアイ・レンズ
52によって均一な光束Qとなり、アパーチャ・ストッ
プ53の光出射部53aからコンデンサ・レンズ54を
介してマスク11に入射される。その光束Qは凹凸部1
2によって回折され、光束Qの光軸Jとは別の方向の±
1次回折光α,βが発生する。±1次回折光α,βは、
光束Qの光軸Jに対して斜め方向から回路パターン56
へ入射して回折される。このとき、±1次回折光α,β
の進行方向と同じ方向の0次回折光と、別の方向の±1
次回折光δ,γおよびそれ以上の高次の回折光(図示
略)が発生する。+1次回折光δと0次回折光とは、投
影レンズ57のフーリエ変換面58を通して投影レンズ
57の像面に向けられ、ウェハ59の表面に回路パター
ン56を結像させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフォトマスクおよび縮小
投影露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの高集積化は、超微細加
工技術、特にフォトリソグラフィ技術の進展に大きく依
存している。現在、フォトリソグラフィ技術の加工精度
はサブミクロンレベルに達している。フォトリソグラフ
ィ装置で中核を成すものが、縮小投影露光装置(ステッ
パ)であり。この装置の解像力が半導体デバイスの将来
を担っているといっても過言ではない。
【0003】これまで、縮小投影露光装置の解像力を向
上させるためには、縮小投影レンズ系の開口数(NA;Nu
merical Aperture)を高くすることが主に行われてき
た。しかし、NAを高くすると、半導体デバイス製造にと
って重要なファクタである縮小投影レンズ系の焦点深度
(DOF ;Depth Of Focus)が低下するという問題が生じ
る。これは、式(1)に示すように、DOF がNAの二乗に
反比例するためである。
【0004】DOF を低下させることなく更なる解像力の
向上を達成するには、レーリーの式(2)に示すよう
に、露光光の短波長化が有効である。 DOF =λ/(NA)2 ……(1) R=k1・λ/NA ……(2) (R;縮小投影レンズ系の解像度、k1;プロセスファク
タ〔通常0.7 〜0.8 〕、λ;露光光の波長) 従来、露光光としては、高圧水銀灯のg線(436nm )が
使用されてきたが、サブミクロンレベルの加工精度が要
求されるようになってきた現在では、高圧水銀灯のi線
(365nm )の使用が主流になりつつある。また、クオー
ターミクロンレベルの加工精度を達成するためには、露
光光の短波長化を更に進めて高解像力を得る方法である
deepUVリソグラフィ(KrFエキシマレーザやA
rFエキシマレーザを用いる縮小レンズ方式、超高圧水
銀灯を用いる反射縮小方式、等)の研究が行われてい
る。
【0005】一方、露光光の短波長化とは異なる方法と
して、位相シフトマスクを使用する位相シフト法、
変形光源による照明を使用する変形照明法、などが開発
されている。これは、光源やレジストの開発の遅れなど
により、deepUVリソグラフィが工業的に十分に完
成されていないためである。
【0006】これら露光光の短波長化とは異なる方法を
用いることにより、理論的には、位相シフト法ではプロ
セスファクタk1を0.35程度に、また、変形照明法ではプ
ロセスファクタk1を0.45程度に、それぞれすることがで
きるとされている。そのため、位相シフト法または変形
照明法を使用すれば、現在主流であり工業的に完成して
いるi線光源によっても、クオーターミクロンレベルの
加工精度を十分に達成することが可能となる。
【0007】図40は、従来の縮小投影露光装置の構成
を示す概略図である。51は高圧水銀灯と反射器とから
成る光源、52はフライアイ・レンズ、53はアパーチ
ャ・ストップ、54はコンデンサ・レンズ、55はマス
ク、56はマスク55上に形成された回路パターン、5
7は投影レンズ、58は投影レンズ57のフーリエ変換
面、59はレジストを塗布したウェハ、である。光源5
1とフライアイ・レンズ52とアパーチャ・ストップ5
3とコンデンサ・レンズ54とから照明光学系が構成さ
れている。また、従来型のアパーチャ・ストップ53
は、円形の光出射部53aが中心に透設された円板状を
成しており、光出射部53a以外の部分は露光光を透過
しない材質で形成されている。
【0008】光源51から出射された露光光は、フライ
アイ・レンズ52によって均一な光束となり、アパーチ
ャ・ストップ53の光出射部53aからコンデンサ・レ
ンズ54を介してマスク55に入射される。
【0009】そして、マスク55に入射した光束は、マ
スク55上に形成された回路パターン56によって回折
される。このとき、発生する回折光は、入射する光束の
進行方向と同じ方向の0次回折光と、入射する光束の進
行方向とは別の進行方向の±1次回折光およびそれ以上
の高次の回折光(図示略)とからなっている。
【0010】そして、回折光の中で0次回折光と±1次
回折光とは、投影レンズ57のフーリエ変換面58を通
して投影レンズ57の像面に向けられ、ウェハ59の表
面に回路パターン56を結像させる。
【0011】図41に、投影レンズ57のフーリエ変換
面58における光分布を示す。ここで、マスク55上に
形成された回路パターン56は縦の線だけから成る縞模
様とし、その各線のピッチPrは数μm 程度とする。ま
た、アパーチャ・ストップ53の光出射部53aの半径
(コヒーレンシーファクタσ)は0.1 程度とする(但
し、後記するように、実際に用いられるコヒーレンシー
ファクタσは通常0.5 〜0.6 程度)。
【0012】図41においては、0次回折光の光分布6
1と+1次回折光の光分布62と−1次回折光の光分布
63とが生じ、各回折光の光分布61,62,63の振
幅比が1:2/π:2/πとなっている。また、0次回折光
の光分布61と±1次回折光の光分布62,63との間
隔tは、回路パターン56のピッチPrに依存しているた
め、ピッチPrが小さくなればなるほど大きくなる。その
ため、回路パターン56が微細化してピッチPrが小さく
なると、±1次回折光の光分布62,63が投影レンズ
57のフーリエ変換面58の外に出てしまうことにな
る。すなわち、図40においては、0次回折光と±1次
回折光との回折角θA が大きくなり、±1次回折光が投
影レンズ57のフーリエ変換面58の外に出てしまうこ
とになる。
【0013】ところで、ウェハ59表面に結像した回路
パターン56のコントラストに寄与するのは、0次の回
折光成分ではなく高次の回折光成分である。通常の縮小
投影露光装置においては、±2次以上の高次の回折光を
捕捉するとなると投影レンズ57の口径が非常に大きく
なる点や、±2次以上の高次の回折光の強度が低い点な
どから、±1次回折光によって必要なコントラストを得
ている。
【0014】従って、±1次回折光の光分布62,63
が投影レンズ57のフーリエ変換面58の外に出てしま
うと、ウェハ59表面に結像した回路パターン56のコ
ントラストが低くなり、最終的には結像しなくなってし
まう。
【0015】尚、前記したようにアパーチャ・ストップ
53の光出射部53aの半径(コヒーレンシーファクタ
σ)を0.1 程度としたのは、通常の値(0.5 〜0.6 )と
すると、各回折光の光分布61,62,63が重なって
説明が分かり難くなるためである。
【0016】このように、従来の縮小投影露光装置にお
いては、回路パターン56が微細化してピッチPrが小さ
くなると、0次回折光の光分布61と±1次回折光の光
分布62,63との間隔tが大きくなる(0次回折光と
±1次回折光との回折角θAが大きくなる)という問題
があった。
【0017】そこで、位相シフト法では、0次回折光を
無くして±1次回折光の間隔を小さくし、±1次回折光
の光分布が投影レンズ57のフーリエ変換面58の外に
出てしまわないようにしている。
【0018】位相シフト法は、マスクの光透過部分に選
択的に透明膜(位相シフタ)を形成した位相シフトマス
クを用いることにより、位相の異なる光の相互干渉を利
用し、光学像のコントラストを増加させるものである。
この位相シフト法では、従来の縮小投影露光装置をその
まま使用してマスクだけを変更することにより、DOFを
低下させることなく最大解像力を上記した通常のマスク
を使用する方法の1.5倍以上にまで向上させることがで
きる。尚、位相シフト法は位相差露光法または空間周波
数変換法とも呼ばれ、特開昭62−67514号公報
(G02F 1/00 )、特公昭62−50811号公報(G03F
1/00 )、「位相シフト法の現状と動向」,’92最新
半導体プロセス技術,P.157 〜P.161,プレスジャーナル
社刊、などに詳説されている。
【0019】図42に、位相シフト法を用いた場合の投
影レンズ57のフーリエ変換面58における光分布を示
す。図42においては、0次回折光が存在せず、+1次
回折光の光分布71と−1次回折光の光分布72とが生
じ、各回折光の光分布71,72の振幅比が1:1とな
っている。また、位相シフト法における周波数は、上記
した従来型のマスクを用いた場合の1/2 になる。さら
に、位相シフト法における±1次回折光の光分布71,
72の間隔tは、図41に示した従来型のマスクを用い
た場合の0次回折光の光分布61と±1次回折光の光分
布62,63との間隔tに一致する。
【0020】このように、位相シフト法では、0次回折
光を無くして±1次回折光の間隔を小さくし、フーリエ
変換面58の中心の光分布を無くすことにより、DOF を
低下させることなく解像力を向上させている。
【0021】一方、変形照明法でも、フーリエ変換面5
8の中心の光分布を無くす点については、位相シフト法
と同じである。尚、変形照明法については、特開平4−
267515号公報や特開平4−268715号公報な
どに開示されている。
【0022】図43は、変形照明法による縮小投影露光
装置の構成を示す概略図である。尚、図43において、
図40に示した従来の縮小投影露光装置と異なるのは、
変形照明用のアパーチャ・ストップ81を用いている点
だけであるため、その他の構成部材については図40と
符号を等しくしてある。
【0023】図44は、縦横の線だけから成る格子模様
の回路パターン56に対して、最も有効な変形照明用の
アパーチャ・ストップ81の形状を示す平面図である。
アパーチャ・ストップ81は、4つの光出射部81a〜
81dが透設された円板状を成しており、光出射部81
a〜81d以外の部分は露光光を透過しない材質で形成
されている。各光出射部81a〜81dの中心位置は、
アパーチャ・ストップ81の中心Oからそれぞれ等距離
(後記する距離x)にあり、中心Oを通る直角な二軸
(X軸,Y軸)に対してそれぞれ45°の角度を成して
いる。また、各光出射部81a〜81dの半径(コヒー
レンシーファクタσ)は0.25程度である。
【0024】図43に示すように、光源51から出射さ
れた露光光は、フライアイ・レンズ52によって均一な
光束となり、アパーチャ・ストップ53の光出射部53
aからコンデンサ・レンズ54を介してマスク55に入
射される。このとき、マスク55に入射する光束は、ア
パーチャ・ストップ81の中心Oを通る中心軸Aに対し
て、角度θm を成している。
【0025】そして、マスク55に入射した光束は、マ
スク55上に形成された回路パターン56によって回折
される。このとき、発生する回折光は、入射する光束の
進行方向と同じ方向の0次回折光と、入射する光束の進
行方向とは別の進行方向の±1次回折光およびそれ以上
の高次の回折光(図示略)とからなっている。その回折
光の中で、±1次回折光の内のどちらか一方(図43に
おいては、+1次回折光)と0次回折光とが、投影レン
ズ57に入射する。
【0026】そして、+1次回折光と0次回折光とは、
投影レンズ57のフーリエ変換面58を通して投影レン
ズ57の像面に向けられ、ウェハ59の表面に回路パタ
ーン56を結像させる。
【0027】尚、マスク55に入射する光束が中心軸A
に対して成す角度θm (すなわち、マスク55に入射す
る光束の光軸が成す角度)は、式(3)によって表され
る。 sin(θm )=x/f ……(3) (x;アパーチャ・ストップ81の各光出射部81a〜
81dの中心と中心軸Aとの距離、f;コンデンサ・レ
ンズ54の焦点距離) 図45に、変形照明用のアパーチャ・ストップ81を用
いた場合の投影レンズ57のフーリエ変換面58におけ
る光分布を示す。
【0028】ここで、マスク55上に形成された回路パ
ターン56は縦横の線から成る格子模様とし、その各線
のピッチPrは数μm 程度とする。また、前記したよう
に、アパーチャ・ストップ81の各光出射部81a〜8
1dの半径(コヒーレンシーファクタσ)は0.25程度で
ある。
【0029】このアパーチャ・ストップ81を用いた変
形照明法では、前記したように、回路パターン56によ
って回折される回折光の中で、±1次回折光の内のどち
らか一方と0次回折光とが、投影レンズ57のフーリエ
変換面58を通過する。そのため、図45に示すよう
に、フーリエ変換面58には、アパーチャ・ストップ8
1の各光出射部81a〜81dに対応した、4つの光分
布82a〜82dが生じる。各光分布82a〜82dの
中心位置は、フーリエ変換面58の中心Oからそれぞれ
等距離にあり、中心Oを通る直角な二軸(X軸,Y軸)
に対してそれぞれ45°の角度を成している。
【0030】本発明者の解析によると、ここで重要なの
は、フーリエ変換面58の中心OおよびX軸,Y軸には
光分布が生じていないという点である。フーリエ変換面
58の中心OおよびX軸,Y軸に光分布が存在している
と、ウェハ59表面に結像した回路パターン56のコン
トラストに対して悪影響を及ぼすことになり、解像力が
低下するからである。
【0031】また、アパーチャ・ストップ81の4つの
光出射部81a〜81dの内の1つの光出射部だけを用
いた場合(すなわち、1つの光出射部だけを透設した場
合)には、フーリエ変換面58に生じる一対の回折光の
光分布の振幅比は1:2/πになる。最も好ましい振幅比
は1:1であるため、振幅比が1:2/πの場合には、解
像力およびDOF が低下してしまう。
【0032】すなわち、アパーチャ・ストップ81の形
状を図44に示すようにすることにより、振幅比が1:
1になるように実質的に補償して、解像力およびDOF を
向上させるわけである。
【0033】尚、変形照明法において、より解像力を高
めるには(すなわち、プロセスファクタk1をより小さく
するには)、マスク55に入射する光束の光軸が成す角
度θm を大きくすればよい。しかしながら、角度θm を
大きくするには、アパーチャ・ストップ81の各光出射
部81a〜81dの半径(コヒーレンシーファクタσ)
を小さくしなければならない。各光出射部81a〜81
dの半径を小さくすると、通過する光量が少なくなって
しまうことになる。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、位相シ
フト法には、以下の問題がある。 1)位相シフトマスクの設計には専用のCADが必要で
あるが、そのCADで扱うデータの作成が難しい。
【0035】2)少なくとも2回のパターニングとそれ
ら各パターンの位置合わせが必要であるなど、製造が難
しい。 3)マスクの欠陥、特に位相シフタの欠陥については、
回路パターンの欠陥よりも小さなサイズのものまで転写
されるため検査・修正が重要であるが、それが難しい。
【0036】一方、変形照明法には、以下の問題があ
る。 1)前記したように、解像力を高めるにはアパーチャ・
ストップ81の各光出射部81a〜81dの半径を小さ
くしなければならず、通過する光量が少なくなってしま
う。そのため、従来の縮小投影露光装置の光源51をそ
のまま用いた場合には、露光に要するスループットが大
幅に低下するという問題がある。スループットを低下さ
せないように光量を増大させる方法としては、光源51
を強力なものにしたり複数個設けたりすることが考えら
れるが、いずれにしても、光源51部分の大幅な改造が
必要になる。
【0037】2)回路パターン56により、アパーチャ
・ストップ81の光出射部の数や形状が異なる。すなわ
ち、前記したように、図44に示したアパーチャ・スト
ップ81の形状は、縦横の線だけから成る格子模様の回
路パターン56に対して最も有効なものである。しかし
ながら、縦横の線に斜めの線が加わった回路パターン5
6に対しては、別の形状(例えば、中心軸Aを中心とす
る輪帯状に光射出部が透設された円板状)のアパーチャ
・ストップ81が有効になる。従って、縮小投影露光装
置内に複数のアパーチャ・ストップ81を設け、回路パ
ターン56に対応した最適なアパーチャ・ストップ81
に交換する操作が必要になってくる。しかしながら、縮
小投影露光装置内に複数のアパーチャ・ストップ81を
設けて交換するとなると、装置が大幅に複雑化すること
になる。そのため、各種回路パターン56に対してほど
ほどに有効な(言い換えれば、どの回路パターン56に
対しても最適とはいえない)アパーチャ・ストップ81
を用いるしかなく、十分な解像力を得ることができない
のが現状であった。
【0038】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、焦点深度DOF を低下さ
せることなく解像力を向上させ、且つ、簡単な構成で容
易に実施することができる縮小投影露光装置を提供する
ことにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
透明基板上に遮光膜を設け、その遮光膜を部分的に除去
した開口パターンを形成したフォトマスクにおいて、当
該透明基板の当該開口パターンが形成された面とは反対
側の面に、露光に用いる光を回折させる凹凸部を設けた
ことをその要旨とする。
【0040】請求項2記載の発明は、請求項1記載のフ
ォトマスクにおいて、凹凸部を正面から見たとき、凹凸
部が縞模様または市松模様を成していることをその要旨
とする。
【0041】請求項3記載の発明は、縮小投影露光装置
に関し、均一な光束を発生させる光源部と、所定のコヒ
ーレンシーファクタの光出射部が形成されたアパーチャ
・ストップと、コンデンサ・レンズとから構成される照
明光学系と、請求項1記載のフォトマスクと、投影レン
ズと、フォトレジストを塗布したウェハとを備えたこと
をその要旨とする。
【0042】請求項4記載の発明は、請求項3記載の縮
小投影露光装置において、前記コヒーレンシーファクタ
を、フォトマスクの凹凸部に対応した値にすることをそ
の要旨とする。
【0043】請求項5記載の発明は、縮小投影露光装置
に関し、均一な光束を発生させる光源部と、所定のコヒ
ーレンシーファクタの光出射部が形成されたアパーチャ
・ストップと、コンデンサ・レンズとから構成される照
明光学系と、透明基板上に遮光膜を設け、その遮光膜を
部分的に除去した開口パターンを形成したフォトマスク
と、前記照明光学系とフォトマスクとの間に配置され、
その内部に超音波による位相格子が形成された、照明光
学系からの露光光に対する透過率が高い物質から成る平
板と、投影レンズと、フォトレジストを塗布したウェハ
とを備えたことをその要旨とする。
【0044】請求項6記載の発明は、請求項5記載の縮
小投影露光装置において、前記コヒーレンシーファクタ
を、平板内部に形成された超音波による位相格子に対応
した値にすることをその要旨とする。
【0045】請求項7記載の発明は、縮小投影露光装置
に関し、均一な光束を発生させる光源部と、所定のコヒ
ーレンシーファクタの光出射部が形成されたアパーチャ
・ストップと、コンデンサ・レンズとから構成される照
明光学系と、請求項1記載のフォトマスクと、前記照明
光学系とフォトマスクとの間に配置され、その内部に超
音波による位相格子が形成された、照明光学系からの露
光光に対する透過率が高い物質から成る平板と、投影レ
ンズと、フォトレジストを塗布したウェハとを備えたこ
とをその要旨とする。
【0046】請求項8記載の発明は、請求項7記載の縮
小投影露光装置において、前記コヒーレンシーファクタ
を、フォトマスクの凹凸部と、平板内部に形成された超
音波による位相格子とに対応した値にすることをその要
旨とする。
【0047】
【作用】従って、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
発明によれば、フォトマスクの開口パターンとは反対側
の面(露光光の入射側の面)に、露光光を回折させる凹
凸部を形成している。ここで、凹凸部のパターン(模
様)は、開口パターンに対応させたものとする。そし
て、凹凸部によって露光光を回折させることにより、そ
の回折光の中の0次回折光の強度を0にすると共に、±
1次回折光を照明光学系の光軸に対して斜め方向から開
口パターンへ入射させている。その結果、焦点深度DOF
を低下させることなく解像力を向上させることができ
る。また、従来の縮小投影露光装置に前記凹凸部を形成
したフォトマスクをセットするだけでよいため、簡単か
つ容易に実施することができる。
【0048】また、請求項5または6項に記載の発明に
よれば、照明光学系とフォトマスクとの間に、照明光学
系からの露光光に対する透過率が高い物質から成る平板
を配置している。その平板内部には超音波による位相格
子が形成されている。そして、平板内部に形成された超
音波による位相格子にて露光光を回折させることによ
り、その回折光の中の0次回折光の強度を0にすると共
に、±1と±2次回折光を照明光学系の光軸に対して斜
め方向からフォトマスクへ入射させている。その結果、
焦点深度DOF を低下させることなく解像力を向上させる
ことができる。また、従来の縮小投影露光装置に前記平
板を設けるだけでよいため、簡単かつ容易に実施するこ
とができる。
【0049】そして、請求項7または8項に記載の発明
によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明
と、請求項5または6項に記載の発明との相乗効果によ
り、焦点深度DOF を低下させることなく解像力をさらに
向上させることができる。
【0050】
【実施例】 (第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図面に従って説明する。
【0051】図1は、本実施例による縮小投影露光装置
の構成を示す概略図である。尚、図1において、図40
に示した従来の縮小投影露光装置と異なるのは、マスク
11だけであるため、その他の構成部材については図4
0と符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0052】図2は、縦の線だけから成る縞模様の回路
パターン56に対して、最も有効なマスク11の模式的
な断面図である。ここで、マスク11上に形成された回
路パターン56の各線のピッチPcは数μm 程度とし、そ
のプロセスファクタk1は0.5 程度とする。
【0053】マスク11の回路パターン56が形成され
ている側の反対側には、回路パターン56の縦の線に対
応するように、縦の線状の凹凸部12が一定のピッチPs
で形成されている。その凹凸部12のピッチPsは、回路
パターン56の各線の線幅PtおよびピッチPcに対応して
いる。また、凹凸部12における、各凸部12aに対す
る各凹部12bの深さ(段差)dは一定になっている。
図3は、マスク11を回路パターン56が形成されてい
る側とは反対側(凹凸部12が形成されている側)から
見た平面図である。
【0054】図2に示すように、マスク11に露光光の
光束Qが入射すると、その光束Qは凹凸部12によって
回折され、入射する光束Qの進行方向とは別の進行方向
の+1次回折光αと−1次回折光βとが発生する。この
とき、+1次回折光αと−1次回折光βとの振幅比は
1:1になっている。その±1次回折光α,βが、マス
ク11に入射する光束Qの光軸Bに対して成す角度θrs
は、式(4)によって表される。
【0055】sin(θrs)=λ/2Ps ……(4) ここで重要なのは、凹凸部12によって発生する回折光
は±1次回折光α,βだけから成っており、0次回折光
がほとんど含まれていないという点である。凹凸部12
によって発生する回折光に0次回折光が全く含まれない
ようにするためには、凹凸部12の段差(凸部12aに
対する凹部12bの深さ)dを、式(5)に示す値にす
ればよい。
【0056】d=mλ/2(n−1) ……(5) (n;凸部12aの材質の露光光に対する屈折率、m=
2L+1,L;整数) 図1に示すように、光源51から出射された露光光は、
フライアイ・レンズ52によって均一な光束Qとなり、
従来型のアパーチャ・ストップ53の光出射部53aか
らコンデンサ・レンズ54を介してマスク11に入射さ
れる。
【0057】そして、マスク11に入射した光束Qは凹
凸部12によって回折され、入射する光束Qの進行方向
とは別の進行方向の±1次回折光α,βが発生する。そ
の±1次回折光α,βは、光束Qの光軸Bに対して斜め
方向(図2に示す角度θrs)から回路パターン56へ入
射し、回路パターン56によって回折される。
【0058】このとき、発生する回折光は、前記±1次
回折光α,βの進行方向と同じ方向の0次回折光と、入
射する光束の進行方向とは別の方向の±1次回折光δ,
γおよびそれ以上の高次の回折光(図示略)とからなっ
ている(尚、図1および図2では、−1次回折光βによ
って発生する0次回折光および±1次回折光δ,γだけ
を図示してある)。その回折光の中で、±1次回折光
δ,γの内のどちらか一方(図1においては、+1次回
折光δ)と0次回折光とが、投影レンズ57に入射す
る。
【0059】そして、+1次回折光δと0次回折光と
は、投影レンズ57のフーリエ変換面58を通して投影
レンズ57の像面に向けられ、ウェハ59の表面に回路
パターン56を結像させる。
【0060】図4に、図2および図3に示すマスク11
を用いた場合の投影レンズ57のフーリエ変換面58に
おける光分布を示す。図2および図3に示すマスク11
は、縦の線だけから成る縞模様の回路パターン56に対
して最も有効なものであるため、フーリエ変換面58の
X軸上に2つの光分布13a,13bが形成される。こ
の光分布13a,13bの中心位置は、回路パターン5
6の各線の線幅PtおよびピッチPcと、凹凸部12のピッ
チPsおよび線幅(凸部12aおよび凹部12bの線幅)
とから決定される。
【0061】図5は、横の線だけから成る縞模様の回路
パターン56に対して最も有効なマスク11を、回路パ
ターン56が形成されている側とは反対側(凹凸部12
が形成されている側)から見た平面図である。図5に示
すマスク11では、回路パターン56の横の線に対応す
るように、横の線状の凹凸部12(凸部12aおよび凹
部12b)が一定のピッチPsで形成されている。すなわ
ち、図5に示すマスク11は、図3に示すマスク11を
90°回転させたものと考えればよい。図6に、図5に
示すマスク11を用いた場合の投影レンズ57のフーリ
エ変換面58における光分布を示す。図5に示すマスク
11は、横の線だけから成る縞模様の回路パターン56
に対して最も有効なものであるため、フーリエ変換面5
8のY軸上に2つの光分布14a,14bが形成され
る。この光分布14a,14bの中心位置は、図3に示
すマスク11と同様に、回路パターン56の各線の線幅
PtおよびピッチPcと、凹凸部12のピッチPsおよび線幅
(凸部12aおよび凹部12bの幅)とから決定され
る。
【0062】図3および図5から容易に類推できるよう
に、例えば、45°の斜めの線だけから成る縞模様の回
路パターン56に対して最も有効なマスク11は、図3
または図5に示すマスク11を45°回転させたものに
なる。
【0063】図7は、縦横の線だけから成る格子模様の
回路パターン56に対して最も有効なマスク11を、回
路パターン56が形成されている側とは反対側(凹凸部
12が形成されている側)から見た平面図である。図7
に示すマスク11では、回路パターン56の縦横の線に
対応するように、市松模様の凹凸部12(凸部12aお
よび凹部12b)が一定のピッチPsで形成されている。
図8に、図7に示すマスク11を用いた場合の投影レン
ズ57のフーリエ変換面58における光分布を示す。図
7に示すマスク11は、縦横の線だけから成る縞模様の
回路パターン56に対して最も有効なものであるため、
図45に示した変形照明法の場合と同様に、4つの光分
布15a〜15dが形成される。すなわち、各光分布1
5a〜15dの中心位置は、フーリエ変換面58の中心
Oからそれぞれ等距離yにあり、中心Oを通る直角な二
軸(X軸,Y軸)に対してそれぞれ45°の角度を成し
ている。そして、距離yは、回路パターン56の各線の
線幅およびピッチと、凹凸部12のピッチPsおよび線幅
(凸部12aおよび凹部12bの幅)とから決定され
る。
【0064】図9は、45°に傾いた縦横の線だけから
成る格子模様の回路パターン56に対して最も有効なマ
スク11を、回路パターン56が形成されている側とは
反対側(凹凸部12が形成されている側)から見た平面
図である。図9に示すマスク11では、回路パターン5
6の縦横の線に対応するように、市松模様の凹凸部12
(凸部12aおよび凹部12b)が一定のピッチPsで形
成されている。すなわち、図9に示すマスク11は、図
7に示すマスク11を45°回転させたものと考えれば
よい。図10に、図9に示すマスク11を用いた場合の
投影レンズ57のフーリエ変換面58における光分布を
示す。図9に示すマスク11は、45°に傾いた縦横の
線だけから成る縞模様の回路パターン56に対して最も
有効なものであるため、図8に示した光分布15a〜1
5dを45°回転させた場合に対応する、4つの光分布
16a〜16dが形成される。すなわち、各光分布16
a〜16dの中心位置は、フーリエ変換面58の中心O
からそれぞれ等距離yにあり、X軸,Y軸の軸上にあ
る。そして、距離yは、回路パターン56の各線の線幅
およびピッチと、凹凸部12のピッチPsおよび線幅(凸
部12aおよび凹部12bの幅)とから決定される。
【0065】ところで、実際の回路パターン56は、縦
横斜め等の様々な線から成っている。そのため、ウェハ
59表面に結像した回路パターン56の結像特性を良好
なものにするためには、凹凸部12のピッチや線幅だけ
でなく、凹凸部12の周期性や方向性、凸部12aおよ
び凹部12bによって形成される模様、マスク11上で
凹凸部12が形成される領域、などを回路パターン56
に合わせた最適なものにする必要がある。但し、回路パ
ターン56が主に縦横の線から成っている場合には、図
7に示した市松模様の凹凸部12をもつマスク11を使
用すればよい。凹凸部12の模様の例としては、図21
や図22に示すものがあげられる。
【0066】ここで、図4,図6,図8,図10に示し
た光分布13a,13b,14a,14b,15a〜1
5d,16a〜16dの半径は、主にアパーチャ・スト
ップ53の光出射部53aの半径(コヒーレンシーファ
クタσ)に依存している。すなわち、コヒーレンシーフ
ァクタσが大きいとフーリエ変換面58の中心O部分に
光分布が生じるようになり、ウェハ59表面に結像した
回路パターン56の結像特性に悪影響を与えるようにな
る。本発明者の解析によれば、コヒーレンシーファクタ
σが0.3 以下であれば良好な結像特性が得られ、コヒー
レンシーファクタσが0.25のときに最も良好になった。
【0067】図11は、ウェハ59表面に結像した回路
パターン56の線幅に対するDOF を、図7に示すマスク
11を用いた場合(a)と従来例(b)とにおいて、そ
れぞれシュミレーションによって求めたグラフである。
尚、i線を用いる従来の縮小投影露光装置(NA;0.5 ,
σ;0.25)を使用し、DOF は結像光学強度の60%を満た
す範囲としてある。
【0068】図11に示すように、実用的なDOF を1.5
μm とすると、従来例(b)では線幅;0.52μm 程度ま
でしか解像力が得られないが、図7に示すマスク11を
用いた場合(a)では線幅;0.35μm 程度までの解像力
が得られる。すなわち、従来の縮小投影露光装置に図7
に示すマスク11を用いることにより、線幅;約0.2μm
分だけ解像力を向上させることができる。
【0069】このように本実施例においては、マスク1
1の回路パターン56とは反対側の面(露光光の入射側
の面)に、露光光を回折させる凹凸部12を形成してい
る。但し、凹凸部12の模様(前記した、凹凸部12の
ピッチや線幅、凹凸部12の周期性や方向性、凸部12
aおよび凹部12bによって形成される模様、マスク1
1上で凹凸部12が形成される領域、等)は回路パター
ン56に対応したものとする。そして、凹凸部12によ
って露光光を回折させることにより、その回折光の中の
0次回折光の強度を0にすると共に、±1次回折光を照
明光学系(51〜54)の光軸Bに対して斜め方向から
回路パターン56へ入射させている。その結果、本実施
例では、DOF を低下させることなく解像力を向上させる
ことができる。
【0070】また、本実施例では、従来の縮小投影露光
装置に前記したようなマスク11をセットするだけでよ
いため、簡単かつ容易に実施することができる。次に、
マスク11の凹凸部12の作製方法について説明する。
【0071】(第1の作製方法)以下、凹凸部12の第
1の作製方法を、図12〜図15に従い、順を追って説
明する。
【0072】工程1(図12参照):マスク11として
の石英ガラス板21の上に、反射防止膜を施したクロム
から成る遮光膜22を形成する。次に、遮光膜22の上
に電子線ネガレジストを塗布した後、電子線露光法によ
って所望の回路パターンを転写してから現像し、レジス
トパターン23を形成する。
【0073】工程2(図13参照):レジストパターン
23をエッチングマスクとして、適宜なエッチング方法
により、石英ガラス板21の上に回路パターン56を形
成する。
【0074】工程3(図14参照):石英ガラス板21
の回路パターン56を形成した側とは反対側に、電子線
ネガレジストを塗布する。次に、当該電子線ネガレジス
トに、図3,図5,図7,図9に例示したような適宜な
凹凸部12の模様を電子線露光法によって露光してから
現像し、レジストパターン24を形成する。
【0075】工程4(図15参照):レジストパターン
24をエッチングマスクとして、適宜なエッチング方法
により、石英ガラス板21の上に凹凸部12を形成す
る。但し、凹凸部12の段差dが式(5)に示す値にな
るように、石英ガラス板21のエッチング量を制御す
る。
【0076】尚、工程1,2と工程3,4とは順番を逆
にしてもよい。すなわち、凹凸部12を先に形成した後
に、回路パターン56を形成するようにしてもよい。 (第2の作製方法)以下、凹凸部12の第2の作製方法
を、図16〜図20に従い、順を追って説明する。
【0077】工程(図16参照):石英ガラス板21
の上に、反射防止膜を施したクロムから成る遮光膜22
を形成する。次に、石英ガラス板21の遮光膜22を形
成した側とは反対側に、適宜な膜厚(例えば、200 Å)
のシリコン窒化膜31と、式(5)に示す段差dに相当
する膜厚のシリコン酸化膜32とを順次、PVD法によ
って形成する。
【0078】工程(図17参照):遮光膜22の上に
電子線ネガレジストを塗布した後、電子線露光法によっ
て所望の回路パターンを転写してから現像し、レジスト
パターン23を形成する。
【0079】工程(図18参照):レジストパターン
23をエッチングマスクとして、適宜なエッチング方法
により、石英ガラス板21の上に回路パターン56を形
成する。
【0080】工程(図19参照):シリコン酸化膜3
2の上に電子線ネガレジストを塗布する。次に、当該電
子線ネガレジストに、図3,図5,図7,図9に例示し
たような適宜な凹凸部12の模様を電子線露光法によっ
て露光してから現像し、レジストパターン24を形成す
る。
【0081】工程(図20参照):レジストパターン
24をエッチングマスクとして、適宜なエッチング方法
によってシリコン酸化膜32をエッチングし、石英ガラ
ス板21の上に凹凸部12を形成する。このとき、レジ
ストパターン24が形成されていない部分のシリコン酸
化膜32は全て除去する。すなわち、シリコン窒化膜3
1はエッチングストッパとして働くことになる。
【0082】尚、工程,と工程,とは順番を逆
にしてもよい。すなわち、凹凸部12を先に形成した後
に、回路パターン56を形成するようにしてもよい。こ
のように、マスク11の凹凸部12は一般的な技術を利
用して、簡単かつ容易に作製することができる。
【0083】ところで、第1の作製方法は工程数が少な
いという利点があるが、工程4における石英ガラス板2
1のエッチング量の制御が難しいという問題がある。一
方、第2の作製方法は工程数が多くなる反面、工程5に
おけるシリコン酸化膜32のエッチング量については特
別な制御が必要ないため、容易に製造できるという利点
がある。
【0084】(第2実施例)次に、本発明を具体化した
第2実施例を図面に従って説明する。図23は、本実施
例による縮小投影露光装置の構成を示す概略図である。
尚、図23において、図40に示した従来の縮小投影露
光装置と同じ構成部材については符号を等しくしてその
詳細な説明を省略する。
【0085】図23に示すように、コンデンサ・レンズ
54とマスク55との間には、石英を主材料とする透明
平板41が設けられている。その透明平板41は、超音
波振動子42に固定されている。そして、超音波振動子
42は、発振器43によって駆動されて振動する。その
ため、透明平板41は、超音波振動子42によって駆動
されて振動し、その内部には超音波が発生する。その透
明平板41内部に発生する超音波により、屈折率の疎密
波が発生し、その疎密波によって透明平板41内部に位
相格子が形成される。その他の構成については、図40
に示した従来の縮小投影露光装置と全く同じである。
【0086】光源51から出射された露光光は、フライ
アイ・レンズ52によって均一な光束Qとなり、従来型
のアパーチャ・ストップ53の光出射部53aからコン
デンサ・レンズ54を介して透明平板41に入射され
る。
【0087】透明平板41に入射した光束Qは、透明平
板41内部に形成された位相格子により周波数変調を受
けて回折される。このとき、後記するように、透明平板
41内部に発生する超音波の周波数を調整して、透明平
板41によって発生した回折光の中の0次回折光の強度
を0にし(すなわち、0次回折光を消失させ)、±1次
以上の高次の回折光だけが残るようにする。
【0088】その±1次以上の高次の回折光(実際に
は、後記するように、主に±1と±2次回折光)が、マ
スク55に入射される。すなわち、マスク55には、斜
め方向から光束が入射されることになる。この様子を模
式的に表したのが、図24である。図24では、透明平
板41に入射した光束Qが透明平板41によって回折さ
れ、発生した±q次回折光(光束Qの光軸に対して成す
回折角θq )がマスク55に入射される様子を示してい
る。
【0089】マスク55に入射した光束は、マスク55
上に形成された回路パターン56によって回折される。
このとき、発生する回折光は、0次回折光と、±1以上
の高次の回折光(図示略)とからなっている。その回折
光の中で、±1次回折光の内のどちらか一方(図23お
よび図24においては、+1次回折光)と0次回折光と
が、投影レンズ57に入射する。
【0090】そして、+1次回折光と0次回折光とは、
投影レンズ57のフーリエ変換面58を通して投影レン
ズ57の像面に向けられ、ウェハ59の表面に回路パタ
ーン56を結像させる。
【0091】次に、透明平板41の作用を図24および
図25に従って説明する。透明平板41によって発生し
たq次回折光の強度Iq は、式(6)に示すラマン−ナ
ス・パラメータvを用い、式(7)によって表される。
【0092】 v=2πΔph/λ ……(6) Iq ={Jq (v)}2 (q=0,±1,±2…) ……(7) (Δp;透明平板41内部の超音波による屈折率の振幅
変化率、h;透明平板41の厚み、λ;露光光の波長、
Jq ;q次のベッセル関数)また、q次回折光の回折角
θq は、式(8)によって表される。
【0093】 sin(θq )=qλ/Λ (q=0,±1,±2…) ……(8) (Λ;透明平板41内部の超音波の波長) 図25は、0〜3次のベッセル関数J0 (v)〜J3
(v)のグラフである。このグラフから、J0 (v)=
0となるvの最小値は2.4 であることがわかる。そし
て、式(7)から、v=2.4 のときに、0次回折光の強
度Iq が0となり、1次回折光の強度Iq が最大となる
ことがわかる。また、±3次以上の高次の回折光の強度
Iq は低いため、q次回折光は主に±1と±2次回折光
から成ることがわかる。
【0094】すなわち、v=2.4 になるようにΔpを設
定すれば、透明平板41によって発生したq次回折光の
中の0次回折光を消失させ、±1と±2次回折光だけを
残すことができる。Δpの設定は、透明平板41内部の
超音波の周波数を調整することによって行うことができ
る。従って、透明平板41内部の超音波の周波数を調整
することにより、マスク55に所定の角度(すなわち、
回折角θq )から光束を入射することができる。前記超
音波の周波数の具体的な値は、透明平板41の厚みh
や、露光光の波長λによって異なるものの、本実施例で
は数MHZ になる。
【0095】このように、本実施例においては、数MH
Z の超音波による位相格子が内部に形成されている透明
平板41を設けることにより、マスク55に斜め方向か
ら光束が入射されるようにして、解像力を低下させる入
射光束成分(マスク55に垂直入射する光束)を消失さ
せている。ところで、図43に示した変形照明法による
縮小投影露光装置においても、マスク55に斜め方向か
ら光束が入射されるようにしている。従って、本実施例
によれば、変形照明法と同じ作用により同様の効果を得
ることができる。すなわち、本実施例によれば、DOF を
低下させることなく解像力を向上させることができる。
【0096】但し、図43に示した変形照明法による縮
小投影露光装置では、前記したように、変形照明用のア
パーチャ・ストップ81を設けるために通過する光量が
少なくなり、露光に要するスループットが大幅に低下す
るという問題があった。しかしながら、本実施例では、
アパーチャ・ストップ81に相当する遮光部分がないた
め、照明光学系(51〜54)からの光束Qを全てマス
ク55に入射させることができる。従って、本実施例で
は、変形照明法のように露光に要するスループットが低
下することはなく、高いスループットを得ることができ
る。
【0097】また、変形照明法では、複数のアパーチャ
・ストップ81を備えておき、マスク55上に形成され
た回路パターン56に対応した最適なアパーチャ・スト
ップ81に交換する操作が必要である。しかしながら、
本実施例では、発振器43の発振周波数を変えることに
より、透明平板41内部の超音波の周波数を調整するだ
けで、マスク55に入射する光束の入射角(=回折角θ
q )を、回路パターン56に対して最適なものにするこ
とができる。従って、本実施例は、発振器43の発振周
波数を変えるだけの簡単な操作により、どのような回路
パターン56に対しても対応することができる。
【0098】さらに、本実施例では、従来の縮小投影露
光装置に透明平板41と超音波振動子42と発振器43
とを設けるだけでよいため、簡単かつ容易に実施するこ
とができる。
【0099】尚、本発明者の解析によれば、本実施例に
おいても第1実施例と同様に、コヒーレンシーファクタ
σが0.3 以下であれば良好な結像特性が得られ、コヒー
レンシーファクタσが0.25のときに最も良好になった。
【0100】(本発明の使用例)次に、本発明の縮小投
影露光装置を用いて製造した半導体装置について説明す
る。
【0101】図26〜図29は、従来の半導体装置にお
ける配線の製造工程を示す断面図である。以下、その製
造工程を順を追って説明する。図26に示すように、半
導体基板201の表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜2
02を堆積する。そして、スパッタ蒸着法などによって
絶縁膜202の表面にTi膜とTiN膜とからなるバリ
ア層203を形成した後、スパッタ蒸着法などによって
バリア層203の上にアルミ合金などの金属膜204を
形成する。
【0102】図27に示すように、金属膜204の上に
レジストを塗布した後にリソグラフィ法により所定のレ
ジストパターンを形成し、エッチング法によって金属膜
204をエッチングして金属配線層205を形成する。
【0103】図28に示すように、CVD法によって金
属配線層205の表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜2
06を堆積し、絶縁膜206の上にSOGなどの無機塗
布絶縁膜207を塗布して金属配線層205間を埋め込
む。その後に、ベーキング処理とエッチバック法を施し
て、絶縁膜206および無機塗布絶縁膜207の表面を
平坦化する。そして、その表面にシリコン酸化膜などの
絶縁膜208を形成する。
【0104】図29に示すように、スパッタ蒸着法など
によって絶縁膜208の上にアルミ合金などの金属膜2
09を形成する。そして、金属膜209の上にレジスト
を塗布した後にリソグラフィ法により所定のレジストパ
ターンを形成し、エッチング法によって金属膜209を
エッチングして金属配線層(図示略)を形成する。
【0105】この製造方法では、金属配線層205の配
線間隔がサブミクロンのオーダになると、金属配線層2
05間に埋め込まれる無機塗布絶縁膜207のアスペク
ト比が極めて大きくなる。そのため、ベーキング処理に
おいて、無機塗布絶縁膜207にクラックが発生し易く
なる。これは、ベーキング処理の過程で、無機塗布絶縁
膜207の体積が急激に収縮するためである。絶縁膜2
08は無機塗布絶縁膜207の表面に沿って形成される
ため、絶縁膜208の断面形状は無機塗布絶縁膜207
のそれを反映したものになる。従って、無機塗布絶縁膜
207にクラックが発生すると、クラック部分における
金属膜209のステップカバレッジが悪化し、最悪の場
合には金属膜209に亀裂が生じる。その結果、金属膜
209による配線層の信頼性に重大な影響を及ぼすこと
になる。
【0106】そこで、このような欠点をもつ無機塗布絶
縁膜207に代えて、CVD法によるシリコン酸化膜を
用いる方法が種々提案されている。例えば、〔1〕プラ
ズマCVD法により、TEOSと酸素を用いて300 〜45
0 °Cの膜堆積温度で、金属配線層205間にシリコン
酸化膜を堆積する方法がある。また、〔2〕熱CVD法
により、TEOSとオゾンを用いて300 〜450 °Cの膜
堆積温度で、金属配線層205間にシリコン酸化膜を堆
積する方法もある。しかしながら、これら〔1〕〔2〕
の方法においても、金属配線層205の配線間隔がサブ
ミクロンのオーダになると、堆積したシリコン酸化膜に
クラックや空洞が生じやすくなる。
【0107】そこで、特開平3−29345号公報に開
示されるように、〔1〕〔2〕の方法を交互に繰り返す
のに加え、シリコン酸化膜を堆積する度にエッチバック
法を施す方法が提案されている。しかしながら、同公報
による方法では、工程数の増加により、スループットが
低下して製造コストが高くなってしまう。また、シリコ
ン酸化膜を複数回堆積するため、シリコン酸化膜全体の
膜厚にばらつきが生じ、金属膜209による配線層と金
属配線層205を接続するコンタクトホールの寸法にも
ばらつきが生じる。そして、シリコン酸化膜全体の膜厚
のばらつきにより、その表面にはかなりな段差が残った
ままとなる。従って、金属膜209の表面にもその段差
が反映し、金属膜209の上にレジストパターンを形成
する際に、ハレーション効果が生じてレジストパターン
の細りが顕著に現れる。このレジストパターンの細りを
抑制するためには、金属膜209の上にレジストを塗布
する前に金属膜209の表面にTiNなどの反射防止膜
を形成したり、レジストに反射防止用の染料を混入した
りすることが必要になる。しかしながら、反射防止膜や
染料入りレジストを用いることは、製造コストを高くさ
せ、プロセスのマージンを低下させることになる。
【0108】図30〜図37は、別の従来の半導体装置
における配線の製造工程を示す断面図である(詳しく
は、1992年10月29日の日刊工業新聞およびProc.of Dry
Process Symposium,Vol.75,1992 参照)。以下、その製
造工程を順を追って説明する。
【0109】図30に示すように、半導体基板301の
表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜302を堆積し、絶
縁膜302の表面にシリコン酸化膜303を形成する。
図31に示すように、シリコン酸化膜303の上にレジ
ストを塗布した後にリソグラフィ法により所定のレジス
トパターンを形成し、エッチング法によってシリコン酸
化膜303をエッチングして配線領域304を開口す
る。
【0110】図32に示すように、スパッタ蒸着法によ
って、シリコン酸化膜303の表面および配線領域30
4内にアルミ合金などの金属膜305を堆積する。図3
3に示すように、半導体基板301の温度を500 °Cに
設定して、金属膜305を溶解させ、溶解させた金属を
配線領域304内に流し込んで、金属配線層306を形
成する。
【0111】このとき、シリコン酸化膜303の表面に
凹凸や欠陥があると、その凹凸や欠陥は表面エネルギー
が大きいために、その凹凸や欠陥の部分で溶解した金属
が凝縮する。そのため、シリコン酸化膜303の表面
に、当該金属による析出物307が生じる。
【0112】また、配線パターンが疎な部分(各配線領
域304が離れている部分)では、配線領域304に流
し込まれる金属が少ないため、シリコン酸化膜303の
表面に堆積していた金属が、配線領域304に流し込ま
れることなく余ってしまう。そのため、シリコン酸化膜
303の表面に、当該金属による残留物308が生じ
る。
【0113】図34に示すように、シリコン酸化膜30
3および金属配線層306の表面にシリコン酸化膜など
の絶縁膜309を堆積し、スパッタ蒸着法などによって
絶縁膜309の上にアルミ合金などの金属膜310を形
成する。
【0114】そして、金属膜310の上にレジストを塗
布した後にリソグラフィ法により所定のレジストパター
ンを形成し、エッチング法によって金属膜310をエッ
チングして金属配線層(図示略)を形成する。
【0115】この製造方法では、シリコン酸化膜303
の表面および配線領域304内に予め堆積した金属膜3
05を、半導体基板301の温度を高めることによって
溶解させて金属配線層306を形成している。溶解した
金属は表面エネルギーの大きな部分、すなわちシリコン
酸化膜303上の開口部分である配線領域304に集ま
るため、自己整合的に金属配線層306が形成される。
しかも、金属が一旦溶解するため、金属配線層306は
金属単結晶によって形成されることになり、エレクトロ
マイグレーション効果が低減されるという利点がある。
しかしながら、析出物307や残留物308が生じやす
いという問題がある。また、残留物308が生じるのを
防ぐために金属膜305の膜厚を薄くすると、配線パタ
ーンが密な部分(各配線領域304が近い部分)では、
配線領域304に流し込まれる金属が少なくなるため、
金属配線層306の膜厚が薄くなってしまう。その結
果、配線パターンの疎密によって金属配線層306の膜
厚が異なるという問題が生じる。
【0116】本発明者は、このような従来の半導体装置
における配線の製造方法の問題を解決するため、図35
〜図39に示す製造方法を発明した。以下、その製造工
程を順を追って説明する。
【0117】図35に示すように、半導体基板401の
表面に絶縁膜402を形成し、絶縁膜402の表面に絶
縁膜403を形成する。尚、各絶縁膜402,403は
どのような絶縁膜でもよく(例えば、シリコン酸化膜、
シリコン窒化膜、PSG、等)、どのような製造方法に
よって形成してもよい(例えば、シリコン酸化膜の場合
は熱酸化法やCVD法など)。
【0118】図36に示すように、絶縁膜403の上に
レジストを塗布した後にリソグラフィ法により所定のレ
ジストパターンを形成し、エッチング法によって絶縁膜
403をエッチングして配線領域404(例えば、パタ
ーン幅0.5 μm )を開口する。
【0119】図37に示すように、絶縁膜403の表面
および配線領域404内に、スパッタ蒸着法などによっ
てTi膜(例えば、膜厚500 Å)とTiN膜(例えば、
膜厚1000Å)からなるバリア層405を形成する。そし
て、半導体基板401を加熱(例えば、500 °C程度)
しながらスパッタ蒸着を行うリフロースパッタにより、
バリア層405の上にAlSiCu合金による金属膜4
06を形成する。
【0120】尚、リフロースパッタについては、「高温
スパッタによるAl平坦化プロセス」,月刊セミコンダ
クタワールド,P.56〜P.60,1992 年3 月号に詳しい。ま
た、金属膜406中のSiとCuの組成比は、Alに対
して、Si;1%,Cu;0.5 %とする。AlSiCu
合金はバリア層405とのぬれ性がよく、450 °C以上
の高温で加熱しながらスパッタ蒸着を行うと、スパッタ
蒸着した原子がマイグレーションを起こす。そのため、
配線領域404内を完全に金属膜406で埋め込むこと
ができる。
【0121】図38に示すように、金属膜406および
バリア層405の表面に全面エッチバック法を施し、絶
縁膜403の表面を露出させて金属配線層407を形成
する。
【0122】図39に示すように、金属配線層407と
バリア層405と絶縁膜403との上に絶縁膜408
(例えば、膜厚6000Å)を形成する。そして、再度、リ
フロースパッタを行って、絶縁膜408の上にAlSi
Cu合金による金属膜409(例えば、膜厚6000Å)を
形成する。
【0123】尚、絶縁膜408は、各絶縁膜402,4
03と同様に、どのような絶縁膜でもよく、どのような
製造方法によって形成してもよい。そして、金属膜40
9の上にレジストを塗布した後にリソグラフィ法により
所定のレジストパターンを形成し、エッチング法によっ
て金属膜409をエッチングして金属配線層(図示略)
を形成する。
【0124】この製造方法では、配線領域404内にバ
リア層405を形成した後に、リフロースパッタによっ
て金属膜406を堆積しているため、前記したように、
配線領域404内を完全に金属膜406で埋め込むこと
ができる。そして、金属膜406およびバリア層405
の表面に全面エッチバック法を施している。そのため、
従来の製造方法では困難であった配線パターンが疎な部
分(各配線領域304が離れている部分)に対しても、
絶縁膜408をほぼ完全に平坦化することができる。そ
のため、上層(408,409)の形成が容易になり、
金属膜409のリソグラフィ時にも反射防止膜や染料入
りレジストを用いる必要がなくなる。また、絶縁膜40
3中にクラックなどが発生することもない。
【0125】その結果、この製造方法によれば、上記従
来の各製造方法の問題点を全て解決することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例
えば、以下のように実施してもよい。
【0126】1)マスク11の第2の製造方法におい
て、まず、凹凸部12を形成し、その後に、石英ガラス
板21の上に遮光膜22を形成して回路パターン56を
形成する。この場合は、シリコン窒化膜31およびシリ
コン酸化膜32をCVD法によって形成してもよい。す
なわち、遮光膜22を形成後にCVD法を行うと、CV
D法の熱によって遮光膜22に悪影響がでる恐れがある
が、CVD法の後に遮光膜22を形成すれば、CVD法
の熱によって遮光膜22が影響を受けることがないため
である。
【0127】2)マスク11の第2の製造方法におい
て、シリコン窒化膜31を適宜な膜(シリコン酸化膜3
2に対するエッチングストッパとして働き、露光光に対
して透過性が良い膜。例えば、シリコン炭化膜、等)に
置き換える。
【0128】3)マスク11の第2の製造方法におい
て、シリコン酸化膜32を適宜な膜(シリコン窒化膜3
1とエッチングレートに差があり、露光光に対して透過
性が良い膜)に置き換える。
【0129】4)マスク11の第1および第2の製造方
法において、石英ガラス板21を適宜な透明基板に置き
換える。 5)マスク11の第1および第2の製造方法において、
マスク11の材質を適宜なもの(露光光に対して透過性
が良く、凹凸部12および回路パターン56が形成可能
な膜)に置き換える。例えば、マスク11をプラスチッ
クによって形成した場合には、凹凸部12をプレスによ
って形成することができる。
【0130】6)第1実施例において、マスク11を、
凹凸部12が形成されている側と、回路パターン56が
形成されている側とに分割し、両者を所定の距離を離し
て平行に配置する。この場合、凹凸部12の面と回路パ
ターン56の面とは、正面から向かい合っていてもよ
く、背面から向かい合っていてもよい。但し、この場合
は、分割したマスク11の凹凸部12が形成されている
側と、回路パターン56が形成されている側とを、完全
に平行に配置固定しなければならない。
【0131】7)第1および第2実施例において、光源
51とフライアイ・レンズ52との間、または、アパー
チャ・ストップ53とコンデンサ・レンズ54との間に
シャッタを設ける。
【0132】8)第2実施例において、透明平板41の
材質を、石英を主材料にしたものではなく、照明光学系
(51〜54)からの露光光に対する透過率が高い適宜
な物質(例えば、TeO2 など)に置き換える。
【0133】9)第1実施例と第2実施例とを併用して
実施する。すなわち、第2実施例におけるマスク55を
第1実施例におけるマスク11に置き換える。この場合
は、両実施例の相乗効果により、本発明の効果をより高
めることができる。
【0134】10)i線を用いる従来の縮小投影露光装
置だけでなく、g線を用いる従来の縮小投影露光装置
や、deepUVリソグラフィを用いる縮小投影露光装
置に利用する。特に、deepUVリソグラフィを用い
る縮小投影露光装置に利用した場合、本発明の効果をよ
り高めることができる。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、焦
点深度DOF を低下させることなく解像力を向上させ、且
つ、簡単な構成で容易に実施することが可能な縮小投影
露光装置を提供することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例の縮小投影露光
装置の構成を示す概略図である。
【図2】第1実施例のマスク11の模式的な断面図であ
る。
【図3】マスク11の凹凸部12の一例を示す平面図で
ある。
【図4】図3に示すマスク11を用いた場合における投
影レンズ57のフーリエ変換面58の光分布を示す平面
図である。
【図5】マスク11の凹凸部12の一例を示す平面図で
ある。
【図6】図5に示すマスク11を用いた場合における投
影レンズ57のフーリエ変換面58の光分布を示す平面
図である。
【図7】マスク11の凹凸部12の一例を示す平面図で
ある。
【図8】図7に示すマスク11を用いた場合における投
影レンズ57のフーリエ変換面58の光分布を示す平面
図である。
【図9】マスク11の凹凸部12の一例を示す平面図で
ある。
【図10】図9に示すマスク11を用いた場合における
投影レンズ57のフーリエ変換面58の光分布を示す平
面図である。
【図11】ウェハ59表面に結像した回路パターン56
の線幅に対するDOF について、図7に示すマスク11を
用いた場合(a)と従来例(b)とのシュミレーション
結果を示すグラフである。
【図12】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図13】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図14】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図15】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図16】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図17】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図18】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図19】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図20】マスク11の凹凸部12の作製方法を説明す
るための断面図である。
【図21】マスク11の凹凸部12の一例を示す平面図
である。
【図22】マスク11の凹凸部12の一例を示す平面図
である。
【図23】本発明を具体化した第2実施例の縮小投影露
光装置の構成を示す概略図である。
【図24】第2実施例の作用を説明するための模式図で
ある。
【図25】0〜3次のベッセル関数J0 (v)〜J3
(v)のグラフである。
【図26】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図27】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図28】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図29】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図30】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図31】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図32】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図33】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図34】従来の半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図である。
【図35】本発明者が発明した半導体装置の製造工程を
説明するための断面図である。
【図36】本発明者が発明した半導体装置の製造工程を
説明するための断面図である。
【図37】本発明者が発明した半導体装置の製造工程を
説明するための断面図である。
【図38】本発明者が発明した半導体装置の製造工程を
説明するための断面図である。
【図39】本発明者が発明した半導体装置の製造工程を
説明するための断面図である。
【図40】従来の縮小投影露光装置の構成を示す概略図
である。
【図41】図40に示す縮小投影露光装置を用いた場合
における投影レンズ57のフーリエ変換面58の光分布
を示す平面図である。
【図42】位相シフト法を用いた場合における投影レン
ズ57のフーリエ変換面58の光分布を示す平面図であ
る。
【図43】変形照明法による縮小投影露光装置の構成を
示す概略図である。
【図44】変形照明用のアパーチャ・ストップ81の形
状を示す平面図である。
【図45】図44に示す変形照明用のアパーチャ・スト
ップ81を用いた場合における投影レンズ57のフーリ
エ変換面58の光分布を示す平面図である。
【符号の説明】
11 マスク 12 凹凸部 21 石英ガラス板 22 遮光膜 41 透明平板 51 光源 52 フライアイ・レンズ 53 アパーチャ・ストップ 54 コンデンサ・レンズ 56 回路パターン 57 投影レンズ 59 レジストを塗布したウェハ σ コヒーレンシーファクタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板(21)上に遮光膜(22)を
    設け、その遮光膜(22)を部分的に除去した開口パタ
    ーン(56)を形成したフォトマスク(11)におい
    て、 当該透明基板(21)の当該開口パターン(56)が形
    成された面とは反対側の面に、露光に用いる光を回折さ
    せる凹凸部(12)を設けたことを特徴とするフォトマ
    スク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフォトマスクにおいて、
    前記凹凸部(12)を正面から見たとき、前記凹凸部
    (12)が縞模様または市松模様を成していることを特
    徴とするフォトマスク。
  3. 【請求項3】 均一な光束を発生させる光源部(51,
    52)と、所定のコヒーレンシーファクタ(σ)の光出
    射部(53a)が形成されたアパーチャ・ストップ(5
    3)と、コンデンサ・レンズ(54)とから構成される
    照明光学系と、 請求項1記載のフォトマスク(11)と、投影レンズ
    (57)と、フォトレジストを塗布したウェハ(59)
    とを備えたことを特徴とする縮小投影露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の縮小投影露光装置におい
    て、前記コヒーレンシーファクタ(σ)を、フォトマス
    ク(11)の凹凸部(12)に対応した値にすることを
    特徴とする縮小投影露光装置。
  5. 【請求項5】 均一な光束を発生させる光源部(51,
    52)と、所定のコヒーレンシーファクタ(σ)の光出
    射部(53a)が形成されたアパーチャ・ストップ(5
    3)と、コンデンサ・レンズ(54)とから構成される
    照明光学系と、 透明基板上に遮光膜を設け、その遮光膜を部分的に除去
    した開口パターン(56)を形成したフォトマスク(5
    5)と、 前記照明光学系とフォトマスク(55)との間に配置さ
    れ、その内部に超音波による位相格子が形成された、照
    明光学系からの露光光に対する透過率が高い物質から成
    る平板(41)と、 投影レンズ(57)と、フォトレジストを塗布したウェ
    ハ(59)とを備えたことを特徴とする縮小投影露光装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の縮小投影露光装置におい
    て、前記コヒーレンシーファクタ(σ)を、平板(4
    1)内部に形成された超音波による位相格子に対応した
    値にすることを特徴とする縮小投影露光装置。
  7. 【請求項7】 均一な光束を発生させる光源部(51,
    52)と、所定のコヒーレンシーファクタ(σ)の光出
    射部(53a)が形成されたアパーチャ・ストップ(5
    3)と、コンデンサ・レンズ(54)とから構成される
    照明光学系と、 請求項1記載のフォトマスク(11)と、 前記照明光学系とフォトマスク(55)との間に配置さ
    れ、その内部に超音波による位相格子が形成された、照
    明光学系からの露光光に対する透過率が高い物質から成
    る平板(41)と、 投影レンズ(57)と、フォトレジストを塗布したウェ
    ハ(59)とを備えたことを特徴とする縮小投影露光装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の縮小投影露光装置におい
    て、前記コヒーレンシーファクタ(σ)を、フォトマス
    ク(11)の凹凸部(12)と、平板(41)内部に形
    成された超音波による位相格子とに対応した値にするこ
    とを特徴とする縮小投影露光装置。
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