JP2003318127A - 結晶化半導体膜の製造装置および製造方法ならびに位相シフトマスク - Google Patents

結晶化半導体膜の製造装置および製造方法ならびに位相シフトマスク

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JP2003318127A
JP2003318127A JP2002120313A JP2002120313A JP2003318127A JP 2003318127 A JP2003318127 A JP 2003318127A JP 2002120313 A JP2002120313 A JP 2002120313A JP 2002120313 A JP2002120313 A JP 2002120313A JP 2003318127 A JP2003318127 A JP 2003318127A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】位相シフトマスクの照明光に散乱があっても位
相シフト部において光強度が0となる逆ピークを維持で
きるようにする。 【構成】PSM5と被処理基板7を接近させて配置し、
PSM5と被処理基板7の間のギャップをZ、PSM5
への入射光の散乱角(半角)をθとした場合、PSM5
の位相シフト部に幅DがD≧2Ztanθの遮光領域a
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相シフトマスク
を用いて位相を変調したレーザ光を多結晶または非晶質
半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化半
導体膜の製造装置および製造方法ならびに位相シフトマ
スクに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置(Liquid
-Crystal-Display: LCD)の画素に加わる電圧を制御す
るスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ
(Thin-Film-Transistor: TFT)の材料には大きく分け
て非晶質シリコン(amorphous-Silicon: a-Si)と多結
晶シリコン(poly-Silicon: poly -Si)がある。poly−
Siはa−Siよりも電子移動度が高いので、トランジ
スタにした場合のスイッチング速度が速く、ディスプレ
イの応答を速くしたり、他の部品の設計マージンを減ら
せるなどの利点がある。また、ディスプレイ本体以外に
ドライバ回路やDACなどの周辺回路をディスプレイに
組み入れる場合、それらの回路をより高速に動作させる
ことができる。
【0003】poly−Siは結晶粒の集合からなるが、結
晶シリコンに比べるとまだ移動度が低く、またトランジ
スタを小さくしたときにチャネルに入る粒界数のバラツ
キが問題となる。そのため、最近になって大粒径の多結
晶シリコンを生成するいろいろな方法が提案されてい
る。その一つの方法として、「位相制御ELA(Excime
r Laser Annealing)」法がある。位相制御ELA法
は、PSM(Phase-Shift-Mask:位相シフトマスク)の
マスクパターンを通過する光の位相を交互に0、πとず
らすことにより、位相シフト部において光強度が0とな
る逆ピークパターンを発生し、この逆ピークパターンに
より一番最初に凝固する領域(結晶核)を位置制御し、
そこから周囲に結晶を横方向に成長させる(ラテラル成
長)ことにより、大粒径の結晶粒を指定した位置に設け
る方法である。この位相制御ELA法には、PSMと半
導体膜を接近させて露光する方法と、PSMと半導体膜
の間に結像光学系を入れてPSMのデフォーカス像を半
導体膜へ投影する方法がある。このうち前者は、「表面
科学Vol.21,No.5,pp.278-287,2000」に詳しい。また、
後者は本出願人が出願済みである。以降の説明では、前
者をプロキシ法、後者をデフォーカス法と呼ぶことにす
る。
【0004】この位相制御ELA法の光源には、発振出
力の大きいKrFエキシマレーザが最適である。ところ
が、このレーザは発振強度の面内分布がパルスごとにば
らつくため、PSMの照明光学系にホモジナイザとかイ
ンテグレータと呼ばれる強度の面内分布を均一化する光
学系を設ける必要がある。そのため、レーザ自体の出力
光は略平行であるが、これらの光学系により散乱してし
まい、PSMに対する入射角が(垂直を中心として)あ
る程度の角度分布を有してしまう。プロキシ法やデフォ
ーカス法では、PSMや結像光学系の焦点位置から所定
のギャップを設けた位置の光強度パターンを利用するた
め、照明光の入射角度分布が大きくなった場合、そのギ
ャップに起因する「ボケ」が発生する。その結果、位相
シフト部における逆ピークが浅くなり、面内強度ムラや
レーザの発振パルスごとの強度のバラツキの影響を受け
やすくなり、結晶化が正確に進行しないという問題があ
った。
【0005】これを詳細に説明すると、平行光を入射す
る場合の位相シフト部における光強度分布は、図10に
示すように、一方の位相領域による回折縞と他方の位
相領域による回折縞の振幅を足し合わせ、その2乗で
与えられる光強度分布になる。散乱光が入射する場合
は、最終的な回折パターンは、複数の異なる角度からの
光による光強度パターンを積分したものになる。そのた
め、入射角をθ、ギャップをZとすると、回折光の光強
度パターンはZtanθだけ面内でシフトすることを考
慮して積分すると、境界を挟んでなだらかな山と谷を有
する光強度分布になり、逆ピークが消えてしまう。
【0006】そこで本発明は、位相シフトマスクの照明
光に散乱があっても位相シフト部において光強度が0と
なる逆ピークを維持できるようにすることを目的になさ
れたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下のように構成した。
【0008】すなわち、本発明の結晶化半導体膜の製造
装置は、位相シフト部において光強度が略0となる逆ピ
ークパターンを発生する位相シフトマスクの位相シフト
部に遮光領域を設けることにより上記目的が達成され
る。
【0009】また、本発明の結晶化半導体膜の製造装置
は、前記遮光領域を設けた位相シフトマスクと半導体膜
の間に結像光学系を配置し、この結像光学系の焦点位置
から所定の距離だけ離れたデフォーカス位置に前記半導
体膜を保持することにより上記目的が達成される。
【0010】また、好ましくは、前記遮光領域の幅を
D、前記位相シフトマスクと半導体膜の間の距離をZ、
前記位相シフトマスクに対する照射光束の入射角の幅を
2θ、とした場合、D≧2Ztanθを満たすものであ
るとする。
【0011】また、好ましくは、前記遮光領域の結像パ
ターン上での幅をD、前記結像光学系の焦点位置と半導
体膜の間の距離をZ、前記位相シフトマスクの結像面に
おける光束の入射角の幅を2θ、とした場合、D≧2Z
tanθを満たすものであるとする。
【0012】また、好ましくは、前記遮光領域は光吸収
材料を設けたものであるとする。
【0013】また、好ましくは、前記遮光領域は光反射
層を設けたものであるとする。
【0014】また、好ましくは、前記遮光領域は大部分
の光が前記半導体膜に達しないように散乱する光散乱領
域を設けたものであるとする。
【0015】また、好ましくは、遮光領域は光を前記半
導体膜に達しない方向に回折する回折域を設けたもので
あるとする。
【0016】また、好ましくは、前記位相シフトマスク
のマスクパターンは、位相0とπの位相シフト領域を交
互に配列したものであるとする。
【0017】また、好ましくは、前記位相シフトマスク
のマスクパターンは、少なくとも3以上の位相シフト線
からなる交点を有し、この交点を中心とする円形領域の
複素透過率の積分値が略0であるとする。
【0018】また、好ましくは、前記3以上の位相シフ
ト線は、その位相差がいずれも180度(π)未満であ
るとする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0020】図1に、本発明を実施した結晶化半導体膜
の製造装置で用いるレーザ照射装置の概略図を示す。レ
ーザ照射装置は、レーザ装置1の先にビームエキスパン
ダ2、ホモジナイザ3、ミラー4を介してPSM5を配
置し、デフォーカス法の場合は結像光学系6を間に入れ
てPSM5の対向面に被処理基板7を設置する。被処理
基板7は、真空チャックや静電チャックなどの基板チャ
ック8を用いて所定の位置に保持する。
【0021】次に、このレーザ照射装置を用いた結晶化
半導体膜の製造方法について具体的に説明する。本発明
はPSMを用いる方法・装置全般に関するが、その中で
も特にプロキシ法とデフォーカス法による製造方法を提
案している。図2に、プロキシ法の模式図を示す。プロ
キシ法は、PSM5と被処理基板7を接近させて配置
し、PSM5と被処理基板7の間のギャップをZ、PS
M5への入射光の散乱角(半角)をθとした場合、PS
M5の位相シフト部に幅DがD≧2Ztanθの遮光領
域aを設ける。これにより、平行光を入射する場合の位
相シフト部における光強度分布は、図11に示すよう
に、遮光領域aの両側に生じる一方の位相領域による回
折縞と他方の位相領域による回折縞の振幅を足し合
わせ、その2乗で与えられる逆ピークパターンの幅の大
きい光強度分布になる。散乱光が入射する場合は、P
SM5への入射光のシフト量は入射角の半角だけでZt
anθであるから、遮光領域aの幅DがD≧2Ztan
θであれば、その中心がある程度の幅の光強度0の領域
を有する光強度分布になり、逆ピークを維持できるこ
とがわかる。そのため、散乱光が入射しても光強度0の
領域が狭まるだけで、逆ピークが消えてしまうことはな
い。なお、結晶化半導体膜の配置のピッチを最小にした
い場合は、逆ピークの幅を極力狭くする必要があり、遮
光領域aの幅DをちょうどD=2Ztanθに設定する
ことが望ましい。図11において、遮光領域aは右側の
位相領域に設けられているが、これは左側の位相領域で
あってもよく、また、両者に分割されていてもよい。ま
た、両側とは全く異なる位相(すなわち厚み)の部分を
形成し設けてもよい。
【0022】図3に、デフォーカス法の模式図を示す。
デフォーカス法は、PSM5と被処理基板7の間に結像
光学系6を入れる。その焦点位置と被処理基板7の間の
ギャップをZ、PSM5の結像面における入射光の幅を
2θとした場合、PSM5の位相シフト部に結像面にお
いて幅DがD≧2Ztanθの遮光領域aを設ける。こ
こで入射角の幅2θと遮光領域aの幅として像空間の値
を用いたのは、結像光学系6の拡大倍率をEとすると入
射角の幅は約1/E倍となり、遮光領域aの幅はE倍と
なる混乱を避けるためである。これにより、位相シフト
部の焦点外れ位置Aにプロキシ法と同様に遮光領域aに
おいて幅の大きい逆ピークパターンが発生し、入射光が
散乱光であってもその中心がある程度の幅の光強度0の
領域を有するようになる。PSM5のマスクパターンは
結像光学系6により結像され、その焦点位置での光強度
分布は結像光学系6のNAで決定される解像度R=kλ
/NA以下の成分はカットされるものの基本的に均一
で、この結像面から光軸方向に前後して離れた2つの位
置B、Cでの光強度分布は、結像光学系6のNAで決定
される解像度R=kλ/NA以下の成分はカットされる
ものの基本的に位置Aにおける光強度分布と同じにな
る。この2つの位置B、Cのいずれかに被処理基板7を
配置して光照射することにより、プロキシ法と同様に位
相シフト部において光強度が0となる逆ピークパターン
による露光が行われる。
【0023】なお、高解像度を要するレジスト露光用P
SMにおいて類似の構成のマスクが用いられており、一
般的に「フェーズエッジ型」PSMと呼ばれている。た
だし、これは結像系により決定される解像度k1λ/N
Aにおいて、k1ファクタをさらに小さくして高解像度
化することが目的であり、当然デフォーカスは関係しな
い。本方式とは目的も設計手段も完全に異なる。また、
遮光領域の幅の計算式も異なる。本発明はこの「フェー
ズエッジ型」位相シフトマスクとは別のものと考えられ
る。
【0024】本発明における遮光領域は、大部分の光を
何らかの方法で除去する。第1の方法は、遮光領域に遮
光材料を設けて除去する。遮光材料は、例えばクロムを
十分な厚みにスパッタなどの方法で成膜した後、エッチ
ングなどによりパターニングする。この場合、遮光材料
は一部の光を反射し、一部の光を吸収する。クロム膜は
一例であって、例えばZrSiOなど遮光する材料なら
何でも用いることができる。第2の方法は、遮光領域に
使用波長の光を反射するように設計された多層膜をパタ
ーニングして除去する。反射の場合には、PSMが不要
光を吸収しないため発熱しないという利点がある。ただ
し、反射光が他のレンズや鏡筒に当たり、フレア(迷
光)の原因とならないように考慮する必要がある。第3
の方法は、遮光領域に使用波長の光を散乱するように設
計された光散乱領域を設けて除去する。第4の方法は、
遮光領域に使用波長の光を半導体膜に達しない方向に回
折するように設計された光回折領域を設けて除去する。
【0025】本発明におけるPSMは、種々のものが用
いられる。その一例として位相0とπの位相シフト領域
を交互に配列したものがある。図4に示すように、位相
0とπの位相シフト領域を平行に配列した場合は、その
境界(位相シフト線)に沿って線状の光強度0の領域が
できる。次に、図5に示すように、位相シフト線を直交
し、位相0とπを市松格子状に配列させることが考えら
れるが、この場合は位相シフト線に沿って格子状の光強
度0の領域ができる。ただしこの場合、結晶の核はこの
線上の任意の位置で発生してしまい、結晶粒の位置・形
とも制御は困難になる。そのため結晶核の発生を制御す
るためには強度0領域は点状であることが望ましい。そ
のため、直交する位相シフト線の位相シフト量を180
°未満にし、これにより、位相シフト線の対応する位置
では強度は(減少するものの)完全には0にはならない
と同時に、交点の周囲の複素透過率の和を0にすること
により、交点に対応する位置の強度は0にできる。その
一例を図6に示す。従って、強度0の領域を点状につく
ることができ、ここが結晶の核となるので、結晶粒の位
置・形を制御できる。このマスクパターンは本発明中記
載の投影光学系を用いる方法と組み合わせても用いられ
るが、従来のプロキシ法においても用いることができ
る。この場合も、位相シフト線の直交点のみで強度を0
にすることが可能となり、有効である。
【0026】本発明における結像光学系は、PSM面の
光強度分布を忠実に空中に結像する。デフォーカス法で
は、必要な解像度を得るためには、ある値以上のNAを
確保することと、光学系の収差量を抑える必要がある。
これらの光学系は、レンズ系でもよいし、ミラー系でも
よい。また、レンズとミラーの複合系でもよい。
【0027】本発明における基板チャックは、被処理基
板を空中像から所定のデフォーカス量だけ離した位置に
真空チャックや静電チャックなどで保持する。また、必
要に応じて露光と移動を繰り返すための移動ステージ、
面内方向や光軸方向の位置合わせのためのセンサ、アク
チュエータ、制御系を備える。
【0028】
【実施例1】本発明の「デフォーカス法」の実施例を示
す。本実施例は、デフォーカス法について示すが結像光
学系を除去すればそのままプロキシ法の実施例となる。
本実施例において、レーザ装置1は、波長248nmの
KrFエキシマレーザで構成し、レーザ光の光束をビー
ムエキスパンダ2で拡げた後、PSM5に照射される光
強度をホモジナイザ3で均一化している。ホモジナイザ
3は、一般の露光機で用いられるのと同様なフライアイ
レンズにより実現した。なお、この照明系のNAは0.
1とした。これにより、PSM5面から見た入射角度分
布θは、この場合光は空気中から入射するので屈折率を
1とすると、NA=sinθであるから、θ=sin-1
(0.1)となった。従って、デフォーカス量Zを20
μmに設定した場合、遮光領域aの幅Dは、 D=2Ztan(θ)=2×20μm×tan(sin
-1(0.1))=4μm となる。
【0029】結像光学系6は、入射瞳と射出瞳の両方が
無限遠に位置する両側テレセントリック系を用い、その
基本仕様はNAを0.2、倍率を1.0とした。PSM
5は、隣接するパターンが逆位相(180°のずれ)で
幅14μmと6μmの同一位相の領域を交互に縞状に配
列したもので、幅14μmの領域の両端には位相シフト
線に沿ってそれぞれ幅4μmの遮光領域aを設けてい
る。具体的には屈折率1.5の石英基板を248nmの
光に対して位相がπに相当する深さ、すなわち248n
mの深さにエッチングして作製した。その後クロムをス
パッタにて成膜した後、石英基板のエッチングパターン
に位置合わせして通常のパターニングを行い、遮光領域
aを設けた。これにより、遮光領域aが設けられたため
入射光が散乱光であっても、中心がある程度の幅の光強
度0の領域を有する逆ピークパターンを発生し、これが
半導体膜を結晶化する際の核になる。被処理基板7は、
厚さ0.6mmの液晶ディスプレイ用白板の上に化学気
相成長法により下地膜とa−Si膜をこの順で成膜した
ものを使用した。
【0030】以上の構成で、結像光学系6の焦点位置よ
り下側に20μm離れたデフォーカス位置に被処理基板
7を設置し、a−Si膜面上での光エネルギーが約10
0mJ/cm2となるようにパルス照射を行った。図7
に、隣接するパターンが逆位相で、幅10μmの同一位
相の領域を縞状に配列した従来のPSMによる計算で求
めた光強度分布を示す。また、図8に、本発明のPSM
による計算で求めた光強度分布を示す。以上により、X
方向にピッチ10μmで結晶粒位置が制御された大粒径
の多結晶poly−Si膜が得られた。
【0031】
【実施例2】図9に、本発明の製造装置・方法を用いて
作製した電子装置の工程断面図を示す。図において、
(a)に示すように、絶縁基板10(例えば、アルカリ
ガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)
の上に下地膜11(例えば、膜厚50 nmのSiNと膜厚100
nmのSiO2積層膜など)と非晶質半導体膜12(例えば膜
厚50nmから200nm程度のSi,Ge, SiGeなど)を化学気相
成長法やスパッタ法などを用いて成膜し、非晶質半導体
膜12の表面の一部もしくは全面にエキシマレーザ13
(例えば,KrFやXeClなど)を照射する。ここで、エキ
シマレーザ照射には本発明の実施例1や実施例2で示し
た製造方法及び製造装置を用いるため、(b)に示すよ
うに、従来製造装置を用いた多結晶半導体膜に比べて、
結晶粒位置が制御された大粒径の多結晶もしくは単結晶
化半導体膜14に変換される。次に、(c)に示すよう
に、フォトリソグラフィを用いて、単結晶化半導体膜1
4を島状の半導体膜15に加工し、ゲート絶縁膜16と
して、膜厚20 nmから100 nm のSiO2膜を化学気相成長法
やスパッタ法などを用いて成膜する。次に、(d)に示
すように、ゲート電極17(例えば,シリサイドやMoW
など)を形成し、ゲート電極17をマスクにして不純物
イオン18(Nチャネルトランジスタであればリン、Pチ
ャネルトランジスタであればホウ素)を注入する。その
後、窒素雰囲気でアニール(例えば、450℃で1時間)し
て、不純物を活性化する。次に、(e)に示すように、
層間絶縁膜19を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネ
ル20でつながるソース21、ドレイン22に接続する
ソース電極23、ドレイン電極24を形成する。このと
き、チャネル20を(a)(b)で作成された大粒径の
多結晶もしくは単結晶半導体膜の結晶粒位置に合わせて
形成した。以上の工程により、多結晶もしくは単結晶化
半導体トランジスタを形成することができる。本工程に
より、多結晶もしくは単結晶化トランジスタは、液晶駆
動機能、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路の
機能を有するよう回路設計が可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
PMSの位相シフト部に遮光領域を設けるので、その中
心がある程度の幅の光強度0の領域を有するようにな
り、照明光が散乱しても逆ピークのコントラストは低下
しなくなる。そのため、ホモジナイザ等の照明光学系の
設計が自由にできるようになる。また、光源にレーザ光
を用い、かつ平行に近い光束でPMSを照明した場合
は、レーザのコヒーレンスによる不要な干渉縞やスペッ
クが発生しやすいが、意図的に散乱光とすることによ
り、これらの欠陥を避けることができるという利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した結晶化半導体膜の製造装置で
用いるレーザ照射装置の概略図である。
【図2】プロキシ法の模式図である。
【図3】デフォーカス法の模式図である。
【図4】位相シフト領域を縞状に配列した位相シフトマ
スクの模式図である。
【図5】位相シフト領域を市松格子状に配列した位相差
がπの位相シフトマスクの模式図である。
【図6】位相シフト領域を市松格子状に配列した位相差
がπ/4の位相シフトマスクの模式図である。
【図7】従来のPSMによる計算で求めた光強度分布グ
ラフである。
【図8】本発明のPSMによる計算で求めた光強度分布
グラフである。
【図9】本発明の製造装置・方法を用いて作製した電子
装置の工程断面図である。
【図10】従来のPSMと光強度分布の関係を示す模式
図である。
【図11】本発明のPSMと光強度分布の関係を示す模
式図である。
【符号の説明】
1 レーザ装置 2 ビームエキスパンダ 3 ホモジナイザ 4 ミラー 5 位相シフトマスク 6 結像光学系 7 被処理基板 8 基板チャック 10 絶縁基板 11 下地膜 12 非晶質半導体膜 13 エキシマレーザ 14 結晶化半導体膜 15 結晶化半導体膜(島状加工後) 16 ゲート絶縁膜 17 ゲート電極 18 不純物イオン 19 層間絶縁膜 20 チャネル 21 ソース 22 ドレイン 23 ソース電極 24 ドレイン電極 a 遮光領域
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/20 H01L 21/30 502P Fターム(参考) 2H095 BA06 BB02 BB03 BB36 BC05 BC09 5F052 AA02 BA12 BB07 DA02 DA03 DB01 DB07 FA01 JA01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相シフトマスクを用いて位相シフト部
    において光強度が略0となる逆ピークパターンを発生
    し、 この逆ピークパターンを有するレーザ光を多結晶または
    非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する装
    置において、 前記位相シフト部に遮光領域を設けることを特徴とする
    結晶化半導体膜の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記遮光領域を設けた位相シフトマスク
    と半導体膜の間に結像光学系を配置し、 この結像光学系の焦点位置から所定の距離だけ離れたデ
    フォーカス位置に前記半導体膜を保持した状態で前記半
    導体膜を結晶化することを特徴とする請求項1記載の結
    晶化半導体膜の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記遮光領域の幅をD、 前記位相シフトマスクと半導体膜の間の距離をZ、 前記位相シフトマスクに対する照射光束の入射角の幅を
    2θ、とした場合、 D≧2Ztanθ を満たすものであることを特徴とする請求項1記載の結
    晶化半導体膜の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記遮光領域の結像パターン上での幅を
    D、 前記結像光学系の焦点位置と半導体膜の間の距離をZ、 前記位相シフトマスクの結像面における光束の入射角の
    幅を2θ、とした場合、 D≧2Ztanθ を満たすものであることを特徴とする請求項2記載の結
    晶化半導体膜の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記遮光領域は光吸収材料を設けたもの
    である請求項1記載の結晶化半導体膜の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記遮光領域は光反射層を設けたもので
    ある請求項1記載の結晶化半導体膜の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記遮光領域は大部分の光が前記半導体
    膜に達しないように散乱する光散乱領域を設けたもので
    ある請求項1記載の結晶化半導体膜の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記遮光領域は光を前記半導体膜に達し
    ない方向に回折する回折域を設けたものである請求項1
    記載の結晶化半導体膜の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記位相シフトマスクのマスクパターン
    は、位相0とπの位相シフト領域を交互に配列したもの
    である請求項1記載の結晶化半導体膜の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記位相シフトマスクのマスクパター
    ンは、少なくとも3以上の位相シフト線からなる交点を
    有し、この交点を中心とする円形領域の複素透過率の積
    分値が略0であることを特徴とする請求項1記載の結晶
    化半導体膜の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記3以上の位相シフト線は、その位
    相差がいずれも180度(π)未満であることを特徴と
    する請求項10記載の結晶化半導体膜の製造装置。
  12. 【請求項12】 位相シフトマスクを用いて位相シフト
    部において光強度が略0となる逆ピークパターンを発生
    し、 この逆ピークパターンを有するレーザ光を多結晶または
    非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する工
    程において、 前記位相シフト部に遮光領域を設けることを特徴とする
    結晶化半導体膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記遮光領域を設けた位相シフトマス
    クと半導体膜の間に結像光学系を配置し、 この結像光学系の焦点位置から所定の距離だけ離れたデ
    フォーカス位置に前記半導体膜を保持した状態で前記半
    導体膜を結晶化することを特徴とする請求項1記載の結
    晶化半導体膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 位相シフトマスクを用いて位相シフト
    部において光強度が略0となる逆ピークパターンを発生
    し、 この逆ピークパターンを有するレーザ光を多結晶または
    非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する装
    置において、 前記位相シフト部に遮光領域を設けることを特徴とする
    位相シフトマスク。
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