JP2005268764A - 光照射装置、光照射方法、結晶化装置、結晶化方法、デバイス、および光変調素子 - Google Patents

光照射装置、光照射方法、結晶化装置、結晶化方法、デバイス、および光変調素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 所望のV字型の光強度分布を安定的に形成することができ、ひいては半導体膜に結晶粒をほぼ均一に生成することのできる結晶化装置。
【解決手段】 入射光束の位相を変調するための光変調素子(1)と、光変調素子を介した光束に基づいてV字型の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系(3)とを備えている。光変調素子は、結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値がV字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような複素振幅透過率分布を有する。光変調素子の複素振幅透過率分布は、結像光学系の点像分布範囲以下の寸法の位相変調を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光照射装置、光照射方法、結晶化装置、結晶化方法、デバイス、および光変調素子に関する。特に、本発明は、所定の光強度分布を有するレーザ光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置および結晶化方法に関するものである。
従来、たとえば液晶表示装置(Liquid-Crystal-Display:LCD)の表示画素を選択するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(Thin-Film-Transistor:TFT)は、非晶質シリコン(amorphous-Silicon)層や多結晶シリコン(poly-Silicon)層に形成されている。
多結晶シリコン層は、非晶質シリコン層よりも電子または正孔の移動度が高い。したがって、多結晶シリコン層にトランジスタを形成した場合、非晶質シリコン層に形成した場合よりも、トランジスタのスイッチング速度が速くなり、ひいてはディスプレイの応答が速くなる。また、この結果、周辺LSIを薄膜トランジスタで構成することが可能になる。さらに、このようなトランジスタの使用は、他の部品の設計マージンを減らせるなどの利点がある。また、ドライバ回路やDACなどの周辺回路での使用は、ディスプレイに組み入れる場合に、それらの周辺回路をより高速に動作させることができる。
多結晶シリコンは、結晶粒の集合からなるため、例えばTFTトランジスタを形成した場合、これらトランジスタのチャネル領域内に結晶粒界が存在し、この結晶粒界が障壁となり単結晶シリコンに比べると電子または正孔の移動度が低い。また、多結晶シリコンに形成された多数の薄膜トランジスタは、チャネル部に形成される結晶粒界数が各薄膜トランジスタ間で異なり、これがトランジスタ特性のバラツキとなって液晶表示装置であれば表示ムラの問題となる。そこで、最近、電子または正孔の移動度を向上させ且つチャネル領域における結晶粒界数のバラツキを少なくするために、少なくとも各々の中に1個のチャネル領域を形成できる大きさの大粒径を有する結晶化シリコンを生成する結晶化方法が提案されている。
従来、この種の結晶化方法として、多結晶半導体膜やまたは非晶質半導体膜等の非単結晶半導体膜と平行に近接させた位相シフターにエキシマレーザ光を照射して結晶化半導体膜を生成する「位相制御ELA(Excimer Laser Annealing)法」が知られている。この位相制御ELA法の詳細は、たとえば非特許文献1に開示されている。
表面科学Vol.21, No.5, pp.278-287, 2000
この位相制御ELA法では、位相シフターの位相シフト部に対応する点もしくはラインにおいて光強度が周辺よりも低い逆ピークパターン(中心において光強度が最も低く(最小光強度部)、周囲に向かってラテラル方向に光強度が急激に増大するパターン)の光強度分布を発生させ、この逆ピーク状の光強度分布を有する光を、非単結晶半導体膜に照射させて溶融している。この結果、被照射領域内において光強度分布に応じて溶融領域に温度勾配が生じ、最小強度部に対応して最初に凝固する部分もしくは溶融しない部分に結晶核が形成され、その結晶核から周囲に向かって結晶が横方向に成長(以降、「ラテラル成長」もしくは「ラテラル方向成長」とよぶ)することにより大粒径の単結晶粒が生成される。
また、非特許文献2には、位相シフターおよび結像光学系を介して得られるV字型の光強度分布の光を非単結晶半導体膜に照射することにより結晶粒を生成する結晶化方法が発表されている。さらに、非特許文献2は、非単結晶半導体膜に照射される光の強度分布が、その最大値を1.0に規格化したときに0.5〜1.0の範囲でV字状に変化することが望ましいことを開示している。上記「逆ピークパターンの光強度分布」と「V字型の光強度分布」とは、中心部分(最小光強度部およびこれの近く)を見ると同一の働きをする。本発明では、両者を含め、「V字型の光強度分布」と記述することにする。
H.Ogawa他, "Growth of Large Si Grains at Room Temperature by Phase-Modulated Excimer-Laser Annealing Method", IDW'03 Proceedings of The 10th International Display Workshops, p323
本件出願の発明者達は、たとえば特願2003−117486(以下、「先願」という)において、結像光学系との組み合わせによりV字型の光強度分布を得ることのできる光変調素子を提案している。先願で提案されている光変調素子は、たとえば0度の基準位相値と90度の変調用位相値とを、すなわち二種類の位相変調値を有する「二値変調型」の位相シフターであって、光変調素子上に換算して、結像光学系の点像分布範囲以下の寸法の位相変調を有する。なお、先願における開示事項が本件出願の従来技術を構成しないことはいうまでもない。
具体的には、先願で提案されている典型的な光変調素子は、図16に示すように、0度の基準位相値を有する基準位相領域(図中空白部で示す)10aと、90度の変調用位相値を有する矩形状の変調位相領域(図中斜線部で示す)10bとを有する。基準位相領域10aに対する変調位相領域10bの占有面積率(デューティ)は、図中水平方向(ラテラル方向)に沿って(X断面に沿って)0%〜50%の間で線形的に変化している。具体的には、位相パターンの水平方向に沿った両側において変調位相領域10bの占有面積率が0%であり、中央において変調位相領域10bの占有面積率が50%である。
このような光変調素子、およびこの光変調素子により変調された光を非単結晶半導体膜に結像させる結像光学系を使用すると、図17(A)ないし図17(C)に示すようなV字型の光強度分布が非単結晶半導体膜上で得られる。これらの図に示す光強度分布は、光の波長λを248nm、結像光学系の像側開口数NAを0.13、結像光学系のσ値(コヒーレンスファクター)を0.47と想定して計算されたものである。結像光学系のフォーカス位置において得られる光強度Iは、X断面に沿って考えている位置における変調位相領域10bの占有面積率D(図16の例では0〜0.5の間で変化)に依存して、近似的に次の式で表される。
I≒(4−4A)|D−0.5|2+A
ただし、A≒ cos2(θ/2)
この式において、θは変調用位相値(図16の例では90度)であり、Aは占有面積率Dが最大で50%の位置に対応したフォーカス面位置において得られる光強度の規格化された値(V字型の光強度分布における光強度の最大値を1.0に規格化したときの値)である。
図16の光変調素子を用いる場合、結像光学系のフォーカス位置(結像面)には、図17(B)に示すように、最小強度部を中心としてラテラル方向に略左右対称で、形成位置が制御されたほぼ理想的なV字型の光強度分布が形成される。しかしながら、図17(A)に示すように結像光学系へ近づく方向にフォーカス位置から10μmだけ微小距離移動した位置(−10μmのデフォーカス位置)や、図17(C)に示すように結像光学系から離れる方向にフォーカス位置から10μmだけ微小距離移動した位置(+10μmのデフォーカス位置)では、形成されるV字型の光強度分布の形状がデフォーカスにより変化するだけでなく、デフォーカスの方向に依存して非対称的に変化してしまう。
光照射すべき非単結晶半導体膜が上に形成される被処理基板として用いられるガラスシートには、デフォーカスの原因となる板厚偏差が不可避的に存在する。この結果、V字型の光強度分布の形状がデフォーカスにより非対称的に変化することになり、所望のV字型の光強度分布を非単結晶半導体膜上に安定的に形成することができない。このため、被処理基板上の半導体膜に結晶粒をほぼ均一な大きさに生成することができないという不都合が生じる。具体的には、図17(A)に示すようにフォーカス位置から−10μmだけ微小距離移動すると、最小光強度部が2つ存在する光強度分布が形成されるので、結晶成長開始点が2つに分離して本来の結晶粒の寸法が小さくなってしまう。また、図17(C)に示すようにフォーカス位置から+10μmだけ微小距離移動した位置に形成される光強度分布では、結晶化しない領域が広がって結晶粒の充填率が低下することが分かる。ここで、結晶粒の充填率とは、V字型の光強度分布を有する光を非単結晶半導体膜に照射したときの、光照射領域に対する結晶化領域の割合である。
二値変調型の光変調素子において、変調用位相値を、前述した90度ではなく、180度に設定すれば、形成されるV字型の光強度分布がデフォーカス方向に依存して非対称的に変化することはなくなる。ただし、変調用位相値を180度に設定した状態でV字型の光強度分布における最小光強度部をある程度大きく確保しようとすると、変調用位相値を有する変調位相領域の占有面積率の分布は0%または100%の近傍に制限されてしまう。これは、変調用位相値もしくは基準位相値を有する位相領域が極端に小さくなることを意味し、変調用位相値が180度の二値変調型の光変調素子の作製が実用的に困難であることを意味している。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、所望のV字型の光強度分布をフォーカス位置から微小距離移動しても安定的に形成することができ、ひいては半導体膜に結晶粒をほぼ均一に生成することのできる結晶化装置および結晶化方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1態様では、入射光束の位相を変調して、最小光強度の底部分を有するV字型の光強度分布を得るための光変調素子と、
この光変調素子からの変調された光束を被照射面で前記V字型の光強度分布を有するようにして被照射面に照射させるための結像光学系とを具備し、
前記光変調素子は、前記結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値が前記V字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような複素振幅透過率分布を有する、光照射装置を提供する。
前記光変調素子の面内座標を(X,Y)とし、前記光変調素子の複素振幅透過率分布をT(X,Y)とし、前記結像光学系の像面の面内座標を(x,y)とし、前記像面上の点(x,y)に対応する前記光変調素子上の点を中心とした前記結像光学系の点像分布範囲内における積分記号を∫とし、位相値を得る関数をargとするとき、
(δ2/δx2)arg(∫T(X,Y)dXdY)≒0
(δ2/δy2)arg(∫T(X,Y)dXdY)≒0
の条件を満足することが好ましい。
上記光照射装置では、好ましくは、前記光変調素子の複素振幅透過率分布は、前記結像光学系の点像分布範囲以下の寸法の位相変調単位を有する。前記光変調素子は、互いに異なる固定位相値を有する少なくとも3種類の位相領域を有し、その占有面積率が所定のパターンにしたがって変化していることが好ましい。
この場合、前記光変調素子は、前記少なくとも3種類の位相領域として、基準となる0度の基準位相値を有する基準位相領域と、正の値の変調用位相である第1変調位相値を有する第1変調位相領域と、前記第1変調位相値と絶対値のほぼ等しい負の値の変調用位相である第2変調位相値を有する第2変調位相領域とを備えていることが好ましい。この場合、前記基準位相領域に対する前記第1変調位相領域の占有面積率が変化するパターンと、前記基準位相領域に対する前記第2変調位相領域の占有面積率が変化するパターンとがほぼ同じであることが好ましい。
本発明の第2態様では、入射光束を変調する光変調素子と、この変調された光束を最小光強度の底部分を有するV字型の光強度分布を得るようにして被照射面に照射させる結像光学系とを有する光照射方法であって、
前記結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値が前記V字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような位置に前記被照射面を位置決めして光照射する光照射方法を提供する。
本発明の第3態様では、第1態様の光照射装置と、前記結像光学系の結像面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を保持するためのステージとを備えている結晶化装置を提供する。
本発明の第4態様では、第1態様の光照射装置あるいは第2態様の光照射方法を用いて、前記所定面に設定された非単結晶半導体膜を有する被処理基板に前記V字型の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法を提供する。
本発明の第5態様では、第3態様の結晶化装置または第4態様の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイスを提供する。
本発明の第6態様では、被照射面でV字型の光強度分布を有するように入射光束の位相を変調する光変調素子であって、
互いに異なる固定位相値を有する少なくとも3種類の位相領域を備え、その占有面積率が所定のパターンにしたがって変化している光変調素子を提供する。
この光変調素子によれば、前記少なくとも3種類の位相領域として、基準となる0度の基準位相値を有する基準位相領域と、正の値の変調用位相である第1変調位相値を有する第1変調位相領域と、前記第1変調位相値と絶対値のほぼ等しい負の値の変調用位相である第2変調位相値を有する第2変調位相領域とを好ましくは備えている。この場合、前記基準位相領域に対する前記第1変調位相領域の占有面積率が変化するパターンと、前記基準位相領域に対する前記第2変調位相領域の占有面積率が変化するパターンとがほぼ同じであることが好ましい。
本発明の結晶化装置および結晶化方法では、結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値がV字型の光強度分布の底部分で実質的に0になるような複素振幅透過率分布を有する三値変調型の光変調素子を用いているので、デフォーカスの影響を実質的に受けることなく所望のV字型の光強度分布を安定的に結晶化面に形成することができ、ひいては半導体膜に各結晶粒の大きさをほぼ均一に生成することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。図1を参照すると、本実施形態の結晶化装置は、入射光束の位相を変調するための光変調素子1と、照明系2と、結像光学系3と、被処理基板(支持基板、例えば、ガラス基板と、この上に直接もしくは間接的に形成された非単結晶半導体膜)4と、基板ステージ5とを備えている。光変調素子1の詳細な構成および作用については後述する。
照明系2は、図2に示すように、被処理基板4の非単結晶半導体膜を溶融させるエネルギ光を出力する光源2aを備えている。この光源は、例えば、248nmの波長を有するレーザ光を供給するKrFエキシマレーザ光源である。この光源2aとして、XeClエキシマレーザ光源やYAGレーザ光源のような、非単結晶半導体膜のような被結晶化処理体を溶融するエネルギ光線を射出する性能を有する他の適当な光源を用いることもできる。光源2aから射出されたレーザ光は、ビームエキスパンダ2bを介して拡大された後、第1フライアイレンズ2cに入射する。
こうして、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面には複数の小光源が形成され、これらの複数の小光源からの光束は第1コンデンサー光学系2dを介して、第2フライアイレンズ2eの入射面を重畳的に照明する。この結果、第2フライアイレンズ2eの後側焦点面には、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面よりも多くの複数の光源が形成される。第2フライアイレンズ2eの後側焦点面に形成された複数の小光源からの光束は、第2コンデンサー光学系2fを介して、光変調素子1を重畳的に照明する。
ここで、第1フライアイレンズ2cおよび第1コンデンサー光学系2dは、第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより光源2aから供給されたレーザ光について光変調素子1上での入射角度に関する均一化が図られる。また、第2フライアイレンズ2eおよび第2コンデンサー光学系2fは第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザ光について光変調素子1上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。こうして、照明系2は、ほぼ均一な光強度分布を有するレーザ光により光変調素子1を照明する。
光変調素子1で位相変調されたレーザ光は、結像光学系3を介して、被処理基板4に入射する。ここで、結像光学系3は、光変調素子1のパターン面と被処理基板4とを光学的に共役に配置している。換言すれば、被処理基板4は、光変調素子1のパターン面と光学的に共役な面(結像光学系3の像面)に位置が設定されている。結像光学系3は、正レンズ群3aと正レンズ群3bとの間に開口絞り3cを備えている。
開口絞り3cは、たとえば開口部(光透過部)の大きさの異なる複数の開口絞りを有し、これらの複数の開口絞り3cは、光路に対して交換可能に構成されている。あるいは、開口絞り3cとして、開口部の大きさを連続的に変化させることのできる虹彩絞りを用いてもよい。いずれにしても、開口絞り3cの開口部の大きさ(ひいては結像光学系3の像側開口数NA)は、後述するように、被処理基板4の半導体膜上において所要の光強度分布を発生させるように設定されている。結像光学系3は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
被処理基板4の非単結晶半導体膜は、光変調素子1で位相変調されたレーザ光が結像され、溶融され、凝固する過程で結晶化されるものである。被処理基板4は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラス基板の上に化学気相成長法(CVD)により下地膜および非晶質シリコン膜(非単結晶半導体膜)が順次形成されたものである。下地絶縁膜は、絶縁膜、例えばSiO2であり、非晶質シリコン膜とガラス基板が直接接触してNaなどの異物がガラス基板から非晶質シリコン膜に混入するのを防止し、かつ、非晶質シリコン膜の溶融温度が直接ガラス基板に伝熱されるのを防止する。
非単結晶膜としては、前記非単結晶半導体膜に限られることはなく、例えば、半導体以外の金属でもよい。非晶質シリコン膜上には、キャップ膜として絶縁膜例えばSiO2膜が成膜される。キャップ膜は、非晶質シリコン膜に入射する光ビームの一部により加熱され、この加熱された温度を蓄熱する。この蓄熱効果は、光ビームの入射が遮断されたとき、非晶質シリコン膜の被照射面において高温部が相対的に急速に降温するが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる。被処理基板4は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ5上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持される。
以下、本実施形態にかかる光変調素子1の構成および作用の説明に先立って、180度以外の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いる場合にV字型の光強度分布がデフォーカス方向に依存して非対称的に変形する原理について説明する。
一般に、二値変調型の光変調素子を用いる場合、光変調素子1により位相変調された光学像が結像光学系3により被処理基板4面に結像されるフォーカス位置(焦点位置)での複素振幅分布Uは、比例係数を無視して近似的に次の式(1)で表される(正確には点像分布関数とのコンボリューションで表される)。この式(1)において、(X,Y)は光変調素子の面内座標であり、T(X,Y)は光変調素子の複素振幅透過率分布である。また、(x,y)は結像光学系の像面(フォーカス位置)の面内座標であり、∫は像面上の点(x,y)に対応する光変調素子上の点を中心とした結像光学系の点像分布範囲内における積分記号である。
U(x,y)≒∫T(X,Y)dXdY (1)
即ち、この式(1)は、以下の考察より導かれる。結像光学系による結像は点光源により照明される場合のコヒーレント結像、完全拡散光源により照明される場合のインコヒーレント結像、両者の中間状態である部分コヒーレント結像に分類される。実際の光学系は部分コヒーレント結像であり、その光強度分布はH. H. Hopkinsにより導かれた式により求めることができるが、見通しが悪い。そのためコヒーレント結像に近似して議論することとする。
コヒーレント結像における像面での振幅分布U(x,y)はフーリエ結像理論により以下の(1−a)式で示すコンボリューション演算で求められる(M.Born and E.wolf, Principle of Optics, Chap.9.5, 7th edition, Cambridge Univ. Press.)。
Figure 2005268764
ここで、PSF(x,y)は結像光学系の振幅点像分布関数(点物体により生成される複素振幅分布)を表す。一方、振幅点像分布関数は結像光学系の瞳関数のフーリエ変換で与えられる。瞳は円形で透過率を均一とすると、振幅点像分布関数PSF(x,y)は下式(1−b)で与えられる。
Figure 2005268764
ここで、λは光の波長、NAは結像光学系の開口数、J1はベッセル関数である。この(1−b)式の形のままでは(1−a)式を評価しにくいので、これを囲んでおり底面が一致し上面にピーク値が位置するような半径Rの円筒形の関数で近似する。すなわち、
Figure 2005268764
ここで、Rは(1−b)式の右辺が0となる最小の半径rである。半径Rの円形の範囲を前記「点像分布範囲」とよび、記号Sで表す。すると、(1−a)式は、式(1)のように、(x,y)を中心とする点像分布範囲Sにおける複素振幅透過率T(X,Y)の積分に簡単化される。
上記「点像分布範囲」とは、点像分布関数において0となる、もしくは0とみなせる(実質的に0)の線で囲まれた範囲である。一般には、点像分布範囲は、結像光学系の開口数をNA、使用レーザ光の波長をλとした場合、像面上で半径0.61λ/NAの円で表わされ、光変調素子上においては、これを倍率で割った値となる。ここで、変調用位相値が180度である場合、関数T(X,Y)の値は、0度の基準位相値を有する基準位相領域では正の実数になり、180度の変調用位相値を有する変調位相領域では負の実数になる。したがって、複素振幅分布Uの値も基準位相領域および変調位相領域において実数になる。特に、図3(A)に示すように変調位相領域の占有面積率(デューティ)が0%から50%まで変化しても、図3(C)に示すように複素振幅分布Uの位相値は0度のまま変化しない。なお、図3(A)ないし図3(D)は、180度の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、占有面積率D、複素振幅分布Uの絶対値|U|、複素振幅分布Uの位相値、光強度I(この値は|U|2に比例する)をそれぞれ模式的に示している。
代わって、変調用位相値が180度以外の値θ(θ≠180)である場合、関数T(X,Y)の値は虚数になり、この結果として複素振幅分布Uの値も虚数になる。そして、図4(A)に示すように変調位相領域の占有面積率(デューティ)が0%から50%まで変化するとき、図4(C)に示すように複素振幅分布Uの位相値は0度からθ/2まで変化する。図4(A)ないし図4(D)は、180度以外の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、占有面積率D、複素振幅分布Uの絶対値|U|、複素振幅分布Uの位相値、光強度Iをそれぞれ模式的に示している。
次に、二値変調型の光変調素子を用いる場合に、デフォーカスに起因して発生する光強度分布の変化について説明する。デフォーカス位置での複素振幅分布Ud(x,y)は、次の式(2)で表される(辻内順平他著、オーム社、応用物理学会編「光情報処理」、8頁などを参照)。
Ud(x,y)=U(x,y)*Z(x,y) (2)
式(2)において、*はコンボリューション(convolution:畳み込み積分)を表す演算記号である。U(x,y)は、上述したように、フォーカス位置(焦点位置)での複素振幅分布である。
式(2)において、Z(x,y)は、フレネル回折を表す点像分布関数であって、次の式(3)で表される。
Z(x,y)= exp{ik(x2+y2)/2d} (3)
ただし、k=2π/λ
式(3)において、kは波数であり、dはデフォーカス量である。dの符号は、結像光学系から離れる方向のデフォーカス量を正とし、結像光学系に近づく方向のデフォーカス量を負とする。
次に、二値変調型の光変調素子を用いて形成されるV字型の光強度分布の底の点におけるコンボリューションの状況を考察する。図5(A)は、180度の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、U(x,y)にZ(x,y)をかけた値の絶対値|U×Z|を一次元的(X軸)に示している。ただし、このとき、Zの原点をV字型の中心と一致させる。すなわち、V字型の中心座標を(x0,y0)とするとき、U×Z≡U(x,y)×Z(x−x0,y−y0)である。また、図6(A)は、180度以外の変調用位相値θ(θ≠180)を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、U(x,y)にZ(x,y)をかけた値の絶対値|U×Z|を一次元的(X軸)に示している。図5(A)および図6(A)に示す|U×Z|を横軸(ラテラル方向の距離をX断面位置として示している)全体で積分したものがV字型の光強度分布の底の点における複素振幅分布である。
Zの絶対値|Z|は1であるから、U×Zの絶対値|U×Z|はUの絶対値|U|と等しい。また、ZをUにかけることにより、考えている点からの距離の二乗に比例した位相が加わる。この位相増加の符号は、デフォーカスの方向(デフォーカス量の符号)に対応する。すなわち、d>0では位相増加の符号は正であり、d<0では位相増加の符号は負である。図5(B)に示すように、180度の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合、U×Zの位相値はデフォーカス量dの符号に対して対称的に変化する。したがって、コンボリューションに伴う積分の結果も、デフォーカス量dの符号に対して対称になる。図5(B)において、前記(3)式の位相項(右辺)でデフォーカス量dは分母であるために、デフォーカス量dが大きくなるのに従って放物線は、開く。
代わって、図6(B)に示すように、180度以外の変調用位相値θ(θ≠180)を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合、U×Zの位相値は、デフォーカス量dの符号に対して非対称的に変化する。したがって、コンボリューションに伴う積分の結果も、デフォーカス量dの符号に対して非対称になる。具体的には、図6(B)から判るように、d>0の場合には、考えている点の近傍で位相の変化が少なくなるため、上記積分を考えると光強度が増加する。逆に、d<0の場合には、考えている点の近傍で位相の変化が大きくなるため、上記積分を考えると光強度が減少する。これらの傾向は、前述した計算結果と一致する。
この考え方をまとめると、V字型の光強度分布がデフォーカスの符号に対して非対称的に変化する原因は、フォーカス位置(d=0)において|U×Z|の底部分に対応してUの位相値が1本の直線状ではなくほぼ曲線状に変化すること、すなわちUの位相値の二次微分値が実質的に0でないことであると理解することができる。換言すれば、Uの位相値の二次微分値を実質的に0にすれば、V字型の光強度分布がデフォーカスの符号に対して対称的に変化するであろうことが理解される。そのための解決方法として、本発明では以下の2つの手法を採用している。
第1手法は、三種類以上の変調用位相値を有する光変調素子、たとえば1つの基準位相値と2つの変調用位相値を有する三値変調型の光変調素子を用いて、結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値をV字型の光強度分布の底部分(最小光強度部)でほぼ0にする「三値変調法」である。第2手法は、結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値がV字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような位置に被照射面を配置する「デフォーカス法」である。
図7を参照して、三値変調法において複素振幅分布Uの位相値の二次微分値を0にできることを説明する。図7において、縦軸IはImaginaryを、横軸RはRealを示している。例として、三値の位相を、0、+θ0、−θ0とする。式(1)の積分は、以下の形に変形できる。
U(x,y)=U00i+U1+θ0i+U1-θ0i
=U0+U1(cosθ0+isinθ0)+U1(cosθ0−isinθ0
=U0+2U1cosθ0
すなわち、三値を用いることにより、複素振幅分布Uの位相を実質的に0にできる。したがって、当然、複素振幅分布Uの位相値の二次微分値も実質的に0にできる。なお、この例では、0、+θ0、−θ0の組み合わせを用いたが、式(1)の計算結果が位相0(実質的に0)になる組み合わせはこれ以外にもある。上記三値変調法の他に、4値、5値など複数値の変調法を用いることができる。さらに、上記光変調素子は、結像光学系3の像空間において複素振幅分布の位相値が実質的に0の例について説明したが、二次微分値を実質的に0にできれば位相値は実質的に0でなくてもよい。
三値変調法を用いて得られる光強度Iは、近似的に次の式(4)で表わされる。
I≒{2Dcosθ+(1−2D)}2 (4)
式(4)において、θは、符号が異なり且つ絶対値が等しい2つの変調用位相値の絶対値である。Dは、互いに同じパターンにしたがって変化する2つの変調位相領域の占有面積率である。基準位相領域に対する変調位相領域の占有面積率Dは、0〜0.5の値をとる。
「光変調素子が、結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値がV字型の光強度分布の最小光強度部(逆ピークパターンの底部分)でほぼ0または実質的に0になるような複素振幅透過率分布を有する」ことは、式(1)を考慮すると次の式(5)および(6)を満足することに他ならない。式(5)および(6)において、(X,Y)は光変調素子の面内座標であり、T(X,Y)は光変調素子の複素振幅透過率分布であり、(x,y)は結像光学系の像面の面内座標であり、∫は像面上の点(x,y)に対応する光変調素子上の点を中心とした結像光学系の点像分布範囲内における積分記号であり、argは位相値を得る関数である。
(δ2/δx2)arg(∫T(X,Y)dXdY)≒0 (5)
(δ2/δy2)arg(∫T(X,Y)dXdY)≒0 (6)
次に、図6(A)並びに図6(B)に対応するコンボリューションの図8(A)並びに図8(B)を参照して、前記第2の手法であるデフォーカス法の原理を説明する。デフォーカス法では、意図的に所定のデフォーカス位置を擬似的なフォーカス位置と想定し、想定した擬似フォーカス位置に被照射面を設定する。ここで、擬似フォーカス位置として、デフォーカスに伴う複素振幅分布Uの位相の変化が比較的少ない位置を用いる。図8(A)並びに図8(B)では、真のフォーカス位置(d=0)とデフォーカス量がd1である第1デフォーカス位置(d=d1)との中間位置、すなわちデフォーカス量がd0である第2デフォーカス位置(d=d0)を擬似的なフォーカス位置と想定している。
この場合、擬似的なフォーカス位置である第2デフォーカス位置(d=d0)を中心として、U×Zの位相値について完全な対称性ではないが擬似的な対称性が得られる。この新たな光照射位置すなわち擬似フォーカス位置での光強度分布が、真のフォーカス位置(焦点位置)での光強度分布と幾らか異なるので、光強度分布の相違量を補償するために光変調素子のパターンを補正しておくことが望ましい。この補正の手法として、特に限定されるものではないが、例えば、基準位相領域に対する変調位相領域の占有面積率を補正する方法がある。
図9は、本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子の位相パターンを概略的に示す図である。本実施形態の光変調素子1は、上述した第1手法に基づく三値変調型の光変調素子であって、0度の基準位相値を有する基準位相領域(図中空白部で示す)1aと、60度の変調用位相値を有する矩形状の第1変調位相領域(図中斜線部で示す)1bと、−60度の変調用位相値を有する矩形状の第2変調位相領域(図中黒塗り部で示す)1cとを有する。ここで、変調位相領域1bおよび1cは、5μmのピッチにしたがって縦横(ラテラル方向(X断面)と、これに直交する方向)にマトリックス状に配置されている。
第1変調位相領域1bの占有面積率(デューティ)および第2変調位相領域1cの占有面積率は、図中水平方向に沿って(X断面に沿って)0%〜25%の間で線形的に変化している。具体的には、位相パターンの水平方向に沿った両側において第1変調位相領域1bの占有面積率が0%であり、中央において第1変調位相領域1bの占有面積率が25%である。同様に、位相パターンの水平方向に沿った両側において第2変調位相領域1cの占有面積率が0%であり、中央において第1変調位相領域1cの占有面積率が25%である。
さらに、図中水平方向に沿って(X断面に沿って)占有面積率が同じパターンにしたがって変化する一群の第1変調位相領域1bと一群の第2変調位相領域1cとが、図中鉛直方向に交互に形成されている。変調位相領域1bおよび1cを含んで5μmのピッチで規定される単位領域、すなわち5μm×10μmの長方形状の単位領域(1つの変調位相領域1bと1つの変調位相領域1cとを包含する図9中破線で示す長方形状の単位領域)は、結像光学系3の点像分布範囲以下の寸法を有する。換言すれば、本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子1は、結像光学系3の点像分布範囲以下の寸法(光変調素子1上に換算した寸法)の位相変調単位を有する。
このように、本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子1は、互いに異なる固定位相値(0度、60度、−60度)を有する3種類の位相領域(1a,1b,1c)を有し、その占有面積率が所定のパターンにしたがって変化している。「固定位相値」とは、ある領域に亘って固定的に設定された位相値である。ここで、3種類の位相領域(1a,1b,1c)は、基準となる0度の基準位相値を有する基準位相領域1aと、正の値の変調用位相である第1変調位相値(60度)を有する第1変調位相領域1bと、第1変調位相値と絶対値の等しい負の値の変調用位相である第2変調位相(−60度)を有する第2変調位相領域1cとである。基準位相領域1aに対する第1変調位相領域1bの占有面積率が変化するパターンと、基準位相領域1aに対する第2変調位相領域1cの占有面積率が変化するパターンとが同じである。本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子1は、上述したように本発明の第1手法に基づく光変調素子であって、結像光学系3の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値がV字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような複素振幅透過率分布を有するように設計されている。
図9に示すパターンは、実際の光変調素子の多数の同じパターンのうちの1つであり、これらパターンがX断面方向に繰り返されるように配置することにより、多数の逆ピークパターンまたはV字型の光強度分布を同時に形成することができ、X断面方向に直交する方向に繰り返されるように配置されることにより、最小光強度部がライン状をなすことは、理解できよう。
上記光変調素子は、入射光束の位相を変調して、最小光強度の底部分を有するV字型の光強度分布を得るための光学素子である。光照射装置は、光学素子で変調された光束を結像光学系により被照射面たとえば被結晶化基板に前記V字型の光強度分布を得るように被照射面に照射させるようにした装置である。
前記光変調素子は、図9に示すように、基板として上記入射光束に対して透光性の基板例えば石英ガラス基板が用いられる。この石英ガラス基板には、この基板に対して180度以外の正の位相値を有する第1変調位相領域として例えば順次大又は小に面積が変化して配列された方形状例えば矩形状の凹領域(1bに相当)が形成されている。矩形状の凹領域は、ドライエッチングなどの一般的なフォトリソグラフイーの技術により形成することができる。なお、位相変調値の符号として位相の進む状態を正、遅れる状態を負と定義する。
即ち、凹領域は、次のようにして形成することができる。石英ガラス基板上にレジスト膜を塗布したのち、クロムマスクを用いてレジスト膜の露光工程を行う。次に、露光されたレジスト膜の現像工程を行い、レジストパターンを石英ガラス基板上に形成する。その後、レジストパターンにより石英ガラス基板をドライエッチングする。レジストパターンを除去して石英ガラス基板に凹領域を形成することができる。
透光性の基板には、第1変調位相領域に隣接して180度以外の負の位相値を有する第2変調位相領域が形成される。透光性の基板の石英ガラス基板には、この基板に対して180度以外の負の位相値を有する第2変調位相領域として例えば順次大又は小に面積が前記第1変調位相領域と同一形状、同一パターンで変化して配列された矩形状の凸領域(1cに相当)が形成されている。正負の位相値の絶対値は同一であり、180度以外の例えば60度である。
矩形状の凸領域(1cに相当)は、第1位相変調領域(1bに相当)を設けた後に、これと同じエッチング加工を、第2位相変調領域(1cに相当)に対応したパターンで行うことにより形成することができる。透光性の基板に第1および第2位相変調領域を形成する工程は、工程の順序を逆にしてもよい。即ち、この工程は、第2位相変調領域(1cに相当)を形成した後に、第1位相変調領域(1bに相当)を形成してもよい。
この光変調素子を製造する実施例を、図10(A)〜(G)を参照して具体的に説明する。図9と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明を省略する。光変調素子の基板として透光性の基板は、例えば石英ガラス基板61を使用する(図10(A))。この石英ガラス基板61上にこの基板61をエッチングするためのレジストパターンを形成するためにレジスト膜62を塗布する(図10(B))。このレジスト膜62に第1又は第2位相変調領域例えば第1位相変調領域を形成するためのマスクにより露光し、現像することにより図10(C)に示すようなレジスト膜62の第1位相変調領域形成用レジストパターン63を形成する。
次に、この第1位相変調領域形成用レジストパターン63により石英ガラス基板61をエッチングし、このレジストパターン63を除去することにより図10(D)に示すように石英ガラス基板61に第1位相変調領域64を形成する。
次に、第1位相変調領域64に隣接して第2位相変調領域の形成を行う。第1位相変調領域64が形成された石英ガラス基板61の表面にレジスト膜を形成する。このレジスト膜に第2位相変調領域を形成するためのマスクにより露光し、現像することによりレジスト膜に図10(E)に示すように第2位相変調領域のレジストパターン65を形成する。
次に、第2位相変調領域のレジストパターン65として図10(F)に示すように石英ガラス基板61をエッチングする。その後、表面の第2位相変調領域のレジストパターン65を除去することにより図10(G)に示すように石英ガラス基板61に位相の基準となる基準領域1a、第1位相変調領域(1bに相当)および第2位相変調領域(1cに相当)を形成した光変調素子を製造することができる。
第1変調位相領域(1bに相当)および第2変調位相領域(1cに相当)は、隣合って交互に、且つ形状が同一で順次大又は小に面積が変化して配列されたものである。順次大又は小に面積が変化して配列される各変調位相領域の形状は、方形状の他、円形状、楕円形状、三角形状など面積を有する形状であれば何れでもよい。
次に、石英ガラス基板に所望する位相値の変調位相領域を形成する実施例を説明する。入射光束に対して位相変調するための位相値は、例えば石英基材に段差をつけることにより形成することができる。入射光束に対する位相変調は、段差の境界の両側で屈折率が異なることにより行なわれる。段差の厚さtは、
t=λφ/2π(n−1)
である。この式において、λは、入射光の波長であり、φは、ラジアンで表した位相値であり、nは段差を形成する材料の屈折率である。これらの屈折率を有する材料や入射光の波長を適宜選択することにより段差tを求めることができる。これらの定数は、PECVD、LPCVD等で所望する屈折率の材料を成膜したり、エッチングして形成することができる。
図9に示す光変調素子は、矩形の変調位相領域をマトリックス状に配置させて形成されているが、変調位相領域の形状並びに/もしくは配置は、これに限定されることはない。例えば、変調位相領域は、円形のような他の形状にしても良く、配置は、ちどり状のような他の配置形態でも良い。
図11(A)ないし図11(C)は、本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子を用いたときに結像光学系を介して形成されるV字型の光強度分布を示す図である。これらの図に示す光強度分布は、光の波長λを248nm、結像光学系3の像側開口数NAを0.13、結像光学系3の結像倍率を1/5、結像光学系3のσ値(コヒーレンスファクター)を0.47と想定して計算されたものである。また、図11(B)はフォーカス位置においてX断面に沿って得られる光強度分布、図11(A)は−5μmのデフォーカス位置(結像光学系3へ近づく方向にフォーカス位置から5μmだけ微小移動した位置)においてX断面に沿って得られる光強度分布、図11(C)は+5μmのデフォーカス位置(結像光学系3から離れる方向にフォーカス位置から5μmだけ微小移動した位置)においてX断面に沿って得られる光強度分布を示している。
本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子1を用いると、図11(B)に示すように、結像光学系3のフォーカス位置(結像面)には、ほぼ理想的なV字型の光強度分布が形成される。また、図11(A)および図11(C)に示すように±5μmだけ被照射面をデフォーカスさせても、被照射面に形成されるV字型の光強度分布の形状はデフォーカスにより僅かに変化するだけであり、その変化もデフォーカスの方向に依存することなくほぼ左右対称的(ラテラル方向に、最小光強度部を境にして対称)である。本実施形態では、三値変調型の光変調素子1の作製が比較的容易になるように、変調位相領域1b,1cの占有面積率を0〜0.25に設定し、比較的底の浅いV字型の光強度分布を実現している。
以上のように、本実施形態の結晶化装置では、結像光学系3の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値がV字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような複素振幅透過率分布を有する光変調素子、たとえば三値変調型の光変調素子1を用いているので、たとえば被処理基板4に不可避的に存在する板厚偏差に起因するデフォーカスの影響を実質的に受けることなく、所望のV字型の光強度分布を安定的に形成することができ、ひいては半導体膜に結晶粒をほぼ均一に生成することができる。また、本実施形態では、ほぼ理想的なV字型の光強度分布を安定的に形成することができるので、半導体膜に高い充填率で結晶粒を形成することができる。
なお、上述の実施形態では、本発明の第1手法に基づく三値変調型の光変調素子1を用いているが、図16に示す二値変調型の光変調素子10を用いて本発明の第2手法であるデフォーカス法を適用する変形例も可能である。図12(A)ないし図12(C)、および図13(A)並びに図13(B)は、図16に示す二値変調型の光変調素子10を用いたときに結像光学系を介して形成されるV字型の光強度分布を模式的に示す図である。ここで、図12(A)は−5μmのデフォーカス位置、図12(B)はフォーカス位置、図12(C)は+5μmのデフォーカス位置、また、図13(A)は+10μmのデフォーカス位置、図13(B)は+15μmのデフォーカス位置に対応している。
図13(A)並びに図13(B)を参照すると、+10μmのデフォーカス位置と+15μmのデフォーカス位置との間でV字型の光強度分布の形状がほとんど変化しないことが分かる。したがって、本実施形態の変形例では、図16に示す二値変調型の光変調素子10を用いて、たとえば+12.5μmのデフォーカス位置を擬似的なフォーカス位置と想定し、この擬似フォーカス位置に被処理基板4の被照射面を設定する。その結果、変形例においても、たとえば被処理基板4に不可避的に存在する板厚偏差に起因するデフォーカスの影響を実質的に受けることなく、所望のV字型の光強度分布を安定的に形成することができ、ひいては半導体膜に結晶粒をほぼ均一に生成することができる。
デフォーカス方法において、図16に示されているような従来の位相シフターの占有面積率を補正することにより、図14に示されるように、デフォーカス位置での理想的な光強度分布を得ることが可能である。例示された変更された位相シフターにおいては、図16に示された位相シフターの各ユニットの中心部でのディメンジョンは、中心部で占有面積率を補正するように変更されている。例えば、従来の位相シフターでは、最大の位相変調領域と次に大きい位相変調領域との実際のディメンジョン(正方形の位相変調領域の一辺の長さでの投影面での換算値)は、50%と40%との占有面積比を設定するために夫々0.354μmと0.335μmとであるが、補正された位相シフターでは、最大の位相変調領域と次に大きい位相変調領域との実際のディメンジョンは、35%と31%とに占有面積比を設定するために夫々0.296μmと0.278μmとである。この補正は、一例であり、占有面積率は、位相シフターの所望の位置で所望の値に変更され得る。
図15(A)ないし図15(E)は、本実施形態の結晶化装置を用いて結晶化された領域に電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。図15(A)に示すように、絶縁基板80(例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNおよび膜厚100nmのSiO2積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなど)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜した被処理基板5を準備する。そして、本実施形態にしたがう結晶化装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の予め定められた領域に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
こうして、図15(B)に示すように、大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84が生成される。次に、図15(C)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を例えば薄膜トランジスタを形成するための領域となる島状の半導体膜85に加工し、表面にゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO2膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図15(D)に示すように、ゲート絶縁膜上にゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)をイオン注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、450°Cで1時間)を行い、不純物を活性化して島状の半導体膜85にソース領域91、ドレイン領域92を形成する。次に、図15(E)に示すように、層間絶縁膜89を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネル90でつながるソース91およびドレイン92に接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
以上の工程において、図15(A)および図15(B)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶の位置に合わせて、チャネル90を形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体に薄膜トランジスタ(TFT)を形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶表示装置(ディスプレイ)やEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
なお、上述の説明では、多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置および結晶化方法に本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、一般的に結像光学系を介して所定の光強度分布を所定面に形成する光照射装置に対して本発明を適用することができる。
本発明の実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。 図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。 180度の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、占有面積率、複素振幅分布の絶対値、複素振幅分布の位相値、光強度を模式的に示す図である。 180度以外の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、占有面積率、複素振幅分布の絶対値、複素振幅分布の位相値、光強度を模式的に示す図である。 180度の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、|U×Z|、およびU×Zの位相値を模式的に示す図である。 180度以外の変調用位相値を有する二値変調型の光変調素子を用いてV字型の光強度分布を生成する場合について、|U×Z|、およびU×Zの位相値を模式的に示す図である。 三値変調法において複素振幅分布Uの位相値の二次微分値を0にできることを説明する図である。 図6に対応するコンボリューションの図であって、デフォーカス法の原理を説明する図である。 本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子の位相パターンを概略的に示す図である。 光変調素子を製造する実施例を概略的に示す図である。 本実施形態にかかる三値変調型の光変調素子を用いたときに結像光学系を介して形成されるV字型の光強度分布を示す図である。 本実施形態の変形例において二値変調型の光変調素子を用いたときに結像光学系を介して形成されるV字型の光強度分布を模式的に示す第1の図である。 本実施形態の変形例において二値変調型の光変調素子を用いたときに結像光学系を介して形成されるV字型の光強度分布を模式的に示す第2の図である。 図16に示す従来の位相シフターの占有面積率を補正することによりデフォーカス位置での理想的な光強度分布を得る例を示す図である。 本実施形態の結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。 先願で提案されている二値変調型の光変調素子の位相パターンを概略的に示す図である。 図16の光変調素子を用いたときに結像光学系を介して形成されるV字型の光強度分布を模式的に示す図である。
符号の説明
1,10 光変調素子
2 照明系
2a KrFエキシマレーザ光源
2b ビームエキスパンダ
2c,2e フライアイレンズ
2d,2f コンデンサー光学系
3 結像光学系
3c 開口絞り
4 被処理基板
5 基板ステージ

Claims (17)

  1. 入射光束の位相を変調して、最小光強度の底部分を有するV字型の光強度分布を得るための光変調素子と、
    この光変調素子からの変調された光束を被照射面で前記V字型の光強度分布を有するようにして被照射面に照射させるための結像光学系とを具備し、
    前記光変調素子は、前記結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値が前記V字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような複素振幅透過率分布を有する、光照射装置。
  2. 前記光変調素子の面内座標を(X,Y)とし、前記光変調素子の複素振幅透過率分布をT(X,Y)とし、前記結像光学系の像面の面内座標を(x,y)とし、前記像面上の点(x,y)に対応する前記光変調素子上の点を中心とした前記結像光学系の点像分布範囲内における積分記号を∫とし、位相値を得る関数をargとするとき、
    (δ2/δx2)arg(∫T(X,Y)dXdY)≒0
    (δ2/δy2)arg(∫T(X,Y)dXdY)≒0
    の条件を満足する請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記光変調素子の複素振幅透過率分布は、前記結像光学系の点像分布範囲以下の寸法の位相変調単位を有する請求項1または2に記載の光照射装置。
  4. 前記光変調素子は、互いに異なる固定位相値を有する少なくとも3種類の位相領域を有し、その占有面積率が所定のパターンにしたがって変化している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光照射装置。
  5. 前記光変調素子は、前記少なくとも3種類の位相領域として、基準となる0度の基準位相値を有する基準位相領域と、正の値の変調用位相である第1変調位相値を有する第1変調位相領域と、前記第1変調位相値と絶対値のほぼ等しい負の値の変調用位相である第2変調位相値を有する第2変調位相領域とを備えている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光照射装置。
  6. 前記基準位相領域に対する前記第1変調位相領域の占有面積率が変化するパターンと、前記基準位相領域に対する前記第2変調位相領域の占有面積率が変化するパターンとがほぼ同じである請求項5に記載の光照射装置。
  7. 入射光束を変調する光変調素子と、この変調された光束を最小光強度の底部分を有するV字型の光強度分布を得るようにして被照射面に照射させる結像光学系とを有する光照射方法であって、
    前記結像光学系の像空間において複素振幅分布の位相値の二次微分値が前記V字型の光強度分布の底部分でほぼ0になるような位置に前記被照射面を位置決めして光照射する光照射方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光照射装置と、前記結像光学系の結像面に前記被照射面を有する非単結晶半導体膜を備えた被処理基板を保持するためのステージとを備えている結晶化装置。
  9. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光照射装置または請求項7に記載の光照射方法を用いて、前記被照射面に設定された非単結晶半導体膜を有する被処理基板に前記V字型の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化方法。
  10. 請求項8に記載の結晶化装置または請求項9に記載の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイス。
  11. 被照射面でV字型の光強度分布を有するように入射光束の位相を変調する光変調素子であって、
    互いに異なる固定位相値を有する少なくとも3種類の位相領域を備え、その占有面積率が所定のパターンにしたがって変化している光変調素子。
  12. 前記少なくとも3種類の位相領域として、基準となる0度の基準位相値を有する基準位相領域と、正の値の変調用位相である第1変調位相値を有する第1変調位相領域と、前記第1変調位相値と絶対値のほぼ等しい負の値の変調用位相である第2変調位相値を有する第2変調位相領域とを備えている請求項11に記載の光変調素子。
  13. 前記基準位相領域に対する前記第1変調位相領域の占有面積率が変化するパターンと、前記基準位相領域に対する前記第2変調位相領域の占有面積率が変化するパターンとがほぼ同じである請求項12に記載の光変調素子。
  14. 入射光束の位相を変調して、最小光強度の底部分を有するV字型の光強度分布を得るための光変調素子と、
    この光変調素子からの変調された光束を被照射面で前記V字型の光強度分布を得るようにして被照射面に照射させるための結像光学系とを具備し、
    前記光変調素子は、
    前記入射光束に対して透光性の基板と、
    この透光性の基板に設けられた位相の基準となる基準領域と、
    この基準領域に対して180度以外の正の変調位相値を有する第1変調位相領域と、
    前記基準領域に対して180度以外の負の変調位相値を有する第2変調位相領域とが設けられた基板を有し、
    前記正負の変調位相値の絶対値は等しく、
    前記第1変調位相領域および第2変調位相領域は、隣合って配列され、形状が同一で順次大又は小に面積が変化して配列されたものである光照射装置。
  15. 前記第1変調位相領域は、前記透光性の基板に設けられた順次大又は小に面積が変化して配列された矩形状の凹領域と、
    前記第2変調位相領域は、前記透光性の基板に設けられた順次大又は小に面積が前記第1変調位相領域と同一パターンで変化して配列された矩形状の凸領域とからなる請求項14に記載の光照射装置。
  16. 被照射面でV字型の光強度分布を有するように入射光束の位相を変調する光変調素子であって、
    前記入射光束に対して透光性の基板と、
    この透光性の基板に設けられた位相の基準となる基準領域と、
    この基準領域に対して180度以外の正の変調位相値を有する第1変調位相領域と、
    前記基準領域に対して180度以外の負の変調位相値を有する第2変調位相領域とが設けられた基板を有し、
    前記正負の位相値の絶対値は等しく、
    前記第1変調位相領域および第2変調位相領域は、隣合って配列され、形状が同一で順次大又は小に面積が変化して配列されたものである光変調素子。
  17. 前記第1変調位相領域は、前記透光性の基板に設けられた順次大又は小に面積が変化して配列された矩形状の凹領域と、
    前記第2変調位相領域は、前記透光性の基板に設けられた順次大又は小に面積が前記第1変調位相領域と同一パターンで変化して配列された矩形状の凸領域とからなる請求項16に記載の光変調素子。
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