JP2006253660A - 光強度分布の生成方法、光強度分布の生成装置、および光変調素子ユニット - Google Patents

光強度分布の生成方法、光強度分布の生成装置、および光変調素子ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】 2つの光変調素子の相対位置ずれなどに起因するモアレ現象の影響を実質的に受けることなく、所定の平面上に形成される光強度分布を1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定する。
【解決手段】 所定面(12)に第1の光強度分布を形成するための第1光変調素子(11)と、所定面に第2の光強度分布を形成するための第2光変調素子(1)とを有する。第1光変調素子を介した光により第2光変調素子の変調面に生成される光分布の振幅および位相がともに変調単位内で実質的に均一になるように、第1光変調素子と第2光変調素子とは所要の距離だけ間隔を隔てて配置されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、光強度分布の生成方法、光強度分布の生成装置、および光変調素子ユニットに関し、例えば結晶化装置で使用する光強度分布生成装置において所定の平面に照射される光の光強度分布の測定に関するものである。
近年、レーザ光を用いて、鉄、非鉄金属、セラミックス、プラスチックス、木材、布、紙、複合材などのような各種材料を対象に、自由曲線切断、穴あけ、溶接、表面処理、微細加工などの多岐にわたる加工を行う技術が開発されている。例えば、表面処理加工は、材料の表面にエネルギ密度の比較的低いレーザ光を照射して表層部のみを加熱し、その加熱部分を改質する処理である。この表面処理加工には、表層部を固体の状態で処理する場合と、表層部を溶融させて処理する場合とがある。
アクティブマトリックス型液晶表示装置や有機EL表示装置などのような表示装置では、表示のための各画素を個別に駆動するために、ガラスやプラスチック等の絶縁基板上に多数の膜トランジスタ(Thin-Film-Transistor:以下、「TFT」という)が形成されている。このTFTのソース、ドレイン、チャネル領域が形成される非晶質シリコン(amorphous-Silicon:以下、「a−Si」という)膜は、形成温度が低く、気相法で比較的容易に形成することが可能であり、量産性にも富むため、TFTに用いる半導体膜として一般的に用いられている。
このような、非晶質シリコン膜は、導電率等の物性が多結晶シリコン(poly-Silicon:以下、「p−Si」という)膜に比べて劣る(a−Siの移動度はp−Siの移動度に比べて2桁以上低い)という欠点がある。このため、TFTの動作速度を高速化するために、非晶質シリコン膜を形成し、この非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に変え、この多結晶シリコン膜にTFTのソース、ドレイン、チャネル領域を形成する技術、例えばエキシマレーザを用いたアニール法(Excimer Laser Annealing;以下、「ELA法」という)が用いられている。このELA法は、汎用ガラス基板が使用可能な温度範囲、すなわち室温から500°C程度までの温度範囲で実施することができるので、基板の材料が制限されない利点がある。
ELA法は、例えば基板上に非晶質シリコン膜を所定の厚さ(例えば50nm程度の厚さ)に堆積した後、この非晶質シリコン膜に波長が248nmのKrF(クリプトン弗素)エキシマレーザ光や波長が308nmのXeCl(キセノン塩素)エキシマレーザ光などのようなレーザ光を照射し、照射領域の非晶質シリコン膜を局所的に溶融・再結晶化させて多結晶シリコン膜に変える結晶化方法である。
ELA法は、レーザ光の平均強度(フルエンス)を適宜選定することにより、他の様々なプロセスに適応可能である。例えば、加熱の作用のみが発揮されるようなレーザ光の強度に設定すれば、TFTの不純物活性化工程に用いることができる。また、レーザ光の強度を極端に大きく設定すれば、急激な温度上昇を引き起こさせるため、TFTにおける膜の除去に利用することもできる。また、これらの現象の利用は、TFTに限定されることなく、広く半導体製造プロセスに適応できるものである。
液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置では、動作速度の高速化を図るために多結晶シリコン膜にTFTを形成すると、多結晶シリコン膜の結晶粒界がTFTのチャネル領域に存在することになる。この場合、各TFTのチャネル領域に形成される結晶粒界数が異なり、この結晶粒界数の相違によりTFT毎の閾値電圧や移動度などの特性のばらつきが著しく増大する。このようなTFT毎の閾値電圧のばらつきは、表示装置全体としての動作特性を大幅に低下させ、画質などを劣化させる原因になる。
このため、夫々の各TFTのチャネル領域の結晶粒界数をできるだけ均等にするか、粒径の大きい結晶化領域を形成し、この結晶化領域内にTFTが形成されるように結晶化領域の形成位置を制御することにより各TFTのチャネル領域から結晶粒界を排除すること、が要望されている。このような要望に対処して、本願発明者等は開発を行い、光変調素子を用いることにより大粒径の結晶化領域を製造することができるようになった(特許文献1および特許文献2を参照)。
特開2004−186449号公報 特開2004−193229号公報
この技術の工業化の開発において、被結晶化処理体である非晶質シリコン膜に照射されるレーザ光の光強度分布のサブミクロンの精度での評価および管理が、結晶化領域の大粒径化および位置制御において極めて重要であることが判った。特に、結晶化の量産ラインにおいては、光強度分布の定期的監視が比較的出力安定性に課題のあるレーザ光源を使用するために重要である。しかしながら、光強度分布は、サブミクロンレベルの微小構造を有し、且つ結晶化に好適なエキシマレーザ光は不可視であるため、作業員による肉眼での監視が困難であるという課題があった。
そのため、本願発明者等は、光強度分布を可視化するための開発を行い、レーザ光を非晶質シリコン膜に照射して大粒径の結晶化を行う結晶化装置のレーザ光路に、本来の光変調素子に加えて可視化マスクと呼ばれる別の光変調素子を設け、この2枚の光変調素子を介して非晶質シリコン膜に光変調されたレーザ光を照射することにより可視化する装置を開発した。この可視化装置は、レーザ光の照射により非晶質シリコン膜の被照射面を溶融し、レーザ光が遮断されたとき、溶融領域が降温する過程において結晶化する。このように形成された結晶化領域は、物性が変化している。この物性の変化を利用して光強度分布を可視化する方法を開発した。本願発明者らは、光強度分布を正しく測定する手段としての光学系を国際学会(IDW'04, Proceedings of the 11th International Display Workshops) において発表した。
一般に、所定の光強度分布を生成する方法として、光振幅を変調する要素パターン、光位相を変調する要素パターン、もしくは光振幅と光位相との両方を変調する要素パターンを、変調量を変えて並べる方法がある。ここで、要素パターンの大きさを結像光学系の点像分布範囲よりも小さくすることにより、生成される光強度分布から要素パターンの形を除去して滑らかな分布を実現することができる。すなわち、光変調素子のバイナリーな加工のみで、所定の階調を持つ光強度分布を生成することができる。
ここで、図19(a)および(b)に示すように、互いに直交するような一次元的なパターンを有する2枚の光変調素子(第1光変調素子(図19(a))および第2光変調素子(図19(b)))が隙間のない状態で重なったときに生成される光強度分布を考える。2枚の光変調素子の相対的位置がずれても、図19(c)に示すように重ね合わせパターン自体が変化しないので、生成される光強度分布は全体的に横ずれはするが変化することはない。これに対し、図20(a)および(b)に示すように、2枚の光変調素子がともに二次元的なパターンを有する場合、あるいは図示を省略したが2枚の光変調素子のうちの少なくとも一方が二次元的なパターンを有する場合、2枚の光変調素子の相対的位置がずれると、図20(c)および(d)に示すように、重ね合わせパターンが変化し、生成される光強度分布も変化してしまう。
例えば、図20(a)および(b)に示す第1光変調素子および第2光変調素子がともに光振幅型の光変調素子であり、図中のハッチング部分が遮光領域を、また空白部分が透過領域を示すものとする。この場合、図20(c)に示す重ね合わせ状態では重ね合わせパターンに透過領域が全く存在しないが、図20(d)に示す重ね合わせ状態では要素パターンの半ピッチ分ずれただけで重ね合わせパターンに比較的大きな開口(透過領域)が生成される。これらの互いに異なる2つの重ね合わせ状態では、生成される光強度分布も大きく異なることが予想される。
さらに、第1光変調素子と第2光変調素子との相対角度(図20(a),図20(b)の紙面に垂直な軸線廻りの回転角度)が変化すると、重ね合わせパターンが位置により異なるため、生成される光強度分布にも位置毎の変化すなわちムラが生じてしまう。また、第1光変調素子と第2光変調素子とで要素パターンのピッチがわずかでも異なると、生成される光強度分布に大きな周期のムラが生じてしまう。また、第1光変調素子および第2光変調素子がともに光位相型の光変調素子であっても、一方が光振幅型の光変調素子であって他方が光位相型の光変調素子であっても、同様に光強度分布の変化やムラが生じる。このような光強度分布の変化やムラは、光変調パターンとして設計しやすい面積変調型位相シフタを使用すると生じやすいことが判った。
また、図20(a),図20(b)では要素パターンは面内で同一であるが、要素パターンが面内で変化する場合も、考察により2つの光変調素子の相対位置ずれなどに応じて生成される光強度分布は変化してしまうことが分る。本明細書では、このように2つの光変調素子の相対位置ずれなどに応じて生成される光強度分布にムラや変化が生じる現象を「モアレ現象」と称している。上述の特許出願において提案した光強度分布の測定方法および測定装置では、2つの光変調素子の相対位置ずれなどに起因するモアレ現象の影響により所望の二次元的な光強度分布を生成することができなくなり、ひいては被測定光変調素子単体により形成される光強度分布を正しく測定することができなくなる。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、2つの光変調素子の相対位置ずれなどに起因するモアレ現象の影響を実質的に受けることなく、所定の平面上に形成される光強度分布を1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子により、これら光変調素子に入射する光ビームを光変調して、所定面に光強度分布を生成する光強度分布の生成方法であって、
前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
前記距離Dは、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子との間で面方向の相対位置がずれても前記所定面に生成される光強度分布に変化が生じない距離に設定されていることを特徴とする光強度分布の生成方法を提供する。
本発明の第2形態では、互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子からなる一対の光変調素子により、これら光変調素子に入射する光ビームを変調して所定面に光強度分布を生成する光強度分布の生成装置であって、
前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
前記距離Dは、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子との間で面方向の相対位置がずれても前記所定面に生成される光強度分布に変化が生じない所要の距離Dに設定されていることを特徴とする光強度分布の生成装置を提供する。
本発明の第3形態では、互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子を有する光変調素子ユニットであって、
前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
前記距離Dは、光の波長をλとし、nを0以上の整数(0,1,2,3・・・)とするとき、
D≒P2(2n+1)/2λ
の条件を満足することを特徴とする光変調素子ユニットを提供する。
本発明の第4形態では、互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子を有する光変調素子ユニットであって、
前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
前記距離Dは、前記第1光変調素子に対する光のピッチ方向に沿った入射角度の最大値をθとし、mを1以上の整数(1,2,3・・・)とするとき、
tanθ×D≒m×P/2
の条件を満足することを特徴とする光変調素子ユニットを提供する。
本発明では、第1光変調素子により第2光変調素子の変調面に生成される光分布の振幅および位相をともに実質的に均一にするために、第1光変調素子と第2光変調素子との間隔が所定の条件をほぼ満たすように設定している。その結果、2つの光変調素子の相対位置ずれなどに起因するモアレ現象の影響を実質的に受けることなく、所定の平面上に形成される光強度分布を1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定することができる。
本発明の光強度分布の生成方法を結晶化装置に適用した実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、結晶化装置の結晶化の構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の結晶化装置の照明系の内部構成を概略的に示す図である。図1および図2を参照すると、結晶化装置の結晶化の構成は、入射光ビームを位相変調して一方向に沿って変化する光強度分布を有する光ビームを形成するための、位相シフタにより形成された光変調素子1と、光変調素子1を照明するための光ビーム(すなわちレーザ光)を射出する照明系2と、結像光学系3と、被処理基板4を保持するための基板ステージ5とを備えている。
光変調素子1の構成および作用については後述する。照明系2は、図2に示すように光源2aとして、結晶化エネルギのレーザ光、たとえば308nmの波長を有する光を供給するXeClエキシマレーザ光源を備えている。この光源2aとしては、KrFエキシマレーザ光源などのような被結晶化処理体を溶融するエネルギ光線を出射する性能を有する他の適当なレーザ光源を用いることもできる。光源2aから射出されたレーザ光は、ビームエキスパンダ2bにより径が拡大された後、第1フライアイレンズ2cに入射する。
この結果、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面には複数の小光源が形成され、これらの小光源からの小光ビームは、第1コンデンサー光学系2dを介して、第2フライアイレンズ2eの入射面を重畳的に照明する。その結果、第2フライアイレンズ2eの後側焦点面には、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面よりも多くの複数の小光源が形成される。第2フライアイレンズ2eの後側焦点面に形成された小光源からの小光ビームは、第2コンデンサー光学系2fを介して、光変調素子1を重畳的に照明する。
第1フライアイレンズ2cおよび第1コンデンサー光学系2dは、第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより、光源2aから射出されたレーザ光は、光変調素子1上での入射角度に関する均一化が図られる。また、第2フライアイレンズ2eおよび第2コンデンサー光学系2fは第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより、第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザ光は、光変調素子1上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。
こうして、照明系2は、ほぼ均一な光強度の光強度分布を有するレーザ光により光変調素子1を照射する。光変調素子1で位相変調されたレーザ光は、たとえば1/5の縮小倍率を有する結像光学系3を介して、被処理基板4に入射する。ここで、光変調素子1の通過光路に設けられている結像光学系3は、光変調素子1の変調面と被処理基板4とを光学的に共役に配置している。換言すれば、結像光学系3の通過光路に設けられて結晶化処理される被処理基板4は、光変調素子1の変調面と光学的に共役な面(結像光学系3の像面)に設定されている。
結像光学系3は、図1に示すように、正レンズ群3aと正レンズ群3bとの間に開口絞り3cを備えている。開口絞り3cの開口部(光透過部)の大きさ(ひいては結像光学系3の像側開口数NA)は、被処理基板4の半導体膜の上面に所要の光強度分布を発生させるように設定されている。この結像光学系3は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
被処理基板4は、絶縁体、半導体、金属など任意の基板上に、下層絶縁膜と、非単結晶半導体膜と、上層絶縁膜とをこの順に成膜することにより構成されている。具体的には、被処理基板4は、たとえば、基板としての液晶ディスプレイ用板ガラスの上に、化学気相成長法(CVD)により下地絶縁膜、非単結晶半導体膜例えば非晶質シリコン膜および上層絶縁膜としてキャップ膜が順次形成されたものである。下地絶縁膜およびキャップ膜は、絶縁膜例えばSiO2である。下地絶縁膜は、非晶質シリコン膜とガラス基板が直接接触してNaなどの異物が非晶質シリコン膜に混入するのを防止し、非晶質シリコン膜の熱が直接ガラス基板に伝熱されるのを防止する。
非晶質シリコン膜は、結晶化される半導体膜である。キャップ膜は、非晶質シリコン膜に入射する光ビームの一部により加熱され、この加熱された温度を蓄熱する。この蓄熱効果は、光ビームの入射が遮断されたとき、非晶質シリコン膜の被照射面において高温部が相対的に急速に降温するが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる。被処理基板4は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ5上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持されている。
図3(a)は、図1に示す結晶化装置の光変調素子の位相パターンの構成を示す図であり、図3(b)は、図3(a)に示す光変調素子を用いた結晶化装置により被処理基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。光変調素子1は、X方向に並べられた多数のユニットにより構成されており、各ユニット(1dに示す範囲の単位領域)は、図3(a)に示すように、0度の基準位相値を有する基準位相領域(図中空白部で示す)1aと、90度の変調用位相値を有する矩形状の変調位相領域(図中斜線部で示す)1bとを有する。ここで、変調位相領域1bは、X方向(図中水平方向)に沿って面積を変えて所定のピッチにしたがって縦横に配置されている。
変調位相領域において、5μm×5μmの正方形状の単位セル1cに対する変調位相領域1bの占有面積率(デューティ)は、X方向に沿って(A断面に沿って)0%〜50%の間で変化している。具体的には、位相パターンの繰り返し単位領域1dの中央における変調位相領域1bの占有面積率は50%であり、繰り返し単位領域1dの両側における変調位相領域1bの占有面積率は0%であり、その間において変調位相領域1bの占有面積率が単調に変化している。なお、単位セル1cは、結像光学系3の点像分布範囲以下の寸法を有する。
このような光位相型の光変調素子(すなわち位相シフタ)1を用いると、図3(b)に示すように、結像光学系3の像面位置に配置された被処理基板4の表面上には、A断面方向に対応する一方向に沿って変化するV字状の光強度分布が形成される。すなわち、変調位相領域1bの占有面積率が50%であるA断面位置に対応して光強度が最も小さく、変調位相領域1bの占有面積率が0%であるA断面位置に対応して光強度が最も大きいV字状の光強度分布が形成される。図3(b)には、A断面方向に沿って連成される複数のV字状光強度分布のうち、位相パターンの繰り返し単位領域1dに対応する1つのV字状の光強度分布だけを中央に示している。
この結晶化装置では、被処理基板4上の光照射領域内においてV字状の光強度分布に応じて溶融領域に温度勾配が生じ、光強度が最も低い領域またはその近傍の領域において、最初に凝固する部分または溶融しない部分に結晶核が形成される。そして、V字状の光強度分布の光強度が変化する方向に沿って結晶核から周囲に向かって結晶が横方向に成長することにより、大粒径の結晶粒が生成される。前述したように、結晶粒(結晶化領域)の大粒径化、結晶粒の大きさの均一化および位置制御のためには、被処理基板4の非晶質シリコン膜に照射される光強度分布を正確に測定し、光変調素子1の作用により所望の光強度分布が実際に非晶質シリコン膜上に形成されていることを確認することが重要である。
そこで、本実施形態の結晶化装置では、光変調素子1の入射光路又は出射光路に、例えば図4に実線で示すように光変調素子1の光源2a側(もしくは点線で示すように結像光学系3側)に近接して第2光変調素子すなわち可視化マスク11を配置し、被処理基板4に代えて試料基板12を基板ステージ5上に載置する。上記第1光変調素子1と第2光変調素子11とは、後で詳述する距離Dだけ離間されて、一体的に構成され、即ちユニットにされて配置されても、互いに別々となるように分離されて配置されても良い。本実施形態の測定方法は、このような光学系で、光源2aからシングルショットのレーザ光を出射させ、可視化マスク11および光変調素子1により結像光学系3の像面に形成される合成光強度分布を試料基板12上に結像させ、この試料基板12の状態変化(物性変化)から光変調素子1のみによって形成される光強度分布を可視化する。
ここで、可視化マスク11は、入射光ビームを振幅変調して一方向に単調に変化する光強度分布を有する光ビームを形成するための光振幅型の光変調素子であって、第1光変調素子1のパターン面と可視化マスク(第2光変調素子)11のパターン面とが平行に対面するように配置されている。さらに、光変調素子(被測定光変調素子)1と可視化マスク(測定用光変調素子)11とは、光変調素子1によって形成される光強度分布の変化する方向と可視化マスク11によって形成される光強度分布の変化する方向とが直交するように位置決めされている。
試料基板12は、入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材すなわち物性変化膜を有する。この物性変化部材としては、被結晶化膜である非晶質シリコン膜、蛍光体、のみならず、他の材料(例えば、フォトレジスト)の物理的性質あるいは化学的性質の変化を利用することもできる。また、物性変化部材としては、入射光の強度に応じてサブミクロンオーダの解像度で物性が可視光域に変化する部材が望ましい。
図5(a)は、図4に示す装置の可視化マスクのパターンの構成を示す図であり、図5(b)は、図5(a)に示す可視化マスクを用いて試料基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。可視化マスク11の各ユニット(単位領域)は、図5(a)に示すように、光の透過率がほぼ1である光透過領域(図中空白部で示す)11aと、光の透過率がほぼ0である矩形の遮光領域(図中黒色部で示す)11bとを有する。ここで、遮光領域11bは、たとえば石英ガラス基板上にアルミニウムやクロムなどからなる遮光膜を形成することにより構成され、Y方向(図中水平方向)に沿って面積を変えて所定のピッチにしたがって縦横に配置されている。
5μm×5μmの正方形状の単位セル11cに対する遮光領域11bの占有面積率(デューティ)は、Y方向に沿って(B断面に沿って)単調に変化している。単位セル11cは、結像光学系3の点像分布範囲以下の寸法を有する。第1光変調素子1を用いることなく可視化マスク11だけを用いると、図5(b)に示すように、結像光学系3の像面位置に設定された試料基板12の表面上(上面)には、B断面方向に対応する一方向に沿って単調に変化する光強度分布が形成される。
本実施形態では、光変調素子1の作用により試料基板12の表面上に形成されるV字状の光強度分布の変化方向(X方向)と、可視化マスク11の作用により試料基板12の表面上に形成される光強度分布の変化方向(Y方向)とが互いに直交するように、光変調素子1と可視化マスク11とが配置されている。可視化マスク11の設計の一例として、可視化マスク11の作用により試料基板12の表面上に形成される光強度分布g(y)がg(y)=α/yで表されるように可視化マスク11は構成されている。ここで、αは、光強度の分布形状を決定する既知の係数である。
したがって、図6(a)に示すように、第1光変調素子1の作用により試料基板12の表面上に形成されるV字状の光強度分布f(x)と、図6(b)に示すように、可視化マスク11の作用により試料基板12の表面上に形成される光強度分布g(y)=α/yとの、図6(c)に示す合成光強度分布I(x,y)は、次の式(1)により表される。
I(x,y)=f(x)×g(y)
=α・f(x)/y (1)
試料基板12は、光強度分布を測定したり、監視したり、管理したりする際に使用する基板であり、厚さが、例えば50nmの非晶質シリコン膜(a−Si膜)が表面に形成されている。この場合、試料基板12上の非晶質シリコン膜は、合成光強度分布I(x,y)を有する光ビームの照射を受けて、その物性が変化する。具体的に、試料基板12上の被照射領域12aのうち、閾値強度Ic以上の光強度を有する光ビームの照射を受けた領域12apは非晶質シリコンが溶融し、入射光が無くなった後の再結晶化の過程を経て多結晶シリコンに変化し、多結晶シリコン膜が形成される。一方、閾値強度Ic未満の光強度を有する光ビームの照射を受けた領域12aaは非晶質シリコン膜の状態に留まる。
ここで、非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に物性変化した領域12apと非晶質シリコン膜の状態に留まった領域12aaとの境界線12acは、閾値強度Icを有する光ビームの照射を受けた線領域であることが理解できよう。換言すれば、境界線12acにおいて次の式(2)に示す関係が成立し、式(2)を変形して次の式(3)に示す関係が得られる。
I(x,y)=α・f(x)/y=Ic (2)
y={α/Ic}f(x) (3)
式(3)を参照すると、α(例えば、20mJ/cm2)および非晶質シリコン膜の閾値強度Icが既知の定数であるから、第1光変調素子1の作用により試料基板12の表面上に形成されるV字状の光強度分布f(x)のx方向に沿った一次元の変化が、可視化マスク11の作用により、試料基板12上の被照射領域12aにおける物性変化領域12apと物性不変領域12aaとの境界線12acという二次元情報に可視化されることがわかる。こうして、試料基板12上の非晶質シリコン膜の方形状被照射領域12a中の境界線12acを、図4に示す光学顕微鏡などの撮像装置14により撮像(観察)することにより、撮像した境界線12acに関する情報に基づいて、光変調素子1の作用により被処理基板4の表面上に形成されるV字状の光強度分布が可視化される。
以上のように、本実施形態の測定方法では、光変調素子1の作用により形成されるV字状の光強度分布f(x)の変化が、可視化マスク11の作用により試料基板12上の境界線12acという二次元情報に可視化される。その結果、光変調素子1の作用により被処理基板4の表面(所定の平面)上に形成されるV字状の光強度分布を、1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定することができる。
ここで、二次元的で微細な位相パターンを有する光変調素子1と二次元配列的で微細な明暗パターンを有する可視化マスク11とを、パターン面に沿って二次元的に正確に相対位置決めすることは極めて困難である。前述したように、被測定光変調素子としての第1光変調素子1と測定用光変調素子としての可視化マスク11とが正確に相対位置決めされない場合、2つの光変調素子1,11の相対位置ずれに起因するモアレ現象の影響により、試料基板12上に所望の二次元的な光強度分布を生成することができなくなり、ひいては光変調素子1のみにより形成される光強度分布を正しく測定することができなくなる。
以下、2つの光変調素子、すなわち第1光変調素子と第2光変調素子との相対位置ずれなどに起因するモアレ現象の発生を解消する基本的な考え方について説明する。第1光変調素子により第2光変調素子の変調面に生成される光分布(以下、「第二面光分布」と呼ぶ)において振幅および位相がともに変調単位(具体的には単位セル)内で実質的に均一になれば、第1光変調素子に対する第2光変調素子の面方向(XY方向)の相対位置が変化してもモアレ現象は生じない。本発明者らは、第1光変調素子と第2光変調素子との間の距離すなわち間隔を所定の値に設定することにより、第二面光分布を変調単位内でほぼ均一にし、ひいてはモアレ現象の発生を実質的に解消できることを以下に説明するように見出した。
図7(a)を参照すると、本実施形態に対応するように、第1光変調素子(光変調素子1に対応)22から間隔を隔てて配置された第2光変調素子(可視化マスク11に対応)21に対して、複数の小点光源(第2フライアイレンズ2eの後側焦点面に形成される複数の光源に対応)23aの集合として表される光源23から照明光(実質的に散乱光)が照射される。まず、1つの光源点23aからの照明光(平行光と考えられる)による第二面光分布を考える。この第二面光分布は、第2光変調素子21の各基本単位21aを透過した光のフレネル回折として表される。以下、光源側から順に第2光変調素子21および第1光変調素子22が配置された場合について説明するが、第1光変調素子22が基本単位の繰り返しからなるパターンの場合にはこの逆も同様である。
次に、複数の小光源点23aからの照明光による第二面光分布を考える。小点光源23aの各々からの寄与を考えると、小光源点23aによる第二面光分布は、図7(b)に示すように、各小光源点23aからの照明光による第二面光分布を第1光変調素子22の変調面内で平行移動させて強度的に足し合わせることにより求められる。第1光変調素子22を第2光変調素子21から光路に沿って(Z方向)離すことにより、その間隔に応じて第二面光分布は変化し、互いに密着した状態からある程度離すに従って第二面光分布が均一化する方向に変化することが予想される。
以下、モアレ効果を数値的に求める。この計算は本発明の原理を理解するために重要である。まず、図8(a)に示すように、第2光変調素子21の1つの基本単位21aを取り出し、この基本単位21aに垂直入射する平行光ビームによる第二面光分布24aを考える。この第二面光分布24aは、振幅と位相とからなる複素振幅分布である。次に、光源23の全体の寄与、すなわち光源23を構成する複数の小点光源23aの寄与を考える。図8(b)に示すように、第2光変調素子21の基本単位21aに斜め入射する光線による第二面光分布24bは、斜め入射角度および第2光変調素子21と第1光変調素子22との間隔(離間距離)により決定される量だけ、垂直入射による第二面光分布24aを面内シフトしたものである。
次に、図8(c)に示すように、第1光変調素子22の変調面における1つの基本単位22aを透過し、且つ結像光学系3を「通過」する光の強度を求める。上述したように、第1光変調素子22の基本単位22aは、結像光学系3の解像度よりも小さい。この場合、結像光学系3を透過するのは0次光のみとなり、この0次光強度は、第1光変調素子22の変調面(第二面)における複素振幅をUiとし、第1光変調素子22の複素透過率をTiとすると、下式(4)で表される。式(4)において、iは小点光源23aの番号であり、xおよびyは第1光変調素子22の変調面上の直交座標である。
Figure 2006253660
この0次光強度すなわち像面上の強度を第1光変調素子22の基本単位22aの位置に対してプロットして得られた図8(d)に示すマップ25を、「モアレマップ」と呼ぶ。モアレマップ25の中央位置25aにおける光強度は、第2光変調素子21の基本単位21aと第1光変調素子22の基本単位22aとが相対的に正しく位置決めされた状態における光強度に対応している。また、モアレマップ25の左右両側位置(光強度等高線で示す)25bにおける光強度は、第2光変調素子21の基本単位21aと第1光変調素子22の基本単位22aとが左右に半ピッチ分だけ相対的に位置ずれした状態における光強度に対応している。
また、モアレマップ25の上下両側位置(光強度等高線で示す)25cにおける光強度は、第2光変調素子21の基本単位21aと第1光変調素子22の基本単位22aとが上下に半ピッチ分だけ相対的に位置ずれした状態における光強度に対応している。モアレ現象が発生しない場合、このモアレマップの分布は全体に亘って均一になるはずである。すなわち、モアレマップの強度分布がモアレの程度を表すことになる。ここで、強度分布は、光強度の最小値/最大値で定義される。
以下の具体的な条件にしたがって、モアレ効果を計算した。この数値例では、簡単のために、第2光変調素子21および第1光変調素子22は、これらの基本単位21a,22aがともに開口率25%の正方形開口を有する振幅変調型である場合、および開口率50%の正方形開口を有する振幅変調型である場合を想定した。開口率25%の正方形開口の振幅変調型である場合、図9(a)に示すように、第2光変調素子21の基本単位21aおよび第1光変調素子22の基本単位22aは、一辺が5μmのピッチに等しい正方形状の遮光領域と、その遮光領域の中心に形成された一辺が2.5μmの正方形状の透過領域(開口)とにより構成されている。
開口率50%の正方形開口の振幅変調型である場合、図9(b)に示すように、第2光変調素子21の基本単位21aおよび第1光変調素子22の基本単位22aは、一辺が5μmのピッチに等しい正方形状の遮光領域と、その遮光領域の中心に形成された一辺が約3.54μmの正方形状の透過領域(開口)とにより構成されている。また、この数値例では、結像光学系3の結像倍率が1/5であり、その像側開口数が0.15であると想定している。さらに、光源23は308nmの波長を有する光を供給するXeClエキシマレーザ光源であり、7×7の点光源23aの縦横配列を有し、各点光源の照明のコヒーレンスファクター(σ値)が0.52であると想定している。
図10は、この数値例における第1光変調素子と第2光変調素子との間隔(μm)とモアレマップの強度分布との関係を示す図である。ここで、強度分布は、上述したように、光強度の最小値/最大値で定義されている。すなわち、縦軸の値が1に近いほど、モアレ効果が小さいこと(モアレ現象の発生が抑えられていること)を表している。図10を参照すると、第2光変調素子21および第1光変調素子22がともに開口率25%の場合においても開口率50%の場合においても、第2光変調素子21と第1光変調素子22との間隔が、矢印で示すように、約200μmおよび約400μmのときにモアレ現象の発生が実質的に解消されることが分る。また、約40μmの間隔で、強度分布に小さなピークが現れることが分る。以下、モアレ現象の発生が実質的に解消される(モアレが除去される)条件について、「フーリエイメージによる効果」および「照明光によるシフト効果」に着目して説明する。
A フーリエイメージによる効果
まず、図11に示すように、同じ基本単位が無限に繰り返されるパターンからなる第2光変調素子21の1つの基本単位21aに矢印で示すように、一本の平行光ビームが入射したときに、光の進行方向に沿って基本単位21aから所定距離だけ離れた位置において発生する光分布を考える。このような無限周期パターンによるフレネル回折では、「フーリエイメージ」または「タルボット効果」と呼ばれる特殊な現象が現れる。すなわち、下式(5)で表される一定の距離Lt毎に、物体としての基本単位21aの複素振幅と同じ分布が出現する。式(5)において、Pは基本単位21aのピッチ(数値例では5μm)であり、λは光の波長(数値例では308nm)である。
Lt=P2/λ (5)
図11を参照すると、基本単位21aから距離Ltの奇数倍だけ離れた位置には、(c)に示すように、基本単位21aのパターンが半ピッチ分ずれたパターンに対応するように振幅が偏在した光分布が発生する。一方、基本単位21aから距離Ltの偶数倍だけ離れた位置には、(a)並びに(e)に示すように、基本単位21aのパターンに対応するように振幅が偏在した光分布が発生する。以上のことは、参考として組入れられる例えば「鶴田著、応用光学I、178頁および179頁、培風館」に詳細に記載されている。そして、基本単位21aから距離Lt毎の位置の中間位置における光分布では、振幅が比較的均一化されるという性質を有する。
図12は、第1光変調素子と第2光変調素子との間隔とモアレマップの強度分布との関係を示す図10にフーリエイメージの効果を書き加えた図である。図12を参照すると、フーリエイメージによる効果の観点から、モアレマップの強度分布を1に近付けて振幅を比較的均一化し、ひいてはモアレ効果を小さく抑える(モアレ現象の発生を小さく抑える)には、第2光変調素子21と第1光変調素子22との間隔Dが、次の条件式(6)を満たすことが望ましい。
D=P2(2n+1)/2λ (n=0,1,2,・・・) (6)
B 照明光によるシフト効果
図13(a)に示す第2光変調素子21の基本単位21aおよび第1光変調素子22の基本単位22aは一辺が5μmのピッチPに等しい正方形状であり、7×7の形態(図13では簡単のために5×5の形態を示す)に縦横配列された点光源23aからなる等価光源23も同じく正方形状の外形を有するものとする。この場合、正方形状の等価光源23の最も外側(厳密には正方形の一辺の中央点にある点光源23c)から基本単位21aへの光線の入射角をθとすると、その光線が基本単位21aへ入射する位置と基本単位22aへ入射する位置との距離すなわちシフト量はtanθ×Dで表される(図13(b)は、基本単位22a上のシフト量を示す)。
図14は、第1光変調素子と第2光変調素子との間隔とモアレマップの強度分布との関係を示す図10に照明光によるシフト効果を書き加えた図である。図14を参照すると、第2光変調素子21の基本単位21a上の中心点に様々な角度で光線群が入射するが、第2光変調素子21と第1光変調素子22との間隔Dが0である場合、(a)に示すように、上記光線群は、第1光変調素子22の基本単位22a上の1つの点に達する。間隔Dが0から100μmに増大すると、照明光によるシフト効果により、上記光線群は、基本単位22a上の同心正方形状の小さな領域内で均一に分布する複数点に達する((b)に示す)。
次に、間隔Dが100μmから200μmに増大すると、上記光線群は、基本単位22aの全体に亘って均一に分布する複数点に達する((c)に示す)。また、間隔Dが200μmから300μmに増大すると、上記光線群は、基本単位22aの全体に亘って不均一に分布する複数点に達する((d)に示す)。さらに、間隔Dが300μmから400μmに増大すると、換言すれば間隔Dが200μmの2倍の400μmになると、上記光線群は、再び基本単位22aの全体に亘って均一に分布する複数点に達する((e)に示す)。
このように、上記光線群が基本単位22aの全体に亘って均一に分布する複数点に達する状態、すなわち第2光変調素子21と第1光変調素子22との間隔Dが200μmまたは400μmに設定されたとき、モアレ効果が最小になることが予想される。間隔Dが200μmまたは400μmに設定されたときにモアレマップの強度分布が1に最も近づいており、上記予想の正しさを示している。
すなわち、照明光によるシフト効果の観点から、モアレ効果を小さく抑える(モアレ現象の発生を小さく抑える)には、第2光変調素子21と第1光変調素子22との間隔Dが、次の条件式(7)を満たすことが望ましい。図14に示すように、間隔Dが200μmに設定された状態は、式(7)においてm=1の状態に対応し、間隔Dが400μmに設定された状態は式(7)においてm=2の状態に対応している。
tanθ×D=m×P/2 (m=1,2,3,・・・) (7)
こうして、フーリエイメージによる効果の観点から導かれた条件式(6)および照明光によるシフト効果の観点から導かれた条件式(7)の双方が同時に満たされるとき、モアレ効果を小さく最も抑えることができるものと考えられる。すなわち、モアレ効果を小さく最も抑える(モアレ現象の発生を最も小さく抑える)には、次の条件式(8)を満たすことが望ましい。
P≒m×λ/{(2n+1)tanθ} (8)
上述の数値例では、結像光学系3の結像倍率が1/5であり、その像側開口数が0.15であるため、結像光学系3の物体側開口数は0.15/5である。また、照明のコヒーレンスファクター(σ値)が0.52であることから、照明光ビームの開口数は0.52×0.15/5である。上述したように、θは等価光源23の正方形状の外形の一辺の中央点から基本単位21aへの光線の入射角であるから、次の式(9)により求まる。
tanθ=0.52×0.15/5/√2=0.011 (9)
一方、光の波長λは308nmであるから、n=2,m=1とすると、条件式(8)を満たすピッチはP=5.6μmである。これは数値例で用いたピッチP=5μmにほぼ等しく、数値例では条件式(8)がほぼ満足されていたことが分る。
以上の知見に基づき、図4に示す本実施形態では、第2光変調素子としての可視化マスク11により第1光変調素子としての光変調素子1の変調面に生成される光分布の振幅および位相をともに実質的に均一にするために、光変調素子1と可視化マスク11との間隔が条件式(6)または(7)をほぼ満たすように設定している。その結果、光変調素子1と可視化マスク11との平面方向の相対位置ずれなどに起因するモアレ現象の影響を実質的に受けることなく、光変調素子1の作用により被処理基板4の表面(所定の平面)上に形成されるV字状の光強度分布を、1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定することができる。以上の説明において、光変調素子1も基本単位の繰り返しからなるパターンとしているが、それ以外のパターン、例えば単純な位相段差でもよい。ただし、その場合には、光変調素子1が結像光学系側に配置されることが必須である。
以下、具体的な実施例に基づいて、本実施形態の効果を検証する。実施例および比較例では、光源2aとして248nmの波長を有する光ビームを供給するKrFエキシマレーザ光源を用い、結像光学系3として結像倍率が1/5で像側開口数が0.13のものを用い、試料基板12として50nmの厚さの非晶質シリコン膜をベース基板例えばガラス基板上に形成したものを用いた。また、照明のコヒーレンスファクター(σ値)は0.5である。
第1比較例では、図15(a)に示すように、可視化マスク11の遮光部の間に光変調素子1の位相変調部を位置させて光変調素子1と可視化マスク11とを密着させた。このとき、第1比較例において試料基板12上で得られる光強度分布を、図15(b)に等高線で示す。第2比較例では、図16(a)に示すように、可視化マスク11の遮光部と光変調素子1の位相変調部とを重ねて光変調素子1と可視化マスク11とを密着させた。このとき、第2比較例において試料基板12上で得られる光強度分布を、図16(b)に等高線で示す。
図15(b)および図16(b)を参照すると、第1比較例と第2比較例とでは試料基板12上で得られる光強度分布が大きく異なることがわかる。また、いずれの比較例においても、試料基板12上で得られる光強度分布の等高線が、光変調素子1単体により被処理基板4の表面上に形成されるV字状の光強度分布(図3(b)を参照)と一致していないことがわかる。
これに対し、本実施例では、フーリエイメージによる効果の観点から導かれた条件式(6)および照明光によるシフト効果の観点から導かれた条件式(7)の双方をほぼ満たすように、光変調素子1と可視化マスク11との間隔Dを260μmに設定した。この実施例において試料基板12上で得られる光強度分布を図17に等高線で示す。図17を参照すると、実施例において試料基板12上で得られる光強度分布の等高線が、光変調素子1単体により被処理基板4の表面上に形成されるV字状の光強度分布(図3(b)を参照)とほぼ一致していることがわかる。
実施例では、上述の条件にしたがって、結像光学系3の結像面に配置した試料基板12のa−Si層(アモルファスSi層)に光を照射した。ポリSiに変化したp−Si領域とアモルファスSiのまま残ったa−Si領域との境界を光学顕微鏡により観察したところ、図17の光強度分布の等高線が光変調素子1単体により被処理基板4の表面上に形成されるV字状の光強度分布とほぼ一致することを確認した。また、図17の光強度分布が2つの光変調素子1,11の相対位置関係に依存しないことを確認した。すなわち、実施例では、モアレ現象は生じなかった。
上述の説明では、非単結晶半導体膜に所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置における光強度分布の測定に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、所定面に光強度分布を生成する光強度分布の生成装置および生成方法における光強度分布の測定に対して本発明を適用したり、一対の光変調素子を介して所定面に光強度分布を生成する光強度分布の生成装置および生成方法に対して本発明を適用したりすることもできる。
具体的に、結晶化装置において、互いに直交する方向に沿って一次元的に変化する光強度分布を形成する一対の光変調素子を用いて、二次元的に変化する光強度分布を被処理基板上に生成することができる。この場合、二次元的に変化する光強度分布を形成する1つの光変調素子の加工が難しくても、一次元的に変化する光強度分布を形成する一対の光変調素子をそれぞれ加工することは容易である。また、複数の光変調素子を用意しておき、その中から二枚の光変調素子を組み合わせることにより、組み合わせに応じて多様なパターンの二次元光強度分布を生成することができる。
さらに、上記実施形態では、光変調素子1の光強度分布を確認又は測定する際、被処理基板4に代えて試料基板12を結晶化光路の設けて光強度分布を確認又は測定する例について説明したが、結晶化工程の開始前、結晶化工程中、結晶化工程後など所望するとき、結晶化光路に可視化マスク11を設け、被処理基板4の予め定められたテスト位置に結晶化用レーザ光又はテスト用レーザ光を照射して当該レーザ光の光強度分布を確認又は測定してもよい。この実施形態でのレーザ光の光強度分布の確認又は測定は、非晶質シリコン膜の表面に形成されている上層絶縁膜(キャップ膜)が透明であるからこの膜を介して確認又は測定することができる。
次に、図18(a)乃至図18(e)を参照して、本実施形態の結晶化装置を用いて結晶化された領域に電子デバイスを作製する方法を説明する。図18(a)に示すように、絶縁基板80(例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなどにより形成されている)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNと膜厚100nmのSiO2との積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなどの膜)およびキャップ膜82a(例えば、膜厚30nm〜300nmのSiO2膜など)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜した被処理基板5を準備する。そして、本実施形態にしたがう結晶化装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の予め定められた領域に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
こうして、図18(b)に示すように、非晶質半導体膜82に大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を生成する。次に、キャップ膜82aをエッチングにより除去した後、図18(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を例えば膜トランジスタを形成するための領域となる島状の半導体膜85に加工し、表面にゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO2膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図18(d)に示すように、ゲート絶縁膜上の一部にゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)を半導体膜85中にイオン注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、450°Cで1時間)を行い、不純物を活性化して島状の半導体膜85中にソース領域91、ドレイン領域92を、チャンネル領域90の両側に形成する。次に、図18(e)に示すように、全体をカバーする層間絶縁膜89を成膜し、この層間絶縁膜89並びにゲート絶縁膜86にコンタクト穴をあけ、ソース領域91およびドレイン領域92に夫々接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
以上の工程において、図18(a)および(b)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶(1もしくは複数の結晶粒)の平面方向の位置に合わせて、ゲート電極87を形成することにより、チャネル90をゲート電極87の下に形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体に膜トランジスタ(TFT)を形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶表示装置(ディスプレイ)やEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
本発明の一実施形態にかかる光強度分布の生成方法を説明するための結晶化装置の構成を概略的に示す図である。 図1に示す結晶化装置の照明系の内部構成を概略的に示す図である。 (a)は、図1に示す結晶化装置の光変調素子の位相パターンの構成を示す図であり、(b)は、(a)に示す光変調素子を用いた結晶化装置により被処理基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態の光強度分布の生成方法に関連した測定方法を実施する装置を概略的に示す図である。 (a)は、図4に示す装置の可視化マスクのパターンの構成を示す図であり、(b)は、(a)に示す可視化マスクを用いて試料基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。 (a)乃至(c)は、図4に示す装置の光変調素子と可視化マスクとにより試料基板の表面上に合成光強度分布が形成される様子を示す図である。 (a)および(b)は、第1光変調素子と第2光変調素子との相対位置ずれに起因するモアレ現象の発生を解消する基本的な考え方を説明するための図である。 (a)乃至(d)は、モアレ効果の計算および計算により得られるモレアマップを説明するための図である。 (a)および(b)は、数値例における第1光変調素子および第2光変調素子の基本単位の構成を概略的に示す図である。 数値例における第1光変調素子と第2光変調素子との間隔(μm)とモアレマップの強度分布との関係を示す図である。 同じ基本単位が無限に繰り返されるパターンからなる第1光変調素子の1つの基本単位に一本の平行光が入射したときに発生する光分布を模式的に示す図である。 第1光変調素子と第2光変調素子との間隔とモアレマップの強度分布との関係を示す図10にフーリエイメージの効果を書き加えた図である (a)および(b)は、照明光によるシフト効果の基本事項を説明する図である。 第1光変調素子と第2光変調素子との間隔とモアレマップの強度分布との関係を示す図10に照明光によるシフト効果を書き加えた図である。 (a)は、第1比較例として、可視化マスクの遮光部の間に光変調素子の位相変調部を位置させて光変調素子と可視化マスクとを密着させたユニットを示す図であり、(b)は、このユニットを使用して、試料基板上で得られる光強度分布を等高線で示す図である。 (a)は、第2比較例として、可視化マスクの遮光部と光変調素子の位相変調部とを重ねて光変調素子と可視化マスクとを密着させたユニットを示す図であり、(b)は、このユニットを使用して、試料基板上で得られる光強度分布を等高線で示す図である。 本発明の一実施例において光変調素子と可視化マスクとの間隔Dを所定の値に設定したときに試料基板上で得られる光強度分布を等高線で示す図である。 (a)乃至(e)は、本実施形態の光強度分布の生成方法を実施する結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。 (a)および(b)は、異なる一次元的なパターンを有する光変調素子を夫々示す図であり、(c)は、これらパターンを重ね合わせたパターンを示す図である。 (a)および(b)は、異なる二次元的なパターンを有する光変調素子を夫々示す図であり、(c)および(d)は、これらパターンを異なる状態で重ね合わせたパターンを示す図である。
符号の説明
1 光変調素子
2 照明系
2a 光源
2b ビームエキスパンダ
2c,2e フライアイレンズ
2d,2f コンデンサー光学系
3 結像光学系
3c 開口絞り
4 被処理基板
5 基板ステージ
11 可視化マスク
12 試料基板

Claims (24)

  1. 互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子により、これら光変調素子に入射する光ビームを光変調して、所定面に光強度分布を生成する光強度分布の生成方法であって、
    前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
    前記距離Dは、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子との間で面方向の相対位置がずれても前記所定面に生成される光強度分布に変化が生じない距離に設定されていることを特徴とする光強度分布の生成方法。
  2. 前記距離Dは、光ビームの波長をλとし、nを0以上の整数(0,1,2,3・・・)とするとき、
    D≒P2(2n+1)/2λ
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光強度分布の生成方法。
  3. 前記距離Dは、前記第1光変調素子に対する前記光ビームのピッチ方向に沿った入射角度の最大値をθとし、mを1以上の整数(1,2,3・・・)とするとき、
    tanθ×D≒m×P/2
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光強度分布の生成方法。
  4. 前記第1光変調素子および前記第2光変調素子からの前記光ビームを、結像光学系を介して前記所定面に結像させることを特徴とする請求項1に記載の光強度分布の生成方法。
  5. 前記第1光変調素子の基本単位のピッチPは、前記結像光学系の点像分布範囲よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の光強度分布の生成方法。
  6. 前記第2光変調素子は、所定のピッチを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有することを特徴とする請求項1に記載の光強度分布の生成方法。
  7. 前記第2光変調素子の基本単位のピッチは、前記結像光学系の点像分布範囲よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の光強度分布の生成方法。
  8. 前記第1光変調素子により前記所定面に形成されて互いに直交する方向に沿って一次元的に変化する第1の光強度分布と、前記第2光変調素子により前記所定面に形成される第2の光強度分布との合成光強度分布である前記光強度分布を、前記所定面に設定されて入射光ビームの強度に応じて物性が変化する物性変化部材に形成し、該物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布または前記第2の光強度分布を測定することを特徴とする請求項1に記載の光強度分布の生成方法。
  9. 前記物性変化部材は、前記光強度分布の入射により多結晶シリコン膜に物性変化する非晶質シリコン膜を有することを特徴とする請求項8に記載の光強度分布の生成方法。
  10. 前記物性変化部材の、非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に物性変化した領域と非晶質シリコン膜に留まった領域との境界線を撮像し、撮像した前記境界線の情報に基づいて前記第1の光強度分布または前記第2の光強度分布を測定することを特徴とする請求項9に記載の光強度分布の生成方法。
  11. 前記第1光変調素子により生成される第1の光強度分布と前記第2光変調素子により生成される第2の光強度分布との合成光強度分布である前記光強度分布を前記所定面に配置された非単結晶半導体膜に照射して結晶化することを特徴とする請求項1に記載の光強度分布の生成方法。
  12. 互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子からなる一対の光変調素子により、これら光変調素子に入射する光ビームを変調して所定面に光強度分布を生成する光強度分布の生成装置であって、
    前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
    前記距離Dは、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子との間で面方向の相対位置がずれても前記所定面に生成される光強度分布に変化が生じない所要の距離Dに設定されていることを特徴とする光強度分布の生成装置。
  13. 前記距離Dは、前記光ビームの波長をλとし、nを0以上の整数(0,1,2,3・・・)とするとき、
    D≒P2(2n+1)/2λ
    の条件を満足することを特徴とする請求項12に記載の光強度分布の生成装置。
  14. 前記距離Dは、前記第1光変調素子に対する前記光ビームのピッチ方向に沿った入射角度の最大値をθとし、mを1以上の整数(1,2,3・・・)とするとき、
    tanθ×D≒m×P/2
    の条件を満足することを特徴とする請求項12に記載の光強度分布の生成装置。
  15. 前記第1光変調素子および前記第2光変調素子からの前記光ビームを前記所定面に結像させるための結像光学系をさらに備えていることを特徴とする請求項12に記載の光強度分布の生成装置。
  16. 前記第1光変調素子の基本単位のピッチPは、前記結像光学系の点像分布範囲よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の光強度分布の生成装置。
  17. 前記第2光変調素子は、所定のピッチを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有することを特徴とする請求項12に記載の光強度分布の生成装置。
  18. 前記第2光変調素子の基本単位のピッチは、前記結像光学系の点像分布範囲よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の光強度分布の生成装置。
  19. 前記所定面に設定されて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材を支持するメンバーをさらに備え、
    前記第1光変調素子により前記所定面に形成されて互いに直交する方向に沿って一次元的に変化する第1の光強度分布と、前記第2光変調素子により前記所定面に形成される第2の光強度分布との合成光強度分布である前記光強度分布を前記物性変化部材に形成し、該物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布または前記第2の光強度分布を測定することを特徴とする請求項12に記載の光強度分布の生成装置。
  20. 前記物性変化部材は、非晶質シリコン膜であることを特徴とする請求項19に記載の光強度分布の生成装置。
  21. 前記物性変化部材上おいて非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に変化した領域と非晶質シリコン膜に留まった領域との境界線を撮像し、撮像した前記境界線の情報に基づいて前記第1の光強度分布または前記第2の光強度分布を測定することを特徴とする請求項20に記載の光強度分布の生成装置。
  22. 前記所定面に設定された非単結晶半導体膜を有する被処理体と、該被処理体を支持する支持手段とをさらに備え、
    前記第1の光強度分布と前記第2の光強度分布との前記合成光強度分布を前記非単結晶半導体膜に照射して結晶化することを特徴とする請求項12に記載の光強度分布の生成装置。
  23. 互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子を有する光変調素子ユニットであって、
    前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
    前記距離Dは、光の波長をλとし、nを0以上の整数(0,1,2,3・・・)とするとき、
    D≒P2(2n+1)/2λ
    の条件を満足することを特徴とする光変調素子ユニット。
  24. 互いに所定距離D離間して平行に対面するように配置された第1光変調素子および第2光変調素子を有する光変調素子ユニットであって、
    前記第1光変調素子は、所定のピッチPを有する基本単位の繰り返しからなるパターンを有し、
    前記距離Dは、前記第1光変調素子に対する光のピッチ方向に沿った入射角度の最大値をθとし、mを1以上の整数(1,2,3・・・)とするとき、
    tanθ×D≒m×P/2
    の条件を満足することを特徴とする光変調素子ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019044303A1 (ja) * 2017-08-31 2019-03-07 株式会社ブイ・テクノロジー レーザアニール装置及びレーザアニール方法

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