JP2006165176A - 光強度分布の測定方法、測定装置、光強度分布の可視化方法、光強度分布の可視化装置、結晶化装置および結晶化方法 - Google Patents

光強度分布の測定方法、測定装置、光強度分布の可視化方法、光強度分布の可視化装置、結晶化装置および結晶化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 所定の平面上に形成される光強度分布を、1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定する。
【解決手段】 光変調素子(1)により結像光学系(3)の像面またはその近傍の所定の平面に第1方向に沿って変化する第1光強度分布を測定する測定方法。可視化シフタ(11)により所定の平面において第1方向と直交する第2方向に沿って単調に変化する第2光強度分布を形成し、第2光強度分布と第1光強度分布との合成光強度分布を、所定の平面に設定されて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材(12)上に形成する。そして、物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて第1光強度分布を測定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、光強度分布の測定方法、測定装置、光強度分布の可視化方法、光強度分布の可視化装置、結晶化装置および結晶化方法に関し、特に結晶化装置のような光照射装置において所定の平面に形成される光強度分布の可視化およびその測定に関するものである。
近年、レーザ光を用いて、鉄、非鉄金属、セラミックス、プラスチックス、木材、布、紙、複合材などのような各種材料を対象に、自由曲線切断、穴あけ、溶接、表面処理、微細加工などの多岐にわたる加工を行う技術が開発されている。ここで、材料の表面にエネルギ密度の比較的低いレーザ光を照射して表層部のみを加熱し、その加熱部分を改質するのが表面処理加工である。表面処理加工には、表層部を固体の状態で処理する場合と、表層部を溶融させて処理する場合とがある。
アクティブマトリックス型液晶表示装置や有機EL表示装置などのような表示装置では、表示のための各画素を個別に駆動するために、ガラスやプラスチック等の絶縁基板上に多数の薄膜トランジスタ(Thin-Film-Transistor:以下、「TFT」という)が形成されている。このTFTのソース、ドレイン、チャネル領域が形成される非晶質シリコン(amorphous-Silicon:以下、「a−Si」という)膜は、形成温度が低く、気相法で比較的容易に形成することが可能であり、量産性にも富むため、TFTに用いる半導体薄膜として一般的に用いられている。
しかしながら、非晶質シリコン膜は、導電率等の物性が多結晶シリコン(poly-Silicon:以下、「p−Si」という)膜に比べて劣る(a−Siの移動度はp−Siの移動度に比べて2桁以上低い)という欠点がある。このため、TFTの動作速度を高速化するために、多結晶シリコン膜にTFTのソース、ドレイン、チャネル領域を形成する技術、例えばエキシマレーザを用いたアニール法(Excimer Laser Annealing;以下、「ELA法」という)が用いられている。このELA法は、汎用ガラス基板が使用可能な温度範囲、すなわち室温から500°C程度までの温度範囲で実施することができる。
ELA法は、例えば基板上に非晶質シリコン膜を所定の厚さ(例えば50nm程度の厚さ)に堆積した後、この非晶質シリコン膜に波長が248nmのKrF(クリプトン弗素)エキシマレーザ光や波長が308nmのXeCl(キセノン塩素)エキシマレーザ光などのようなレーザ光を照射し、照射領域の非晶質シリコン膜を局所的に溶融・再結晶化させて多結晶シリコン膜に変える結晶化方法である。
なお、ELA法は、レーザ光の平均強度(フルエンス)を変化させることにより、他の様々なプロセスに適応可能である。例えば、加熱の作用のみが発揮されるようなレーザ光の強度に設定すれば、TFTの不純物活性化工程に用いることができる。また、レーザ光の強度を極端に大きく設定すれば、急激な温度上昇を引き起こすため、TFTにおける膜の除去に利用することもできる。また、これらの現象の利用は、TFTに限定されることなく、広く半導体プロセスに適応できるものである。
ところで、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置は、動作速度の高速化を図るために多結晶シリコン膜にTFTを形成すると、多結晶シリコン膜の結晶粒界がTFTのチャネル領域に存在することになる。この場合、各TFTのチャネル領域に形成される結晶粒界数が異なり、この結晶粒界数の相違によりTFT毎の閾値電圧や移動度などの特性ばらつきが著しく増大する。TFT毎の閾値電圧のばらつきは、表示装置全体としての動作特性を大幅に低下させ、画質などを劣化させる原因になる。
このため、各TFTのチャネル領域の結晶粒界数をできるだけ均等にするか、粒径の大きい結晶化領域を形成し且つ各結晶化領域内に各TFTが形成されるように結晶化領域の形成位置を制御することにより各TFTのチャネル領域から結晶粒界を排除することが要望されている。本願発明者らの種々の実験および研究によれば、被結晶化処理体である非晶質シリコン膜に照射される光強度分布、すなわちサブミクロンレベルの微小領域に照射されるレーザ光の照射面内における光強度分布の評価および管理が、結晶化領域の大粒径化および位置制御において極めて重要であることが判った。
特に、結晶化の量産ラインにおいては、光強度分布の定期的監視が比較的出力安定性に課題のあるレーザ光源を使用するため重要である。しかしながら、照射領域がサブミクロンレベルの微小領域でのしかも不可視光のエキシマレーザ光が結晶化に好適であり、作業員による肉眼での監視が困難であるという課題がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、所定の平面上に形成される光強度分布を、1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定することのできる測定方法および測定装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を測定する測定方法であって、
前記所定の平面において前記第1の光強度分布を、前記所定の平面に設けられて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材上に形成し、該物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする光強度分布の測定方法を提供する。
本発明の第2形態では、所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を測定する測定装置であって、
前記第1の光強度分布を形成する光路に設けられて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材を備え、
前記第1の光強度分布を有する光束の照射を受けた前記物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする光強度分布の測定装置を提供する。
本発明の第3形態では、結像光学系と、該結像光学系の物体面またはその近傍に配置された光変調素子とを備え、該光変調素子により前記結像光学系の像面またはその近傍の所定の平面に第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を形成する光照射装置において前記第1の光強度分布を測定する測定方法であって、
前記第1の光強度分布を、前記所定の平面に設定されて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材上に形成し、該物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする光強度分布の測定方法を提供する。
本発明の第4形態では、第2形態の測定装置において前記所定の平面またはその近傍に像面が一致するように設定された結像光学系の物体面またはその近傍に配置されて、入射光束を位相変調して前記結像光学系の像面またはその近傍に前記第2の光強度分布を形成することを特徴とする可視化マスクを提供する。
本発明の第5形態では、所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を可視化する可視化方法であって、
前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布と前記第1の光強度分布との合成光強度分布を、前記所定の平面に設けられて入射光の強度に応じて物性が可視光域に変化する物性変化部材上に形成し、該物性変化部材の可視光域に変化した二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を得ることを特徴とする光強度分布の可視化方法を提供する。
本発明の第6形態では、所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を可視化する可視化装置であって、
前記第1の光強度分布を形成する光路に設けられて前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布を形成するための第2光強度分布形成手段と、
前記所定の平面に設けられて入射光の強度に応じて物性が可視光域に変化する物性変化部材とを備え、
前記第1の光強度分布と前記第2の光強度分布との合成光強度分布を有する光束の照射を受けた前記物性変化部材の可視光域に変化した二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を得ることを特徴とする光強度分布の可視化装置を提供する。
本発明の第7形態では、レーザ光源と、このレーザ光源から出射されたレーザ光路に設けられたホモジナイザと、このホモジナイザの通過光路に設けられて所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布のレーザ光を出射する光変調素子と、この光変調素子の通過光路に設けられた結像光学系と、この結像光学系の通過光路に設けられた被結晶化処理体を支持するための支持台とからなる結晶化装置であって、
前記被結晶化処理体に結像される光学像のプロファイルを得るに際し、前記光変調素子の入射光側光路又は出射側光路に出し入れ可能になるように、前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布を形成するための光強度分布形成手段を設けたことを特徴とする結晶化装置を提供する。
本発明の第8形態では、二次元平面内において光強度分布が均一化されたレーザ光を所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布に変調したのち被結晶化処理体に照射して結晶化する結晶化方法であって、
前記被結晶化処理体を照射するレーザ光のプロファイルを得るに際し、前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布を前記第1の光強度分布に合成させた光強度分布の前記レーザ光を前記被結晶化処理体に入射させて結晶化した状態を前記レーザ光のプロファイル情報として得ることを特徴とする結晶化方法を提供する。
本発明の第9形態では、光強度変調されたパルスレーザ光を照射して被照射基板を加工する際の前記光強度変調されたレーザ光の光強度分布を測定する測定方法であって、
前記パルスレーザ光の光強度を大又は小に変えて出射する出射工程と、
入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材に前記出射工程により出射されたレーザ光を照射する照射工程と、
各光強度毎に照射された物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記レーザ光の光強度分布を測定する工程とを具備してなることを特徴とする光強度分布の測定方法を提供する。
本発明の測定方法および測定装置では、所定の平面において第1方向に沿って変化する第1光強度分布と、第1方向と直交する第2方向に沿って単調に変化する第2光強度分布との合成光強度分布を、所定の平面に設定されて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材上に形成する。その結果得られる、物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて、所定の平面上に形成される光強度分布を1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定することができる。
本発明を結晶化装置に適用した実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる結晶化装置の結晶化の構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。図1および図2を参照すると、結晶化装置の結晶化の構成は、入射光束を位相変調して一方向に沿って変化する光強度分布を有する光束を形成するための光変調素子1と、光変調素子1を照明するための照明系2と、結像光学系3と、被処理基板4を保持するための基板ステージ5とを備えている。
光変調素子1の構成および作用については後述する。照明系2は、図2に示すように光源2aとして、結晶化エネルギのレーザ光たとえば308nmの波長を有する光を供給するXeClエキシマレーザ光源を備えている。他の光源2aとしては、KrFエキシマレーザ光源などのような被結晶化処理体を溶融するエネルギ光線を出射する性能を有する他の適当なレーザ光源を用いることもできる。光源2aから供給されたレーザ光は、ビームエキスパンダ2bを介して拡大された後、第1フライアイレンズ2cに入射する。
こうして、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面には複数の光源が形成され、これらの複数の光源からの光束は第1コンデンサー光学系2dを介して、第2フライアイレンズ2eの入射面を重畳的に照明する。その結果、第2フライアイレンズ2eの後側焦点面には、第1フライアイレンズ2cの後側焦点面よりも多くの複数の光源が形成される。第2フライアイレンズ2eの後側焦点面に形成された複数の光源からの光束は、第2コンデンサー光学系2fを介して、光変調素子1を重畳的に照明する。
第1フライアイレンズ2cおよび第1コンデンサー光学系2dは、第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより光源2aから供給されたレーザ光について、光変調素子1上での入射角度に関する均一化が図られる。また、第2フライアイレンズ2eおよび第2コンデンサー光学系2fは第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザ光について、光変調素子1上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。
こうして、照明系2は、ほぼ均一な光強度分布を有するレーザ光により光変調素子1を照射する。光変調素子1で位相変調されたレーザ光は、たとえば1/5の縮小倍率を有する結像光学系3を介して、被処理基板4に入射する。ここで、光変調素子1の通過光路に設けられる結像光学系3は、光変調素子1の位相パターン面と被処理基板4とを光学的に共役に配置している。換言すれば、結像光学系3の通過光路に設けられ結晶化処理される被処理基板4は、光変調素子1の位相パターン面と光学的に共役な面(結像光学系3の像面)に設定されている。
結像光学系3は、正レンズ群3aと正レンズ群3bとの間に開口絞り3cを備えている。開口絞り3cの開口部(光透過部)の大きさ(ひいては結像光学系3の像側開口数NA)は、被処理基板4の半導体膜上において所要の光強度分布を発生させるように設定されている。なお、結像光学系3は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
また、被処理基板4は、絶縁体、半導体、金属の何れかの基板上に、下層絶縁膜、非単結晶半導体薄膜、上層絶縁膜の順に成膜することにより構成されている。すなわち、被処理基板4は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラスの上に化学気相成長法(CVD)により下地絶縁膜、非単結晶半導体薄膜例えば非晶質シリコン膜および上層絶縁膜としてキャップ膜が順次形成されたものである。下地絶縁膜およびキャップ膜は、絶縁膜例えばSiO2である。下地絶縁膜は、非晶質シリコン膜とガラス基板が直接接触してNaなどの異物が非晶質シリコン膜に混入するのを防止し、非晶質シリコン膜の熱が直接ガラス基板に伝熱されるのを防止する。
非晶質シリコン膜は、結晶化される半導体膜である。キャップ膜は、非晶質シリコン膜に入射する光ビームの一部により加熱され、この加熱された温度を蓄熱する。この蓄熱効果は、光ビームの入射が遮断されたとき、非晶質シリコン膜の被照射面において高温部が相対的に急速に降温するが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる。被処理基板4は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ5上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持されている。
図3は、図1の光変調素子1の位相パターンの構成および光変調素子1を用いて被処理基板4上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。光変調素子1は、図3(a)に示すように、0度の基準位相値を有する基準位相領域(図中空白部で示す)1aと、90度の変調用位相値を有する矩形状の変調位相領域(図中斜線部で示す)1bとを周期的に有する。ここで、変調位相領域1bは、面積を変えてたとえば所定のピッチにしたがって縦横に配置されている。
そして、正方形状の単位セル1cに対する変調位相領域1bの占有面積率(デューティ)は、図中水平方向に沿って(A断面に沿って)0%〜50%の間で変化している。具体的には、位相パターンの繰り返し単位領域1dの両側における変調位相領域1bの占有面積率は50%であり、繰り返し単位領域1dの中央における変調位相領域1bの占有面積率は0%であり、その間において変調位相領域1bの占有面積率が単調に変化している。なお、単位セル1cは、結像光学系3の点像分布範囲以下の寸法を有する。
このような光変調素子1を用いると、図3(b)に示すように、結像光学系3の像面位置に設けられた被処理基板4の表面上には、A断面方向に対応する一方向に沿って変化する山型(またはV字状)の光強度分布が形成される。すなわち、変調位相領域1bの占有面積率が50%であるA断面位置に対応して光強度が最も小さく、変調位相領域1bの占有面積率が0%であるA断面位置に対応して光強度が最も大きいV字状の光強度分布が形成される。なお、図3(b)には、A断面方向に沿って連成される複数のV字状光強度分布のうち、位相パターンの繰り返し単位領域1dに対応する1つの山型の光強度分布だけを示している。
この結晶化装置では、被処理基板4上の光照射領域内においてV字状の光強度分布に応じて溶融領域に温度勾配が生じ、光強度が最も低い領域またはその近傍の領域において、最初に凝固する部分または溶融しない部分に結晶核が形成される。そして、V字状の光強度分布が変化する方向に沿って結晶核から周囲に向かって結晶が横方向に成長することにより、大粒径の結晶粒が生成される。前述したように、結晶粒(結晶化領域)の大粒径化、結晶粒の大きさの均一化および位置制御のためには、被処理基板4の非晶質シリコン膜に照射される光強度分布を正確に測定し、光変調素子1の作用により所望の光強度分布が実際に形成されていることを確認することが重要である。
そこで、本実施形態の結晶化装置は、光変調素子1の入射光路又は出射光路に、例えば図4に示すように光変調素子1の結像光学系3側に近接して可視化マスク11を配置し、被処理基板4に代えて試料基板12を基板ステージ5上に載置する。本実施形態の測定方法は、このような光学系で、光源2aからシングルショットのレーザ光を出射させ、光変調素子1および可視化マスク11により結像光学系3の像面に形成される合成光強度分布を試料基板12に結像させ、この試料基板12の状態変化から光変調素子1によって形成される光強度分布を可視化する。
ここで、可視化マスク11は、入射光束を位相変調して一方向に単調に変化する光強度分布を有する光束を形成するための光変調素子であって、光変調素子1の位相パターン面と可視化マスク11の位相パターン面とが対向するように配置されている。さらに、光変調素子1と可視化マスク11は、光変調素子1によって形成される光強度分布の変化する方向と直交する方向に、可視化マスク11によって形成される光強度分布の変化する方向を設ける。
試料基板12は、入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材である。物性変化部材としては、被結晶化膜である非晶質シリコン膜、蛍光体、のみならず、他の材料(例えば、フォトレジスト)の物理的性質あるいは化学的性質の変化を利用することもできる。物性変化部材としては、入射光の強度に応じてサブミクロンオーダの微小領域でも物性が可視光域に変化する部材が望ましい。非晶質シリコン膜の結晶化のみならず、他の材料(例えば、フォトレジスト)の物理的性質あるいは化学的性質の変化を利用することもできる。
図5は、可視化マスクの位相パターンの構成および可視化マスクを用いて試料基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。可視化マスク11は、図5(a)に示すように、光の透過率がほぼ1である図中鉛直方向に細長い矩形状の光透過領域(図中空白部で示す)11aと、光の透過率がほぼ0である遮光領域(図中斜線部で示す)11bとを有する。ここで、遮光領域11bは、たとえば石英ガラス基板にアルミニウムやクロムなどからなる遮光薄膜を形成することにより構成されている。
そして、細長い矩形状の光透過領域11aの図中鉛直方向に沿った長さ寸法は一定であるが、図中水平方向に沿った幅寸法は図中水平方向に沿って(B断面に沿って)単調に変化している。なお、光透過領域11aの最大幅寸法は、結像光学系3の点像分布範囲以下の寸法を有する。光変調素子1を用いることなく可視化マスク11だけを用いると、図5(b)に示すように、結像光学系3の像面位置に設定された試料基板12の表面上には、B断面方向に対応する一方向に沿って単調に変化する光強度分布が形成される。
なお、試料基板12の表面上において一方向に沿って単調に変化する光強度分布を得るための可視化マスクの構成については、図5(a)に示すように細長い矩形状の光透過領域11aを含む構成に限定されることなく、様々な変形例が可能である。具体的に、たとえば図6に示すように、円形状(一般には任意形状)の光透過領域11’aと遮光領域11’bとを有する可視化マスク11’を用いて、図5(b)に示すように一方向に沿って単調に変化する光強度分布を得ることができる。ここで、円形状の光透過領域11’aの直径(一般には大きさ)は、図中水平方向に沿って単調に変化している。
本実施形態では、光変調素子1の作用により試料基板12の表面上に形成されるV字状の光強度分布の変化方向(x方向)と、可視化マスク11の作用により試料基板12の表面上に形成される光強度分布の変化方向(y方向)とが互いに直交するように、光変調素子1と可視化マスク11とが配置されている。また、可視化マスク11の設計の一例として、可視化マスク11の作用により試料基板12の表面上に形成される光強度分布g(y)がg(y)=α/yで表されるように構成している。
したがって、図7に示すように、光変調素子1の作用により試料基板12の表面上に形成されるV字状の光強度分布f(x)と、可視化マスク11の作用により試料基板12の表面上に形成される光強度分布g(y)=α/yとの合成光強度分布I(x,y)は、次の式(1)により表される。
I(x,y)=f(x)×g(y)
=α・f(x)/y (1)
一方、試料基板12は、この実施形態では、光強度分布を測定したり、監視したり、管理したりする際に使用する基板であり、例えば50nmの厚さの非晶質シリコン膜(a−Si膜)をベース基板上に形成することにより構成され、横方向に熱拡散しないような膜構成を有する。この場合、試料基板12上の非晶質シリコン膜は、合成光強度分布I(x,y)を有する光束の照射を受けて、その物性が変化する。具体的に、試料基板12上の被照射領域12aのうち、閾値強度Ic以上の光強度を有する光束の照射を受けた領域12apは非晶質シリコン膜から溶融・再結晶化を経て多結晶シリコン膜に変化し、閾値強度Ic未満の光強度を有する光束の照射を受けた領域12aaは非晶質シリコン膜の状態に留まる。
すなわち、非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に物性変化した領域12apと非晶質シリコン膜の状態に留まった領域12aaとの境界線12acは、閾値強度Icを有する光束の照射を受けた線領域に他ならない。換言すれば、境界線12acにおいて次の式(2)に示す関係が成立し、式(2)を変形して次の式(3)に示す関係が得られる。
I(x,y)=α・f(x)/y=Ic (2)
y={α/Ic}f(x) (3)
式(3)を参照すると、αおよびIcが既知の定数であるから、光変調素子1の作用により試料基板12の表面上に形成されるV字状の光強度分布f(x)のx方向に沿った一次元の変化が、可視化マスク11の作用により、試料基板12上の被照射領域12aにおける物性変化領域12apと物性不変領域12aaとの境界線12acという二次元情報に可視化されることがわかる。こうして、試料基板12上の被照射領域12aにおける境界線12acを光学顕微鏡などにより撮像(観察)することにより、撮像した境界線12acに関する情報に基づいて、光変調素子1の作用により被処理基板4の表面上に形成されるV字状の光強度分布が可視化される。
以上のように、本実施形態の測定方法では、光変調素子1の作用により形成されるV字状の光強度分布f(x)の変化が、可視化マスク11の作用により試料基板12上の境界線12acという二次元情報に可視化される。その結果、光変調素子1の作用により被処理基板4の表面(所定の平面)上に形成されるV字状の光強度分布を、1回の光照射および物性変化の評価に基づいて迅速に且つ正確に測定することができる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本実施形態の測定方法の効果を検証する。第1実施例では、光源2aとして308nmの波長を有する光を供給するXeClエキシマレーザ光源を用い、結像光学系3として結像倍率が1/5のものを用い、試料基板12として50nmの厚さの非晶質シリコン膜をベース基板例えばガラス基板上に形成したものを用いた。また、図8において曲線11cで示すような光強度分布が試料基板12の表面上に形成されるように、可視化マスク11を設計した。
そして、実際に設計した可視化マスク11が図8の曲線11cで示すような光強度分布を試料基板12の表面上に実際に形成することを以下の手法で確認した。この確認手法では、図4に示す結晶化装置の光学系において光変調素子1を光路から退避させ、照明系2からの照明光束のフルエンスを段階的に変化させつつ、可視化マスク11の作用により試料基板12の表面上に図8において曲線11cで示すような性状の光強度分布を形成させる。このとき、f(x)は一定でありf(x)=Cと考えられるから、式(3)は次の式(4)に示すように書き換えられる。
y=α・C/Ic (4)
式(4)は、光変調素子1を用いることなく可視化マスク11だけを用いると、図7に示す試料基板12上の被照射領域に形成される境界線12acのy座標がx方向に沿って一定であることを示している。その結果、照明系2からの照明光束例えばレーザ光のフルエンスを変化させた場合、境界線12acのy方向位置が照明光束のフルエンスに比例することになる。図9は、照明光束のフルエンスをI=140〜820mJ/cm2の間で変化させ、試料基板12上に形成される境界線12acのy方向位置をプロットした図である。図14は、照明光束のフルエンスをI=200〜1200mJ/cm2の間で変化させ、試料基板12上に形成される境界線12acのy方向位置をプロットした図である。
照明系2の光源2aから出射されるパルスレーザ光の光強度を変え、各パルスレーザ光のショット毎に同一試料基板12内のショット位置を変えて、この試料基板12に可視化表示されたa−Si/p−Si境界位置をプロットした図を図14に示す。図14内には、非晶質シリコン膜の溶融強度の閾値(結晶化開始フルエンス)の直線Bが示されている。試料基板12に入射するパルスレーザ光の光強度が直線B以上のフルエンスで照射された被照射領域は、溶融し、パルスレーザ光が遮断されたとき、再結晶化して非晶質シリコン領域と異なる色に変色する。この色は、可視光域である。この変色した境界線を測定することにより光変調素子1により位相変調されたレーザ光のビームプロファイルを得ることができる。
図9を参照すると、照明光束のフルエンスの変化と試料基板12上に形成される境界線12acのy方向位置の変化との間に強い線形性が認められ、実際に設計した可視化マスク11が図8の曲線11cで示す性状の光強度分布を試料基板12上に実際に形成することが確認された。そこで、光変調素子1を光路中の所定位置に戻し、I=600mJ/cm2のフルエンスを有する照明光束を照明系2から光変調素子1に入射させ、光変調素子1と可視化マスク11との作用により試料基板12の表面上に所定の合成光強度分布を形成した。
図10は、(a)図が図3の光変調素子1の位相パターンを示す図であり、(b)図が第1実施例において光照射後に得られた試料基板12の被照射領域を光学顕微鏡で撮像した写真図である。図10を参照すると、試料基板12の被照射領域において非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に物性変化した領域(図中黒っぽく示されている部分)12apと非晶質シリコン膜の状態に留まった領域(図中白っぽく示されている部分)12aaとの境界線(不図示)が、光変調素子1を用いて被処理基板4の表面上に形成される光強度分布のシミュレーション結果(図中太い線で示す)1eと良く一致していることが確認された。
次に、第2実施例では、光変調素子1に代えて、メタルエッジパターンを有する別の光変調素子1’を用いた。図11は、メタルエッジパターンを有する光変調素子の構成およびこの光変調素子を用いて被処理基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。図11(a)を参照すると、第2実施例の光変調素子1’は、たとえばアルミニウムのような遮光薄膜1’aを石英ガラス基板1’bに局所的に形成することにより構成されている。
光変調素子1’では、遮光薄膜1’aの形成されていない光透過領域と遮光薄膜1’aの形成された遮光領域との境界線1’cが直線状のナイフエッジを構成することになる。この場合、シミュレーション結果によれば、光変調素子1’の作用により、結像光学系3に対して僅かにデフォーカスした被処理基板4の表面には、図11(b)に示すように一方向に変化する光強度分布が得られる。
そこで、第2実施例においても、I=600mJ/cm2のフルエンスを有する照明光束を照明系2から光変調素子1’に入射させ、光変調素子1’と可視化マスク11との作用により、結像光学系3に対して僅かにデフォーカスした試料基板12の表面上に所定の合成光強度分布を形成した。図12は、第2実施例において光照射後に得られた試料基板の被照射領域を光学顕微鏡で撮像した写真図である。
図12を参照すると、試料基板12上の被照射領域において非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に物性変化した領域(図中黒っぽく示されている部分)と非晶質シリコン膜の状態に留まった領域(図中白っぽく示されている部分)との境界線(図中太い線で示す)12acが、光変調素子1’を用いて被処理基板4の表面上に形成される光強度分布のシミュレーション結果(図11に示す光強度分布:図中細い線で示す)1’dと良く一致していることが確認された。
なお、上述の実施形態では、光変調素子1の結像光学系3側に近接して可視化マスク11を配置しているが、これに限定されることなく、光変調素子1の照明系2側に近接して可視化マスク11を配置することもできる。ただし、この場合も、光変調素子1の位相パターン面と可視化マスク11の位相パターン面とが対向するように配置し、その間隔を例えば1mm以下に設定することが好ましい。もちろん、可能な場合には、光変調素子1の位相パターン面と可視化マスク11の位相パターン面とをほぼ密着させてもよい。
また、上述の実施形態では、図8の曲線11cで示すような性状の光強度分布が試料基板12の表面上に形成されるように可視化マスク11を設計している。しかしながら、これに限定されることなく、g(y)=α/yにおけるαの値を適宜変化させて、図8の曲線11dや11eで示すような性状の光強度分布が試料基板12の表面上に形成されるように可視化マスク11を設計することもできる。このように、αの値を適宜変化させることにより式(3)に示すように、本実施形態の測定方法におけるダイナミックレンジを自由に選択することができる。
また、上述の実施形態では、所定方向に沿った位置座標をyとし、所定の定数をαとするとき、α/yで表されるような性状の光強度分布が試料基板12の表面上に形成されるように可視化マスク11を設計している。しかしながら、これに限定されることなく、一般的には所定方向に沿って単調に変化するような性状の光強度分布が試料基板12の表面上に形成されるように可視化マスク11を設計することもできる。
また、上述の実施形態では、入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材として非晶質シリコン膜を用いているが、これに限定されることなく、入射光の強度に応じて物理的性質あるいは化学的性質が変化する他の適当な材料(例えば、フォトレジスト)を用いることもできる。
さらにまた、上述の実施形態では、可視化マスク11によりレーザ光に光強度分布をもたせ1発のレーザ光でビームプロファイルを可視化表示できる方法について説明したが、入射フルエンスを段階的に変えた複数のレーザ光ショットにより可視化マスク11と同等の機能を生じさせるようにしてもよい。
即ち、この実施形態の光学系としては、図4の結晶化装置において、被処理基板4を試料基板12に置き換え、可視化マスク11を結晶化光学系から退避させた光学系を用いる。この光学系において、レーザ光のビームプロファイルの可視化は、照明系2の光源2aから出射されるパルスレーザ光毎に光強度を段階的に変えると共に、試料基板12内ショット位置を変更すると、各光強度毎の試料基板12に照射され、溶融結晶化されたp−Si領域が現れる。このp−S1領域とa−Si領域との境界位置を測定することにより、光変調素子1の作るビームプロファイルを再構築することができる。即ち、レーザ光の光強度分布の可視化は、照射するレーザ光のフルエンス(平均強度)を段階的に変化させて、複数回に亘ってレーザ照射および物性変化の評価を繰り返しても行なうことができる。
具体的には、照明系2の光源2aから出射されるパルスレーザ光の光強度を変え、各パルスレーザ光毎に試料基板12を変えて、この試料基板12に可視化表示された測定値をプロットした図を図15に示す。各試料基板12には、被照射領域が、溶融し、パルスレーザ光が遮断されたとき、結晶化して非晶質シリコン領域と異なる色に変色して可視化されたパターンが現れる。図15には、上記パターンを測定して求められた各光強度での光強度分布が2次元情報で示されている。図15には、非晶質シリコン膜の溶融強度の閾値(結晶化開始フルエンス)の直線Cが示されている。試料基板12に入射するパルスレーザ光の光強度が直線C以上のフルエンスで照射された試料基板12の非晶質シリコン膜の被照射領域は、溶融し、パルスレーザ光が遮断されたとき、結晶化して非晶質シリコン領域と異なる色に変色する。この色は、可視光域である。この変色した境界線を測定することにより光変調素子1により位相変調されたレーザ光のビームプロファイルを得ることができる。
例えば、図15の特性図を、光変調素子1が設計通りできているかの測定、評価、確認用として利用することもできる。図16は、レーザ光の試料基板12への投入フルエンスに対する結晶化されずに残った領域Waの変化を示した特性図である。図17は、図16の投入フルエンスを1/Fにして示す特性図である。
上述の実施形態では、結晶化装置に適用した実施形態について説明したが、結晶化装置に限らずレーザ光を使用する装置例えばレーザアニール装置のレーザビームの可視化や、レーザ加工装置のレーザビームの可視化など使用するレーザビームのプロファイルを観察したいときいずれでも利用できる。
図13は、本実施形態の結晶化装置を用いて結晶化された領域に電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。図13(a)に示すように、絶縁基板80(例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNおよび膜厚100nmのSiO2積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなど)および不図示のキャップ膜82a(例えば、膜厚30nm〜300nmのSiO2膜など)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜した被処理基板5を準備する。そして、本実施形態にしたがう結晶化装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の予め定められた領域に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
こうして、図13(b)に示すように、大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84が生成される。次に、キャップ膜82aをエッチングにより除去した後、図13(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を例えば薄膜トランジスタを形成するための領域となる島状の半導体膜85に加工し、表面にゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO2膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図13(d)に示すように、ゲート絶縁膜上にゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)をイオン注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、450°Cで1時間)を行い、不純物を活性化して島状の半導体膜85にソース領域91、ドレイン領域92を形成する。次に、図13(e)に示すように、層間絶縁膜89を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネル90でつながるソース91およびドレイン92に接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
以上の工程において、図13(a)および(b)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶の位置に合わせて、チャネル90を形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体に薄膜トランジスタ(TFT)を形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶表示装置(ディスプレイ)やEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
なお、上述の説明では、非単結晶半導体膜に所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置における光強度分布の測定に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、一般的に結像光学系を介して所定の光強度分布を所定面に形成する光照射装置における光強度分布の測定に対して本発明を適用することができる。
本発明の実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。 図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。 図1の光変調素子の位相パターンの構成および光変調素子を用いて被処理基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。 本実施形態の測定方法を実施する様子を示す図である。 可視化マスクの位相パターンの構成および可視化マスクを用いて試料基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。 可視化マスクの位相パターンの変形例を示す図である。 光変調素子と可視化マスクとにより試料基板の表面上に合成光強度分布が形成される様子を示す図である。 実施例において可視化マスクが試料基板上に形成する光強度分布を示す図である。 実施例において照明光束のフルエンスを変化させつつ試料基板上に形成される境界線のy方向位置をプロットした図である。 第1実施例において光照射後に得られた試料基板の被照射領域を光学顕微鏡で撮像した写真である。 メタルエッジパターンを有する光変調素子の構成およびこの光変調素子を用いて被処理基板上に形成される光強度分布を概略的に示す図である。 第2実施例において光照射後に得られた試料基板の被照射領域を光学顕微鏡で撮像した写真図である。 本実施形態の結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。 照明光束のフルエンスをI=200〜1200mJ/cm2の間で変化させ、試料基板12上に形成される境界線12acのy方向位置をプロットした図である。 照明系2の光源2aから出射されるパルスレーザ光の光強度を変え、各パルスレーザ光毎に試料基板12を変えて、この試料基板12に可視化表示された測定値をプロットした図である。 レーザ光の試料基板12への投入フルエンスに対する結晶化されずに残った領域Waの変化を示した特性図である。 図16の投入フルエンスを1/Fにして示す特性図である。
符号の説明
1 光変調素子
2 照明系
2a 光源
2b ビームエキスパンダ
2c,2e フライアイレンズ
2d,2f コンデンサー光学系
3 結像光学系
3c 開口絞り
4 被処理基板
5 基板ステージ
11 可視化マスク
12 試料基板

Claims (18)

  1. 所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を測定する測定方法であって、
    前記所定の平面において前記第1の光強度分布を、前記所定の平面に設けられて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材上に形成し、該物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする光強度分布の測定方法。
  2. 前記物性変化部材は、非晶質シリコン膜であることを特徴とする請求項1に記載の光強度分布の測定方法。
  3. 前記物性変化部材上おいて非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に変化した領域と非晶質シリコン膜に留まった領域との境界線を顕微鏡で撮像し、撮像した前記境界線の情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする請求項2に記載の光強度分布の測定方法。
  4. 所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を測定する測定装置であって、
    前記第1の光強度分布を形成する光路に設けられて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材を備え、
    前記第1の光強度分布を有する光束の照射を受けた前記物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする光強度分布の測定装置。
  5. 前記所定の平面またはその近傍に像面が一致するように設定された結像光学系をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の光強度分布の測定装置。
  6. 前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布を形成するための第2光強度分布形成手段として、前記結像光学系の物体面またはその近傍に配置されて前記結像光学系の像面またはその近傍に前記第2の光強度分布を形成する可視化マスクを有することを特徴とする請求項5に記載の光強度分布の測定装置。
  7. 前記可視化マスクは、前記第2の方向に沿った位置座標をyとし、所定の定数をαとするとき、α/yで表される前記第2の光強度分布を形成するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の光強度分布の測定装置。
  8. 結像光学系と、該結像光学系の物体面またはその近傍に配置された光変調素子とを備え、該光変調素子により前記結像光学系の像面またはその近傍の所定の平面に第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を形成する光照射装置において前記第1の光強度分布を測定する測定方法であって、
    前記第1の光強度分布を、前記所定の平面に設定されて入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材上に形成し、該物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする光強度分布の測定方法。
  9. 前記物性変化部材は非晶質シリコン膜であり、前記物性変化部材上おいて非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜に変化した領域と非晶質シリコン膜に留まった領域との境界線を顕微鏡で撮像し、撮像した前記境界線の情報に基づいて前記第1の光強度分布を測定することを特徴とする請求項8に記載の光強度分布の測定方法。
  10. 請求項6に記載の測定装置において前記所定の平面またはその近傍に像面が一致するように設定された結像光学系の物体面またはその近傍に配置されて、入射光束を位相変調して前記結像光学系の像面またはその近傍に前記第2の光強度分布を形成することを特徴とする可視化マスク。
  11. 前記第2の方向に沿った位置座標をyとし、所定の定数をαとするとき、α/yで表される前記第2の光強度分布を形成するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の可視化マスク。
  12. 所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を可視化する可視化方法であって、
    前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布と前記第1の光強度分布との合成光強度分布を、前記所定の平面に設けられて入射光の強度に応じて物性が可視光域に変化する物性変化部材上に形成し、該物性変化部材の可視光域に変化した二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を得ることを特徴とする光強度分布の可視化方法。
  13. 所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布を可視化する可視化装置であって、
    前記第1の光強度分布を形成する光路に設けられて前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布を形成するための第2光強度分布形成手段と、
    前記所定の平面に設けられて入射光の強度に応じて物性が可視光域に変化する物性変化部材とを備え、
    前記第1の光強度分布と前記第2の光強度分布との合成光強度分布を有する光束の照射を受けた前記物性変化部材の可視光域に変化した二次元情報に基づいて前記第1の光強度分布を得ることを特徴とする光強度分布の可視化装置。
  14. レーザ光源と、
    このレーザ光源から出射されたレーザ光路に設けられたホモジナイザと、
    このホモジナイザの通過光路に設けられて所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布のレーザ光を出射する光変調素子と、
    この光変調素子の通過光路に設けられた結像光学系と、
    この結像光学系の通過光路に設けられた被結晶化処理体を支持するための支持台とからなる結晶化装置であって、
    前記被結晶化処理体に結像される光学像のプロファイルを得るに際し、前記光変調素子の入射光側光路又は出射側光路に出し入れ可能になるように、前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布を形成するための光強度分布形成手段を設けたことを特徴とする結晶化装置。
  15. 二次元平面内において光強度分布が均一化されたレーザ光を所定の平面において第1の方向に沿って変化する第1の光強度分布に変調したのち被結晶化処理体に照射して結晶化する結晶化方法であって、
    前記被結晶化処理体を照射するレーザ光のプロファイルを得るに際し、前記所定の平面において前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って単調に変化する第2の光強度分布を前記第1の光強度分布に合成させた光強度分布の前記レーザ光を前記被結晶化処理体に入射させて結晶化した状態を前記レーザ光のプロファイル情報として得ることを特徴とする結晶化方法。
  16. 光強度変調されたパルスレーザ光を照射して被照射基板を加工する際の前記光強度変調されたレーザ光の光強度分布を測定する測定方法であって、
    前記パルスレーザ光の光強度を大又は小に変えて出射する出射工程と、
    入射光の強度に応じて物性が変化する物性変化部材に前記出射工程により出射されたレーザ光を照射する照射工程と、
    各光強度毎に照射された物性変化部材の物性変化の二次元情報に基づいて前記レーザ光の光強度分布を測定する工程とを具備してなることを特徴とする光強度分布の測定方法。
  17. 前記出射工程は、前記パルスレーザ光の照射毎にレーザ光の光強度を大又は小に変えて出射することを特徴とする請求項16に記載の光強度分布の測定方法。
  18. 前記出射工程は、パルスレーザ光の光強度分布が大又は小に変化したものであることを特徴とする請求項16に記載の光強度分布の測定方法。
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