JP7157715B2 - 分光測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、分光測定装置及び空間エネルギー分布測定装置に関する。
物質は光の波長に対して、吸収率が異なる特性がある。この特性を利用して、材料の組成分析や、混入異物の同定などを行うのは分光分析技術とよばれる。これまでの分光分析技術は光をレンズで集光して、その透過または反射する光の変化量を測定する。しかし、光の回折限界の影響で、光の波長以下の小さい領域の測定が不可能である。
上記の空間分解能の課題を解決するため技術として、例えば、非特許文献1と非特許文献2がある。非特許文献1と非特許文献2には、原子間力顕微鏡(AFM)と波長可変な光照射システムの融合で、異なる光の波長の照射時の材料のエネルギーの吸収率の違いによる熱膨張の差を測定することで、光の回折限界を超えるナノスケールの空間分解能で分光分析を行う分光分析システムが記載されている。
このように、測定対象サンプルに光などのある種エネルギーを与えて、測定対象がこのエネルギーに対する吸収率を測りたいとき、直接このエネルギーが対応する物理量への計測ではなく、このエネルギーを与えた際に発生した測定対象サンプルの垂直方向の変位(例えば、熱膨張)を計測することで、従来の性能(分解能)を越える計測手法がある。
Mark S. Anderson 「Infrared Spectroscopy with an Atomic Force Microscope」Applied Spectroscopy Vol. 54, Issue 3, pp. 349-352 (2000) Dazzi, A.; Prazeres, R.; Glotin, F.; Ortega, J. M. Local Infrared Microspectroscopy with Subwavelength Spatial Resolution with an Atomic Force Microscope Tip Used as a Photothermal Sensor Opt. Lett. 2005, 30 (18) 2388- 2390
非特許文献1、2では、熱膨張の微小変位を測定するためにAFM技術を利用している。しかし、AFM技術はプローブを使って点測定を行うため、大面積かつ高速な測定が困難である。
本発明の目的は、分光測定装置において、大面積かつ高速な測定を行うことにある。
本発明の一態様の分光測定装置は、計測対象である試料の表面形状を測定する顕微鏡装置と、前記試料に外部入力エネルギーを照射する外部入力エネルギー照射部と、データを処理する処理部と、情報を表示する表示部と、を有する分光測定装置であって、前記顕微鏡装置は、前記試料に前記外部入力エネルギーを照射した際に発生する前記試料の変位を二次元平面で計測するセンサを有し、前記処理部は、前記センサにより計測された計測データに基づいて、前記外部入力エネルギーの吸収率を算出し、前記表示部は、前記吸収率を出力することを特徴とする。
本発明の一態様の空間エネルギー分布測定装置は、外部入力エネルギー照射部が照射する外部入力エネルギーの2次元空間分布を測定する空間エネルギー分布測定装置であって、前記2次元空間分布計測装置は、前記外部入力エネルギーに対する吸収率が均一な材料で構成された既知試料の表面形状を測定する顕微鏡装置と、データを処理する処理部とを有し、前記顕微鏡装置は、前記既知試料に前記外部入力エネルギーを照射した際に発生する前記既知試料の変位を二次元平面で計測するセンサを有し、前記処理部は、前記センサにより計測された計測データに基づいて、前記既知試料上の前記外部入力エネルギーの吸収量の分布を計算し、前記吸収量の分布に基づいて、前記外部入力エネルギー照射部が照射する前記外部入力エネルギーの2次元空間分布を計算することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、分光測定装置において、大面積かつ高速な測定を行うことができる。
実施例1の分光測定装置の構成を示す図である。 実施例1の二次元変位計測方法を示すフローチャートである。 実施例2の分光測定装置の構成を示す図である。 外部入力エネルギーの2次元空間分布を均一な光吸収率既知試料を用いた測定方法を説明する図である。 外部入力エネルギーによる試料の瞬間的な熱振動が圧電素子による焦点合せを代替する状況を説明する図である。
以下、実施形態に係る分光測定装置(二次元変位計測装置)を利用した高速又は/及び高空間分解能分光装置について、走査型白色干渉顕微鏡を用いた分光測定装置を例に取り説明する。
実施形態は、ある物理量(例えば、光)を別の物理量(熱膨張)へと変換して計測することで従来の分解能を越える計測手法で計測する際に、つまり、測定対象サンプルにある種エネルギー(例えば、光)を与えて吸収率を測定するとき、直接この物理量を計測するのではなく、このエネルギーを与えた際に発生した測定対象サンプルの垂直方向の変位(例えば、熱膨張)を計測する際に、AFMのような点計測ではなく、白色干渉計を利用する二次元の面測定を行う。これにより、広域かつ高速、高空間分解能な計測を可能とする。つまり、測定対象サンプルにある種エネルギー(例えば、光)を与えて吸収率を測定するとき、直接この物理量を計測するのではなく、このエネルギーを与えた際に発生した測定対象サンプルの垂直方向の変位(例えば、熱膨張)を二次元で計測することで、従来技術より広域かつ高速な計測を可能とする。なお、本明細書にて「試料(または測定対象サンプル)の垂直方向」とは、「顕微鏡本体の光軸に垂直」であってもよく、又は「ステージの表面に垂直」であってもよい。
外部入力エネルギーの回折限界を越える分光測定を行うために、外部入力エネルギーを熱変位に変換し、かつ二次元平面で一括に計測することで短時間に広域な計測を行う。具体的には、外部入力エネルギーを印加して外部入力エネルギーに対する測定対象サンプルの吸収による熱変位を二次元センサであるカメラを用いて二次元平面で計測する。これにより、短時間に高空間分解能かつ広領域な計測を行う。
以下、図面を用いて実施例について説明する。
図1を参照して、実施例1の分光測定装置の構成について説明する。この分光測定装置は、顕微鏡装置(例えば、走査型白色干渉顕微鏡)を用いた高分解能、広領域かつ高速な赤外分光測定システムである。実施例1では外部入力エネルギー(例えば、光)は非同軸(斜め方向)に照射される
図1に示すように、分光測定装置は、顕微鏡装置(例えば、走査型白色干渉顕微鏡装置本体)10と、計測対象である試料(測定対象物)Dが載置されたステージ20と、得られたデータを処理する処理部(プロセッサ)30と、測定結果を出力して表示をする表示部40と、外部入力エネルギー照射部50を有する。
顕微鏡装置10は、光源11、フィルタ12、ビームスプリッタ13、対物レンズ14、センサ(二次元センサ)15、ピエゾアクチュエータ16を有する。
センサ15は、試料Dに外部入力エネルギーを照射した際に発生する試料Dの変位を二次元平面で計測する。処理部30は、センサ15により計測された計測データに基づいて、外部入力エネルギーの吸収率を算出する。表示部40は、算出された吸収率を出力する。
ここで、光源11は、例えば、白色光源または単色レーザ光源である。フィルタ12は、例えば、波長フィルタ、偏光フィルタであり、照射光がレーザ光の場合は前記フィルターを不要になる場合もある。対物レンズ14は、例えば、二光束干渉対物レンズである。二次元センサ15は、検出器であり、例えばCCDカメラ、フォトダイオード、光電子増倍管等である。ピエゾアクチュエータ16は、対物レンズ14の焦点合せのために対物レンズ14を上下移動させる。
外部入力エネルギー照射部50は、外部入力エネルギー発生部51と集光部52を有する。集光部52は、外部入力エネルギーを試料Dに対して斜め方向に照射する。外部入力エネルギー発生部51は、特定な波長の光を発生できる機構、例えばOPO(optical parametric oscillator)、QCL(Quantum cascade laser)、自由電子レーザ等の波長可変レーザ光源で構成される。外部入力エネルギー発生部51は、測定要求に合わせて、機械的又は電気的にパルス変調が可能である。
外部入力エネルギーは、例えば、光、磁場、圧力、である。外部入力信号である光は、例えば、マイクロ波、赤外光、可視光、紫外線(UV)、X線、電子線である。
外部入力エネルギーが未照射の状態で、試料Dの初期状態を測定するために、矢印Aで示すように光源11から出射された測定用光は、フィルタ12を通過した後、矢印Bで示すようにビームスプリッタ13で顕微鏡本体の光軸に沿って対物レンズ14へ導かれる。
測定用光は、対物レンズ14内のビームスプリッタ13を介して、測定対象物である試料Dへ向かう第1の測定用光と、図示せぬ参照ミラー側へ向かう第2の測定用光の2つに分割される。ここで、第1の測定用光は、測定対象物である試料Dまで向かう。
測定対象物である試料Dに対して対向して配置される対物レンズ14内のビームスプリッタ13から測定対象物である試料Dまでの光学距離と、ビームスプリッタ13から参照ミラー(図示せず)までの光学距離が等しくなった時に、計測信号が2つの測定用光の干渉信号の形態で観測可能となる。そして、センサ15がこの干渉信号を干渉縞である干渉パターンとして撮像し、周期関数である干渉信号が処理部30に保持して格納される。
また、ビームスプリッタ13から参照ミラー(図示せず)までの距離が固定されているため、ピエゾアクチュエータ16を用いて矢印Cの方向に掃引させることにより、測定対象物である試料Dとの距離を変化させている。白色光では、干渉信号が得られた位置が、測定対象物である試料Dが存在するz位置(高さ位置)となる。矢印Cに沿って高さ方向に対物レンズ14を移動させ、測定対象物である試料Dを高さ方向(z方向)にスキャン(走査)して、測定対象物である試料Dの表面の性状(例えば、凹凸など)を観察する。
分光測定を行う際、まず外部入力エネルギー発生部51から外部入力エネルギーn(光の波長がnum)を発生し、集光部52を介して外部入力エネルギーnを集光する。この外部入力エネルギーnは、斜め方向から試料Dに短時間に照射される。この照射は、例えば、パルス幅が約10-500nsの光パルスの照射である。
外部入力エネルギーのスポット径は、使用光の波長nの数倍に近いレベル(波長nの10倍以下)まで集光する。試料Dの表面がこのn波長の光をよく吸収する材料と吸収が少ない材料から混合している場合は、n波長の光をよく吸収する材料領域はn波長の光のエネルギーを吸収して熱エネルギーになる。この結果、図1の点線に示すように、温度が上昇して熱膨張が発生する。
一方、n波長の光をあまり吸収しない領域は時間が十分短い場合、温度上昇せず、熱膨張が発生しない。光パルスを照射した直後の表面干渉信号である干渉縞(干渉パターン)の変化をもう一度撮像し、干渉縞が大きく動いた領域は、n波長の光をよく吸収した材料の存在領域である。一方、干渉縞があまり動いていない領域は、n波長の光を吸収しない材料の存在領域である。このような干渉縞の変化量を用いて高さ変化を算出し、外部入力信号nの吸収率を算出する。
次に、外部入力エネルギーn(光の波長がnum)を同じく試料Dに照射し、上記測定を行うことで、外部入力エネルギーn(光の波長がnum)を照射後の表面干渉信号を干渉縞(干渉パターン)の変化をもう一度撮像する。そして、干渉縞が大きく動いた領域は、n波長の光をよく吸収した材料の存在領域である。一方、干渉縞があまり動いていない領域は、n波長の光を吸収しない材料の存在領域である。
図2を参照して、実施例1の二次元変位計測方法について詳細に説明する。
最初に試料Dの1次表面高さを測定する(S41)。1次表面高さは、外部入力エネルギーnが照射されていないときの高さである。なお、本高さは基礎表面高さと呼ぶことがある。次に、外部入力信号nを照射することにより(S42)試料Dが熱膨張状態1になる(S43)。
次に、熱膨張状態1の試料Dの2次表面高さを測定する(S44)して、1次表面高さと2次表面高さとの高さ変化を算出する(S45)。次に、外部入力エネルギーnの吸収率を算出する(S46)。
そして、外部入力エネルギーn照射(S42)から外部入力エネルギーnの吸収率算出(S46)までの測定を繰り返し実施する(S47)。これにより、すべての外部入力エネルギー(すべての波長の光)に対するそれぞれのエネルギー吸収率、つまり熱膨張膨の2次元イメージを計測する。最後に、二次元の分光結果を算出する(S48)。
このように、処理部30は、外部入力エネルギー照射部50から外部入力エネルギーを試料Dに未照射の状態で、センサ15で計測された試料Dの表面形状情報の表面高さを測定する。次に、外部入力エネルギー照射部50から第1の波長を有する外部入力エネルギーを試料Dに照射した状態で、センサ15で計測された試料Dの垂直方向の変位である第1の熱膨張から二次元平面における第1の表面高さを測定する。そして、未照射時の表面形状情報と前記第1の表面高さの高さ変化を算出する。この高さ変化に基づいて第1の波長を有する外部入力信号の吸収率を算出して二次元の分光結果を求めて表示部40に出力する。
但し、固体中の熱の拡散が非常に早いので、ポリマ系の材料の場合、空間分解能が1um以下に実現できる。このために、照射及び照射直後の撮影時間の合計は5μ秒以下である必要がある。試料Dへの照射時間と照射終了後の経過時間が短ければ短いほど空間分解能が上昇する。しかし、試料Dに十分の熱膨張を発生させるためには、およそ10-500nsの照射時間が必要である。これは、試料Dの光吸収率と熱膨張係数に関係する。また、2次元センサ15の測定S/Nを確保するために、一定の撮影時間も必要である。現状における最高速のカメラを使用する場合は約1μ秒程度である。
このように、外部入力エネルギーの照射時間と測定時間を、異なる試料Dとセンサ15に対して最適化して、高空間分解能、広域かつ高速な分光イメージング計測が行われる。ここで、外部入力エネルギーの種類としては、主に赤外光であるが、紫外光、可視光又は磁場も使用することも可能である。
実施例1では、ある物理量(例えば、光)を別の物理量(熱膨張)へと変換して計測することで従来の分解能を越える計測手法で計測する際に、点計測ではなく、顕微鏡装置(例えば、走査型白色干渉顕微鏡)を利用する二次元の面測定を行う。これにより、大面積かつ高速な測定を行うことができる。
図3を参照して、実施例2の分光測定装置の構成について説明する。実施例2では外部入力エネルギー(光)は同軸に照射される。
実施例2の分光測定装置は、分光測定を行う際、まず外部入力エネルギーn(光の波長がnum)と試料Dの表面凹凸を測定する光信号を同軸照射する。図1に示す実施例1の分光測定装置との差異は、実施例2の二次元変位計測装置では、外部入力エネルギー照射部50が外部入力エネルギー発生部51だけで構成されている点と、対物レンズ14の代わりに同軸集光レンズ53が設けられている点である。その他の構成は、図1に示す実施例1の分光測定装置と同じなので詳細な説明は省略する。
図3に示すように、光源11からの光は同軸集光レンズ53を介して、試料Dの表面の性状(凹凸など)を観察する計測用光と同軸に照射される。
実施例2の分光測定装置では、図1に示す実施例1の分光測定装置による斜め方向からの照射と比べて、照射光のスポット径は入射光の波長nにさらに近いレベル(波長nの8倍以下)まで集光できる。
図4を参照して、実施例3について説明する。
装置の初期構成として、外部入力エネルギー発生部51が発生した外部入力エネルギーが集光部52(図1参照)又は同軸集光レンズ53(図3参照)を介して集光される際に、この外部入力エネルギーの空間エネルギー分布を事前に確認する。よって、典型的には実施例3は試料Dの測定前に行う。
図4に示すように、試料Dは、外部入力エネルギーに対して、吸収率が既知、かつ均一な材料である既知試料である。
処理部30は、外部入力エネルギーの空間エネルギー分布を推測し、推測した空間エネルギー分布に基づいて、高さ変化又は吸収率を補正する。
処理部30は、試料Dの表面形状を測定する前に、外部入力エネルギーに対する吸収率が既知かつ均一な材料で構成された既知試料に対して、外部入力エネルギー照射部50より外部入力エネルギーを照射して、センサ15によって既知試料に発生する変位を取得する。そして、既知試料の変位に基づく吸収率の分布と、既知試料の吸収率とに基づいて空間エネルギー分布を推測する。
実施例4では、実施例3を利用して、試料Dとして外部入力エネルギーに対する吸収率が既知、かつ均一な材料で構成された既知試料を用いることにより、図4で示すように、瞬間的な熱膨張を測定する。実施例4によれば、これまで測定困難であった光スポット(例えば、中、遠赤外光)の2次元空間分布を高速かつ高感度に計測できる。
図5を参照して、実施例5について説明する。
試料Dの表面の性状(凹凸など)を観察する際に、ピエゾアクチュエータ16を用いて掃引させることにより(矢印Cの動き)、測定対象物であり試料Dとの距離を変化させることが必要である。
実施例5の構成により、図5で示すように、まず外部入力エネルギーを照射する前の測定対象物である試料Dの位置を焦点より少し下に移動させる。その後、ピエゾアクチュエータ16による試料Dの移動は外部入力エネルギーの照射による試料Dの熱膨張(図5の点線状態)で代替できる。
処理部30は、センサ15が計測した試料Dの変位である熱膨張に基づいて、ピエゾアクチュエータ16による前記上下移動動作を停止させた状態で、試料Dの表面の性状を計測する。
実施例5によれば、外部入力エネルギーの高速変調による測定の高速化が図れる。さらに、ピエゾアクチュエータ16からの機械的なノイズと電気的なノイズがなくなり測定の低ノイズ化が実現できる。
また、実施例5では、図5に示すように、外部入力エネルギーによる試料の瞬間的な熱振動が圧電素子(図示せず)による焦点合せを代替する。
処理部30は、顕微鏡装置10から、焦点が合っているか否かの情報を取得(又は処理部30の計算により取得)する。焦点が合っていない場合は、処理部30は、試料Dに外部入力エネルギーを所定量照射させることで、試料Dを焦点が合うまで変形させる。なお、所定量照射(照射合わせ用照射量と呼ぶことがある)は焦点合わせ後も引き続き照射し続けるものとする。言い方を変えると、処理部30は、外部入力エネルギー照射部50から外部入力エネルギーの照射量を調整し、試料Dを前記顕微鏡装置10の焦点位置に試料Dの一部を含めるように変形させる。
図5に示すように、外部入力エネルギーによる試料Dの瞬間的な熱振動を、従来の圧電素子による焦点合せのための試料Dの微小位置変化に流用する。実施例5によれば、従来より、短時間かつ低ノイズの測定が実現できる。
上記実施例によれば、光の波長以下の小さい領域の測定が可能となる。また、直接光信号の計測ではなく、外部入力エネルギーを印加して外部入力エネルギーに対する吸収による測定対象物の垂直方向の変位(主に、熱膨張)を走査型白色干渉顕微鏡装CSI(ナノ3D光干渉計測システム)のような二次元で表面形状を計測できる装置を利用することで、高分解能、高速かつ広領域で計測を行うことができる。
但し、上記実施例には二次元で表面形状を計測できる装置の例として、走査型白色干渉顕微鏡装を挙げたが、同じく高速に二次元表面形状を測定できる他の装置(例えばレーザ共焦点顕微鏡)も利用でき、同じく性能を実現することができる。
以上、実施例について説明した。なお、各実施例は例えば下記のバリエーションを有してもよい。
実施例5の焦点合わせは、吸収率に基づく分光測定以外の用途に用いる顕微鏡装置に適用してもよい。その際は、顕微鏡装置の光源11から前述の外部入力エネルギーを照射させてもよい。
実施例4に記載の技術は、分光測定装置以外の外部入力エネルギー照射部の空間エネルギー分布測定装置に適用してもよい。
例えば、空間エネルギー分布測定装置は、外部入力エネルギー照射部が照射する外部入力エネルギーの2次元空間分布を測定する。空間エネルギー分布測定装置は、外部入力エネルギーに対する吸収率が均一な材料で構成された既知試料の表面形状を測定する顕微鏡装置10と、データを処理する処理部30とを有する。顕微鏡装置10は、既知試料に外部入力エネルギーを照射した際に発生する既知試料の変位を二次元平面で計測するセンサ15を有する。
処理部30は、センサ15により計測された計測データに基づいて、既知試料上の外部入力エネルギーの吸収量の分布を計算し、吸収量の分布に基づいて外部入力エネルギー照射部50が照射するエネルギーの2次元空間分布を計算する。
なお、ここで言う空間は、照射方向に対して平行でない平面を定義した際の平面を指す。ただし、その値と照射装置のエネルギー照射路を考慮すれば三次元空間上のエネルギー分布がわかる。
10 顕微鏡装置
11 光源
12 フィルタ
13 ビームスプリッタ
14 対物レンズ
15 センサ
16 ピエゾアクチュエータ
20 ステージ
30 処理部
40 表示部
50 外部入力エネルギー照射部
51 外部入力エネルギー発生部
52 集光部
53 同軸集光レンズ

Claims (8)

  1. 計測対象である試料の表面形状を測定する顕微鏡装置と、
    前記試料に外部入力エネルギーを照射する外部入力エネルギー照射部と、
    データを処理する処理部と、
    情報を表示する表示部と、を有する分光測定装置であって、
    前記顕微鏡装置は、
    前記試料に前記外部入力エネルギーを照射した際に発生する前記試料の変位を二次元平面で計測するセンサを有し、
    前記処理部は、
    前記センサにより計測された計測データに基づいて、前記外部入力エネルギーの吸収率を算出し、
    前記表示部は、
    前記吸収率を出力し、
    前記処理部は、
    前記試料に前記外部入力エネルギーを照射した際に発生する前記試料の変位を用いて、前記顕微鏡装置の焦点合わせを行うことを特徴とする分光測定装置。
  2. 前記外部入力エネルギー照射部は、
    前記外部入力エネルギーを前記顕微鏡装置の光軸に対して斜め方向に照射することを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  3. 前記外部入力エネルギー照射部は、
    前記外部入力エネルギーを前記顕微鏡装置の光軸に対して垂直方向に照射することを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  4. 前記処理部は、
    前記外部入力エネルギー照射部が外部入力エネルギーを前記試料に照射していない状態で、前記センサで計測された前記試料の表面形状である基礎表面高さを取得し、
    前記外部入力エネルギー照射部から第1の波長を有する外部入力エネルギーを前記試料に照射した状態で、前記センサで計測された前記試料の表面形状である第1の表面高さを取得し、
    前記基礎表面高さと前記第1の表面高さの高さ変化を算出し、
    前記高さ変化に基づいて、前記吸収率を算出することを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  5. 前記処理部は、
    外部入力エネルギー照射部から照射される前記外部入力エネルギーの照射量を調整し、前記試料を前記顕微鏡装置の焦点位置に前記試料の一部を含めるように変形させることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  6. 前記顕微鏡装置は、計測用光源を更に有し、
    前記計測用光源は、白色光源又は単色レーザ光源であり、
    前記外部入力エネルギー照射部は、
    前記外部入力エネルギーとして、マイクロ波、赤外光、可視光、UV、X線又は電子線を前記試料に照射することを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  7. 前記顕微鏡装置は、
    走査型白色干渉顕微鏡、走査型干渉顕微鏡又はレーザ共焦点顕微鏡であることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
  8. 計測対象である試料の表面形状を測定する顕微鏡装置と、
    前記試料に外部入力エネルギーを照射する外部入力エネルギー照射部と、
    データを処理する処理部と、
    情報を表示する表示部と、を有する分光測定装置であって、
    前記顕微鏡装置は、
    前記試料に前記外部入力エネルギーを照射した際に発生する前記試料の変位を二次元平面で計測するセンサを有し、
    前記処理部は、
    前記センサにより計測された計測データに基づいて、前記外部入力エネルギーの吸収率を算出し、
    前記表示部は、
    前記吸収率を出力し、
    前記処理部は、
    前記外部入力エネルギー照射部が外部入力エネルギーを前記試料に照射していない状態で、前記センサで計測された前記試料の表面形状である基礎表面高さを取得し、
    前記外部入力エネルギー照射部から第1の波長を有する外部入力エネルギーを前記試料に照射した状態で、前記センサで計測された前記試料の表面形状である第1の表面高さを取得し、
    前記基礎表面高さと前記第1の表面高さの高さ変化を算出し、
    前記高さ変化に基づいて、前記吸収率を算出し、
    前記処理部は、
    前記外部入力エネルギーの空間エネルギー分布を推測し、
    前記推測した空間エネルギー分布に基づいて、前記高さ変化又は前記吸収率を補正し、
    前記処理部は、
    前記試料の表面形状を測定する前に、
    前記外部入力エネルギーに対する吸収率が既知かつ均一な材料で構成された既知試料に対して、前記外部入力エネルギー照射部より前記外部入力エネルギーを照射し、
    前記センサによって、前記既知試料に発生する変位を取得し、
    前記既知試料の変位に基づく吸収率の分布と、前記既知試料の吸収率とに基づいて前記空間エネルギー分布を推測することを特徴とする分光測定装置。
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