JP2006005304A - 希土類系ボンド磁石用組成物及びそれを用いて得られる希土類系ボンド磁石 - Google Patents

希土類系ボンド磁石用組成物及びそれを用いて得られる希土類系ボンド磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な耐熱性を有し、機械強度が高く、しかもリサイクル性に優れた希土類系ボンド磁石組成物及びそれを用いて得られる希土類系ボンド磁石を提供する。
【解決手段】希土類−遷移金属系磁石粉末と、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂とを含有するリサイクル性に優れた希土類系ボンド磁石用組成物であって、上記PPS樹脂の少なくとも70重量%は、溶融粘度(300℃、剪断速度600s−1で測定)が200poise以上の架橋型PPSであることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物などによって提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、十分な耐熱性を有し、機械強度が高く、しかもリサイクル性に優れた希土類系ボンド磁石用組成物及びそれを用いて得られる希土類系ボンド磁石に関するものである。
ボンド磁石は、磁石粉末に熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などのバインダを配合し、混練した磁石用組成物を成形して製造されている。熱可塑性樹脂をバインダとしたボンド磁石には、耐熱性が劣るものがある中で、耐熱性に優れるポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を用いたボンド磁石が知られている。しかし、耐熱性は優れていても成形体の機械強度が低いという問題があり、このような問題を解決する試みが、これまでに種々行われている。
たとえば、フェライト粉末などの磁粉に特定の溶融粘度を有するPPS樹脂を配合した磁石用組成物が提案されている(特許文献1参照)。また、PPS樹脂に対して変性ポリオレフィン類とガラス繊維とを添加することが提案され、射出成形後の成形品のサーマルショック性が改善されるとしている(特許文献2参照)。直鎖型PPSを用いてプラスチック磁石ロータを製造し、架橋型PPS樹脂を用いたボンド磁石の脆さを改善することが提案されている(特許文献3参照)。また、磁粉率を68〜76vol%まで高めた射出成形磁石において、良好な成形性・磁気特性・機械強度を実現するために、PPS樹脂やポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂と酸化防止剤を配合することが提案されている(特許文献4参照)。さらに、PPS樹脂に熱可塑性ノルボルネン系樹脂を配合することにより耐熱性・成形性・アイゾット衝撃強度を向上させることが提案されている(特許文献5参照)。
ところで、射出成形磁石を製造する場合は、溶融した磁石用組成物を金型のキャビティーに導入して磁石成形品とするが、磁石用組成物は、キャビティーに至るまでに流路であるスプルーやランナーを通過する。そして、成形後にスプルーやランナーに取り残された部分は磁石成形品から切除される。こうして生じた余剰部分は、従来廃棄の対象であったが、環境保護の観点と材料ロス軽減のために、これらをリサイクルする必要性が高まっている。しかしながら、PPS樹脂を用いたボンド磁石は、リサイクル時に、さらなる成形性の低下や成形品強度低下を起こしてしまう問題があった。
成形性低下の問題に対しては、磁石粉末にトリアジンジチオール誘導体やリン酸で表面処理を施すことが提案されている(特許文献6、7参照)。これにより成形性は多少改善されるものの、PPS樹脂と磁粉を混練した組成物では、射出成形した成形体の強度がリサイクル品になると低下する。これは、磁粉としてフェライト磁石粉を用いた時に比較して、希土類磁石粉を用いた時に顕著な現象である。以上のことから、PPS樹脂を用いたボンド磁石においては、余剰品を再使用しようとすると成形性が悪化し、成形品の強度が低下するのでリサイクルがほとんど行われていないのが現状である。
特開平1−128503号公報 特開平4−044304号公報 特開平7−170682号公報 特開平9−129427号公報 特開平10−77381号公報 特開2003−092210号公報 特開2002−124406号公報
本発明の課題は、上記従来の問題点に鑑み、十分な耐熱性を有し、機械強度が高く、しかもリサイクル性に優れた希土類系ボンド磁石用組成物及びそれを用いて得られる希土類系ボンド磁石を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を用いたボンド磁石においては、フェライト粉末よりもSmまたはNdの少なくとも一種を含有する希土類磁石粉末を用いて磁石用組成物を調製した場合に強度低下が顕著であり、それは磁石用組成物の混練工程や射出成形工程を経るとPPS樹脂が低分子量化するためであることを見出し、特定の溶融粘度を有する架橋型PPSを主成分とするPPS樹脂を選択すれば、かかる強度低下の問題を回避できることを確認して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、希土類−遷移金属系磁石粉末と、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂とを含有するリサイクル性に優れた希土類系ボンド磁石用組成物であって、上記PPS樹脂の少なくとも70重量%は、溶融粘度(300℃、剪断速度600s−1で測定)が200poise以上の架橋型PPSであることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、PPS樹脂が直鎖型及び/又はセミ直鎖型PPSを含有する場合は、直鎖型及び/又はセミ直鎖型PPSの含有量が樹脂全体の30重量%未満であることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、希土類−遷移金属系磁石粉末の表面が、表面処理剤により被覆されていることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、表面処理剤が、燐酸系化合物、シリカ系化合物、又はトリアジンチオール誘導体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、さらに、重金属不活性化剤を含有することを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、重金属不活性化剤が、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、又はヒドラジン誘導体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、重金属不活性化剤の融点が、200℃以上であることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、希土類−遷移金属系磁石粉末が、SmまたはNdの少なくとも一種の希土類元素を含有することを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明において、リサイクル性の指標である成形体の強度比R/V(V:初期曲げ強度、R:リサイクル時の曲げ強度)が、70%以上であることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物が提供される。
一方、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明の希土類系ボンド磁石用組成物を射出成形法して得られる希土類系ボンド磁石が提供される。
本発明の希土類系ボンド磁石用組成物は、希土類−遷移金属系磁石粉末と特定の架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分として含有した希土類系ボンド磁石用組成物であり、この希土類系ボンド磁石用組成物は、PPS樹脂が優れた耐熱性を有することから高温環境下で使用可能であるとともに、リサイクルして用いても成形品の曲げ強さが低下しない。また、この希土類系ボンド磁石用組成物を成形して得られるボンド磁石は、機械強度が高いのでロータなど各種機械部品として極めて有用である。
本発明の希土類系ボンド磁石用組成物は、希土類−遷移金属系磁石粉末と、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂とを含有するリサイクル性に優れた組成物であって、PPS樹脂は、溶融粘度が特定範囲にある架橋型PPSが主成分を占めている希土類系ボンド磁石用組成物である。
なかでも希土類−遷移金属系磁石粉末が表面処理されているか、または重金属不活性化剤が含有されている希土類系ボンド磁石用組成物が好適である。
1.希土類−遷移金属系磁石粉末
本発明において用いられる希土類−遷移金属系磁石粉末は、SmまたはNdの少なくとも一種を含有する希土類磁石粉末であって、SmCo系磁石粉末、SmCo17系磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石粉末、Nd−Fe−B系磁石粉末、又はこれらの混合物が挙げられる。
SmCo17系磁石粉末は、Coの一部がFe、Cu、Zr、Hfなどで置換されたものを含む。また、Sm−Fe−N系磁石粉末としては、Feの一部がCo、Mn、Niなどで置換されたものも含まれる。またNd−Fe−B系磁石粉末としては、Feの一部がCo、Mn、Niなどで置換されたものも含まれる。
また、SmまたはNdの一部がLa、Ce、Pr、Tb、Dyなどで置換されたものも含まれる。また、これらの磁石粉末については、異方性の磁石粉末でも等方性の磁石粉末でも同様の効果が得られ、磁石用合金の製造方法は還元拡散法、液体急冷法などが採用され特に限定されない。また希土類磁石粉末の一部をフェライト磁石粉末で置換して、所望の磁気特性になるよう調整することもできる。
磁石粉末の粒径は、通常、500μm以下でよく、300μm以下が好ましく、特に好ましくは150μm以下である。平均粒径は、0.1〜30μm、好ましくは1〜10μmである。粒径が大きすぎると、磁石用組成物の流動特性が悪化したり、得られる磁石の寸法安定性および表面平滑性が悪化する場合がある。逆に、粒径が小さすぎると、加熱混練時や射出成形時の酸化劣化が著しくなって磁気特性が低下する。
2.表面処理剤
希土類−遷移金属系磁石粉末を被覆するのに用いられる表面処理剤は、燐酸系化合物、シリカ系化合物、又はトリアジンチオール誘導体から選ばれる少なくとも一種である。
燐酸系化合物としては、たとえば特開昭60−13826号公報、特開昭61−9501号公報、特開平02−46703号公報、特開平11−251124号公報などに記載されているものを適用することができる。このうち、特開2003−007521号公報に記載されるものがリサイクル強度の低減を抑える効果が高いという点で特に好ましい。
具体的には、磁石粉末1kgに対して、85%リン酸10〜30gと2−プロパノールなどの有機溶剤1〜2kgを混合した溶液に磁石粉末を混合して、真空中で100〜200℃に加熱して乾燥すればよい。
また、シリカ系化合物としては、たとえばテトラメチルオルソシリケートやテトラエチルオルソシリケートが挙げられる。これを用いればゾルゲル反応により磁石粉末表面に被膜を有効に形成できる。例えば、磁石粉末1kgに対して、シリカ系化合物を30〜80g、水0.1〜0.5gを混合した溶液に混合して、真空中で50〜150℃に加熱して乾燥すればよい。
また、トリアジンチオール誘導体としては、トリアジンチオールの他に、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンなどが使用できる。これをメタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコールを溶媒として希釈し、ミキサ内で磁石粉末と撹拌混合し、その後不活性ガス雰囲気中で溶媒を揮発除去すれば被膜を形成することができる。例えば、磁石粉末1kgに対し、トリアジンチオール誘導体3〜8gをアルコール100〜300gに混合した溶液に混合して、真空中で50〜150℃に加熱して乾燥すればよい。
なお、特開2003−92210号公報(特許文献6)には同様の技術が記載され、トリアジンチオール誘導体の種類によっては、たとえばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂やPPS樹脂などの高分子化合物と共に混練したボンド磁石組成物で、金属−高分子化合物間の親和性を増加させたり、高分子化合物の分解を抑制するものがあると記載されている。これらを用いれば初期材機械強度は確かに改善するものの、リターン材強度は大幅に低下し、表面処理の効果が消失するので好ましくない。本発明により、特定の表面処理した希土類磁石粉末表面粉末と特定のPPS樹脂とを併用することによって初めて、リターン材強度を高めることができるものである。
特開2002−124406号公報(特許文献7)も磁石粉末に表面処理を施しているが、PPS樹脂と混練した組成物を射出成形した成形体の強度は、PPS樹脂の種類によってはリサイクル品の強度が低下する場合がある。
3.ポリフェニレンサルファイド樹脂
本発明において用いられるポリフェニレンサルファイド樹脂は、ベンゼン環と硫黄原子とが交互に結合した構造の熱可塑性樹脂であり、希土類磁石粉末のバインダーとして機能する成分である。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、300℃、剪断速度600s−1における溶融粘度が200poise以上である架橋型PPSが樹脂全体の70重量%以上を占めているものでなければならない。この条件を満たせば、残部はセミ直鎖型PPS(部分架橋型PPS、あるいは半架橋型PPSとも称される)、或いは直鎖型PPSとすることができる。架橋型PPSは、樹脂全体の70重量%以上、好ましくは85重量%以上、特に90重量%以上であることが好ましい。70重量%未満では機械強度を十分に高めることができない。
本発明において、PPS樹脂を架橋率によって区別するとすれば、架橋型PPSとは架橋率が26%以上(例えば、30〜40%)のもの、セミ直鎖型PPSとは架橋率が5〜25%のもの、直鎖型PPSとは架橋率が5%未満のものを指すものとする。
磁石粉末がフェライトの場合、直鎖型PPSは、成形時の高温条件で若干低分子量化するが、希土類磁石粉末である場合にはそれが著しい。また直鎖型PPSは、架橋型PPSに比べて靭性に優れるとされるが、希土類磁石粉末をフィラーとした場合には、その靭性が急激に劣化する。
これは希土類磁石粉末の成分が何らかの働きで直鎖PPSの分子鎖を切断するためと推定される。そのため直鎖型PPSを主成分とした磁石用組成物では、その初期材を射出成形してなる成形体で強度低下が大きく、さらに副生したスプルーやランナー部分の余剰品を再生したリターン材では、極端な場合、成形すらできなくなっていた。
これに対して、本発明のPPS樹脂は、架橋型PPSを主成分として含有するので、磁石粉末が希土類磁石粉末であっても容易には分子鎖が切断されず、この磁石用組成物の初期材を射出成形してなる成形体で強度低下が小さく、さらにスプルーやランナーを再生したリターン材でも、成形不能に陥ることはない。
架橋型PPSの分子量は、得られる樹脂結合型磁石に所望の機械的強度が得られる範囲内で低い方が好ましい。分子量が小さすぎると、機械的強度が著しく低下して、成形できなくなる場合がある。ただし、分子量が大きすぎると、得られる組成物の流動性が低下して、成形性が悪化する場合がある。
架橋型PPSの溶融粘度(300℃、剪断速度600s−1)は、分子量とも相関があり、200poise以上でなければならない。具体的には、300℃、600s−1(加熱成形時の温度、剪断速度)での溶融粘度は、200〜2000poise、特に300〜1500poiseであることが好ましい。200poiseよりも小さいと、機械的強度が著しく低下して、成形できなくなる場合がある。但し、2000poiseよりも大きいと、得られる組成物の流動性が低下して、成形性が悪化する場合がある。
架橋型PPSは、従来公知の方法により容易に合成することができる。すなわち、架橋型PPSは、分子量数百〜2千程度の比較的分子量の小さい直鎖状のPPSを、250℃程度の温度で1〜12時間程度熱処理して、架橋の度合いを示す架橋率が26%以上(30〜40%程度)、見掛けの分子量が数千〜数万程度になるように架橋させることで製造される。
また、架橋型PPSとしてK−1、K−4〔商品名、(株)トープレン製〕、或いはサスティール#140、サスティールB−042〔商品名、東ソー(株)製〕などの市販品を使用することもできる。
架橋型PPSの形状は、パウダー状、ビーズ、ペレット状のいずれでもよく、磁石粉末と均一に混合される点でパウダー状が好ましい。
本発明の希土類系ボンド磁石用組成物においては、PPS樹脂成分が全量架橋型PPSであるか、あるいは、樹脂成分全体の70重量%以上が架橋型PPSである必要があり、残部として直鎖型PPSおよび/またはセミ直鎖型PPSを含有してもよい。PPS樹脂成分全体の70重量%よりも架橋型PPSが少なくなると、初期材の機械強度や、初期材機械強度に対するリターン材機械強度の強度比が低下する。
セミ直鎖型PPSおよび、または直鎖型PPSを架橋型PPSと組み合せて用いる場合、それらの溶融粘度は、得られるボンド磁石に所望の機械的強度が得られる範囲で低い方が好ましい。上記架橋型PPSと同様に、200poise以上であることが望ましい。具体的には、300℃、600s−1(加熱成形時の温度、剪断速度)での溶融粘度は、好ましくは200〜2000poise、特に300〜1500poiseであることが好ましい。200poiseよりも小さいと、機械的強度が著しく低下して、成形できなくなる場合がある。但し、2000poiseよりも大きいと、得られる組成物の流動性が低下して、成形性が悪化する場合がある。
セミ直鎖型PPS、又は直鎖型PPSの量は、樹脂成分全体の30重量%以下であることが好ましい。直鎖型PPSよりもセミ直鎖型PPSのほうが構造的に架橋型PPSに近いことから、架橋型PPSを第一成分とすれば、第二成分としてセミ直鎖型PPSの比率を高めることが好ましい。一方、第二成分として直鎖型PPSを用いると、高温高湿下で組成物の吸湿が少なくなるが、多すぎると強度が低下する。
セミ直鎖型PPS、直鎖型PPSも、従来公知の方法により容易に合成することができる。セミ直鎖型PPSは、直鎖型PPSを熱処理して部分架橋させる際の熱処理時間を短くしたり、あるいは処理温度を低くしたりすればよいが、直鎖型PPSの架橋は酸素によって促進されるので、熱処理雰囲気中の酸素含有量を少なくしても、セミ直鎖型PPSの架橋率を調整することができる。実際の製造に際しては上記3つの方法を適宜組み合わせて、セミ直鎖型PPSの架橋率を調整すればよい。
セミ直鎖型PPSとしては、(株)トープレン製のT−2(商品名)などの市販品を使用することもできる。また、直鎖型PPSとしては、(株)トープレン製のH−1(商品名)、LR−03(商品名)、トープレンPPS LN−1(商品名)などの市販品を使用することもできる。
本発明においては、必要に応じて、主成分となるポリフェニレンサルファイド樹脂以外の熱可塑性樹脂を添加することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば6ナイロン、6,6ナイロン、4,6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、芳香族系ナイロンなどのポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;液晶ポリマ−;これらの樹脂の単量体単位と他種モノマーとの共重合体;ならびにこれらの樹脂を脂肪酸などで変性したものが挙げられる。
4.重金属不活性化剤
本発明において、樹脂バインダーであるPPS樹脂が、磁粉の鉄、コバルト、マンガンなどの重金属イオンにより接触酸化劣化するのを防止するために重金属不活性化剤を使用することができる。
重金属不活性化剤を用いれば、これら重金属イオンとキレート化合物を形成してポリマー中のハイドロパーオキサイドの重金属イオンによる接触分解を防止できるものと考えられる。
本発明における重金属不活性化剤としては、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、又はヒドラジン誘導体から選ばれる少なくとも一種を適用できる。これらの中でも、サリチル酸誘導体および/またはヒドラジン誘導体が好ましく、その融点が200℃以上、より好ましくは300℃以上のものを適用するのがよい。
たとえば、オキサリル−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N−ジベンザル(オキザルヒドラジド)、2,2’−オキサミドビス[エチル3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのシュウ酸誘導体;N−サリシロイル−N´−アルデヒドラジン、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールなどのサリチル酸誘導体;2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、イソフタリック酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジン)などのヒドラジン誘導体を挙げることができる。
融点が200℃よりも低い重金属不活性化剤を用いると、初期材機械強度やリターン材機械強度が十分でなくなるという問題が現れる。その原因は完全に究明された訳ではないが、混練中に重金属不活性化剤が徐々に揮発するためと推測される。
なお、重金属不活性化剤自体には酸化防止作用がないため、必要によりフェノール系酸化防止剤やイオウ系酸化防止剤と併用することもできる。
前述の特開平09−129427号公報(特許文献4)には、希土類磁石粉末とPPS樹脂と酸化防止剤とからなる希土類ボンド磁石組成物が記載され、たとえば、実施例にNd−Fe−B系磁石粉末とPPS樹脂とヒドラジン系酸化防止剤とからなる希土類ボンド磁石が高い機械強度を有することが開示されている。しかしながら、本発明の重金属不活性化剤の代わりに上記酸化防止剤を使用すると、初期材機械強度は確かに改善するものの、リターン材強度は大幅に低下し、表面処理を行ってもその効果が消失することから、ここで生起するメカニズムは相違していると考えられる。
5.その他の添加剤
本発明における希土類系ボンド磁石用組成物には、必要に応じて、上記重金属不活性化剤以外の添加剤として滑剤、安定剤などを添加することができる。
滑剤としては、例えばパラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、マイクロワックスなどのワックス類;ステアリン酸、1,2−オキシステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの脂肪酸類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛などの脂肪酸塩(金属石鹸類);ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、べへン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル;エチレングリコール、ステアリルアルコールなどのアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールおよびこれら変性物からなるポリエーテル類;ジメチルポリシロキサン、シリコングリースなどのポリシロキサン類;フッ素系オイル、フッ素系グリ一ス、含フッ素樹脂粉末などのフッ素化合物;ならびに窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化ケイ素、二硫化モリブデンなどの無機化合物粉体が挙げられる。これらの滑剤は、一種単独でも二種以上組み合わせてもよい。該滑剤の配合量は、磁石粉末100重量部に対し、通常、1〜10重量部でよい。
安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−4−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−べンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−べンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、こはく酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン重縮合物、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]へキサメチレン[[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル]イミノ]]、2−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などのヒンダードアミン系安定剤;ならびにフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系などの抗酸化剤が挙げられる。これらの安定剤も、一種単独でも二種以上組み合わせてもよい。該安定剤の配合量は、磁石粉末100重量部に対し、通常、0.05〜10重量部でよい。
本発明の希土類ボンド磁石組成物は、上記の通り、(1)希土類磁石粉末に対して、(2)熱可塑性樹脂バインダーとして、樹脂成分全体の70重量%以上が架橋型PPSであるPPS樹脂を混合し、必要に応じて、(3)希土類磁石粉末に燐酸塩被膜、シリカ被膜、又はトリアジンチオール誘導体被膜のいずれかの被膜を形成し、及び/又は(4)重金属不活性化剤をPPS樹脂成分に配合し、これらを混練した組成物である。
そして、このように構成することによって、初期材から得た成形体が高い機械強度を有するのみならず、リターン材から得た成形体においてもその機械強度低下を大幅に抑制できる希土類ボンド磁石用組成物となる。
このような効果を発現させるためには、上記の(1)+(2)でなければならず、(1)+(2)+(3)であるか、(1)+(2)+(4)であることがより好ましく、さらに好ましくは(1)+(2)+(3)+(4)とする。(1)+(2)の条件を満たさない希土類ボンド磁石用組成物では、初期材強度を改善することができてもリターン材強度まで改善することはできない。
6.希土類系ボンド磁石用組成物の調製
本発明の希土類系ボンド磁石用組成物は、必要により希土類−遷移金属系磁石粉末を表面処理した後、ポリフェニレンサルファイド樹脂成分が全量架橋型PPSであるか、あるいは、樹脂成分全体の70重量%以上が架橋型PPSで、直鎖型PPSおよび/またはセミ直鎖型PPSであるPPS樹脂に対して、必要に応じて重金属不活性化剤、その他の添加剤を、均一に混合することにより調製される。
表面処理剤の使用量は、その種類や磁石粉末の種類や量によって異なるので一概に規定できないが、磁石粉末に対して、通常、0.1〜3.0重量%でよく、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲である。0.1重量%未満では成形体の強度を向上する効果が不十分であり、3.0重量%を超えると磁気特性、機械強度が低下する場合がある。
PPS樹脂の配合量は、磁石粉末100重量部に対して、通常、5〜100重量部でよく、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部である。配合量が5重量部よりも少ないと、組成物の混練抵抗(トルク)が著しく高まり、流動性が低下して成形困難になる場合がある。逆に、100重量部よりも多いと、所望の磁気特性のボンド磁石が得られない。
これら成分の混合方法には、各成分を同時に添加する方法、樹脂成分を混合した後、磁石粉末を混合する方法などが挙げられ、これらの中では、磁気特性などの特性が安定する点で、前者の方法が好ましい。
重金属不活性化剤の添加量は、磁粉の種類や量にもよるが、PPS樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部、特に0.1〜5重量部とすることが好ましい。添加量が0.05重量部未満では重金属によるPPS樹脂の接触分解を防止する効果が小さく、また10重量部を超えて添加してもそれ以上の効果はなく、むしろ分散不良、コストアップなどを生じるからである。
各成分の混合手段は、特に限定されず、例えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの混合機;ならびにバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出機などの混練機を用いた方法が挙げられる。得られる組成物の形状は、パウダー状、ビーズ状、ペレット状またはこれらの混合物の形であり、取扱いやすさの点でペレット状が好ましい。
本発明によれば、リサイクル性の指標である成形体の強度比R/V(V:初期曲げ強度、R:リサイクル時の曲げ強度)が70%以上である、希土類系ボンド磁石の原材料となるボンド磁石用組成物を調製することができる。
8.希土類系ボンド磁石
上記希土類系ボンド磁石用組成物は、加熱溶融された後、所望の形状に成形することができる。成形法としては、例えば射出成形法、押出成形法および圧縮成形法が挙げられ、これらの中では、射出成形法が好ましい。射出成形法により、本発明の希土類系ボンド磁石を得ることができる。
本発明により得られる希土類系ボンド磁石は、初期曲げ強度(V)が60MPa以上で、リサイクル時の曲げ強度は42MPa以上という優れた機械強度を有するものとなる。言いかえれば、上記のとおり、リサイクル性の指標である成形体の強度比(R/V)が70%以上の希土類系ボンド磁石を得ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、実施例および比較例などに用いた成分、試験方法、評価方法は単なる例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、これらに限定されるものではない。
<希土類磁石粉末>
・SmCo17系磁石粉末((株)三徳製)
・SmFeMnN合金粉末(住友金属鉱山(株)製)
・等方性NdFeB系磁石粉末MQP−B(マグネクエンチインターナショナル製)
・異方性NdFeB系磁石粉末1(住友特殊金属(株)製 HDDR−B)
・異方性NdFeB系磁石粉末2(愛知製鋼(株)製 MFP13)
<フェライト粉末>
・ストロンチウムフェライト(戸田工業(株)製FA700)
<表面処理剤>
・燐酸系化合物:リン酸
・シリカ系化合物:メチルシリケートオリゴマー、MKCシリケートMS51(三菱化学製)
・トリアジンチオール誘導体:2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン((株)東亜電化製)
<架橋型PPS樹脂>
・ポリフェニレンサルファイド:(株)トープレン製、商品名:K−1、溶融粘度350Poise(溶融粘度は300℃、600s−1で測定した。以下同じ。)
・ポリフェニレンサルファイド:(株)トープレン製、商品名:K−4、溶融粘度2000Poise
・ポリフェニレンサルファイド:(株)東ソー製、商品名:サスティール#140、溶融粘度380Poise
・ポリフェニレンサルファイド:(株)東ソー製、商品名:サスティールB−042、溶融粘度620Poise
<セミ直鎖型PPS樹脂>
・ポリフェニレンサルファイド:(株)トープレン製、商品名:T−2、溶融粘度600Poise
<直鎖型PPS樹脂>
・ポリフェニレンサルファイド:(株)トープレン製、商品名:H−1、溶融粘度100Poise
・ポリフェニレンサルファイド:(株)トープレン製、商品名:LR−03、溶融粘度300Poise
・ポリフェニレンサルファイド:呉羽化学(株)製、商品名:フォートロンW−214、溶融粘度1800Poise
・ポリフェニレンサルファイド:(株)トープレン製、LD−10、溶融粘度10000Poise
<重金属不活性化剤>
・サリチル酸誘導体1: 3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、旭電化工業(株)製、商品名:CDA−1、融点317℃
・サリチル酸誘導体2: デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、旭電化工業(株)製、商品名CDA−6、融点212℃
・ヒドラジン誘導体1: 2’,3−ビス−[[3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、チバ・スペシャルティ・ケミカル(株) 製、商品名IRGANOX MD1024、融点226℃
・ヒドラジン誘導体2: 三井東圧ファイン(株)製、商品名Qunox、融点227℃
・シュウ酸誘導体1: Eastman Kodak(株)製、商品名Eastman Inhibitor OABH、融点320℃
・シュウ酸誘導体2: Uniroyal Chemicals製、商品名Naugard XL−1、融点178℃
・複合物1: 旭電化工業(株)製、商品名 ZS−27、融点65℃
・複合物2: 旭電化工業(株)製、商品名 ZS−90、融点110℃
<曲げ強さ評価>
磁石用組成物を射出成形した後、成形体の曲げ強さを評価した。成形体の曲げ強さは、島津製作所製オートグラフAG−5000Eを用いて、標点間距離10mm、ヘッドスピード2mm/minの試験条件で評価を行った。
(実施例1)
SmCo17系磁石粉末にシリカ被膜を施した。シリカ被覆処理は、SmCo17系磁石粉末1kgを、三菱化学製 MKCシリケートMS51を50g、水0.35gを混合した溶液に混合して真空中で100℃に加熱して乾燥した。
架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤には、旭電化工業(株)製 3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール(商品名CDA−1)を使用した。
磁粉の容積率を56.7%として、PPS樹脂と重金属不活性化剤をPPS樹脂に対して0.5重量%使用して配合し、プラストミル((株)東洋精機製作所製)で混練した。
樹脂の粘度は、キャピログラフ試験器で測定した。
次に、得られた混練物を射出成形機((株)日本製鋼所製J−35M)に投入し、ノズル温度310℃、金型温度130℃の条件で、幅8mm×厚さ2mm×長さ15mmの成形体に射出成形し初期材を得た。
次に一度射出成形した成形体を粉砕して、再度同じ条件で射出成形を行い、リターン材を得た。
この結果、初期材の曲げ強さは84.0MPaで、リターン材が80.2MPaであり、強度の低下が少なかった。表1に、磁粉の表面処理の種類とPPS樹脂の種類と測定した粘度、重金属不活性化剤の種類と成形体の曲げ強さ(初期材、リターン材)を示す。
(実施例2)
SmCo17系磁石粉末に燐酸塩被膜を施した。燐酸塩被膜の被覆処理は、SmCo17系磁石粉末1kgを、85%リン酸23.1gと2−プロパノール1.57kgを混合した溶液に混合して、真空中で150℃に加熱して乾燥して、行った。
架橋型PPS樹脂としては、(株)東ソー製のサスティール#140を使用した。重金属不活性化剤には、旭電化工業(株)製 デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド(商品名CDA−6)を使用した。
実施例1と同様にして、性能を評価した。初期材の曲げ強さは85.7MPaで、リターン材が85.0MPaで低下がほとんどなかった。
(実施例3)
SmCo17系磁石粉末に、実施例2と同様にして燐酸塩被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−4を使用した。重金属不活性化剤に旭電化工業(株)CDA−1使用した。
初期材の曲げ強さは88.0MPaで、リターン材が88.3MPaで低下がなかった。
(実施例4)
SmCo17系磁石粉末に、実施例4と同様にトリアジンチオール誘導体被膜を施した。PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂(株)トープレン製のK−4を70重量%とセミ直鎖型PPS樹脂(株)トープレン製のT−2を30重量%混ぜたものを使用した。重金属不活性化剤は、添加しなかった。
初期材の曲げ強さは68.7MPaで、リターン材が58.9MPaで低下が少なかった。
(実施例5)
SmCo17系磁石粉末に表面処理を施さずに用いた。PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂(株)東ソー製のサスティール#140を60重量%とセミ直鎖型PPS樹脂(株)トープレン製のT−2を40重量%混ぜたものを使用した。
重金属不活性化剤には、三井東圧ファイン(株)製のヒドラジン誘導体のQunoxを使用した。初期材の曲げ強さは69.3MPaで、リターン材が64.0MPaで低下が少なかった。
(実施例6)
SmCo17系磁石粉末に、実施例2と同様にしてリン酸塩被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は使用していない。初期材の曲げ強さは、63.2MPaでリターン材が48.5MPaで低下が少なかった。
(実施例7)
SmCo17系磁石粉末に表面処理を施さずに用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤には、旭電化工業(株) CDA−1を使用した。
初期材の曲げ強さは、72.1MPaで、リターン材が55.6MPaで低下が少なかった。
(実施例8)
SmCo17系磁石粉末に表面処理を施さずに用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−4を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) CDA−6を使用した。
初期材の曲げ強さは77.1MPaで、リターン材が56.4MPaで低下が少なかった。
(実施例9)
SmCo17系磁石粉末に、実施例2と同様にして燐酸塩被膜を施した。これにストロンチウムフェライトとして戸田工業(株)製FA700を混合した。架橋型PPS樹脂(株)としては、東ソー製のサスティール#140を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) CDA−6を使用した。初期材の曲げ強さは、82.5MPaでリターン材が76.6MPaで低下が少なかった。
(比較例1)
SmCo17系磁石粉末に実施例1と同様にしてシリカ被膜を施した。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLR−03を使用した。重金属不活性化剤には、旭電化工業(株)CDA−1を使用した。
初期材の曲げ強さは64.1MPaで、リターン材が38.2MPaでリサイクルをすることによって低下した。
(比較例2)
SmCo17系磁石粉末に、実施例2と同様にしてリン酸塩被膜を施した。直鎖型PPS樹脂としては、呉羽化学製の直鎖型フォートロンW−214を使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。
初期材の曲げ強さは、61.2MPaで、リターン材が35.5MPaでリサイクルをすることによって低下した。
(比較例3)
SmCo17系磁石粉末に表面処理を施さずに用いた。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLR−03を使用した。重金属不活性化剤は使用していない。
初期材の曲げ強さは64.1MPaで、リターン材が38.4MPaで、リサイクルをすることによって低下した。
(比較例4)
SmCo17系磁石粉末に表面処理を施さずに用いた。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLD−10を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) CDA−1を使用した。
初期材の曲げ強さは、77.2MPaでリターン材が31.0MPaで、リサイクルをすることによって大きく低下した。
(参考例1)
SmCo17系磁石粉末にシリカ被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は、Uniroyal Chemicals製のシュウ酸誘導体Naugard XL−1を使用した。
初期材の曲げ強さは61.3MPaで、リターン材が43.5MPaであった。実施例1と比較して、重金属不活性化剤の融点が178℃なのでやや強度が低くなった。
(実施例10)
SmFeMnN合金粉末に実施例1と同様にしてシリカ被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤には、旭電化工業(株) CDA−6使用した。初期材の曲げ強さは62.1MPaで、リターン材が59.1MPaで低下が少なかった。結果を表2に示す(以下同じ)。
(実施例11)
SmFeMnN合金粉末(同上)に実施例1と同様にしてシリカ被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−4を使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。
初期材の曲げ強さは65.4MPaで、リターン材が62.5MPaで低下が少なかった。
(実施例12)
SmFeMnN合金粉末に、実施例2と同様にして燐酸塩被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。
初期材の曲げ強さは69.8MPaで、リターン材が58.7MPaで低下が少なかった。
(実施例13)
SmFeMnN合金粉末に、実施例2と同様にして燐酸塩被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−4を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株)CDA−6を使用した。初期材の曲げ強さは、67.0MPaで、リターン材が65.5MPaで低下が少なかった。
(実施例14)
SmFeMnN合金粉末に、トリアジンチオール誘導体被膜を施した。PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂(株)東ソー製のサスティールB−042を55重量%とセミ直鎖型PPS樹脂(株)トープレン製のT−2を45重量%混ぜたものを使用した。重金属不活性化剤は、添加しなかった。
初期材の曲げ強さは63.5MPaで、リターン材が49.5MPaで低下が少なかった。
(実施例15)
SmFeMnN合金粉末に表面処理は施さずに用いた。
PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂((株)トープレン製のK−4を90重量%と直鎖型PPS樹脂(株)トープレン製のH−1を10重量%混ぜたものを使用した。重金属不活性化剤は、Eastman Kodak製のシュウ酸誘導体のEastman Inhibitor OABHを使用した。
初期材の曲げ強さは、62.1MPaでリターン材が58.2MPaで低下が少なかった。
(実施例16)
SmFeMnN合金粉末に実施例1と同様にしてシリカ被膜を施した。PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂(株)東ソー製のサスティール#140を85重量%と直鎖型PPS樹脂(株)トープレン製のLR−03を15重量%混ぜたものを使用した。重金属不活性化剤は、Eastman Kodak製のシュウ酸誘導体のEastman Inhibitor OABHを使用した。初期材の曲げ強さは、72.2MPaでリターン材が70.9MPaで低下が少ない。
(実施例17)
実施例1と同様にして表面処理を施したSmFeMnN合金粉末と、表面処理を施していないストロンチウムフェライト(戸田工業(株)製FA700)を混合した。
架橋型PPS樹脂(株)としては、東ソー製のサスティール#140を使用した。重金属不活性化剤は、重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。初期材の曲げ強さは、78.5MPaで、リターン材が70.1MPaで低下が少なかった。
(実施例18)
SmFeMnN合金粉末に表面処理を施さずに用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) CDA−6を使用した。
初期材の曲げ強さは、62.3MPaで、リターン材が52.1MPaで低下が少なかった。
(比較例5)
SmFeMnN合金粉末に実施例1と同様にしてシリカ被膜を施した。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLR−03を使用した。重金属不活性化剤は使用していない。
初期材の曲げ強さは48.1MPaで、リターン材が31.5MPaでリサイクルをすることによって低下した。
(比較例6)
SmFeMnN合金粉末に、実施例2と同様にしてリン酸塩被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のH−1を使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。
初期材の曲げ強さは57.1MPaで、リターン材が44.1MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(比較例7)
SmFeMnN合金粉末に、実施例2と同様にしてリン酸塩被膜を施した。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLR−03を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) CDA−1を使用した。
初期材の曲げ強さは59.8MPaで、リターン材が47.5MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(比較例8)
SmFeMnN合金粉末に表面処理を施さずに用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) CDA−1を使用した。
初期材の曲げ強さは、64.5MPaで、リターン材が44.6MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(比較例9)
SmFeMnN合金粉末に表面処理を施さずに用いた。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLR−03を使用した。重金属不活性化剤は添加しなかった。
初期材の曲げ強さは48.5MPaで、リターン材が33.3MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(比較例10)
SmFeMnN合金粉末にトリアジンチオール誘導体被膜を施した。PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂(株)東ソー製のサスティール#140を40重量%と、セミ直鎖型PPS樹脂(株)トープレン製のT−2を60重量%混ぜたものを使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) CDA−6を使用した。
初期材の曲げ強さは58.4MPaで、リターン材が35.2MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(比較例11〜13)
SmFeMnN合金粉末に表面処理を施さないか、トリアジンチオール誘導体被膜を施した。直鎖型PPS樹脂として、呉羽化学(株)製のフォートロンW−213を使用した。重金属不活性化剤は添加しないか、旭電化工業(株) CDA−6を使用した。
初期材の曲げ強さは48.5MPaで、リターン材が33.3MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(参考例2)
SmFeMnN合金粉末にシリカ被膜を施した。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株) ZS−27を使用した。
初期材の曲げ強さが60MPa未満であるか、リサイクル性(R/V強度比)が70%以下に低下した。
(実施例19)
等方性NdFeB系磁石粉末MQP−Bにトリアジンチオール誘導体被膜を施した。トリアジンチオール誘導体被膜の被覆処理は、磁石粉末MQP−B1kgに、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン5gをエタノール 200gに混合した溶液に混合して真空中で100℃に加熱して乾燥した。
架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤にはチバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製 2’、3−ビス−[[3−[3、5ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド(商品名IRGANOX MD1024)を使用した。初期材の曲げ強さは、60.4MPaでリターン材が61.2MPaで低下がなかった。結果を表3に示す(以下同じ)。
(実施例20)
等方性NdFeB系磁石粉末MQP−Bに表面処理を施さずに用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のH−1を使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。
初期材の曲げ強さは68.2MPaでリターン材が58.2MPaで低下が少なかった。
(比較例14)
等方性NdFeB系磁石粉末MQP−Bに、実施例2と同様にしてリン酸塩誘導体被膜を施した。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLR−03を使用した。重金属不活性化剤は使用していない。
初期材の曲げ強さは54.4MPaで、リターン材が44.6MPaでリサイクルをすることによって低下した。
(比較例15)
等方性NdFeB系磁石粉末MQP−Bに、トリアジンチオール誘導体被膜を施した。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLR−03を使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。
初期材の曲げ強さは57.1MPaで、リターン材が44.1MPaでリサイクルをすることによって低下した。
(実施例21)
異方性NdFeB系磁石粉末にシリカ被膜を施した。異方性NdFeB系磁石粉末としては、住友特殊金属(株)製 HDDR−Bを用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−4を使用した。重金属不活性化剤には、旭電化工業(株) CDA−6を使用した。
初期材の曲げ強さは65.0MPaで、リターン材が64.8MPaで低下が少なかった。
(実施例22)
異方性NdFeB系磁石粉末に、トリアジンチオール被膜を施した。異方性NdFeB系磁石粉末としては、愛知製鋼(株)製 MFP13を用いた。PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂((株)トープレン製の−K−1を95重量%と、セミ直鎖型PPS樹脂(株)トープレン製のT−2を5重量%混ぜたものを使用した。重金属不活性化剤は、三井東圧ファイン(株)製のヒドラジン誘導体のQunoxを使用した。初期材の曲げ強さは、70.2MPaでリターン材が64.5MPaで低下が少なかった。
(実施例23)
異方性NdFeB系磁石粉末には表面処理を施さずに用いた。異方性NdFeB系磁石粉末としては、住友特殊金属(株)製HDDR−Bを用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株)CDA−1を使用した。
初期材の曲げ強さは65.7MPaで、リターン材が58.2MPaであった。
(比較例16)
異方性NdFeB系磁石粉末にシリカ被膜を施した。異方性NdFeB系磁石粉末としては、住友特殊金属(株)製 HDDR−Bを用いた。直鎖型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のLD−10を使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD10244を使用した。
初期材の曲げ強さは49.8MPaで、リターン材が34.8MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(比較例17)
異方性NdFeB系磁石粉末に表面処理を施さずに用いた。異方性NdFeB系磁石粉末としては、住友特殊金属(株)製HDDR−Bを用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は添加しなかった。
初期材の曲げ強さは52.1MPaで、リターン材が37.3MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(比較例18)
異方性NdFeB系磁石粉末に表面処理を施さずに用いた。異方性NdFeB系磁石粉末としては、住友特殊金属(株)製HDDR−Bを用いた。PPS樹脂としては、架橋型PPS樹脂((株)トープレン製のK−1)を60重量%と、直鎖型PPS樹脂(呉羽化学製のW−124)を40重量%混ぜたものを使用した。重金属不活性化剤にIRGANOX MD1024を使用した。
初期材の曲げ強さは60.1MPaで、リターン材が38.2MPaでリサイクルをすることによって低下していた。
(参考例3)
異方性NdFeB系磁石粉末には表面処理を施さずに用いた。異方性NdFeB系磁石粉末としては、住友特殊金属(株)製HDDR−Bを用いた。架橋型PPS樹脂としては、(株)トープレン製のK−1を使用した。重金属不活性化剤は、旭電化工業(株)ZS−90を使用した。
初期材の曲げ強さは62.3MPaで、リターン材が43.9MPaであった。比較例17に比べて初期材とリターン材の曲げ強さが向上しているものの、実施例23に比べると重金属不活性化剤の融点が110℃と低いので、やや強度が低くなったものと思われる。
Figure 2006005304
Figure 2006005304
Figure 2006005304

Claims (10)

  1. 希土類−遷移金属系磁石粉末と、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂とを含有するリサイクル性に優れた希土類系ボンド磁石用組成物であって、
    上記PPS樹脂の少なくとも70重量%は、溶融粘度(300℃、剪断速度600s−1で測定)が200poise以上の架橋型PPSであることを特徴とする希土類系ボンド磁石用組成物。
  2. PPS樹脂が直鎖型及び/又はセミ直鎖型PPSを含有する場合は、直鎖型及び/又はセミ直鎖型PPSの含有量が樹脂全体の30重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  3. 希土類−遷移金属系磁石粉末の表面が、表面処理剤により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  4. 表面処理剤が、燐酸系化合物、シリカ系化合物、又はトリアジンチオール誘導体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項3に記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  5. さらに、重金属不活性化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  6. 重金属不活性化剤が、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、又はヒドラジン誘導体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  7. 重金属不活性化剤の融点が、200℃以上であることを特徴とする請求項6に記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  8. 希土類−遷移金属系磁石粉末が、SmまたはNdの少なくとも一種の希土類元素を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  9. リサイクル性の指標である成形体の強度比R/V(V:初期曲げ強度、R:リサイクル時の曲げ強度)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の希土類系ボンド磁石用組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の希土類系ボンド磁石用組成物を射出成形して得られる希土類系ボンド磁石。
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