JP4305628B2 - ボンド磁石用樹脂組成物及びボンド磁石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性に優れたボンド磁石用樹脂組成物及び機械的強度と耐熱性とに優れたボンド磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、ボンド磁石は、ポリアミド樹脂やエチレン−エチルアクリレート共重合体等の熱可塑性樹脂をバインダーとし、これにフェライト粒子粉末や希土類磁性粉末等の磁性粉末を充填して成型したものであり、焼結法で製造される磁石と比べ、軽量で割れにくく、加工性が良いため生産性に優れることから多量に使用されている。
【0003】
しかし、前記熱可塑性樹脂をバインダーとしたボンド磁石は耐熱性におとるという欠点があり、優れた耐熱性を要求される用途には使用できなかった。
【0004】
熱可塑性樹脂のなかでも耐熱性に優れるポリフェニレンサルファイド樹脂を用いたボンド磁石が提案されているが、成形性が悪く、その成形品が脆いため、生産性に問題があった。
【0005】
なお、ボンド磁石は射出成形又は押出成形によって成形されるが、射出成形による場合には、スプルーやランナーが生じ、材料ロス低減のためにはこれらをリサイクルする必要があり、ポリフェニレンサルファイド樹脂を用いたボンド磁石はリサイクル時に、更なる成形性の低下や成形品強度の低下を起こしてしまうという問題もあった。
【0006】
また、ポリフェニレンサルファイド樹脂以外の耐熱性のある樹脂として芳香族ポリアミド樹脂を用いたボンド磁石も提案されている。しかし、耐熱性のある芳香族ポリアミド樹脂は、通常の脂肪族ポリアミドと比較して、結晶化度が高すぎるため脆く、流動性やリサイクル性といった成形性に劣るため取り扱いが困難であり、成形性改善のために、各種の有機物添加剤が使用されているが、成形温度が非常に高いため、ほとんどの有機物は分解、ガス化してしまい、本来の流動性向上や樹脂の劣化防止の効果が得られにくいだけでなく、そのガスによる成形不良や金型が汚染されるという問題があった。
【0007】
従来、特許文献1乃至7等に見られるとおり、ポリアミド樹脂の構成単位を特定してボンド磁石の特性を向上させる種々の試みが行われている。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−226312号公報
【特許文献2】
特開平9−190914号公報
【特許文献3】
特開平9−283314号公報
【特許文献4】
特開平11−302539号公報
【特許文献5】
特開平9−71721号公報
【特許文献6】
特開2000−3809号公報
【特許文献7】
特開2000−348918号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
成形性に優れたボンド磁石用樹脂組成物及び機械的強度と耐熱性とに優れたボンド磁石は、現在、最も要求されているところであるが、かかるボンド磁石用樹脂組成物及びボンド磁石は未だ得られていない。
【0010】
即ち、前出特許文献1にはポリアミド樹脂の末端基を調整したボンド磁石用樹脂組成物が記載されているが、末端カルボキシル基と末端アミノ基との含有比率については考慮されておらず、成形性に優れたボンド磁石用樹脂組成物とは言い難いものである。
【0011】
また、前出特許文献2には主鎖にベンゼン環を含むポリアミド樹脂と融点270℃結晶化度35%以下のポリアミド樹脂とを基本成分とするボンド磁石が記載されているが、末端カルボキシル基と末端アミノ基との含有比率及び脂肪族ジアミンの直鎖状と分岐鎖状との比率については考慮されておらず、成形性が十分とは言い難いものである。
【0012】
また、前出特許文献3にはテレフタル酸成分、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分及びジアミン成分からなるポリアミド樹脂を用いたボンド磁石が記載されているが、末端カルボキシル基と末端アミノ基との含有比率及び脂肪族ジアミンの直鎖状と分岐鎖状との比率については考慮されておらず、成形性が十分とは言い難いものである。
【0013】
また、前出特許文献4にはテレフタル酸成分と脂肪族ジアミンとからなるポリアミド樹脂を用いたボンド磁石が記載されているが、末端カルボキシル基と末端アミノ基との含有比率については考慮されておらず、さらに、脂肪族ジアミンの直鎖状ジアミン成分を多量に含有するため、機械的強度が十分とは言い難いものである。
【0014】
また、前出特許文献5及び6にはポリアミド樹脂中の末端カルボキシル基濃度又は末端アミノ基濃度を特定したポリアミド樹脂を用いたボンド磁石が記載されているが、末端アミノ基変性のためにカルボキシル基含有有機化合物を用いており、樹脂組成物中のカルボキシル基濃度が必要以上に高くなり、リサイクル性に優れたボンド磁石とは言い難いものである。
【0015】
また、前出特許文献7には直鎖又は分岐のアルキレン基を含有するポリアミド樹脂を用いたボンド磁石が記載されているが、末端カルボキシル基と末端アミノ基との含有比率については考慮されておらず、さらに、直鎖状成分を多量に含有するため、機械的強度が十分とは言い難いものである。
【0016】
そこで、本発明は成形性に優れたボンド磁石用樹脂組成物及び機械的強度と耐熱性とに優れたボンド磁石を提供することを技術的課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0018】
即ち、本発明は、磁性粉末と芳香族ポリアミド樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物であって、芳香族ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基の残存量と末端アミノ基の残存量との比([末端カルボキシル基]/[末端アミノ基])が1.0以下である芳香族ポリアミド樹脂を用いることを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物である(本発明1)。
【0019】
また、本発明は、磁性粉末と芳香族ポリアミド樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物であって、芳香族ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基の残存量と末端アミノ基の残存量とのモル比([末端カルボキシル基]/[末端アミノ基])が1.0以下であり、且つ、芳香族ポリアミド樹脂を構成する脂肪族ジアミンが直鎖状ジアミンと分岐鎖状ジアミンとからなり前記直鎖状ジアミンの含有量と前記分岐鎖状ジアミンの含有量とのモル比([直鎖状ジアミン]/[分岐鎖状ジアミン])が4.0未満である芳香族ポリアミド樹脂を用いることを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物である(本発明2)。
【0020】
また、本発明は、本発明1又は本発明2のボンド磁石用樹脂組成物からなることを特徴とするボンド磁石である(本発明3)。
【0021】
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0022】
先ず、本発明1又は2における芳香族ポリアミド樹脂について述べる。
【0023】
本発明1又は2における芳香族ポリアミド樹脂は、テレフタル酸と脂肪族ジアミンとを構成単位とする芳香族ポリアミド樹脂であり、例えば、半芳香族ポリアミドである変性6Tナイロン又は9Tナイロンである。また、芳香族ポリアミド樹脂と他種モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体等他の物質で変性した芳香族ポリアミド樹脂や、他の熱可塑性樹脂をブレンドした樹脂を用いてもよい。特に、熱安定性と成形性とのバランスに優れた9Tナイロンの使用が好ましい。
【0024】
本発明1又は2における芳香族ポリアミド樹脂の溶液粘度は1.1dl/g以下が好ましい。1.1dl/gを越える場合には、実用領域の磁気特性を得るために必要な含有量の磁石粉末を配合してボンド磁石を作製した場合、流動性が低く、射出成形が困難になる。より好ましくは1.05dl/g以下である。下限値は0.5dl/g程度である。0.5dl/g未満の場合には、成形品や成形時の強度が低下する可能性がある。
【0025】
次に、本発明1における芳香族ポリアミド樹脂について述べる。
【0026】
本発明1のボンド磁石用樹脂組成物における芳香族ポリアミド樹脂は、当該樹脂中の末端カルボキシル基の残存量と末端アミノ基の残存量とのモル比:[末端カルボキシル基]/[末端アミノ基](以下、「末端基比率」と言う。)が1.0以下である。末端基比率が1.0を越える場合には、樹脂が架橋反応等を引き起こし粘度が上昇するため、混練や射出成形が困難になる。好ましくは0.9以下であり、より好ましくは0.8以下である。末端基比率の下限値は0.1程度である。
【0027】
芳香族ポリアミド樹脂の末端基比率を調整するためには、通常行われている方法で末端基の残存量を調整すればよい。例えば、芳香族ポリアミド樹脂を合成する際に末端調整剤を上述のポリアミド樹脂モノマーに添加して末端基の量を調整する方法、または、芳香族ポリアミド樹脂を合成する際にジカルボン酸(テレフタル酸)と脂肪族ジアミンとの割合を変化させる方法等が挙げられる。
【0028】
芳香族ポリアミド樹脂の末端アミノ基の残存量は0.5mol%以上が好ましく、その上限は1.25mol%程度である。末端アミノ基の含有量が0.5mol%未満の場合には、架橋反応等の樹脂劣化が促進され、成形性が低下することがある。
【0029】
次に、本発明2における芳香族ポリアミド樹脂について述べる。
【0030】
本発明2のボンド磁石用樹脂組成物における芳香族ポリアミド樹脂を構成する脂肪族ジアミンは、直鎖状ジアミン(n体)と分岐鎖状ジアミン(i体)とからなり、前記直鎖状ジアミン(n体)の含有量と前記分岐鎖状ジアミン(i体)の含有量とのモル比:[直鎖状ジアミン(n体)の含有量]/[分岐鎖状ジアミン(i体)の含有量](以下、「n/i比」と言う。)は4.0未満であり、好ましくは3.0以下である。n/i比が4.0以上の場合には芳香族ポリアミド樹脂の融点と結晶化度が高くなり、機械的強度に優れたボンド磁石を得ることができない。分岐鎖状ジアミンの含有量が多くなるほど芳香族ポリアミド樹脂の融点と結晶化度が低くなり、ボンド磁石に適する靭性を得ることができる。n/i比の下限値は0.8程度である。
【0031】
芳香族ポリアミド樹脂のn/i比を4.0未満に調整するためには、例えば、ポリアミド樹脂を合成する際に、直鎖状ジアミン(n体)と分岐鎖状ジアミン(i体)との混合量を調整すればよい。
【0032】
なお、磁性粉末としてフェライト粒子粉末を用いる場合には、磁性向上ために高充填、高配向率及び高流動性が必要となるため、n/i比は1.5以下が好ましい。
【0033】
n/i比を満たす芳香族ポリアミド樹脂の融点は250℃以上が好ましい。その上限値は320℃未満である。250℃未満の場合には成形品の耐熱性が低下するため高耐熱性を必要とする用途に適さない。320℃以上の場合には樹脂自身の分解温度に近づくため成型加工が困難になる。また、芳香族ポリアミド樹脂の結晶化度と硬度が高くなって、靭性が低下し、その結果、射出成形時のランナー折れや成形品の割れ等が発生し、生産性が低下する。
【0034】
本発明2のボンド磁石用樹脂組成物における芳香族ポリアミド樹脂は、末端基比率が1.0以下であり、且つ、n/i比が4.0未満である。末端基比率とn/i比とを同時に満たすことによって、成形時の樹脂の劣化、増粘、成形時のランナー折れ、成形品の割れ、カケを防ぐことができ、機械的強度と耐熱性とに優れたボンド磁石を生産性良く得ることができる。
【0035】
本発明に用いる磁性粉末は、フェライト粒子粉末又は希土類磁性粉末が好ましい。
【0036】
フェライト粒子粉末は、マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末が好ましく、マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末は、式AO・nFe2O3(但し、AはBa、Sr又はBa−Sr、n=5.0〜6.5)で表されるバリウムフェライト粒子粉末、ストロンチウムフェライト粒子粉末、バリウム−ストロンチウムフェライト粒子粉末及びこれらフェライト粒子粉末に0.1〜7.0mol%のTi、Mn、Al、La、Zn、Bi及びCoから選ばれた1種又は2種以上の元素を含む粒子粉末である。
【0037】
フェライト粒子粉末の平均粒子径は1.0〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜2.0μmであり、BET比表面積は1〜10m2/gが好ましく、より好ましくは1〜5m2/gであり、保磁力IHcは119〜557kA/m(1500〜7000Oe)が好ましく、より好ましくは119〜398kA/m(1500〜5000Oe)であり、残留磁化は100〜300mT(1000〜3000G)が好ましく、より好ましくは100〜200mT(1000〜2000G)である。
【0038】
希土類磁性粉末は、構成元素中に少なくとも一種の希土類元素と少なくとも一種の遷移金属とからなる金属間化合物である。例えば、希土類コバルト系、希土類−鉄−硼素系、希土類−鉄−窒素系等の磁性粉末が挙げられる。特に、希土類−鉄−硼素系磁性粉末や、希土類−鉄−窒素系磁性粉末を用いた場合には、優れた磁気特性を有するボンド磁石が得られる。
【0039】
希土類磁性粉末の平均粒子径は1〜120μmが好ましく、より好ましくは1〜80μmであり、BET比表面積は0.5〜5m2/gが好ましく、より好ましくは0.5〜3m2/gであり、保磁力IHcは239〜1591kA/m(3.0〜20kOe)が好ましく、より好ましくは318〜1114kA/m(4.0〜15kOe)であり、残留磁化は0.3〜1.8mT(3.0〜18kG)が好ましく、より好ましくは0.5〜1.3mT(5.0〜13kG)である。
【0040】
なお、Nd−Fe−B系磁性粉末はそのまま混練に用いても良い。しかし、Nd−Fe−B系磁性粉末が薄片状粉体の場合、より高い流動性、磁気特性を得るために、ジェットミル、アトマイザー、ボールミル等で粉砕し、平均粒径を100μm以下にすることが望ましい。
【0041】
これらの磁性粉末は、酸化による磁気特性の劣化、樹脂との相溶性及び成形品の強度向上のために、種々の表面処理を行うことが望ましい。
【0042】
表面処理可能な材料としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シロキサンポリマー、有機燐酸系表面処理剤、無機燐酸系表面処理剤等が挙げられる。特に、シラン系カップリング剤であらかじめ磁性粉末の表面に処理を施すことで成形品の強度を大幅に向上させることができる。
【0043】
ボンド磁石用樹脂組成物の磁性粉末の含有割合は80〜95重量%が好ましい。80重量%未満の場合には所要の磁気特性が得られないため好ましくない。95重量%を越える場合には得られるボンド磁石の機械的強度が低下し、且つ、流動性やリサイクル性といった成形性が極端に低下するため好ましくない。
【0044】
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物には、成形性向上、耐熱性向上、酸化劣化防止及び防錆効果等を得るために芳香族ポリアミド樹脂以外の樹脂、プラスチック成形用滑剤及び種々の安定剤等を任意に含有させることができる。
【0045】
添加可能な樹脂としては、芳香族ポリアミド樹脂と親和性のある脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、また、樹脂の安定性を考慮した場合にはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂及びポリメチルペンテン樹脂等のオレフィン系の樹脂が好ましい。
【0046】
滑剤としては、例えば、プロピオン酸、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸及びフマル酸等のカルボキシル飽和/不飽和脂肪酸系、またそれらの化合物として、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸リチウム等の金属石鹸類、ヒドロキジステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド及びエチレンビスオレイン酸アミド等の脂肪酸アミド類、パラフィンワックスなどのワックス類、ジメチルポリシロキサン、シリコンオイル等のポリシロキサン類、含フッ素オイルなどのフッ素化合物などが挙げられる。
【0047】
安定剤としては、ヒンダードアミン系安定剤のほか、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのヒンダート/レスヒンダートフェノール系、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヒドラジンなどの金属不活性化剤、ホスファイト系、チオエーテル系等の抗酸化剤等が挙げられる。特にヒンダート/レスヒンダートフェノール系とホスファイト系又は金属不活性化剤との併用が効果的である。
【0048】
さらに、顔料やプラスチック用各種改質剤、相溶化剤等を適宜必要に応じて添加しても差し支えないが、添加する場合には成形時の分解、ガス化を招くため、極少量を用いるのが望ましい。
【0049】
本発明1に係るボンド磁石用樹脂組成物は、MFR値が100〜500g/10minであり、プラストミルのトルク上昇時間が15〜60minであることが好ましい。
【0050】
本発明2に係るボンド磁石用樹脂組成物は、MFR値が100〜500g/10minであり、プラストミルのトルク上昇時間が22〜60minであることが好ましい。本発明2に係るボンド磁石用樹脂組成物を用いたボンド磁石は、後述評価法によるIZOD衝撃強度が10〜20kJ/m2であって曲げ強度が100〜180MPaであることが好ましい。
【0051】
次に、本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物の製造法について述べる。
【0052】
本発明において、前記各成分の混合方法は特に限定されず、例えば、リボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機、あるいは、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出機等の混練機を使用して実施することができる。
【0053】
前記各成分を混合した後は、パウダー、ペレット又はこれらの混合物の形状を呈するボンド磁石用樹脂組成物として得られるが、取扱易い点で、ペレットが好ましい。
【0054】
得られたボンド磁石用樹脂組成物を、各種の熱可塑性樹脂成形機、好ましくは射出成形機又は押出成形機により成形すれば、ボンド磁石を得ることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
【0056】
芳香族ポリアミド樹脂の反応性末端基の量は、NMRの測定により、主鎖と末端基の比から末端基濃度を求めた。
装置:JEOL GX−400 (日本電子(株))
溶媒:重水素化トリフロロ酢酸(1/4)
サンプル濃度:1.0%
【0057】
芳香族ポリアミド樹脂の溶液粘度は、以下のようにして求めた。
【0058】
即ち、乾燥させた芳香族ポリアミド樹脂50mgを濃硫酸で溶解して硫酸溶液25ccを調整し、15AG P100のグラスフィルターを介してウベローデ型粘測管(30℃/水20)に導入し、30℃の恒温水槽中で硫酸溶液の落下時間を測定した。
尚、測定は、2回の時間差が0.15秒以内になるまで繰り返し、その落下時間の2回の平均をtとした。濃硫酸のみも同様に測定し、その落下時間(ブランク値)をt0とした。下記計算式に従い、少数点以下3桁を四捨五入して溶液粘度(ηinh)を求めた。
ηinh(dl/g)=(ln(t/t0))÷(4×樹脂秤取量(g))
【0059】
芳香族ポリアミド樹脂の融点は、JIS K7121に従い、示差走査熱量測定法(DSC)により、DSC220(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を使用して測定した。
【0060】
ボンド磁石用樹脂組成物の流動性(MFR)はメルトインデクサ(型式P−101、(株)東洋精機製作所製)を用いて加熱筒温度330℃、荷重10kgfの条件で測定した。
【0061】
樹脂劣化特性評価はペレット状のボンド磁石用樹脂組成物60cc(コンパウンド真密度からの計算値)をラボプラストミル(型式30C−150,(株)東洋精機製作所製)に投入し、温度330℃、スクリュー回転数50rpmで混練を行い、混練中の混練トルクを測定した。混練開始から混練トルクが1.5kg・mを越えた時までの時間をトルク上昇時間とした。
【0062】
磁性粉末として希土類磁性粉末を用いた場合の射出成形性は下記3段階で評価した。
○:連続成形可能
△:まれにショートショット
×:必ずショートショット(ボンド磁石の成形不可)
【0063】
磁性粉末としてフェライト粒子粉末を用いた場合の射出成形性は下記3段階で評価した。
○:連続成形可能
△:まれにランナー・スプルが折れる
×:必ずランナー・スプルが折れる(ボンド磁石の成形不可)
【0064】
磁気特性は、射出成形機(型式J−20MII、(株)日本製鋼所製)を用いてφ10mm×7mmの円柱状ボンド磁石を射出成型し、希土類温度係数測定装置(型式TRF−5BH−25auto、東英工業株式会社製)を用いて常温で測定した。
【0065】
機械的強度は、射出成形機(型式J−20MII、(株)日本製鋼所製)を用いて80mm×12mm×3mmの板状ボンド磁石を射出成型し、曲げ強度の測定をオートグラフ(型式AG−10kNI、株式会社島津製作所製)で測定した。また、IZOD衝撃値をアイゾット衝撃試験機(安田精機製作所製)で測定した。
【0066】
荷重たわみ温度は、射出成形機(型式J−20MII、(株)日本製鋼所製)を用いて125mm×13mm×4mmの板状ボンド磁石を射出成型し、HDTテスター(型式S−3M、(株)東洋精機製作所製)で測定した。
【0067】
<ボンド磁石の製造I(本発明1)>
Nd−Fe−B系磁性粉末(90.5重量%、平均粒径70μm、保磁力748kA/m(9.4kOe)、残留磁化875mT(8750G))と2−プロパノールで50%に希釈したシラン系カップリング剤(0.5重量%)(A−1100、日本ユニカー株式会社製)とをヘンシェルミキサーに投入し攪拌しながら100℃で加熱してNd−Fe−B系磁性粉末の表面処理を行った。次いで、芳香族ポリアミド樹脂(9.0重量%、溶液粘度0.7dl/g、末端基比率0.3、融点303℃、末端アミノ基の残存量1.01mol%)(商品名:ジェネスタ、クラレ製)を加え、十分混合攪拌した。得られた混合物を、20mmφ二軸押出機(回転数96rpm、3mmφダイ、シリンダー温度310℃)にて押し出し後、切断して3mmφ×4mmのペレット状のボンド磁石用樹脂組成物とした。
【0068】
ペレット状のボンド磁石用樹脂組成物の流動性を示すMFRは加熱筒温度330℃、荷重10kgfの条件で220g/10minであり、トルク上昇時間は36minであった。
【0069】
得られたペレット状のボンド磁石用樹脂組成物を射出成形機(型式J−20MII、(株)日本製鋼所製)にて、射出成形(成形温度280〜320℃、金型温度110〜140℃)し、φ10mm×7mmの円柱状希土類系ボンド磁石及び80mm×12mm×3mmの板状希土類系ボンド磁石を得た。射出成形性は、連続成形可能(○)であった。
【0070】
得られたボンド磁石の磁気特性は、残留磁束密度が530mT(5.3kG)、保磁力が716kA/m(9.0kOe)、最大磁気エネルギー積が45.3kJ/m3(5.7MGOe)であった。荷重たわみ温度は209℃であった。
【0071】
<ボンド磁石の製造II−1(参考例):希土類系ボンド磁石>
Nd−Fe−B系磁性粉末(89.5重量%、平均粒径70μm、保磁力748kA/m(9.4kOe)、残留磁化875mT(8750G))と2−プロパノールで50%に希釈したシラン系カップリング剤(0.5重量%)(A−1100、日本ユニカー株式会社製)とをヘンシェルミキサーに投入し攪拌しながら100℃で加熱してNd−Fe−B系磁性粉末の表面処理を行った。次いで、芳香族ポリアミド樹脂(9.5重量%、溶液粘度0.68dl/g、n/i比1.0、末端基比率0.3、融点275℃、末端アミノ基濃度0.86mol%)(商品名:ジェネスタ、(株)クラレ製)とオレフィン系添加剤(0.5重量%)(ビスコール 550P、三洋化成工業株式会社製)を加え、十分混合攪拌した。得られた混合物を、20mmφ二軸押出機(回転数96rpm、3mmφダイ、シリンダー温度290℃)にて押し出し後、切断して3mmφ×4mmのペレット状のボンド磁石用樹脂組成物とした。
【0072】
ペレット状のボンド磁石用樹脂組成物の流動性を示すMFRは加熱筒温度330℃、荷重10kgfの条件で450g/10min、トルク上昇時間は36min以上であった。
【0073】
得られたペレット状のボンド磁石用樹脂組成物を射出成形機(型式J−20MII、(株)日本製鋼所製)にて、射出成形(成形温度280〜320℃、金型温度110〜140℃)し、φ10mm×7mmの円柱状希土類系ボンド磁石及び80mm×12mm×3mmの板状希土類系ボンド磁石を得た。
【0074】
得られたボンド磁石の磁気特性は、残留磁束密度が500mT(5.0kG)、保磁力が724kA/m(9.1kOe)、最大磁気エネルギー積が40.6kJ/m3(5.1MGOe)であった。IZOD衝撃強度は14.0kJ/m2であり、曲げ強度は117MPaであった。荷重たわみ温度は202℃であった。
【0075】
<ボンド磁石の製造II−2(参考例):フェライト系ボンド磁石>
フェライト粒子粉末(85.7重量%、ストロンチウムフェライト、平均粒子径1.3μm、BET比表面積値1.65m2/g、保磁力223kA/m(2.8kOe)、残留磁化177mT(1770G))と2−プロパノールで50%に希釈したシラン系カップリング剤(0.5重量%)(A−1100、日本ユニカー株式会社製)とをヘンシェルミキサーに投入し攪拌しながら100℃で加熱してフェライト粒子粉末の表面処理を行った。次いで、芳香族ポリアミド樹脂(13.8重量%、溶液粘度0.90dl/g、n/i比1.0、融点275℃、末端アミノ基濃度0.5mol%)(商品名:ジェネスタ、(株)クラレ製)を加え、十分混合攪拌した。得られた混合物を、20mmφ二軸押出機(回転数96rpm、3mmφダイ、シリンダー温度290℃)にて押し出し後、切断して3mmφ×4mmのペレット状のボンド磁石用樹脂組成物とした。
【0076】
ペレット状のボンド磁石用樹脂組成物の流動性を示すMFRは加熱筒温度340℃、荷重10kgfの条件で100g/10minであった。
【0077】
得られたペレット状のボンド磁石用樹脂組成物を射出成形機(型式J−20MII,(株)日本製鋼所製)にて、射出成形(成形温度280〜320℃、金型温度110〜140℃、配向磁場8kOe)し、φ10mm×7mmの円柱状フェライト系ボンド磁石及び80mm×12mm×3mmの板状フェライト系ボンド磁石を得た。射出成形性は、連続成形可能(○)であり、ランナー折れ本数は10本中0本であった。
【0078】
得られたボンド磁石の磁気特性は、残留磁束密度が250mT(2.5kG)、保磁力が239kA/m(3.0kOe)、最大磁気エネルギー積が12.1kJ/m3(1.52MGOe)であった。
【0079】
<ボンド磁石の製造III(本発明2)>
Nd−Fe−B系磁性粉末(91.5重量%、平均粒径70μm、保磁力748kA/m(9.4kOe)、残留磁化875mT(8750G))と2−プロパノールで50%に希釈したシラン系カップリング剤(0.5重量%)(A−1100、日本ユニカー株式会社製)とをヘンシェルミキサーに投入し攪拌しながら100℃で加熱してNd−Fe−B系磁性粉末の表面処理を行った。次いで、芳香族ポリアミド樹脂(7.5重量%、溶液粘度0.65dl/g、末端基比率0.4、n/i比1、融点275℃、末端アミノ基の残存量0.8mol%)(商品名:ジェネスタ、クラレ製)とオレフィン系添加剤(0.5重量%)とを加え、十分混合攪拌した。得られた混合物を、20mmφ二軸押出機(回転数96rpm、3mmφダイ、シリンダー温度290℃)にて押し出し後、切断して3mmφ×4mmのペレット状のボンド磁石用樹脂組成物とした。
【0080】
ペレット状のボンド磁石用樹脂組成物の流動性を示すMFRは加熱筒温度330℃、荷重10kgfの条件で430g/10minであり、トルク上昇時間は36min以上であった。
【0081】
得られたペレット状のボンド磁石用樹脂組成物を射出成形機(型式J−20MII,(株)日本製鋼所製)にて、射出成形(成形温度280〜320℃、金型温度110〜140℃)し、φ10mm×7mmの円柱状希土類系ボンド磁石及び80mm×12mm×3mmの板状希土類系ボンド磁石を得た。
【0082】
得られたボンド磁石の磁気特性は、いずれも残留磁束密度が540kT(5.4kG)、保磁力が724kA/m(9.1kOe)、最大磁気エネルギー積が50.9kJ/m3(6.5MGOe)であった。IZOD衝撃強度は10.3kJ/m2であり、曲げ強度は102Paであった。荷重たわみ温度は215℃であった。
【0083】
【作用】
一般に、ボンド磁石に用いる希土類磁性粉末は活性であり、しかも、融点が高い芳香族ポリアミド樹脂を用いた樹脂組成物は、混練や射出、押出加工時に高温となるため、樹脂成分が変質し増粘・固化され、樹脂組成物の流動性は悪いものであった。この現象は加工成形時において、成形性の悪化及び成形品の強度低下の原因となる。また、不良成形品やランナーのリサイクルを確実に行うためには、芳香族ポリアミド樹脂の成分変質を可及的に抑制する必要がある。
【0084】
本発明1に係るボンド磁石用樹脂組成物は、芳香族ポリアミド樹脂の末端基比率を小さくして末端アミノ基の残存比率を高めたことによって、流動性及びプラストミルにおけるトルク上昇時間を向上させることができた。この理由は未だ明らかではないが、末端基比率を小さくしたことよって芳香族ポリアミド樹脂と磁性粉末との親和性が増し、流動性を向上させ、しかも、樹脂の成分変質を抑制することができたものと考えている。流動性向上は即ち成形性の向上であり、加工温度の低下、加工機械への負担の軽減、生産性向上等が期待できる。プラストミルにおけるトルク上昇時間の向上は、架橋反応などによる樹脂の増粘速度の低下を示しており、強度及びリサイクル性が向上する。結果として、本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は流動性やリサイクル性といった成形性に優れるため、通常用いられる滑材や樹脂安定化剤の使用量の低減、又は、滑材や樹脂安定化剤を使用する必要がないことを示している。
【0085】
また、芳香族ポリアミド樹脂を用いたボンド磁石は一般的に曲げ強度は高いが、IZOD衝撃強度は低く、また、収縮率が小さいことから射出成形の製品取り出し時に製品の割れや、ランナー折れが生ずるため連続成形ができないという問題があった。
【0086】
本発明2に係るボンド磁石用樹脂組成物は樹脂の靭性を向上させることで連続成形が可能となった。これは、分岐鎖状ジアミンの含有量を増加させることで樹脂の結晶性を低下させ、その結果、靭性が向上し、型開時及び製品突き出し時の衝撃に対して十分な靭性を確保できたため連続成形が可能となったと考えられる。
また、樹脂の結晶性の低下に伴い、融点の低下と結晶化の速度の低下が考えられる。融点の低下は成形温度を低下させることが可能となり、成形時における樹脂や磁性粉末の劣化を最低限に抑制することができる。融点の低下により、本来の目的であるボンド磁石の耐熱性の低下が懸念されるが、本発明に係るボンド磁石の荷重たわみ温度はいずれも200℃以上であり、6ナイロンを用いた場合の荷重たわみ温度(170℃程度)及び12ナイロンを用いた場合の荷重たわみ温度(150℃程度)よりも高く、半田リフロー等に十分耐えうる特性を示している。結晶化速度の低下は射出成形の充填時の急激な温度低下による収縮割れやヒケなどを抑制するものと考えられる。
【0087】
上述した通り、脂肪族ジアミンのn/i比を調整して芳香族ポリアミド樹脂の融点を制御することによって、必要な機械強度に応じたボンド磁石を製造できる。
【0088】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0089】
本発明1に係るボンド磁石用樹脂組成物
実施例A〜D、比較例a〜b:
芳香族ポリアミド樹脂の溶液粘度及び末端基比率を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態:ボンド磁石の製造Iと同様にしてボンド磁石を得た。
【0090】
このときの製造条件及び得られたボンド磁石の諸特性を表1に示す。また、混練時のトルクの経時変化を図1及び図2に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
実施例及び比較例から末端基比率が1.0以下の場合には、トルクの上昇時間が長く流動性に優れることが確認できる。
【0093】
ボンド磁石用樹脂組成物
参考例E、F、比較例c:
芳香族ポリアミド樹脂のn/i比を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態:ボンド磁石の製造II−1と同様にして希土類系ボンド磁石を得た。
【0094】
このときの製造条件及び得られた希土類系ボンド磁石の諸特性を表2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】
ボンド磁石用樹脂組成物
参考例G〜I、比較例d、e:
芳香族ポリアミド樹脂のn/i比を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態:ボンド磁石の製造II−2と同様にしてフェライト系ボンド磁石を得た。
【0097】
このときの製造条件及び得られたフェライト系ボンド磁石の諸特性を表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
前記参考例及び比較例からn/i比が4.0未満の場合には、IZOD衝撃強度、曲げ強度とも高いボンド磁石が得られることが確認できる。また、成形時のランナー折れ等に対しては樹脂粘度を上げて強度向上することよりも、n/i比を下げる方が効果的であることがわかる。
【0100】
本発明2に係るボンド磁石用樹脂組成物。
実施例J〜L、比較例f〜h:
芳香族ポリアミド樹脂の末端基比率、n/i比を変化させた以外は前記発明の実施の形態:ボンド磁石の製造IIIと同様にしてボンド磁石を得た。
【0101】
このときの製造条件及び得られたボンド磁石の諸特性を表4に示す。なお、樹脂のPA9Tは芳香族ポリアミド樹脂である9Tナイロンを示す。
【0102】
【表4】
【0103】
実施例及び比較例から末端基比率が1.0以下の場合には、トルクの上昇時間が長く流動性に優れることが確認できる。n/i比が4.0未満の場合にはIZOD衝撃強度、曲げ強度とも高いボンド磁石が得られている。比較例gにおいて、末端基比率が実施例すべてと比較し低い値であるにもかかわらず、実施例J〜Lと比較しすべての特性に劣っているのはn/i比が4.0以上であり、結晶化度が高いことに起因していると考えられる。このことから、末端基比率の調整とn/i比の調整の併用が効果的であることがわかる。
【0104】
【発明の効果】
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、芳香族ポリアミド樹脂の末端アミノ基と末端カルボキシル基との比を適切に調整したことにより成形性に優れているので、ボンド磁石用樹脂組成物として好適である。
【0105】
また、本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、芳香族ポリアミド樹脂を構成する脂肪族ジアミンの直鎖状ジアミンと分岐鎖状ジアミンとの含有量の比を適切に調整したことにより成形性及び靭性に優れているので、ボンド磁石用樹脂組成物として好適である。
【0106】
従って、本発明によれば、機械的強度と耐熱性とに優れたボンド磁石を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例A、B及び比較例aの混練トルクの経時変化を示す。
【図2】 実施例C、D及び比較例bの混練トルクの経時変化を示す。
Claims (3)
- 磁性粉末と芳香族ポリアミド樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物であって、芳香族ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基の残存量と末端アミノ基の残存量とのモル比([末端カルボキシル基]/[末端アミノ基])が1.0以下である芳香族ポリアミド樹脂を用いることを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物。
- 磁性粉末と芳香族ポリアミド樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物であって、芳香族ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基の残存量と末端アミノ基の残存量とのモル比([末端カルボキシル基]/[末端アミノ基])が1.0以下であり、且つ、芳香族ポリアミド樹脂を構成する脂肪族ジアミンが直鎖状ジアミンと分岐鎖状ジアミンとからなり前記直鎖状ジアミンの含有量と前記分岐鎖状ジアミンの含有量とのモル比([直鎖状ジアミン]/[分岐鎖状ジアミン])が4.0未満である芳香族ポリアミド樹脂を用いることを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のボンド磁石用樹脂組成物からなることを特徴とするボンド磁石。
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