JP2010283301A - ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体 - Google Patents

ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2010283301A
JP2010283301A JP2009137606A JP2009137606A JP2010283301A JP 2010283301 A JP2010283301 A JP 2010283301A JP 2009137606 A JP2009137606 A JP 2009137606A JP 2009137606 A JP2009137606 A JP 2009137606A JP 2010283301 A JP2010283301 A JP 2010283301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
weight
resin
iodine compound
bonded magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009137606A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Sakurai
洋光 桜井
Takahiro Araki
孝洋 荒木
Yasuhiko Fujii
泰彦 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP2009137606A priority Critical patent/JP2010283301A/ja
Publication of JP2010283301A publication Critical patent/JP2010283301A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、磁気特性を低下させることなく、過酷な温度条件下でも引張強度・伸び等の物性特性に優れたボンド磁石用樹脂組成物を提供することができ、しかも、該ボンド磁石用樹脂組成物を用いて成形した成形品は、耐熱性が向上できる。
【解決手段】 少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、ヨウ素化合物の含有量がバインダー樹脂に対してヨウ素として0.1〜3.50重量%であるボンド磁石用樹脂組成物及びその成形体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気特性を低下させることなく、過酷な環境下でも引張り強度・伸び等の物性特性に優れたボンド磁石用樹脂組成物に関するものであり、該樹脂組成物を用いたボンド磁石成形体に関する。
周知の通り、ボンド磁石は、焼結磁石に比べ、軽量で寸法精度が良く、複雑な形状も容易に量産化できる等の利点があるため、玩具用、事務機器用、音響機器用、モーター用等の各種用途に広く使用されている。
ボンド磁石に用いられる磁性粉末として、Nd−Fe−B系に代表される希土類磁石粉末やフェライト粒子粉末が知られている。希土類磁石粉末は高い磁気特性を有する反面、価格も高価であって、使用できる用途が制限されている。一方、フェライト粒子粉末は希土類磁石粉末に比べて磁気特性の面では劣っているが、安価であり化学的に安定であるため幅広い用途に用いられている。
ボンド磁石は、一般に、ゴム又はプラスチックス材料と磁性粉末とを混練した後、磁場中で成形するか、或いは機械的手段により成形することにより製造されている。
近年、各種材料や機器の生産性向上、使用時の信頼性向上を含めた高機能化に伴って、使用されるボンド磁石の生産性向上、機械的強度の向上、磁気特性向上を含めた高性能化が求められている。
例えば、コピー機、プリンター等では、マグネットロールが使用されているが、装置の長寿命化、及び、高速回転で用いられるため、機械的強度が高いことが強く要求されている。また、マグネットロールの磁気特性においては、表面磁力の高磁力化とともに、マグネットロール表面の磁力均一性がコピー機、プリンター等から鮮明な画像を得る重要な要素技術として特に要求されているところである。
そこで、フェライト粒子又は希土類磁性粉末等の磁性粉末とバインダー樹脂からなるボンド磁石用樹脂組成物においても、前記要求を満たす材料が要求されている。
これまで、ボンド磁石の機械的強度を向上させるために、ボンド磁石用組成物中に耐疲労性及び耐熱性に優れるポリアミド樹脂又は酸化防止剤を含有することが知られている。
特開平2006−90995号公報
前記要求を満たすボンド磁石用フェライト粒子粉末および/またはボンド磁石用樹脂組成物は、現在、最も要求されているところであるが、前記要求を十分に満たすものは未だ得られていない。
即ち、前出特許文献1に記載されたボンド磁石は、銅系熱安定剤含有PA12を使用しているが、具体的な化合物名及び添加量の記載がなく、また熱衝撃試験の温度条件も本件よりも過酷な環境下で行っていないため、強度面に不安がある。
そこで、本発明は、磁気特性を低下させることなく、過酷な温度条件下でも引張り強度・伸び等の物性特性に優れたボンド磁石用樹脂組成物を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、バインダー樹脂に対してヨウ素化合物をヨウ素として0.1〜3.50重量%含有することを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物である(本発明1)。
また、本発明は、少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、バインダー樹脂を3〜30重量%含有することを特徴とする本発明1記載のボンド磁石用樹脂組成物である(本発明2)。
また、本発明は、少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、ヨウ素化合物をヨウ素として0.01〜2重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載のボンド磁石用樹脂組成物である(本発明3)。
また、本発明は、ヨウ素化合物が、ヨウ化銅またはヨウ化カリウムであることを特徴とする本発明1乃至3のいずれかに記載のボンド磁石用樹脂組成物である(本発明4)。
また、本発明は、本発明1〜4のいずれかに記載のボンド磁石用樹脂組成物を用いて成形した成形体である(本発明5)。
本発明によれば、Br(残留磁束密度)を低下させることなく、しかも、ボンド磁石用樹脂組成物を用いて成形した成形品は、過酷な環境下でも物性特性を維持することが出来るので、ボンド磁石用として好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、バインダー樹脂に対するヨウ素化合物の含有量がヨウ素として0.1〜3.50重量%である。
本発明における磁性粉末は、特に限定されるものではなく、通常、ボンド磁石に用いられる磁性粉末、例えば、フェライト粒子粉末又は希土類磁性粉末を用いることができる。
フェライト粒子粉末は、マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末が好ましく、マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末は、式AO・nFe(但し、AはBa、Sr又はBa−Sr、n=5.0〜6.5)で表されるバリウムフェライト粒子粉末、ストロンチウムフェライト粒子粉末、バリウム−ストロンチウムフェライト粒子粉末及びこれらフェライト粒子粉末に0.1〜7.0mol%のTi、Mn、Al、La、Zn、Bi及びCoから選ばれた1種又は2種以上の元素を含む粒子粉末である。
フェライト粒子粉末の平均粒子径は1.0〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜2.0μmであり、BET比表面積は1〜10m/gが好ましく、より好ましくは1〜5m/gであり、保磁力iHcは119〜557kA/m(1500〜7000Oe)が好ましく、より好ましくは119〜398kA/m(1500〜5000Oe)であり、残留磁化は100〜300mT(1000〜3000G)が好ましく、より好ましくは100〜200mT(1000〜2000G)である。
希土類磁性粉末は、構成元素中に少なくとも一種の希土類元素と少なくとも一種の遷移金属とからなる金属間化合物である。例えば、希土類コバルト系、希土類−鉄−硼素系、希土類−鉄−窒素系等の磁性粉末が挙げられる。特に、希土類−鉄−硼素系磁性粉末や、希土類−鉄−窒素系磁性粉末を用いた場合には、優れた磁気特性を有するボンド磁石が得られる。
希土類磁性粉末の平均粒子径は1〜120μmが好ましく、より好ましくは1〜80μmであり、BET比表面積は0.5〜5m/gが好ましく、より好ましくは0.5〜3m/gであり、保磁力iHcは239〜1591kA/m(3.0〜20kOe)が好ましく、より好ましくは318〜1114kA/m(4.0〜15kOe)であり、残留磁化は0.3〜1.8mT(3.0〜18kG)が好ましく、より好ましくは0.5〜1.3mT(5.0〜13kG)である。
なお、Nd−Fe−B系磁性粉末はそのまま混練に用いても良い。しかし、Nd−Fe−B系磁性粉末が薄片状粉体の場合、より高い流動性、磁気特性を得るために、ジェットミル、アトマイザー、ボールミル等で粉砕し、平均粒径を100μm以下にすることが望ましい。
ソフトフェライト粒子粉末は、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Zn−Cuフェライト、Mn−Mgフェライト、カルボニル鉄粉、センダスト等が挙げられる。また、使用する電磁波の周波数に応じて組成が変更されたソフトフェライトを使用することも出来る。
ソフトフェライト粉末の平均粒子径は1〜150μm好ましく、より好ましくは1〜50μmである。
これらの磁性粉末は、酸化による磁気特性の劣化、樹脂との相溶性及び成形品の強度向上のために、種々の表面処理を行うことが望ましい。
表面処理可能な材料としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シロキサンポリマー、有機燐酸系表面処理剤、無機燐酸系表面処理剤等が挙げられる。特に、シラン系カップリング剤であらかじめ磁性粉末の表面に処理を施すことで成形品の強度をより向上させることができる。
本発明におけるヨウ素化合物としては、ヨウ化銅、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム及びヨウ化アンモニウムなどがあり、ヨウ素単体であってもよい。上記ヨウ素化合物は一種類用いてもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、ヨウ素化合物をヨウ素(I)として0.01〜2重量%含有することが好ましい。ヨウ素化合物の含有量が0.01重量%未満の場合、過酷な温度条件下で引張り強度・伸び等の物性向上に効果がない。ヨウ素化合物の含有量が2重量%を超える場合、非磁性成分が増加することにより、流動性及び磁気特性が低下するので好ましくない。好ましいヨウ素化合物の含有量は0.015〜1.5重量%であり、より好ましくは0.02〜1.0重量%、更により好ましくは0.03〜0.35重量%である。
バインダー樹脂としては従来のボンド磁石に使用されているものであれば特に制限はなく、ゴム、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂、PPS樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂、重合脂肪酸系ポリアミド等から用途に応じて選択・使用できるが、成形体の強度と剛性を優先する場合は、ポリアミド樹脂が適切である。また、必要に応じて、ポリアミドエラストマーなど種々のエラストマーを併用してもよい。エラストマーは全バインダー樹脂(エラストマーを含む)に対する重量比が10〜50が好ましい。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、バインダー樹脂を3〜30重量%含有することが好ましい。バインダー樹脂の含有量が3重量%未満の場合、該ボンド磁石用樹脂組成物の充分な流動性が得られず良好な成形品を得ることが困難となる。バインダー樹脂の含有量が30重量%を超える場合、非磁性成分が増加することにより磁気特性が低下するため好ましくない。バインダー樹脂の含有量はより好ましくは3.5〜20重量%、更により好ましくは4〜12重量%である。
ボンド磁石用樹脂組成物の磁性粉末の含有割合は69.95〜96.95重量%が好ましい。69.95重量%未満の場合には所要の磁気特性が得られないため好ましくない。96.95重量%を越える場合には得られるボンド磁石の機械的強度が低下し、且つ、流動性やリサイクル性といった成形性が極端に低下するため好ましくない。磁性粉末の含有量はより好ましくは80〜96.5重量%、更により好ましくは85〜96重量%である。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、ヨウ素化合物の含有量がバインダー樹脂に対してヨウ素(I)として0.01〜3.50重量%である。ヨウ素化合物の含有割合が0.10重量%未満の場合、過酷な環境下で物性特性を維持することが困難である。ヨウ素化合物の含有割合が3.50重量%を超える場合、流動性及び磁気特性が低下するので好ましくない。バインダー樹脂に対するヨウ素化合物(I換算)の含有割合は0.03〜3.40重量%がより好ましく、更により好ましくは0.05〜3.30重量%である。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、ヨウ素化合物と磁性粉末との含有割合(ヨウ素化合物(Iとして)/磁性粉末)が0.01〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.03〜0.45重量%である。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、磁性粉末として前記フェライト粒子粉末を用いた場合の残留磁束密度Brは、後述する磁性測定方法において230mT(2300G)以上が好ましく、より好ましくは235mT(2350G)以上である。保磁力iHcは119〜279kA/m(1500〜3500Oe)が好ましく、より好ましくは127〜259kA/m(1600〜3250Oe)である。最大エネルギー積(BH)maxは10.3kJ/m(1.30MGOe)以上が好ましく、より好ましくは10.7kJ/m(1.35MGOe)以上である。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、磁性粉末として前記希土類磁性粉末を用いた場合、残留磁束密度Brは、後述する磁性測定方法において300mT(3000G)以上が好ましく、より好ましくは350mT(3500G)以上である。保磁力iHcは636〜955kA/m(8000〜12000Oe)が好ましく、より好ましくは676〜915kA/m(8500〜11500Oe)である。最大エネルギー積(BH)maxは15.9kJ/m(2.00MGOe)以上が好ましく、より好ましくは19.9kJ/m(2.50MGOe)以上である。
次に、本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物の製造法について述べる。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、周知のボンド磁石用樹脂組成物の製造法によって得ることができ、例えば、磁性粉末、バインダー樹脂成分及びヨウ素化合物を均一混合した後、混練押出機などを用いて溶融混練し、混練物を粒状、ペレット状に粉砕または切断することによって得られる。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、バインダー樹脂に対するヨウ素化合物の仕込み組成(ヨウ素化合物/バインダー樹脂)が0.10〜4.50重量%が好ましい。ヨウ素化合物の仕込み組成割合が0.10重量%未満の場合、過酷な環境下で物性特性を維持することが困難である。前記割合が4.50重量%を超える場合、流動性及び磁気特性が低下するので好ましくない。バインダー樹脂に対するヨウ素化合物の仕込み組成割合は0.15〜4.30重量%がより好ましく、更により好ましくは0.20〜4.00重量%である。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、ヨウ素化合物と磁性粉末との重量割合(ヨウ素化合物/磁性粉末)が0.01〜0.50重量%が好ましく、より好ましくは0.03〜0.45重量%である。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物には、成形性向上、耐熱性向上、酸化劣化防止及び防錆効果等を得るために芳香族ポリアミド樹脂以外の樹脂、プラスチック成形用滑剤及び種々の安定剤等を任意に含有させることができる。
滑剤としては、例えば、プロピオン酸、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸及びフマル酸等のカルボキシル飽和/不飽和脂肪酸系、またそれらの化合物として、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸リチウム等の金属石鹸類、ヒドロキジステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド及びエチレンビスオレイン酸アミド等の脂肪酸アミド類、パラフィンワックスなどのワックス類、ジメチルポリシロキサン、シリコンオイル等のポリシロキサン類、含フッ素オイルなどのフッ素化合物などが挙げられる。
安定剤としては、熱による劣化防止のために、酸化防止剤を添加するのが好ましい。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系安定剤のほか、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのヒンダート/レスヒンダートフェノール系、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヒドラジンなどの金属不活性化剤、ホスファイト系、チオエーテル系等の抗酸化剤等が挙げられる。特にヒンダート/レスヒンダートフェノール系とホスファイト系又は金属不活性化剤との併用が効果的である。
酸化防止剤は、樹脂組成物の全量に対して0.1〜1.0wt%の範囲で含有させることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.8wtである。
また、バインダー樹脂中に、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の公知の離型剤を添加することができる。
本発明のボンド磁石用樹脂組成物を用いた成形品を得るための成形方法としては特に制限はなく、ボンド磁石用樹脂組成物の材料特性や成形目的及び用途などに応じて、トランスファー法、射出法、押出法、インフレーション法、カレンダー加工法、T−ダイ法、吹込み法、真空法、積層法、スプレーアップ法、発砲法、マッチドダイ法、SMC法など適宜公知の方法を単独または複数組み合わせて用いることができる。
特に、熱可塑性樹脂を用いたボンド磁石用樹脂組成物においては、工業部品の多くに適用され、連続的で高速かつ大量生産ができる、射出法又は押出法が好ましい。
以下に本発明の代表的な実施の形態を示すが、本願発明はこれらに制限されるものではない。
ボンド磁石用樹脂組成物の磁気特性(残留磁束密度Br、保磁力iHc、保磁力bHc、最大エネルギー積(BH)max)は、ボンド磁石用樹脂組成物を25mmΦ、10.5mmの高さの金型内で溶融状態として、318.3kA/m(4kOe)で磁場配向した後、「直流磁化特性自動記録装置3257」(横川北辰電気(株)製)を用いて1114.1kA/m(14kOe)の磁界中で測定して求めた。
ヨウ素の含有量は、蛍光X線装置(理学電機(株)製、RIX2100)を用いて、金属(I)換算の含有量として求めた。
ボンド磁石組成物のメルトマスフローレイト(MFR)は、JIS K7210に準拠して、270℃で溶融し、10kg荷重で測定して求めた。
熱環境試験は、上記のボンド磁石組成物の成型密度は、ボンド磁石用樹脂組成物を25mmΦ、10.5mmの高さの金型内で溶融状態にして成型したコアを「電子比重計EW−120SG」((株)安田精機製作所製)で測定して求めた。
ボンド磁石樹組成物を用いた射出成型は、(株)日本製鋼所製の射出成形機J20MII型を用いて、全長175mm、全幅12.5mm、厚み3.2mmの試験片成形体を得た。この試験片射出成形時の射出圧を記録に留め、射出性の判断とした。
引張強度及び伸びはASTM D638−90規格に準じて測定した。(株)日本製鋼所の射出成形機J20MII型を用いて試験片を得た後、島津製作所(株)製のコンピュータ計測制御式精密万能試験機AG−1型を用いて測定した。
熱環境試験用試験片は、上記のボンド磁石組成物の成形体を、150℃に設定されたオーブンに72時間放置した後、上記の強度試験機で測定した。劣化率はそれぞれ下記の計算式に基づいて算出した。
引張強度の劣化率=熱環境試験後の引張強度/熱環境試験前の引張強度×100
伸びの劣化率=熱環境試験後の伸び/熱環境試験前の伸び×100
実施例1
フェライト粒子粉末89.0重量部(平均粒子径1.20μm、保磁力226kA/m(2850Oe)、飽和磁化822Am/kg(72emu/g))とフェライト粒子粉末に対して0.5重量%のアミノアルキル系シランカップリング剤を加えて均一になるまで120℃で加温混合して、表面処理フェライト粒子粉末を得た。
この表面処理フェライト粒子粉末に、12ナイロン樹脂 7.67重量部、ポリアミド系エラストマー 2.56重量部、ヨウ素化合物(KIとCuIの混合物) 0.03重量部およびヒンダ−フェノール系酸化防止剤(チバガイギー製 IRGANOX1010) 0.3重量部加えて、ヘンシェルミキサーで充分に混合してボンド磁石用樹脂組成物の混合物を得た。
得られたボンド磁石用樹脂組成物の混合物を2軸の混練機に定量フィードして、12ナイロンが溶融する温度において混練して、混練物をストランド状に取り出し、2mmΦ×3mmの大きさのペレット状に切断してボンド磁石用樹脂組成物を得た。
得られたボンド磁石用樹脂組成物の磁気特性、MFR、密度を測定した結果を表2に示す。
射出成形で得られた試験片の初期強度および熱環境試験後の強度を測定した結果を表3に示す。
実施例2〜5、比較例1〜2:
12ナイロン樹脂、ポリアミド系エラストマー、ヨウ素化合物、酸化防止剤の添加量を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてボンド磁石用樹脂組成物を作成した。
実施例6
NdFeB粒子粉末93.0重量部(平均粒子径70μm、保磁力748kA/m(9.4KOe)、残留磁化875mT(8750G))とNdFeB粒子粉末に対して0.5重量%のアミノアルキル系シランカップリング剤を加えて均一になるまで120℃で加温混合して、表面処理NdFeB粒子粉末を得た。
この表面処理NdFeB粒子粉末に、12ナイロン樹脂 3.54重量部、ポリアミド系エラストマー 2.38重量部、ヨウ素化合物(KIとCuIの混合物) 0.03重量部およびヒンダ−フェノール系酸化防止剤(チバガイギー製 IRGANOX1010) 0.6重量部加えて、ヘンシェルミキサーで充分に混合してボンド磁石用樹脂組成物の混合物を得た。
実施例7、比較例3
12ナイロン樹脂、ポリアミド系エラストマー、ヨウ素化合物、酸化防止剤の添加量を種々変化させた以外は、前記実施例6と同様にしてボンド磁石用樹脂組成物を作成した。
得られたボンド磁石用樹脂組成物及び成形体の特性を表3に示す。
Figure 2010283301
Figure 2010283301
Figure 2010283301
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、ヨウ素化合物を含有していない比較例のボンド磁石用樹脂組成物よりも引張強度及び伸びの熱劣化率が100%以上であり、耐熱性に優れた特性を有することが確認された。なお、比較例2では、試験片成形体を成形することができなかった。
従って、本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物を用いれば、高い磁力特性を保ちつつ、より高い強度と靱性を有する成形品が得られるので、ボンド磁石用材料として好適である。

Claims (5)

  1. 少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、バインダー樹脂に対してヨウ素化合物をヨウ素として0.1〜3.50重量%含有することを特徴とするボンド磁石用樹脂組成物。
  2. 少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、バインダー樹脂を3〜30重量%含有することを特徴とする請求項1記載のボンド磁石用樹脂組成物。
  3. 少なくとも磁性粉末、バインダー樹脂及びヨウ素化合物からなるボンド磁石用樹脂組成物において、ヨウ素化合物をヨウ素として0.01〜2重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載のボンド磁石用樹脂組成物。
  4. ヨウ素化合物が、ヨウ化銅またはヨウ化カリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のボンド磁石用樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のボンド磁石用樹脂組成物を用いて成形した成形体。
JP2009137606A 2009-06-08 2009-06-08 ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体 Pending JP2010283301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009137606A JP2010283301A (ja) 2009-06-08 2009-06-08 ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009137606A JP2010283301A (ja) 2009-06-08 2009-06-08 ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010283301A true JP2010283301A (ja) 2010-12-16

Family

ID=43539758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009137606A Pending JP2010283301A (ja) 2009-06-08 2009-06-08 ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010283301A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021029245A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18
JP7289024B1 (ja) 2021-12-21 2023-06-09 東洋インキScホールディングス株式会社 射出成形用磁性樹脂組成物および磁性シールド用射出成形体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61179506A (ja) * 1985-01-07 1986-08-12 Daiseru Hiyurusu Kk 磁性体組成物
JPH01163262A (ja) * 1987-10-09 1989-06-27 General Electric Co <Ge> 安定化ポリフェニレンエーテル−ポリアミド組成物
JPH04222860A (ja) * 1990-12-25 1992-08-12 Toray Ind Inc 非繊維状成形体用ポリアミド組成物
JPH10130497A (ja) * 1996-11-01 1998-05-19 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリアミド樹脂組成物
JP2001311000A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Mitsuboshi Belting Ltd 注型ポリアミド樹脂組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61179506A (ja) * 1985-01-07 1986-08-12 Daiseru Hiyurusu Kk 磁性体組成物
JPH01163262A (ja) * 1987-10-09 1989-06-27 General Electric Co <Ge> 安定化ポリフェニレンエーテル−ポリアミド組成物
JPH04222860A (ja) * 1990-12-25 1992-08-12 Toray Ind Inc 非繊維状成形体用ポリアミド組成物
JPH10130497A (ja) * 1996-11-01 1998-05-19 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリアミド樹脂組成物
JP2001311000A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Mitsuboshi Belting Ltd 注型ポリアミド樹脂組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021029245A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18
WO2021029245A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 富士フイルム株式会社 電波吸収性組成物および電波吸収体
KR20220034175A (ko) * 2019-08-09 2022-03-17 후지필름 가부시키가이샤 전파 흡수성 조성물 및 전파 흡수체
JP7427004B2 (ja) 2019-08-09 2024-02-02 富士フイルム株式会社 電波吸収性組成物および電波吸収体
KR102634577B1 (ko) * 2019-08-09 2024-02-07 후지필름 가부시키가이샤 전파 흡수성 조성물 및 전파 흡수체
JP7289024B1 (ja) 2021-12-21 2023-06-09 東洋インキScホールディングス株式会社 射出成形用磁性樹脂組成物および磁性シールド用射出成形体
WO2023120301A1 (ja) * 2021-12-21 2023-06-29 東洋インキScホールディングス株式会社 射出成形用磁性樹脂組成物および磁性シールド用射出成形体
JP2023092392A (ja) * 2021-12-21 2023-07-03 東洋インキScホールディングス株式会社 射出成形用磁性樹脂組成物および磁性シールド用射出成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7416124B2 (ja) コンパウンド及びタブレット
KR100241982B1 (ko) 희토류 본드 자석 및 희토류 본드 자석용 조성물
JP2019104954A (ja) 金属元素含有粉及び成形体
JP5045868B2 (ja) ボンド磁石用複合磁性粉末、ボンド磁石用樹脂組成物及びボンド磁石
WO2019106812A1 (ja) コンパウンド粉
JP2010283301A (ja) ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体
CN111954912A (zh) 复合物及成形体
CN111406085A (zh) 复合粉
JP2018170451A (ja) 磁石、および、磁石の製造方法
EP1347471B1 (en) Resin composition for bond magnet and bond magnet using the same
JP4305628B2 (ja) ボンド磁石用樹脂組成物及びボンド磁石
JP2010251545A (ja) ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体
CN115698119A (zh) 复合物、成型体及固化物
WO2024057888A1 (ja) ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いて成形されたボンド磁石成形体
WO2023120184A1 (ja) ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いたボンド磁石
TW202412024A (zh) 黏結磁體用樹脂組合物以及使用其進行成型而得的黏結磁體成型體
WO2023058565A1 (ja) ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体
JP2008305878A (ja) 磁石材料、その製造方法、及びこれを用いたセンサー用樹脂結合型磁石
KR20240072992A (ko) 본드 자석용 수지 조성물 및 이를 사용한 성형체
JP2002343623A (ja) 可撓性シート状磁石成形体及びその製造方法
WO2020246246A1 (ja) コンパウンド、成型体及び硬化物
JP5159521B2 (ja) 半硬質ボンド磁石
JPH11283817A (ja) 希土類ボンド磁石および希土類ボンド磁石用組成物
JP2000012316A (ja) 希土類ボンド磁石用磁性粉末と希土類ボンド磁石用組成物および希土類ボンド磁石
CN113728403A (zh) 复合物、成型体、复合物的固化物及复合物的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130926

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20131114

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20140207