JP3478126B2 - 樹脂結合型金属組成物および金属成形体 - Google Patents

樹脂結合型金属組成物および金属成形体

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JP3478126B2 JP16870798A JP16870798A JP3478126B2 JP 3478126 B2 JP3478126 B2 JP 3478126B2 JP 16870798 A JP16870798 A JP 16870798A JP 16870798 A JP16870798 A JP 16870798A JP 3478126 B2 JP3478126 B2 JP 3478126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に金属成形体が
磁石である場合にその磁気特性に優れた金属成形体を与
える樹脂結合型金属組成物、及びこれを用いて得られた
金属成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト磁石、アルニコ磁石、希土類
磁石などの磁石は、主に金属粉末を焼き固める焼結法に
より作られるために、一般に脆く、薄肉のものや複雑な
形状のものが得難い。また焼結時の収縮が15〜20%
と大きいため寸法精度の高いものが得られず、寸法精度
を上げるには研磨等の焼結後の加工が必要である。
【0003】樹脂結合型金属は、これらの欠点を解決す
ると共に新しい用途をも開拓するもので、ポリアミド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂
をバインダーとし、これらに金属粉末を充填したもので
ある。
【0004】従来の熱可塑性樹脂をバインダーとして射
出成形により製造される樹脂結合型金属は、その成形
性、即ち混練時のトルクや組成物の溶融流動性の問題か
ら混合する金属粉末の質と量に限界があるため、成形後
の特性、特に成形が困難とされる複雑異形状製品の磁気
特性や透磁率を向上させた樹脂結合型金属組成物を得る
ことができなかった。
【0005】近年、小型モーター、音響機器、OA機器
等に用いられる樹脂結合型磁石は、機器の小型化の要請
から複雑形状化が進み、かつ磁気特性に優れたものが要
求される。上記従来の樹脂結合型磁石は成形性が不十分
で、しかも磁性粉含有量を増やせないためこれらの要求
を満たせず、樹脂結合型磁石組成物の早期改良が望まれ
ていた。
【0006】また、磁石のヨーク材は、従来磁石と接着
剤を介して一体化されていたが、組立コストの低減、磁
石の複雑形状化等の理由から、磁石との一体成形が可能
な樹脂結合型ヨーク材への要求が高まっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の樹脂結
合型ヨーク材は成形性、即ち組成物の混練特性や溶融流
動性等が不十分で、かつヨーク材用金属粉末含有量を増
やせないため透磁率は不十分であり、樹脂結合型ヨーク
材の改良が望まれていた。
【0008】そこで本発明は、従来の熱可塑性樹脂結合
型金属成形体の欠点を解消し、例えば磁気特性の優れた
樹脂結合型磁石や透磁率の優れた樹脂結合型ヨーク材を
与える樹脂結合型金属組成物を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、ポリアミド樹脂の末端アミノ基の
変性方法、分子量や添加剤等の種類を変えて種々の検討
を行った結果、末端アミノ基が変性され、かつ分子量分
布と分子量を一定範囲内に規定したポリアミド樹脂を用
いることで優れた磁気特性を有する樹脂結合型磁石や優
れた透磁率を有する樹脂結合型ヨーク材が得られること
を見いだし本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明の第1の発明によれば、金属
粉末とポリアミド樹脂とからなる樹脂結合型金属組成物
であって、該ポリアミド樹脂は、末端アミノ基が炭素数
10以上30以下の脂肪酸で変性され、末端アミノ基濃
度が0〜20mmol/kg、分子量分布が2.8〜1
0、数平均分子量が5000〜15000である樹脂
に、末端アミノ基濃度が0〜20mmol/kg、数平
均分子量15000〜30000である樹脂を5〜50
wt%混合したものであり、さらに、少なくともその構
成元素中に少なくとも1種の希土類元素と非酸化状態の
鉄元素を含む金属粉末が組成物中に50重量%以上含ま
れ、250℃における流れ値Qは、50×10−3ml
/秒以上であることを特徴とする樹脂結合型金属組成物
が提供される。また、本発明の第2の発明によれば、第
1の発明において、ポリアミド樹脂は、その末端カルボ
キシル基濃度が0〜500mmol/kgであることを
特徴とする樹脂結合型金属組成物が提供される。さら
に、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明に
おいて、ポリアミド樹脂は、ナイロン11またはナイロ
ン12の構成単位を含む、ナイロンホモポリマーまたは
ナイロンコポリマーであることを特徴とする樹脂結合型
金属組成物が提供される。
【0011】一方、本発明の第4の発明によれば、第1
〜3のいずれかの発明に係る樹脂結合型金属組成物を射
出成形または押出成形して得た金属成形体が提供され
る。
【0012】ここで「分子量分布」とは、「重量平均分
子量」を「数平均分子量」で除した値である。
【0013】また、「流れ値Q」とは、JIS K−7
210の「流れ試験方法(参考試験)」による。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いる金属粉末として
は、少なくとも構成元素中に非酸化状態の鉄元素を含む
金属粉末とすることができ、例えば一般に市販されてい
る希土類−遷移金属系磁性粉末や、純鉄系、鉄−珪素系
等のヨーク材鉄系粉末など、通常樹脂結合型金属成形体
に用いられているものが使用できる。
【0015】より具体的には、希土類−遷移金属系磁性
粉末としては、希土類−鉄−コバルト−硼素系(例え
ば、Nd−Fe−Co−B系)、希土類−鉄−硼素系
(例えば、Nd−Fe−B系)、希土類−鉄−窒素系
(例えば、Sm−Fe−N系)等の磁性粉が挙げられ
る。ヨーク材鉄系粉末としては、純鉄、軟鋼、鉄−珪素
系、ニッケル−鉄系、鉄−コバルト系、鉄−珪素−アル
ミニウム系、鉄系またはコバルト系の非晶質軟磁性粉等
の金属粉が挙げられる。
【0016】上記樹脂結合型磁石組成物において、磁性
粉として上で例示したNd−Fe−B系の液体急冷法に
よる合金粉末やSm−Fe−N系の合金粉末を用いる
と、例えば90重量%以上の高充填化組成物でも容易に
成形が可能であり、結果的に優れた磁気特性を有する樹
脂結合型磁石が得られる。特に、非酸化状態の鉄元素を
含む磁性粉を用いる場合は、本発明の効果が大きく、成
形性の著しい向上をはじめ高磁気特性化への割合が著し
い。
【0017】液体急冷法によって得られたNd−Fe−
B系の磁性粉は、鱗片状の特異な形状を有しているた
め、好ましくはジェットミルやボールミル等で粉砕した
方が良い。これら磁性粉末の好ましい粒径は、平均20
0μm以下であり、特に好ましくは平均100μm以下
である。
【0018】これらの磁性粉は、勿論そのままの状態で
使用することができるが、混練中、成形中の酸化劣化を
極力防ぐためにも種々の表面処理剤で表面被覆を行うこ
とが望ましい。
【0019】表面処理可能な材料としては、シラン系カ
ップリング剤としてビニルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等又、チタン系カップリング剤としてイソプロピル
トリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプ
ロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネ
ート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネ
ート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニル
チタネート等、又、アルミニウム系カップリング剤とし
てアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等
又、燐酸系表面処理剤、クロム酸系表面処理剤、燐酸亜
鉛系表面処理剤、燐酸マンガン系表面処理剤、燐酸鉄系
表面処理剤、燐酸カルシウム表面処理剤等の燐酸系、燐
酸塩系表面処理剤等が挙げられる。
【0020】特に、これらの燐酸系表面処理剤、燐酸塩
系表面処理剤で事前に磁粉の表面に処理を施し、後工程
で組成物とすることで磁気特性の低下を最小限にくい止
めることが確認できている。又、オルガノシロキサン系
表面皮膜、オルガノシロキサン系とオルガノシリカゾル
との混合表面皮膜、オルガノシロキサン系とアクリルモ
ノマーの混合表面皮膜、ポリオルガノシルセスキオキサ
ン(ラダー型オルガノシロキサン系ポリマー)系表面皮
膜、ヘキサメチルジシラザン系による表面皮膜等やポリ
シラザン(ペルヒドロポリシラザン)、酸化珪素等の単
独または混合無機被覆膜を形成させた磁性粉を使用する
ことで磁気特性の低下を最小限にくい止めることが確認
できている。
【0021】次に、本発明の樹脂結合型磁石用組成物
は、末端アミノ基がカルボキシル基含有炭化水素で変性
されたポリアミド樹脂を用いることを特徴とする。変性
前のポリアミド樹脂は、例えば、6ナイロン、6、6ナ
イロン、11ナイロン、12ナイロン、6、12ナイロ
ン、芳香族系ナイロン等が挙げられ、これらの単重合体
や他種モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合
体、グラフト共重合体、他の物質での末端基変性品など
が挙げられる。また、これらの熱可塑性樹脂の2種類以
上のブレンド等における系も当然含まれる。
【0022】これらの中では成形性、吸水率の面で11
ナイロン、12ナイロンの使用が好ましい。従来のポリ
アミド樹脂では、混合する磁性粉中に含有する非酸化状
態の鉄元素との特殊反応性によって加熱混練中や射出成
形時の組成物溶融粘度が著しく変化することによって成
形性を損なう結果を招いていたが、末端アミノ基を変性
することでこれらの大幅な改善が可能となった。
【0023】この変性後の末端アミノ基の残存量は20
mmol/kg以下が好ましく、さらに好ましくは、1
5mmol/kg以下で、無に近い程良好な結果を得
る。この20mmol/kgよりも残存末端アミノ基量
が増すと、磁性粉、特に非酸化状態の鉄元素を含む磁性
粉との反応が著しくなり、著しい溶融粘度の上昇、流動
性の低下を招き本発明の効果を得ることができない。
た、このポリアミド樹脂は、その末端カルボキシル基濃
度が0〜500mmol/kgである
【0024】また、変性に用いるカルボキシル基含有炭
化水素としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉相酸、
ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等
のモノカルボキシル飽和脂肪酸系、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等のジカルボキ
シル飽和脂肪酸系、アクリル酸、リノール酸、オレイン
酸等のモノカルボキシル不飽和脂肪酸系、マレイン酸、
フマル酸等のジカルボキシル不飽和脂肪酸系、安息香酸
等の芳香族系モノカルボキシル炭化水素、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボキシル炭化
水素等が挙げられる。
【0025】その中でも、モノカルボキシル基含有炭化
水素が好ましく、さらにはこの炭化水素が脂肪酸である
ことが好ましい。また、この炭化水素1分子中の構成炭
素数は10以上30以下であることが望ましい。炭素数
が10未満であると成形性の改善効果が見られず、30
を超えると溶融粘度の増大をまねき本発明の効果を得る
ことができない。これらによって変性されたポリアミド
樹脂の数平均分子量は5000以上15000以下が好
ましい。5000以下では著しい成形体強度の低下を招
いて実用性に欠け、15000以上では溶融粘度の上昇
による成形性の悪化を招き本発明の効果を得ることがで
きない。最も好ましい範囲は、8000〜12000で
ある。
【0026】本発明に用いるポリアミド樹脂は、射出成
形、押出し成形時の高温時や高剪断域での著しい溶融粘
度低下を防止するために、前記主たる樹脂に数平均分子
量15000〜30000である従たる樹脂を5〜50
wt%混合することが特徴である。この従たる樹脂の分
子量が15000以下であると成形時の高温時や高剪断
域での著しい溶融粘度低下を防止できない。また、30
000以上となると組成物の著しい溶融流動性の低下を
招き本発明の効果を得られない。これらの従たる樹脂の
添加量は、分子量が大きくなるほど少なくて済むが、一
般的には5〜50wt%が望ましい。5wt%以下では
成形時の高温時や高剪断域での著しい溶融粘度低下を防
止できず、50wt%以上で組成物の著しい溶融流動性
の低下を招き本発明の効果を得られない。また、主たる
ポリアミド樹脂は、分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)が大きい点、即ち2.8以上10以下に設定
される。分子量分布は、好ましくは2.8以上6程度、
更に好ましくは2.8以上4.2程度である。この分子
量分布が2.8以下の場合は、成形時の金型内温度程度
である約100℃前後の機械強度が低く実用に耐えるこ
とができない。また、10以上であると成形温度での未
溶融物が多くなり流動性の低下を招き本発明の効果を得
ることができない。
【0027】ポリアミド樹脂の前記分子量や分子量分布
は、慣用の方法、例えば、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)等によりもとめることができ
る。このポリアミド樹脂は、異なる平均分子量や分子量
分布を有する2種以上の混合体でも最終使用時の末端ア
ミノ基、平均分子量、分子量分布等が該発明の範囲内に
属していれば本発明の効果を十分得ることができるた
め、2種以上のポリアミド樹脂を混合調整し用いても良
い。
【0028】これらの変性されたポリアミド樹脂の形状
は、パウダー、ビーズ、ペレット等特に限定されない
が、磁性粉との均一混合性から考えるとパウダーが望ま
しい。添加する量は、該磁性粉100重量部に対して5
重量部以上50重量部未満の割合が良く、好ましくは8
重量部以上20重量部以下、さらには8重量部以上15
重量部以下がより好ましい。該ポリアミド樹脂の添加量
が該磁性粉100重量部に対して5重量部未満の場合
は、成形性が著しく低下し、所望の樹脂結合型磁石成形
することができない。また、添加量が50重量部を超え
る場合は所望の磁気特性が得られない。
【0029】本発明における組成物は、これらの必須成
分の他にもポリアミド樹脂以外の樹脂、プラスチック成
形用滑剤や種々の安定剤等を添加することができる。
【0030】本発明の組成物に添加可能なポリアミド樹
脂以外の樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エタクリ
レート共重合樹脂、エチレン−メタクリレート共重合樹
脂、塩素化ポリエチレン樹脂、部分酸化ポリエチレン樹
脂等のポリオレフィン系及びその共重合樹脂をはじめ、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート
樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂、酢酸セルロース、酪酸
セルロース、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、
ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重
合樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アク
リレート−スチレン−アクリロニトリル樹脂、塩素化ポ
リエチレン−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブ
チルメタクリレート樹脂、ポリテトラフロロエチレン樹
脂、エチレン−ポリテトラフロロエチレン共重合樹脂等
が挙げられる。
【0031】滑剤としては、例えばパラフィンワック
ス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイ
クロワックス等のワックス類、ステアリン酸、1,2−
オキシステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレ
イン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ
ニウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシ
ノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の
脂肪酸塩(金属石鹸類)ステアリン酸アミド、オレイン
酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン
酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミ
ド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレ
イン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステ
アリルステアリン酸アミド等脂肪酸アミド類、ステアリ
ン酸ブチル等の脂肪酸エステル、エチレングリコール、
ステアリルアルコール等のアルコール類、グリセリンモ
ノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリ
ンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセ
リンモノ・ジステアレート、グリセリンモノベヘネー
ト、グリセリンジアセトモノラウレート、クエン酸不飽
和脂肪酸モノグリセライド、ジグリセリンラウレート、
ジグリセリンステアレート、テトラグリセリンステアレ
ート、デカグリセリンラウレート等のグリセリン系化合
物、またはグリセリン系脂肪酸エステル化合物、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、及びこれら変性物からなるポ
リエーテル類、ジメチルポリシロキサン、シリコングリ
ース等のポリシロキサン類、弗素系オイル、弗素系グリ
ース、含弗素樹脂粉末といった弗素化合物、窒化珪素、
炭化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化珪素、
二硫化モリブデン等の無機化合物粉体が挙げられる。
【0032】また、安定剤としては、ビス(2、2、
6、6、−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1、2、2、6、6、−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−
ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ}エチル]−4−{3−(3、5−ジ−第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}
−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、8−ベン
ジル−7、7、9、9−テトラメチル−3−オクチル−
1、2、3−トリアザスピロ[4、5]ウンデカン−
2、4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2、2、6、
6−テトラメチルピペリジン、こはく酸ジメチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2、2、
6、6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6
−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)イミノ−
1、3、5−トリアジン−2、4−ジイル][(2、
2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]
ヘキサメチレン[[2、2、6、6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ]]、2−(3、5−ジ・第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロ
ン酸ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)等のヒンダード・アミン系安定剤のほか、フ
ェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の抗酸
化剤等が挙げられる。
【0033】上記の他、顔料やプラスチック用各種改質
剤、相溶化剤等を適宜必要に応じて添加しても差し支え
ないが、最終混練後の組成物中に金属粉末が50重量%
以上含まれ、JIS K7210 「流れ試験方法(参
考試験)」に準じてダイBを使用した時の、荷重30k
gf、測定温度250℃における溶融時の組成物流れ値
Qが50×10−3ml/秒以上10000×10−3
ml/秒以下となることが好ましい。溶融時の組成物流
れ値Qが50×10−3ml/秒未満であると成形時の
成形安定性が得られないばかりか本発明の効果を得るこ
ともできない。また、10000×10−3ml/秒
超える場合は、成形時のバリの発生、成形体中の添加剤
等の分離等が生じ最終成形体の著しい強度の低下を招き
実用に耐えうることができなくなる。
【0034】本発明において、これら各成分の混合方法
は特に限定されず、例えばリボンブレンダー、タンブラ
ー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパー
ミキサー等の混合機あるいは、バンバリーミキサー、ニ
ーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸
押出機等の混練機を使用して実施することができる。
【0035】本発明の組成物は、各成分を混合し、パウ
ダー、ビーズ、ペレットあるいはこれらの混合物の形で
得られるが、取扱い易い点で、ペレットが望ましい。得
られた組成物は、各種の熱可塑性樹脂成形機、好ましく
は射出成形機、押出成形機により成形される。
【0036】
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げて本発明をより
具体的に説明する。尚、実施例、比較例に用いた各成分
の詳細及び試験方法、評価を例示するが、本発明の趣旨
を逸脱しない限り、これらに限定されるものでは無い。
【0037】以下の材料及び方法で樹脂結合型磁石用組
成物及び磁石を製造し、評価した。用いた材料を下記に
示す。
【0038】A 金属粉末 ・金属粉1:Nd−Fe−B 系磁性粉末(平均粒径1
00μm) (商品名:MQP−B、マグネクエンチインターナショ
ナル社製) ・金属粉2:Sm−Fe−N 系磁性粉末 (商品名:Sm−Fe−N合金、住友金属鉱山(株)
製) ・金属粉3:純鉄 (商品名:アトミロン、昭和電工(株)製)
【0039】B 末端基変成ポリアミド樹脂 表1中に記載した。
【0040】次に各成形品の製造方法、評価方法を示す
と次のようになる。
【0041】1.末端基変成ナイロンの作製 宇部興産(株)製ナイロン12(UBE3014U)1
00重量部に所定の脂肪酸を添加し、万能混合機に投入
後250℃、窒素雰囲気1.3気圧中で3時間反応さ
せ、冷却後所望のナイロンを得た。残存末端アミノ基の
同定は、滴定法による末端基定量法で行った。数平均分
子量はGPC法によって算出した。
【0042】2.組成物の混合及び作製 それぞれの金属粉全量に、所定の樹脂を所定の比率にな
るよう添加し(各重量部)、更に滑剤として、金属粉1
00重量部に対し規定量を加え、プラネタリーミキサー
中で十分混合撹拌させた。
【0043】これらにより得られた混合物をφ20mm
シングル押出機(L/D=25、CR=2.0、回転数
=20rpm、5mmφストランドダイ、シリンダー温
度200〜250℃、ダイス温度230℃にて押し出
し、ホットカットペレタイザーにて約φ5mm×5mm
のペレットコンパウンドを作製した。
【0044】3.射出成形方法 これらのペレットコンパウンドを(株)日本製鋼所製磁
場中射出成形機(J−20MII)にてφ10mm×1
5mmの円柱及び15mm×8mm×2mm矩形強度試
験用樹脂結合型磁石を同一条件(成形温度220〜31
0℃、金型温度100〜120℃)にて成形し、得られ
たこれらの成形品を後述の方法にてそれぞれ評価した。
尚、Sm−Fe−Nを使用した時のみ15〜20kOe
の磁場中金型内にて成形を行った。
【0045】4.各評価方法 混練トルク それぞれ計量した各材料を東洋精機製作所製ラボプラス
トミルに投入し、混練開始後5分目以降1時間目までの
経時的トルク変化を見た。その時の最大トルクを表1〜
表6に示す。但し、表1中、実施例5は参考例である。
【0046】・溶融流動性評価 JIS K7210 「流れ試験方法(参考試験)」に
準じ、ダイBを使用、荷重30kgf、測定温度250
℃にて溶融組成物流れ値Qを求めた。その結果を表1〜
表6に示す。
【0047】・高温時機械強度評価 JIS K7214 「プラスチックの打抜きによるせ
ん断試験方法」に準じ、ポンチ径は2.97mm、ヘッ
ドスピードは1mm/分、サンプル形状はφ10mm×
3mm厚の成形体として、110℃における剪断強さを
求めた。その結果を表1〜表6に示す。
【0048】・成形可能最高温度評価 成形温度を通常の温度から徐々に上昇させ、著しい溶融
粘度低下に伴う成形限界最高温度を求めた。その結果を
表1〜表6に示す。各種経験から、この成形可能最高温
度が260℃以上は必要と言われている。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の樹脂結合型磁石
用樹脂組成物は、末端基を変性し、かつ分子量、分子量
分布を限定することで、従来混練が難しかった鉄系材料
との優れた混合物特性、成形性を提供することができ、
例えば、一般家電製品、通信・音響機器、医療機器、一
般産業機器にいたる幅広い分野等で特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−179506(JP,A) 特開 昭62−252425(JP,A) 特開 平9−63821(JP,A) 特開 昭62−161835(JP,A) 特開 平8−134347(JP,A) 特開 平9−162019(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/00 - 1/117 B22F 1/00 - 8/00 C22C 1/04 - 1/05 C22C 33/02 C22C 38/00 303 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末とポリアミド樹脂とからなる樹
    脂結合型金属組成物であって、 該ポリアミド樹脂は、末端アミノ基が炭素数10以上3
    0以下の脂肪酸で変性され、末端アミノ基濃度が0〜2
    0mmol/kg、分子量分布が2.8〜10、数平均
    分子量が5000〜15000である樹脂に、末端アミ
    ノ基濃度が0〜20mmol/kg、数平均分子量15
    000〜30000である樹脂を5〜50wt%混合し
    たものであり、さらに、少なくともその構成元素中に少
    なくとも1種の希土類元素と非酸化状態の鉄元素を含む
    金属粉末が組成物中に50重量%以上含まれ、250℃
    における流れ値Qは、50×10−3ml/秒以上であ
    ることを特徴とする樹脂結合型金属組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂は、その末端カルボキシ
    ル基濃度が0〜500mmol/kgであることを特徴
    とする請求項に記載の樹脂結合型金属組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド樹脂は、ナイロン11または
    ナイロン12の構成単位を含む、ナイロンホモポリマー
    またはナイロンコポリマーであることを特徴とする請求
    項1〜のいずれかに記載の樹脂結合型金属組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂結
    合型金属組成物を射出成形または押出成形して得た金属
    成形体。
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