JP2003297620A - 耐熱性プラスチックマグネット材料 - Google Patents

耐熱性プラスチックマグネット材料

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JP2003297620A
JP2003297620A JP2002103126A JP2002103126A JP2003297620A JP 2003297620 A JP2003297620 A JP 2003297620A JP 2002103126 A JP2002103126 A JP 2002103126A JP 2002103126 A JP2002103126 A JP 2002103126A JP 2003297620 A JP2003297620 A JP 2003297620A
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plastic magnet
magnet material
magnetic powder
magnet
heat
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So Komata
創 小俣
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Citizen Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工と材料の再利用が容易で、且つ、寸
法精度が高く、高耐熱、高耐湿の磁石製品を実現できる
プラスチックマグネチット材料の提供。 【解決手段】 ポリフタルアミド系樹脂に磁性紛を混成
してなるプラスチックマグネット材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラスチック磁
石分野において高い耐熱性を有するプラスチックマグネ
ット材料に関する。更に詳しくは加工性が容易でかつ加
工精度の高いエンジニアリングプラスチックマグネット
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック磁石は軽量で耐衝撃性が高
く、成形加工性が良いことから高機能部品としていろい
ろな用途に利用されている。自動車関連では自動制御シ
ステムのセンサーやミラーや椅子を動かす各種モータ、
ブレーキに代表される安全装置に使用されている他、C
DやMDの情報機器、スピーカに代表される音響機器、
さらには家電製品やOA機器にと磁石を必要とする多く
の工業分野で利用されてきている。
【0003】プラスチック磁石の利用分野が広がれば広
がるほど磁石製品として高性能は磁気特性のみならず、
製品寸法の高精度化、温度や湿度変化に対する安定性、
経年安定性、加えて加工コストの面からも加工の容易性
が要求され、それを実現できるプラスチックマグネット
材料が望まれている。
【0004】このような要求に対して、従来はPPS
(ポリフェニレンサルファイド)またはナイロン66、
12などの樹脂と磁性紛を混成したプラスチックマグネ
ット材料を使って射出成形した磁石が用いられている。
【0005】PPSを使用したプラスチック材料は成形
作業を行う際バリが発生し、後処理を行わなければなら
ない問題が起きている。また、成形後非常に硬くなり、
ランナーなどを再生材として利用する時にその粉砕が難
しく再利用を困難にしている。地球資源の再利用はリサ
イクル社会での要望であり。この面からも再利用の容易
性が望まれている。
【0006】一方、ナイロン系では成形性が良いが吸水
率が高く、吸水した状態でいきなり高温化にさらされる
と樹脂分が分解したり、極端な場合は水蒸気爆発をする
危険さえも内在している。
【0007】近年、電子部品の小型化、高密度化が進
み、プラスチック磁石も電子部品の一つとして高密度化
実装の対象なってきている。また、電子業界ではオゾン
層保護のためフロン使用の中止に引き続いて鉛フリー半
田実装の採用が進んできている。PPSやナイロン6
6、12と磁性紛を混成した磁石ではこの鉛フリー半田
工程を通すと成形した磁石が変形する問題を発生してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】プラスチック磁石の特
徴はその加工が成形加工できるところにある。即ち成形
性の良いことが要求され、そのために、成形の際、バリ
の発生をいかに押さえるかが作業性向上のためにも必要
となっている。また、成形流動性が安定すると同時に、
製品になってからの温度や湿度環境の変化に対する安定
性が損なわれてはならない。磁石実装に際しても鉛フリ
ー半田でも可能な高い耐熱性のあるプラスチック磁石が
要求されてきている。併せて、成形時のランナーのよう
な非製品部分のリサイクルは資源の再利用の立場からも
その容易性が求められている。これらの問題や要求にこ
たえることが本発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、耐熱性プラスチックマグネット材料
がポリフタルアミド樹脂と磁性紛を混成してなることを
特徴とする。
【0010】また、ポリフタルアミド樹脂に混成してな
る磁性紛が45〜80重量%であることを特徴とする。
【0011】さらに、ポリフタルアミド樹脂と混成して
なる磁性紛がフェライト系磁性材料あることを特徴とす
る。
【0012】さらにまた、ポリフタルアミド樹脂と混成
してなる磁性紛が希土類磁性材料あることを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態について従
来の耐熱性プラスチック磁石の代表格であるPPS樹脂
を使用したマグネチック材料と比較しながら説明する。
【0014】本発明が提供するプラスチックマグネット
材料の樹脂成分として熱可塑性のPPA(ポリフタルア
ミド)樹脂を用いる。この樹脂は結晶性樹脂であるPP
Sと違って半結晶性樹脂で、優れた物理的、機械的性質
を有し、また、耐熱性も高く寸法安定に長けている。
【0015】この優れた特性を維持するために混成する
磁性紛は45〜80%の重量比にして練成し、加熱し成
形してペレット状にして提供する。このペレットを磁石
製品とするための成形材料として使用する。
【0016】成形温度はPPSを成分とするペレットを
使用する場合が290℃程度で行うのに対してPPAを
成分とするペレットでは320℃程度と高い温度が設定
でき、PPAの溶融性の良さも加わって成形時間を短く
設定することが出来、製造効率を上げることができる。
【0017】また、成形後の冷却工程を通して結晶性樹
脂であるPPSを成分とするペレットでは架橋反応を起
こして固く結晶化してしまうので収縮率も高くなり、寸
法安定性に欠ける。この結果、熱可塑性の特徴である材
料の再利用(リサイクル)をするための再ペレット化が固
くて困難という問題を引き起こしている。
【0018】一方、半結晶性樹脂であるPPAを成分と
するペレットでは架橋反応が発生しないので、精度の高
い製品が作り易くなるばかりでなく、ランナー部分の再
利用に当たっても容易に粉砕でき、熱可塑性材料の特徴
が活かした再資源化が容易に達成する。
【0019】PPAを成分とするペレットは磁性紛が入
っていても溶融安定性がよく、成形性がよい。そのため
バリや金型の腐食トラブルが少なくなり、作業性の良
い、金型費用の少ない成形工程を実現する。
【0020】PPSが架橋型のポリマーであるが故に比
較的高温度領域でも高い剛性を保持し、耐熱性エンプラ
としても代表的であったが、プラスチック磁石としての
耐熱温度は260℃程度しかなく、280℃以上を要求
される鉛フリー半田工程には充分でなかった。これに対
して、PPAを成分とする磁石では半結晶性である樹脂
を使用しているにもかかわらず280℃を越える耐熱性
を有するので、充分に鉛フリー半田工程に耐え得ること
を確かめることが出来た。多くの場合、この半田工程は
他の電子部品と一緒にリフローによって実装される。
【0021】さらに、PPAは吸水率が低いため高湿の
高温下にいきなりさらしても分解などによる劣化が非常
に少なく、経年安定性も良い。
【0022】加えて、PPAを成分とする磁石製品はハ
ードクロムや真鍮メッキも容易であることも確認出来た
ので、工業製品への多様な利用が期待できる。
【0023】混成する磁性成分にはフェライトの磁性紛
を使用してペレット化する。磁性紛の割合を増やせば磁
力は上がるが樹脂の特性が減じて成形性が悪くなる。成
形性を保持しながら磁石の特性を引き出すには概ね重量
比45〜80%にするのが望まれる。高い磁性特性を必
要とする時には、サマリウムコバルト、サマリウム鉄窒
素、ネオジー等の希土類磁石紛を混成することができ
る。この場合の混成比率も重量比で45〜80%である
ことが望まれる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、PPA(ポリフタ
ルアミド)樹脂と磁性紛とを混成したプラスチックマグ
ネット材料を提供する事により、地球環境を保全するオ
ゾン層保護に貢献できる鉛フリー半田リフロー工程に耐
え得る耐熱性の高い磁石製品が実現する。
【0025】半結晶性樹脂を成分とするため寸法安定性
の高い磁石製品を実現すると同時に、成形工程における
バリの発生を抑え、金型のトラブルを低減出来る。
【0026】加えて、成形の際発生するランナー等の硬
化が低いので粉砕し易く、容易に再生材としての利用が
できる。
【0027】樹脂成分のPPAの吸水率が低いため湿度
の高い高温下にさらしても分解などによる劣化が少なく
経年安定性が良くなる。さらにメッキの固着性が良い磁
石製品の提供ができる。
【0028】以上述べたように、成形性が容易にできる
ため、安価で高品質、リサイクル可能な環境にも優しい
磁石製品を供給することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフタルアミド樹脂に磁性紛を混成し
    てなることを特徴とする耐熱性プラスチックマグネット
    材料。
  2. 【請求項2】 ポリフタルアミド樹脂と混成してなる磁
    性紛が45〜80重量%であることを特徴とする請求項
    1に記載の耐熱性プラスチックマグネット材料。
  3. 【請求項3】 ポリフタルアミド樹脂と混成してなる磁
    性紛がフェライト系磁性材料あることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のプラスチックマグネット材
    料。
  4. 【請求項4】 ポリフタルアミド樹脂と混成してなる磁
    性紛が希土類磁性材料あることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のプラスチックマグネット材料。
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