JP2003028986A - 放射線遮蔽材料 - Google Patents
放射線遮蔽材料Info
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- JP2003028986A JP2003028986A JP2001211917A JP2001211917A JP2003028986A JP 2003028986 A JP2003028986 A JP 2003028986A JP 2001211917 A JP2001211917 A JP 2001211917A JP 2001211917 A JP2001211917 A JP 2001211917A JP 2003028986 A JP2003028986 A JP 2003028986A
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- melting point
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- metal
- shielding material
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形性及び機械的強度が優れた放射線遮蔽材
料を提供する。 【解決手段】 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラス
トマー及びこれらの混合物を基質とし、これに(b)融
点が300℃以下の低融点金属、及び(c)金属粉末を
混合してなる放射線遮蔽材料およびその製造方法。
料を提供する。 【解決手段】 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラス
トマー及びこれらの混合物を基質とし、これに(b)融
点が300℃以下の低融点金属、及び(c)金属粉末を
混合してなる放射線遮蔽材料およびその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線、特にX線
を遮蔽するための低融点金属を含有した優れた成形性や
機械的強度を有する熱可塑性樹脂製の放射線遮蔽材料お
よびその製造方法に関する。
を遮蔽するための低融点金属を含有した優れた成形性や
機械的強度を有する熱可塑性樹脂製の放射線遮蔽材料お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線などの放射線を取り扱う医療事業や
アイソトープ利用事業、原子力関連事業などの分野で、
人体への放射線被曝の防御、2次放射線放出抑制、放射
域限定などの目的で、各種の放射線遮蔽シートが用いら
れている。代表的なものとしては、合成樹脂に鉛を混練
してシート状に形成したものがあり、特開昭58−60
299号に記載されているように、合成樹脂に鉛金属繊
維を配合してシート状にしたものが知られている。しか
しながら、放射線遮蔽性を付与するには、鉛を代表とし
た重金属の添加が大量に必要となり、その結果、成形性
の悪化や、脆弱となり機械的強度が低下していた。その
対策として特公平3−40359号には、金属鉛を含有
するオレフィン系樹脂シート(芯材)の片面または両面
に、可塑化塩化ビニル系樹脂の薄膜を積層した積層複合
物が開示されているが、積層等の必要から、製造が必ず
しも容易とは言い難く、また、コスト的にも高価となっ
ていた。
アイソトープ利用事業、原子力関連事業などの分野で、
人体への放射線被曝の防御、2次放射線放出抑制、放射
域限定などの目的で、各種の放射線遮蔽シートが用いら
れている。代表的なものとしては、合成樹脂に鉛を混練
してシート状に形成したものがあり、特開昭58−60
299号に記載されているように、合成樹脂に鉛金属繊
維を配合してシート状にしたものが知られている。しか
しながら、放射線遮蔽性を付与するには、鉛を代表とし
た重金属の添加が大量に必要となり、その結果、成形性
の悪化や、脆弱となり機械的強度が低下していた。その
対策として特公平3−40359号には、金属鉛を含有
するオレフィン系樹脂シート(芯材)の片面または両面
に、可塑化塩化ビニル系樹脂の薄膜を積層した積層複合
物が開示されているが、積層等の必要から、製造が必ず
しも容易とは言い難く、また、コスト的にも高価となっ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、放射線遮蔽性
を有するとともに、成形性及び機械的強度が優れた放射
線遮蔽材料が求められていた。
を有するとともに、成形性及び機械的強度が優れた放射
線遮蔽材料が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っっ
た。即ち本発明の要旨は、(a)熱可塑性樹脂又は熱可
塑性エラストマー及びこれらの混合物を基質とし、これ
に(b)融点が300℃以下の低融点金属、及び(c)
金属粉末を混合してなる放射線遮蔽材料にある。また、
(a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれ
らの混合物、(b)融点が300℃以下の低融点金属、
(c)金属粉末を溶融させて混練し、任意の形状に成形
する放射線遮蔽材料の製造方法において、前記放射線遮
蔽材料の加工温度を、この材料中に含まれる熱可塑性樹
脂又は熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物の融点
以上、かつ前記低融点金属の融点より15℃高い温度以
下として成形することを特徴とする放射線遮蔽材料の製
造方法にある。
決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っっ
た。即ち本発明の要旨は、(a)熱可塑性樹脂又は熱可
塑性エラストマー及びこれらの混合物を基質とし、これ
に(b)融点が300℃以下の低融点金属、及び(c)
金属粉末を混合してなる放射線遮蔽材料にある。また、
(a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれ
らの混合物、(b)融点が300℃以下の低融点金属、
(c)金属粉末を溶融させて混練し、任意の形状に成形
する放射線遮蔽材料の製造方法において、前記放射線遮
蔽材料の加工温度を、この材料中に含まれる熱可塑性樹
脂又は熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物の融点
以上、かつ前記低融点金属の融点より15℃高い温度以
下として成形することを特徴とする放射線遮蔽材料の製
造方法にある。
【0005】本発明の好ましい実施態様としては、下記
が挙げられる。 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれ
らの混合物が成形品の20〜80容量%、(b)及び
(c)を合わせた金属成分中の(c)金属粉末の割合が
10〜30容量%の範囲であることを特徴とする放射線
遮蔽材料。 (b)成分の低融点金属が、Pb/Sn、Pb/Sn/
Bi、Pb/Sn/Ag、 Pb/Ag、 Sn/Ag、 S
n/Bi、Sn/Cu、Sn/Zn系から選ばれた低融
点合金からなることを特徴とする放射線遮蔽材料。 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれ
らの混合物の硬度がデュロメータA硬さで35以上、デ
ュロメータD硬さ60以下の範囲であることを特徴とす
る放射線遮蔽材料。 (d)成分の金属粉末がCu、Ni、Al、Cr及びそ
れらの合金粉末からなり、その平均粒径が1〜50μm
の範囲であることを特徴とする放射線遮蔽材料。
が挙げられる。 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれ
らの混合物が成形品の20〜80容量%、(b)及び
(c)を合わせた金属成分中の(c)金属粉末の割合が
10〜30容量%の範囲であることを特徴とする放射線
遮蔽材料。 (b)成分の低融点金属が、Pb/Sn、Pb/Sn/
Bi、Pb/Sn/Ag、 Pb/Ag、 Sn/Ag、 S
n/Bi、Sn/Cu、Sn/Zn系から選ばれた低融
点合金からなることを特徴とする放射線遮蔽材料。 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれ
らの混合物の硬度がデュロメータA硬さで35以上、デ
ュロメータD硬さ60以下の範囲であることを特徴とす
る放射線遮蔽材料。 (d)成分の金属粉末がCu、Ni、Al、Cr及びそ
れらの合金粉末からなり、その平均粒径が1〜50μm
の範囲であることを特徴とする放射線遮蔽材料。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の放射線遮蔽材料は、その材料が(a)熱可塑性
樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物、
(b)融点が300℃以下の低融点金属、及び(c)金
属粉末の混合物(以下、「混合材」という)からなるこ
とに特徴がある。このように(a)熱可塑性樹脂又は熱
可塑性エラストマー及びこれらの混合物と放射線遮蔽性
を付与するための金属成分を特定の組合せとすることに
より、放射線遮蔽性と他の特性をバランス良く付与でき
ることを見出したものであり、混合材においては(a)
熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれらの混
合物を組成物全体の20〜80容量%、好ましくは40
〜60容量%の範囲で含有することが好ましい。樹脂ブ
レンド成分が80容量%を越えると放射線遮蔽性が発現
し難い傾向にあり、20容量%未満では、流動性が低下
して成形性に劣り易い。 a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれら
の混合物の硬度がデュロメータA硬さで35以上、デュ
ロメータD硬さ60以下の範囲、好ましくはデュロメー
タA硬さで50以上、デュロメータD硬さ50以下であ
ることが好ましい。ブレンド物の硬度がデュロメータA
硬さで35未満では、柔らかすぎて成形が困難となり、
デュロメータD硬さ60以上では、脆性改質の効果が失
われる。また、樹脂ブレンド物と低融点金属との接着強
度を向上させるために酸変成ポリオレフィンなどの界面
接着剤を添加することも好適である。(c)の金属粉末
は低融点金属の分散助剤として作用し、金属成分中の
(c)金属粉末の割合を10〜30容量%、好ましくは
15〜25容量%の範囲とすることが好ましい。10容
量%未満では、分散状態が悪くなり、また30容量%を
越えると流動性が低下するとともに脆化しやすく、さら
に放射線遮蔽性も低下する傾向が見られる。
本発明の放射線遮蔽材料は、その材料が(a)熱可塑性
樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物、
(b)融点が300℃以下の低融点金属、及び(c)金
属粉末の混合物(以下、「混合材」という)からなるこ
とに特徴がある。このように(a)熱可塑性樹脂又は熱
可塑性エラストマー及びこれらの混合物と放射線遮蔽性
を付与するための金属成分を特定の組合せとすることに
より、放射線遮蔽性と他の特性をバランス良く付与でき
ることを見出したものであり、混合材においては(a)
熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれらの混
合物を組成物全体の20〜80容量%、好ましくは40
〜60容量%の範囲で含有することが好ましい。樹脂ブ
レンド成分が80容量%を越えると放射線遮蔽性が発現
し難い傾向にあり、20容量%未満では、流動性が低下
して成形性に劣り易い。 a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれら
の混合物の硬度がデュロメータA硬さで35以上、デュ
ロメータD硬さ60以下の範囲、好ましくはデュロメー
タA硬さで50以上、デュロメータD硬さ50以下であ
ることが好ましい。ブレンド物の硬度がデュロメータA
硬さで35未満では、柔らかすぎて成形が困難となり、
デュロメータD硬さ60以上では、脆性改質の効果が失
われる。また、樹脂ブレンド物と低融点金属との接着強
度を向上させるために酸変成ポリオレフィンなどの界面
接着剤を添加することも好適である。(c)の金属粉末
は低融点金属の分散助剤として作用し、金属成分中の
(c)金属粉末の割合を10〜30容量%、好ましくは
15〜25容量%の範囲とすることが好ましい。10容
量%未満では、分散状態が悪くなり、また30容量%を
越えると流動性が低下するとともに脆化しやすく、さら
に放射線遮蔽性も低下する傾向が見られる。
【0007】混合材に用いられる(a)熱可塑性樹脂と
してはポリオレフィン系樹脂やABS樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂など種々の材料が使用で
き(b)熱可塑性エラストマーとしては、(a)熱可塑
性樹脂に相溶可能なものであれば良くオレフィン系、ス
チレン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系
など種々のタイプのものが使用可能である。例えば、
(a)熱可塑性樹脂としてPPを使用した場合、(b)
熱可塑性エラストマーはポリオレフィン系エラストマー
を用いるのが好適である。
してはポリオレフィン系樹脂やABS樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂など種々の材料が使用で
き(b)熱可塑性エラストマーとしては、(a)熱可塑
性樹脂に相溶可能なものであれば良くオレフィン系、ス
チレン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系
など種々のタイプのものが使用可能である。例えば、
(a)熱可塑性樹脂としてPPを使用した場合、(b)
熱可塑性エラストマーはポリオレフィン系エラストマー
を用いるのが好適である。
【0008】(b)の融点が300℃以下の低融点金属
には各種のものが使用できる。融点の測定方法は示差走
査熱量測定法(DSC)に示差走査熱量測定法(DS
C)ににより測定すればよく、融点が300℃を越える
金属では成形性が劣るという問題がある。具体的にはP
b/Sn、Pb/Sn/Bi、Pb/Sn/Ag、 Pb
/Ag、Sn/Ag、 Sn/Bi、Sn/Cu、Sn/
Zn系から選ばれた低融点合金が好適に使用できる。放
射線遮蔽効果としてはPbを含むものが望ましいが、環
境的な見地からはPbを含まないSn系を用いても放射
線遮蔽効果は得られる。(c)成分の金属粉末は上記低
融点金属の分散助剤となるものであり、Cu、Ni、A
l、Cr及びそれらの合金粉末が好適に使用でき、その
平均粒径が1〜50μmの範囲のものが好ましい。平均
粒径は試料を透過型電子顕微鏡により撮影し、写真から
求めた数平均粒子径である。平均粒径が1μm未満では
混合の際のハンドリングが困難であり、また50μmを
越えるものでは分散性が低下し易い傾向がある。
には各種のものが使用できる。融点の測定方法は示差走
査熱量測定法(DSC)に示差走査熱量測定法(DS
C)ににより測定すればよく、融点が300℃を越える
金属では成形性が劣るという問題がある。具体的にはP
b/Sn、Pb/Sn/Bi、Pb/Sn/Ag、 Pb
/Ag、Sn/Ag、 Sn/Bi、Sn/Cu、Sn/
Zn系から選ばれた低融点合金が好適に使用できる。放
射線遮蔽効果としてはPbを含むものが望ましいが、環
境的な見地からはPbを含まないSn系を用いても放射
線遮蔽効果は得られる。(c)成分の金属粉末は上記低
融点金属の分散助剤となるものであり、Cu、Ni、A
l、Cr及びそれらの合金粉末が好適に使用でき、その
平均粒径が1〜50μmの範囲のものが好ましい。平均
粒径は試料を透過型電子顕微鏡により撮影し、写真から
求めた数平均粒子径である。平均粒径が1μm未満では
混合の際のハンドリングが困難であり、また50μmを
越えるものでは分散性が低下し易い傾向がある。
【0010】本発明の放射線遮蔽材の製造方法は、上記
混合材の各成分を用い、混合したものを所定の温度でニ
ーダや二軸押出機等の混練機により混練後、造粒したも
のを使用する方法が好ましい。混練においては(c)低
融点金属が半溶融状態となる温度が好ましく、マトリッ
クスとなる樹脂ブレンド物の溶融温度に応じて適切な金
属組成を選択し、低融点金属と分散助剤となる銅粉、ニ
ッケル粉末等の添加比率を適宜選択する必要がある。加
工温度が低融点金属の融点の15℃以上になると、一旦
分散した金属が凝集し、樹脂との分離を生ずる為に必要
以上に温度を上げる事は避ける必要がある。以上の方法
で得られた造粒物は、使用目的に対応する形状の金型を
用いて射出成形法、トランスファー成形法、プレス成形
法等の通常の成形法により賦形し、成形品とすることが
できる。また、Tダイ押出成形機等によりシート化も可
能である。
混合材の各成分を用い、混合したものを所定の温度でニ
ーダや二軸押出機等の混練機により混練後、造粒したも
のを使用する方法が好ましい。混練においては(c)低
融点金属が半溶融状態となる温度が好ましく、マトリッ
クスとなる樹脂ブレンド物の溶融温度に応じて適切な金
属組成を選択し、低融点金属と分散助剤となる銅粉、ニ
ッケル粉末等の添加比率を適宜選択する必要がある。加
工温度が低融点金属の融点の15℃以上になると、一旦
分散した金属が凝集し、樹脂との分離を生ずる為に必要
以上に温度を上げる事は避ける必要がある。以上の方法
で得られた造粒物は、使用目的に対応する形状の金型を
用いて射出成形法、トランスファー成形法、プレス成形
法等の通常の成形法により賦形し、成形品とすることが
できる。また、Tダイ押出成形機等によりシート化も可
能である。
【0011】以上述べたように、本発明の放射線遮蔽材
は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれら
の混合物に低融点金属が含有されていることから、放射
線遮蔽性を有する一方で、熱可塑性エラストマーの柔軟
性の為、脆弱にならず、成形性及び機械的強度に優れて
おり、医療分野、アイソトープ利用分野、原子力関連分
野等の幅広い分野への適用が可能である。
は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれら
の混合物に低融点金属が含有されていることから、放射
線遮蔽性を有する一方で、熱可塑性エラストマーの柔軟
性の為、脆弱にならず、成形性及び機械的強度に優れて
おり、医療分野、アイソトープ利用分野、原子力関連分
野等の幅広い分野への適用が可能である。
【0012】
【実施例】以下、実施例について説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。 (実施例1)樹脂ブレンド物の熱可塑性樹脂としてPP
(「MS640」(株)トクヤマ製)、熱可塑性エラス
トマーとしてポリオレフィン系エラストマー(「サント
プレン201−55」AESジャパン社製)を50:5
0で用いた。ブレンド物の硬度はデューロメータD硬さ
で40となった。また、界面接着改質剤として酸変成ポ
リオレフィン(「アドテックスER320P」日本ポリ
オレフィン(株)製)を用い、低融点金属として鉛フリ
ーハンダ(Sn−4Cu−2Ni 融点 固相線225
℃−液相線480℃)、金属粉末として平均粒径10μ
mの銅粉を用いた。あらかじめ各原料粉末を物理混合し
(樹脂ブレンド物40容量%、酸変成ポリオレフィン1
0容量%、低融点金属45容量%、金属粉末5容量
%)、混練機(森山製作所製、2軸加圧タイプ)を用い
て溶融混練後、プランジャー押出造粒機を用いて低融点
金属含有樹脂ペレットを作成した。
これに限定されるものではない。 (実施例1)樹脂ブレンド物の熱可塑性樹脂としてPP
(「MS640」(株)トクヤマ製)、熱可塑性エラス
トマーとしてポリオレフィン系エラストマー(「サント
プレン201−55」AESジャパン社製)を50:5
0で用いた。ブレンド物の硬度はデューロメータD硬さ
で40となった。また、界面接着改質剤として酸変成ポ
リオレフィン(「アドテックスER320P」日本ポリ
オレフィン(株)製)を用い、低融点金属として鉛フリ
ーハンダ(Sn−4Cu−2Ni 融点 固相線225
℃−液相線480℃)、金属粉末として平均粒径10μ
mの銅粉を用いた。あらかじめ各原料粉末を物理混合し
(樹脂ブレンド物40容量%、酸変成ポリオレフィン1
0容量%、低融点金属45容量%、金属粉末5容量
%)、混練機(森山製作所製、2軸加圧タイプ)を用い
て溶融混練後、プランジャー押出造粒機を用いて低融点
金属含有樹脂ペレットを作成した。
【0014】混練条件は以下の通りである。
混練温度 : 200℃
回転数 : 35r.p.m.
【0015】その後、雌型と雄型とを対向させた射出成
型用金型(110mm×75mm肉厚1mmの矩形状キ
ャビティ)内に上記の低融点金属含有樹脂ペレットを以
下の条件で射出成形を行った。 金型温度 : 40℃ シリンダー温度 : 200℃ スクリュ回転数 : 50r.p.m. 射出率 : 60cm3/秒 射出圧力 : 80Mpa 背圧 : 2Mpa 保圧時間 :40秒
型用金型(110mm×75mm肉厚1mmの矩形状キ
ャビティ)内に上記の低融点金属含有樹脂ペレットを以
下の条件で射出成形を行った。 金型温度 : 40℃ シリンダー温度 : 200℃ スクリュ回転数 : 50r.p.m. 射出率 : 60cm3/秒 射出圧力 : 80Mpa 背圧 : 2Mpa 保圧時間 :40秒
【0016】冷却後、脱型し目的とする成形品を得た。
得られた成形品の特性は以下の通りであった。 シャルピー衝撃値 :破壊せず 衝撃試験はJIS K7111に準拠(シャルピ−フラ
ットワイズノッチなし試験片幅 10mm、支点間距離
20mm、試験速度 0.5mm/分) 硬度はJIS K7215に準拠 さらに、得られた成形品の放射線遮蔽効果を確認するた
め、下記のテストを実施した。金属製の発熱線が内蔵さ
れたポリエチレン樹脂成形品に得られた放射線遮蔽シー
トを貼り付け、軟X線撮影装置(「X−RAY TV
SYSTEM FI−35」(株)島津製作所製)にて
観察を行った。貼り付けを行った部分については、図1
の写真1のように内部の電熱線が観察されずX線を完全
に遮蔽していることが明らかである。貼り付けない状態
では、図2に示す写真2の通り内部の電熱線が観察され
る。
得られた成形品の特性は以下の通りであった。 シャルピー衝撃値 :破壊せず 衝撃試験はJIS K7111に準拠(シャルピ−フラ
ットワイズノッチなし試験片幅 10mm、支点間距離
20mm、試験速度 0.5mm/分) 硬度はJIS K7215に準拠 さらに、得られた成形品の放射線遮蔽効果を確認するた
め、下記のテストを実施した。金属製の発熱線が内蔵さ
れたポリエチレン樹脂成形品に得られた放射線遮蔽シー
トを貼り付け、軟X線撮影装置(「X−RAY TV
SYSTEM FI−35」(株)島津製作所製)にて
観察を行った。貼り付けを行った部分については、図1
の写真1のように内部の電熱線が観察されずX線を完全
に遮蔽していることが明らかである。貼り付けない状態
では、図2に示す写真2の通り内部の電熱線が観察され
る。
【0017】(比較例1)実施例1の低融点金属に替
え、平均粒径10μmの鉛粉(融点 327.4℃)と
した以外は実施例1と同一内容で成形品を得た。成形品
は非常に脆弱であり、テストを行う以前にハンドリング
中に破壊した。
え、平均粒径10μmの鉛粉(融点 327.4℃)と
した以外は実施例1と同一内容で成形品を得た。成形品
は非常に脆弱であり、テストを行う以前にハンドリング
中に破壊した。
【0018】実施例1と比較例1を比較すると、本発明
の成形品である実施例1は、放射線遮蔽効果を維持しつ
つ、衝撃特性から明らかなように脆弱さを改善している
ことが分かる。
の成形品である実施例1は、放射線遮蔽効果を維持しつ
つ、衝撃特性から明らかなように脆弱さを改善している
ことが分かる。
【0019】(実施例2)樹脂ブレンド物の熱可塑性樹
脂としてPP(「MS640」(株)トクヤマ製)、熱
可塑性エラストマーとしてポリオレフィン系エラストマ
ー(「サントプレン201−55」 AESジャパン社
製)を50:50で用いた。ブレンド物の硬度はデュー
ロメータD硬さで40となった。また、界面接着改質剤
として酸変成ポリオレフィン(「アドテックスER32
0P」日本ポリオレフィン(株)製)を用い、低融点金
属として鉛フリーハンダ(Sn−4Cu−2Ni 融点
固相線225℃−液相線480℃)、金属粉末として
平均粒径10μmの銅粉を用いた。あらかじめ各原料粉
末を物理混合し(樹脂ブレンド物40容量%、酸変成ポ
リオレフィン10容量%、低融点金属45容量%、金属
粉末5容量%)、混練機(森山製作所製、2軸加圧タイ
プ)を用いて溶融混練後、プランジャー押出造粒機を用
いて低融点金属含有樹脂ペレットを作成した。混練条件
は以下の通りである。 混練温度 : 200℃ 回転数 : 35r.p.m. その後、Tダイ押出機により厚さ0.5mmのシート成
形を下記の条件で行った。 シリンダー温度 : 200℃ 口金温度 :200℃ スクリュ回転数 : 50r.p.m. 180度の折り曲げに対して破断しないシートが容易に
得られた。さらに、図3の写真3の通り、軟X線撮影装
置による観察で実施例1と同様の放射線遮蔽効果が得ら
れた。
脂としてPP(「MS640」(株)トクヤマ製)、熱
可塑性エラストマーとしてポリオレフィン系エラストマ
ー(「サントプレン201−55」 AESジャパン社
製)を50:50で用いた。ブレンド物の硬度はデュー
ロメータD硬さで40となった。また、界面接着改質剤
として酸変成ポリオレフィン(「アドテックスER32
0P」日本ポリオレフィン(株)製)を用い、低融点金
属として鉛フリーハンダ(Sn−4Cu−2Ni 融点
固相線225℃−液相線480℃)、金属粉末として
平均粒径10μmの銅粉を用いた。あらかじめ各原料粉
末を物理混合し(樹脂ブレンド物40容量%、酸変成ポ
リオレフィン10容量%、低融点金属45容量%、金属
粉末5容量%)、混練機(森山製作所製、2軸加圧タイ
プ)を用いて溶融混練後、プランジャー押出造粒機を用
いて低融点金属含有樹脂ペレットを作成した。混練条件
は以下の通りである。 混練温度 : 200℃ 回転数 : 35r.p.m. その後、Tダイ押出機により厚さ0.5mmのシート成
形を下記の条件で行った。 シリンダー温度 : 200℃ 口金温度 :200℃ スクリュ回転数 : 50r.p.m. 180度の折り曲げに対して破断しないシートが容易に
得られた。さらに、図3の写真3の通り、軟X線撮影装
置による観察で実施例1と同様の放射線遮蔽効果が得ら
れた。
【0020】(比較例2)実施例2の低融点金属に替
え、平均粒径10μmの鉛粉(融点 327.4℃)と
した以外は実施例2と同一内容で試作を行った。Tダイ
押出時の成形条件を種々変更したが、押出物が脆弱でシ
ート化不能であった。
え、平均粒径10μmの鉛粉(融点 327.4℃)と
した以外は実施例2と同一内容で試作を行った。Tダイ
押出時の成形条件を種々変更したが、押出物が脆弱でシ
ート化不能であった。
【0021】
【発明の効果】上述したように、本発明の放射線遮蔽材
は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれら
の混合物に低融点金属が含有されていることから、放射
線遮蔽性を有する一方で、熱可塑性エラストマーの柔軟
性の為、脆弱にならず、成形性及び機械的強度に優れて
おり、医療分野、アイソトープ利用分野、原子力関連分
野等の幅広い分野への適用が可能である。
は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれら
の混合物に低融点金属が含有されていることから、放射
線遮蔽性を有する一方で、熱可塑性エラストマーの柔軟
性の為、脆弱にならず、成形性及び機械的強度に優れて
おり、医療分野、アイソトープ利用分野、原子力関連分
野等の幅広い分野への適用が可能である。
【0022】
【図1】実施例1の放射線遮蔽シートを貼り付けて放射
線遮蔽効果を観察した写真である。
線遮蔽効果を観察した写真である。
【図2】実施例1の放射線遮蔽シートを貼り付けないで
放射線遮蔽効果を観察した写真である。
放射線遮蔽効果を観察した写真である。
【図3】実施例2の放射線遮蔽シートを貼り付けて放射
線遮蔽効果を観察した写真である。
線遮蔽効果を観察した写真である。
Claims (6)
- 【請求項1】 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラス
トマー及びこれらの混合物を基質とし、これに(b)融
点が300℃以下の低融点金属、及び(c)金属粉末を
混合してなる放射線遮蔽材料。 - 【請求項2】 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラス
トマー及びこれらの混合物が成形品の20〜80容量
%、(b)及び(c)を合わせた金属成分中の(c)金
属粉末の割合が10〜30容量%の範囲であることを特
徴とする請求項1記載の放射線遮蔽材料。 - 【請求項3】 (b)成分の低融点金属が、Pb/S
n、Pb/Sn/Bi、Pb/Sn/Ag、 Pb/A
g、 Sn/Ag、 Sn/Bi、Sn/Cu、Sn/Zn
系から選ばれた低融点合金からなることを特徴とする請
求項1又は2記載の放射線遮蔽材料。 - 【請求項4】 (a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラス
トマー及びこれらの混合物の硬度がデュロメータA硬さ
で35以上、デュロメータD硬さ60以下の範囲である
ことを特徴とする請求項1乃至3の少なくとも1項記載
の放射線遮蔽材料。 - 【請求項5】(d)成分の金属粉末がCu、Ni、A
l、Cr及びそれらの合金粉末からなり、その平均粒径
が1〜50μmの範囲であることを特徴とする請求項1
乃至4の少なくとも1項記載の放射線遮蔽材料。 - 【請求項6】(a)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラスト
マー及びこれらの混合物、(b)融点が300℃以下の
低融点金属、(c)金属粉末を溶融させて混練し、任意
の形状に成形する放射線遮蔽材料の製造方法において、
前記放射線遮蔽材料の加工温度を、この材料中に含まれ
る熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー及びこれらの
混合物の融点以上、かつ前記低融点金属の融点より15
℃高い温度以下として成形することを特徴とする放射線
遮蔽材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001211917A JP2003028986A (ja) | 2001-07-12 | 2001-07-12 | 放射線遮蔽材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001211917A JP2003028986A (ja) | 2001-07-12 | 2001-07-12 | 放射線遮蔽材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003028986A true JP2003028986A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19047160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001211917A Pending JP2003028986A (ja) | 2001-07-12 | 2001-07-12 | 放射線遮蔽材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003028986A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1600985A3 (en) * | 2004-04-14 | 2009-11-25 | TDY Industries, Inc. | Radiation shields and methods of making the same |
CN103971775A (zh) * | 2014-05-09 | 2014-08-06 | 北京化工大学 | 一种耐高温中子屏蔽材料及其制备方法 |
US9599728B2 (en) | 2011-11-29 | 2017-03-21 | Koninklijke Philips N.V. | Scintillator pack comprising an X-ray absorbing encapsulation and X-ray detector array comprising such scintillator pack |
CN114561052A (zh) * | 2022-03-14 | 2022-05-31 | 昆明理工大学 | 一种低熔点合金复合屏蔽辐射材料的制备方法 |
-
2001
- 2001-07-12 JP JP2001211917A patent/JP2003028986A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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