図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機としていわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤面で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、遊技盤50の遊技領域52を透視可能な板である。扉14は、透明板13を支持する。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が再生される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、図柄表示装置60、第1種始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66および一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置74と、始動口を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15および下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本明細書において「落入」は「通過」を含むものとする。
遊技盤50の略中央に設けられた図柄表示装置60は、その画面に第1種特別図柄と呼ばれる図柄(以下、「特別図柄」という)202と、特別図柄202に連動する装飾図柄200を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄202は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に応じた図柄であり、大当たりを発生させるか否かを示す役割をもつ。装飾図柄200は、抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。図柄表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示装置であってもよい。図柄表示装置60は、装飾図柄200としてスロットマシーンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。装飾図柄200を表示する形態を採用している場合は、特別図柄202は演出的な役割をもつ必要がないため、図柄表示装置60の右上隅の目立たない領域に表示される。なお、特別図柄は、図柄表示装置60中の他の箇所に表示されてもよく、また図柄表示装置60とは別に設けられる表示部に表示されてもよい。
始動口62は普通電動役物により形成され、その入口が拡開可能となっている。普通電動役物が拡開状態にあるときには、遊技球は始動口62に落入しやすくなる。始動口62は、遊技領域52における所定位置に設けられる。以下、始動口62に関し、普通電動役物が拡開して遊技球が始動口62に落入しやすい状態を開放状態と呼ぶ。大入賞口66は、特別図柄202が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の特定領域の通過を検出するセンサと、一般領域の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技球が始動口62に落入すると、図柄表示装置60において特別図柄202および装飾図柄200が変動表示される。特別図柄202および装飾図柄200の変動表示は一定時間経過後に停止される。停止時の特別図柄202が大当たりを示す図柄である場合、大入賞口66の開閉動作が開始され、特別遊技に移行する。このときスロットマシーンのゲームを模した装飾図柄200は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
本実施例では、停止時の特別図柄202が、確率変動付き大当たりを示す図柄である場合、上記した特別遊技の終了後、通常遊技に一旦戻り、所定の条件が成立した後に、確率変動遊技が開始される。この所定の条件は、確率変動付き大当たりの発生ごとに設定されることが好ましい。これにより、ぱちんこ遊技機10は、通常遊技から特別遊技に移行するパターンと、通常遊技から確率変動遊技に移行するパターンとの2種類の通常遊技からの移行パターンを遊技者に提供でき、通常遊技の単調化を回避できる。
図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄204と呼ばれる図柄が変動表示される。普通図柄204は図柄表示装置60の右下隅にて変動表示される。普通図柄204の図柄表示装置60による変動表示に代えて、遊技効果ランプ90を所定時間点滅させてもよい。所定時間の経過後に普通図柄204の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。変動短縮遊技の実行中においては、普通図柄204の変動表示時間が短縮されるとともに、始動口62が開放状態となる時間が長く設定される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板41は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板49は、液晶ユニット42を備え、図柄表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板41による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板41およびサブ基板49は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、図柄表示装置60、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄の変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板41と、図柄の演出等を制御するサブ基板49とに機能を分担させた形態で構成されてもよい。
遊技制御装置100は、ハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。本実施例の遊技制御装置100は、入球口への入球を判定する入球判定手段110、特別遊技を発生させるか否かを判定する当たり判定手段115、図柄変動の停止図柄および変動パターンを決定する図柄決定手段120、図柄や電飾等の表示を制御する表示制御手段130、大当たり中の特別遊技を制御する特別遊技制御手段140、特別遊技とは異なる遊技者に有利な特定遊技を制御する特定遊技制御手段150、始動口62などの普通電動役物の開閉を制御する普通電動役物開閉制御手段160、および大入賞口66の開閉を制御する大入賞口開閉制御手段170を備える。
入賞検出装置74は始動口62に設けられたセンサであり、始動口62への遊技球の落入を検出し、落入を示す始動入賞情報を生成する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したことを判定する。当たり判定手段115における乱数取得手段116は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。例えば、保留球数の上限は予め4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段110が始動入賞情報を受け取ったタイミングで、乱数取得手段116が始動入賞に対する乱数を取得する。乱数取得手段116は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を乱数として取得してもよい。抽選実行手段117は、取得した乱数に基づいて、大当たり抽選の当否を判定する。
図柄決定手段120は、抽選実行手段117による判定結果に応じた停止図柄と、図柄変動の表示パターンとを決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。特別図柄決定手段125は、特別図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定し、装飾図柄決定手段121は、装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。
特別図柄は、外れを示すCと、大当たりを示す0から9の数字が繰り返される表示態様をとってもよい。例えば特別図柄は、その変動中、C、0、1・・・8、9と順に表示され、再びCから9までを繰り返す表示態様をとる。特別図柄の停止図柄は、大当たりであるか否かを示し、例えば停止図柄が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数である場合は確率変動付き大当たりを、また「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数である場合には通常の大当たりを、それ以外の「C」は外れを示すものであってよい。ここで、確率変動付き大当たりとは、確率変動の対象となる大当たりを意味する。
装飾図柄の大当たり停止図柄は、左図柄、中央図柄、右図柄の3つの図柄が揃った表示態様となる。抽選結果が大当たりの場合、特別図柄決定手段125により特別図柄の大当たり停止図柄が決定されると、装飾図柄決定手段121が、装飾図柄の大当たり停止図柄を決定する。例えば、「111」「333」「555」「777」「999」の奇数図柄は、遊技者に確率変動付き大当たりであることを示し、「000」「222」「444」「666」「888」の偶数図柄は、通常の大当たりであることを示す。一方、抽選結果が外れの場合、装飾図柄決定手段121は、左図柄、中央図柄、右図柄のうち少なくとも一つが他の図柄と一致しないよう各列の図柄を決定する。
作動口68を遊技球が通過すると、入球判定手段110は、遊技球の通過があったことを示す通過情報を受け取り、乱数取得手段116が、通過情報に対する乱数を取得する。抽選実行手段117は、その乱数をもとに普通図柄抽選が当たりか否かを判定する。作動口68の遊技球通過に対する抽選は、始動入賞に対して行われる抽選よりも高い確率で当たり判定が行われる。普通図柄決定手段126は、取得した乱数をもとに、普通図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が当たりを示す場合、普通電動役物開閉制御手段160が、始動口62を所定時間拡開する。
表示制御手段130は、図柄決定手段120において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、図柄表示装置60に特別図柄、装飾図柄または普通図柄を表示させる。また、表示制御手段130は、遊技効果ランプ90のランプ表示も制御する。
特別遊技制御手段140は、当たり判定手段115による判定結果が大当たりを示す場合に、特別遊技、すなわち大当り遊技の実行処理を制御する。特別遊技移行判定手段141は、当たり判定手段115による判定結果により、特別遊技を開始するか否かを判定する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、特別遊技に移行すると、遊技者は相当数の出球を期待することができる。サイクル遊技実行手段142は、大入賞口開閉制御手段170を制御して、大入賞口66の開閉を実行する。大入賞口開閉制御手段170は、大当たり遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。特別遊技終了手段143は、継続ラウンド数、大入賞口66の特定領域への通過検出の有無に基づいて、サイクル遊技を継続させるか否か、すなわち次回のサイクル遊技を開始するか否かを判定する。次回のサイクル遊技を開始するための継続条件が満足されない場合、またはサイクル遊技の所定のラウンド数を消化した場合には、特別遊技終了手段143が特別遊技を終了させる。
普通電動役物開閉制御手段160は、普通図柄の停止図柄が当たりの態様となると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。これにより、始動口62は、遊技者にとって有利な状態に変化する。
当たり判定手段115による抽選結果が確率変動付き大当たりの場合、本実施例のぱちんこ遊技機10は、大当たり遊技の終了直後に確率変動遊技を開始させるのではなく、一旦通常遊技に戻った後に、確率変動遊技へ移行する。特定遊技制御手段150は、特別遊技とは異なる遊技者に有利な特定遊技、例えば確率変動遊技の実行を制御する。これにより、遊技のパターンが、通常遊技、大当たり遊技、確率変動遊技と画一的に順番に移行するのではなく、通常遊技から大当たり遊技または確率変動遊技のいずれかに移行することになるため、通常遊技実行中の遊技者の遊技への関心を高く維持させることができる。
特定遊技移行条件設定手段151は、確率変動遊技の開始条件を決定する。この開始条件の決定のタイミングは、特別遊技が終了して次の遊技に移行する前であればよい。例えば、このタイミングは、抽選結果が確率変動付き大当たりであることが判定されたタイミングであってよく、また、特別遊技実行中の任意のタイミングであってもよく、さらには、特別遊技終了直後であってもよい。
特定遊技移行条件設定手段151は、確率変動遊技の開始条件を、特別遊技終了後に所定回数の図柄変動を実行することと定めてもよい。この場合、開始条件として、特別遊技終了後の通常遊技において、例えば100回の図柄変動が終了したときに確率変動遊技へ移行することが定められる。この図柄変動の回数は一定の値とされてもよいが、遊技性を向上させるためには可変としてもよい。確率変動遊技の開始条件となる図柄変動回数を可変とすることで、遊技者は、特別遊技の終了後、いつ確率変動遊技に移行するか分からないために、特別遊技終了後に開始される通常遊技への興味を高く維持でき、遊技興趣を向上できる。例えば、特定遊技移行条件設定手段151は、1から200までの間の乱数を生成し、その乱数値を図柄変動回数として設定してもよい。また、特定遊技移行条件設定手段151は、図柄変動回数を複数種類保持したテーブルを有してもよい。このテーブルには、乱数値に対応付けられて、50回、80回、100回、150回などの図柄変動回数が保持されている。特定遊技移行条件設定手段151は、例えば1から4までの間の乱数を発生し、テーブルから乱数値に対応付けられた1つの図柄変動回数を選択することで、確率変動遊技の開始条件を可変に設定することが可能である。
なお、特定遊技移行条件設定手段151は、確率変動遊技の開始条件を、特別遊技終了後からの時間経過として定めてもよい。この場合、開始条件として、特別遊技を終了してから、所定時間経過後に確率変動遊技へ移行することが定められる。この所定時間は一定の時間であってもよく、また可変としてもよい。特定遊技移行条件設定手段151が、特定遊技実行までの待機時間を可変に設定可能とすることで、遊技者は、特別遊技の終了後、いつ確率変動遊技に移行するか分からないために、特別遊技終了後に開始される通常遊技への興味を高く維持でき、遊技興趣を向上できる。
移行条件判定手段152は、特別遊技の終了後の遊技状況をもとに、特定遊技移行条件設定手段151により決定された開始条件の成立状況を監視する。特別遊技の終了後の通常遊技が開始される時点では、既に確率変動遊技の開始条件が決定されている。通常遊技の開始後、特定遊技の開始条件は遊技の進行とともに徐々に満たされていくが、移行条件判定手段152は、遊技状況を監視することで、確率変動遊技が開始されるまでに必要な残りの条件を知ることができる。
具体的に、特別遊技終了後に100回の図柄変動が行われることが確率変動遊技の開始条件として設定された場合、移行条件判定手段152は、遊技状況を監視することで、あと何回の図柄変動が実行されると確率変動遊技に移行するかを認識できる。特別遊技終了後、例えば5分経過することが確率変動遊技の開始条件として設定されている場合も同様であり、移行条件判定手段152は、あと何分後に確率変動遊技に移行するかを認識できる。
特定遊技の開始条件が可変に設定される場合、遊技者はいつ確率変動遊技が開始されるかを知らないため、ぱちんこ遊技機10は、遊技者に、確率変動遊技への移行タイミングが近づいたことを報知することが好ましい。装飾図柄決定手段121は、確率変動遊技への移行タイミングが近づくと、その旨を知らせる特定遊技予告図柄を装飾図柄の停止図柄として決定して、確率変動遊技の開始を予告する。このように、図柄表示装置60は、報知手段として機能できる。特定遊技予告図柄は、所定の外れ図柄であって、例えば「331」などの予め定められた図柄である。図柄表示装置60に特定遊技予告図柄が表示されると、遊技者は、確率変動遊技への移行が近いことを認識できる。このとき、特定遊技予告図柄が連続した図柄変動において繰り返し表示されることで、遊技者は、その表示を確率変動遊技の予告として容易に理解できる。なお、装飾図柄を採用しない場合は、特別図柄決定手段125が、特定遊技予告図柄を特別図柄の停止図柄として決定する。すなわち、特定遊技予告図柄は、装飾図柄または特別図柄のいずれかであってよく、遊技者に視覚的に認識されるものであればよい。また、特定遊技への移行の予告は、スピーカ18から音声により行われてもよい。
装飾図柄決定手段121は、複数の外れ図柄テーブルを有している。まず、装飾図柄決定手段121は、確率変動遊技を伴わない通常遊技にて利用される第1図柄テーブルを有する。第1図柄テーブルは、大当たり抽選結果が外れの場合に、全ての外れ図柄を選択する確率が等しくなるように設定されたものであってよい。本実施例の装飾図柄決定手段121は、さらに、特定遊技予告図柄を高確率で選択させる第2図柄テーブルと、特定遊技予告図柄を第2図柄テーブルよりも低確率で選択させる第3図柄テーブルとを有する。本実施例において、第2図柄テーブルおよび第3図柄テーブルは、確率変動遊技を伴う通常遊技にて利用される。第1図柄テーブルと比較すると、第2図柄テーブルおよび第3図柄テーブルは、特定遊技予告図柄の選択確率を高く設定されている。
確率変動遊技の開始条件が決定されてから確率変動遊技が開始されるまでの間に、特定遊技予告図柄を停止図柄として選択する確率を異ならせるための条件となる図柄決定条件が設定されている。例えば、図柄決定条件は、確率変動遊技の開始条件が成立するまでの図柄変動の残り回数が所定回数に達することと定められてよい。実施例では、確率変動遊技の開始条件が決定されてから図柄決定条件が成立するまでの間よりも、図柄決定条件が成立してから確率変動遊技が開始されるまでの間の方が、特定遊技予告図柄が決定される確率が高く設定される。これにより、確率変動遊技の移行タイミングが近づいたときに表示される特定遊技予告図柄の信頼性を高めることができるとともに、移行タイミングまで若干の時間がかかる場合であっても、低い確率ではあるが特定遊技予告図柄を表示可能とすることで、遊技者の興味を通常遊技に引きつけることができる。
具体的に、テーブル選択手段123は、図柄変動の残り回数が所定回数を下回った場合に第2図柄テーブルを選択し、当該所定回数に達しない場合に第3図柄テーブルを選択する。図柄変動の残り回数は、移行条件判定手段152からテーブル選択手段123に通知される。図柄選択手段124は、テーブル選択手段123において選択された図柄テーブルから、乱数値をもとに停止図柄を選択する。図柄選択手段124は、一度、特定遊技予告図柄を選択した場合には、予告の目的を達成できたため、以後の図柄選択において特定遊技予告図柄を選択しなくてもよい。表示制御手段130は、図柄選択手段124により選択された特定遊技予告図柄を、装飾図柄の停止図柄として図柄表示装置60に表示する。これにより遊技者は、確率変動遊技が近いタイミングで開始されることを知ることができる。
移行条件判定手段152は、確率変動遊技の開始条件が成立したことを判定すると、特定遊技実行手段153にその旨を通知する。特定遊技実行手段153は、その通知を受けて、確率変動遊技を実行する。当たり判定手段115は、確率変動遊技への移行を通知され、抽選の当否テーブルを確率変動遊技用に変更する。これにより、確率変動遊技時の大当たり確率は、通常遊技時よりも大きくなり、遊技者の期待感は向上する。所定の終了条件が成立すると、特定遊技終了手段154は確率変動遊技を終了する。
図4は、実施例において確率変動遊技などの特定遊技を実行するフローを示す。まず始動口62に遊技球が入賞すると、乱数取得手段116が、その始動入賞情報に基づいた乱数を取得する(S1)。抽選実行手段117は、その乱数をもとに抽選を行い、大当たりか否かを判定する(S2)。図柄決定手段120は、抽選実行手段117における抽選結果または乱数取得手段116において取得された乱数に基づいて、特別図柄および装飾図柄を決定する(S3)。表示制御手段130は、図柄表示装置60に、特別図柄および装飾図柄を変動表示させる。抽選結果が大当たりを示す場合、特別遊技制御手段140が、特別遊技すなわち大当たり遊技の実行を制御する(S4)。抽選結果が確率変動付き大当たりを示す場合、特定遊技制御手段150が、特別遊技の終了後、特定遊技の開始条件の成立状況を判定する(S5)。特定遊技の開始条件が成立すると、特定遊技制御手段150が特定遊技の実行を制御する(S6)。
図5は、始動口入賞判定処理のフローを示す。遊技球が始動口62に入賞すると(S102のY)、払出ユニット43が、入賞に応じた賞球を払い出す(S104)。例えば、この賞球数は4に設定される。続いて、乱数取得手段116が、特別図柄変動を保留する保留数が上限の個数(4個)に達しているか否かを判定する(S106)。保留球の数が上限に達していない場合(S106のY)、乱数取得手段116は、その入賞に対する乱数を取得し(S108)、保留球数に1を加算する(S110)。このとき、遊技盤上に設けられた4つの保留ランプの1つが新たに点灯される。始動口62に入賞しない場合(S102のN)、賞球の払出等の処理は実行されず、また保留球数が上限の4個に達している場合(S106のN)、始動口62への入球は保留されない。
図6は、図柄決定処理のフローを示す。図柄決定処理フローでは、特別図柄または装飾図柄の停止図柄および変動パターンが決定される。特別図柄および装飾図柄は、それぞれ連動して表示されるものであり、以下において特に区別する必要はないが、説明の便宜上、演出的な要素をもつ装飾図柄の決定処理について説明する。なお、装飾図柄を採用しない場合、特別図柄が、以下に示す図柄決定処理フローにより決定されることになる。
保留球数が1以上存在し(S202のY)、図柄変動が許可される場合(S204のY)、抽選実行手段117が、抽選乱数が大当たりであるか否かを判定する(S206)。保留球が存在しない場合(S202のN)、また例えば既に図柄変動中であって次の図柄変動が許可されない場合は(S204のN)、この図柄決定処理フローは実行されない。
抽選乱数が大当たりである場合(S206のY)、その大当たりが確率変動付き大当たりであるか否かを判定する(S208)。確率変動付き大当たりであれば(S208のY)、特定遊技判定フラグをオンにした後(S210)、大当たりフラグをオンにする(S212)。なお、特定遊技判定フラグのオンは、大当たりが確率変動付き大当たりであることを示す。確率変動付き大当たりでない場合は(S208のN)、特定遊技判定フラグをオンにすることなく、大当たりフラグをオンにする(S212)。装飾図柄決定手段121は、大当たり図柄を決定し(S214)、大当たり変動パターンを決定する(S216)。確率変動付き大当たりであれば、停止図柄として3つの同じ奇数が揃った大当たり図柄が決定され、通常の大当たりであれば、3つの同じ偶数が揃った大当たり図柄が決定される。
大当たり演出の図柄が決定されると、図柄変動を開始し、図柄変動禁止フラグをオン(S238)、図柄表示制御フラグをオン(S240)、図柄回転フラグをオン(S242)として、図柄決定処理を終了する。図柄変動禁止フラグのオンは、次の保留球についての図柄変動の禁止を示し、図柄表示制御フラグのオンは図柄表示制御を開始して、図柄表示装置60上での表示制御を実行することを示し、図柄回転フラグのオンは図柄の回転制御を実行することを示す。
一方、抽選乱数が外れの場合(S206のN)、特定遊技予備フラグがオンであるか否かを判定する(S218)。特定遊技予備フラグのオンは、特別遊技の終了後、特定遊技の開始条件が成立しておらず、特定遊技の待機中であることを示す。特定遊技予備フラグがオフの場合(S218のN)、テーブル選択手段123は、図柄テーブル記憶手段122に格納された第1図柄テーブルを読み込み(S220)、図柄選択手段124が第1図柄テーブルから通常の外れ図柄を決定する(S222)。また図柄選択手段124は図柄の変動時間に応じて外れ変動パターンを決定する(S236)。以上により、図柄変動が開始され、図柄変動禁止フラグ、図柄表示制御フラグ、および図柄回転フラグがオンにされる(S238、S240、S242)。
特定遊技予備フラグがオンの場合(S218のY)、テーブル選択手段123は、特定遊技演出乱数(z)を取得する(S224)。ここで、特定遊技演出乱数(z)は、特定遊技予告図柄を停止図柄として選択するための抽選に利用される乱数である。特別遊技の終了後、特定遊技が開始する開始条件とされる図柄変動の残り回数nが15を下回ると(S226のY)、テーブル選択手段123は、図柄テーブル記憶手段122に格納された第2図柄テーブルを読み込む(S228)。図柄変動の残り回数nが15以上である場合(S226のN)、テーブル選択手段123は、図柄テーブル記憶手段122に格納された第3図柄テーブルを読み込む(S230)。ここで、図柄変動の残り回数が14に達することが、特定遊技予告図柄を停止図柄として選択する確率を異ならせるための図柄決定条件として設定されている。既述したように、第2図柄テーブルは、第3図柄テーブルよりも、特定遊技予告図柄の選択確率が高く設定されている。
特定遊技演出乱数(z)が第2図柄テーブルないしは第3図柄テーブルにおいて当たりである場合(S232のY)、図柄選択手段124は、特定遊技予告図柄を停止図柄として決定する(S234)。一方、特定遊技演出乱数(z)が外れである場合(S232のN)、図柄選択手段124が通常の外れ図柄を選択する(S222)。また図柄選択手段124は図柄の変動時間に応じて外れ変動パターンを決定する(S236)。以上により図柄変動が開始され、図柄変動禁止フラグ、図柄表示制御フラグ、および図柄回転フラグがオンにされる(S238、S240、S242)。
図7は、特別遊技制御処理のフローを示す。図柄決定処理において決定された図柄の変動が終了すると(S302のY)、大当たりフラグがオンであるか否かが判定される(S302)。大当たりフラグがオンであれば(S304のY)、特別遊技実行フラグをオンにし(S306)、大当たりフラグをオフにする(S308)。続いて、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する(S310)。なお、図柄変動が終了していない場合(S302のN)、大当たりフラグがオンでない場合(S304のN)も、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する(S310)。
特別遊技実行フラグがオンである場合(S310)、特別遊技制御手段140が特別遊技の実行を制御する(S312)。特別遊技中、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技実行フラグがオンでない場合(S310のN)、特別遊技終了フラグがオンであるか否かを判定する(S314)。特別遊技終了フラグがオンである場合(S314のY)、特定遊技判定フラグがオンであるか否かを判定する(S316)。既述のように、特定遊技判定フラグがオンであることは、大当たりが確率変動付き大当たりであることを示す。
特定遊技判定フラグがオンである場合(S316のY)、特定遊技判定フラグをオフにして(S318)、特定遊技移行条件設定手段151が、特定遊技潜伏乱数(x)を取得する。特定遊技潜伏乱数(x)は、特別遊技終了後、特定遊技を開始するまでの間に実行する図柄変動回数を取得するための乱数である。特定遊技潜伏乱数は、直接、図柄変動回数を指定するために利用されてもよく、また、複数の図柄変動回数の選択肢から1つを選択させるために利用されてもよい。前者の場合、特定遊技移行条件設定手段151が、例えば1から200までの乱数を発生させて、取得した乱数値を図柄変動回数として利用する。後者の場合、特定遊技移行条件設定手段151は、乱数値と図柄変動回数の選択肢とをテーブルにおいて対応付けておき、乱数値に応じて図柄変動回数を選択させる。このとき選択肢として、50回、80回、100回、150回などの複数の図柄変動回数が予め設定されている。
乱数値を図柄変動回数として直接利用する場合、nに特定遊技潜伏乱数(x)を代入して(S322)、特定遊技予備フラグをオンにする(S324)。なお、乱数値から図柄変動回数をテーブルから読み出す場合は、読み出した図柄変動回数をnに代入する。特定遊技予備フラグのオンは、特定遊技の待機中であることを示す。続いて、図柄変動禁止フラグをオフにし(S326)、特別遊技制御処理フローを終了する。
図8は、特定遊技判定処理のフローを示す。まず図柄回転フラグがオンであるか否かを判定する。図柄回転フラグがオンである場合(S402のY)、図柄回転フラグをオフにして(S404)、特定遊技予備フラグがオンであるか否かを判定する(S406)。特定遊技予備フラグがオンであれば(S406のY)、特定遊技の開始条件となる図柄変動の回数nを1減算する(S408)。nが1を下回ったとき(S410のY)、すなわちnが0になったとき、特定遊技予備フラグをオフにして(S412)、特定遊技フラグをオンにする(S414)。nが0になることは、特定遊技の開始条件が成立したことを示す。特定遊技フラグがオンになると、図4に示す特定遊技制御処理(S6)が開始されて、特定遊技、この実施例では確率変動遊技が実行制御される。図柄回転フラグがオンでない場合(S402のN)、特定遊技予備フラグがオンでない場合(S406のN)、nが1以上である場合は(S410のN)、特定遊技フラグがオンにされることなく、nが0となるまで、特定遊技判定処理フローは続行される。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、実施例においては、外れ図柄を決定するための図柄テーブルを3種類用意しているが、第1図柄テーブルと第3図柄テーブルとは共通としてもよい。図柄テーブルの種類を少なくすることで、ROMに記憶するデータ量を少なくできる。この場合であっても、図柄決定条件が成立する前後、具体的には特定遊技の開始条件となる図柄変動回数が所定数に到達する前後で、特定遊技予告図柄の選択確率が異なることが好ましい。これにより、実際の移行タイミングが近いほど、特定遊技予告図柄の信頼性を向上でき、特定遊技予告図柄を表示させることで、遊技者の期待感を高めることができる。また、特定遊技が開始されない場合であっても、特定遊技予告図柄が選択される可能性もあるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、実施例においては、特定遊技の視覚的な予告のために特定遊技予告図柄を使用したが、例えば、図柄の変動パターンを使用することも可能である。この場合、装飾図柄決定手段121が、遊技者に特定遊技への移行タイミングが近いことを知らせる図柄の変動パターンを決定する。特定遊技予告用の変動パターンは、例えばスーパーリーチの変動パターンなど、通常の変動パターンとは異なる態様をとることが好ましく、遊技者は、その変動パターンを予め知っておくことが好ましい。なお、極端に変動時間の短い変動パターンを使用してもよく、いずれの場合であっても、遊技者が特定遊技への予告であることを容易に認識できる変動パターンであることが好ましい。図柄決定条件などの他の構成については、特定遊技予告図柄に関して説明したとおりである。なお、特別図柄決定手段125が、特定遊技予告用の変動パターンを決定してもよい。
なお、実施例では、第1種ぱちんこ遊技機について説明したが、同様の確率変動遊技をもつ第3種ぱちんこ遊技機などの弾球遊技機についても、本発明を適用することが可能である。
10・・・ぱちんこ遊技機、17・・・発射ハンドル、18・・・スピーカ、39・・・セット基盤、40・・・電源スイッチ、41・・・メイン基板、42・・・液晶ユニット、43・・・払出ユニット、44・・・賞球タンク、45・・・払出制御基板、46・・・発射装置、47・・・発射制御基板、48・・・電源ユニット、49・・・サブ基板、50・・・遊技盤、52・・・遊技領域、54・・・外レール、56・・・内レール、58・・・アウト口、60・・・図柄表示装置、62・・・始動口、66・・・大入賞口、68・・・作動口、72・・・一般入賞口、74・・・入賞検出装置、76・・・普通電動役物ソレノイド、78・・・入賞検出装置、80・・・大入賞口ソレノイド、90・・・遊技効果ランプ、100・・・遊技制御装置、110・・・入球判定手段、115・・・当たり判定手段、116・・・乱数取得手段、117・・・抽選実行手段、120・・・表示制御手段、121・・・装飾図柄決定手段、122・・・図柄テーブル記憶手段、123・・・テーブル選択手段、124・・・図柄選択手段、125・・・特別図柄決定手段、126・・・普通図柄決定手段、130・・・表示制御手段、140・・・特別遊技制御手段、141・・・特別遊技移行判定手段、142・・・サイクル遊技実行手段、143・・・特別遊技終了手段、150・・・特定遊技制御手段、151・・・特定遊技移行条件設定手段、152・・・移行条件判定手段、153・・・特定遊技実行手段、154・・・特定遊技終了手段、160・・・普通電動役物開閉制御手段、170・・・大入賞口開閉制御手段。