JP2008245909A - 弾球遊技機 - Google Patents

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竜太 今福
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Abstract

【課題】ミッション演出の再定義により、新たな演出興趣を提供する。
【解決手段】当否抽選手段は、始動口への入球を契機として、特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する。特別遊技制御手段は、当否抽選の結果が当たりであったときに、特別図柄の停止表示後に大入賞口を開放させることにより遊技者に有利な特別遊技を実行する。逸失条件表示制御手段は、Nミッション期間中に所定の逸失画像が表示されると時短が終了するとして逸失条件を演出的に表示する。時短が終了するときには、このNミッション期間中において逸失画像が表示され、逸失条件が成立する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における演出制御技術に関する。
弾球遊技機として様々な機種のぱちんこ遊技機が親しまれている。従来のぱちんこ遊技機の中には、遊技盤上に形成された始動口へ遊技球が落入すると、その結果としてランダムに抽選値が取得されるものがある。取得された抽選値は保留球として、たとえば最大4個まで一時記憶される。保留球は順次1つずつ読み出される。読み出された抽選値は当否判定され、特別図柄とよばれる図柄が変動表示され、特別図柄の停止表示態様により当否判定の結果が遊技者に報知される。
当たり態様にて特別図柄が停止表示されると、いわゆる「大当たり」として特別遊技に遊技状態が移行する。特別遊技は、複数回の単位遊技で構成される。遊技盤上に形成される大入賞口は単位遊技の開始時に開放される。単位遊技はその開始から、所定期間、たとえば30秒間経過するか、あるいは単位遊技中において遊技球が大入賞口へ9球以上入賞したときに終了する。このとき大入賞口もいったん閉鎖される。単位遊技中において、大入賞口内に設けられたVゾーンとよばれる特定領域を遊技球が通過していれば、単位遊技は次の単位遊技へと継続される。このとき再び大入賞口は開放される。単位遊技は所定回数、たとえば、15回を限度として継続され得る。遊技球が大入賞口に落入すると、通常よりも多くの遊技球が賞球として払い出される。
一般的な遊技者は多くの賞球を獲得するために大入賞口を開放させる、すなわち、特別遊技に遊技状態を移行させることを目的として遊技を行う(たとえば、特許文献1参照)。
上述したように当否判定の実行タイミングと報知タイミングの間には特別図柄の変動表示期間という「ずれ」がある。特別図柄の変動表示が開始されると、遊技者は特別図柄が当たり態様にて停止することを期待する。そこで、特別図柄の変動表示期間中に装飾図柄や演出図柄などとよばれる演出目的の図柄も変動表示させることにより、遊技者の大当たりに対する期待感を更に高めるような演出を実行することも多い。
一例として、スロットマシンのゲームを模した3列の変動列において、演出図柄を変動表示させる弾球遊技機がある。演出図柄の変動表示は特別図柄の停止タイミング、いいかえれば、当否の報知タイミングにあわせて停止される。大当たりの場合には、同じ演出図柄が3つ並んで停止表示される。特別図柄の停止態様だけでなく演出図柄の停止態様によっても遊技者は当否を認識できる。一般的には、演出図柄のサイズは特別図柄のサイズよりも格段に大きく設定されることが多いため、遊技者は特別図柄の停止態様よりも同じ演出図柄が3つ並ぶかを注視することになる。
特開2003−230714号公報
演出図柄を変動表示中に「2のリーチを出せ」といった指令(ミッション)を表示させるぱちんこ遊技機も多い。この場合、「2のリーチ」が成立すると3つの「2」が並ぶ前に大当たりが確定する。ミッションの達成により利益が付与されるという「ミッション演出」は遊技者の期待感を喚起するために有効な演出手法であり、多くのぱちんこ遊技機に採用されている。本発明者は、このようなミッション演出の意義を再定義することにより、新たな演出興趣を提供可能であると想到した。
本発明は、本発明者の上記認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、ミッション演出により新たな遊技性を提供することにある。
本発明のある態様は、弾球遊技機に関する。
この弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動入賞口と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な状態に開放可能な大入賞口と、始動入賞口へ遊技球が入球したことを契機として、当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を示す特別図柄を変動表示させる特図制御手段と、当否抽選の結果が当たりであったときに、特別図柄の停止表示後に大入賞口を開放させることにより遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、特別図柄が所定回数変動される期間内に所定の演出画像の表示がなされることが遊技者の受益機会を逸失させられる条件として定められた逸失条件を演出的に表示する逸失条件表示制御手段と、を備える。
逸失条件表示制御手段は、上記期間内において受益機会の逸失が予定されるときには、上記期間内において所定の演出画像を表示させることにより、逸失条件の成立により受益機会が逸失させられる旨を示唆する。
ここでいう「受益機会」とは、賞球数や賞球獲得の可能性であってもよい。「逸失」とは、既に獲得している受益機会を喪失することであってもよいし、受益機会の獲得に失敗することであってもよい。従来、ミッション演出は、遊技者の期待感を喚起するために実行されるのが一般的である。このような態様によれば、逸失条件の成立が遊技者の不利益を示唆するという従来とは逆の演出効果を実現しやすくなる。このため、逸失条件の成否に関するミッション演出を実行することにより、遊技者の期待感ではなく緊張感を喚起し、更に、逸失条件の不成立が確定したときに遊技者の安堵感を喚起するという演出効果を発揮させやすくなる。
所定の開始条件が成立したときに通常の遊技状態よりも特別遊技へ移行しやすい遊技状態である特定遊技を開始し、所定の終了条件が成立したときに特定遊技を終了させる特定遊技制御手段を更に備えてもよい。逸失条件表示制御手段は、特別図柄が所定回数変動される期間内に所定の演出画像の表示がなされることが特定遊技による受益機会を逸失させられる条件として定められた逸失条件を演出的に表示させ、上記期間内において特定遊技の受益機会逸失が予定されるときには、上記期間内において所定の演出画像を表示させることにより、逸失条件の成立により特定遊技の受益機会が逸失させられる旨を示唆してもよい。
ここでいう特定遊技は、いわゆる時短や確変とよばれる遊技状態であってもよい。このような態様によれば、遊技者にとって特に関心の高い受益機会である特定遊技の逸失可能性に関して遊技者の緊張感を高め、ひいては遊技に対する没入感をいっそう高めやすくなる。
逸失条件表示制御手段は、所定の演出画像の表示がなされることが特定遊技が終了させられる条件として逸失条件を演出的に表示させ、上記期間内において特定遊技の終了が予定されるときには、上記期間内において所定の演出画像を表示させることにより、逸失条件の成立により特定遊技が終了させられる旨を示唆してもよい。
このような態様によれば、特定遊技の終了可能性に関して遊技者の緊張感を高めやすくなる。逸失条件が成立することなく既に実行中の特定遊技が継続されることを願うという遊技者心理を喚起しやすくなる。
逸失条件表示制御手段は、上記期間内において特定遊技が終了した後に更に新たな特定遊技が開始される予定であるときには、上記期間内においては逸失条件の成立態様として所定の演出画像を表示させないとしてもよい。
実行中の特定遊技が終了しても、その後に特定遊技の開始が予定されている場合には遊技者にとってそれほど不利益とはならない。このような場合には、逸失条件を成立させないように制御すれば、逸失条件の成立による遊技者の一時的な失望感の発生を回避しやすくなる。
逸失条件表示制御手段は、上記期間内において特定遊技が終了した後に更に新たな特定遊技が開始される予定であるときには、上記期間内において逸失条件の成立態様として所定の演出画像を表示させた上で遊技者に有利な遊技状態の開始を報知してもよい。
逸失条件の成立により遊技者に一時的に失望感を感じさせた上で、新たに有利な遊技状態の開始を報知することにより、報知時における遊技者の高揚感をいっそう喚起しやすくなる。ここでいう有利な遊技状態の開始の報知とは特定遊技開始の報知であってもよいし、大当たりの報知であってもよい。
特定遊技制御手段は、特別遊技終了後、所定確率にて特定遊技を実行し、逸失条件表示制御手段は、特別遊技終了後、所定の演出画像の表示がなされることが特定遊技への移行に失敗させられる条件として逸失条件を演出的に表示させ、特定遊技へ移行しないときには、上記期間内において所定の演出画像を表示させることにより、逸失条件の成立により特定遊技への移行に失敗させられた旨を示唆してもよい。
このような態様によれば、特定遊技への移行失敗の可能性に関して遊技者の緊張感を高め、逸失条件が成立することなく特定遊技に首尾良く移行することを願うという遊技者心理を喚起しやすくなる。ここでいう「移行に失敗させられた旨」とは、特別遊技終了後に特定遊技に移行できなかったと遊技者に認識されるような演出態様に限らず、特別遊技終了後に特定遊技に移行したもののほとんど継続せずに終わってしまったと遊技者に認識されるような演出態様であってもよい。
特定遊技実行中において、特定遊技実行中である旨を示唆する特定遊技演出を実行する特定遊技演出手段、を更に備えてもよい。特定遊技演出手段は、特別遊技終了後に特定遊技への移行に失敗したときにも上記期間内において特定遊技演出を実行してもよい。
特別遊技終了後において、実際には特定遊技に移行しなくても特定遊技演出を実行することにより、遊技者は特定遊技に移行していないと認識しにくくなる。その結果として、上記期間内における、いわばダミーの特定遊技演出中において、逸失条件が成立することなく特定遊技に首尾良く移行することを願うという遊技者心理をいっそう明確にしやすくなる。
特別図柄が所定回数変動される期間内に所定の演出画像の表示がなされることが当否抽選の当たりが保証される条件として定められた保証条件を演出的に表示する保証条件表示制御手段、を更に備えてもよい。保証条件表示制御手段は、上記期間内において実行される当否抽選が当たりとなるときには、その当否抽選を契機として変動表示される特別図柄が停止表示される前に所定の演出画像を表示させることにより、保証条件の成立により当否抽選の当たりが確定された旨を示唆してもよい。
このような態様によれば、保証条件による遊技者の期待感喚起と逸失条件による遊技者の緊張感喚起という2つの異なる演出の相乗効果により、遊技に対する没入感をいっそう高めやすくなる。また、逸失条件を成立させて遊技者の失望感をいったん喚起した後に、保証条件を後発的に成立させることにより、遊技者の受益感覚をいっそう高めやすくなる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、弾球遊技機において、ミッション演出による新たな遊技性を提供できる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機に所定の指示を入力するために操作される。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。更に遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62が拡開すると、遊技球は始動口62に入球しやすくなる。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が「大当たり」を示す態様にて停止したときに開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する演出図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。始動口62への遊技球の落入を契機として抽選(以下、「当否抽選」とよぶ)が実行される。当否抽選後、特別図柄192の変動表示が開始される。特別図柄192は当否抽選の結果に対応した図柄であり、変動表示が停止されたときの態様にて当否抽選の結果を示す。特別図柄表示装置61は、たとえば、7セグメントLEDで構成される表示手段である。特別図柄表示装置61は、特別図柄192の変動表示として、0〜9の範囲で数字を循環させる。特別図柄192が当たりを示す態様にて停止したときに「大当たり」の発生となり、大入賞口66が開放される。
当否抽選の結果は大当たりか外れのいずれかであるが、大当たりは、更に、「通常当たり」と「確変当たり」の2種類に分けることができる。確変当たりが発生すると、以後の当否抽選は通常よりも高い当たり確率にて実行される。当否抽選の当たり確率が通常よりも高く設定される遊技者に有利な遊技状態のことを「確率変動遊技(確変)」とぶ。確率変動遊技は、再度大当たりが発生するまで継続する。いいかえれば、通常当たりが発生するまで継続することになる。
特別図柄192は、通常当たり時は0、確変当たり時は1、外れ時は2〜9のいずれか、が停止図柄として停止表示される。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で演出図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。演出図柄190は、当否抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60の画面には、演出図柄190の変動表示態様を含む演出画像が動画再生表示される。演出図柄190の変動表示は特別図柄192の変動表示と連動する。すなわち、特別図柄192の変動開始時に演出図柄190の変動表示も開始され、特別図柄192の変動停止時に演出図柄190の変動表示も停止する。また、特別図柄192の停止図柄に応じて、いいかえれば、当否抽選の結果に応じて演出図柄190の停止図柄も決まる。演出表示装置60の画面には、左変動列、中央変動列および右変動列という3つの図柄領域が設けられ、各変動列においては演出図柄190が上から下へ縦方向に変動表示される。ちょうどスロットマシンのリールを模した演出態様となる。
なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄192自体に演出的な役割をもたせて演出図柄190を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄192を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
特別図柄192および演出図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および演出図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した演出図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、たとえば15回を限度として繰り返される。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62を拡開させるための抽選(以下、「普通図柄抽選」とよぶ)の契機となる。
遊技球が作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選が実行され、所定時間、普通図柄が普通図柄表示装置59にて変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。普通図柄表示装置59は、2つのランプを備える。それぞれのランプが交互に点滅する動作が「普通図柄の変動表示」に相当する動作である。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開し、遊技球が始動口62に入球しやすくなる。このとき、普通図柄表示装置59の2つのランプの所定の一方が点灯表示されることになる。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。また、演出表示装置60は、遊技状態に応じて動作する複数の可動役物140を備える。演出表示装置60の左下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。いいかえれば、4個を上限として抽選値を貯蔵できるようになっている。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。このように、4個を上限として普通図柄の抽選値も貯蔵できる。遊技効果ランプ90は遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
なお、確変当たりと通常当たりの別に関わらず、特別遊技が終了した後には「変動時間短縮遊技(時短)」が開始される。このため、確変当たりの場合、特別遊技終了後には確率変動遊技と変動時間短縮遊技が同時実行されることになる。変動時間短縮遊技においては、特別図柄192および演出図柄190の変動時間が通常より短縮される。また、普通図柄抽選の当たり確率が高くなる。本実施例における普通図柄抽選の当たり確率は、通常は50%であるが時短時は80%となる。時短は、所定回数の特別図柄変動後に終了する。
本実施例における時短は、特別図柄変動30回分または60回分継続する。30回となるか60回となるかは特別遊技終了時にランダムに決定されるが、決定時に遊技者に通知されない点は重要である。一般的には、変動時間短縮遊技よりも確率変動遊技の方が遊技者にとって有利であることが多い。以下においては、特別遊技後に開始される図柄変動のことを「当たり後図柄変動」とよぶことにする。
本実施例における特定遊技をまとめると、以下の通りである。
1.確変:確変当たりの発生による特別遊技後、確変に移行し、次に通常当たりが発生するまで継続する。
2.時短:大当たりの発生による特別遊技後、時短に移行し、当たり後図柄変動が30回または60回実行されるまで継続する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
メイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。サブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134および役物制御手段136を備える。
なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を「当否抽選値」として取得する。当否抽選値は0〜65535の範囲から1つ取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる擬似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
当否抽選手段112は、確率変動遊技の実行中以外においては低確率による当否判定のための当否テーブル(以下、「非確変当否テーブル」とよぶ)を参照し、確率変動遊技の実行中においては高確率による当否判定のための当否テーブル(以下、「確変当否テーブル」とよぶ)を参照する。非確変当否テーブルにおいては0〜255の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。確変当否テーブルにおいては、0〜2500の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。当否抽選手段112は、いずれかの当否テーブルを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定することにより当否抽選を実行する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄変動により示される。また、当否抽選手段112による判定結果は演出図柄変動によっても示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄192の停止図柄と変動パターンを当否抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を普通図柄抽選の結果に応じて決定する。停止図柄とは、図柄変動の終了時に表示すべき当否を示す図柄である。図柄決定手段114は、変動パターンを決定するためのパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄192の変動開始時においてその変動パターンを決定するための「パターン決定抽選値」を取得する。パターン決定抽選値は、「0〜255」の範囲で生成される乱数である。パターン決定テーブルは、パターン決定抽選値と特別図柄の変動パターンの対応関係を定めた判定テーブルである。図柄決定手段114は、パターン決定テーブルとパターン決定抽選値から変動パターンを決定する。こうして、特別図柄192の変動時間が決定される。
図柄決定手段114は、長短様々な変動時間をもつ複数種の変動パターンを保持する。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に特別図柄変動が停止される。
また、図柄決定手段114は0〜255の範囲で生成される「図柄抽選値」に応じて特別図柄の停止図柄態様を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選実行時において図柄抽選値を生成する。当否抽選値が当たりであるときには、図柄抽選値によって、通常当たりか確変当たりのいずれとなるかが決定される。なお、当否抽選値が外れであれば、複数種類の外れ図柄のうちのいずれかが停止図柄として決定される。
図柄決定手段114は、当否抽選の結果、変動パターンのID、停止図柄をメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合には、普通図柄を決定するための抽選値を取得し、その抽選値に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。保留制御手段116は、普通図柄抽選の結果についても4つを上限として保持する。
メイン表示制御手段118は、特別図柄192を特別図柄表示装置61に変動表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118による特別図柄192と演出表示制御手段134による演出図柄190の変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選が当たりであった場合に、特別遊技の実行を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当たり確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、確変当たりが発生した場合、特別遊技後の通常遊技を高確率状態に設定することにより確率変動遊技を実行する。このときには、特定遊技実行手段122は、当否抽選手段112が当否抽選のために参照すべき当否テーブルとして、確変当否テーブルを設定する。高確率状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり確率は高い値のまま維持される。高確率状態において通常当たりが発生すると、特別遊技終了後の通常遊技は低確率状態となる。すなわち、特定遊技実行手段122は、当否抽選手段112が当否抽選のために参照すべき当否テーブルとして、非確変当否テーブルを設定する。
また、特定遊技実行手段122は、特別遊技後に通常遊技を時短状態に設定することにより変動時間短縮遊技を実行する。時短は、当たり後図柄変動の変動回数が30回または60回のいずれか所定回数に至るまで継続される。以下、この時短が終了する契機となる当たり後図柄変動の変動回数のことを「時短継続回数」とよぶ。特定遊技実行手段122は、特別遊技終了後に30回または60回のいずれかを時短継続回数としてランダムに選択する。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
サブ基板104のパターン記憶手段130は、演出図柄190の変動表示も含めた演出画像の動画再生過程を示す演出パターンを保持する。演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときの演出図柄190の変動パターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときの変動パターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときの変動パターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときの変動パターンとしては、長短様々な変動時間をもつ変動パターンが含まれる。各演出パターンには、その図柄変動の終了条件として変動時間が定められており、その変動時間の経過時に演出図柄190の変動表示が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄とその変動時間が等しい演出パターンを選択する。
以下においては、特別図柄192の変動時間とその変動過程のことを「特別図柄192の変動パターン」または単に「変動パターン」、演出図柄190の変動時間とその変動過程のことを「演出図柄190の変動パターン」、演出図柄190の変動表示も含めた演出画像の動画再生過程を示すデータのことを「演出パターン」とよぶ。
演出決定手段132は、演出図柄190の停止図柄の組合せとその配置および演出パターンを、当否抽選の結果、特別図柄192の停止図柄、特別図柄192の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、逸失条件表示制御手段200や保証条件表示制御手段202からの指示に応じて停止図柄組合せやその配置を決定することもあるが、詳しくは後述する。
演出図柄190の停止態様は、3つの演出図柄190の組み合わせとして形成される。大当たり、すなわち、特別遊技への移行を示す場合は「7・7・7」や「1・1・1」のように3つの同じ演出図柄190が並んで停止表示される。確変当たりとなったときには、同一奇数を示す演出図柄190が並ぶ。すなわち、確変当たりの場合には、「1・3・5・7」のうちのいずれかが3つ並んで停止する。一方、通常当たりの場合には、「2・4・6」のうちのいずれかが3つ並んで停止する。
当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「3・1・2」や「9・4・6」のように3つの演出図柄190が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「1・9・1」や「7・2・7」のように1つだけ演出図柄190が揃っていない組合せを選択する。演出パターンによる動画再生過程においては、演出図柄190の変動表示以外の動画も再生される。たとえば、当該変動が当たり変動である可能性を示唆する特別な動画を再生することにより、遊技者の大当たりに対する期待感を喚起してもよい。いわゆるスーパーリーチなどとよばれる演出態様においては、演出図柄190の変動表示以外にもさまざまなアニメーションや実写の動画再生がなされることが多い。
本実施例のぱちんこ遊技機10では、特別図柄192に比べて演出図柄190の方が格段に目立つように表示される。そのため、遊技者は同じ数字の演出図柄190が並ぶか否かにより当否を認識し、並んだ数字が奇数か否かにより確変移行の成否を認識することになる。演出決定手段132は、演出図柄190の停止図柄と演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、選択された演出パターンにしたがって演出表示装置60に演出図柄190を含む演出画像を動画表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
演出表示制御手段134は、逸失条件表示制御手段200、保証条件表示制御手段202および特定遊技演出手段204を含む。
本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、演出図柄の変動表示中に2種類のミッション演出を実行する。一方は、ミッション達成が遊技者の利益を示唆する一般的な「ポジティブ・ミッション演出(以下、「P(Positive)ミッション」と略記する)」であり、他方はミッション達成が遊技者の不利益を示唆する本実施例において特徴的な「ネガティブ・ミッション(以下、「N(Negative)ミッション」と略記する)」である。逸失条件表示制御手段200はNミッションを制御し、保証条件表示制御手段202はPミッションを制御する。
Pミッション演出の実行時においては、たとえば、「10回転以内に2でリーチすると当たり確定」といった所定の「保証条件」が演出中に表示される。ここでいう保証条件には「10回転以内」という期間と「2でリーチ」という表示態様という2つの要素が含まれている。保証条件として提示される期間のことを「Pミッション期間」、表示態様のことを「保証画像」とよぶ。すなわち、「10回転以内」というPミッション期間中において「2のリーチ」という保証画像が表示されると、保証条件成立となる。上記設例の場合、保証条件提示時における当該図柄変動も含めた10回分の図柄変動期間中に「2のリーチ」が表示されると大当たり確定となる。具体的には、Pミッション期間中に大当たりが発生するとき、保証条件表示制御手段202は演出決定手段132に指示して、保証画像を表示する演出パターンを選択させる。このような制御により、保証条件が成立したおかげで大当たりとなったような演出態様が実現される。Pミッションの表示態様については図6に関連しても説明する。
Nミッション演出の実行時においては、たとえば、「5回転以内に4を出すと時短終了」といった所定の「逸失条件」が演出中に表示される。ここでいう逸失条件には「5回転以内」という「Nミッション期間」と「4の停止表示」という「逸失画像」という2つの要素が含まれている。すなわち、「5回転以内」というNミッション期間中において「4の停止表示」という逸失画像が表示されると、逸失条件成立となる。上記設例の場合、逸失条件提示時における当該図柄変動も含めた5回分の図柄変動期間中に「4」が停止表示されると時短終了となる。具体的には、Nミッション期間中に当たり後図柄変動が時短継続回数に達して時短が終了する予定であるとき、逸失条件表示制御手段200は演出決定手段132に指示して、逸失画像を表示する演出パターンを選択させる。このような制御により、逸失条件が成立したために時短が終了してしまったかのような演出態様が実現される。Nミッションの表示態様については図4や図6に関連しても説明する。
なお、保証条件や逸失条件は、このほかにも「5分以内にキャラクタXを出せ」のように期間と表示態様を特定するものであれば任意の内容であればよい。
特定遊技演出手段204は、時短や確変を報知するための演出表示を実行する。特定遊技演出手段204は、時短中には所定の時短キャラクタを演出表示装置60に表示させる。このため、遊技者は画面に時短キャラクタが現れると時短中であると認識する。一方、確変中には所定の確変キャラクタを演出表示装置60に表示させる。遊技者は確変キャラクタが現れると、確変中であると認識する。時短中かつ確変中であるときには、特定遊技演出手段204は、演出表示装置60に時短キャラクタと確変キャラクタの両方を表示させる。このように、特定遊技演出手段204は、特定遊技中であることを報知するための演出(以下、「特定遊技演出」とよぶ)を実行する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図4は、逸失条件の表示態様を示す画面図である。
逸失条件表示画面208は通常当たりによる特別遊技後の当たり後図柄変動に際して表示され、逸失条件表示領域206に逸失条件を提示する。時短キャラクタ207は、特定遊技演出態様として、現在の遊技状態が時短中であることを示している。
時短継続回数は30回または60回であるが、決定時には遊技者に知らされない。このため、当たり後図柄変動の回数が30回に近づくと、遊技者は時短が30回で終了するか60回まで継続するか注視することになる。逸失条件表示制御手段200は、当たり後図柄変動の回数が時短が終了する可能性のある30回に近づいたとき、たとえば、21回目の当たり後図柄変動時に、逸失条件を演出的に表示させる。逸失条件表示画面208においては、Nミッション期間「10回転以内」、逸失画像「左変動列における2の停止」として逸失条件が示されている。遊技者は、逸失画像が表示されることなくNミッション期間が終了することを願うことになる。すなわち、Nミッション期間の開始により時短終了という不利益について遊技者の緊張感・不安感を喚起し、逸失条件が成立せずにNミッション期間が終了したときに遊技者の安堵感を喚起するという演出効果を発揮させることができる。
図5は、時短継続可否とNミッション演出の関係を示すタイムチャートである。
同図においては、時刻tにおいて特別図柄と演出図柄が大当たり態様にて停止表示され、時刻tから時刻tまで特別遊技が実行されている。特別遊技の終了する時刻tにおいて、特定遊技実行手段122は時短継続回数として30回または60回を設定し、遊技状態を時短に移行させる。説明を簡単にするため、時刻tにおける大当たりは通常当たりであり、時刻t以降において確変には移行していないものとして説明する。後の図7(a)、図7(b)、図7(c)についても同様である。特定遊技演出手段204は、時短中であることを示すため時短キャラクタ207を表示させる。
当たり後図柄変動が30回分完了する時点を時刻t、60回分完了する時点を時刻tとする。逸失条件表示制御手段200は、時短終了の可能性がある時刻t以前の時刻tにおいて逸失条件を提示する。図5においては、逸失条件表示制御手段200は、21回目の当たり後図柄変動中に逸失条件を表示させている。Nミッション期間は、当該21回目の特別図柄変動から30回目の特別図柄変動が完了するまでの期間である。逸失条件の内容やその表示タイミングは設計に応じて任意に決定すればよい。以下においては、Nミッション期間は、逸失条件提示後、30回分の当たり後図柄変動が完了するまでの期間として設定されるものとして説明する。
時短継続回数が30回であれば、逸失条件表示制御手段200は、Nミッション期間中のいずれかのタイミングにて逸失画像を表示させ、逸失条件を成立させる。すなわち、逸失条件表示制御手段200は、演出決定手段132に対して逸失画像を表示させる演出パターンを選択させる。また、特定遊技演出手段204は、当たり後図柄変動の回数が時短継続回数に達すると、時短キャラクタ207を画面から消去する。
一方、時短継続回数が60回のときには、逸失条件表示制御手段200は、Nミッション期間中のいずれのタイミングにおいても逸失条件を成立させない。
図6は、逸失条件に加えて、更に、保証条件も表示されるときの態様を示す画面図である。
図6の保証条件表示画面210は、逸失条件表示画面208が表示された後に表示される画面であり、逸失条件に加えて、保証条件表示領域212に保証条件が表示されている。保証条件表示制御手段202は、任意のタイミングにて保証条件を表示させる。保証条件表示領域212には「15回転以内に「2」でリーチすると当たり確定!!」という字幕が表示されている。すなわち、Pミッション期間「15回転以内」、保証画像「2でリーチ」として保証条件が提示されている。Nミッション期間が終了する前にPミッション期間が開始しているため、逸失条件の不成立を願いつつ保証条件の成立を期待するという遊技性が実現されることになる。また、保証条件表示画面210の逸失条件と保証条件は互いに排他的な関係にはない。たとえば、左変動列に「2」が停止表示され逸失条件が成立してしまったとしても、更に、「2」のリーチが成立することにより大当たり確定となるかもしれない。すなわち、逸失条件が成立してしまうという不利益な状況が発生したとしても、保証条件の成立によりその不利益を帳消しにし、更には、大当たりという受益機会が付与される可能性がある。このため、いったん逸失条件が成立しても、更に、保証条件成立による挽回を期待するという遊技者心理を喚起できる。
図7(a)から図7(c)は、逸失条件の成立と大当たりの発生との関係を説明するためのタイムチャートである。
図7(a)は、Nミッション期間中において逸失条件が成立した後に大当たりが発生するときのタイムチャートである。
特別遊技は時刻tに終了し、時短が開始されている。ここで、時刻tにおいて逸失条件表示制御手段200は逸失条件を表示している。図7(b)、図7(c)についても設定状況は同じである。
図7(a)においては、Nミッション期間中の時刻tに逸失画像が表示され逸失条件が成立している。このため、遊技者は、Nミッション期間終了後に時短が終了すると認識する。図7(a)の場合、Nミッション期間終了前の時刻tにおいてたまたま大当たりが発生している。時刻tにおける逸失条件の成立により遊技者は失望感を感じるが、時刻tの大当たりにより時短終了という不利益を補って余りある大当たりという受益機会が付与されることになる。すなわち、いったんNミッション演出により失望感が喚起されたため、かえって大当たり時における遊技者のカタルシス感が高められることになる。
なお、時刻tにおける大当たりはPミッション期間中に発生する大当たりであってもよい。この場合には、時刻tの図柄変動時に逸失条件が成立し、時刻tの図柄変動時に保証条件が成立するという演出態様となる。
図7(b)は、Nミッション期間中において大当たりとなる図柄変動において逸失条件が成立するときのタイミングチャートである。
以下においては、当否抽選の結果が大当たりとなったときの図柄変動のことを「当たり確定変動」とよぶことにする。当たり確定変動の場合、その変動表示終了後に特別遊技が開始されることになる。図7(b)においては、Nミッション期間中における当たり確定変動と逸失条件の成立タイミングがたまたま一致している(時刻t)。この場合、いったん逸失条件を成立させた上で大当たりを示してもよい。この場合、図7(a)と同様の演出効果を発揮させることができる。
あるいは、逸失条件が成立するときの図柄変動が当たり確定変動であるときには、逸失条件を成立させずに大当たりを表示してもよい。このような態様によれば、遊技者は、逸失条件の成立という失望感を一瞬も味わうことなく、大当たりによる期待感を素直に楽しむことができる。以下においては、当たり確定変動中に逸失条件の成立タイミングが設定されたときには、逸失条件の成立がキャンセルされるものとして説明する。より詳しくは図13に関連しても説明する。
図7(c)は、Nミッション期間中において逸失条件が成立する前に大当たりが発生するときのタイミングチャートである。
図7(c)においては、Nミッション期間中において逸失条件が成立するタイミングに至る前の時刻tにおいてたまたま大当たりが発生している。大当たりが発生するとNミッション期間は強制的に終了される。その結果、逸失条件が成立しないまま特別遊技に移行することになる。この場合においても、図7(b)に関連して説明したように時刻tからの図柄変動中に逸失条件をいったん成立させてから大当たりを示してもよい。
図8は、ぱちんこ遊技機10における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
同図に示す処理はループ処理として繰り返し実行される処理である。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の入賞処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、特別図柄抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図9は、図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。当否判定処理の詳細については、次の図10に関連して説明する。メイン表示制御手段118は特別図柄192の変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドをサブ基板104へ送信する。これを受信した演出決定手段132は演出パターンを選択し、演出表示制御手段134は演出図柄190の変動表示を開始する(S36)。S36の処理の詳細については図11、図12、図13に関連して説明する。
S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動中であった場合は(S32のY)、S34からS36までの処理がスキップされる。図柄変動がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄の変動表示処理が続行される(S40)。図柄変動中でないときは(S38のN)、S40の処理はスキップされる。
図10は、図9のS34における当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、当否抽選手段112は、保留制御手段116から読み出した抽選値の当否判定を行う(S50)。確率変動遊技中であれば確変当否テーブル、確率変動遊技中でなければ非確変当否テーブルにより当否判定がなされる。大当たりであれば(S52のY)、特別遊技制御手段120は特別遊技フラグをオンする(S54)。特別遊技フラグがオンのときには、当該変動の終了後に特別遊技が実行される。
更に、確変当たりであれば(S58のY)、特定遊技実行手段122は確変フラグをオンする(S60)。通常当たりであれば(S58のN)、確変フラグはオフされる(S62)。確変フラグがオンのときには、当該変動の次の変動開始時から確率変動遊技が実行されることになる。
なお、当否抽選が外れであれば(S52のN)、特別遊技制御手段120は特別遊技フラグをオフする(S56)。
時短中であって、当該図柄変動の終了により時短継続回数に到達し、時短が終了するタイミングであれば(S100のY)、特定遊技実行手段122は当該変動の終了後に時短状態が終了するようにセットする(S102)。時短終了タイミングでなければ(S100のN)、S102の処理はスキップされる。
図11は、図9のS36における変動開始処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、保証条件表示制御手段202は、Pミッション期間中でないことを条件として、Pミッションの実行可否を判定する(S104)。Pミッション演出の実行可否は抽選によりランダムに決定してもよい。Pミッションを実行する場合(S104のY)、保証条件表示制御手段202はその保証条件を決定する(S106)。保証条件表示制御手段202は保証条件表示領域212にて保証条件を提示させる。Pミッションを実行しない場合には(S104のN)、S106の処理はスキップされる。
Pミッション期間中であって、当該図柄変動が当たり確定変動の場合(S110のY)、保証条件表示制御手段202は、保証画像を表示するように演出決定手段132に指示する(S112)。当たり確定変動の場合、当該図柄変動終了後に特別遊技に移行するため、Pミッション期間は終了し、Nミッション期間中であればNミッション期間も終了する(S114)。Pミッション期間中の大当たり発生という状況でなければ(S110のN)、S112およびS114の処理はスキップされる。
図12は、図11における変動開始処理の続きを示すフローチャートである。
時短中であれば(S116のY)、逸失条件表示制御手段200はあらかじめ定められたNミッションの実行タイミングであるかを判定する(S118)。本実施例の場合、21回目の当たり後図柄変動がNミッションの実行タイミングに相当する。Nミッションを実行する場合(S118のY)、逸失条件表示制御手段200はその逸失条件を決定する(S120)。本実施例におけるNミッション期間は、30回目の当たり後図柄変動が終了するまでである。時短継続回数が30回であり逸失条件が成立する予定であれば(S122のY)、逸失条件表示制御手段200は逸失条件の成立タイミングを当該図柄変動も含めた21回目から30回目のいずれかの図柄変動についてランダムに決定する(S124)。こうして逸失条件の成立タイミングが予約される。時短継続回数が60回であり逸失条件が成立する予定でなければ(S122のN)、S124はスキップされる。もともと時短中でないときや(S116のN)、Nミッションの実行タイミングでないときには(S118のN)、逸失条件の設定(S120)やその成立タイミングの設定(S124)等の処理は実行されない。
当該図柄変動について逸失条件の成立タイミングが設定されているときには(S126のY)、逸失条件表示制御手段200は逸失画像を表示するように演出決定手段132に指示する(S118)。逸失条件の成立タイミングでなければ(S128のN)、S118はスキップされる。
図13は、図12における変動開始処理の続きを示すフローチャートである。
図7(b)に関連して説明したように当たり確定変動において逸失条件の成立タイミングが設定されているときには(S130のY)、逸失条件表示制御手段200は、S128における逸失画像を設定指示をキャンセルする(S132)。これにより、逸失条件が成立することなく大当たりとなる態様の演出となる。上記状況でなければ(S130のN)、S132の処理はスキップされる。メイン表示制御手段118は、特別図柄を変動表示を開始し、これに同期して、演出表示制御手段134も演出図柄を変動表示を開始する(S134)。このとき、演出決定手段132は、S112、S128あるいはS132の指示に基づいて演出パターンを選択し、演出表示制御手段134は選択された演出パターンにしたがって演出図柄を変動表示させることになる。
Pミッションの実行時(S104のY)やNミッションの実行時(S118のY)においては、保証条件表示制御手段202や逸失条件表示制御手段200は、変動中の所定のタイミングにて保証条件や逸失条件を図4や図6に示した態様にて表示させる。また、時短中や確変中の場合には、特定遊技演出手段204は上記したような特定遊技演出を実行する。
図14は、図8のS16における特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
特別遊技は、当否抽選が大当たりとなって特別遊技フラグがオンとなったとき、図柄変動後に実行される遊技である。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。特定遊技実行手段122は時短継続回数として30回または60回のいずれかをランダムに選択し(S136)、変動時間短縮遊技を設定する(S138)。更に、確変当たりであったときには(S92のY)、特定遊技実行手段122は当否抽選のための当否テーブルとして確変当否テーブルを設定して確率変動遊技を開始させ(S94)、通常当たりであったときには(S92のN)、非確変当否テーブルを設定する(S96)。
なお、ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上においては時短が終了するか継続するかという状況をNミッションにより演出する態様について説明したが、時短に限らず確変の終了をNミッションにより演出してもよい。たとえば、Nミッション期間中に通常当たりが発生したときには、当該当たり確定変動中に逸失条件を成立させることにより、確変の終了という不利益を演出してもよい。
また、時短や確変といった特定遊技が開始するかしないかという状況をNミッションにより演出してもよい。図15以降においては、特定遊技のうちの確変を例として、特別遊技終了後に確変に移行するか否かをNミッションにより演出する態様について説明する。
[確変移行可否についてのNミッション演出に関する実施例]
図15は、確変移行可否とNミッション演出の関係を示すタイムチャートである。
本実施例においては、特別遊技の終了後に必ず時短に移行するが、確変当たりでなければ確変には移行しない。そのため、遊技者は特別遊技終了後に確変に移行するか否かについても関心を持つことになる。そこで、特別遊技終了後の最初の図柄変動からNミッション期間を設定し、このNミッション期間において逸失条件が成立しなければ確変移行に成功するという演出を実行する。
実際には、特別遊技が終了した段階で確変移行成否は確定しているが、特定遊技演出手段204は確変か否かに関わらず画面に所定の確変キャラクタを登場させることにより、たとえ確変中でなくてもあたかも確変中であるかのような特定遊技演出を実行する。あるいは、Nミッション期間は、確変に移行するか否かが確定していない保留期間であるかのような演出を実行してもよい。たとえば、確変キャラクタの体の一部だけが画面に登場することにより、保留期間であることを示唆してもよい。
確変中でなければ、Nミッション期間中のいずれかのタイミングにて逸失条件が成立し、確変キャラクタも画面から消える。このような演出方法により、実際には、もともと確変に移行していないにも関わらず、逸失条件が成立したために確変への移行に失敗したかのような演出態様を実現することができる。
図15においては、特別遊技が終了する時刻tにおいて逸失条件が提示され、Nミッション期間は当たり後図柄変動5回分の期間として設定される。同図の場合、時刻tから時刻t10までがNミッション期間に相当する。実際に確変中か否かに関わらず、特定遊技演出手段204は時刻tから時刻t10までは確変キャラクタを登場させる。逸失条件表示制御手段200は、確変移行に成功しているときには逸失条件を成立させない。この場合、時刻t10移行も確変キャラクタは画面に残る。一方、確変移行に失敗しているときにはNミッション期間中のいずれかのタイミングにて逸失条件が成立する。この場合、時刻t10移行においては確変キャラクタは画面から消える。
図16は、確変移行可否についてのNミッション演出について、図12に示した変動開始処理に対応する処理のフローチャートである。
特別遊技終了後の最初の図柄変動であれば(S140のY)、逸失条件表示制御手段200はNミッションを実行する(S142)。このとき逸失条件も提示される。確変でなければ(S146のY)、逸失条件表示制御手段200は逸失条件の成立タイミングを設定する(S148)。確変中であれば(S146のN)、逸失条件は成立しないためS148の処理はスキップされる。また、特別遊技終了後の最初の図柄変動以外であれば(S140のN)、S142からS148までの処理はスキップされる。
当該図柄変動について逸失条件の成立タイミングが設定されているときには(S150のY)、逸失条件表示制御手段200は逸失画像を表示するように演出決定手段132に指示する(S152)。
以上、本実施例に示したぱちんこ遊技機10によれば、特定遊技などの受益機会喪失の危機をNミッション演出により効果的に演出できる。本実施例においては受益機会として時短や確変などの特定遊技を例示したが、これ以外にもさまざまな受益機会についてNミッション演出を実行してもよい。たとえば、一般入賞口72や始動口62、大入賞口66等の各入賞口における賞球数が可変のぱちんこ遊技機を想定する。この場合、この賞球数が一時的に減少するタイミングにあわせて逸失条件を成立させるようにNミッション演出を実行してもよい。あるいは、特別遊技において実行される単位遊技の数が可変のぱちんこ遊技機を想定する。この場合、単位遊技数が一時的に減少するタイミングにあわせて逸失条件を成立させるようにNミッション演出を実行してもよい。
このように、受益機会喪失という遊技性を実現可能なぱちんこ遊技機であれば、Nミッション演出により遊技者の緊張感や不安感を喚起することにより遊技に対する遊技者の没入感をいっそう高めることができる。更にNミッション期間が徒過したときの安堵感や、更には、Pミッションによる高揚感を組み合わせることにより、遊技者心理に強く影響しやすい演出が実現される。また、特定遊技の終了可否だけではなく開始可否についてもNミッション演出を実行することにより、遊技者の緊張感を効果的に高めることができる。
なお、時短継続回数は30回と60回という2者択一にかかわらず、所定の回数範囲からランダムに選択してもよい。
更に別の変形例として、時短の転落抽選を実行してもよい。たとえば、特別遊技終了後、時短継続回数を特に設定することなく時短を開始するとする。時短中においては、定期的または不定期的なタイミングにて、所定確率、たとえば、5%の確率で当たりとなる転落抽選を実行する。転落抽選が当たりとなると、当該転落抽選から所定回数の図柄変動後に時短が終了するとする。このようなぱちんこ遊技機において、転落抽選の実行時にNミッションを開始し、上記所定回数の図柄変動期間をNミッション期間として設定してもよい。転落抽選が当たりとなるときには逸失条件が成立し、外れとなって時短が継続するときには逸失条件が不成立となるように制御してもよい。このような態様によっても、転落抽選によって時短という受益機会が失われる可能性をNミッションにより効果的に演出できる。
あるいは、時短等の特定遊技が開始されると同時にNミッションを実行してもよい。上記と同様、特別遊技終了後、時短継続回数を特に設定することなく時短を開始する。時短中においては図柄変動が実行されるごとに転落抽選を実行する。転落抽選が当たりとなると、次の図柄変動時から通常状態に戻る。このようなぱちんこ遊技機において、特別遊技が終了して時短が開始すると同時に、Nミッション期間を区切らずにNミッションを実行する。そして転落抽選が当たりとなると逸失条件がすぐに成立するように制御してもよい。このような態様によっても、転落抽選による受益機会喪失の可能性をNミッションにより効果的に演出できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
請求項に記載の特図制御手段の機能は、本実施例においては主としてメイン表示制御手段118により実現される。
このほかにも、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、本実施例において示された各機能ブロックの単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 逸失条件の表示態様を示す画面図である。 時短継続可否とNミッション演出の関係を示すタイムチャートである。 逸失条件に加えて、更に、保証条件も表示されるときの態様を示す画面図である。 図7(a)Nミッション期間中において逸失条件が成立した後に大当たりが発生するときのタイムチャートである。図7(b)は、Nミッション期間中において大当たりとなる図柄変動において逸失条件が成立するときのタイミングチャートである。図7(c)は、ミッション期間中において逸失条件が成立する前に大当たりが発生するときのタイミングチャートである。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図9のS34における当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図9のS36における変動開始処理を詳細に示すフローチャートである。 図11における変動開始処理の続きを示すフローチャートである。 図12における変動開始処理の続きを示すフローチャートである。 図8のS16における特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 確変移行可否とNミッション演出の関係を示すタイムチャートである。 確変移行可否についてのNミッション演出について、図12に示した変動開始処理に対応する処理のフローチャートである。
符号の説明
10 ぱちんこ遊技機、 17 発射ハンドル、 18 スピーカ、 20 抽選保留ランプ、 22 作動保留ランプ、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 58 アウト口、 59 普通図柄表示装置、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 64 センター飾り、 66 大入賞口、 68 作動口、 69 通過検出装置、 72 一般入賞口、 73 一般入賞検出装置、 74 始動入賞検出装置、 76 普通電動役物ソレノイド、 78 入賞検出装置、 80 大入賞口ソレノイド、 82 操作ボタン、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 110 入球判定手段、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 116 保留制御手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 124 開閉制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 190 演出図柄、 192 特別図柄、 200 逸失条件表示制御手段、 202 保証条件表示制御手段、 204 特定遊技演出手段、 206 逸失条件表示領域、 207 時短キャラクタ、 208 逸失条件表示画面、 210 保証条件表示画面、 212 保証条件表示領域。

Claims (8)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動入賞口と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な状態に開放可能な大入賞口と、
    前記始動入賞口へ遊技球が入球したことを契機として、当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記当否抽選の結果を示す特別図柄を変動表示させる特図制御手段と、
    前記当否抽選の結果が当たりであったときに、特別図柄の停止表示後に前記大入賞口を開放させることにより遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    特別図柄が所定回数変動される期間内に所定の演出画像の表示がなされることが遊技者の受益機会を逸失させられる条件として定められた逸失条件を演出的に表示する逸失条件表示制御手段と、を備え、
    前記逸失条件表示制御手段は、前記期間内において前記受益機会の逸失が予定されるときには、前記期間内において前記所定の演出画像を表示させることにより、前記逸失条件の成立により前記受益機会が逸失させられる旨を示唆することを特徴とする弾球遊技機。
  2. 所定の開始条件が成立したときに通常の遊技状態よりも特別遊技へ移行しやすい遊技状態である特定遊技を開始し、所定の終了条件が成立したときに特定遊技を終了させる特定遊技制御手段を更に備え、
    前記逸失条件表示制御手段は、特別図柄が所定回数変動される期間内に所定の演出画像の表示がなされることが特定遊技による受益機会を逸失させられる条件として定められた前記逸失条件を演出的に表示させ、前記期間内において特定遊技の受益機会逸失が予定されるときには、前記期間内において前記所定の演出画像を表示させることにより、前記逸失条件の成立により特定遊技の受益機会が逸失させられる旨を示唆することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記逸失条件表示制御手段は、所定の演出画像の表示がなされることが特定遊技が終了させられる条件として前記逸失条件を演出的に表示させ、前記期間内において特定遊技の終了が予定されるときには、前記期間内において前記所定の演出画像を表示させることにより、前記逸失条件の成立により特定遊技が終了させられる旨を示唆することを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記逸失条件表示制御手段は、前記期間内において特定遊技が終了した後に更に新たな特定遊技が開始される予定であるときには、前記期間内においては前記逸失条件の成立態様として前記所定の演出画像を表示させないことを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
  5. 前記逸失条件表示制御手段は、前記期間内において特定遊技が終了した後に更に新たな特定遊技が開始される予定であるときには、前記期間内において前記逸失条件の成立態様として前記所定の演出画像を表示させた上で遊技者に有利な遊技状態の開始を報知することを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
  6. 前記特定遊技制御手段は、特別遊技終了後、所定確率にて特定遊技を実行し、
    前記逸失条件表示制御手段は、特別遊技終了後、所定の演出画像の表示がなされることが特定遊技への移行に失敗させられる条件として前記逸失条件を演出的に表示させ、特定遊技へ移行しないときには、前記期間内において前記所定の演出画像を表示させることにより、前記逸失条件の成立により特定遊技への移行に失敗させられた旨を示唆することを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
  7. 特定遊技実行中において、特定遊技実行中である旨を示唆する特定遊技演出を実行する特定遊技演出手段、を更に備え、
    前記特定遊技演出手段は、特別遊技終了後に特定遊技への移行に失敗したときにも前記期間内において前記特定遊技演出を実行することを特徴とする請求項6に記載の弾球遊技機。
  8. 特別図柄が所定回数変動される期間内に所定の演出画像の表示がなされることが前記当否抽選の当たりが保証される条件として定められた保証条件を演出的に表示する保証条件表示制御手段、を更に備え、
    前記保証条件表示制御手段は、前記期間内において実行される当否抽選が当たりとなるときには、その当否抽選を契機として変動表示される特別図柄が停止表示される前に前記所定の演出画像を表示させることにより、前記保証条件の成立により当否抽選の当たりが確定された旨を示唆することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
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