本発明の実施形態における弾球遊技機は、第1種ぱちんこ遊技機である。このぱちんこ遊技機は、特別遊技への移行までの間に予め設定された条件が成立した場合に、遊技領域上に複数配置された入球口を用いた遊技(以下、特別遊技への移行を狙う遊技に対して、所定の条件が成立したときに発生する入球口を用いた遊技を別遊技という)を提供する機能を有している。このぱちんこ遊技機は所定条件が成立した場合、具体的には、特別遊技への移行判定を所定回数以上行った場合や、移行判定に所定回数以上外れた場合に、遊技球を落入させるべき入球口を順番に報知する機能を有し、報知された順番通りに遊技球が落入された場合に、所定数の賞球を払い出すように設定されている。つまり、遊技がある程度継続的に行われた場合には、特別遊技への移行がなかなか行われない時でも遊技者に、報知した入球口への落入を狙わせることにより、賞球を得る確率の高い新たな遊技形態を提供する。その結果、遊技者の遊技に対する興趣が衰退することを抑制しようとするものである。
図1は、第1種ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤面で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成される、遊技盤の遊技領域を透視可能な板である。扉14は、透明板13を支持する。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。遊技者が発射ハンドル17を回動させると遊技球が発射される。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
ぱちんこ遊技機10の遊技盤には、遊技部品として多数の遊技釘(図示を省略)、風車21、外レール22および内レール23、入球口(入賞口)24、アウト口25、図柄表示装置26、センター飾り部品27、第1種始動入賞口(以下、「始動口」という)28、大入賞口29、普通図柄作動口30、普通図柄表示装置32等が設けられる。外レール22は発射された遊技球を遊技領域31へ案内し、内レール23は遊技領域31を区画する。遊技領域31の所定の位置、例えば、センター飾り部品27の一部には、遊戯中の演出効果を発揮する点灯や点滅を行う遊技効果ランプ33が配置されている。また、図示を省略しているが、入球口24の側方で遊技領域31の縁部周辺等にも遊技効果ランプが配置されている。入球口24等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口25に流入した遊技球はアウト球として処理される。なお、入球口24や始動口28は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本明細書において「落入」は「通過」を含むものとする。また各種遊技効果ランプは、その点滅により上述したように演出または装飾の他、本実施形態において、後述する報知手段としての役割を果たすことができる。
始動口28および大入賞口29は、図示のごとく遊技領域31に配設されて、遊技者に有利な第1状態(開放状態)と、遊技者に不利な第2状態(閉鎖状態)とに変化可能な可変入球口として構成される。なお、ここでいう有利または不利は、相対的なものであり、第1状態に対して第2状態が不利であり、また第2状態に対して第1状態が有利であることを意味している。
始動口28は、例えばセンター飾り部品27の下方等の位置に設けられる。始動口28の内部には、始動口28への遊技球の落入を検出する始動入賞検出器34が設けられている。始動口28は、普通電動役物、例えば電動チューリップとして構成され、この電動チューリップが、遊技球が落入しやすい開いた状態(すなわち有利な第1状態)と、遊技球が有利な状態に対して相対的に落入しにくい閉じた状態(すなわち不利な第2状態)の2つの態様をとる。始動口28の開閉動作は例えば始動口ソレノイド35によって行われる。なお、本実施形態では1つの始動口28を例示したが、複数の始動口28が遊技領域31に設けられてもよい。また、入球口24も普通電動役物、例えば入賞口ソレノイド36で開閉する電動チューリップとして構成され、始動口28と同様に、遊技球が落入しやすい開いた状態(すなわち有利な第1状態)と、遊技球が有利な状態に対して相対的に落入しにくい閉じた状態(すなわち不利な第2状態)の2つの態様をとる。内部には、入球口24への遊技球の落入を検出する入賞検出器37が設けられ、上述と同様な動作を行うことができる。
大入賞口29は、特別図柄が特定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口であり、例えばアウト口25の上方等の位置に設けられる。大入賞口29の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。大入賞口29の内部には、大入賞口29への遊技球の落入を検出する入賞検出器38が設けられている。大入賞口29は特別電動役物として、例えば大入賞口ソレノイド39で開閉動作する開閉板を有して構成され、この開閉板が、遊技球が入賞可能な開いた状態(すなわち有利な状態)と、遊技球が落入できない閉じた状態(すなわち不利な状態)の2つの態様をとる。
図柄表示装置26は、その画面に第1種特別図柄と呼ばれる図柄(以下、「特別図柄」という)と、特別図柄に連動する装飾図柄を変動させながら表示する。ここで、特別図柄は、始動口28への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に応じて特別遊技を発生させるか否かを示すための図柄であり、装飾図柄は、抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。図柄表示装置26は、この実施形態では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示装置であってもよい。図柄表示装置26は、装飾図柄300としてスロットマシーンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。装飾図柄300を表示する形態を採用している場合は、特別図柄302は演出的な役割をもつ必要がないため、図柄表示装置26の右上隅の目立たない領域に表示される。なお、特別図柄は、図柄表示装置26中の他の箇所に表示されてもよく、また図柄表示装置26以外に設けられる表示部で表示されてもよい。
図柄表示装置26の周囲には、センター飾り部品27が設けられており、遊技球の流路、図柄表示装置26の保護、装飾等の機能を有する。普通図柄表示装置32には普通図柄として数字等の図柄が変動表示される。普通図柄の変動表示は、作動ゲートとも呼ばれる普通図柄作動口30に遊技球が落入したときに開始される。この遊技球の落入は、普通図柄作動口30の内部に配置されたゲート通過検出器53により検出される。普通図柄表示装置32は、例えば7セグメント表示器で構成される。なお、この普通図柄は図柄表示装置26の右下隅等に表示されてもよい。また、センター飾り部品27に設けられた図示しないランプを所定時間点滅させる構成にしてもよい。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口28が所定時間拡開する。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール23と外レール22とによって案内されて遊技領域31へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域31の上部へ発射された遊技球は、遊技領域31中に配置された複数の遊技釘に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。通常、遊技球が入球口24や始動口28、大入賞口29等の各入賞口へ落入するとその入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15に払い出される。
遊技球が始動口28に落入すると、図柄表示装置26において特別図柄および装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は一定時間経過後に停止され、停止時の特別図柄が所定の態様である場合、いわゆる「大当たり」として大入賞口29の開閉動作を開始する。すなわち所定の特別図柄の停止図柄が、特別遊技開始時の大入賞口29の開放条件として予め設定されている。このときスロットマシーンのゲームを模した装飾図柄の場合、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
大入賞口29は、約30秒間開放された後、または9球以上の所定数の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。この所定の開放時間や遊技球の所定数は、大入賞口29の閉鎖条件として予め設定されている。大入賞口29の開放中、遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口29は再度開放される。大入賞口29の閉鎖状態から開放状態への変化を複数回数連続して継続する特別遊技において、開放中に遊技球が特定領域へ落入することは、次の開放動作を行うための開放条件となる。特定領域への落入を条件に、大入賞口29の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。特別遊技が終了すると、特別図柄302および装飾図柄300の変動表示が停止されるまでの時間が短縮される変動短縮遊技が所定の確率で実行される。なお、変動短縮遊技の実行中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、始動口28が開放状態となる時間が普通図柄の変動表示時間に比べて相対的に長く設定される。
図2は、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板41は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口28へ遊技球が落入したときの当たり判定等、遊技動作全般を処理する。サブ基板42は、液晶ユニット43を備え、図柄表示装置26における表示内容を制御し、特にメイン基板41による当たり判定結果に応じて表示内容を変動させる。セット盤44は、賞球タンク45や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット46等を含む。払出ユニット46は、各入賞口への落入に応じて賞球タンク45から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板47は、払出ユニット46による払出動作を制御する。発射装置48は、上球皿15の貯留球を遊技領域31へ1球ずつ発射する。発射制御基板49は、発射装置48の発射動作を制御する。電源ユニット50は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施形態におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。遊技制御装置100と、入球口24、始動口28、大入賞口29、普通図柄作動口30、図柄表示装置26、普通図柄表示装置32、スピーカ18、遊技効果ランプ33および払出ユニット46は、各種制御信号を送受信するため、電気的に接続されている。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄の変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板41と、図柄の演出等を制御するサブ基板42とに機能を分担させた形態で構成されてもよいが、図3においては、メイン基板とサブ基板の違いを特に明示しない機能ブロックとして描いている。遊技制御装置100は、ハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施形態の遊技制御装置100は、入球口24、始動口28、大入賞口29、普通図柄作動口30への遊技球の落入の有無判定を行い落入情報を送出する入賞判定手段110を有する。また、遊技制御装置100は、入賞判定手段110から提供される始動口28の落入情報に基づき、特別遊技を発生させるか否か、及び普通図柄作動口30の落入情報に基づき、普通図柄を当たりにするか否かを判定する当たり判定手段120、当たり判定手段120の判定結果に基づき、装飾図柄、特別図柄、普通図柄の決定を行う図柄決定手段130、特別遊技中の特別遊技を実行させる特別遊技判定実行手段140、大入賞口29の開閉を制御する大入賞口開閉制御手段150を有する。さらに、遊技制御装置100は、始動口28などの普通電動役物の開閉を制御する入賞口開閉制御手段160、図柄や電飾、後述する報知等の表示を制御する表示制御手段170を含む。このほか、始動口28への落入に基づく当たり判定結果の提示を所定数保留する場合の保留数管理を行う保留球数管理手段180、スピーカ18を用いて出力する効果音や音声フレーズの制御を行う音声制御手段190、払出ユニット46に対し遊技球が落入した入賞口に応じた賞球の払い出しを指示する払出制御手段200を含む。
また、本実施形態においては、特別遊技へなかなか移行しない状態が発生した場合に、遊技者に提供する別遊技の発生及び別遊技の進行を案内するための報知を行う情報報知決定手段210を備える。
始動入賞検出器34は始動口28に設けられたセンサであり、始動口28への遊技球の落入を検出し、その落入があったことを示す始動入賞情報を入賞判定手段110へ送る。入賞判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると、当たり判定手段120に対し、始動入賞に対して乱数を取得させると共に、その乱数に基づき、特別遊技、すなわち大当たり遊技へ移行するか否かを判定させる。
特別遊技判定実行手段140は、特別遊技への移行および特別遊技自体を制御する。特別遊技移行判定手段141は、当たり判定手段120から提供される判定の結果に基づき、特別遊技を開始するか否かを判定する。特別遊技は、大入賞口29の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、特別遊技に移行すると、遊技者は相当数の出球を期待することができる。サイクル遊技実行手段142は、1回の大入賞口29の開閉を実行する。具体的にサイクル遊技実行手段142は、大入賞口開閉制御手段150を制御して、大入賞口29の開閉を実行する。特別遊技終了判定手段143は、継続ラウンド数、大入賞口29の特定領域への通過検出の有無に基づいて、サイクル遊技を継続させるか否か、すなわち次回のサイクル遊技を開始するか否かを判定する。次回のサイクル遊技を開始するための開始条件が満足されない場合、またはサイクル遊技の所定のラウンド数を消化した場合には、特別遊技終了判定手段143が特別遊技を終了させる。
大入賞口開閉制御手段150には、開閉条件設定手段が含まれ、当該開閉条件設定手段には大入賞口29を閉鎖状態から開放状態に変化させる開放条件および開放状態から閉鎖状態に変化させる閉鎖条件が設定されている。例えば、開放条件は、前回のサイクル遊技中に遊技球が大入賞口29の特定領域を通過したことである。また、閉鎖条件は、大入賞口29の開放中に落入数が所定数に到達したこと、または大入賞口29の開放時間が所定時間に到達したことである。大入賞口29の開放中の落入は、入賞検出器38により検出される。
大入賞口開閉制御手段150の開閉条件設定手段に設定された開放条件が達成された場合に、大入賞口ソレノイド39に開放指示を送り、大入賞口29の開閉板を開放させる。これにより、大入賞口29は、遊技者にとって有利な状態に変化する。一方、大入賞口開閉制御手段150に含まれる閉鎖制御手段は、閉鎖条件が達成された場合に、大入賞口ソレノイド39に閉鎖指示を送り、大入賞口29の開閉板を閉鎖させる。これにより、大入賞口29は、遊技者にとって不利な状態に変化する。
入賞口開閉制御手段160には、開閉条件設定手段が含まれ、当該開閉条件設定手段には、始動口28や入球口24などの普通電動役物を閉鎖状態から開放状態に変化させる開放条件および開放状態から閉鎖状態に変化させる閉鎖条件が設定されている。始動口28の開放条件は、普通図柄表示装置32の停止図柄が当たりの態様となることであり、閉鎖条件は開放後、所定の時間が経過したことであってよい。普通図柄の抽選の当否は、普通図柄作動口30に設けられたゲート通過検出器53の通過情報を入賞判定手段110を介して得た当たり判定手段120で抽選によって決定され、その結果を受けて、図柄決定手段130で普通図柄が決定される。
また、入球口24の開放条件は、情報報知決定手段210による報知処理が行われることであり、別遊技が発生していること及び、別遊技を進行する場合に、遊技球を落入させるべき入球口24を遊技者に報知する場合に開放状態になる。例えば、所定回数以上、大入賞口29の開放が行われなかった場合、つまり、特別遊技移行判定の結果が当たりでなかった場合の回数が所定回数、例えば500回を超えた場合に、開放状態に変化する。なお、この場合の当たりでなかった場合の回数のカウントは、例えば特別遊技判定実行手段140に含まれる判定回数取得手段144等で行うことができる。また、閉鎖条件は開放後、遊技球が落入したことであってもよいし、所定の時間が経過したことであってもよい。なお、入球口24に遊技球が落入したことは、入球口24に設けられた入賞検出器37によって検出する。
入賞口開閉制御手段160に含まれる開放制御手段は、始動口28に関して開閉条件設定手段に設定された開放条件が達成された場合に、始動口ソレノイド35に開放指示を送り、始動口28を開放させる。これにより、始動口28は、遊技者にとって有利な状態に変化する。一方、入賞口開閉制御手段160に含まれる閉鎖制御手段は、閉鎖条件が成立したことを判定すると、始動口ソレノイド35に閉鎖指示を送り、始動口28を閉鎖させる。これにより、始動口28は、遊技者にとって不利な状態に変化する。同様に、入賞口開閉制御手段160は、入球口24に関して開閉条件設定手段に設定された開放条件が達成された場合に、入賞口ソレノイド36に開放指示を送り、入球口24を開放させる。これにより、入球口24は、遊技者にとって有利な第1状態に変化する。一方、閉鎖制御手段は、閉鎖条件が成立したことを判定すると、入賞口ソレノイド36に閉鎖指示を送り、入球口24を閉鎖し、遊技者にとって不利な第2状態に変化する。なお、図1において、入球口24、始動口28は、実線で開放状態を図示している。
表示制御手段170は、図柄変動制御手段171を含み、当たり判定手段120において決定される抽選の当否をもとに図柄決定手段130で決定された図柄を、図柄表示装置26や普通図柄表示装置32に表示させる。また、表示制御手段170は、遊技効果ランプ制御手段172を有し、遊技効果ランプ33および大入賞口29の表示器51、入球口24の表示器52の点灯等を制御する。遊技効果ランプ33は主に、ぱちんこ遊技機10の動作中にスピーカ18から出力される音楽や効果音に対応して点灯、点滅等を行い遊戯中の演出効果を高める。表示器51,52は、遊技効果ランプ33と同様に、演出効果を向上させると共に、例えば、大入賞口29や入球口24が開放状態にある場合に、ランプの点灯、点滅、文字表示、キャラクタ表示、ビデオ画像等により大入賞口29や入球口24が遊技者にとって有利な状態に変化していることを知らせる機能を有する。この他、別遊技が開始された場合に、遊技球を落入させる対象となる入球口24を報知するための表示を制御する報知情報表示制御手段173を含んでいる。ここで、対象となる入球口24を報知するための表示とは、例えば、報知対象の入球口24に設けられた遊技効果ランプの点灯や点滅(矢印等の点灯も含む)である。また、入球口24に、例えば、7セグメント表示器等が設けられている場合には、落入の順番を具体的な数字等で表示する。さらに、図柄表示装置26に対して、別遊技の発生や落入の順番を報知する例えば文字やアニメーション、ビデオ画像等を表示するようにしてもよい。もちろん、これ以外にも遊技領域上に別途設けた表示器を用いて別遊技の発生や落入の順番を報知するようにしてもよい。なお、上述した入球口24(電動チューリップ)の開放動作と共に、上述の報知情報表示制御手段173による報知を行うことにより遊技者に効果的に報知を認識させることができる。
保留球数管理手段180は、保留球数記憶手段、保留球数加算手段、保留球数消化判定手段、保留球数減算手段を含む。保留球数記憶手段は、始動口28の落入により行われた図柄変動の抽選結果を例えば、最大4個まで記憶可能であり、抽選結果の取得のたびに保留球数を一つずつ増加し、また、抽選結果の表示により保留球数を一つずつ減らす。
音声制御手段190は、遊戯中に任意に出力される音楽や効果音や遊技の進行状況に応じて出力される音楽や効果音、音声フレーズ等を記憶手段から読み出しスピーカ18から出力する。
情報報知決定手段210は、報知回数設定手段211、報知回数決定手段212、報知順序決定手段213、報知回数減算手段214、報知タイミング判定手段215、基準回数格納手段216、報知終了判定手段217を含む。本実施形態において、報知とは、例えば遊技球の始動口28への落入を契機に判定される特別遊技への移行が所定回数以上発生しなかった場合に、通常行われる、始動口28を狙い特別遊技の権利を獲得する遊技形態とは別の遊技形態が発生し遊技可能となったことを遊技者に知らせると共に、その別遊技の進行を案内するものである。この別遊技とは、具体的には、遊技領域上に複数形成された入球口24を用いるものでり、複数の入球口24に対し指定された順番で遊技球を落入させ、順番通りの落入が達成された場合には、所定数の賞球を付与するものでる。なお、前述したように、本実施形態において、入球口24は電動チューリップとして構成され、この電動チューリップが、遊技球が落入しやすい開いた状態(すなわち有利な第1状態)と、遊技球が有利な状態に対して相対的に落入しにくい閉じた状態(すなわち不利な第2状態)に変化可能であり、順番に従って報知が行われる入球口24は落入し易い第1状態に変化する。従って、報知動作が開始されると遊技者は、指定された入球口24の落入を狙うという遊技を楽しみつつ、報知された順序通りに落入を成功させることにより比較的高い確率で賞球を得ることができる。また、この報知を伴う別遊技は複数回連続すれば、遊技者は多くの賞球を獲得する機会を得る。報知回数設定手段211は、この報知回数を設定するためのテーブルであり、例えば、10回、20回、50回、70回、100回等の連続報知回数が設定されている。
報知回数決定手段212は、遊技の進行状況に応じて、報知回数設定手段211に設定されている報知回数から報知開始条件が揃った時に実行する報知回数を選択決定する。つまり、判定回数取得手段144において、特別遊技移行判定の結果が当たりでなかった場合の回数をカウントし、そのカウント値に応じて報知回数の選択を行う。また、カウント値の推移状態を考慮して報知回数を選択してもよい。すなわち、短時間にカウント値が増加した場合、同じ遊技者によって継続的に遊技が行われていると推測し、多い報知回数を選択する。逆に、カウント値の増加がゆっくり行われた場合、遊技が継続して行われず、複数の遊技者が断続的に遊技を行っていると推測し、少ない報知回数を選択する。もちろん、報知回数の選択は、この他の条件を考慮し行うようにしてもよいし、任意に報知回数を選択するようにしてもよい。
報知遊技が発生した場合に報知される入球口24の順番は、報知順序決定手段213で決定される。順番が指定される入球口24の数は、2カ所以上であれば任意であるが遊技性を考慮すると3カ所以上が好ましい。そして、例えば3カ所の入球口24の指定を1セットの遊技とすると、図1において、報知順序決定手段213は、あるタイミングの報知順序を、例えば左の入球口24→中央の入球口24→右の入球口24とする。この順番で遊技者が1球ずつの遊技球を落入させることができた場合に、払出制御手段200により所定数例えば15個の賞球が付与される。また、別のタイミングの報知順序では、中央の入球口24→右の入球口24→左の入球口24等になる。もちろん、1セットの遊技で遊技領域に配置された全ての入球口24を指定する必要はなく、例えば、右の入球口24→左の入球口24→右の入球口24としてもよいし、左の入球口24→左の入球口24→中央の入球口24、中央の入球口24→中央の入球口24→中央の入球口24等でもよい。なお、同じ入球口24の報知が連続する場合には、連続していることが認識できるように、例えば、電動チューリップを一度第2状態に移行させる等間隔を形成することが好ましい。また、入球口24への落入は基本的には1玉であるが、例えば2玉ずつ落入させるようにしてもよい。
なお、本実施形態の場合、報知を伴う別遊技が発生している場合、報知された順番通りに1番目、2番目に指定された入球口24に落入しても賞球は行われず、3番目に報知された入球口24に落入が成功し、報知された順番通りの落入が完了した時点で賞球が付与される。もちろん、所定時間内に順番通りの落入が完了しなかった場合には、賞球は付与されない。なお、この賞球の付与形態は任意であり、所定時間内に順番通りの落入が完了しなかった場合に、各入球口24に落入した数と同数の遊技球を返却するようにしてもよいし、1玉に対し2〜3個の賞球を付与するようにしてもよい。
報知回数減算手段214は、報知処理が開始された後、報知が行われる毎に報知回数決定手段212が決定した報知回数を一回ずつ減らし、「ゼロ」になるまで報知を繰り返す。また、報知タイミング判定手段215は、報知条件が成立したか否かの判定を行い、報知条件が成立している場合には報知処理を開始する。このときの報知処理を開始する条件、上述の例では、判定回数取得手段144のカウント値が基準回数である500回に達した場合である。この基準回数は基準回数格納手段216に複数種類、例えば200回、300回、400回、500回、600回等が格納され、報知タイミング判定手段215によって選択される。この選択は、乱数を発生させることにより、任意に選択してもよいし、選択パターンを準備しておき、そのパターンに従って順に選択を行ってもよく、報知処理が終了する毎に選択するようにすることができる。また、このとき、報知回数決定手段212が設定する報知回数と基準回数とを関連つけてもよい。例えば、基準回数が少ない時(例えば200回)は、報知回数を少なくし(例えば、10回)、基準回数が多い時(例えば、600回)は、例えば100回のように報知回数を多くするようにしてもよい。もちろん、それぞれ任意に決定してもよい。
報知終了判定手段217は、報知した入球口24に所定数の遊技球の落入が確認されたか、または、報知開始から所定時間経過したか否かに基づいて一回ごとの報知の終了を判断すると共に、1セット(本実施形態では、3回の報知)が終了したか否かの判断を行う。また、報知回数決定手段212で決定した報知回数に達していない場合には、報知順序決定手段213によって決定される報知順序に従う報知を再度行う。一方、決定した報知回数に達した場合には、報知処理を終了する。
図4〜図6には、一連の遊技過程を説明するフローチャートが示されている。まず、図4のフローチャートを参照する。入賞判定手段110が始動口28への遊技球の落入を検出すると(S10のY)、当たり判定手段120が、図柄変動中であるか否かを判定する(S12)。図柄が変動中でなければ(S12のN)、当たり判定手段120は乱数を決定し(S14)、乱数に基づいて当否を判定する(S28)。一方、図柄が変動中であれば(S12のY)、保留球数管理手段180は保留球数記憶手段に乱数を保留可能であるか否かを判定する(S16)。図柄変動中、例えば4個の乱数が保留球数記憶手段に保留されていれば、それ以上の乱数を保留することができないため(S16のN)、保留球数管理手段180はその乱数の取得処理を行わない。一方、保留されている乱数の数が3個以内であれば、保留球数管理手段180は乱数の保留が可能であると判定し(S16のY)、当たり判定手段120に乱数を決定させ(S18)、保留球数管理手段180は保留球数記憶手段の空き領域に乱数を記憶させる(S20)。
またS10において、始動口28への落入がなければ(S10のN)、特別遊技移行判定手段141が、保留球数管理手段180の保留球数記憶手段に乱数が保留されているか否かを判定する(S22)。保留されていない場合(S22のN)、S10に戻り、始動口28に賞球があるか否かの判断を繰り返す。保留されている場合は(S22のY)、その時点で行われている図柄変動が終了するのを待つ。なお乱数が保留されている場合とは、始動口28への落入が以前に発生し且つその落入に基づく判定結果についての図柄変動が未だ行われていない状態を示す。このとき、図柄表示装置26では、保留球以前の落入に基づく判定結果についての図柄の変動表示がなされている。なお、S12における図柄変動と、S22の判定時点で表示されている図柄変動を、本フローチャートでは説明の便宜上、「前回の図柄変動」と呼び、これに続く図柄変動のことを「当回の図柄変動」と呼ぶことにする。
前回の図柄変動が終了すると、特別遊技移行判定手段141は、保留球数記憶手段に保留されている判定結果のうち最初に判定結果として格納された乱数を読み出し(S24)、その記憶内容を消去し、2番目以降の領域に判定結果の乱数が格納されていればそれらをそれぞれ一つ前の記憶領域へシフトする(S26)。特別遊技移行判定手段141は、読み出した乱数に基づく当否を判定し(S28)、続いて、図柄決定手段130によって図柄変動の表示内容が決定される。表示制御手段170の図柄変動制御手段171は、特別遊技移行判定手段141の判定結果に基づいて、当回の図柄を図柄表示装置26に変動表示させ(S30)、報知処理へ移行し(S32)、一連の処理を終了する。
図5のフローチャートを用いて、報知処理(S32)の詳細を説明する。S28における特別遊技移行判定手段141による当否判定の結果、乱数が大当たり(特別遊技)値であった場合(S40のY)、現在報知処理中か否かの判断を行い(S42)、報知処理中で無い場合(S42のN)、特別遊技制御処理へ移行する(S44)。ここで、一時図6のフローチャートを用いて特別遊技制御処理を説明する。特別遊技の開始とともに大入賞口開閉制御手段150は大入賞口29を開放し(S80)、入賞検出器38が大入賞口29への遊技球の落入を検出した場合(S81のY)、大入賞口開閉制御手段150はその球数をカウントする(S82)。また、入賞判定手段110は大入賞口29へ落入した遊技球のうち特定領域(いわゆるVゾーン)を通過したことを検出した場合(S83のY)、特別遊技終了判定手段143は、通過フラグをオンする(S84)。大入賞口29への遊技球の落入が検出されないときは(S81のN)、S82からS84をスキップする。大入賞口29へ落入した遊技球が特定領域を通過しなかった場合(S83のN)、S84がスキップされ、特別遊技終了判定手段143は通過フラグをそのままにする。S81からS84までの処理は、大入賞口29への落入球数のカウント値が9球以上に達するか、大入賞口29の開放時間が30秒間に達するまで繰り返され(S85のN)、これらいずれかの条件に達した場合(S85のY)、サイクル遊技実行手段142は大入賞口29を一旦閉鎖する(S86)。特別遊技終了判定手段143は、通過フラグがオンになっていれば(S87のY)、特定領域への通過があったものとして通過フラグと落入球数のカウント値をリセットし(S88)、特別遊技のラウンド数をインクリメントして(S89)、そのラウンド数が15回に達するまで(S90のN)、S80からS89までの処理を繰り返す。ラウンド数が15回に達した場合(S90のY)、または通過フラグがオンになっていない場合に(S87のN)、特別遊技が終了される(S91)。
図5のフローチャートに戻り、情報報知決定手段210は、特別遊技(S44)の終了を確認すると、報知回数の設定が完了しているか否かの判定を行い(S46)、設定済みの場合(S46のY)、一連の報知処理を終了し、遊技が継続している場合、図4のS10以降の処理に戻る。一方、報知回数設定が済んでいない場合(S46のN)、報知回数決定手段212は、報知回数設定手段211に基づいて、報知するセット回数(本実施形態の場合、3回の報知が1セット)、例えば100回を設定する(S48)。また、報知タイミング判定手段215は、基準回数格納手段216に基づき基準回数、例えば500回を設定し(S50)、次回の報知処理の基準を決定して、一連の報知処理を終了する。なお、この時、それまで判定回数取得手段144がカウントしてきた、特別遊技に移行しない外れ回数のカウント値をリセットする。なお、このように、報知に基づく遊技の終了後または特別遊技の終了後に報知遊技移行のためのカウントをリセットし、新たにカウントを開始することににより、遊技者は次回の報知遊技への移行をある程度予想することが可能になり、遊技者の遊技への興趣を維持することができる。
一方、S40において、判定結果の乱数が外れ値、すなわち特別遊技への移行でない場合(S40のN)、判定回数取得手段144は、特別遊技移行判定の結果が当たりでなかった場合の回数(外れ回数)を示すカウンタを「+1」する(S52)。続いて、情報報知決定手段210は、別遊技の開始を遊技者に知らせる報知を開始する条件が成立しているか否かの判断を行う(S54)。報知を開始する条件とは、前述したように、特別遊技移行判定の結果が当たりでなかった場合の回数が所定開始、例えば500回を超えた場合であり、この条件が成立した場合に報知を開始する。なお、上述の報知を開始する条件が成立した時、またはそれ以降に、例えば、図柄表示装置26に表示する図柄が予め定めた特定のものになったときや、別途行われる抽選に当選したとき等には、ボーナスとして、例えば、S48で決定した報知回数を増加するようにすることもできる。
報知を開始する条件が成立していない場合(S54のN)、一連の報知処理を終了し、遊技が継続している場合には、図4のS10の処理に戻る。一方、報知を開始する条件が成立した場合(S54のY)、報知タイミング判定手段215は、入球口への入球順序を遊戯者に知らせるための報知を開始する(S56)。ここで、入球口24の報知の方法は任意であるが、例えば、遊技者に有利な第1状態と、遊技者に不利な第2状態とに変化可能な可変入球口、いわゆる電動チューリップの場合、該当する入球口24を第1状態、つまり遊技球が落入しやすい開いた状態にすることにより報知することができる。また、入球口24自体や、その周囲に配置された遊技効果ランプ33を点灯、点滅させることにより報知することもできる。また、図柄表示装置26にメッセージや専用キャラクタ、ビデオ画像等を表示して遊技者の注意を喚起してもよい。特に図柄表示装置26を用いて報知を行う場合、図柄表示装置26により様々な形態の報知表示を行うことができるので、報知自体に興趣を持たせることが可能になり、遊技性の向上に寄与することができる。また、役物の機械的動作によって報知してもよい。このような視覚提示装置を用いて遊技者に報知する他、音声提示装置としての例えばスピーカ18を用いて落入が指示されている入球口24の位置を、例えば「右上の入球口を狙え」等の音声フレーズを出力するようにしてもよい。なお、以上の各提示装置を組み合わせて遊技者に落入が指示されている入球口24を報知することが効果的である。この場合、スピーカ18からは専用の効果音や音楽を出力するようにしてもよい。
また、報知専用の液晶や7セグメントの表示装置を遊技領域上に設け、落入させる入球口24の位置を報知するようにしてもよい。この場合、矢印表示等を用いて位置の報知を行うことができる。
報知動作を開始するにあたり、報知タイミング判定手段215は、報知の順番を示す内部フラグnを「n=1」とし(S58)、「n番目の入球口報知」を行う(S60)。例えば、図1において左の入球口24の報知を行う。
報知終了判定手段217は、報知した入球口24(この場合n=1番目)に所定数の遊技球が入賞したか否かの判断を入賞判定手段110からの入賞情報に基づいて判断する(S62)。ここで、所定数とは、例えば、「1個」でもよいし、所定複数個でもよい。もし、所定数の遊技球の落入が確認された場合(S62のY)、報知終了判定手段217は、報知すべき全入球口の報知が完了したか否かの判断を行う(S64)。もし、全入球口に報知が完了していない場合(S64のN)、報知の順番を示す内部フラグnを「n=n+1」(S66)、つまり、「n=2」としS60に戻り、2番目の入球口24(例えば、図1において右の入球口24)の報知を行う。
一方、S64において、報知終了判定手段217が報知すべき全入球口の報知が完了したと判断した場合(S64のY)、1セット目の入球口報知処理を終了し(S66)、払出制御手段200に報知遊技の成功を示す信号を送る。払出制御手段200は所定数の賞球、好ましくは、通常より多い賞球数であり、例えば15個の払い出し処理を払出ユニット46を用いて行う(S68)。そして、報知回数減算手段214は、報知回数決定手段212が決定した報知回数を1回減算する(S70)。さらに、報知終了判定手段217は報知回数の残数が「ゼロ」か否かの判断を行い(S72)、ゼロでない場合(S72のN)、情報報知決定手段210は、特別遊技移行判定手段141を介して、報知中に特別遊技への移行判定が当たりになったか否かを確認し(S74)、もし、報知処理中に移行判定に当たった場合(S74のY)、一度S42に移行する。この場合、S72において、報知処理中である登坂団されているため(S42のY)が選択され、S56に移行し、報知処理を再開し、S72で報知回数の残数が「ゼロ」になるまで前述の処理を繰り返す。また、S74において、報知処理中に移行判定に当たっていない場合(S74のN)、S56に移行し、次のセットの報知処理を開始して、前述の処理を繰り返す。
一方、S72において、報知終了判定手段217が報知回数残り「ゼロ」であると判断した場合(S72のY)、特別遊技判定実行手段140は、報知処理中に特別遊技への移行(当たり)が発生したか否かの判定を行い(S76)、特別遊技への移行が発生していない場合(S76のN)、次回の報知処理における報知回数の決定(S48)と報知タイミング回数の設定(S50)を行い、一連の報知処理を終了し、遊技が継続している場合、図4のS10に戻る。一方、S76において、報知処理中に特別遊技への移行(当たり)が発生した場合には(S76のY)、S44に移行し、特別遊技制御処理を行い、S46以降の処理を行う。つまり、本実施形態においては、報知処理中に特別遊技が発生した場合には、決定された回数の報知処理の終了を待って、特別遊技へ移行することになる。
また、S62において、報知したn番目の入球口24に入球が確認されない場合(S62のN)、所定の報知時間、例えば5秒が経過したか否かの判断を行い(S78)、経過していない場合(S78のN)、S60に戻り報知を継続する。一方、所定時間が経過した場合(S78のY)、今回の1セットの報知遊技が失敗したと判定し、賞球を行うことなくS70に移行し、それ以降の処理を実行する。
なお、S48で設定された報知回数は、遊技者に通知(例えば、図柄表示装置26等を用いた回数表示)するか否かは任意である。もし、報知回数を通知しない場合、遊技者に、報知の連続回数に関する期待感を提供することが可能になり遊技性の向上に寄与することができる。また、報知回数の通知を行う場合でも、報知回数を1回目から漸増表示することにより、報知がいつまで継続するか上述と同様な期待感を提供することができる。また、報知回数の総回数を通知する場合、その通知時の一喜一憂により遊技者の遊技への興趣を向上することができる。
このように、本実施形態のぱちんこ遊技機10においては、特別遊技への移行判定に所定回数以上外れた場合に、遊技球を落入させるべき入球口を順番に報知し、遊技者により報知された順番通りの入球口24に遊技球が落入された場合に、所定数の賞球を払い出すようにしている。つまり、特別遊技への移行がなかなか行われない時でも遊技者に、報知した入球口への落入を狙わせることにより、賞球を得る確率の高い新たな遊技形態を提供することが可能になり、遊技者の遊技に対する興趣が衰退することを抑制することができる。
また、特別遊技への移行が長い時間発生していないぱちんこ遊技機は、遊技者から敬遠されがちであり、遊技店にとってぱちんこ遊技機の稼働率低下の原因の一つにもなっていた。しかし、本実施形態で説明したように、特別遊技への移行が長い時間発生していないことを契機に、所定数の賞球数(好ましくは通常より多い賞球)を得られる別遊技の発生を遊技者に報知すると共に、遊技の成功に導くような報知を行うことにより、遊技者は、長時間特別遊技が発生しておらず、放置されているぱちんこ遊技機においても通常とは異なる形態の遊技により賞球を得る機会を得ることができる。従って、このような放置されているぱちんこ遊技機であっても遊技者にその遊技機での遊技をしてみようという意識を喚起することができる。その結果、遊技店におけるぱちんこ遊技機10の稼働率向上に寄与することができる。
なお、上述の実施形態においては、報知を伴う別遊技の最中に特別遊技へ移行する条件が揃った場合、つまり大当たりになった場合、予め設定された報知回数が終了するのを待って、特別遊技へ移行する例を説明したが、特別遊技へ移行する条件が揃った時点で、特別遊技へ移行し、特別遊技の終了後、中断され残っていた報知処理を行うようにしてもよい。また、特別遊技へ移行する条件が揃った時点で、報知処理を終了してもよい。
また、上述の実施形態では、報知を伴う別遊技の発生の契機を、特別遊技への移行が行われない回数をカウントして、そのカウント値が報知タイミング判定手段215が設定した所定回数に達した場合として説明したが、例えば、特別遊技への移行に関わらず、特別遊技への移行判定を行った回数をカウントし、そのカウント値が所定回数以上になった場合に、報知を伴う別遊技が発生するようにしてもよい。この場合、例えば、報知タイミング判定手段215が500回を設定し、350カウント目で特別遊技へ移行した場合、特別遊技終了後に351からカウントを再開し、500カウントに達したら別遊技を発生させることになる。この場合、図5のフローチャートのS46の判定が省略され、S52のカウントが継続されてもよいし、これまでカウントしてきたカウント値を維持したまま、S46の判断を行い、特別遊技終了後に報知タイミング判定手段215により新たな報知タイミングを設定してもよい。例えば、今まで500回を基準にカウントを行っており、350回で特別遊技が発生した場合、残り150回で別遊技が発生するところを、当初の500回を600回に変更設定してもよい。
なお、図1、図2に示すぱちんこ遊技機の外観的構成や図3に示す構成ブロック、さらに、図4〜図6に示すフローチャートは一例であり、任意に変更可能であり、特別遊技への移行が長い時間発生していないことを認識したときに、別遊技の発生を遊技者に報知する機能を有するものであれば、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
10 ぱちんこ遊技機、24 入球口、28 始動口、100 遊技制御装置、110 入賞判定手段、120 当たり判定手段、130 図柄決定手段、140 特別遊技判定実行手段、141 特別遊技移行判定手段、142 サイクル遊技実行手段、143 特別遊技終了判定手段、144 回数取得手段、150 大入賞口開閉制御手段、160 入賞口開閉制御手段、170 表示制御手段、171 図柄変動制御手段、172 遊技効果ランプ制御手段、173 報知情報表示制御手段、180 保留球数管理手段、190 音声制御手段、200 払出制御手段、210 情報報知決定手段、211 報知回数設定手段、212 報知回数決定手段、213 報知順序決定手段、214 報知回数減算手段、215 報知タイミング判定手段、216 基準回数格納手段、217 報知終了判定手段。