以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、演出図柄表示装置104で複数の図柄の変動表示を行うパチンコ機1に適用している。
(遊技機の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機1の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、矩形状の枠本体2、枠本体2の正面側に配設され開閉可能に構成された前枠3、前枠3の正面側上部に配設され開閉可能に構成された前扉4、前枠3の正面側下部に配設された受皿ユニット5、及び前枠3の正面側上部であって受皿ユニット5の右側に配設された発射ハンドル6を備えている。
また、前枠3と前扉4との間には、遊技盤7(図2参照)が配設されている。
前扉4は、遊技盤7の正面側に配設され遊技盤面10(図2参照)を視認可能とする透明板4a、及び透明板4aの周囲に配設された装飾部4bを有している。
また、装飾部4bの上部には、装飾部4bの内部に配設されたスピーカ155(図3参照)が出力する音声を通過させるための複数の音抜孔4cが設けられている。
受皿ユニット5は、遊技球(貸し球、払出球)を受ける受皿5a、及び受皿5aの正面側に配設された演出ボタン5b(広義には「操作手段」)を有している。
演出ボタン5bは、遊技者によって押し込み操作が可能に構成されている。そして、演出ボタン5bは、遊技者によって押し込み操作が行われると、押し込み操作が行われたことを示す操作信号を後述する演出制御装置500(図3参照)に出力する。これにより、後述するように、演出制御装置500が、演出ボタン5bから操作信号が出力されると、出力対象となる後述するBGM楽曲の変更を行う。
(遊技盤面の構成)
次に、パチンコ機1の遊技盤面10の構成を説明する。
図2は、パチンコ機1の遊技盤面10の構成を示す正面図である。
図2に示すように、遊技盤面10には、遊技球の発射路20を構成する外レール21及び内レール22が設けられている。遊技盤面10では、外レール21及び内レール22によって囲まれた円形状の領域が、遊技球を転動させる遊技領域30となっている。
遊技領域30の中央部には、役物装置100が配設されている。役物装置100の内側には、中央転動経路31が構成されている。また、遊技領域30の左側には、左側転動経路32が構成され、遊技領域30の右側には、右側転動経路33が構成されている。
役物装置100の左上側には、流入口102が配設されている。流入口102は、左向きに開口したゲートであり、左側転動経路32を流下する遊技球が常時通過可能な状態となっている。本実施形態のパチンコ機1では、流入口102が左向きに開口していることにより、遊技球が流入口102を通過し難いものとなっている。流入口102を通過した遊技球は、役物装置100内の中央転動経路31に誘導される。
役物装置100の略中央部には、演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置104(広義には「演出手段」)が設けられている。演出図柄表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイ、ドットマトリクスLED等の可変表示装置によって構成される。
演出図柄表示装置104は、演出図柄の変動表示及び停止表示を互いに独立して行うことが可能な3つの表示領域Rを有している。演出図柄は、数字及び図柄を含んで構成される。演出図柄の変動表示とは、3つの表示領域Rのそれぞれにおいて、複数種類の演出図柄をスクロールさせた状態を表示することをいう。また、演出図柄の停止表示とは、3つの表示領域Rのそれぞれにおいて、演出図柄を停止させた状態を表示することをいう。そして、演出図柄表示装置104は、3つの表示領域Rで停止表示された演出図柄の組み合わせによって特別図柄抽選の抽選結果を表示する。特別図柄抽選とは、遊技者に有利な遊技状態である特賞状態を生起させるか否かの抽選(判定)である。
役物装置100の下方には、第一始動入賞口210(広義には「入賞口」)が配設されている。第一始動入賞口210は、上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)であり、中央転動経路31を流下した遊技球が常時入賞可能な状態となっている。本実施形態のパチンコ機1では、遊技球が中央転動経路31に流入し難いものとなっているところ、中央転動経路31を流下した遊技球のみが第一始動入賞口210に入賞可能な構成としたことにより、遊技球が第一始動入賞口210に遊技球が入賞し難いものとなっている。第一始動入賞口210に入賞した遊技球は、パチンコ機1内の図示しない所定領域に誘導される。この所定領域には、始動入賞口スイッチ310(図3参照)が配設されている。始動入賞口スイッチ310は、遊技球が所定領域を通過したことを検出すると、遊技球が通過したことを示す検出信号を後述する主制御装置400(図3参照)に出力する。これにより、主制御装置400が、始動入賞口スイッチ310から検出信号が出力されると、特別図柄抽選を実行する。特別図柄抽選とは、特賞状態を生起するか否かの抽選である。
右側転動経路33の上下方向の中央部には、始動ゲート230が配設されている。始動ゲート230は、上向きに開口したゲートであり、右側転動経路33を流下する遊技球が常時通過可能な状態となっている。始動ゲート230の内部には、始動ゲートスイッチ311(図3参照)が配設されている。そして、始動ゲートスイッチ311は、遊技球が始動ゲート230を通過したことを検出すると、遊技球が通過したことを示す検出信号を主制御装置400に出力する。これにより、主制御装置400が、始動ゲートスイッチ311から検出信号が出力されると、普通図柄抽選を実行する。普通図柄抽選とは、後述する第二始動入賞口221を開放状態にするか否かの抽選である。
始動ゲート230の下方には、普通電動役物220が配設されている。普通電動役物220は、上向きに開口した第二始動入賞口221(広義には「入賞口」)、及び第二始動入賞口221を開閉可能な開閉部材222を有する可変入賞装置(いわゆる電動チューリップ)となっている。開閉部材222は、始動入賞口ソレノイド320(図3参照)によって開閉される。そして、普通電動役物220は、普通図柄抽選に当選していない場合(通常時)には、第二始動入賞口221が開閉部材222で閉止状態とされ、遊技球が第二始動入賞口221に入賞不可能な状態とされる。一方、普通電動役物220は、普通図柄抽選に当選した場合には、第二始動入賞口221が開閉部材222で所定パターンで開放状態とされ、遊技球が第二始動入賞口221に入賞可能な状態とされる。第二始動入賞口221に入賞した遊技球は、第一始動入賞口210に入賞した遊技球と同様に、所定領域に誘導される。そして、第二始動入賞口221に入賞した遊技球は、所定領域に配設されている始動入賞口スイッチ310で検出され、特別図柄抽選の契機を与える。
すなわち、本実施形態では、始動入賞口スイッチ310は、第一始動入賞口210及び第二始動入賞口221への遊技球の入賞を検出して、特別図柄抽選の契機を与える。なお、第一始動入賞口210への遊技球の入賞を検出するスイッチ及び第二始動入賞口221への遊技球の入賞を検出するスイッチを、それぞれ別個に設けて、それぞれのスイッチによる遊技球の検出に応じて抽選を実行する構成としても構わない。
第二始動入賞口221の下方には、特別電動役物240が配設されている。特別電動役物240は、上向きに開口した大入賞口241、及び大入賞口241を開閉可能な開閉部材242を有する可変入賞装置(いわゆるアタッカー)となっている。開閉部材242は、大入賞口ソレノイド321(図3参照)によって開閉される。そして、特別電動役物240は、特賞状態が生起されていない場合(通常時)には、大入賞口241が開閉部材242で閉止状態とされ、遊技球が大入賞口241に入賞不可能な状態とされる。一方、特別電動役物240は、特賞状態が生起された場合には、大入賞口241が開閉部材242で所定パターンで開放状態とされ、遊技球が大入賞口241に入賞可能な状態とされる。大入賞口241の開放動作は、特賞状態の生起後所定時間(例えば、30[sec])経過するか、大入賞口241に所定数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで(1ラウンド)継続される。また、所定ラウンド数(例えば、15ラウンド)繰り返される。
大入賞口241の内部には、大入賞口スイッチ313(図3参照)が配設されている。大入賞口スイッチ313は、遊技球が大入賞口241に入賞したことを検出すると、遊技球が入賞したことを示す検出信号を主制御装置400に出力する。これにより、主制御装置400が、大入賞口スイッチ313から検出信号が出力されると賞球を払い出すための処理を実行する。賞球としては、入賞した遊技球数に応じた数が払い出される。
大入賞口241の下方、つまり、右側転動経路33の下部には、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bが配設されている。右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bは、それぞれ、上向きに開口した入賞口であり、右側転動経路33を流下してきた遊技球が常時入賞可能な状態となっている。右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bの内部には、右一般入賞口スイッチ315(図3参照)が配設されている。右一般入賞口スイッチ315は、遊技球が右中一般入賞口260aまたは右下一般入賞口260bに入賞したことを検出すると、検出信号を主制御装置400に出力する。これにより、主制御装置400が、右一般入賞口スイッチ315から検出信号が出力されると、賞球を払い出すための処理を実行する。賞球としては、右中一般入賞口260aや右下一般入賞口260bに入賞した遊技球数に応じた数が払い出される。
左側転動経路32の上下方向中央部には、BGM演出用装置120が配設されている。BGM演出用装置120は、選択BGM表示装置121(広義には「表示手段」)、及びBGM出力開始ゲート122(広義には「ゲート」)を有している。
選択BGM表示装置121は、左側転動経路32の左端に沿って配設されている。選択BGM表示装置121の正面側には、複数の表示部123が配設されている。複数の表示部123のそれぞれは、上下方向に沿って並べられ、互いに異なるBGM楽曲の曲名が描かれている。BGM楽曲とは、特賞状態が生起していない場合、または特賞状態が5回連続で生起された場合に出力可能な音楽である。本実施形態では、出力可能なBGM楽曲の総数は11曲とする。また、BGM楽曲のそれぞれには、曲を指定するためのユニークな番号(以下、「曲番号」と呼ぶ)として、1〜11(つまり、BGM楽曲の総数)のいずれかの番号が対応付けられる。複数の表示部123のそれぞれには、上側にあるものから順に、曲番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11が対応付けられ、対応付けられた曲番号のBGM楽曲の曲名が描かれている。これにより、選択BGM表示装置121には、出力可能なBGM楽曲の曲名が上下方向に沿うように並べられて表示される。表示部123の素材としては、背面側から光が照射された場合に、表示部123全体に光が拡散され、表示部が123全体が明るくなる半透明な部材を採用する。
また、複数の表示部123それぞれの背面側には、ランプ154(図3参照)が1つずつ配設されている。そして、ランプ154は、後述するランプ制御装置502が出力する制御信号に従って、正面方向に光を発射する。これにより、ランプ154が、複数の表示部123それぞれの背面側に光を個別に照射可能なものとされる。それゆえ、複数の表示部123のうちの1つの表示部123の背面側に光を照射させ、残りの表示部123の背面側に光を照射させないことで、光が照射された1つの表示部123のみを照らし、表示部123に描かれている曲名が選択されたように表示することが可能とされる。
BGM出力開始ゲート122は、上向きに開口したゲートであり、左側転動経路32を流下する遊技球が常時通過可能な状態となっている。ここで、BGM出力開始ゲート122の上方の釘nは、左側転動経路32を流下する遊技球がBGM出力開始ゲート122に誘導されるように配設されている。それゆえ、BGM出力開始ゲート122には、左側転動経路32を流下する遊技球が高い確率で通過する。BGM出力開始ゲート122の内部には、BGM開始スイッチ317(広義には「検出手段」)(図3参照)が配設されている。BGM開始スイッチ317は、遊技球がBGM出力開始ゲート122を通過したことを検出すると、遊技球が通過したことを示す検出信号を主制御装置400に出力する。これにより、主制御装置400が、BGM開始スイッチ317から検出信号が出力されると、BGM楽曲の出力を開始させる処理を実行する。なお、BGM出力開始ゲート122に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しや特賞状態の生起等は行われない。そのため、BGM出力開始ゲート122を設けても、パチンコホールに経済的な不利益は生じない。
また、選択BGM表示装置121の外形とBGM出力開始ゲート122の外形とは、樹脂で一体成形されている。それゆえ、選択BGM表示装置121とBGM出力開始ゲート122との間に関係性があることを、遊技者に容易に認識させることができる。これにより、BGM出力開始ゲート122に遊技球が入賞することで、表示部123で強調表示されているBGM楽曲の出力が開始されることを遊技者が直感的に理解できる。
BGM出力開始ゲート122の下方、つまり、左側転動経路32の下部には、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bが配設されている。左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bは、それぞれ、上向きに開口した入賞口であり、左側転動経路32を流下してきた遊技球が常時入賞可能な状態となっている。左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bの内部には、左一般入賞口スイッチ314(図3参照)が配設されている。左一般入賞口スイッチ314は、遊技球が左中一般入賞口250aまたは左下一般入賞口250bに入賞したことを検出すると、検出信号を主制御装置400に出力する。これにより、主制御装置400が、左一般入賞口スイッチ314から検出信号が出力されると、賞球を払い出すための処理を実行する。賞球としては、左中一般入賞口250aや左下一般入賞口250bに入賞した遊技球数に応じた数が払い出される。
遊技領域30の最下部には、アウト口270が配設されている。アウト口270は、正面向きに開口しており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する。
また、左側転動経路32の左方には、パチンコ機1の遊技状態を表示する遊技状態表示装置280が配設されている。遊技状態表示装置280は、LEDランプ、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。遊技状態表示装置280は、特別図柄表示部281、及び普通図柄表示部282を有している。
特別図柄表示部281は、特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能な構成となっている。特別図柄は、数字や図柄を含んで構成される。そして、特別図柄表示部281は、特別図柄抽選が実行された場合、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄抽選の結果に応じた態様によって特別図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示部282は、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能な構成となっている。普通図柄は、数字や図柄を含んで構成される。そして、普通図柄表示部282は、普通図柄抽選が実行された場合、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄抽選の結果に応じた態様によって普通図柄の停止表示を行う。
また、遊技状態表示装置280には、特賞状態の生起の有無、特賞状態のラウンド数、普通図柄抽選の保留数、時短状態の生起の有無、時短状態の時短回数等が表示される。
また、パチンコ機1には、発射装置(図示せず)が配設されている。発射装置は、遊技者によって発射ハンドル6の操作が行われると、遊技球を発射路20に発射する。これにより、発射された遊技球は、発射路20を介して遊技領域30に打ち出される。
なお、遊技領域30には、第一始動入賞口210、第二始動入賞口221、始動ゲート230、大入賞口241、BGM出力開始ゲート122等に向かって遊技球が誘導されるように、複数の釘nが配設されている。
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1の内部構成を説明する。
図3は、パチンコ機1の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、始動入賞口スイッチ310、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314、右一般入賞口スイッチ315、及びBGM開始スイッチ317を備えている。
始動入賞口スイッチ310は、第一始動入賞口210及び第二始動入賞口221への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。
始動ゲートスイッチ311は、始動ゲート230への遊技球の通過を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。
大入賞口スイッチ313は、大入賞口241への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。
左一般入賞口スイッチ314は、左中一般入賞口250a及び左下一般入賞口250bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。
右一般入賞口スイッチ315は、右中一般入賞口260a及び右下一般入賞口260bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。
BGM開始スイッチ317は、BGM開始スイッチ317への遊技球の通過を検出し、検出信号を主制御装置400に出力する。
また、パチンコ機1は、主制御装置400(広義には「抽選手段」「生起手段」)、演出制御装置500(広義には「演出手段」「出力手段」「選択手段」)、表示制御装置501(広義には「演出手段」)、ランプ制御装置502、音響制御装置503(広義には「出力手段」)、及び役物制御装置504を備えている。主制御装置400及び演出制御装置500は、不正行為防止等のため、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置400から演出制御装置500への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御装置400は、主として、始動入賞口スイッチ310からの検出信号の入力に応じて、各種の乱数カウンタから乱数を取得する。そして、主制御装置400は、取得した各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置400は、遊技状態表示装置280、賞球払出制御装置350、始動入賞口ソレノイド320、及び大入賞口ソレノイド321を直接制御(ポート出力制御)する。
主制御装置400は、CPU410、ROM420、RAM430、入力ポート440、及び出力ポート450を備えている。
入力ポート440は、始動入賞口スイッチ310、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314、右一般入賞口スイッチ315及びBGM開始スイッチ317のそれぞれから出力された検出信号をCPU410に出力する。
出力ポート450は、演出制御装置500、遊技状態表示装置280及び賞球払出制御装置350のそれぞれに制御コマンドを出力するとともに、始動入賞口ソレノイド320及び大入賞口ソレノイド321のそれぞれに制御信号を出力する。また、出力ポート450は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号等をホールコンピュータ800に出力する。
ROM420には、主制御装置400で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、及び遊技制御用のデータ等が記憶されている。
RAM430には、主制御装置400に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、及び抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等が一時的に記憶される。
CPU410は、入力ポート440から入力された検出信号に応じて、ROM420に記憶されているプログラムに従った処理を実行する。
また、主制御装置400には電源供給を行うための電源回路900が接続されている。
演出制御装置500は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、及び出力ポートを備えている。
演出制御装置500のROMには、演出制御装置500で実行される演出を制御するためのプログラム、及び各種データ等が記憶されている。
演出制御装置500のRAMには、主制御装置400から入力された制御コマンド、及び演算処理のためのデータ等が一時的に記憶される。
演出制御装置500のCPUは、主制御装置400から送信された制御コマンド、演出ボタン5bから出力された操作信号に応じて、ROMに記憶されているプログラムに従った処理を実行する。そして、演出制御装置500のCPUは、制御コマンドに応じて実行する演出を決定し、決定した演出及び操作信号に応じた演出制御コマンドを生成して送信する。これにより、表示制御装置501、ランプ制御装置502、音響制御装置503及び役物制御装置504のそれぞれが制御される。
表示制御装置501は、CPU、ROM、RAM、画像処理用VDP(Video Display Processor)、入力ポート、及び出力ポートを備えている。
表示制御装置501のROMには、演出図柄表示装置104で演出表示を行うためのプログラム、及び各種画像データ等が記憶されている。
表示制御装置501のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
表示制御装置501のCPUは、演出制御装置500から送信された演出制御コマンド(以下、「表示制御コマンド」と呼ぶ)に応じて、ROMに記憶されているプログラムに従った処理を実行する。そして、表示制御装置501は、表示制御コマンドが指定する画像データをROMから読み出し、読み出した画像データをVDPに出力する。
画像処理用VDPは、CPUからの出力指示に従って、出力ポートを介して演出図柄表示装置104に画像データを出力する。これにより、表示制御コマンドが指定する画像データが演出図柄表示装置104に表示され、演出表示が行われる。
ランプ制御装置502は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、及び出力ポートを備えている。
ランプ制御装置502のROMには、ランプ154でランプ演出を行うためのプログラム、及び各種演出データ等が記憶されている。
ランプ制御装置502のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
ランプ制御装置502のCPUは、演出制御装置500から送信された演出制御コマンド(以下、「ランプ制御コマンド」と呼ぶ)に応じて、ROMに記憶されているプログラムに従った処理を実行する。そして、ランプ制御装置502のCPUは、ランプ制御コマンドが指定するランプ演出に対応する制御データをROMから読み出し、読み出した制御データに基づいてランプ154の点灯、消灯等を行う。これにより、ランプ制御コマンドが指定するランプ154のみが点灯され、他のランプ154が消灯される。
音響制御装置503は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、及び出力ポートを備えている。
音響制御装置503のROMには、スピーカ155(広義には「出力手段」)で音響演出を行うためのプログラム及び各種音響データ(効果音、BGM楽曲、及び変動演出用楽曲等)が記憶されている。変動演出用楽曲とは、演出の実行中、演出図柄表示装置104で演出図柄の変動表示が行われているときにスピーカ155から出力される音楽である。
音響制御装置503のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
音響制御装置503のCPUは、演出制御装置500から送信された演出制御コマンド(以下、「音響制御コマンド」と呼ぶ)に応じて、ROMに記憶されているプログラムに従った処理を実行する。そして、音響制御装置503のCPUは、音響制御コマンドが指定する音響演出に対応する音響データをROMから読み出し、読み出した音響データの出力(再生)をスピーカ155に開始させる。具体的には、音響制御装置503のCPUは、演出制御装置500からBGM楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを受信すると、音響制御コマンドが指定するBGM楽曲の音響データをROMから読み出し、読み出した音響データの出力をスピーカ155に開始させる。音響データの出力は、常に楽曲の最初から開始されるものとする。また、音響制御装置503のCPUは、演出制御装置500からBGM楽曲の出力の終了を指定する音響制御コマンドを受信すると、スピーカ155によるBGM楽曲の出力を終了する。さらに、音響制御装置503は、演出制御装置500から変動演出用楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを受信すると、音響制御コマンドが指定する変動演出用楽曲の音響データをROMから読み出し、読み出した音響データの出力(再生)をスピーカ155に開始させる。また、音響制御装置503のCPUは、演出制御装置500から変動演出用楽曲の出力の終了を指定する音響制御コマンドを受信すると、スピーカ155による変動演出用楽曲の出力を終了する。
また、音響制御装置503のCPUは、遊技状態として特賞状態が生起されると、特賞状態の演出のための音響データ(音楽)の出力をスピーカ155に開始させる。
役物制御装置504は、役物装置100の動作を制御する。具体的には、役物制御装置504は、演出制御装置500から送信される演出制御コマンドに応じて、演出制御コマンドが指定する役物装置100の動作パターンに対応する制御データをROMから読み出し、読み出した制御データに基づいて役物装置100を動作させる。
(特別図柄抽選について)
次に、特別図柄抽選に当選すると生起される特賞状態について説明する。
図4は、規定されている特賞状態の種別を示す図である。
図4に示すように、特賞状態としては、通常大当たり、確変1大当たり、確変2大当たり、確変3大当たり、及び小当たりの5つが規定されている。
通常大当たりに当選した場合には、特別図柄表示部281は、遊技状態を時短状態にすることに対応した時短図柄で特別図柄を停止表示させる。また、演出図柄表示装置104は、遊技状態を時短状態にすることに対応した時短図柄で演出図柄を停止表示させる。演出図柄を時短図柄で停止表示させる場合、例えば、演出図柄表示装置104の3つの表示領域Rにおいて、「222」、「444」等の偶数の同一の数字が揃う組み合わせで演出図柄を停止表示させる。また、通常大当たりに当選した場合には、特賞状態の生起中における大入賞口241の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が15回に設定され、特賞状態の終了後の100回の抽選において、時短作動状態に設定される。さらに、通常大当たりに当選した場合には、特賞状態の終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
確変1大当たりに当選した場合には、特別図柄表示部281は、特別図柄を確変1図柄で停止表示させる。また、演出図柄表示装置104は、演出図柄を確変1図柄で停止表示させる。演出図柄を確変1図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置104の3つの表示領域Rにおいて、「111」、「333」等の奇数の同一の数字が揃う組み合わせで演出図柄を停止表示させる。また、確変1大当たりに当選した場合には、ラウンドの最高継続回数が15回に設定され、特賞状態の終了後において、時短作動状態に設定される。さらに、確変1大当たりに当選した場合には、特賞状態の終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
確変2大当たりに当選した場合には、特別図柄表示部281は、特別図柄を確変2図柄で停止表示させる。また、演出図柄表示装置104は、演出図柄を確変2図柄で停止表示させる。さらに、確変2大当たりに当選した場合には、ラウンドの最高継続回数が2回に設定され、特賞状態の終了後において、時短作動状態に設定される。さらに、確変2大当たりに当選した場合には、特賞状態の終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
確変3大当たりに当選した場合には、特別図柄表示部281は、特別図柄を確変3図柄で停止表示させる。また、演出図柄表示装置104は、演出図柄を確変3図柄で停止表示させる。さらに、確変3大当たりに当選した場合には、ラウンドの最高継続回数が2回に設定される。また、確変3大当たりに当選した場合には、特賞状態の生起中(具体的には、特別図柄抽選に当選したことを通知する図柄変動パターンによる変動表示が開始された時点)に時短未作動状態である場合は、特賞状態の終了後において、時短未作動状態に設定され、特賞状態の生起中に時短作動状態である場合は、特賞状態の終了後において、時短作動状態を継続させる(時短継続制御)ように制御される。さらに、確変3大当たりに当選した場合には、特賞状態の終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
なお、確変2大当たり及び確変3大当たりでは、1ラウンドの期間(大入賞口241の開放時間)が通常大当たりと比較して短く(例えば、数ms程度)、ラウンドの最高継続回数も2回しかない。それゆえ、特賞状態が生起されずに確率変動状態に突然移行したかのように感じさせることができ、遊技者に意外性を与えることができる。
小当たりに当選した場合には、特別図柄表示部281は、特別図柄を小当たり図柄で停止表示させる。また、演出図柄表示装置104は、演出図柄を小当たり図柄で停止表示させる。演出図柄表示装置104で停止表示される確変3図柄及び小当たり図柄は、1又は複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、小当たりに当選した場合には、ラウンドの最高継続回数が2回に設定され、小当たり状態の終了後において、時短機能の作動、未作動が変化しないように制御される。さらに、小当たりに当選した場合には、小当たり状態の終了後の遊技状態が、小当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
なお、特賞状態の種別は、上記した種別に限られるものではなく、他の種別を備える構成としてもよい。また、上記した特賞状態の種別を全て備える必要はなく、遊技機の特性に応じて、各特賞状態の種別を個々に組み合わせて構成してもよい。
(制御コマンドについて)
次に、主制御装置400から演出制御装置500に出力される制御コマンドの構造及び内容を説明する。
図5は、制御コマンドのデータ構造を示す図である。
図5に示すように、制御コマンドは、制御コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタルデータであるモード(MODE)、及び実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタルデータであるイベント(EVENT)からなる。
図6は、制御コマンドの入出力タイミングを示すタイミングチャートである。
図6に示すように、主制御装置400は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)データを出力し、次いで、ストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)データを出力する。これに対応して、演出制御装置500は、演出制御装置500のCPUにより、ストローブ信号(DUSTB)の入力に応じて割込を発生し、割込処理によって制御コマンドが演出制御装置500のRAMに格納される。
図7は、主制御装置400から演出制御装置500に出力される制御コマンドの内容を示す図である。
図7に示すように、制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンド、客待ちコマンド、及び通過スイッチコマンド等がある。
図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104の3つの表示領域Rのそれぞれにおいて、停止表示される演出図柄の組み合わせを指定するコマンドである。具体的には、図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104に停止表示させる演出図柄として、はずれ演出図柄、時短図柄、確変1図柄、確変2図柄、確変3図柄及び小当たり図柄のいずれかを指定する。図柄指定コマンドの出力は、演出図柄の変動開始時に行われる。なお、演出図柄の変動開始時は、特別図柄の変動開始時とほぼ一致している。
変動パターンコマンドは、演出図柄表示装置104の3つの表示領域Rのそれぞれにおいて、変動表示される演出図柄の変動パターンとして、n(n=1〜104)種類の変動パターンのうちいずれかを指定するためのコマンドである。変動パターンコマンドの出力は、図柄指定コマンドとともに、演出図柄の変動開始時に行われる。
なお、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとは、どちらを先に出力する構成としてもよい。しかしながら、演出制御装置500では、図柄指定コマンドの受信を契機として演出に関わる様々な抽選を実行することが好ましい。したがって、図柄指定コマンドを、変動パターンコマンドより先に出力する構成とすることが望ましい。これにより、演出制御装置500において、変動パターンの選択決定等の制御を行う前に演出に関わる抽選を実行することができ、制御負担を大幅に軽減することができる。
演出開始コマンドは、m(m=1〜95)種類の15R当たり(通常大当たり、確変1大当たり)の演出開始、確変2大当たりの演出開始、確変3大当たりの演出開始及び小当たりの演出開始のそれぞれ(特賞状態の演出開始)を指定するためのコマンドである。演出開始コマンドの出力は、通常大当たり、確変1大当たり、確変2大当たり、確変3大当たり及び小当たりの開始時(特賞状態の開始時)に行われる。
状態指定コマンドは、時短の終了及び開始のそれぞれを指定するためのコマンドである。状態指定コマンドの出力は、時短の終了時及び時短の開始時のそれぞれで行われる。
客待ちコマンドは、客待ちデモ演出の開始を指定するためのコマンドである。客待ちデモ演出としては、演出図柄表示装置104による遊技方法の説明等がある。客待ちコマンドの出力は、パチンコ機1への電源投入時、演出図柄表示装置104によって演出図柄がはずれ演出図柄の組合せで停止表示された時、及び特賞状態の終了時に行われる。
通過スイッチコマンドは、BGM楽曲の出力の開始を指定するためのコマンドである。通過スイッチコマンドの出力は、BGM出力開始ゲート122への遊技球の入賞時(つまり、BGM開始スイッチ317からの検出信号の出力時)に行われる。
次に、主制御装置400で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU410は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクル(例えば、2[ms])を実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作する。遊技制御プログラムでは、ROM420の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、図8のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
図8は、主制御装置400が実行する遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU410において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、主制御装置400は、遊技者の利益に直接影響する出玉の決定等に関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数等更新処理を実行する。出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、特賞状態を生起させるか否かの特別図柄抽選に用いる乱数(当たり決定乱数)、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等がある。
続いてステップS102に移行して、主制御装置400は、演出にのみ関わり、出玉の決定等に関わらない演出制御用乱数を更新する演出制御用乱数更新処理を実行する。
続いてステップS104に移行して、主制御装置400は、入力ポート440を介して、各スイッチ(つまり、始動入賞口スイッチ310、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314、右一般入賞口スイッチ315、及びBGM開始スイッチ317)からの信号を入力する入力処理を実行する。
続いてステップS106に移行して、主制御装置400は、特別図柄抽選を行い、抽選結果に基づいて演出図柄の変動パターンを決定する変動設定処理を実行する。
続いてステップS108に移行して、主制御装置400は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて、大入賞口241を所定パターンで開放させる電動役物制御処理を実行する。
続いてステップS110に移行して、主制御装置400は、賞球払出制御装置350に賞球の払い出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM430の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行する。
続いてステップS112に移行して、主制御装置400は、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ800に出力する外部情報出力処理を実行する。
続いてステップS114に移行して、主制御装置400は、パチンコ機1の検査に必要な遊技機検査信号をホールコンピュータ800に出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。なお、場合によっては、ステップS114の処理は省略することもできる。
続いてステップS116に移行して、主制御装置400は、出力ポート450を介して、RAM430に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行した後、この遊技制御処理を終了して元の演算処理に復帰する。ポート出力処理では、主制御装置400は、演出制御装置500に演出制御コマンドを出力する。なお、演出制御装置500に対しては、制御コマンドを出力する前に、ストローブ信号を出力する。また、ポート出力処理では、遊技状態表示装置280、始動入賞口ソレノイド320、大入賞口ソレノイド321、賞球払出制御装置350等へも制御コマンドや制御信号を出力する。
次に、演出制御装置500で実行される演出制御処理を説明する。
演出制御装置500のCPUは、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な演出制御プログラムに基づいて動作する。演出制御プログラムでは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、図9のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図9は、演出制御装置500が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置500のCPUにおいて実行されると、図9に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、演出制御装置500は、主制御装置400から送信される変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行する。続いて、演出制御装置500は、受信した変動パターンコマンドに対応する表示制御コマンド(以下、「変動パターン表示コマンド」と呼ぶ)を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御装置501に送信する。その際、演出制御装置500は、演出図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンを示す変動パターン表示コマンドを生成する。これにより、表示制御装置501が、変動パターン表示コマンドを受信すると、変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄の変動表示を開始させる。
続いてステップS302に移行して、演出制御装置500は、主制御装置400から送信される図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行する。続いて、演出制御装置500は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、「停止図柄表示コマンド」と呼ぶ)を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御装置501に送信する。これにより、表示制御装置501が、変動表示を終了させ、停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで演出図柄を停止表示させる。
続いてステップS304に移行して、演出制御装置500は、主制御装置400から送信される演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行した後、この演出制御処理を終了して元の処理に復帰する。これにより、演出制御装置500が、演出開始コマンドを受信すると、演出開始コマンドに応じて特賞状態の演出が実行される。
次に、演出制御装置500で実行される曲選択処理を説明する。
演出制御装置500のCPUは、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な曲制御プログラムに基づいて動作する。曲制御プログラムでは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ図10のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図10は、演出制御装置500が実行するBGM楽曲出力処理を示すフローチャートである。
BGM楽曲出力処理は、演出制御装置500のCPUにおいて実行されると、図10に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、演出制御装置500は、主制御装置400から客待ち開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、主制御装置400から客待ち開始コマンドを受信したと判定した場合には(Yes)ステップS402に移行する。一方、演出制御装置500は、主制御装置400から客待ち開始コマンドを受信していないと判定した場合には(No)ステップS404に移行する。
前記ステップS402では、演出制御装置500は、遊技者による演出ボタン5bの押し込み操作による、出力対象となるBGM楽曲の変更操作が可能(有効)な状態であるか否かを表すフラグ(以下、「第1フラグ」と呼ぶ)を「1」のセット状態とした後、このBGM楽曲出力処理を終了して元の演算処理に復帰する。出力対象となるBGM楽曲とは、現在出力されているBGM楽曲、または遊技球がBGM出力開始ゲート122を通過したことに起因して将来出力されるBGM楽曲である。セット状態とは、演出ボタン5bの押し込み操作によるBGM楽曲の変更操作が可能であることを表す状態である。なお、第1フラグは、パチンコ機1の電源が投入された直後に初期化されて「0」に設定される。
一方、前記ステップS404では、演出制御装置500は、主制御装置400から演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、主制御装置400から演出開始コマンドを受信したと判定した場合には(Yes)ステップS406に移行する。一方、演出制御装置500は、主制御装置400から演出開始コマンドを受信していないと判定した場合には(No)ステップS410に移行する。
前記ステップS406(広義には「出力手段」)では、演出制御装置500は、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したと判定した場合には(Yes)ステップS408に移行する。一方、演出制御装置500は、特別図柄抽選に連続して当選した回数が5回未満であると判定した場合には(No)このBGM楽曲出力処理を終了して元の演算処理に復帰する。
前記ステップS408では、演出制御装置500は、第1フラグを「1」のセット状態、つまり、演出ボタン5bの押し込み操作によるBGM楽曲の変更操作が可能であることを表す状態とする。続いて、演出制御装置500は、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したか否かを表すフラグ(以下「第2フラグ」と呼ぶ)を「1」のセット状態とした後、このBGM楽曲出力処理を終了して元の演算処理に復帰する。セット状態とは、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したことを表す状態である。なお、第2フラグは、パチンコ機1に電源が投入された直後、及び特別図柄抽選に落選した場合に「0」とされる。
前記ステップS410では、演出制御装置500は、主制御装置400から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、主制御装置400から変動開始コマンドを受信したと判定した場合には(Yes)ステップS412に移行する。一方、演出制御装置500は、主制御装置400から変動開始コマンドを受信していないと判定した場合には(No)ステップS418に移行する。
前記ステップS412では、演出制御装置500は、第1フラグをクリア状態として「0」にする。クリア状態とは、演出ボタン5bの押し込み操作によるBGM楽曲の変更操作が不可能(無効)であることを表す状態である。
続いてステップS414(広義には「出力手段」)に移行して、演出制御装置500は、BGM楽曲の出力の終了を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する。BGM楽曲を出力していない場合には、音響制御コマンドの出力は省略する。
続いてステップS416(広義には「出力手段」)に移行して、演出制御装置500は、変動演出用楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する。続いて、演出制御装置500は、BGM楽曲を出力中であるか否かを表すフラグ(以下、「第3フラグ」と呼ぶ)を「0」のクリア状態とした後、このBGM楽曲出力処理を終了して元の演算処理に復帰する。クリア状態とは、BGM楽曲を出力中ではないことを表す状態である。なお、第3フラグは、パチンコ機1に電源が投入された直後に初期化されて「0」に設定される。
このように、本実施形態では、演出図柄表示装置104によって演出図柄の変動表示を開始するとき、つまり、演出図柄の変動表示の演出のための音楽を出力する際には、BGM楽曲の出力を禁止する構成とした。それゆえ、演出図柄の変動表示の演出のための音楽(変動演出用楽曲)に、BGM楽曲が重ねて出力されることを防止でき、演出図柄の変動表示による抽選の結果を報知するための演出を乱すことを防止できる。
一方、前記ステップS418では、演出制御装置500は、主制御装置400から変動終了コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、主制御装置400から変動終了コマンドを受信したと判定した場合には(Yes)ステップS420に移行する。一方、演出制御装置500は、主制御装置400から変動終了コマンドを受信していないと判定した場合には(No)ステップS424に移行する。
続いてステップS420に移行して、演出制御装置500は、変動演出用楽曲の出力の終了を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する。
続いてステップS422(広義には「選択手段」)に移行して、演出制御装置500は、出力対象となるBGM楽曲の曲番号を表す曲番号変数に「1」を加算する。なお、曲番号変数は、パチンコ機1に電源が投入された直後に初期化されて「1」に設定される。また、演出制御装置500は、加算前の曲番号変数が「11」(つまり、BGM楽曲の総数)である場合には、曲番号変数への「1」の加算は行わず、曲番号変数を「1」に戻す。続いて、演出制御装置500は、曲番号変数が表す曲番号に対応するランプ154の点灯を開始させ、他の曲番号に対応するランプ154の消灯を開始させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力した後、この曲制御処理を終了して元の演算処理に復帰する。これにより、ランプ制御装置502が、曲番号変数が指定するBGM楽曲の曲名が描かれた表示部123の背面のランプ154に光を出射させ、他のランプ154に光の出射を禁止させ、その表示部123の曲名を強調表示させる。その際、曲番号変数に「1」が加算されるところ、複数の表示部123のそれぞれには、上側にあるものから順に、曲番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11が対応付けられているため、それまで強調表示されていた曲名のすぐ下の曲名が強調表示される。
このように、本実施形態では、演出図柄表示装置104による演出図柄の変動表示の演出が終了されるたびに、現在選択されているBGM楽曲と異なる他のBGM楽曲を選択する構成とした。それゆえ、新しいBGM楽曲の出力を開始することができる。そのため、遊技者が飽きてしまうことをより効果的に防止できる。
前記ステップS424(広義には「出力手段」)では、演出制御装置500は、主制御装置400から通過スイッチコマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、通過スイッチコマンドを受信したと判定した場合には(Yes)ステップS426に移行する。一方、演出制御装置500は、通過スイッチコマンドを受信していないと判定した場合には(No)このBGM楽曲出力処理を終了して元の演算処理に復帰する。
前記ステップS426では、演出制御装置500は、BGM楽曲を出力中であるか否かを判定する。具体的には、第3フラグが「1」のセット状態であるか否かを判定する。セット状態とは、BGM楽曲を出力中であることを表す状態である。そして、演出制御装置500は、第3フラグが「1」のセット状態であると判定した場合には、BGM楽曲を出力中であると判定し(Yes)ステップS430に移行する。一方、演出制御装置500は、第3フラグが「0」のクリア状態であると判定した場合には、BGM楽曲を出力中ではないと判定し(No)ステップS428に移行する。
前記ステップS428(広義には「出力手段」)では、演出制御装置500は、曲番号変数が表すBGM楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する。これにより、音響制御装置503が、曲番号変数が表すBGM楽曲の出力をスピーカ155に開始させる。続いて、演出制御装置500は、第3フラグを「1」のセット状態、つまり、BGM楽曲を出力中であることを表す状態とする。続いて、演出制御装置500は、BGM出力開始ゲート122に最後に遊技球が通過してからの経過時間を表す変数(以下、「第1変数」と呼ぶ)をクリア状態にして「0」とする。続いて、演出制御装置500は、現在出力中のBGM楽曲の出力が開始されてからの経過時間を表す変数(以下、「第2変数」と呼ぶ)をクリア状態にして「0」とした後、このBGM楽曲出力処理を終了して元の演算処理に復帰する。なお、第1変数及び第2変数は、それぞれ、パチンコ機1に電源が投入された直後に初期化されて「0」に設定される。
このように、本実施形態では、演出制御装置500が通過スイッチコマンドを受信すると、BGM楽曲が出力される構成とした。それゆえ、例えば、遊技球が第一始動入賞口210に入賞し難いパチンコ機1である場合にも、遊技球が通過する可能性が高い遊技盤面10上の特定位置にBGM出力開始ゲート122を配設することで、BGM楽曲の出力をすぐに行うことができる。そのため、音楽の出力が行われない状態が長時間継続することを回避でき、遊技者が飽きてしまうことを防止できる。
一方、前記ステップS430では、第1変数を「0」のクリア状態、つまり、BGM出力開始ゲート122に最後に遊技球が通過してからの経過時間が「0」であることを表す状態とした後、このBGM楽曲出力処理を終了して元の演算処理に復帰する。
次に、演出制御装置500で実行される曲変更処理を説明する。
演出制御装置500のCPUは、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な曲変更プログラムに基づいて動作する。曲変更プログラムでは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ図10のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図11は、演出制御装置500が実行する曲変更処理を示すフローチャートである。
曲変更処理は、演出制御装置500のCPUにおいて実行されると、図11に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、演出制御装置500は、演出制御装置500は、遊技者による演出ボタン5bの押し込み操作による、出力対象となるBGM楽曲の変更操作が可能(有効)な状態であるか否かを判定する。具体的には、演出制御装置500は、第1フラグが「1」のセット状態であるか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、第1フラグが「1」のセット状態であると判定した場合には、演出ボタン5bの押し込み操作によるBGM楽曲の変更操作が可能であると判定し(Yes)ステップS500に移行する。一方、演出制御装置500は、第1フラグが「0」のクリア状態であると判定した場合には、演出ボタン5bの押し込み操作によるBGM楽曲の変更操作が不可能な状態であると判定し(Yes)この曲変更処理を終了して元の演算処理に復帰する。
前記ステップS502(広義には「選択手段」)では、演出制御装置500は、演出ボタン5bが押し込み操作されたか否かを判定する。具体的には、演出制御装置500は、演出ボタン5bから操作信号が出力されたか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、演出ボタン5bから操作信号が出力されたと判定した場合には、演出ボタン5bが押し込み操作されたと判定し(Yes)ステップS504に移行する。一方、演出制御装置500は、演出ボタン5bから操作信号が出力されていないと判定した場合には、演出ボタン5bが押し込み操作されていないと判定し(No)この曲変更処理を終了して元の演算処理に復帰する。
前記ステップS504(広義には「選択手段」)では、演出制御装置500は、曲番号変数、つまり、出力対象となるBGM楽曲の曲番号を表す変数に「1」を加算する。なお、演出制御装置500は、加算前の曲番号変数が「11」(つまり、BGM楽曲の総数)である場合には、曲番号変数への「1」の加算は行わず、曲番号変数を「1」に戻す。続いて、演出制御装置500は、曲番号変数が表す曲番号に対応するランプ154に点灯を開始させ、他の曲番号に対応するランプ154に消灯を開始させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力した後、この曲変更処理を終了して元の演算処理に復帰する。これにより、ランプ制御装置502が、曲番号変数が指定するBGM楽曲の曲名が描かれた表示部123の背面のランプ154に光を出射させ、他のランプ154に光の出射を禁止させ、その表示部123の曲名を強調表示させる。その際、曲番号変数に「1」が加算されるところ、複数の表示部123のそれぞれには、上側にあるものから順に、曲番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11が対応付けられているため、それまで強調表示されていた曲名のすぐ下の曲名が強調表示される。
このように、本実施形態では、遊技者にBGM楽曲を選択させ、選択されたBGM楽曲を出力対象とする構成とした。それゆえ、遊技者の好みのBGM楽曲を出力できる。そのため、遊技者が飽きてしまうことをより効果的に防止できる。
また、演出ボタン5bが押し込み操作されるたびに、出力対象となるBGM楽曲を表す曲番号に「1」を加算し、選択BGM表示装置121に表示された曲名の並び順にBGM楽曲を順次選択する構成とした。それゆえ、遊技者が好みの音楽を容易に選択できる。
続いてステップS506に移行して、演出制御装置500は、BGM楽曲を出力中であるか否かを判定する。具体的には、第3フラグが「1」のセット状態、つまり、BGM楽曲を出力中であることを表す状態であるか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、第3フラグが「1」のセット状態であると判定した場合には、BGM楽曲を出力中であると判定し(Yes)ステップS508に移行する。一方、演出制御装置500は、第3フラグが「0」のクリア状態であると判定した場合には、BGM楽曲を出力中ではないと判定し(No)ステップS510に移行する。
前記ステップS508では、演出制御装置500は、前記ステップS504で更新された曲番号変数が表すBGM楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する。これにより、音響制御装置503が、スピーカ155から出力されるBGM楽曲を変更させる。続いて、演出制御装置500は、第2変数を「0」のクリア状態、つまり、現在出力中のBGM楽曲の出力が開始されてからの経過時間が「0」であることを表す状態とした後、この曲変更処理を終了して元の演算処理に復帰する。
このように、本実施形態では、BGM楽曲として、遊技者によって選択されたBGM楽曲を出力可能な構成とした。それゆえ、遊技者の好みの音楽を出力できる。それゆえ、遊技者の興趣を向上でき、遊技者が飽きてしまうことをより効果的に防止できる。
一方、前記ステップS510では、演出制御装置500は、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したか否かを判定する。具体的には、演出制御装置500は、第2フラグが「1」のセット状態、つまり、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したことを表す状態であるか否かを判定する。そして、演出制御装置500は、第2フラグが「1」のセット状態であると判定した場合には、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したと判定し(Yes)ステップS512に移行する。一方、演出制御装置500は、第2フラグが「0」のクリア状態であると判定した場合には、特別図柄抽選に連続して当選した回数が5回未満であると判定し(No)この曲変更処理を終了して元の演算処理に復帰する。
前記ステップS512では、演出制御装置500は、特賞状態の演出のための音響データに代えて、曲番号変数が表すBGM楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力した後、この曲変更処理を終了して元の演算処理に復帰する。これにより、音響制御装置503が、特賞状態の演出のための音響データに代えて、曲番号変数が表すBGM楽曲の出力をスピーカ155に開始させる。
このように、本実施形態では、特別図柄抽選に5回以上連続して当選すると、特賞状態の演出のための音楽に代えて、遊技者によって選択されたBGM楽曲を出力可能な構成とした。それゆえ、特賞状態にも、遊技者の好みの音楽を出力できる。そのため、遊技者の興趣を向上でき、遊技者が飽きてしまうことをより効果的に防止できる。
次に、演出制御装置500で実行される曲継続処理を説明する。
演出制御装置500のCPUは、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な曲継続プログラムに基づいて動作する。曲継続プログラムでは、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ図12のフローチャートに示す演出制御処理を実行する。
図12は、演出制御装置500が実行する曲継続処理を示すフローチャートである。
曲継続処理は、演出制御装置500のCPUにおいて実行されると、図12に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600(広義には「出力手段」)では、演出制御装置500は、BGM出力開始ゲート122に最後に遊技球が通過してから第1設定時間(例えば、30[sec])以上の時間が経過したか否かを判定する。第1設定時間とは、BGM楽曲の出力を終了する時間である。具体的には、演出制御装置500は、第1変数、つまり、BGM出力開始ゲート122に最後に遊技球が通過してからの経過時間を表す変数が第1閾値以上であるか否かを判定する。第1閾値とは、第1設定時間(30[sec])を曲継続処理の1回の実行に要する時間(2[ms])で除算した除算結果を表す数値である。そして、演出制御装置500は、第1変数が第1閾値以上であると判定した場合には、BGM出力開始ゲート122に最後に遊技球が通過してから第1設定時間以上の時間が経過したと判定し(Yes)ステップS608に移行する。一方、演出制御装置500は、第1変数が第1閾値未満であると判定した場合には、BGM出力開始ゲート122に最後に遊技球が通過してから第1設定時間が経過していないと判定し(No)ステップS602に移行する。
前記ステップS602では、演出制御装置500は、現在出力中のBGM楽曲の出力が開始されてから第2設定時間(例えば、100[sec])以上の時間が経過したか否かを判定する。第2設定閾値とは、BGM楽曲を1曲演奏するのに要する時間(演奏時間)である。BGM楽曲を1曲演奏するのに要する時間は、すべてのBGM楽曲で同じ時間を設定する。具体的には、演出制御装置500は、第2変数、つまり、現在出力中のBGM楽曲の出力が開始されてからの経過時間を表す変数が第2設定閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値とは、第2設定時間(100[sec])を曲継続処理の1回の実行に要する時間(2[ms])で除算した除算結果を表す数値である。そして、演出制御装置500は、第2変数が第2設定閾値以上であると判定した場合には、現在出力中のBGM楽曲の出力が開始されてから第2設定時間以上の時間が経過したと判定し(Yes)ステップS604に移行する。一方、演出制御装置500は、第1変数が第2設定閾値未満であると判定した場合には、現在出力中のBGM楽曲の出力が開始されてから第2設定時間が経過していないと判定し(No)この曲継続処理を終了して元の演算処理に復帰する。
前記ステップS604では、演出制御装置500は、曲番号変数、つまり、出力対象となるBGM楽曲の曲番号を表す変数に「1」を加算する。なお、演出制御装置500は、加算前の曲番号変数が「11」(つまり、BGM楽曲の総数)である場合には、曲番号変数への「1」の加算は行わず、曲番号変数を「1」に戻す。続いて、演出制御装置500は、曲番号変数が表す曲番号に対応するランプ154に点灯を開始させ、他の曲番号に対応するランプ154に消灯を開始させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力した後、この曲変更処理を終了して元の演算処理に復帰する。これにより、ランプ制御装置502が、曲番号変数が指定するBGM楽曲の曲名が描かれた表示部123の背面のランプ154に光を出射させ、他のランプ154に光の出射を禁止させ、その表示部123の曲名を強調表示させる。その際、曲番号変数に「1」が加算されるところ、複数の表示部123のそれぞれには、上側にあるものから順に、曲番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11が対応付けられているため、それまで強調表示されていた曲名のすぐ下の曲名が強調表示される。
このように、本実施形態では、BGM楽曲が1曲出力を終えるたびに、曲番号変数を変更する構成とした。それゆえ、新しいBGM楽曲を出力できる。
続いてステップS606に移行して、演出制御装置500は、曲番号変数が表すBGM楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する。これにより、音響制御装置503が、スピーカ155から出力されるBGM楽曲を変更させる。続いて、演出制御装置500は、第2変数を「0」のクリア状態、つまり、現在出力中のBGM楽曲の出力が開始されてからの経過時間が「0」であることを表す状態とした後、この曲継続処理を終了して元の演算処理に復帰する。
一方、前記ステップS608(広義には「出力手段」)では、演出制御装置500は、現在出力中のBGM楽曲の出力の終了を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する。これにより、音響制御装置503が、BGM楽曲の出力を終了させる。続いて、演出制御装置500は、第3フラグを「0」をクリア状態、つまりBGM楽曲を出力中でないことを表す状態とした後、この曲継続処理を終了して元の演算処理に復帰する。
このように、本実施形態では、BGM出力開始ゲート122を通過する遊技球を最後に検出してから30[sec]以上経過すると、スピーカ155にBGM楽曲の出力を停止させる構成とした。それゆえ、遊技中は、遊技球がBGM出力開始ゲート122を何度も通過することで、BGM楽曲を継続して出力できる。また、遊技終了後は、遊技球がBGM出力開始ゲート122を通過することがないため、BGM楽曲の出力を停止することができる。それゆえ、遊技中にのみBGM楽曲を出力することができる。
(動作)
次に、本実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
まず、パチンコ機1が、電源が投入された直後の状態にあるとする。すると、主制御装置400は、客待ち開始コマンドを演出制御装置500に送信する。客待ち開始コマンドが送信されると、演出制御装置500が、主制御装置400から客待ち開始コマンドを受信したと判定する(図10、ステップS400)。続いて、演出制御装置500が、第1フラグを「1」のセット状態、つまり、演出ボタン5bの押し込み操作によるBGM楽曲の変更操作が可能であることを表す状態とする(図10、ステップS402)。
ここで、遊技者が、演出ボタン5bに押し込み操作をしたとする。すると、演出ボタン5bは、操作信号を演出制御装置500に出力する。操作信号が出力されると、演出制御装置500が、演出ボタン5bが押し込み操作されたと判定する(図11、ステップS500、S502)。続いて、演出制御装置500が、曲番号変数(例えば、「1」)に「1」を加算し、加算後の曲番号変数「2」が表す曲番号に対応するランプ154に点灯を開始させ、他の曲番号に対応するランプ154に消灯を開始させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力する(図11、ステップS504)。ランプ制御コマンドが出力されると、ランプ制御装置502が、ランプ制御コマンドが指定するランプ154を点灯させ、他のランプ154を消灯させるランプ演出を行う。これにより、曲番号変数が表す曲番号の曲名が描かれている、上側から2個目の表示部123の背面のランプ154が光の照射を開始する。そして、光の照射によってその表示部123だけが明るくなる。
続いて、遊技者が、遊技球が流入口102を通過するように、遊技球を左側転動経路32に打ち出したとする。ここで、図2に示すように、パチンコ機1は、流入口102が左向きに開口していることにより、遊技球が流入口102を通過し難く、遊技球が中央転動経路31に流入し難いものとなっている。それゆえ、打ち出された遊技球のほとんどが左側転動経路32を流下する。また、BGM出力開始ゲート122の上方の釘nが、左側転動経路32を流下する遊技球がBGM出力開始ゲート122に誘導されるように配設されている。それゆえ、左側転動経路32を流下する遊技球のほとんどが、BGM出力開始ゲート122を通過する。遊技球がBGM出力開始ゲート122を通過すると、BGM開始スイッチ317が、主制御装置400に検出信号を出力する。検出信号が出力されると、主制御装置400が、通過スイッチコマンドを演出制御装置500に送信する。通過スイッチコマンドが送信されると、演出制御装置500が、主制御装置400から通過スイッチコマンドを受信したと判定する(図10、ステップS424)。続いて、演出制御装置500が、BGM楽曲を出力中ではないと判定する(図10、ステップS426)。続いて、演出制御装置500が、曲番号変数が表すBGM楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する(図10、ステップS428)。音響制御コマンドが出力されると、音響制御装置503が、音響制御コマンドが指定するBGM楽曲の音響データをROMから読み出し、読み出した音響データの出力をスピーカ155に開始させる。これにより、スピーカ155が曲番号「2」のBGM楽曲の出力を開始する。
このように、本実施形態では、遊技球がBGM出力開始ゲート122を通過することで、BGM開始スイッチ317が検出信号を出力したことを表す通過スイッチコマンドを演出制御装置500が受信すると、BGM楽曲を出力する構成とした。それゆえ、例えば、遊技球が第一始動入賞口210に入賞し難い場合にも、遊技球が通過する可能性が高い遊技盤面10上の特定位置にBGM出力開始ゲート122を配設することで、遊技が開始された後BGM楽曲の出力をすぐに行うことができる。そのため、音楽の出力が行われない状態が長時間継続することを回避でき、遊技者が飽きてしまうことを防止できる。
また、遊技球の打ち出しが繰り返され、BGM楽曲の出力中に、再び、遊技球がBGM出力開始ゲート122を通過すると、同様に、BGM開始スイッチ317が検出信号を出力し、主制御装置400が通過スイッチコマンドを送信し、演出制御装置500が通過スイッチコマンドを受信する(図10、ステップS424)。続いて、演出制御装置500が、BGM楽曲を出力中であると判定する(図10、ステップS426)。続いて、演出制御装置500が、第1変数を「0」のクリア状態、つまり、BGM出力開始ゲート122に最後に遊技球が通過してからの経過時間が「0」であることを表す状態とする(図10、ステップS30)。それゆえ、演出制御装置500が、その経過時間が30[sec]未満であると判定し(図11、ステップS600)、BGM楽曲の出力が継続される。
ここで、遊技球の打ち出しが繰り返されるうちに、打ち出された遊技球が流入口102に流入し、その遊技球が第一始動入賞口210に入賞し、主制御装置400で特別図柄抽選が行われたとする。すると、主制御装置400が、特別図柄抽選の抽選結果を報知するための演出を行うために変動開始コマンドを演出制御装置500に送信する。変動開始コマンドが出力されると、演出制御装置500が、主制御装置400から変動開始コマンドを受信したと判定する(図10、ステップS410)。続いて、演出制御装置500が、第1フラグを「0」のクリア状態(つまり、演出ボタン5bの押し込み操作によるBGM楽曲の変更操作が不可能(無効)であることを表す状態)とする(図10、ステップS412)。続いて、演出制御装置500が、現在出力中のBGM楽曲の出力の終了を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する(図10、ステップS414)。音響制御コマンドが出力されると、音響制御装置503が、BGM楽曲の出力をスピーカ155に終了させる。これにより、スピーカ155がBGM楽曲の出力を終了する。
続いて、演出制御装置500が、変動演出用楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する(図10、ステップS416)。音響制御コマンドが出力されると、音響制御装置503が、音響制御コマンドが指定する変動演出用楽曲の音響データをROMから読み出し、読み出した音響データの出力をスピーカ155に開始させる。これにより、スピーカ155が変動演出用楽曲の出力を開始する。
このように、本実施形態では、演出図柄表示装置104によって演出図柄の変動表示を開始するとき、つまり、演出図柄の変動表示の演出のための音楽を出力する際には、BGM楽曲の出力を禁止する構成とした。それゆえ、演出図柄の変動表示の演出のための音楽(変動演出用楽曲)に、BGM楽曲が重ねて出力されることを防止でき、演出図柄の変動表示による抽選の結果を報知するための演出を乱すことを防止できる。
ここで、演出制御装置500は、特別図柄抽選の当選が繰り返され、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したとする。すると、演出制御装置500が、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したと判定する(図10、ステップS406)。続いて、演出制御装置500が、第1フラグを再度「1」のセット状態とする(図10、ステップS416)。
ここで、遊技者が、演出ボタン5bに押し込み操作をしたとする。すると、演出ボタン5bは、操作信号を演出制御装置500に出力する。操作信号が出力されると、演出制御装置500が、演出ボタン5bが押し込み操作されたと判定する(図11、ステップS500、S502)。続いて、演出制御装置500が、曲番号変数(例えば、「5」)に「1」を加算し、加算後の曲番号変数「6」が表す曲番号に対応するランプ154に点灯を開始させ、他の曲番号に対応するランプ154に消灯を開始させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力する(図11、ステップS504)。ランプ制御コマンドが出力されると、ランプ制御装置502が、ランプ制御コマンドが指定するランプ154を点灯させ、他のランプ154を消灯させるランプ演出を行う。これにより、曲番号変数が表す曲番号の曲名が描かれている、上側から6個目の表示部123の背面のランプ154が光の照射を開始する。そして、光の照射によってその表示部123だけが明るくなる。
続いて、演出制御装置500が、BGM楽曲を出力中ではないと判定する(図11、ステップS506)。続いて、演出制御装置500が、特別図柄抽選に5回以上連続して当選したと判定する(図11、ステップS510)。続いて、演出制御装置500が、曲番号変数が表すBGM楽曲の出力の開始を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する(図11、ステップS512)。音響制御コマンドが出力されると、音響制御装置503が、音響制御コマンドが指定するBGM楽曲の音響データをROMから読み出し、読み出した音響データの出力をスピーカ155に開始させる。これにより、特賞状態の生起中に、スピーカ155が曲番号「6」のBGM楽曲を出力する。
このように、本実施形態では、特別図柄抽選に5回数連続して当選すると、特賞状態の演出のための音楽に代えて、選択されたBGM楽曲を出力可能とする構成とした。それゆえ、特賞状態の生起中にも、遊技者の好みの音楽を出力できる。それゆえ、遊技者の興趣を向上でき、遊技者が飽きてしまうことをより効果的に防止できる。
本実施形態では、図2の第一始動入賞口210及び第二始動入賞口221が入賞口を構成する。以下同様に、図3の主制御装置400が抽選手段及び生起手段を構成する。また、図2の演出図柄表示装置104、及び図3の演出制御装置500及び表示制御装置501が演出手段を構成する。さらに、図3の演出制御装置500、スピーカ155、音響制御装置503、図10ステップS406、S414、S416、S424、S428、及び図12のステップS600、S608が出力手段を構成する。また、図2のBGM出力開始ゲート122がゲートを構成する。さらに、図3のBGM開始スイッチ317が検出手段を構成する。また、図3の演出制御装置500、及び図11のステップS502、S504が選択手段を構成する。さらに、図1の演出ボタン5bが操作手段を構成する。また、図2の選択BGM表示装置121が表示手段を構成する。
なお、本実施形態では、BGM楽曲が1曲出力を終えるたびに、曲番号変数を変更して、BGM楽曲を変更するBGM楽曲の順送り機能を持たせる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、BGM楽曲が1曲出力を終えても、曲番号変数を変更しない曲固定機能を遊技者が選択可能な構成としてもよい。そのようにすれば、BGM楽曲が順次切り替わるのを防止でき、遊技者が好むBGM楽曲を繰り返し出力できる。
また、本実施形態では、BGM開始スイッチ317が検出信号を出力するたびに、BGM楽曲の出力を開始する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、BGM開始スイッチ317が検出信号を出力しても、BGM楽曲の出力を開始しないBGM楽曲のミュート機能(消音機能)を遊技者が選択可能な構成としてもよい。そのようにすれば、BGM楽曲の出力を望まない遊技者がBGM楽曲に煩わされることを防止できる。
さらに、例えば、BGM楽曲の順送り機能、BGM楽曲の曲固定機能、及びBGM楽曲のミュート機能を遊技者が切り替えて選択可能な構成としてもよい。具体的には、BGM楽曲が1曲出力を終えるたびに、曲番号変数に「1」を加算するところ、加算前の曲番号変数が「11」である場合にも、曲番号変数への「1」の加算を行い、曲番号変数を「12」とする構成とする。そして、曲番号変数が「12」である場合、つまり、BGM楽曲の総数より大きい場合には、BGM楽曲の出力の禁止を指定する音響制御コマンドを音響制御装置503に出力する構成とする。これにより、遊技者は、加算後の曲番号変数を「1」から「11」とすることで順送り機能を選択でき、加算後の曲番号を「12」とすることでミュート機能を選択できる。さらに、加算前の曲番号変数が「12」、つまり、BGM楽曲の総数+1である場合には、曲番号変数への「1」の加算は行わず、曲番号変数を「1」に戻すとともに、曲固定機能が作動しているか否かを表すフラグ(以下、「第4フラグ」と呼ぶ)を「1」のセット状態とする構成とする。セット状態とは、曲固定機能が作動していることを表す状態である。そして、第4フラグがセット状態である場合には、BGM楽曲が1曲出力を終えても、曲番号変数を変更しない構成とする。これにより、遊技者は、第4フラグが「1」のセット状態とすることで曲固定機能を選択できる。
また、BGM楽曲の順送り機能、BGM楽曲の曲固定機能、及びBGM楽曲のミュート機能を遊技者が切り替えて選択可能な構成とする場合には、選択されている機能に応じてランプ154の制御方法を異ならせる構成としてもよい。具体的には、BGM楽曲の順送り機能が選択されている場合には、曲番号変数が表す曲番号に対応するランプ154のみを点灯させ、他の曲番号に対応するランプ154を消灯させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力する構成とする。また、BGM楽曲のミュート機能が選択されている場合には、すべてランプ154を消灯させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力する。さらに、BGM楽曲のミュート機能が選択されている場合には、曲番号変数が表す曲番号に対応するランプ154のみを点滅させ、他の曲番号に対応するランプ154を消灯させるランプ制御コマンドをランプ制御装置502に出力する構成とする。そのようにすれば、現在選択されている機能を遊技者に容易に把握させることができる。