図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機としていわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤面で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、遊技盤50に形成された遊技領域52を透視可能な板である。扉14は、透明板13を支持する。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が再生される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、図柄表示装置60、第1種始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66および一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置74と、始動口を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15および下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本明細書および特許請求の範囲において「入球」は、「落入」「入賞」「通過」を含むものとする。
遊技盤50の略中央に設けられた図柄表示装置60は、その画面に第1種特別図柄と呼ばれる図柄(以下、「特別図柄」という)202と、特別図柄202に連動する装飾図柄200を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄202は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に応じた図柄であり、大当たりを発生させるか否かを示す役割をもつ。装飾図柄200は、抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。なお、本実施例において、装飾図柄200は、通常の遊技状況においては特別図柄202に連動して表示されるが、所定の遊技状況においては、特別図柄202に連動しなくてもよい。なお、この場合は、装飾図柄200が、抽選結果の仮の演出を行うことになる。
図柄表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示装置であってもよい。図柄表示装置60は、装飾図柄200としてスロットマシーンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。装飾図柄200を表示する形態を採用している場合は、特別図柄202は演出的な役割をもつ必要がないため、図柄表示装置60の右上隅の目立たない領域に表示される。なお、特別図柄は、図柄表示装置60中の他の箇所に表示されてもよく、また図柄表示装置60とは別に設けられる表示装置に表示されてもよい。特別図柄は単純な図柄のみを表示するため、別の表示装置に表示される場合には、その表示装置はLEDなどにより構成されるものであってよい。
始動口62は普通電動役物により形成され、その入口が拡開可能となっている。普通電動役物が拡開状態にあるときには、遊技球は始動口62に落入しやすくなる。始動口62は、遊技領域52における所定位置に設けられる。以下、始動口62に関し、普通電動役物が拡開して遊技球が始動口62に落入しやすい状態を開放状態と呼ぶ。大入賞口66は、特別図柄202が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の特定領域の通過を検出するセンサと、一般領域の通過を検出するセンサを備えて構成される。
図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の所定位置には、保留ランプ20が設けられている。保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって保留球数を表示する。保留球数は、図柄変動中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技球が始動口62に落入すると、図柄表示装置60において特別図柄202および装飾図柄200が変動表示される。通常の遊技状況のもとでは、特別図柄202および装飾図柄200の変動表示は同じタイミングで実行され、一定時間経過後に停止される。停止時の特別図柄202が大当たりを示す図柄である場合、大入賞口66の開閉動作が開始され、特別遊技に移行する。このときスロットマシーンのゲームを模した装飾図柄200は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
本実施例においては、所定の遊技状況のもとで、特別図柄202および装飾図柄200がそれぞれ独立して変動表示される。所定の遊技状況とは、特別図柄202の図柄変動が強制的に短縮される遊技状況である。例えば、特別図柄の変動短縮ボタン(図示せず)を遊技者が押すことで、特別図柄の図柄変動が短縮される場合がある。このとき、特別図柄202の図柄変動は強制的に停止され、装飾図柄200の図柄変動は、特別図柄202とは独立して継続される。
さらに本実施例のぱちんこ遊技機10では、特別図柄変動を保留する保留球の数に応じて、特別図柄の図柄変動を強制的に終了させる。具体的には、保留球数が上限の4つに達しているときに始動口62に遊技球が入球した場合、変動中の特別図柄を即座に停止させて、次の保留球の抽選を実行する。これにより、保留球数を3つとして保留の空きを発生させ、続いて始動口62への入球に対する抽選乱数を取得し、保留球としてカウントすることを可能とする。これにより、始動口62への入球を、保留球としてカウントできない所謂「無効入賞」の扱いとすることなく、有効に保留していくことが可能となる。
なお、その場合に、変動中の特別図柄202が外れ図柄で停止することが分かっている場合には、装飾図柄200は特別図柄202の強制停止と無関係に、そのまま変動を継続する。これにより、装飾図柄200により奏される当たり判定の仮の演出効果を遊技者は楽しむことができ、遊技者の興味を惹きつけるぱちんこ遊技機10を実現できる。
一方、変動中の特別図柄202が当たり図柄で停止することが分かっている場合には、始動口62への入球に対して、特別図柄202を強制停止させないことが好ましい。この場合は、当たり演出を行う装飾図柄200と特別図柄202とが、同時に当たり停止図柄で変動を終了して、続く大当たり遊技へ円滑に移行することが好ましい。
大当たり遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄204と呼ばれる図柄が変動表示される。普通図柄204は図柄表示装置60の右下隅にて変動表示される。所定時間の経過後に普通図柄204の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。変動短縮遊技の実行中においては、普通図柄204の変動表示時間が短縮されるとともに、始動口62が開放状態となる時間が長く設定される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板41は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板49は、液晶ユニット42を備え、図柄表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板41による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板41およびサブ基板49は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、図柄表示装置60、スピーカ18、遊技効果ランプ90、保留ランプ20のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄の変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板41と、図柄の演出等を制御するサブ基板49とに機能を分担させた形態で構成されてもよい。
遊技制御装置100は、ハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。本実施例の遊技制御装置100は、入球口への入球を判定する入球判定手段110、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を発生させるか否かを判定する当たり判定手段115、特別図柄、装飾図柄、普通図柄の変動パターンを保持するパターン記憶手段118、図柄変動の停止図柄および変動パターンを決定する図柄決定手段120、図柄や電飾等の表示を制御する表示制御手段130、大当たり中の特別遊技を制御する特別遊技制御手段140、保留球を監視する保留球監視手段150、図柄変動を制御する図柄変動制御手段155、始動口62などの普通電動役物の開閉を制御する普通電動役物開閉制御手段160、および大入賞口66の開閉を制御する大入賞口開閉制御手段170を備える。
入賞検出装置74は始動口62に設けられたセンサであり、始動口62への遊技球の落入を検出し、落入を示す始動入賞情報を生成する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したことを判定する。入球判定手段110が始動入賞情報を受け取ったタイミングで、当たり判定手段115における乱数取得手段116は、始動入賞に対する乱数を取得する。乱数取得手段116は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を乱数として取得してもよい。抽選実行手段117は、取得した乱数に基づいて抽選を実行し、大当たり抽選の当否を判定する。
図柄決定手段120は、抽選実行手段117による抽選結果に応じてパターン記憶手段118から変動パターンを選択し、抽選結果に応じた停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。特別図柄決定手段121は、抽選実行手段117による抽選結果に応じた特別図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。また装飾図柄決定手段122も、抽選実行手段117による抽選結果に応じた装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。なお、本実施例において装飾図柄決定手段122は、常に特別図柄と連動する装飾図柄を決定するのではなく、当たり判定の仮の演出を行う装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する機能も有している。
作動口68を遊技球が通過すると、入球判定手段110は、遊技球の通過があったことを示す通過情報を受け取り、乱数取得手段116が、通過情報に対する乱数を取得する。抽選実行手段117は、その乱数をもとに普通図柄抽選が当たりか否かを判定する。作動口68の遊技球通過に対する抽選は、始動入賞に対して行われる抽選よりも高い確率で当たり判定が行われる。普通図柄決定手段123は、抽選結果に応じて、普通図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。
表示制御手段130は、図柄決定手段120において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、図柄表示装置60に特別図柄、装飾図柄または普通図柄を表示させる。また、表示制御手段130は、遊技効果ランプ90のランプ表示も制御する。具体的に、特別図柄表示制御手段131は、特別図柄の変動表示を制御し、装飾図柄表示制御手段132は、装飾図柄の変動表示を制御する。特別図柄表示制御手段131による特別図柄を表示させる機能はメイン基板41側の処理として実行され、装飾図柄表示制御手段132による装飾図柄を表示させる機能はサブ基板49側の処理として実行される。なお、メイン基板41からサブ基板49へは、特別図柄の停止図柄および変動パターン、変動開始時間、変動時間などに関する情報が送られる。装飾図柄決定手段122は、メイン基板41またはサブ基板49のいずれに設けられてもよいが、サブ基板49側に設けられる場合には、メイン基板41から送られる特別図柄に関する情報に基づいて装飾図柄の停止図柄および変動パターンを決定する。普通図柄表示制御手段133は、普通図柄の変動表示を制御する。
特別遊技制御手段140は、当たり判定手段115による判定結果が大当たりを示す場合に、特別遊技、すなわち大当り遊技の実行処理を制御する。特別遊技移行判定手段141は、当たり判定手段115による判定結果により、特別遊技を開始するか否かを判定する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、特別遊技に移行すると、遊技者は相当数の出球を期待することができる。サイクル遊技実行手段142は、大入賞口開閉制御手段170を制御して、大入賞口66の開閉を実行する。大入賞口開閉制御手段170は、大当たり遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。特別遊技終了手段143は、継続ラウンド数、大入賞口66の特定領域への通過検出の有無に基づいて、サイクル遊技を継続させるか否か、すなわち次回のサイクル遊技を開始するか否かを判定する。次回のサイクル遊技を開始するための継続条件が満足されない場合、またはサイクル遊技の所定のラウンド数を消化した場合には、特別遊技終了手段143が特別遊技を終了させる。
普通電動役物開閉制御手段160は、普通図柄の停止図柄が当たりの態様となると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。これにより、始動口62は、遊技者にとって有利な状態に変化する。
保留球監視手段150は、特別図柄変動の保留数を監視する。保留数の上限は、例えば4つと定められており、保留球監視手段150は、保留数が所定数以上であるか否かを判定する。実施例では、保留球監視手段150が、保留数が上限である4つに達しているか否かを判定する。図柄変動制御手段155は、特別図柄変動の保留数が所定数以上、ここでは4つ存在する場合であって、始動口62に遊技球が入球した場合における特別図柄および/または装飾図柄の図柄変動を制御する。本実施例のぱちんこ遊技機10では、図柄変動制御手段155が、当たり判定手段115から特別図柄抽選の抽選結果を受け取る。このタイミングは、当たり判定が行われて、停止図柄の決定前または変動パターンの決定前に行われることが好ましい。これにより、図柄変動制御手段155は、特別図柄の変動開始前に、その図柄変動が当たりであるか否かを知ることができる。
特別図柄変動の保留数が4つ存在する状態で始動口62に遊技球が入球した場合、変動中の特別図柄抽選の結果が外れであれば、図柄変動制御手段155は、特別図柄表示制御手段131に、特別図柄の変動表示の停止指示を送る。特別図柄表示制御手段131は、停止指示に基づいて、特別図柄の変動を停止させる。特別図柄の変動が停止すると、抽選実行手段117は、次の保留球の抽選乱数の抽選を実行する。これにより、保留球数は3つとなる。特別図柄決定手段121は、その抽選結果をもとに変動パターンおよび停止図柄を決定して、特別図柄表示制御手段131が、特別図柄を変動表示させる。乱数取得手段116は、保留球数が3つとなった後のタイミングで、入球した遊技球に対する抽選乱数を取得する。
このように、本実施例のぱちんこ遊技機10によると、保留球が上限の4つ存在する場合に始動口62に入球があった場合であっても、入球時の特別図柄変動を即座に停止させることで、入球を保留球としてカウントすることが可能となる。これにより、保留球が4つ存在する場合であっても、始動口62の入球を有効に活用することができ、時間あたりの大当たり抽選回数を増やすことができる。
一方、装飾図柄表示制御手段132は、保留数が4つ存在する場合に始動口62に遊技球が入球しても、装飾図柄の変動を停止させず、そのまま継続させる。この場合、装飾図柄は、特別図柄に連動して表示されるものではなく、特別図柄とは独立して表示されることになる。保留球数が上限(4個)に達している状態で、始動口62に複数の入球があった場合には、装飾図柄の1回の変動中に、特別図柄の停止、変動が複数回繰り返されることになる。すなわち、本実施例において、保留球数が上限に達している場合に始動口62への入球があった場合には、特別図柄と装飾図柄とは一対一に対応するものではなく、両者は独立した表示態様をとることになる。
なお、装飾図柄決定手段122がサブ基板49側に設けられている場合、基本的には、メイン基板41側で決定された特別図柄の変動パターンおよび停止図柄をもとに、装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。特別図柄と装飾図柄の対応が一対一でなくなった場合に、装飾図柄決定手段122は、特別図柄とは無関係に、自律的に装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定してもよい。図柄変動制御手段155は、特別図柄の変動停止時間と装飾図柄の変動停止時間を把握し、両者の時間関係を監視する。また、図柄変動制御手段155は、特別図柄と装飾図柄の対応が一対一でなくなった場合に、図柄制御フラグをオンに設定する。
別の例としては、特別図柄の変動パターンおよび停止図柄がメイン基板41からサブ基板49に送られてくるため、装飾図柄決定手段122は、その情報を有効利用して、装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定してもよい。装飾図柄の変動中、特別図柄が停止、変動を繰り返している場合には、特別図柄の変動の開始前に、その変動パターンおよび停止図柄を装飾図柄決定手段122が受け取る。装飾図柄決定手段122は、特別図柄の変動パターンおよび停止図柄をメモリ(図示せず)に上書きしていく。したがって、メモリには、常に特別図柄の変動前または変動中の最新の変動パターンおよび停止図柄が記憶されることになる。装飾図柄決定手段122は、最新の特別図柄の変動パターンおよび停止図柄の情報、すなわち装飾図柄の変動終了時点で変動中の特別図柄の変動パターンおよび停止図柄の情報に基づいて、装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。したがって、装飾図柄決定手段122は、装飾図柄の変動終了時点で変動中の特別図柄に対応する装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定することになる。これによると、特別図柄の停止図柄等に基づいて装飾図柄が決定されるために、自律的に装飾図柄を決定する場合と比較すると、通常と同じ装飾図柄の決定アルゴリズムで装飾図柄を決定することが可能となる。
図柄変動制御手段155は、特別図柄変動の終了時、次の保留球の抽選乱数による当たり判定の結果を当たり判定手段115から取得する。特別図柄抽選の結果が当たりであれば、特別図柄と装飾図柄は同時に変動停止して、ともに当たり図柄を表示することが好ましい。これにより、遊技者は大当たり遊技に移行することを認識できる。
図柄変動制御手段155は、装飾図柄の変動終了時間を把握している。この情報を利用して、図柄変動制御手段155は、特別図柄の変動終了時点から、その時点で変動中の装飾図柄が変動終了するまでの残り時間を算出し、特別図柄決定手段121に送る。特別図柄決定手段121は、その残り時間を変動時間とする変動パターンをパターン記憶手段118から選択する。これにより、特別図柄決定手段121は、その時点で変動中の装飾図柄の変動終了と同時に変動を終了する特別図柄の変動パターンを決定することができる。なお、特別図柄決定手段121は、当たり図柄を停止図柄に決定する。特別図柄の停止図柄は、装飾図柄決定手段122に送られる。
このとき、変動中の装飾図柄には、外れの停止図柄が定められている。そこで、装飾図柄決定手段122は、すでに決定した停止図柄を、特別図柄の当たり停止図柄に対応する停止図柄に変更する。変更した停止図柄は当たり図柄であり、例えば、3列の同じ数字を示す図柄に定められる。
以上は、次の保留球の乱数抽選結果が当たりである場合に、特別図柄の変動パターンを、変動中の装飾図柄の変動終了時間にあわせて決定する例であるが、装飾図柄の変動パターンを特別図柄の変動終了時間にあわせて決定してもよい。
この場合、特別図柄決定手段121が、通常どおり、当たり判定手段115による判定結果に応じた特別図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定し、特別図柄表示制御手段131が、特別図柄の変動表示を開始する。特別図柄の変動中、装飾図柄の変動が終了すると、図柄変動制御手段155が、装飾図柄の変動終了時点から、その時点で変動中の特別図柄が変動終了するまでの残り時間を算出し、装飾図柄決定手段122に送る。装飾図柄決定手段122は、その残り時間を変動時間とする変動パターンをパターン記憶手段118から選択する。これにより、装飾図柄決定手段122は、その時点で変動中の特別図柄の変動終了と同時に変動を終了する装飾図柄の変動パターンを決定することができる。なお、装飾図柄決定手段122は、当たり図柄を停止図柄に決定する。以上により、変動させる特別図柄の抽選結果が当たりを示す場合の特別図柄または装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定することができる。
特別図柄変動の保留数が4つ存在する状態で始動口62に遊技球が入球した場合、変動中の特別図柄抽選の結果が当たりであれば、図柄変動制御手段155は、特別図柄表示制御手段131に、特別図柄の変動表示の停止指示を送らず、特別図柄の変動を継続させる。抽選結果が当たりの場合、上記したように特別図柄と装飾図柄の変動は同時に当たり図柄で停止するように定められているため、特別図柄を強制停止させないことで、同じタイミングでともに当たり図柄を表示することが可能となる。
図4は、本実施例における始動口入賞から特別遊技実行までのフローを示す。まず、図柄決定前処理が実行される(S1)。図柄決定前処理においては、始動口入賞判定処理、当たり判定処理、および図柄変動制御処理が実行される。始動口入賞判定処理においては、入球判定手段110が始動口62への遊技球の入賞を判定し、乱数取得手段116が、その始動入賞情報に基づいた乱数を取得する。当たり判定処理においては、抽選実行手段117が、その乱数をもとに抽選を行い、大当たりか否かを判定する。図柄変動制御処理においては、図柄変動制御手段155が、所定の遊技状況における図柄変動を制御する。図柄決定前処理の実行後、図柄決定手段120が、特別図柄および装飾図柄を決定する(S2)。抽選結果が大当たりを示す場合、特別遊技制御手段140が、特別遊技すなわち大当たり遊技の実行を制御する(S3)。
図5は、図柄決定前処理のフローを示す。遊技球が始動口62に入賞すると(S102のY)、払出ユニット43が、入賞に応じた賞球を払い出す(S104)。例えば、この賞球数は4に設定される。続いて、保留球監視手段150が、特別図柄変動を保留する保留球の数が上限の個数(4個)に達しているか否かを判定する(S106)。保留球の数が上限に達していない場合(S106のN)、乱数取得手段116は、その入賞に対する乱数を取得し(S118)、保留球数に1を加算して(S120)、図柄決定前処理を終了する。このとき、遊技盤上に設けられた4つの保留ランプの1つが新たに点灯される。始動口62に入賞しない場合(S102のN)、図柄決定前処理は実行されない。
保留球数が上限の4個に達している場合(S106のY)、図柄変動制御手段155は、その時点で変動中の特別図柄抽選が大当たりを示すものであるか否かを判定する(S108)。当該変動が大当たりでない場合(S108のN)、図柄変動制御手段155は、特別図柄表示制御手段131に図柄変動の停止指示を送る。特別図柄表示制御手段131は、停止指示を受け取ると、ただちに特別図柄の変動を停止させる(S110)。これと同時に、図柄変動制御手段155は、図柄制御フラグをオンに設定する(S112)。図柄制御フラグのオフは、特別図柄と装飾図柄の対応が一対一の関係にあることを示し、オンは、両者の対応が一対一の関係にないことを示す。すなわち、図柄制御フラグがオフである場合は、特別図柄と装飾図柄の変動開始および変動終了が同じタイミングで実行され、オンである場合には、特別図柄と装飾図柄の変動開始および変動終了が、それぞれ独立したタイミングで実行される。
続いて、抽選実行手段117が保留球の抽選を実行し(S114)、保留球数から1を減算する(S116)。これにより、保留球数が3個となり、保留球に1つ空きが生じる。したがって、乱数取得手段116は、S102における入賞に対する乱数を取得して(S118)、メモリに乱数を記憶することができ、保留球数に1を加算して(S120)、図柄決定前処理を終了する。以上により、始動口入賞時に保留球が4個存在する場合であっても、本実施例のぱちんこ遊技機10によると、変動中の特別図柄抽選の結果が外れである場合には、ただちに特別図柄変動を停止させるため、始動口入賞の乱数を取得して、保留することが可能となる。
一方、変動中の特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には(S108のY)、特別図柄表示制御手段131が特別図柄の変動を停止させることなく、図柄決定前処理を終了する。図柄決定処理フローに関して詳細に説明するが、特別図柄抽選の結果が大当たりであることが予め分かっている場合、特別図柄決定手段121または装飾図柄決定手段122が、特別図柄と装飾図柄が同時に変動終了するように、特別図柄または装飾図柄の変動時間を決定する。大当たりである場合(S108のY)に、特別図柄と装飾図柄を強制的に終了させることも可能であるが、その場合には、装飾図柄の演出を遊技者に提供できなくなる。本実施例のぱちんこ遊技機10では、大当たり時に、装飾図柄による演出を遊技者に提示することで、遊技者の興味を遊技に引き付けることができる。特に、リーチ態様の表示演出を提示できれば、一層好ましい。したがって、本実施例では、大当たり時の装飾図柄の演出を遊技者に提供するべく、定めた装飾図柄の変動を最後まで実行するように、大当たりである場合には特別図柄を強制終了させないこととしている。
図6および図7は、図柄決定処理のフローを示す。この図柄決定処理フローは、抽選乱数が大当たりである場合に、特別図柄の変動時間を調整することにより、特別図柄と装飾図柄の変動終了時間を一致させる。なお、装飾図柄の変動時間を調整することにより、両図柄の変動終了時間を一致させる方法については、図10に関連して示す。
図6は、特別図柄の決定処理フローを示す。特別図柄表示制御手段131が、特別図柄変動が終了したか否かを判定する(S202)。特別図柄変動が終了した場合(S202のY)、保留球監視手段150が、保留球が存在するか否かを判定する(S204)。特別図柄が変動中である場合(S202のN)、および保留球が存在しない場合(S204のN)、特別図柄決定処理フローは実行されない。
保留球が存在する場合(S204のY)、特別図柄決定手段121は、図柄制御フラグがオンであるか否かを判定する(S206)。図柄制御フラグがオンである場合(S206のY)、特別図柄決定手段121は、抽選実行手段117における抽選乱数が大当たりであるか否かの判定結果を受け取る(S210)。抽選乱数が大当たりでない場合(S210のN)、特別図柄決定手段121は、抽選実行手段117における当たり判定結果をもとに、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S208)。なお、図柄制御フラグがオンである場合、特別図柄と装飾図柄の関係は一対一の対応になく、それぞれが独立して表示される形態をとっている。S208で当たり判定結果をもとに特別図柄を決定することで、両図柄の独立した表示形態は維持される。
図柄制御フラグがオフである場合も(S206のN)、特別図柄決定手段121は、抽選実行手段117における当たり判定結果をもとに、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S208)。この場合、図柄制御フラグがオフであるため、特別図柄と装飾図柄の関係は一対一の対応にあり、したがって、特別図柄および装飾図柄は、変動開始および変動終了を同じタイミングに設定されることになる。
一方、抽選乱数が大当たりである場合(S210のY)、図柄変動制御手段155は、装飾図柄の残り変動時間T1を算出する。図柄変動制御手段155は、装飾図柄の変動開始時間、変動時間、変動終了時間など、装飾図柄の変動に関する時間関係を把握しており、したがって、特別図柄の変動が終了した時点(S202のY)において、装飾図柄の残り変動時間T1を算出することができる。図柄変動制御手段155は、残り変動時間T1を特別図柄決定手段121に引き渡す。
特別図柄決定手段121は、装飾図柄の残り変動時間T1を取得し(S212)、停止図柄を決定するとともに、時間T1をもとに特別図柄の変動パターンをパターン記憶手段118から選択する(S214)。具体的に、変動パターンは、変動時間を時間T1とするものが選ばれる。図柄変動制御手段155は、装飾図柄決定手段122に停止図柄の変更指示を送る(S216)。変動中の装飾図柄の停止図柄は外れ図柄に設定されているため、この図柄変更指示は、装飾図柄の停止図柄を当たり図柄に変更させることを目的とする。以上により、特別図柄決定処理フローが終了する。
図7は、装飾図柄の決定処理フローを示す。装飾図柄表示制御手段132が、装飾図柄変動が終了したか否かを判定する(S230)。装飾図柄変動が終了した場合(S230のY)、装飾図柄決定手段122は、図柄制御フラグがオンであるか否かを判定する(S232)。図柄制御フラグがオフであれば(S232のN)、装飾図柄と特別図柄とが一対一に対応しており、したがって、装飾図柄決定手段122は、特別図柄決定手段121において決定される特別図柄の停止図柄および変動パターンをもとに、装飾図柄の停止図柄および変動パターンを決定する(S234)。
一方、図柄制御フラグがオンである場合(S232のY)、装飾図柄と特別図柄とは一対一に対応しておらず、装飾図柄決定手段122は、その時点で変動中の特別図柄に対応した装飾図柄の停止図柄と変動パターンを決定する(S236)。変動中の特別図柄の停止図柄および変動パターンをもとに装飾図柄を決定するため、装飾図柄決定手段122がS234における図柄決定アルゴリズムをそのまま利用することができ、図柄決定アルゴリズムを共通化できる利点がある。
装飾図柄変動が終了していない場合(S230のN)、装飾図柄決定手段122は、図柄変動制御手段155から図柄変更指示があったか否かを判定する(S238)。図柄変更指示があった場合(S238のY)、装飾図柄決定手段122は、すでに決定した停止図柄を、特別図柄の停止図柄に対応する当たり図柄に変更する(S240)。この場合、図6において説明したように、これから変動開始する特別図柄の停止図柄が大当たり図柄となり、且つ、特別図柄の変動終了時間が、変動中の装飾図柄の変動終了時間に合わせられている。一方、図柄変更指示がない場合(S238のN)、装飾図柄の決定または変更を行うことなく、装飾図柄決定処理フローを終了する。
図8は、図柄制御フラグがオンであるときに、変動中の特別図柄抽選が外れである場合の特別図柄と装飾図柄の変動状況を説明するためのタイミングチャートである。時間t0の時点では、通常の変動状況であり、特別図柄と装飾図柄が同じタイミングで変動を終了する。図柄制御フラグはオフに設定されている。時間t1で、特別図柄と装飾図柄が変動を開始する。このとき、装飾図柄の停止図柄および変動パターンは、特別図柄の停止図柄および変動パターンに対応して決定される。両者の図柄の変動時間は、(時間t9−時間t1)に設定されている。
時間t2で、始動口62に入球が発生し、これにより保留球数が4つになったとする。時間t3で、始動口62に入球があると、特別図柄は、ただちに変動を停止する。このとき、特別図柄と装飾図柄の対応は、一対一の関係になくなり、図柄制御フラグはオンに設定される。特別図柄の変動停止後、保留球の抽選が行われ、保留球数が3つとなった状態で、時間t3における始動口入球の乱数が取得される。これにより、保留球数は4つとなる。時間t4で、特別図柄が変動を開始する。なお、時間t3から時間t4までの時間は図柄変動時間と比較すると非常に微小な時間であり、実質的に同一視してよい。
以下同様に、特別図柄の変動時間の終了前に始動口入球が発生する。時間t5で始動口入球が発生し、特別図柄が変動を停止する。時間t6で、特別図柄が変動開始すると、時間t7で始動口入球が発生し、特別図柄が変動を停止する。時間t8で特別図柄が変動開始すると、時間t9で、装飾図柄が予定通り変動を停止する。このように、保留球数が上限に達している場合に、特別図柄については始動口入球に応じて停止させる一方で、装飾図柄については、最後まで変動を実行させる。これにより、特別図柄の当たり判定を短時間で行う時短遊技に類似した遊技を遊技者に提供できるとともに、始動口入球を特別図柄変動の保留球として有効に拾い上げることができる。さらに、装飾図柄の変動を最後まで実行することで、遊技者に演出を最後まで見せることができ、ぱちんこ遊技機10の遊技性を高めることができる。
時間t10で、装飾図柄として、変動を停止した時点(時間t9)で変動中の特別図柄に対応する停止図柄および変動パターンが決定され、変動を開始される。時間t11で、始動口入球が発生し、特別図柄が変動を停止して、時間t12で変動を開始する。なお、図柄制御フラグは、特別図柄と装飾図柄の対応が一対一の関係に戻った時点でオフに設定される。例えば、保留球数が0になり、特別図柄および装飾図柄の変動が終了したときに、図柄制御フラグがオフにリセットされる。また、保留球数が3個以下となった場合に、特別図柄または装飾図柄の変動パターンを、他方の変動終了時間に合わせるように決定し、図柄制御フラグをオフに設定してもよい。本実施例では、保留球数が所定数(4個)以上の場合に、特別図柄変動を強制的に終了させることとしており、所定数未満であるときには、特別図柄変動の強制終了は実行させない。したがって、保留球数が3個未満となった場合には、すみやかに特別図柄と装飾図柄の変動タイミングを一致させることが好ましく、図柄変動制御手段155が、特別図柄決定手段121または装飾図柄決定手段122をそのように制御することが好ましい。
図9は、図柄制御フラグがオンであるときに、変動中の特別図柄抽選が大当たりとなる場合の特別図柄と装飾図柄の変動状況を説明するためのタイミングチャートである。時間t0から時間t4までの動作については、図8に関連して説明したとおりである。
時間t5において、次の特別図柄抽選の結果が大当たりであったとする。このとき、図柄変動制御手段155が、現在変動中の装飾図柄の変動終了までの残り時間を算出する。特別図柄の次の変動開始時間がt6であり、変動中の装飾図柄の変動終了時間が時間t9であることから、特別図柄を装飾図柄と同時に変動終了させるためには、特別図柄の変動時間を(時間t9−時間t6)に設定すればよいことが分かる。なお、時間t5と時間t6はほとんど同じタイミングであり、実質的に同一視することができる。図柄変動制御手段155は、この時間(時間t9−時間t6)を特別図柄決定手段121に引き渡し、特別図柄決定手段121は、この時間を変動時間とする変動パターンをパターン記憶手段118から選択する。なお、このとき、時間t1から始まっている装飾図柄変動の停止図柄は、同時に変動開始した特別図柄の停止図柄に対応するため、外れ図柄に設定されている。したがって、図柄変動制御手段155は、装飾図柄決定手段122に停止図柄の変更指示を送り、装飾図柄決定手段122は、当該図柄変動の停止図柄を、時間t6から開始される特別図柄の停止図柄に対応した当たり図柄に変更する。
特別図柄変動が大当たりとなる場合、時間t7において始動口入球があっても、特別図柄は停止しない。時間t9で特別図柄および装飾図柄が、ともに当たり図柄にて停止し、大当たり遊技に移行する。このとき、図柄制御フラグは、オフに設定される。なお、図柄制御フラグをオフにするタイミングは、時間t6であってもよい。
図10は、装飾図柄決定処理フローの変形例を示す。図7においては、大当たりの場合に特別図柄の変動時間を調整して特別図柄と装飾図柄の変動終了時間を一致させる場合の装飾図柄の決定方法を示したが、図10の決定処理フローでは、装飾図柄の変動時間を調整することにより両図柄の変動終了時間を一致させる。したがって、この変形例では、特別図柄の決定は、図6に示すように装飾図柄の残り変動時間T1を考慮せず、当たり判定結果をもとに通常どおり行われるものとする。すなわち、図6の特別図柄決定処理フローにおいて、保留球数が存在する場合には(S204のY)、図柄制御フラグのオンオフに関係なく、S208のステップが実行される。
装飾図柄決定処理フローにおいて、装飾図柄表示制御手段132が、装飾図柄変動が終了したか否かを判定する(S302)。装飾図柄変動が終了した場合(S302のY)、装飾図柄決定手段122は、図柄制御フラグがオンであるか否かを判定する(S304)。図柄制御フラグがオフであれば(S304のN)、装飾図柄と特別図柄とが一対一に対応しており、したがって、装飾図柄決定手段122は、特別図柄決定手段121において決定される特別図柄の停止図柄および変動パターンをもとに、装飾図柄の停止図柄および変動パターンを決定する(S306)。
一方、図柄制御フラグがオンである場合(S304のY)、装飾図柄と特別図柄とは一対一に対応していない。図柄変動制御手段155は、その時点で変動中の特別図柄抽選が大当たりを示すものであるか否かを判断し(S308)、その判断結果を装飾図柄決定手段122に送る。大当たりでない場合(S308のN)、装飾図柄決定手段122は、その時点で変動中の特別図柄に対応した装飾図柄の停止図柄と変動パターンを決定する(S310)。変動中の特別図柄の停止図柄および変動パターンをもとに装飾図柄を決定するため、装飾図柄決定手段122がS306における図柄決定アルゴリズムをそのまま利用することができ、図柄決定アルゴリズムを共通化できる利点がある。
当該変動が大当たりである場合(S308のY)、図柄変動制御手段155は、特別図柄の残り変動時間T2を算出する。図柄変動制御手段155は、特別図柄の変動開始時間、変動時間、変動終了時間など、特別図柄の変動に関する時間関係を把握しており、したがって、装飾図柄の変動が終了した時点(S302のY)において、特別図柄の残り変動時間T2を算出することができる。図柄変動制御手段155は、残り変動時間T2を装飾図柄決定手段122に引き渡す。
装飾図柄決定手段122は、特別図柄の残り変動時間T2を取得し(S312)、停止図柄を決定するとともに、時間T2をもとに装飾図柄の変動パターンをパターン記憶手段118から選択する(S314)。具体的に、変動パターンは、変動時間を時間T2とするものが選ばれる。以上により、装飾図柄決定処理フローが終了する。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、本実施例において、図柄変動制御の条件として、保留球数が4個以上である場合を示したが、例えば個数は、それ以外のものであってもよい。
なお、実施例では、第1種ぱちんこ遊技機について説明したが、特別図柄と演出的な装飾図柄の表示制御を実行する他の弾球遊技機についても、本発明を適用することが可能である。
10・・・ぱちんこ遊技機、41・・・メイン基板、49・・・サブ基板、62・・・始動口、100・・・遊技制御装置、110・・・入球判定手段、115・・・当たり判定手段、116・・・乱数取得手段、117・・・抽選実行手段、118・・・パターン記憶手段、121・・・特別図柄決定手段、122・・・装飾図柄決定手段、130・・・表示制御手段、131・・・特別図柄表示制御手段、132・・・装飾図柄表示制御手段、140・・・特別遊技制御手段、150・・・保留球監視手段、155・・・図柄変動制御手段。