JP2005528110A - トリペプチドに富むタンパク水解物 - Google Patents

トリペプチドに富むタンパク水解物 Download PDF

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Abstract

本発明は、トリペプチドに富み、該トリペプチドが該ペプチドの一端においてプロリンに富む、タンパク質水解物を開示する。

Description

本発明は、タンパク水解物およびその利用に関するものである。
医薬および医薬以外の用途両者における、タンパク水解物の利用における興味は、ますます大きくなっている。これら両用途において、タンパクの胃腸管による取り込みが簡単化されたことを特徴とする、容易に同化される食事は、第一に重要なファクタである。医薬用途用のタンパク水解物は、また大幅に減じられたアレルギー特性を必要とする。非-医薬用途を意図した製品にとっては、良好な味覚特性および酸性条件下での良好な溶解度が、重要な特性である。不幸なことに、これらの利点を実現するために必要な加水分解法は、多くの欠点を有している。これらは、苦い異味、残留免疫原性物質、栄養的に必須のアミノ酸の低収率、遊離アミノ酸の放出により引起される高い浸透圧値、および最後に限られた酸に対する安定性等を含む。
以前の刊行物には、水解物の諸特性を最適化し、かつ製造コストを下げる目的で、幾つかの酵素混合物が記載されている。これら全ての刊行物は、単一のまたは混合したエンドプロテアーゼ(endoprotease)の使用に関連している。該刊行物の例は、トリプシン、キモトリプシンおよびパンクレアチン等の、動物由来のエンドプロテアーゼの使用に関連するEP 321 603およびバチルスまたはアスペルギルス族の種から得たエンドプロテアーゼの使用を奨励する、EP 325 986並びにWO 96/13174を含む。不幸なことに、これら酵素の組み合わせは、常にペプチド混合物を生成し、該混合物は苦味を持ち、また幅広い分子量分布を呈する。大きな分子量を持つペプチドは、望ましくない。というのは、これらはアレルギー応答を引起し、またその取り込みは、腸における付随的な酵素処理段階を必要とするからである。この水解物における苦い異味を減じるためには、エキソプロテアーゼ、例えばアミノペプチダーゼまたはカルボキシペプチダーゼの使用が不可欠となる。この苦味除去法の欠点は、実質的な量の遊離アミノ酸の遊離、その結果としての出汁風味のなさ(brothy off flavors)および栄養的に重要なアミノ酸の損失である。
結局、タンパク水解物の工業的生産は、最適性とは程遠い、酵素混合物の使用に依存したままであり、従って準最適サイズ分布を持つペプチド混合物を製造するために、高価な精製段階を必要とする。
通常の食事によって摂取した場合、食品中に存在するタンパク質は、徐々に加水分解されて、より小さなフラグメントとなり、これらのフラグメントは、最終的に小腸の壁を横切って輸送される。胃腸管を通過する際に、胃、膵臓および小腸を起源とする幾つかの異なるプロテアーゼが、活性化される。エンドプロテアーゼ、例えばペプシン、トリプシンおよびキモトリプシンは、大きな分子量をもつタンパク質をより小さなオリゴペプチドに開裂する。次いで、これらオリゴペプチドは、幾つかの他の酵素、例えばジ-またはトリペプチジルペプチダーゼ並びにアミノ-およびカルボキシペプチダーゼによって、更に加水分解される。加水分解の最後の段階は、小腸で起こり、遊離アミノ酸およびジ-およびトリペプチの混合物を与える(Grimble, G.K., Annu. Rev. Nutr., 1994, 14:419-447)。
胃腸管内で活性な多数のプロテアーゼ群の存在にも拘らず、小腸における更なるタンパク分解性加水分解に対して抵抗するタンパクが、残存するジ-およびトリペプチド群の大部分を構成しているものと思われる。例えば、カルボキシ末端を持つプロリン残基を含むジ-およびトリペプチドは、他のペプチドよりも3桁程度まで大きな、身体中での安定性を示すことが報告されている(Ashmarin, I.P.等, Biochemistry (Moscow), 1998, Vol. 63, No. 2, pp. 119-124)。該遊離アミノ酸またはジ-およびトリペプチドの何れかの輸送に対して特異的な担体系は、該腸壁を横切る効率的な輸送を可能とする。定量的にかなりの量の、完全なジ-およびトリペプチドの輸送を可能とする、ペプチド配列に無関係なメカニズムが、同定されている(Doering, F.等, J. Biol. Chem., 1998, 273:23211-23218)。血液循環に入った後、これらのペプチドは、代謝の生理的な調節剤として作用する可能性がある。オピオイド、ACE-阻害、抗-血栓、抗-潰瘍、抗-関節炎性、および食欲減退活性を備えた、ペプチドの生理的作用が記載されている(Pihlanto-Leppala, A; Trends in Food Science & Technology 11 (2001) 347-356; Ashmarin, I.P.等, Biochemistry (Moscow), Vol. 63, No. 2, pp. 119-124, 1998)。
抗-高血圧作用を要求する、様々なタンパク水解物の最近の商業化は、医薬および医薬以外の用途における、「生活性」ペプチドを含有するタンパク水解物の利用範囲を更に広げている。これら生活性ペプチドおよびこのような生活性ペプチドを含有するタンパク水解物は、多くの特許出願に記載されている。例えば、WO 97/00078は、プロバイオティックバクテリアまたはこのようなバクテリアから得た酵素と共に、インキュベートすることにより得られる水解物を記載している。WO 99/16461は、ラクトバチルス(Lactobacillus)の醗酵により得られる特異的トリペプチドによって、アンギオテンシン-転化酵素の阻害について記載している。WO 01/32905は、乳酸バクテリアと共にカゼインを醗酵することにより、抗-高血圧性ペプチドを含有する製品の製造について記載している。幾つかの他の出願(例えば、WO 01/68114を参照のこと)は、血圧を減じ、あるいは糖尿病、腎臓機能の悪化または肥満を治療するための、高度に精製された、または化学的に合成されたペプチドの使用を記載している。
本発明は、トリペプチドに富み、好ましくは該トリペプチドが、該ペプチドの一端においてプロリンに富んでおり、また好ましくは該ペプチドが、カルボキシ末端を持つプロリンを持つことを特徴とする、タンパク水解物の製造方法を提供する。好ましくは、本発明のタンパク水解物は、苦味を持たない。この水解物は、場合によりジペプチドを含むことができる。
本発明の方法の好ましい態様によれば、該選択されるタンパク質またはタンパク質性の基質を、適当なエンドプロテアーゼと接触させる。この適当なエンドプロテアーゼは、好ましくはプロリン特異的エンドプロテアーゼ(PSEまたはエンドプロ(Endopro))、セリンプロテアーゼ、メタロエンドプロテアーゼ、またはアスパラギン酸プロテアーゼであり、より好ましくはPSEを使用する。更に、この基質を、適当なトリペプチダーゼ(TPAP)またはトリペプチダーゼの混合物と接触させる。このようなトリペプチダーゼは、ポリペプチドのN-末端側から(即ち、所謂トリペプチジル-ペプチダーゼを包含する)、または該ポリペプチドのC-末端側から(即ち、所謂ペプチジル-ペプチダーゼを包含する)、トリペプチドを遊離することのできる酵素として定義される。有利には、このタンパク基質は、先ずエンドプロテアーゼ、例えばセリンプロテアーゼ、メタロエンドプロテアーゼまたはアスパラギン酸プロテアーゼと共に醗酵させて、このタンパク質を部分的に加水分解する。我々は、該TPAPが、このような予備加水分解したタンパク基質に対しては、より効果的であることを見出した。
本発明の方法は、1種以上のエンドプロテアーゼと、1種以上のトリペプチダーゼとの組み合わせを含む。有利には、これら酵素を、単離されたものとして、および1:0.05〜1:50、好ましくは1:0.1〜1:10なる範囲の、エンドプロテアーゼ対トリペプチドタンパク比で使用する。
該タンパク基質または生成した該部分水解物を、先ず適当な第一のエンドプロテアーゼによる処理に付し、次いでTPAPまたはその混合物を添加することができる。該酵素の最適活性条件が、ほぼ同一である場合には、一段階の処理が好ましい可能性がある。好ましくは、本発明において使用する該TPAPは、50℃、pH5にて1時間インキュベートした後、実施例1で測定したように、Ala-Ala-X-pNa基質に対して少なくとも70%の残留活性を示すTPAPである。Xは、該TPAPの特異性に依存して、問題とするTPAP毎に変えることができる。Xは、該TPAPの、少なくとも有意な活性を生じる、アミノ酸残基である(例えば、図1参照)。
食品成分の製造における加工助剤として有用であるためには、酵素は、好ましくは幾つかの経済的および法律上の基準を満たす必要がある。該法律上の基準を満たすためには、該酵素は、疑いのない起源、例えば食品等級の微生物から得たものであるべきである。該経済的な基準を満たすためには、該微生物によって分泌されたものであり、高収率で生産でき、かつ多くの生化学的特性、例えば工業的な加工条件下での長期安定性を示すものであるべきである。このような滅菌されていない条件下で、微生物による感染の危険性を最小化するために、工業的処理は、しばしば酸性pH条件および50℃またはそれ以上の温度を用いる。本発明において使用する酵素は、有利にはこれらの要件を満足する。
本発明は、更にトリペプチドに富む水解物を提供し、好ましくはこれらのトリペプチドは、カルボキシ末端を持つプロリンに富む。トリペプチドに富むとは、少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも25モル%、より好ましくは少なくとも30モル%または最も好ましくは少なくとも35モル%のより小さなペプチドが、該水解物中に存在することを意味する。より小さなペプチドとは、200〜2000Daなる範囲の分子量を持つペプチドとして定義される。プロリンに富むとは、出発タンパク質中に存在する、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、およびより一層好ましくは50%のプロリンが、該トリペプチド中に、好ましくはカルボキシ末端を持つプロリンとして存在することを意味する。好ましくは該トリペプチドの30%またはより好ましくは該トリペプチドの35%が、カルボキシ末端を持つプロリン残基を有し、これらの値は、プロリンに富むタンパク基質を用いて得ることができる。
本発明に従って製造したこの水解物は、一般に10〜40なる範囲、好ましくは15〜30なる範囲の加水分解度を持つ。この加水分解度は、Nielsen, P.M.等(Journal of Food Science, Vol. 66, No. 5, pp. 642-646, 2001)に記載されたような、OPA法を用いて測定される。本発明の方法に従って作られるこの水解物は、必要ならば分別することができる。例えば、遠心分離または濾過法(精密濾過および限外濾過)等の分離技術を利用して、更に2000Da以下の分子量を持つペプチドに富む、組成物を製造できる。このように、存在するペプチドの全量を基準として、200〜2000Daなる範囲の分子量を持つペプチドを、少なくとも10質量%、好ましくは少なくとも20質量%、より好ましくは少なくとも30質量%、および最も好ましくは少なくとも40質量%含む組成物を製造できる。
タンパク水解物を含む主生成物は、幼児用の処方物および入院患者用の食物製品であるが、医薬投与を必要としないヒト、例えばスポーツ選手または美容食を摂取している人々のための製品が、より一般的になっている。
ホエータンパクは、本発明の方法により水解物を製造するための、極めて適した基質である。ホエータンパクは、比較的「必須」および「分岐鎖」アミノ酸に富んでおり、また高い生物学的分解性を有している。更に、ホエー水解物は、比較的低い苦味プロフィールを示す。ホエーは、比較的低いプロリン含有率を持つので、容易に同化し得るペプチド混合物を生成する際の、上記トリペプチダーゼの役割は、重要である。
ホエーと比較して、カゼイン、小麦およびトウモロコシグルテン、大豆、米のタンパク、鶏の羽根およびゼラチン等のタンパクは、著しく異なるアミノ酸組成を示す。そのアミノ酸組成を基にして、これらタンパクの幾つかは、本発明の方法によって水解物を製造するために、選択される基質を構成することができる。例えば、小麦グルテンは著しくグルタミンに富んでおり、米のタンパクは、アルギニン残基に富んでいる。これら両アミノ酸は、肉体的な耐久性および極めて激しい運動後の、回復率を改善することが知られている。しかし、遊離アミノ酸としてのグルタミンは、安定ではなく、従って直に同化されるペプチド中に与えることが有利である。トウモロコシグルテンは、極めてロイシンおよびフェニルアラニンに富んだ、安価な基質であり、これらアミノ酸は、経口摂取した際に、グルコース-インシュリン応答を調節できることが知られている。鶏の羽根およびホエータンパクは、安価で潜在的に重要なシステインの源であり、このアミノ酸は、免疫機能を調節し、かつ酸化ストレスに抵抗する重要な役割を持つ。グルタミンと同様に、システインは、好ましくはジ-またはトリペプチドとして供給される、不安定な化合物である。しかし、本発明に至るまで、このような製品のための、最適化された加水分解プロトコールの開発は、経済的に実行不可能である。
カゼイン、ゼラチンおよび小麦およびトウモロコシグルテンは、全て高濃度でプロリン残基を、即ちタンパク100g当たり、遊離アミノ酸として6g以上を含む。前に述べたように、プロリンは、ペプチドに高い安定性を与え、結果的に血圧を低下し、オピオイドアゴニストまたはアンタゴニストとして作用し、平滑筋を収縮し、かつ血小板の凝集を阻害する等の生理的な効果を引出す際の、潜在的な重要性を増す。更に、最近の研究は、特異的なプロリン含有配列またはプロリン-特異的プロテアーゼ不足と、心理学的な特徴と関連する免疫学的効果とを関連付けた。例えば、セリアックスプルーは、食物のグルテンに暴露された場合に誘発され(Shan, L.等, Science, Vol. 297, 2002, 2275-2279)、また挙動変化と関連付けられている(Bernejo, M. & Polanco I., Rev. Neurol., 2002, Feb. 28; 34 Suppl. 1: S24-33)、広く流行している自己免疫疾患である。
これまで、プロリン残基を含むペプチド結合は、市場で入手できる酵素を用いて開裂することは、周知の通り困難であり、従ってプロリンに富む基質から製造されるタンパク水解物は、大量の、大きな分子量を持つ物質を含む。更に、プロリンは、極めて疎水性の高いアミノ酸であり、また極めて苦味の強い水解物を生成する。従って、既存の技術を用いて、プロリンに富む基質から利用可能な水解物を製造すると、低収率で、高価格の製品に導かれる。
殆どの市販品として入手できるエンドプロテアーゼは、疎水性アミノ酸残基、例えばPhe、TyrまたはLeuのカルボキシ末端側、もしくはLysおよびArg等の塩基性残基のカルボキシ末端側何れかにおける開裂に対して強い選択性を示す。比較的小さなペプチドに富む水解物を製造するためには、ツールボックス(tool box)に加えて、上記のプロリン-特異的プロテアーゼが、疑いもなく重要なものとなる。しかし、多くのタンパクは、グルタミン/グルタメートおよびアスパラギン/アスパルテート残基の驚くほど高い含有率を持ち、従ってこれら残基の背後を開裂できるトリペプチダーゼが、極めて有利であり得る。
このような背景に対して、ジ-およびトリペプチドに富むタンパク水解物は、胃腸による取り込みを容易にするための、理想的な生成物をもたらす。一般に、タンパク水解物は、工業的に入手できるエンドプロテアーゼを用いて製造され、従ってこのような製品中のジ-およびトリペプチド形成はランダムであり、また最適なものからは程遠い。ジ-およびトリペプチジルペプチダーゼは公知であるが、これら酵素の殆どは、哺乳動物起源から得られ、従ってこれらの酵素は工業的利用には適さない。微生物起源のものとして記載されている幾つかの酵素は、サイトゾル性、即ち分泌されたものではないか、あるいは望ましからぬpHおよび温度最適値を示す(Springer Handbook of Enzymes, Vol. 6, Class 3.4; 第2版, ISBN, 3-540-43012-1; およびWO 96/14404)。
これまで、工業的な条件の下で使用できる、コスト効率のよい、可能な食品等級のトリペプチダーゼを得ることはできず、従って高い比率でトリペプチドを含むことを特徴とする、魅力的な水解物を製造することは、特に該水解物を、プロリンに富む基質から得る必要がある場合には、不可能であった。あらゆる関連するタンパク質性の基質を、著しく望ましい、良好な風味、効率的な胃腸による取込み、低いアレルゲン性、および必要ならば生物活性を持つペプチドの高い含有率を持つ水解物に転化するための、簡単なプロトコールを可能とするであろう、酵素混合物を開示する。
エンドプロテアーゼ、好ましくはプロリン特異的エンドプロテアーゼと、適当なタンパクに添加されている場合におけるトリペプチダーゼとからなる、この酵素組成物は、トリペプチドおよび場合によりジペプチドに富み、該ジ-および/またはトリペプチドが、該ペプチドの一端においてプロリンに富んでいる、該タンパク水解物を製造できる。
あらゆる用途において、これらのタンパク水解物は、魅力的な利点、例えば低いアレルゲン性、容易化された胃腸による取込み、グルタミンおよびシステイン等の望ましいアミノ酸の、低い化学的な劣化、および最後に長期に渡る保存期間中の、酸性飲料における低いタンパク質性沈殿生成をもたらす。該水解物が、エンドプロテアーゼ、好ましくはプロリン特異的エンドプロテアーゼと、1種以上のトリペプチダーゼとの組み合わせを用いて調製する場合には、これら利点の全てを組み合わせることができる。本発明によれば、幾つかの有用なトリペプチダーゼは、純粋なまたは単離された状態で使用することが好ましい。純粋なトリペプチダーゼは、例えば適当な形質転換された宿主微生物における、該酵素の超過発現(overexpression)により得ることができる。好ましいものは、開裂すべき該基質に対して低い選択性を示す、即ち最小のアミノ酸残基配列選択性のみを示す、トリペプチダーゼである。天然のペプチド結合を高い比率で加水分解する、トリペプチダーゼの組み合わせが好ましい。天然のペプチド結合に対するこの高い活性にも拘らず、遊離アミノ酸への全加水分解は、該トリペプチダーゼの特性によって妨害される。また、pH4〜8において最適な活性を持ち、かつ十分な温度安定性を示すトリペプチダーゼが好ましい。十分な温度安定性とは、その初期の加水分解活性の少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70〜100%なる範囲の活性が、該酵素を該基質と共に50℃にて1時間加熱した後にも残されることを意味する。トリペプチジルアミノペプチダーゼが、好ましいトリペプチダーゼである。
トリペプチジルアミノペプチダーゼは、オリゴペプチドのN-末端から、トリペプチドを遊離できる酵素である。これらオリゴペプチドのカルボキシ末端からトリペプチドを遊離できる酵素については、殆ど知られていない(トリペプチジルカルボキシペプチダーゼまたはペプチジルトリペプチダーゼ)。このような酵素により作られるトリペプチド混合物の、様々な生理学的な利点を上に例示した。トリペプチドは、ジペプチドよりも一層広い配列のバリエーションをもたらし、結果として生物学的活性の調節をもたらすレセプタとの最適な適合性を持つ機会を高める。これは、カルボキシ末端を持つプロリン残基を有する、生活性ペプチドの文書で明らかにされた数によって、十分に示されている(例えば、WO 01/68114を参照のこと)。
トリペプチジルアミノペプチダーゼ(EC 3.4.14)は、哺乳動物並びに植物起源から単離されている。トリペプチジルペプチダーゼが単離された微生物は、例えばストレプトマイセス(Streptomyces)種(JPO08308565; WO 95/17512およびUS 5,856,166)、ポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis) (WO 00/52147)、ディクチオステリウムディスコイダム(Dictyostelium discoidum)およびアスペルギルス(Aspergillus)種(WO 96/14404)である。これまで、トリペプチジルカルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.15)の出現は、哺乳動物細胞および微生物クロストリジウムヒストリティカム(Clostridium histolyticum)のみであることが明らかにされていた。
トリペプチダーゼ混合物が、本発明の方法において特に好ましい。我々は、このような混合物が、反応時間を減じ得ることを見出した。更に、単一のペプチダーゼを用いた場合と比較した場合に、より多量のトリペプチドが生成される。本発明において特に適したペプチダーゼは、我々の継続中の特許出願PCT/EP02/01984(=WO 02/068623)に記載されている。これらの酵素はA.ニガー(niger)から得られる。これらトリペプチダーゼのSEQ ID番号が、PCT/EP02/01984の表1に与えられている。対応する配列も、この出願に与えられている。
経済的な観点から、我々の観測の持つ意味は、本発明の方法においては、トリペプチダーゼおよび/またはエンドプロテアーゼを、多量かつ純粋なまたは単離された状態で使用しなければならない、明確な必要性が存在することにある。純粋なまたは単離されたトリペプチダーゼを得るための好ましい方法は、組み替えDNA技術を用いた、過剰生産を経るものである。多くの食品製品が酸性であり、また長期に渡る工業的、非-滅菌環境下での酵素インキュベーションも、酸性インキュベーション条件を必要とし、更に高温で処理して、微生物汚染を回避する必要があることから、より好ましい方法は、組み替えDNA技術を利用した、50℃以上の処理条件下で、十分な安定性を示す、酸安定性トリペプチドの過剰生産である。特に好ましい方法は、アスペルギルスを由来とするこのようなトリペプチダーゼの過剰生産であり、最も好ましい方法は、アスペルギルスニガーを由来とするこのようなトリペプチダーゼの過剰生産である。
エンドプロテアーゼまたはトリペプチダーゼ活性を持つ、本発明の方法において使用するポリペプチドは、単離された状態のものであり得る。ここで定義した如く、単離されたポリペプチドは、内因的に生産された、または本質的に他のポリペプチドを含まない、組み換えポリペプチドであり、また典型的にはSDS-PAGE法で測定された少なくとも20%なる純度、好ましくは少なくとも40%なる純度、より好ましくは少なくとも60%なる純度、より一層好ましくは少なくとも80%なる純度、更に一層好ましくは少なくとも90%なる純度、または最も好ましくは少なくとも95%なる純度を持つ。このポリペプチドは、遠心分離、濾過(例えば、限外濾過)またはクロマトグラフィー法、あるいは粗製溶液から純粋なタンパク質を得るための、当分野において公知の他の任意の技術により単離することができる。このポリペプチドを、その意図された目的を妨害しない、担体または稀釈剤と混合することができ、またこの形状にある該ポリペプチドが依然として単離されたものと見做されることを理解するであろう。これは、一般に処方物中の該ポリペプチドを含み、該処方物中の該タンパク質の10%(質量基準で)を越える、例えば20%、30%、40%、50%、80%、90%、95%または99%が、本発明の方法で使用するためのポリペプチドである。
本発明の水解物の主な目的は、該製品のアレルゲン性または免疫応答性を最小化し、あるいは胃腸による取込みを容易にすることにある。かかる水解物の製造における、1種以上のトリペプチダーゼとの組み合わせによる、プロリン特異的エンドプロテアーゼの利用は、これらがこのような水解物を製造するための効率のよい方法を与えることから、特に重要なものである。
本発明による酵素混合物は、トリペプチダーゼまたはトリペプチダーゼ混合物を含むことができる。この酵素混合物は、またエンドプロテアーゼ、例えばセリンプロテアーゼ、メタロエンドプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、またはプロリン-特異的エンドプロテアーゼ(PSEまたはE.C. 3.4.21.26)を含むこともでき、これらは該トリペプチダーゼと共に作用して、基本的なタンパク水解物を与える。勿論、該エンドプロテアーゼは、1種以上の異なるエンドプロテアーゼであり得、これらエンドプロテアーゼは、該タンパク基質と共に同時にまたは順次インキュベートされ、例えば該タンパク質性の基質は、先ず1種のエンドプロテアーゼ、好ましくはセリンプロテアーゼ、メタロエンドプロテアーゼまたはアスパラギン酸プロテアーゼによって消化し、次いで第二のエンドプロテアーゼ、好ましくはPSEにより消化することができる。該第二のエンドプロテアーゼを添加する前に、既に存在する酵素を、場合によっては不活化する。
セリンプロテアーゼは、周知の一群のアルカリ性エンドプロテアーゼを構成する。その例はズブチリシン(E.C. 3.4.21.62)およびキモトリプシン(E.C. 3.4.21.1)を含み、これらは疎水性アミノ酸、例えばTyr、Trp、PheおよびLeuを含むカルボキシ末端側における、ペプチド鎖の開裂を好む。本発明の酵素混合物は、キモトリプシンおよび/またはズブチリシンを含むことができる。ズブチリシンは、バチルス族の種によって製造され、また極めて広い基質特異性および広いアルカリpH適正を有する。この酵素は、50〜60℃なる範囲の温度にて最適の活性を呈する。この酵素は、常備の市販品として安価に入手でき、また例えば様々なミルク水解物の製造において有用である。キモトリプシンは、動物の膵臓から得ることができ、ズブチリシンよりも僅かにアルカリ側のpH値において、幾分狭い基質特異性を持ち、50℃以下にて最適活性を持つ。
メタロエンドプロテアーゼ群は、バクテリア、真菌および高等生物に広く分布している。これらは中性および酸性メタロエンドプロテアーゼに分けることができる。これら2つのサブクラスの中で、中性プロテアーゼのみが所定の開裂選択性を持ち、即ちPheおよびLeu等の疎水性アミノ酸残基のカルボキシ末端側において、ペプチド鎖を開裂する。該中性メタロエンドプロテアーゼの周知の例は、バチロリシン(bacillolysin; E.C. 3.4.24.28)およびサーモリシン(E.C. 3.4.24.27)であり、これらの何れかまたは両者は、本発明の酵素混合物中に存在する。これら両酵素は、バチルス種から得られ、また中性または僅かにアルカリ性条件下で最大活性を示す。これらの中性メタロエンドプロテアーゼの、さほどよく知られてはいない例は、アスペルギルス種から得られる。該プロリン特異的エンドプロテアーゼが、苦味除去のためには使用されないが、プロリンに富むタンパク配列の加水分解において役立つ場合には、デューテロリシン(deuterolysine; EC 3.4.24.39)等の酸性メタロエンドプロテアーゼとの組み合わせが有利であり得る。
セリンおよびメタロエンドプロテアーゼとは異なり、該アスパラギン酸プロテアーゼは、プロリン特異的エンドプロテアーゼおよび同様に酸性至適pHを持つトリペプチダーゼとの組み合わせとして有利に使用できる、酸性至適pHを持つことを特徴とする。該アスパラギン酸プロテアーゼ、特にペプシンは、広い特異性を持つ有効なエンドプロテアーゼとして認識されている。適当なA.ニガー由来のアスパラギン酸プロテアーゼは、我々の継続中の特許出願PCT/EP02/01984に、具体的に記載されている。
本発明の方法は、1種以上のエンドプロテアーゼと、1種以上のトリペプチダーゼとの組み合わせを含む。有利には、該酵素を、単離された状態で、また1:0.05〜1:50、好ましくは1:0.1〜1:10なる範囲の、エンドプロテアーゼ対トリペプチダーゼタンパク比で使用する。
本発明の方法において使用する、エンドプロテアーゼ対トリペプチダーゼのタンパク比を設定するためには、実質的に純粋な酵素を、クーマシーブリリアントブルーを用いた、標準的なタンパク染色プロトコールに引き続き、SDS-PAGEに掛ける。使用する酵素の定量は、該活性な酵素に対応するタンパク質バンドの、累積密度値を測定するスポット密度計を用いて行われる。SDS-PAGEに先立って行われる、変性段階中の該酵素の分解を防止するために、変性は、該酵素とプロテアーゼ阻害剤とを混合し、この混合物を99℃の水浴に5分間浸漬し、その後所定量のSDSおよび還元化合物を添加する。セリンエンドプロテアーゼは、ペファブロック(Pefabloc) と混合し、メタロプロテアーゼはホスホロアミドンと混合し、またアスパラギン酸プロテアーゼは、ペプスタチンと混合することにより阻害される。これら全ての阻害剤およびその操作手順は、ロッシュ(Roche)から得ることができる。
我々の継続中の特許出願PCT/EP01/14480は、公知のエンドプロテアーゼとの組み合わせで、苦味のないタンパク水解物を生成し得る、プロリン特異的エンドプロテアーゼの使用を記載している。このプロリン特異的エンドプロテアーゼは、プロリン残基を持つカルボキシ末端において、ペプチドまたはポリペプチドを開裂できる酵素である。プロリン特異的エンドプロテアーゼは、動物および植物中に広く見出されているが、その微生物における存在は、限られているように思われる。これまで、プロリン特異的エンドプロテアーゼは、アスペルギルス(Aspergillus; EP 0 522 428およびWO 02/45524)、フラボバクテリウム(Flavobacterium; EP 0 967 285)、エーロモナス(Aeromonas; J. Biochem., 113:790-796)、キサントモナス(Xanthomonas)およびバクテロイデス(Bacteroides)族の種において同定されている。我々は、ペプチドのカルボキシ末端における高いプロリン残基の出現率が、低い苦味と相関関係を持つ可能性があることを示した。更に、我々は、所定の高いカルボキシ末端プロリン残基の出現率が、高いプロリン特異的エンドプロテアーゼの濃度、即ちJP5015314に特定された活性を、大きさにおいて数階超える濃度にて、かつカルボキシペプチダーゼの不在下でのみ達成できることを明らかにした。
従来のエンドプロテアーゼとの組み合わせで、このプロリン特異的エンドプロテアーゼは、プロリンに富むタンパクを強力に加水分解し、狭いサイズ分布を持つ、比較的小さなペプチドを生成する。該プロリン特異的エンドプロテアーゼの、開裂選択性のために、生成するペプチドの多くは、カルボキシ末端を持つプロリン残基を持つ。更に、該水解物の処理は、比較的簡単である。というのは、エキソプロテアーゼによる苦味除去段階を含まず、従って低濃度の遊離アミノ酸のみが生成されるであろうことによる。
経済的な理由から、この観測の意味するところは、我々の継続中の特許出願PCT/EP01/14480に記載されている、多量にかつ純粋なまたは単離された状態で、プロリン特異的エンドプロテアーゼを、この方法において使用することに対する、明確な必要性が存在することである。精製され、かつ単離されたPSEを得るための好ましい方法は、組み換えDNA技術を利用した、このようなプロリン特異的エンドプロテアーゼの過剰生産を経ることである。多くの食物製品は酸性であり、また工業的な非-無菌化環境下での長期に渡る酵素のインキュベーションは、酸性のインキュベーション条件、50℃以上の処理温度を用いて、微生物汚染を防止しているので、より好ましい方法は、組み換えDNA技術を利用した、酸に対して安定なプロリン特異的エンドプロテアーゼの過剰生産である。特に好ましい方法は、アスペルギルス由来のプロリン特異的エンドプロテアーゼによる過剰生産であり、および最も好ましい方法は、アスペルギルスニガー由来のプロリン特異的エンドプロテアーゼによる過剰生産である。更に、本発明による酵素は、固定化された状態で使用して、多量のタンパク含有液体を処理することができる。適当な担体材料および適当な固定化方法を選択する法は、文献、例えば「酵素および細胞の固定化(Immobilization of Enzymes and Cells)」(Gordon F. Bickerstaff編; ISBN 0-89603-386-4)に広く記載されている。
一度これら新規な酵素が比較的純粋な状態で利用可能となれば、他の新規かつ驚くべき用途が、もくろまれ、これらは技術的並びに経済的な利点を持つ。
新規な用途の一つは、新規なアミノ酸組成を持つタンパク質性の基質から、苦味のない水解物の製造である。このような新規なアミノ酸組成物は、幾つかの食品および医薬用途における重大な利点をもたらす可能性がある。その例は、高濃度で疎水性アミノ酸残基を含む、より具体的にはプロリン残基を含むトウモロコシタンパクまたは小麦グルテンもしくはカゼイン単離体である。これまで、これらの基質は、加水分解の際に発生する不快な苦い風味および公知の方法を用いて達成される、限られた加水分解度のために、実際には使用されなかった。本発明の加水分解法を用いて、新規かつ苦味の無い水解物を、幼児用のおよび臨床用の栄養物、治療食および消費者の食事並びにスポーツ栄養物において使用できるようになる。
苦い風味の抑制とは直接関連しないが、他の利点は、食物タンパクと該酵素とをインキュベートして、そのアレルゲン性または免疫学的応答を減じることを含む。幾つかの食物タンパク質は、高度にアレルギー性の準画分、例えばプロリンに富むペプチド配列を持つ、プロラミンを含有する小麦グルテン等を含む。これらタンパクを、新規な該酵素の作用に付して、そのアレルゲン性を軽減することができる。具体的な一つの応用は、エンドプロテアーゼ、好ましくはプロリン特異的エンドプロテアーゼとトリペプチダーゼとの、経口消費としての利用である。このような経口摂取用の組成物は、これら2種の酵素の組み合わせが、良好な保存安定性を示す、錠剤、ピル、または散剤もしくは液剤であり得る。乾燥状態に維持されている場合、該酵素の所定の保存安定性は、殆ど技術的な問題をもたらさない。良好な保存安定性を与え、また経口消費に適した液状酵素処方物は、公知技術に記載されている。経口摂取に際しては、これら2種の酸に対して安定な酵素の組み合わせは、プロリンに富むタンパク、例えばカゼインまたはグルテンの消化を助け、結果的にセリアックスプルーについて記載した作用を防止しまたは最小化する。
該プロリン特異的エンドプロテアーゼは、カルボキシ末端を持つプロリン残基を持つペプチドを生成するのに使用される。このようなペプチドは、様々な食品または栄養(nutraceutical)製品に対する望ましい添加物であり、従ってこれらは食欲不振、フィブリン溶解、抗-血栓症および抗-高血圧効果並びに胃粘膜の保護およびリュウマチ性関節炎の予防に関連している。
これら新規な用途の殆どにおいて、該プロリン特異的エンドプロテアーゼは、好ましくは酸性至適pHを持つ、活性スペクトルを示す。
上記問題を解消するために、本発明は、単離し、精製したプロリン特異的エンドプロテアーゼのみで、即ち実質的な共存する、またはその後の外因性タンパク分解酵素の使用無しに、タンパク水解物を有意に苦味除去するのに十分であることを明らかにする。従って、プロリン特異的エンドプロテアーゼは、本発明の酵素製剤を、タンパク1g当たり少なくとも5単位、好ましくは10U/g、より好ましくは25 U/gおよびより一層好ましくは50U/g含むことができる。更に、本発明に従って行った研究は、単離し、精製したプロリン特異的エンドプロテアーゼのみで、即ち実質的な共存する、またはその後の外因性タンパク分解酵素の使用無しに、タンパク水解物の全体としての免疫原性レベルを大幅に減じるのに十分であり、また酸性条件下で、その溶解度を著しく増大するのに十分であることを明らかにする。本発明に従って製造したこれらの水解物は、カルボキシ末端を持つプロリン残基を持つペプチドに富むものである。
本発明の一態様は、TPAPとの組み合わせで、実質的な濃度の遊離アミノ酸を同時に製造すること無しに、実質的に低い苦味および低いアレルゲン特性を持つタンパク水解物を、高収率で製造するための、プロリン特異的エンドプロテアーゼ、好ましくは単離しおよび/または精製したプロリン特異的エンドプロテアーゼの利用法を提供する。これら全ての酵素は、該基質に同時に添加でき、あるいはこの酵素を用いた方法を、2段階、即ち先ずPSEによる加水分解およびこれに続くTPAPによる加水分解により、実施できる。
トリペプチダーゼは、容易に同化し得るタンパク水解物を製造するために選択される酵素である。生成された該ペプチドは、小腸の壁に直接移転できるばかりでなく、そのサイズが小さいことから、これらのペプチドは、良好な水溶性を持ち、しかも如何なるアレルゲン性もない。更に、グルタミン、システインおよびチロシン等の、損傷を受けやすいが、必須のアミノ酸は、遊離アミノ酸ではなくトリペプチドとして存在する場合には、より一層安定である。従って、選択されたタンパク質性の基質を、適当なエンドプロテアーゼとトリペプチジルペプチダーゼとの組み合わせにより消化した際には、水解物が生成され、そこには選択されたアミノ酸残基が、安定で、しかも容易に同化できる状態で存在している。本発明の酵素混合物を用いて、有利に製造できる、考え得る製品は、高濃度のグルタミンを供給する、容易に同化可能なグルテン水解物、並びに高濃度のシステインを供給する、ホエー由来の、ケラチンまたはラクトアルブミンに富む画分から得た水解物である。高い安定性の結果として、増強された変調、調節、またはホルモン-様の活性を示す、トリペプチドを含む水解物、例えばプロリンまたはグリシン残基に富むトリペプチドは、ゼラチンまたはカゼインもしくはトウモロコシタンパク等の、基質の消化の際に生成し得る。これら水解物中に存在するペプチドの最適のサイズおよび高い安定性のために、経口摂取は、血液循環中に比較的高いトリペプチド濃度を与え易く、従って真の栄養分(nutraceuticals)の概念が、手に届く範囲内となる。増強された効果は、生成されたペプチドのより少ない化学的転化によって、例えばプロリン残基を含むペプチドの環化により達成できる。
本発明の方法は、様々なタンパク画分の水解物を調製するのに適している。特にタンパク基質、例えばミルクタンパクを、単離され、精製されたプロリン特異的エンドプロテアーゼおよびTPAPと共にインキュベートして、カルボキシ末端プロリンを持つペプチドフラグメントに富むタンパク水解物を製造できる。
該水解物におけるペプチドの平均の長さは、一般に2〜9アミノ酸、好ましくは3〜6アミノ酸、より好ましくは3〜5アミノ酸なる範囲にある。この平均長さは、200〜2000ダルトンなる範囲の分子量を持つペプチドに基くものであり、各ペプチドの数と該ペプチドの長さとの積を足し合わせ、この和をペプチドの全数で割ることにより算出できる。
ペプチドまたはペプチドフラグメントとは、200〜2000ダルトンなる範囲の分子量を持つペプチドを意味する。これらペプチドは、「物質および方法」と題する章において記載するように、LC/MC分析に従って分析できる。
一般に、本発明のタンパク水解物の製造において、タンパク基質は、実質的に加水分解され、好ましくは該タンパク基質の少なくとも20%(w/w)が、200〜2000ダルトンなる範囲の分子量を持つペプチドに転化される。より好ましくは、30〜90%(w/w)およびより一層好ましくは40〜80%(w/w)なる範囲の、該タンパク基質が、このようなペプチドに転化される。
本発明のもう一つの態様は、該カルボキシ末端アミノ酸残基としての、プロリンを含むペプチドを、比較的高い含有率で含むタンパク水解物である。タンパク水解物の製造において、典型的に用いられる酵素製剤は、カルボキシ末端にプロリン残基を持つペプチドを生成することはできないので、このようなペプチドに比較的富むタンパク水解物が望ましい。
本発明の酵素混合物により加水分解するための基質は、全乳、脱脂乳、酸性カゼイン、レンネットカゼイン、酸性ホエー製品またはチーズホエー製品を包含する。例えば、ラクトアルブミンに富む画分等の、工業的に得ることのできる画分も有用である。全く驚いたことに、アスペルギルス由来のプロリン特異的エンドプロテアーゼは、プロリン残基を持つカルボキシ末端側においてのみ開裂するのではなく、ヒドロキシプロリン残基を持つカルボキシ末端側においても開裂し、このことは、他のコラーゲンを主成分とする動物タンパク、例えばゼラチン並びに骨または魚の骨を含む残留肉をも、該酵素に対して興味ある基質とする。更に植物基質、例えば小麦またはトウモロコシグルテンおよびこれらグルテンから得られるタンパク画分並びに、例えば大豆、米またはコーン等から得たタンパク画分も、適当な基質である。本発明により製造した、ミルクタンパク水解物は、追加の濾過または精製段階を経て、またはこれらを経ずに様々な特製品、例えば幼児の栄養物用の低アレルゲン性の水解物、腸溶性およびダイエット用栄養物のための基本的な水解物、並びに様々な形態にある健康食品用のタンパク濃縮物において使用できる。従って、本発明のタンパク水解物は、例えば幼児用処方物等の低アレルゲン性の食料品、様々な医薬または健康関連製品等の胃腸による取込みを容易にした製品を製造するのに使用できる。更に、本発明の酵素処方物は、少なくとも1種のタンパク水解物が大量に存在する場合においてさえ、該タンパク水解物によって味付けされた食品における、苦味を減じるために使用できる。例えば、食品は5〜10%(w/v)なる範囲のタンパク水解物を含むことができ、しかも本発明の酵素処方物を用いて減じられた苦味を持つことができる。
本発明は、単離されまたは精製された、酸性の至適pHを持つプロリン特異的エンドプロテアーゼと、様々な食品用途用のタンパク水解物の製造に対して、酸性の至適pHを示す、1種以上の単離されたトリペプチダーゼとの組み合わせを使用することが好ましい。このような単離されまたは精製されたプロリン特異的エンドプロテアーゼは、タンパク質性の物質1g当たり、少なくとも10単位のプロリン特異的エンドプロテアーゼ活性を持つものとして定義される。これら単位は、合成ペプチドZ-Gly-Pro-pNA (Bachem、スイス)を用いて、37℃、pH7にて測定すべきである。しかし、プロリン特異的エンドプロテアーゼの該至適pHが、6以下であった場合、例えばアスペルギルスニガーのプロリン特異的エンドプロテアーゼの場合には、この単位は、「物質および方法」と題する章において指定されるように、pH5において測定すべきである。本発明の酵素混合物は、当分野において従来知られていた酵素混合物の、幾つかの欠点を解消する。最も重要なものは、該単離されまたは精製されたプロリン特異的エンドプロテアーゼが、低アレルゲン性、高収率および低い苦味プロフィールを組み合わせて持つ、水解物の製造におけるキーとなる。該単離されたトリペプチダーゼは、如何なるアレルゲン性も示さず、また特異的な好ましいアミノ酸組成を持つ、容易に同化できるペプチドの製造におけるキーとなる。更に、このプロリン特異的エンドプロテアーゼを含む、酵素混合物を用いて製造した水解物が、身体内で比較的安定であり、酸性製品に配合した場合に、驚くほどの保存安定性を示し、しかも極めて低濃度の遊離アミノ酸を含み、結果的に噴霧乾燥または製品の滅菌等の、加熱段階中に発生する不快な風味(off-tastes)を最小化する。本発明による水解物は、乾燥重量で1g当たり、900μM未満の遊離アミノ酸、好ましくは乾燥重量で1g当たり、300μM未満の遊離アミノ酸、より好ましくは乾燥重量で1g当たり、150μM未満の遊離アミノ酸、およびより一層好ましくは乾燥重量で1g当たり、50μM未満の遊離アミノ酸を含むであろう。
物質および方法
90%タンパク含有カゼインナトリウムを、DMVインターナショナル(DMV International; オランダ)から入手した。B.リケニホルミス(licheniformis)由来のズブチリシン(デルボラーゼ(DelvolaseTM); 1g当たり560,000DU)は、DSMフードスペシャリティーズ(Food Specialities)(フランス国、セクラン)から得た。
pH6.0以上の至適pHを示す、プロリン特異的エンドプロテアーゼの酵素活性は、T. Diefenthal & H. Dargatz (World Journal of Microbiology & Biotechnology, 1995, 11:209-212)に従って、0.1Mリン酸バッファー中の、Z-Gly-Pro-pNA (0.26mM)を用いて、25℃、pH7.0にてテストする。生成物は、分光光度法により、410nmにて追跡した。アスペルギルス由来のプロリン特異的エンドプロテアーゼは、僅かに改良した、日本国の特許JP5015314に記載されている方法に従って測定した。簡単に言えば、該酵素活性は、pH5のシトレート/リン酸二ナトリウムバッファー中で、37℃にて、Z-Gly-Pro-pNAについてテストする。このテストでは、該酵素の至適pHが6以下であることから、pH5を選択する。この反応性生物も、モル/L当たり10500なるモル吸光係数を用いて、分光光度法により、410nmにて追跡した。A.ニガーにより過剰生産されたもの等の、該精製されたトリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP-A)の活性は、同様な方法で測定した。しかし、この場合、合成基質:Ala-Ala-Phe-pNA(Bachem、スイス)を、pH4.0および60℃における、0.1モル/Lクエン酸バッファー中でのインキュベーションにおいて使用した。この精製したTPAP-Aは、8単位/mlなる活性を有していた。
活性単位は、これらの条件の下で、1分間当たり1μMのp-ニトロアニリドの放出をもたらす、酵素の量として定義される。
様々なタンパク分解混合物と共に、インキュベート中に達成される加水分解度(DH)は、迅速OPAテスト(JFS, 2001, Vol.66, No.5)を用いて追跡した。
生成したタンパク水解物の官能的評価は、様々なレベルの苦味を検出し、これをランク付けする訓練を積んだパネルを備えた、独立した研究所によって行った。セッション中に、風味テストを「ブラインド」で行い、苦味を0(苦味なし)から4(極めて苦い)までの範囲でランク付けした。パネルは、以下のような溶液を用いて、硫酸キニーネについて訓練した。
15ppmの硫酸キニーネ>苦味強度=1;
20ppmの硫酸キニーネ>苦味強度=2;
30ppmの硫酸キニーネ>苦味強度=3;
50ppmの硫酸キニーネ>苦味強度=4。
LC/MS分析
Qtof-2(UK、マンチェスターのマイクロマス(Micromass)社)マススペクトロメータを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)を利用して、トリプシンによる消化の際に形成されるペプチドを分離した。該ペプチド溶液5μLを、流量20μL/分にて、0.1%の蟻酸を含むミリQ(Milli Q)水を用いて、マイクロプレカラム(micro-precolumn)、C18、5*0.3mm(MCA30-05-C18、オランダ国、アムステルダムのLCパッキングズ (Packings)社)上にトラップした。次いで、これらペプチドを、ミリQ水(USA、MA、ベッドフォードのミリポア(Millipore)社; 溶液A)中の0.1%の蟻酸と、アセトニトリル中の0.1%の蟻酸(溶液B)との急峻な勾配を用いて、該プレカラムから溶出した。該勾配は、100%の溶液Aから開始し、20分間で60%の溶液Bまで増大させ、更に5分間後者の比率に維持した。該ペプチドの溶出中に使用した流量は、200nl/分であった。LC/MS/MS分析を用いて、A.ニガーのプロリン特異的エンドプロテアーゼの、部分的アミノ酸配列を、適当なペプチドのデノボ(de novo)配列決定法により測定した。
P4000ポンプ(サーモケスト(ThermoquestTM)、オランダ国、ブレダ(Breda))と組み合わせた、イオントラップマススペクトロメータ(サーモケスト、オランダ国、ブレダ)を用いたHPLCを利用して、本発明の酵素混合物によって、酵素的に製造したタンパク水解物を、特徴付ける際に利用した。PEPMAP C18 300A (MIC-15-03-C18-PM、オランダ国、アムステルダムのLCパッキングズ社)カラムを、溶出用の、ミリQ水(USA、MA、ベッドフォードのミリポア社; 溶液A)中の0.1%の蟻酸+1mMノナフルオロペンタン酸(NFPA)と、アセトニトリル中の0.1%の蟻酸(溶液B)との勾配を組み合わせて用いて、これら生成したペプチドを分離した。該勾配は、100%の溶液Aから開始し、140分間で40%の溶液Bまで増大させ、更に5分間後者の比率に維持した。使用した注入体積は、50μLであり、該流量は50μL/分であり、該カラム温度は30℃に維持した。注入したサンプルのタンパク質濃度は、約50μg/分であった。
個々のペプチドに関する詳細な情報は、「走査依存性(scan dependent)」MS/MSアルゴリズムを用いて得た。このアルゴリズムは、イオントラップマススペクトロメータに固有のアルゴリズムである。
フルスキャン(full scan)分析後に、フルスキャン質量範囲における、最も強度の高いイオンの帯電状態を決定するために、ズームスキャン(zoom scan)分析を行った。その後の、後者イオンのMS/MS分析は、部分的ペプチド配列情報を与え、これらはXカリバーバイオワークス(Xcalibur Bioworks; サーモケスト、オランダ国、ブレダ)からの、SEQUESTアプリケーションを利用した、データベース検索のために利用できた。利用したデータバンクは、利用した用途に対する対象となるタンパクを含む、NCBI (National Centre for Biotechnology informatics)にて手に入る、OWL.fastaデータバンクから抽出した。十分に特徴付けされたタンパク基質、例えばホエータンパクまたはカゼインタンパクについて測定を行った、これらの実験において、該分析技術の精度は、50%未満の配列適合性を持つMS/MSスペクトルを排除することにより増大した。
異なる本発明の酵素混合物を用いることにより、生成するペプチドの質量範囲は、ジ-およびトリペプチドにて開始する。逆相液体クロマトグラフィーと組み合わせて、揮発性イオン対形成剤NFPAを用いることによっても、より小さな、かつより疎水性のペプチドを、MS配列決定による更なる分析に適したものと思われる、約200〜2000ダルトンなる範囲の質量に至るまで追跡することができる。
アンギオテンシン(M=1295.6)を使用して、MSモードの最適感度およびMS/MSモードにおける最適のフラグメント化について調整し、60mg/mlという一定の浸出を行い、MSモードにおける主として二価および三価に帯電した種、およびMS/MSモードにおける約35%という最適の衝突エネルギーを得た。
幼児用の処方物および市販のタンパク水解物のLC/MS分析
LC/MSに先立って、脂肪物質を、該幼児用の処方物から除去する必要があった。そのために、完全栄養サンプル(100mlのミリQ水中の13.5gの粉末)を、30mlのヘキサンで3回抽出した。溶媒相の分離性を改善するために、少量のNaClを添加した。次いで、5mlの水性相を得、これを凍結乾燥した。分析に先立って、該サンプルを、再度25mlのミリQ水に溶解し、二度遠心分離処理し(13000rpmにて)、0.22μmのフィルタを通して濾過した。純粋な水解物サンプルから、400mgを100mlのミリQ水に溶解し、二度遠心分離処理し(13000rpmにて)、0.22μmのフィルタを通して濾過した。市販のタンパク水解物中に存在するペプチドを特徴付けするために、本発明の酵素混合物により生成した、酵素分解水解物について上記したものと同様な方法を実施した。即ち、該濾過した水解物を、HPLCカラムに適用し、200〜2000ダルトンなる範囲の分子量を持つ個々のペプチドを、上記MS/MS分析によって、更に分析した。
カルボキシ末端プロリンを持つ、ペプチドのモル割合(%)の測定
ペプチドのC-末端を分析するために、LC/MS/MSを利用できる。これらペプチドの分子量(LC/MSによる分析)およびその(部分)アミノ酸配列(LC/MS/MSによる分析)を、タンパクデータバンクの自動検索手順と結び付けるアルゴリズムを用いて、複雑なペプチド混合物を分析することができる。これらオプションは、カルボキシ末端プロリン残基を持つペプチドの出現率を、定量することを可能とする。
タンパク水解物中の、カルボキシ末端プロリンを持つペプチドのモル割合を決定するために、該PEPMAPカラムから溶出する個々のペプチドのピークを選択し、上に特定した技術を用いて、部分カルボキシ末端を持つアミノ酸配列を決定する。このように、少なくとも20、好ましくは少なくとも30およびより好ましくは40〜60、例えば最も豊富な場合には50個の無秩序に選択したペプチドの分析は、該ペプチドのカルボキシ末端にプロリン残基を持つペプチドの出現頻度の観測を与える。100を乗じた、カルボキシ末端にプロリン残基を持つことが分かっているペプチド数と、このようにして分析したペプチドの総数との商は、カルボキシ末端にプロリンを持つペプチドのモル分率(%)を与える。
該水解物を生成するのに使用した該タンパク基質中のプロリンのモル分率(%)の決定
あらゆる脂肪物質を、先ず、幼児用の処方物および市販のタンパク水解物のLC/MS分析を説明するために前の章で詳述した、ヘキサン抽出法により除去した。存在するタンパクを遊離アミノ酸に転化するための、該タンパク基質の酸加水分解は、2mlの6N HCl中の、100mgのタンパク質性物質の懸濁液を作成することにより行った。酸加水分解は、酸素を含まない雰囲気中で、112℃にて22時間行った。遠心分離処理後、上澄み液を、希塩酸中に10倍に希釈した。この加水分解後、該アミノ酸を誘導体化し、ウォーターズ社(USA、MAのミルフォード)のアミノ酸分析装置(Amino Acid Analysis System)の、作業者マニュアルに指定されている、ピコタッグ(Picotag)法に従って分析した。存在するプロリンのレベルは、HPLC法を用いて定量した。このサンプル中のプロリンのモル分率(%)を決定するために、100倍した存在するプロリンのμM数を、この分析したサンプル中に存在する全アミノ酸のμM数の和で割った。酸加水分解中に、TrpおよびCysは分解されるので、これら2種のアミノ酸は、上記した全アミノ酸のμM数の和には含まれていない。
タンパク水解物または幼児用の処方物における、遊離アミノ酸濃度の測定
正確に秤量したタンパク質性物質のサンプルを、希薄な酸中に溶解し、沈殿は、エッペンドルフの遠心機を用いた、遠心分離処理により除去した。アミノ酸分析は、ウォーターズ社(USA、MAのミルフォード)のアミノ酸分析装置の、作業者用マニュアルに指定されている、ピコタッグ法に従って分析した。そのために、適当なサンプルを該液体から得、希薄な酸に添加し、均質化した。この後者の溶液から、新たなサンプルを得、乾燥し、フェニルチオイソシアネートを用いて誘導体化した。存在する様々な誘導体化されたアミノ酸を、HPLC法により定量し、秤量したサンプル中の遊離アミノ酸の全量を計算するために加算した。
このサンプル中の遊離アミノ酸の全濃度と、このサンプルから放出できるアミノ酸の全濃度とを関連付けるために、このサンプルをも酸加水分解に付し、次いで上で詳述したように、存在する全遊離アミノ酸の定量を行った。
実施例1:アスペルギルスニガーの遺伝子12(TPAP-A)によりコードされる、トリペプチジルペプチダーゼの特性
遺伝子12(我々の継続中の特許出願PCT/EP02/01984に記載されている)によりコードされる酵素は、A.ニガー宿主細胞中で過剰生産され、これをクロマトグラフィーによって精製した。精製は、pH4.5にて、50mM/Lのアセテート中で、リソース(Resource)Qカラム上で行った。NaCl濃度を高めることによる溶出は、尖鋭な活性ピークで、該酵素を生成した。活性は、合成ペプチド:Ala-Ala-Phe-pNAと共にインキュベートすることにより測定した。該精製酵素を含む溶液は、pH4.0、60℃にて該合成ペプチド:Ala-Ala-Phe-pNAについてテストした場合、8単位/mlを含んでいた(物質および方法の章を参照のこと)。
第一の実験においては、この純粋な酵素を、2種の異なる合成色素源基質、即ちAla-Ala-Phe-pNAおよびAla-Phe-pNA(両者共にスイスのバケム(Bachem)から入手)と共に、pH5、50℃にてインキュベートした。これらペプチドの母液をDMSOを用いて製造したが、これらを次に所定の水性バッファーで、x100倍に希釈した。該Ala-Ala-Phe-pNA基質と共に行われるインキュベートは、410nmにおける吸光度の大幅な増加に導き、一方Ala-Phe-pNAとのインキュベートは行わなかった。この観測は、明らかにこのトリペプチダーゼがトリペプチドのみを開裂でき、また望ましからぬ遊離アミノ酸の増加に導く可能性のあるアミノペプチダーゼ活性を示すことはないことを示す。
第二の実験では、遺伝子12によりコードされる該酵素の好ましい安定性特性を、立証した。該精製された酵素の4つのサンプルを、夫々0、40、50および60℃にて1時間、pH5にてインキュベートした。次いで、各酵素サンプルに、上記のAla-Ala-Phe-pNA基質を添加し、加熱した各サンプルにおける酵素活性を、410nmにおける吸光度の増加を測定することにより決定した。一方、0℃のサンプルは、100%の活性を示し、40℃のサンプルは、96%の残留活性を示し、50℃のサンプルは、92%の残留活性を示し、また0℃のサンプルは、88%の残留活性を示した。これらのデータは、このアスペルギルス由来のトリペプチダーゼTPAP-Aの、食品工業によって好まれる処理条件における、驚くべき安定性を証明している。
最後に、一般的なトリペプチジルペプチダーゼの選択的な開裂の影響が得られた。このため、合成ペプチドAla-Ala-Phe-pNA、Ala-Ala-Ala-pNAおよびAla-Ala-Pro-pNAを用いて、インキュベーションを行った。これら3種のペプチドを、150mMなる濃度でDMSOに溶解した。この反応は、クエン酸バッファー(0.1Mクエン酸塩)中で、pH4.0および60℃にて行った。
このキュベットに、940μLのバッファー、50μLの酵素サンプルおよび10μLの基質を添加し、撹拌した後に、この反応について、405nmにて10分間、速度論的な測定を行った。この酵素を、別の稀釈率でもテストした。
比活性を算出するために、該酵素溶液のタンパク濃度を、1g/L(該酵素分子中のTrpおよびTyr含有率に基く)に対して1.21なるモル吸光係数を用いて、280nmにおいて分光光度法により測定した。
Figure 2005528110
410nmにおける吸光度を比較すると、該酵素が、該Ala-Ala-Ala-pNA基質の開裂に対して明らかな選択性を持つことを明らかにしている。Ala-Ala-Phe-pNAも開裂されるが、著しく低い割合である。Ala-Ala-Pro-pNA基質に対しては、如何なる活性も記録できなかった。この後者の観測は、明らかに、プロリン特異的エンドプロテアーゼとの組み合わせが、プロリン残基に富むタンパク基質を、容易に同化され、分解抵抗性の、カルボキシ末端プロリン残基を持つトリペプチドに転化する上で、好ましいことを立証している。
実施例2
トリペプチジルアミノペプチダーゼと組み合わせた、プロリン特異的エンドプロテアーゼの処理に掛けたカゼイン水解物は、苦味がなく、また高い割合で、カルボキシ末端プロリン残基を持つトリペプチドを含む。
6%(タンパクに関するw/w基準)のカゼイン溶液を、カゼインナトリウムを水に溶解することにより調製した。NaOHでpHを8.0に調節した後、セリンプロテアーゼ:デルボラーゼ(Delvolase)を、濃度4%(カゼインナトリウム単位質量当たりの、市販の酵素の体積)まで添加し、得られた混合物を、60℃にて2.5時間、pHが一定でない条件下で、インキュベートした。次いで、乳酸を用いてpHを5.0に下げることにより、この反応を停止させ、次に90℃にて10分間加熱処理した。この溶液を50℃まで冷却し、2つのサンプルを採取した。その第一のサンプル(サンプルA)を、広いスペクトルのセリンプロテアーゼのみの作用に付した、該物質の特性測定の基準として利用した。その第二のサンプルは、引き続きEndopro (“Endopro”とは、WO 02/45524に記載されているように、A.ニガー由来の、過剰生産され、かつクロマトグラフィーにより精製されたプロリン特異的エンドプロテアーゼを意味する)および最終的にTPAP-Aと共にインキュベートするのに使用した。このEndoproとのインキュベートは、A.ニガー由来の、過剰生産された、プロリン特異的エンドプロテアーゼを含む、クロマトグラフィーにより精製された溶液を、2単位/グラムタンパクなる濃度で添加することにより行った(我々の継続中のPCT/EP01/14480=WO 02/45524を参照のこと)。
50℃にて16時間、pHが一定でない条件下で、インキュベートした後、該Endopro酵素を、更に熱処理して失活させて、サンプルBを製造した。
この段階で、サンプルAおよびBを、熟練したパネルによる、官能評価に付した。これら2つのサンプルを、「ブラインド」でテストし、物質および方法の章に記載したように、0(苦味なし)から4(極めて苦い)までの範囲でランク付けした。サンプルAは、パネル全員一致で、「極めて苦い」ものとして評価され、サンプルBは、全員一致で、「苦味なし」と評価された。この結果は、該Endopro酵素の驚くべき苦味除去能力を、再度立証した。
次に、サンプルBの一部を、カゼインタンパク1g当たり20単位の、クロマトグラフィーにより精製したTPAP-Aと共に、pH4.0および60℃にて5時間インキュベートした。前と同様に、この酵素反応を、95℃にて10分間この溶液を加熱することにより停止させ、サンプルCを製造した。
サンプルA、BおよびCを、次にLC/MS(物質および方法の章を参照のこと)分析に掛けて、存在する主なペプチドのサイズ分布を測定した。全ての水解物から、少なくとも124種の異なるペプチドが検出された。得られたデータを以下に示す。










Figure 2005528110
上記の官能評価およびこのLC/MS分析の結果を合わせると、EndoproおよびTPAP-A(即ち、スブチリシンとのインキュベート後)両者とのインキュベートが、苦味(カゼイン水解物は、Endoproとのインキュベート後何等苦味を示さない)、アレルゲン性(8アミノ酸残基未満のペプチド)および潜在的に生物活性のペプチドの含有率(そのカルボキシ末端プロリン残基の存在による、タンパク分解に対して抵抗するトリペプチド)の点で優れた製品を生成することは明らかである。
実施例3:市販のカゼインを主成分とする幼児用の処方製品中の、カルボキシ末端プロリン残基を持つジ-およびトリペプチドの出現頻度
テストした様々な幼児用処方製品(我々の継続中のPCT/EP01/14480における実施例6を参照のこと)の中で、ヌートラミゲン(Nutramigen; Mead Johnson, 100gの粉末当たり、カゼイン水解物14gを含む)は、最も高い(即ち、22%)、C-末端プロリンを持つペプチドのモル分率を有する。本実施例において、ジ-およびトリペプチド中の含有率およびカルボキシ末端プロリン残基を持つこのようなペプチドの出現頻度に注目して、この水解物のLC/MS分析の結果を示す。
LC/MS分析に先立って、幼児用処方製品中に存在する脂肪物質を除去する必要があった。上記の物質および方法と題する章において特定したように、これは、ヘキサン抽出によって実施した。かくして得た水性相は、遠心分離処理し、濾過し、次いでLC/MS分析にかけて、存在する様々なペプチドを特徴付けした。
得られた結果によれば、ヌートラミゲン中に存在するものとして、カゼイン由来のジ-〜ヘプタペプチドのモル分率は、検出された全ペプチドの83%となる。更に、ヌートラミゲン中に検出された全てのペプチドに対して、存在するジ-およびトリペプチドのモル分率は、18%となることを示すことができた。同定されたトリペプチドの中で、モル分率で23%が、カルボキシ末端プロリン残基を持つものであることを示すことができた。
使用したタンパク水解物が、多くの技術、例えば限外濾過およびクロマトグラフィーにより、高度に精製され、また選択的に富化されていると考えられる、製品であるという事実にも拘らず、この水解物は、かなりの苦味をもたらし、かつ限定された割合のプロテアーゼ抵抗性トリペプチドを示すに過ぎない、カルボキシ末端プロリン残基を低濃度で含む。
実施例4:トリペプチジルアミノペプチダーゼと組み合わせた、プロリン特異的エンドプロテアーゼにより得られるβ-カゼインは、高い比率でトリペプチドおよびカルボキシ末端プロリン残基を含むペプチドを含有する:
プロリン特異的エンドプロテアーゼとトリペプチジルアミノペプチダーゼとの組み合わせにより得られる、様々な反応生成物のより正確なLC/MS/MS分析を可能とするために、純粋なウシβ-カゼインを基質として用いた、他の加水分解実験を行った。そのために、0.2%(タンパクについてw/w)溶液を、純粋なβ-カゼイン(シグマ社)を水に溶解し、NaOHによりpHを8.0に調節することにより調製した。次いで、セリンプロテアーゼスブチリシン(デルボラーゼ)を、濃度5%(β-カゼインの単位質量当たりの、市販酵素製品の体積)まで添加し、この混合物を、pHが一定でない条件下で、60℃にて1時間インキュベートした。この反応を、乳酸によりpHを5.5に下げることによって停止させ、次いで90℃にて10分間熱処理した。次にこの混合物を50℃まで冷却し、LC/MS/MS分析用のサンプルを採取した。引き続き、濃度20単位/グラムタンパクにて、A.ニガー由来の過剰生産させたプロリン特異的エンドプロテアーゼの、クロマトグラフィーにより精製した溶液を添加することによって、Endopro(実施例2参照)とのインキュベーションを行った。pHが一定でない条件下で、50℃にて2時間のインキュベートの後、該Endopro酵素を、別の熱処理によって不活化し、LC/MS/MS分析用のもう一つのサンプルを得た。最後に、クロマトグラフィー精製したTPAP-A(実施例1参照)を4単位/グラム基質なる濃度にて添加し、60℃にて2時間インキュベーションを継続し、次いで加熱により不活化して、別のLC/MS/MS分析用サンプルを得た。その後のインキュベーションを、EndoproおよびTPAPを単独で、または組み合わせで、上記条件の下で用いて、デルボラーゼ無しにβ-カゼインについて実施した。後者のサンプルも、LC/MS/MS分析に掛けた。得られたデータを以下に示す:
Figure 2005528110
使用したTPAP-A酵素(実施例5を参照)の広い特異性にも拘らず、純粋なβ-カゼインの、該TPAP-Aのみとのインキュベーションは、単一のペプチドのみ、即ちβ-カゼインのN-末端トリペプチド:Arg-Glu-Leuの遊離をもたらした。未知の理由から、使用した該TPAP-A酵素は、この基質から次のトリペプチドを除去できず、従ってこのことは明らかにTPAPとエンドプロテアーゼ、例えばズブチリシンまたはEndoproとを組み合わせる必要があることを立証している。上記結果は、このようなTPAPとエンドプロテアーゼとの組み合わせが、生成するトリペプチドの数を大幅に増大することを、明確に示している。Endoproを含む組み合わせ全てが、カルボキシ末端プロリン残基を持つペプチドの数を、かなり増加させる。
実施例5:異なるトリペプチダーゼは、異なる基質特異性を持つ
異なるトリペプチダーゼは、異なる基質特異性を持ち、従ってプロリン特異的エンドプロテアーゼと異なるトリペプチダーゼとの組み合わせは、様々なトリペプチド組成を持つタンパク水解物に導くであろう。これを例示するために、完全な組の色素原ペプチド基質(Ala-Ala-X-pNA、ここでXは様々な天然アミノ酸残基を表す)を、ペプスカン(Pepscan; オランダ国、レリスタッド(Lelystad))から得た。その後、TPAP-A(我々の継続中の特許出願PCT/EP02/01984に記載されているように、遺伝子12によりコードされる酵素に対応し、またA.ニガー宿主細胞内で過剰生産されたものである)のみならず、トリペプチジルアミノペプチダーゼTPAP-A(我々の継続中の特許出願PCT/EP02/01984に記載されている如く、遺伝子12によりコードされる酵素に対応し、またA.ニガー宿主細胞内で過剰生産されたものである)が、アミノ酸選択性によって特徴付けられた。まさに酵素TPAP-Aと同様に、過剰生産され、かつ分泌された酵素であるTPAP-Bも、先ずクロマトグラフィー処理で精製されたが、この場合該クロマトグラフィー処理は、20mM/Lのビストリス(Bis Tris)バッファー(pH 5.5)で平衡化した、QセファロースFFカラム(AA1188、ファルマシア(Pharmacia)社)を用いて行い、また同一のバッファー中に1モル/LのNaClを含む液の勾配を用いて、溶出した。
酵素TPAP-AおよびTPAP-Bの、上記合成ペプチドのサブセットとの予備インキュベーションは、トリペプチダーゼ両者が、3〜5なる範囲に至適pHを持つことを示した。従って、これら2種の酵素の開裂選択性を決定するための、色素原基質の完全な組とのインキュベーションは、pH4.0にて行った。様々な合成基質の母液を、150mM/Lなる濃度で、DMSOを用いて調製した。次いで、これら母液を、0.1M/Lの酢酸ナトリウム、20mM/LのCaCl2を含む、pH4.0の溶液で100倍に希釈し、その後各溶液200μLを、個々のマイクロリッタープレートのウエルに移した。40℃にて平衡化した後、200μLのクロマトグラフィーにより精製したトリペプチダーゼを、各ウエルに添加することにより、この反応を開始させた。テカンジェニアス(Tecan Genios)マイクロタイタープレートリーダーを用いて、405nmにおける吸光度の進展を追跡した。様々な基質に対するこれら2種の酵素の有効性を、以下に示すが、そこではAla-Ala-Ala-pNA基質に対する活性を、100%値として用いた。添付図中の、X-軸上の様々な文字は、Ala-Ala-X-pNA基質中のアミノ酸残基Xを特定するのに用いた、国際的な1文字表記を意味する。
得られたデータは、明らかに該酵素TPAP-AおよびTPAP-Bの、異なる基質特異性を示している(図1参照)。これら2つの酵素は、Asp(D)、Glu(E)およびGln(Q)等のアミノ酸のC-末端における開裂に対して選択性を示すが、酵素TPAP-Bは、アミノ酸残基Tyr(Y)、Trp(W)、Thr(T)およびSer(S)に対してより効率的である。
実施例6:プロリン含有率の低い基質に対する、プロリン特異的エンドプロテアーゼとトリペプチジルアミノペプチダーゼとの組み合わせによる利点
カゼインまたはグルテン等のプロリンに富むタンパク基質、またはコラーゲンを主成分とする化合物の、プロリン特異的エンドプロテアーゼとトリペプチジルアミノペプチダーゼとの組み合わせによる加水分解の利点は、前の実施例において十分に明らかにされている。ここでは、我々は、この酵素の組み合わせが、プロリン含有率の低い基質の加水分解において、有利に使用されることを立証する。
ウシのミルク由来の粗製ラクトアルブミン画分(シグマ社)を、20g/Lなる濃度にて水に懸濁し、そのpHを8.0に調節した。セリンプロテアーゼズブチリシン(デルボラーゼ)を、4%(該基質の単位質量当たりの、市販の酵素製品の体積)なる濃度まで添加し、この混合物をpHが一定でない条件下で、60℃にて2時間インキュベートした。次いで、この懸濁液のpHを、クエン酸を用いて4.5に下げ、4つの部分に分割した。その一つを加熱して、該デルボラーゼ酵素を不活化し、次いでLC/MS/MS分析を行うまで凍結状態に維持した。他の3つの部分の何れかに、クロマトグラフィーにより精製したEndopro酵素(1単位/gラクトアルブミン)またはトリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP-A、20単位/gラクトアルブミン)またはEndopro + TPAP-A(1単位+20単位/gラクトアルブミン、単位の定義については、上記の物質および方法と題する章を参照)を添加した。これら混合物を一夜50℃にてインキュベートし、熱処理に掛けて、これら酵素を不活化し、-20℃にて保存した。サンプルを、先ず遠心分離処理し、得られる透明な上澄みを、LC/MS/MS分析のために用いた。α-ラクトアルブミンのアミノ酸配列と適合するペプチドのみを、考慮に入れた。
得られたこれらのLC/MS/MSデータを、図2に示すが、この図においては、アミノ酸残基におけるペプチドの長さを、X-軸に、また分析されたペプチドの数をY-軸にとってある。特定の長さのペプチドを、分析された全ペプチドに対する割合に換算していないが、プロリン特異的エンドプロテアーゼまたはトリペプチダーゼまたはこれらの2種の酵素の組み合わせにより、インキュベートする利点は、目に見えるものとなる。前の実施例で与えられた結果と共に、ここで得たデータは、プロリン特異的エンドプロテアーゼとトリペプチダーゼとの組み合わせが、これを、プロリンに富むまたは他のタンパク質性の基質に作用させた場合に、優れた水解物を与えることを明確に立証している。
A-A-X-pNA基質(ここで、Xはあらゆる天然のアミノ酸を表す)を、pH4にて使用した際の、TPAP-AおよびTPAP-Bの特異性を比較して示した図である。 α-ラクトアルブミンを、指定した酵素の組み合わせで、加水分解することにより得られる可溶性ペプチドの組成を示す図である。

Claims (15)

  1. トリペプチドに富み、該トリペプチドが、該ペプチドの一端においてプロリンに富んでいることを特徴とする、タンパク水解物。
  2. 200〜2000Daなる範囲の分子量を持つ該ペプチドの少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも25モル%、またはより好ましくは少なくとも30モル%が、該水解物中にトリペプチドとして存在する、請求項1記載のタンパク水解物。
  3. 該出発タンパク中に存在するプロリンの、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、またはより好ましくは少なくとも40%が、該トリペプチド中に存在する、請求項1または2記載のタンパク水解物。
  4. 該トリペプチドの少なくとも30%、または好ましくは該トリペプチドの少なくとも35%が、カルボキシ末端を持つプロリンを含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のタンパク水解物。
  5. 該ペプチドの少なくとも70モル%、または好ましくは該ペプチドの少なくとも75モル%が、2〜7個のアミノ酸残基を含む(ジペプチド乃至ヘプタペプチド)、請求項1〜4の何れか1項に記載のタンパク水解物。
  6. タンパク水解物の製造方法であって、タンパク基質を、a) エンドプロテアーゼ;およびb) トリペプチダーゼ(TPAP)と接触させる工程を含むことを特徴とする、上記タンパク水解物の製造方法。
  7. 該エンドプロテアーゼが、プロリン特異的エンドプロテアーゼ(PSE)、セリンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、またはメタロエンドプロテアーゼであり、好ましくは該エンドプロテアーゼは、PSEである、請求項6記載の方法。
  8. 該タンパク水解物を、まずセリンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼまたはメタロエンドプロテアーゼと接触させ、次いで該TPAPおよびPSEを添加する、請求項6または7記載の方法。
  9. 請求項1〜5の何れか1項に記載のタンパク水解物の、哺乳動物、好ましくはヒトの消費のための利用。
  10. (a) エンドプロテアーゼ;および(b) トリペプチダーゼ(TPAP)を含むことを特徴とする、酵素組成物。
  11. 該エンドプロテアーゼがセリンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、メタロエンドプロテアーゼまたはプロリン特異的エンドプロテアーゼ(PSE)であり、好ましくは該エンドプロテアーゼはPSEである、請求項10記載の酵素組成物。
  12. この組成物を、適当なタンパクに添加した場合に、請求項1〜5の何れか1項に記載のタンパク水解物を製造できる、請求項10または11記載の酵素組成物。
  13. 請求項1〜5の何れか1項に記載のタンパク水解物を含むことを特徴とする、食物または飼料製品。
  14. 請求項10〜12の何れか1項に記載の酵素組成物の、プロリンに富む食料品に対する不耐性を減じるための使用。
  15. 請求項10〜12の何れか1項に記載の酵素組成物の、食物または飼料における、もしくは食物または飼料製造における使用。
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