JP2005520833A - ペルゴリドの合成方法 - Google Patents

ペルゴリドの合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005520833A
JP2005520833A JP2003576437A JP2003576437A JP2005520833A JP 2005520833 A JP2005520833 A JP 2005520833A JP 2003576437 A JP2003576437 A JP 2003576437A JP 2003576437 A JP2003576437 A JP 2003576437A JP 2005520833 A JP2005520833 A JP 2005520833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propyl
process according
pergolide
solution
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003576437A
Other languages
English (en)
Inventor
ウォルター カブリ、
パオロ パイソーニ、
ヤーコポ ロレット、
ピエラ フォンテ、
サラ オルモ、
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olon SpA
Original Assignee
Antibioticos SpA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from IT2002MI000555A external-priority patent/ITMI20020555A1/it
Priority claimed from ITMI20022133 external-priority patent/ITMI20022133A1/it
Application filed by Antibioticos SpA filed Critical Antibioticos SpA
Publication of JP2005520833A publication Critical patent/JP2005520833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D457/00Heterocyclic compounds containing indolo [4, 3-f, g] quinoline ring systems, e.g. derivatives of ergoline, of the formula:, e.g. lysergic acid
    • C07D457/04Heterocyclic compounds containing indolo [4, 3-f, g] quinoline ring systems, e.g. derivatives of ergoline, of the formula:, e.g. lysergic acid with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached in position 8
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D457/00Heterocyclic compounds containing indolo [4, 3-f, g] quinoline ring systems, e.g. derivatives of ergoline, of the formula:, e.g. lysergic acid
    • C07D457/02Heterocyclic compounds containing indolo [4, 3-f, g] quinoline ring systems, e.g. derivatives of ergoline, of the formula:, e.g. lysergic acid with hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 8

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

9,10−ジヒドロリセルグ酸から式(1)のペルゴリド(D−6−n−プロピル−8β−メチルメルカプトメチルエルゴリン)の合成方法が開示されている。この方法は多くの中間体を分離することなく実施でき、特に収率と安全性の観点から好都合である。さらに、その際得られるペルゴリドは極めて高純度であり、ペルゴリドメシラートに都合よく転換できる。
【化1】

Description

本発明は大体において麦角アルカロイドに関し、とりわけ9,10−ジヒドロリセルグ酸からペルゴリド(1)の製造方法に関する。
Figure 2005520833
ペルゴリド(1)(D−6−n−プロピル−8β−メチルメルカプトメチルエルゴリン)は、パーキンソン病の治療に用いられる半合成の麦角アルカロイド(Claviceps属の菌、麦角菌によってつくられる)である。
特に、ドーパミン受容体の強力な作動薬であるペルゴリドメシラート(2)は治療に使用される。
Figure 2005520833
ペルゴリドを合成するための通常の原料は、醗酵によって得ることができるリセルグ酸(3)(D−6−メチル−8β−カルボキシ−9−エルゴレン)である。
Figure 2005520833
特許文献1には、リセルグ酸のD−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)への転化、塩化メタンスルホニルによるヒドロキシ基の誘導体化、及びナトリウムチオメトキシドによる反応を含むペルゴリドの合成(スキーム1)が開示されている。得られたペルゴリドは次いでメタンスルホン酸で塩にすることができる。
Figure 2005520833
化合物(4)は、リセルグ酸(3)の9,10−ジヒドロリセルグ酸(6)への触媒還元、酸性基のエステル化及びエステル(7)のNaBH4による還元によって得られる(スキーム2)。得られた化合物(8)(ジヒドロリセルゴール又は8,9−ジヒドロエリモクラビンとして既知)は、位置6の窒素のところで脱メチル化して(例えば、特許文献2に開示の方法、又は非特許文献1に開示の方法に従って)D−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(9)が得られ、このものは塩基の存在下、例えばヨウ化プロピルによってアルキル化される。
この経路の重要な中間体であるジヒドロリセルゴール(8)は、特許文献2に従って接触還元によって麦角菌の別の醗酵生成物であるエリモクラビンから得ることもできる。
Figure 2005520833
別法として、化合物(4)は、エステル(7)(上述のようにして得られた)の脱メチル化、及び塩化プロピオニルによる位置6の窒素のアシル化によって得ることができる;LiAlH4による化合物(11)の処理(同時にエステル及びアミド基を還元する)が化合物(4)を生じる。
Figure 2005520833
これらの合成方法によって極めて純度の高いペルゴリドを得ることができるけれども、これらの方法は多数の中間体の単離を必要とし、これが悪い収率(20%を越えない)を決定し、この方法を時間の浪費や不安全なものにしている。
収率の点でより好都合な合成方法が、ミスナー(Misner)によって特許文献3に開示されている;この方法は、フッチンス(Hutchins)とヂュック(Duc)(非特許文献2)に従って、4級アンモニウム塩の求核剤による脱メチル化によってジヒドロリセルゴール(8)からワン・ポット(one−pot)でペルゴリドの製造を可能にする(スキーム4)。ジヒドロリセルゴール(8)はヨウ化プロピルでの処理によって中間体の4級アンモニウム塩(12)に転換し、そのアルコール性のヒドロキシ基が続いて塩化メタンスルホニルによって誘導されて式(13)の中間体を得る。ナトリウムチオメトキシドでの処理が同時に4級窒素の脱メチル化とチオメチルエーテルの生成を可能にする。工程数の減少と高収率(70%超)にも拘らず、得られるペルゴリドは若干のエルゴリン様不純物が混じっており、このものは従来の結晶化で除去できない。この理由のため、2段階のクロマトグラフィ精製工程、その1つは調製のHPLC(非特許文献3)が必要であり、そこではアセトニトリルやクロロホルムなどの著しく有毒な溶媒の使用を必要とし(非特許文献4)、そして最終生成物に対して暴露の危険を増加させる。
Figure 2005520833
米国特許第4,166,182号公報 米国特許第3,901,894号公報 米国特許第5,465,060号公報 J.Pharm.Sci.1981,70,1319−21 J.Org.Chem.1973,38,1961〜2) M.Misnerら、 Org.Process Res.Dev.(1997)1,77−80 J.H.Kennedy, Org.Process Res.Dev.(1997),1,68〜71
さて共核剤による第4級アンモニウム塩の脱メチル化が、9,10−ジヒドロリセルグ酸(6)から中間体(4)を経てペルゴリドの合成に好都合に利用できることが分かった。
本発明の方法(スキーム5)は次の各工程を含む:
a)9,10−ジヒドロリセルグ酸(6)をヨウ化プロピルと反応させて、ヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−プロピルオキシカルボニル−6−エルゴリニウム(14)を得る工程;
b)中間体(14)を還元して、ヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチル−6−エルゴリニウム(12)を得る工程;
c)求核剤により中間体(12)を脱メチル化して、D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)を得る工程;
d)中間体(4)をハロゲン化アルキルスルホニル又はハロゲン化トルエンスルホニルと反応させて、D−6−n−プロピル−8β−アルキルスルホニルオキシメチルエルゴリン又はD−6−n−プロピル−8β−トルエンスルホニルオキシメチルエルゴリン(5)を得る工程;
e)式(5)の化合物をナトリウムチオメトキシドと反応させて、ペルゴリド(1)を得る工程。
Figure 2005520833
還元反応は、好ましくは水素化金属、より好ましくは水素化ホウ素ナトリウムを使用して慣用方法に従って実施される。
式(12)の塩の脱メチル化に使用される求核剤はアルカリチオアルコキシド、好ましくはナトリウム、リチウム又はカリウムのチオアルコキシドであり;脱メチル化剤としてはナトリウムチオメトキシド又はナトリウム2−メルカプトエトキシドがより好ましい。
ハロゲン化アルキルスルホニル及びハロゲン化トルエンスルホニルはRSO2Xの式を有し、式中Rは直鎖又は分岐C1〜C3アルキル鎖、又はC65CH2−基であり、一方Xはフッ素、塩素、臭素、沃素から選ばれるハロゲンである。本発明の望ましい実施態様にしたがうと、ハロゲン化アルキルスルホニルは塩化メタンスルホニルである。
本発明に従って得られるペルゴリドは、既知方法に従ってペルゴリドメシラートに都合よく変換できる。
中間体(14)は新規化合物であり、本発明の目的物でもある。
方法A
本発明の第1の望ましい実施態様に従って、本方法は次のように実施される。
工程a
一般に、塩基の存在下、原料がヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−プロピルオキシカルボニル−6−エルゴリニウム(14)に完全に転化するまで9,10−ジヒドロリセルグ酸(6)を1−ヨードプロパンの3.2〜6.0当量、好ましくは4〜5当量と反応させる。反応は、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルプロピレン尿素及びジメチルエチレン尿素から選ばれる溶媒中、60〜90℃、好ましくは75〜80℃で実施される。9,10−ジヒドロリセルグ酸の質量に関して2.5〜10倍容、好ましくは4〜5倍容の溶媒が使用される。塩基は、無機塩基が好ましく、より好ましくは重炭酸アニオン又は炭酸アニオンであり、その量は好ましくは2.5〜3.0当量である。
反応は、C18シリカカラムを使用し、リン酸塩緩衝液−アセトニトリル混合溶媒で溶離するHPLCによってモニターできる。反応の完結(一般に転化は75℃で10〜12時間以内に完結する)後、塩(14)の溶液を室温に冷却し、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルプロピレン尿素及びジメチルエチレン尿素から選ばれる溶媒で稀釈する。好ましくは、1〜5倍容、より好ましくは2〜3倍容の溶媒を使用する(反応混合物の最終容量に関して)。
工程b
工程a)からの溶液は25〜50℃、好ましくは30〜40℃に加熱され、カルシウム又はマグネシウムなどのアルカリ土類イオンの0.5〜3.5当量、好ましくは1.0〜2.0当量;及び6〜16当量、好ましくは8〜10当量の還元剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウム(両ケースとも、量は原料9,10−ジヒドロリセルグ酸に関係する)を加えて合成は続行される。中間体(14)が塩(12)に完全に転化するまで、混合物は40〜50℃、好ましくは45℃で反応される。
工程c
塩(12)の脱メチル化は、5〜20当量、好ましくは10〜12当量の前述した求核剤、好ましくはナトリウムチオメトキシド(市販の21%水溶液又はメタノール溶液)を加えて実施される。アンモニウム塩(12)が消失するまで反応混合物は60〜90℃、好ましくは70〜80℃に保たれる。反応の間中、市販のナトリウムチオメトキシド溶液から発生する水又はメタノールが蒸発される。市販のナトリウムチオメトキシド(21%メタノール溶液)を使用した場合は、反応が完結したらメタノールが完全に除去されるまで混合物を濃縮し、残渣を蒸発前と同容の水で満たされ、次いで0.2〜1.0倍容の有機溶媒と再び1倍容の水が加えられる。該有機溶媒はエステル、好ましくはメチルイソブチルケトン、酢酸エチル又は酢酸n−ブチルであり、あるいはハロゲン化有機溶媒、好ましくはメチレンクロリドである。本発明の特に好ましい実施態様によれば、溶媒は酢酸エチルである。混合物は室温で15〜20分間攪拌され、相が分離される。水相は同じ有機溶媒の1倍容で抽出し、2つの相が分離される。有機相は併合され、1倍容の水で2回洗浄され、出発容積の1/10〜1/20に濃縮する。0.2〜1倍容(濃縮前の容積に関して)の溶媒が添加され、混合物は出発容積の1/10〜1/20に再び濃縮される。添加と濃縮をもう1回繰返され、次いでピリジン、ピコリン、ルチジンから選ばれる溶媒が5〜8倍容、好ましくは6〜7倍容の範囲で加えられる。
工程d
−10℃〜50℃、好ましくは−10℃〜0℃の範囲の温度に冷却した後、ハロゲン化アルキルスルホニル、好ましくは塩化メタンスルホニル、あるいはハロゲン化トルエンスルホニルが1.0〜3.0当量、好ましくは1.5〜2.0当量(原料9,10−ジヒドロリセルグ酸に関して)の範囲の量で、工程c)からの混合物に不活性雰囲気下で徐々に滴下される。D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)が完全に消失するまで混合物を反応させる。反応終了後、15%水酸化アンモニウム0.2〜0.8倍容と水1〜3倍容の添加によって化合物(5)が沈澱される;生成物は濾過され、40〜70℃で10〜30時間、真空で乾燥される。化合物(5)は純度97.5〜98.0%を有する;例えば化合物(5a)の場合、主な不純物はD−6−メチル−8β−メシルオキシメチルエルゴリンである(HPLC%面積:2.0〜2.5%)。
慣用のクロマトグラフ法によって化合物(5)はさらに精製される。アルコール及び有機ハロゲン化溶媒から選ばれる2種の有機溶媒の混合物、好ましくはメタノール/ジクロロメタンの8〜12倍容に化合物(5)を溶解させる。
より好ましくは、化合物(5)はデシケータで乾燥されるのではなくて、ハロゲン化有機溶媒、好ましくはジクロロメタンの10〜20倍容に溶解され、次いで蒸発させることによって乾燥される。溶液中の水が0.5%未満になるまで溶媒が繰返し添加され蒸発される。アルコール及びハロゲン化有機溶媒から選ばれる2種の有機溶媒混合物、好ましくはメタノール/ジクロロメタンにこの生成物が溶解される。溶液は標準相シリカの10〜100倍容に吸着させられ、次いでエステル類:メチルイソブチルケトン、酢酸エチル又は酢酸n−ブチル、好ましくは酢酸エチル、アルコール類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、好ましくはメタノール及び有機ハロゲン化溶媒、好ましくはジクロロメタン;及びこれらの2成分混合物及び3成分混合物から選ばれる有機溶媒で溶離される。文献で公知の他の溶媒も使用できる。純粋な化合物(5)を含むフラクションを一緒に合わせて1/10〜1/20の容積に濃縮する;N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルプロピレン尿素及びジメチルエチレン尿素から選ばれる溶媒が10〜50倍容、好ましくは20〜30倍容(化合物(5)に関して)の範囲の量で加えられ、次いで溶液はさらに濃縮されて精製に使用した溶媒の残留分が除去される。
工程e
ナトリウムチオメトキシド(市販の21%メタノール溶液)5〜20当量、好ましくは10〜12当量が、0℃〜80℃、好ましくは20〜30℃範囲の温度で、工程c)からの溶液に加えられ、この溶液は真空下で濃縮され、メタノールが蒸留除去される。化合物(5)の完全消失までHPLCによって反応はモニターされる。反応終了(25℃で30〜60分)後、1〜3倍容の水(ペルゴリド合成の出発容量に関して)が加えられ、ペルゴリド(1)の完全な結晶化は母液中へのロスが殆んどなく観察される。生成物は40〜70℃で10〜30時間乾燥される。
方法B
本発明の第2のさらにより望ましい実施態様(以後“方法B”と呼ぶ)に従って、工程a)〜e)は次のように実施される。
工程a
一般に、9,10−ジヒドロリセルグ酸(6)は1−ヨードプロパンの3.2〜6.0当量、好ましくは4〜5当量と、塩基の存在下、原料がヨウ化D−6−メチル−n−プロピル−8β−プロピルオキシカルボニル−6−エルゴリニウム(14)に完全に転化するまで反応される。反応は、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルプロピレン尿素及びジメチルエチレン尿素から選ばれる溶媒中、60〜90℃、好ましくは75〜80℃で実施される。2.5〜10倍容、好ましくは4〜5倍容(9,10−ジヒドロリセルグ酸の質量の量に関して)の溶媒が使用される。塩基は、好ましくは無機塩基、より好ましくは重炭酸アニオン又は炭酸塩アニオンであり、量は好ましくは2.5〜3.0当量の範囲である。
反応は、C18シリカカラムを使用し、リン酸塩緩衝液−アセトニトリル混合溶媒で溶離するHPLCによってモニターされる。一般に転化は75℃で10〜12時間以内に完結する。
工程b
工程a)からの溶液は25〜65℃、好ましくは45〜60℃に加熱され、カルシウム又はマグネシウムのようなアルカリ土類イオンの0.5〜3.5当量、好ましくは1.0〜2.0当量、及びN−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルプロピレン尿素及びジメチルエチレン尿素から選ばれる溶媒の1〜5倍容、好ましくは2〜3倍容(9,10−ジヒドロリセルグ酸の最初の量に関して)中に溶解した還元剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムの2〜10当量、好ましくは3〜5当量(両ケースとも量は原料9,10−ジヒドロリセルグ酸に関して)を加えることによって合成は続行される。中間体(14)が塩(12)に完全に転化するまで混合物は45〜60℃、好ましくは55℃で反応される。
工程c
工程b)からの反応混合物は、無機の強塩基、好ましくは水酸化ナトリウムの5〜20当量、好ましくは14〜16当量が加えられ、上に定義の求核剤、好ましくは市販の2−メルカプトエタノールの5〜20当量、好ましくは14〜16当量が加えられる。塩(12)が消滅するまで混合物は60〜90℃、好ましくは65〜75℃に保たれる。反応終了後、EDTA水溶液及びアルカリ又はアルカリ土類金属塩化物水溶液、好ましくはKCl又はNaCl水溶液、最も好ましくはNaCl水溶液から晶出させることによって化合物(4)が単離される。より正確には、温度を60〜90℃、好ましくは65〜75℃に維持しながら、0.1〜0.5倍容(反応混合物の容積に関して)のメタノール、上に定義したような無機塩基でpHを10〜14、好ましくは12〜13に調節した濃度20〜100g/l、好ましくは40〜60g/lであるEDTA水溶液の1〜3倍容、好ましくは1.5〜2.5倍容、濃度200〜350g/lのNaCl水溶液の1〜3倍容、好ましくは1.5〜2.5倍容が反応混合物に加えられる。続いて混合物は0〜25℃、好ましくは5〜10℃まで冷却される。生成物は濾過され、上に定義された無機塩基でpHを10〜14、好ましくは12〜13に調節された、濃度20〜100g/l、好ましくは40〜60g/lのEDTA水溶液で洗浄され、その後脱イオン水で洗浄される。化合物(4)の純度は98.5〜99.0%であり、主な不純物は化合物(8)である(HPLC%面積:0.8〜1.3%)。湿った生成物は20〜50倍容、好ましくは30〜40倍容(生成物の容量に関して)の有機エステル溶媒、好ましくはメチルイソブチルケトン、酢酸エチル又は酢酸n−ブチル、あるいは有機ハロゲン化溶媒、好ましくはメチレンクロリド中に溶解される。溶媒としては酢酸エチルがより好ましい。得られた溶液は半容量まで蒸発させ、同じ有機溶媒の半容量が添加される。蒸発と添加は1〜4回、好ましくは2〜3回反復される。
最後の有機溶媒のアリコートが出発容量の1/10〜1/20に蒸発されてから、ピリジン、ピコリン、ルチジンから選ばれる溶媒が、5〜8倍容、好ましくは6〜7倍容の量加えられる。
工程d
工程c)からの混合物が−50〜10℃、好ましくは−10〜0℃の温度に冷却され、不活性の雰囲気下、ハロゲン化トルエンスルホニル又はハロゲン化アルカンスルホニル、好ましくは塩素化メタンスルホニルを1.0〜3.0当量、好ましくは1.5〜2.0当量(原料の9,10−ジヒドロリセルグ酸に関して)の量で前記混合物中に徐々に滴下される。この混合物はD−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)が完全に消失するまで反応される。反応終了後、化合物(5)、例えばD−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(5a)が、15%水酸化アンモニウムの0.2〜0.8倍容及び水の1〜3倍容の添加によって析出される;この生成物は濾過され、5〜10倍容の脱イオン水で洗浄される。化合物(5a)は98.5〜99.0%の純度を有し、主な不純物はD−6−メチル−8β−メシルオキシメチルエルゴリンである(HPLC%面積で0.4〜0.7%)。
湿った化合物(5)は20〜50倍容、好ましくは30〜40倍容(生成物の容量に関して)の有機エステル溶媒、好ましくはメチルイソブチルケトン、酢酸エチル又は酢酸n−ブチル、より好ましくは酢酸エチルに溶解される。得られた溶液は半分の容量まで蒸発され、同じ有機溶媒の1倍容が添加される。蒸発と添加は1〜4回、好ましくは2〜3回繰返される。
有機溶媒の最後のアリコートは出発容量の1/10〜1/20に蒸発される。N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルプロピレン尿素及びジメチルエチレン尿素から選ばれる溶媒が10〜50倍容、好ましくは15〜30倍容(化合物(5)に関して)の量で加えられ、溶液はさらに濃縮されて前の溶媒は除去される。
工程e
工程d)からの溶液に、−10〜50℃、好ましくは0〜5℃の温度で固体のナトリウムチオメトキシドの1〜10当量、好ましくは2〜4当量が加えられる。化合物(5)が完全に消失するまでHPLCによって反応はモニターされる。反応終了(5℃で60〜90分)後、混合物は40〜90℃、好ましくは70〜80℃に加熱され、0.5〜3倍容、好ましくは1〜1.5倍容(反応混合物の最終容積に関して)の脱イオン水が加えられる:ペルゴリド(1)の析出がみられる。滴下が終ったら混合物は室温まで冷却される。スラリーは濾過され、母液中へのロスは0.5〜1.5%範囲である。生成物は40〜70℃で10〜30時間乾燥される。化合物(1)は純度99.8〜99.9%であり、主要な不純物はD−6−メチル−8β−メチルチオメチルエルゴリンである(HPLC%面積は0.1%未満)。
ペルゴリドメシラート(2)の合成のためには、ペルゴリドを10〜25倍容、好ましくは12〜15倍容のメタノールと混合するか、又は湿ったペルゴリド塩基を使用する。溶液は40〜64℃、好ましくは50〜60℃に加熱され、1〜1.1当量のメタンスルホン酸が加えられる。溶液は濃縮され、半容量とされ、次いで例えばイソプロパノール、アセトン及び水から選ばれる溶媒、好ましくはイソプロパノールの1倍容が加えられて再び半容量に濃縮される。この混合物は室温まで冷却され、濾過された後、減圧下40〜70℃で10〜30時間乾燥される。
得られるペルゴリドメシラートの品質は欧州薬局方の要求条件を満たす。
本発明の方法は、多くの中間体を単離することなく実施できると云う点で特に有利である。特に、方法Aは式(14)、(12)及び(4)の中間体を単離しないで行うことができる;これが高収率(9,10−ジヒドロリセルグ酸と比較して80%超)及び高安全性を決定づける。その上、ペルゴリドに較べて著しく易溶性である化合物(5)の単離は、毒性の少ない溶媒を使用すること及びシリカゲルによるクロマトグラフ精製を1工程で実施することが可能である。
方法Bは中間体(14)及び(12)の単離を必要とせず、またクロマトグラフ精製を必要としないのでさらに好都合である。実際、化合物(4)及びペルゴリド(1)の水からの高温析出により、主な不純物、特に化合物(12)の脱メチル化に由来するジヒドロリセルゴール(8)を著しく減らすことができる。除去されない場合、化合物(8)は共沈し、後続の工程で反応し、上述したような他の不純物を形成する可能性がある。
本発明のさらなる利点は、4級塩(12)の脱メチル化及びペルゴリドをもたらす求核置換が、ミスナー法でのように、中和する必要のない市販のナトリウムチオメトキシド溶液を使用して実施できることにある。ミスナー法に従って、メチルメルカプタンを低温(−10℃)で溶媒(N−メチルピロリドン)に溶解し、続いてNaOHで塩にすることによってナトリウムチオメトキシドが製造される;別法として、メチルメルカプタンで前処理して過剰の塩基を除去した市販溶液が使用できる。
本発明のさらなる利点は、4級塩(12)の脱メチル化もまた、ナトリウムチオメトキシドと違って、少しも毒性ガスを発生しない市販の2−メルカプトエタノール溶液を使用して都合よく行うことができると云うことにある。
本発明の方法は、欧州薬局方の必要条件を満たすための誘導された塩(メシラートのような)をさらに精製する必要がない程十分に高純度なペルゴリドを得ることができるので、殊更に有利である。
本発明を幾つかの実施例によって以下により詳細に説明する。
実施例1
工程a).方法A及び方法B:9,10−ジヒドロリセルグ酸(6)のヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−プロピルオキシカルボニル−6−エルゴニウム(14)への転化
多口、丸底のフラスコ中、9,10−ジヒドロリセルグ酸9.3g(0.0344モル)を窒素雰囲気下、室温でN−メチルピロリドン40mlに加え、続いて重炭酸ナトリウム8.67g(0.103モル)とヨウ化n−プロピル30.4g(0.179モル)を加える。混合物を80℃に加熱して、約10時間反応させる。
反応は、C18Hypersilカラムを使用し、280nm検出器を備え、かつ、50:50のリン酸塩緩衝液:アセトニトリルで溶離するHPLCによってモニターできる。
反応の終りには、原料は中間体(14)に完全に転化する。
実施例2
工程b).方法A:ヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−プロピルオキシカルボニル−6−エルゴニウム(14)のヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチル−6−エルゴリニウム(12)への転化
実施例1からの溶液を25℃に冷却し、N−メチルピロリドン120mlで稀釈し、35℃に加熱する。CaCl2 5g(0.0451モル)及びNaBH4 6.5g(0.172モル)を添加した後、混合物を45℃で1時間加熱する。反応の終りには中間体(14)が完全に中間体(12)に変換する。
工程b).方法B:ヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−プロピルオキシカルボニル−6−エルゴリニウム(14)のヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチル−6−エルゴリニウム(12)への転化
実施例1からの溶液を45℃に冷却し、CaCl2 5g(0.0451モル)及びN−メチルピロリドン45mlに溶解したNaBH4 6.5g(0.172モル)を加える。この混合物を55℃で1時間加熱する。反応の終わりには、中間体(14)が中間体(12)に完全に転換する。
実施例3
工程c).方法A:ヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチル−6−エルゴリニウム(12)のD−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)への転化
実施例2からの溶液に市販の21%CH3SNaメタノール溶液185ml(0.524モル)を加える。混合物を80℃に加熱し、反応混合物からメタノールを留去しながら同じ温度で約3〜4時間反応させる。
反応は、C18Hypersilカラムを使用し、280nm検出器を備え、かつ、75:25のリン酸塩緩衝液:アセトニトリルで溶離するHPLCによってモニターできる。
反応の終りには、中間体(12)はD−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)(約98%)とD−6−メチル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(8)(約2%)に完全に転化する。次いで懸濁液を減圧下回転蒸発器によってメタノールが完全に除去されるまで濃縮する。次いでこの懸濁液に脱イオン水130mlを加える。酢酸エチル300mlを添加した後、混合物を15〜20分間攪拌し、次いで有機相を分離する。水相にさらに酢酸エチル300mlを加え、15〜20分間攪拌して有機相を分離する。有機相を一緒にし(全量:約600ml)、脱イオン600ml水で2回洗浄し、次いで減圧下回転蒸発器で30mlまで濃縮する。酢酸エチル100mlを加え、溶液を再び30mlに濃縮する。酢酸エチル100mlを添加し、15mlに濃縮した後、ピリジン100mlを加える。
工程c).方法B
実施例2からの溶液にNaOH 20.6g(0.516モル)とHO−CH2CH2−SH 40.4g(0.516モル)を加え、70℃に加熱し、70℃で約7〜10時間反応させる。
反応は、C18Hypersilカラムを使用し、75:25のリン酸塩緩衝液:アセトニトリルで溶離し、280nm検出器を備えたHPLCによってモニターすることができる。
反応の終りには、中間体(12)は、D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)(約98%)とジヒドロリセルゴール(8)(約2%)に完全に転換する。
懸濁液に30mlのメタノールを加え、さらに、温度を70℃に維持してNaOHでpHを13に調節した52g/lのジナトリウムEDTA溶液370mlを徐々に加える。次いでNaCl(270ml、300g/l)を滴下し(温度を70℃に保持して)、その後混合物を徐々に5℃まで冷却する。生成物を濾過して、最初NaOHによってpH13に調節した52g/lのジナトリウムEDTA溶液15ml、次いで脱イオン水100mlによって洗浄し、減圧下60℃、20時間静置乾燥器中で乾燥させる。純度99%のD−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリンと0.5%含量のD−6−メチル−8β−メシルオキシメチルエルゴリンが得られる(他の不純物:0.5%)。D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)の湿った結晶を酢酸エチル240mlに溶解し、溶液を減圧下回転蒸発器によって120mlまで濃縮する。酢酸エチル120mlを加え、溶液を再び120mlに濃縮する。さらに酢酸エチル120mlアリコートを添加した後、溶液を15mlに濃縮してピリジン100mlを加える。
実施例4
工程d).方法A:D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)のD−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(5a)への転化
実施例3からの溶液を−6℃に冷却し、温度を0℃未満に保持しながら、メタンスルホニルクロリド5.9g(0.0515モル)を徐々に滴下する。混合物を1時間反応させる。反応はC18Hypersilカラムを使用し、280nm検出器を備え、かつ、50:50のリン酸塩緩衝液:アセトニトリルで溶離するHPLCによってモニターすることができる。反応の終りには、D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)のD−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(5a)への転化が完了する。反応が完結したら15%水酸化アンモニウム60mlと脱イオン水190mlを加え、混合物を15〜20分攪拌してから濾過する。生成物をフィルター上脱イオン水100mlで洗浄し、静置乾燥器中減圧下60℃で20時間乾燥させる。純度97%のD−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリンと2%のD−6−メチル−8β−メシルオキシメチルエルゴリンを有する10.8gの乾燥生成物が得られた(他の不純物:1%)。
工程d).方法B
実施例3からの溶液を−5℃に冷却し、温度を0℃以下に維持しながら塩化メタンスルホニル5.9g(0.0515モル)をゆっくり滴下する。混合物を1時間反応させる。
反応は、C18Hypersilカラムを有し、50:50のリン酸塩緩衝液:アセトニトリルで溶離し、280nm検出器を具備したHPLCによってモニターすることができる。
反応の終りに、すなわち、D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリンが完全にD−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリンに転換したときに、15%水酸化アンモニウム60mlと脱イオン水190mlを加える。混合物を15〜20分間攪拌して濾過する。生成物をフィルター上脱イオン水100mlで洗浄し、静置乾燥器中減圧下60℃で20時間乾燥させる。D−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(99%)とD−6−メチル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(0.5%)を有する乾燥生成物10.5gが得られる(他の不純物0.5%)。
実施例5
D−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(5a)、方法A
実施例4に従って得られた乾燥生成物(10.8g)をメタノール:ジクロロメタン10:90の混合溶媒100ml中に溶解させる。この溶液を酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール80:10:10の混合溶媒で調節されたシリカゲル500g上に吸着させ、同じ混合溶媒で溶離させる。各50mlの20フラクションを集め、HPLCによって分析した;純粋な(5a)(A%HPLC>99.9%)であるフラクションをまとめ、回転蒸発器により30mlまで濃縮し、N−メチルピロリドン220mlを加える。
実施例6
工程e).方法A:D−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(5a)のペルゴリド(1)への転化
実施例5からの溶液を25℃に保持し、市販の21%CH3SNaメタノール溶液100ml(0.284モル)を加える。この溶液を回転蒸発器によってメタノールが完全に除かれるまで濃縮する。反応は、C18Hypersilカラムを使用し、280nm検出器を備え、かつ、50:50のリン酸緩衝液:アセトニトリルで溶離するHPLCによってモニターする。反応の終りには、化合物(5a)が完全にペルゴリド(1)に転化する。脱イオン水(350ml)を加え、混合物を濾過し、生成物を脱イオン水100mlで洗浄する。生成物を静置乾燥器中で減圧下60℃、20時間乾燥させる。純度99.9%のD−6−n−プロピル−8β−メチルチオメチルエルゴリンの乾燥生成物8.64gが得られる。
工程e).方法B
実施例4からのD−6−n−プロピル−8β−メシルオキシメチルエルゴリン(5a)の湿った結晶を酢酸エチル240mlに溶解する。この溶液を回転蒸発器で減圧下120mlに濃縮する。酢酸エチル120mlを加え、溶液を再び120mlに濃縮する。さらに酢酸エチル120mlのアリコートを添加した後、溶液を15mlに濃縮し、N−メチルピロリドン50mlを加える。
得られた溶液を0℃に維持し、固体のCH3SNa 4g(0.058モル)を加える。反応は、C18Hypersilカラムを有し、280nm検出器を備え、50:50のリン酸塩緩衝液:アセトニトリルで溶離するHPLCによってモニターされる。反応の終りには、化合物(5a)がペルゴリド(1)に完全に転換する。N−メチルピロリドン170mlを加えて溶液を75℃に加熱する。温度を75℃に保持しながらこの中に脱イオン水286mlを滴下し、次いで混合物を室温に冷却して濾過する。生成物を75℃で、脱イオン水100mlで洗浄する。生成物を静置乾燥器中で減圧下60℃、20時間乾燥させる。純度99.8%のD−6−n−プロピル−8β−メチルチオメチルエルゴリンと0.1%のD−6−メチル−8β−メチルチオメチルエルゴリンを有する乾燥生成物8.4gが得られる。
実施例7
ペルゴリド(1)のペルゴリドメシラート(2)への塩形成(方法A及びB)
実施例6からのペルゴリド(1)8.64g(0.0275モル)を室温でメタノール130ml中に懸濁させる。この懸濁液を60℃に加熱し、15%メタノール溶液であるメタンスルホン酸2.70g(0.0281モル)を加える。得られた溶液を55mlまで蒸発させ、イソプロパノール60mlを加えて再び55mlまで濃縮する。混合物を25℃に冷まして濾過する。フィルター上の結晶生成物をイソプロパノール50mlで2回洗浄する。生成物を静置乾燥器中減圧下60℃で24時間乾燥させる。
欧州薬局方基準(EP Suppl.2001)に適合する品質のペルゴリドメシラート(2)10.45gが得られる(9,10−ジヒドロリセルグ酸から純粋なペルゴリドメシラートへのモル収率:74%)。

Claims (15)

  1. 下記工程からなるペルゴリド(1)の合成方法:
    Figure 2005520833
    a)9,10−ジヒドロリセルグ酸(6)をヨウ化プロピルと反応させて、
    Figure 2005520833
    ヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−プロピルオキシカルボニル−6−エルゴリニウム(14)を得る工程;
    Figure 2005520833
    b)中間体(14)を還元して、ヨウ化D−6−メチル−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチル−6−エルゴリニウム(12)を得る工程;
    Figure 2005520833
    c)求核剤により中間体(12)を脱メチル化して、D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)を得る工程;
    Figure 2005520833
    d)D−6−n−プロピル−8β−ヒドロキシメチルエルゴリン(4)をハロゲン化アルキルスルホニル又はハロゲン化トルエンスルホニルRSO2X(式中、Rは直鎖あるいは分岐のC1〜C3アルキル鎖、又はC65CH2残基であり、また、Xはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲンである)と反応させて、D−6−n−プロピル−8β−アルキルスルホニルオキシメチルエルゴリン又はD−6−n−プロピル−8β−トルエンスルホニルオキシメチルエルゴリン(5)を得る工程;
    Figure 2005520833
    (式中、Rは上記で定義したと同じである。)
    e)式(5)の化合物をナトリウムチオメトキシドと反応させて、ペルゴリド(1)を得る工程。
  2. 工程b)、c)及びd)が中間体(14)、(12)及び(4)を単離することなく行なわれる請求項1に記載の方法。
  3. 化合物(4)、(5)及び(1)が結晶化により単離される請求項1に記載の方法。
  4. 工程b)及びc)が中間体(14)及び(12)を単離することなく行なわれる請求項3に記載の方法。
  5. 工程e)の前に化合物(5)がクロマトグラフィにより精製される請求項1又は2に記載の方法。
  6. 工程b)の還元が金属水素化物で行われる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 金属水素化物が水素化ホウ素ナトリウムである請求項6に記載の方法。
  8. 工程c)の脱メチル化反応がアルカリチオアルコキシドにより行なわれる請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. アルカリチオアルコキシドがナトリウム、カリウム又はリチウムチオアルコキシドである請求項8に記載の方法。
  10. チオアルコキシドがナトリウムチオメトキシドである請求項9に記載の方法。
  11. チオアルコキシドがナトリウム2−メルカプトエトキシドである請求項9に記載の方法。
  12. ハロゲン化アルキルスルホニルが塩化メタンスルホニルである請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程c)からの化合物(4)が、EDTA水溶液及び塩化アルカリ又はアルカリ土類金属水溶液で温度60〜90℃での結晶化により反応混合物から単離でされる請求項3に記載の方法。
  14. 工程e)からのペルゴリン(1)が、水で温度40〜90℃での結晶化により反応液から単離でされる請求項3又は13に記載の方法。
  15. 式(14)で表される4級塩。
    Figure 2005520833
JP2003576437A 2002-03-15 2003-03-10 ペルゴリドの合成方法 Pending JP2005520833A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT2002MI000555A ITMI20020555A1 (it) 2002-03-15 2002-03-15 Processo per la sintesi del pergolide
ITMI20022133 ITMI20022133A1 (it) 2002-10-08 2002-10-08 Procedimento per la preparazione del pergolide.
PCT/EP2003/002423 WO2003078432A2 (en) 2002-03-15 2003-03-10 Process for the synthesis of pergolide

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005520833A true JP2005520833A (ja) 2005-07-14

Family

ID=28043508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003576437A Pending JP2005520833A (ja) 2002-03-15 2003-03-10 ペルゴリドの合成方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7019140B2 (ja)
EP (1) EP1485382B1 (ja)
JP (1) JP2005520833A (ja)
AT (1) ATE414704T1 (ja)
AU (1) AU2003221494A1 (ja)
DE (1) DE60324776D1 (ja)
WO (1) WO2003078432A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012524036A (ja) * 2009-04-17 2012-10-11 メルツ・ファルマ・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲーアーアー 1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサンメシラートの合成

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3901894A (en) * 1974-06-06 1975-08-26 Lilly Co Eli 8-thiomethylergolines
US4166182A (en) * 1978-02-08 1979-08-28 Eli Lilly And Company 6-n-propyl-8-methoxymethyl or methylmercaptomethylergolines and related compounds
US4246265A (en) 1979-10-01 1981-01-20 Eli Lilly And Company 6-n-Propyl-8α-methoxymethyl or methylmercaptomethylergolines and related compounds
US5463060A (en) * 1992-05-21 1995-10-31 Eli Lilly And Company One-pot process
IT1307934B1 (it) 1999-01-27 2001-11-29 Poli Ind Chimica Spa Processo per la preparazione di derivati alchimercaptometilergolinici.
CZ287962B6 (cs) 1999-06-15 2001-03-14 Galena A. S. Způsob přípravy 8ß-methylthiomethyl derivátů ergolinu

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012524036A (ja) * 2009-04-17 2012-10-11 メルツ・ファルマ・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲーアーアー 1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサンメシラートの合成

Also Published As

Publication number Publication date
EP1485382B1 (en) 2008-11-19
DE60324776D1 (de) 2009-01-02
US7019140B2 (en) 2006-03-28
WO2003078432A3 (en) 2004-01-15
US20050124812A1 (en) 2005-06-09
EP1485382A2 (en) 2004-12-15
WO2003078432A2 (en) 2003-09-25
AU2003221494A1 (en) 2003-09-29
ATE414704T1 (de) 2008-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008189688A (ja) 結晶性セフジニル酸付加塩及びこれを用いたセフジニルの製造方法
JPH1171375A (ja) テバイン及びその同族体の製造方法
JPH10500119A (ja) アザ二環式誘導体の製法
JP2008525531A (ja) セフジニルカリウム塩の結晶形
KR20130090472A (ko) 디플루오로메틸티오아세트산의 신규한 염, 이의 제조방법 및 상기 염을 이용한 (7R)―벤즈히드릴 7―(2―(디플루오로메틸티오)아세트아미노)―3―(클로로메틸)―7―메톡시―8―옥소―5―옥사―1―아자―비시클로[4.2.0]oct―2―엔―2―카르복실레이트의 제조방법
JP2655664B2 (ja) 結晶性セファドロキシル一水塩の製造方法
EP3413891A1 (en) Processes for the preparation of highly pure prucalopride succinate and its intermediates
ES2394688T3 (es) Fase precursora y su utilización para preparar la sal de magnesio tetrahidratada de un enantiómero del omeprazol
CZ20022302A3 (cs) Nové tetrahydropyridiny, způsob jejich přípravy a farmaceutické kompozice tyto tetrahydropyridiny obsahující
JP4593789B2 (ja) アルキルメルカプトメチルエルゴリン誘導体の製造方法
KR100304072B1 (ko) 바이시클릭중간체를이용한뉴클레오시드유사체의입체선택적합성방법
CZ296187B6 (cs) Zpusob výroby tropenolu
JP2005520833A (ja) ペルゴリドの合成方法
KR940007303B1 (ko) 피페리디닐시클로 펜틸헵텐산 유도체의 제조방법
CN110139868B (zh) 制备3-取代的5-氨基-6H-噻唑并[4,5-d]嘧啶-2,7-二酮化合物的方法
JP7379381B2 (ja) リナグリプチンおよびその塩の製造のための中間体およびプロセス
JP3884063B2 (ja) セフカペンピボキシルのメタンスルホン酸塩
EP1590353B1 (en) A process for the preparation of cefpodoxime proxetil
WO2007053722A9 (en) Crystalline form of cefdinir cesium salt
KR100241089B1 (ko) 2-메르캅토-4-메틸-1,3-티아졸-5-아세트산의 신규한제조방법
JPH01117889A (ja) ペニシラン酸6´−アミノペニシラノイルオキシメチル1,1−ジオキシド製造のための中間体
KR100522392B1 (ko) 그라니세트론 염산염의 제조 방법
JPH0529237B2 (ja)
CZ9902150A3 (cs) Způsob přípravy 8ß-methylthiomethyl derivátů ergolinu
JP2005531601A (ja) トロペノールの工業的製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100310