JP2005514006A - 物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】
【解決手段】本発明は、(i)膜貫通ドメインを除くTCRα鎖の全部又は一部と、(ii)膜貫通ドメインを除くTCRβ鎖の全部又は一部とを備えた可溶性T細胞受容体(sTCR)を提供する。(i)及び(ii)は、それぞれ、TCR鎖の機能的可変ドメインと定常ドメインの少なくとも一部とを備え、定常ドメイン残基の間が天然のTCR中には存在しないジスルフィド結合によって連結されている。

Description

発明の背景
本発明は、可溶性T細胞受容体(TCR)に関する。
WO99/60120号に記載されているように、TCRは、T細胞による特異的主要組織適合複合体(MHC)−ペプチド複合体の認識を媒介し、このため、免疫系の細胞性免疫が機能する上で不可欠である。
抗体とTCRという2種類の分子のみが抗原を特異的に認識するので、TCRは、MHCに提示されたペプチド抗原に対する唯一の受容体であって、外来ペプチドは細胞内の異常を示す唯一の兆候となることが多い。T細胞の認識は、T細胞と抗原提示細胞(APC)が物理的に直接接触したときに起こり、抗原特異的TCRとpMHC複合体の連結によって開始される。
TCRは、免疫グロブリンスーパーファミリーに属するヘテロ二量体の細胞表面タンパク質であり、シグナル伝達の媒介に関与するCD3複合体のインバリアントタンパク質と会合している。TCRはαβ及びγδ型として存在しており、これらは構造的に類似しているが、それらを発現しているT細胞は極めて異なる解剖学的分布を有し、おそらく機能も異なっていると思われる。TCRの細胞外部分は、2つの膜近位定常ドメインと2つの膜遠位可変ドメインとからなっており、可変ドメインは、抗体の相補性決定領域(CDR)と同様の多型ループを有している。TCR分子の結合部位を形成して、ペプチドの特異性を決定するのはこれらのループである。MHCクラスI及びクラスIIリガンドも、免疫グロブリンスーパーファミリーのタンパク質であるが、抗原提示に特化しており、APC細胞表面に多様な短いペプチド断片を提示することを可能とする多型ペプチド結合部位を有している。
可溶性TCRは、特異的なTCR−pMHC相互作用の研究のために有用であるのみならず、感染又は自己免疫疾患マーカーを検出する診断ツールとしても有用であろう。可溶性TCRは、染色にも使用される(例えば、MHCの中に提示されたペプチド抗原の存在を調べるために細胞を染色する)。同様に、可溶性TCRは、特定の抗原を提示している細胞に、治療剤(例えば、細胞毒性化合物又は細胞刺激化合物)を送達するために使用することができる。可溶性TCRは、T細胞(例えば、自己免疫ペプチド抗原に反応するT細胞)を阻害するために使用することもできる。
多くの場合、タンパク質は膜貫通領域によって安定化されているので、2以上のポリペプチドサブユニットから構成され且つ膜貫通ドメインを有するタンパク質を可溶型として作製することは困難なことがある。このことはTCRについても当てはまり、細胞外ドメインのみ又は細胞外ドメインと細胞質ドメインの何れかを含有する末端切断型のTCRであって、TCR特異的抗体によって認識することができるが(抗体によって認識される組換えTCRの一部が正しくフォールディングされていることを示している)、高い収率で製造することができず、低濃度では不安定であり及び/又はMHC−ペプチド複合体を認識することができないことが科学文献にも記載されていることは、その反映である。この文献は、WO99/60120号で概説されている。
各サブユニットを接続する天然のジスルフィド架橋を含んだTCRヘテロ二量体の作製を、数多くの文献が記載している(Garboczi, et al., (1996), Nature 384 (6605):134-41;Garboczi, et al., (1996), J Immunol 157(12):5403-10; Chang et al., (1994), PNAS USA 91:11408-11412; Davodeau et al., (1993) J.Biol. Chem. 268(21):15455-15460; Golden et al., (1997), J. Imm. Meth. 206:163-169; 米国特許第6080840号)。しかし、かかるTCRはTCR特異的抗体によって認識され得るが、何れも比較的高濃度でなければ天然リガンドを認識せず及び/又は安定でないことが示された。
WO99/60120号には、その天然リガンドを認識することができるように正しくフォールディングされ、長時間にわたって安定であり、相当な量を作製することができる可溶性TCRが記載されている。このTCRは、C末端の二量体化ペプチド対(ロイシンジッパーなど)によって、それぞれ、TCR β鎖又はδ鎖細胞外ドメインと二量体を形成したTCR α鎖又はγ鎖細胞外ドメインを備えている。このTCR作製法は、概ね全てのTCRに適用することが可能である。
Reiterら、Immunity、1995、2:281-287は、ジスルフィドで安定化されたTCRα及びβ可変ドメインを備え、そのうちの1つが末端切断型のPseudomonas exotoxin(PE38)に連結された可溶性分子の構築について詳述している。この分子を作製した理由の1つとして記載されているのは、一本鎖TCRに固有の不安定性を克服することであった。TCR可変ドメイン中の新規ジスルフィド結合の位置は、以前にこれらを導入した抗体の可変ドメインとの相同性を通じて確定された(例えば、Brinkmann, et al. (1993), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:7538-7542、及び Reiter, et al. (1994) Biochemistry 33:5451-5459)。しかし、抗体とTCR定常ドメイン間にはこのような相同性は存在しないので、TCR定常ドメインの間に新しい鎖間ジスルフィド結合を導入するのに適した部位を同定するために、このような技術を用いることはできなかった。
可溶性TCRの重要性に鑑みれば、このような分子を作製するための代替的な方法を提供することが望ましいであろう。
第一の側面によれば、本発明は、(i)膜貫通ドメインを除くTCRα鎖の全部又は一部と、(ii)膜貫通ドメインを除くTCRβ鎖の全部又は一部とを備えた可溶性T細胞受容体(sTCR)であって、(i)及び(ii)が、それぞれ、TCR鎖の機能的可変ドメインと定常ドメインの少なくとも一部とを備え、天然のTCR中には存在しないジスルフィド結合によって、(i)及び(ii)の定常ドメインの残基が連結されている、可溶性T細胞受容体を提供する。
別の側面では、本発明は、可溶性αβ型T細胞受容体(sTCR)であって、共有ジスルフィド結合が、α鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基を、β鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基に連結する、可溶性αβ型T細胞受容体を提供する。
本発明のsTCRには、免疫原性を示すか、あるいは体外から速やかにsTCRが排出されてしまう可能性がある異種ポリペプチドを含有していないという利点がある。さらに、本発明のTCRは、元になった天然のTCRと極めて類似した三次元構造を有しており、この構造的類似性の故に、本発明のTCRは免疫原性を示さないものと思われる。本発明のsTCRは、クラスI MHC−ペプチド複合体又はクラスII MHC−ペプチド複合体を認識するために用いることができる。
本発明のTCRは可溶性である。本出願において、可溶性(solubility)とは、単分散へテロ二量体として、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(KCL 2.7mM、KH2PO4 1.5mM、NaCl 137mM、及びNa2PO4 8mM、 pH 7.1-7.5. Life Technologies, Gibco BRL)中に、1mg/mLの濃度でTCRを精製することが可能であり、且つ25℃で1時間インキュベートした後においても、前記TCRの90%超がなお単分散へテロ二量体であることをいう。TCRの溶解性を評価するためには、まず、実験例2に記載されているようにTCRを精製する。この精製を行った後に、分析用サイズ排除クロマトグラフィー(例えば、PBSで平衡化したPharmaciaのSuperdex 75 HRカラムを用いて)100μgのTCRを分析する。25℃で1時間、さらに100gのTCRをインキュベートした後、前述のとおりに、サイズ排除クロマトグラフィーによって分析する。次いで、サイズ排除のトレースを積算により分析し、単分散へテロ二量体に対応するピーク下領域面積を比較する。当該ピークは、分子量既知のタンパク質標準の溶出位置と比較することによって同定することができる。単分散へテロ二量体可溶性TCRは、約50kDaの分子量を有する。上述したように、本発明のTCRは可溶性である。しかし、以下でさらに詳述されているように、得られた複合体が不溶性となるように、又はTCRが不溶性固相支持体の表面上に提示され得るように、ある成分(moiety)にTCRをカップルさせることができる。
本明細書で用いられているTCRアミノ酸の番号は、「The T Cell Receptor Factsbook, 2001, LeFranc & LeFranc, Academic Press」に記載されているIMGTシステムに従っている。このシステムでは、α鎖定常ドメインは、TRAC01という表記を有している(ここで、「TR」はT細胞受容体遺伝子を表し、「A」はα鎖遺伝子を表し、「C」は定常領域を表し、「01」は対立遺伝子1を表す)。β鎖定常ドメインは、TRBC01という表記を有している。この例では、2つの定常領域遺伝子「C1」及び「C2」が存在し得る。各対立遺伝子によってコードされる翻訳されたドメインは、複数のエキソンの遺伝コードから構成されることもあるので、これらも特定される。アミノ酸は、それらが存在するドメインのエキソンに従って番号が付される。
天然のTCRの細胞外部分は、各々が膜近位定常ドメインと膜遠位可変ドメインを有する2つのポリペプチド(αβ又はγδ)からなる(図1参照)。前記定常ドメインと可変ドメインのそれぞれには、鎖内ジスルフィド結合が含まれる。可変ドメインは、抗体の相補性決定領域(CDR)に類似した多型性が高いループを含有する。TCRのCDR3は、MHCによって提示されるペプチドと相互作用し、CDR1とCDR2はペプチド及びMHCと相互作用する。TCR配列の多様性は、連結される可変(V)、多様(D)、連結(J)、及び定常遺伝子の体細胞での再構成を通じて生成される。機能的なα鎖ポリペプチドは、再構成されたV−J−C領域によって形成されるのに対して、β鎖はV−D−J−C領域からなる。細胞外定常ドメインは、膜近位領域と免疫グロブリン領域を有している。膜近位領域は、膜貫通ドメインと膜近位システイン残基の間に位置するアミノ酸からなる。定常免疫グロブリンドメインは、残りの定常ドメインアミノ酸残基からなり、膜近位システインから連結領域(joining region)の先頭にまで及び、免疫グロブリン型の折り畳み(fold)の存在を特徴とする。Cα1又はTRAC01として知られる単一のα鎖定常ドメインと、Cβ1又はTRBC01及びCβ2又はTRBC201として知られる2つの異なるβ定常ドメインとが存在する。これらの異なるβ定常ドメイン間の差は、エキソン1のアミノ酸残基4、5、及び37に存する。このため、TRBC101は、そのエキソン1の中に4N、5K、及び37を有し、TRBC201は、そのエキソン1の中に4K、5N、及び37Yを有する。各TCR細胞外ドメインの範囲は、若干変化し得る。
本発明では、各鎖の定常ドメイン(又はその一部)中に位置する残基の間にジスルフィド結合が導入される。TCRの各鎖は、pMHC複合体と相互作用できるのに十分な、それらの可変ドメインを備える。このような相互作用は、それぞれ、本明細書の実験例3又はWO99/6120号に記載されているように、BIAcore3000TM又はBIAcore2000TM装置を用いて測定することができる。
ある実施態様では、本発明のsTCRの各鎖は、その鎖内ジスルフィド結合も備える。本発明のTCRは、各TCR鎖の細胞外定常Ig領域を全て、好ましくは各鎖の細胞外ドメインを全て(すなわち、膜近位領域を含む)備えてもよい。天然のTCRには、各鎖の保存された膜近位領域を連結するジスルフィド結合が存在する。本発明の一実施形態では、このジスルフィド結合が存在しない。これは、適切なシステイン残基(それぞれ、アミノ酸4、TRAC01遺伝子のエキソン2、並びにTRBC101及びTRBC201のアミノ酸2)を別のアミノ酸に変異させることによって、又はシステイン残基が含まれないように各鎖を末端切断することによって行うことができる。本発明の好ましい可溶性TCRは、天然の鎖間ジスルフィド結合を形成するシステイン残基が除外されるようにC末端が切断された(すなわち、前記システイン残基のN末端側残基1、2、3、4、5、6,7、8、9、又は10の箇所で切断された)天然のα及びβ TCR鎖を備える。しかし、天然の鎖間ジスルフィド結合が本発明のTCR中に存在してもよく、一部の実施形態では、TCR鎖のうち1つのみが、天然の鎖間ジスルフィド結合を形成する天然のシステイン残基を有することに留意しなければならない。このシステインは、成分をTCRに付着させるために使用することができる。
しかし、各TCR鎖は、さらに短くしてもよい。定常ドメインは、ペプチド−MHCリガンドとの接触に直接関与していないので、実質的に機能性を失わせずに、C末端切断点を変化させることもできる。
あるいは、本発明で好まれるものより大きな定常ドメインの断片が存在してもよい(すなわち、定常ドメインは、必ずしも、鎖間ジスルフィド結合を形成するシステインの直前で切断する必要はない)。例えば、膜貫通ドメインを除く定常ドメイン全体(すなわち、細胞外ドメインと細胞質ドメイン)を含めることもできるであろう。この場合には、細胞のTCR中で鎖間ジスルフィド結合を形成している1以上のシステイン残基を変異させて、ジスルフィド結合の形成に関与しない別のアミノ酸残基にするか、これらの残基を1以上欠失させるのが有利となり得る。
シグナルペプチドは、成熟TCR中では、そのリガンド結合能力に関して何の意味もなく、環境によっては、機能的な可溶性TCRの形成を妨げることもあるので、可溶性TCRを原核細胞、例えば、E.Coli中で発現させるのであれば、シグナルペプチドは省略してもよい。多くの場合には、シグナルペプチドが成熟TCR鎖から除去される切断部位は予測され、実験的に決定されるわけではない。そのN末端が数アミノ酸(すなわち、例えば、最大約10アミノ酸)長い又は短いように、発現されるTCR鎖を設計すると、可溶性TCRの機能性(すなわち、pMHCを認識する能力)に影響がないであろう。元のタンパク質配列中に存在しない付加を加えることもできる。例えば、TCRの抗原結合部位の正しい構造とフォールディングを妨害しないのであれば、TCR鎖の精製を容易にし得る短いタグ配列を付加してもよい。
E.Coli中で発現させるためには、翻訳の開始を可能とするために、予想される成熟タンパク質配列のN末端開始点上にメチオニン残基を工作してもよい。
TCR鎖の可変ドメイン中に存在する全ての残基が、抗原特異性と機能性に不可欠だというわけではない。このため、抗原特異性と機能性に影響を与えずに、このドメイン中に多数の変異を導入することができる。TCR鎖の定常ドメイン中に存在する全ての残基が、抗原特異性と機能性に不可欠だというわけではない。このため、抗原特異性に影響を与えずに、このドメイン中に多数の変異を導入することができる。
TCRのβ鎖は、細胞のTCR又は天然のTCR中に、対を形成していないシステイン残基を含有している。不適切な鎖内又は鎖間対形成を避けるために、このシステイン残基は除去するか、あるいは別の残基に変異させることが好ましい。このシステイン残基を別の残基(例えば、セリン又はアラニン)に置換することによって、インビトロでのリフォールディング効率に著しく好ましい効果がもたらされ得る。
各鎖上に存在する非システイン残基をシステインに変異させ、変異された残基間に結合を形成させることによって、ジスルフィド結合は形成させることができる。天然の残基の代わりに導入されたシステイン残基の間に、ジスルフィド結合が形成され得るように、天然のTCR中で、それぞれのβ炭素の距離が約6Å(0.6nm)以下であり、好ましくは3.5Å(0.35nm)乃至5.9Å(0.59nm)離れている残基が好ましい。ジスルフィド結合は膜近位領域の残基間にあってもよいが、定常免疫グロブリン領域中の残基の間にあることが好ましい。ジスルフィド結合を形成させるためにシステインを導入することができる好ましい部位は、TCRのα鎖に関してはTRAC01のエキソン1、TCRのβ鎖に関してはTRBC101又はTRBC201のエキソン1に存在する以下の残基である。
Figure 2005514006
本発明のsTCRのうち1つは、A6 Tax TCRに由来する(Garboczi et al, Nature, 1996,384 (6605): 134-141)。ある実施形態では、前記sTCRは、TRAC01のエキソン2、残基4のN末端にあるTCRのα鎖全体(Garbocziらが用いた番号によると、α鎖のアミノ酸残基1−182)と、TRBC101及びTRBC201の両方のエキソン2、残基2のN末端にあるTCRのβ鎖全体(Garbocziらが用いた番号によると、β鎖のアミノ酸残基1−210)とを備える。ジスルフィド結合を形成させるためには、TRAC01中のエキソン1のトレオニン48(Garbocziらが用いた番号によると、α鎖のトレオニン158)とTRBC101及びTRBC201中に存在するエキソン1のセリン57(Garbocziらが用いた番号によると、β鎖のセリン172)を、それぞれシステインに変異させ得る。これらのアミノ酸は、それぞれ、α及びβ TCR鎖の定常ドメインのβストランドDの中に位置する。
図3aと3bでは、残基1(Garbocziらの用いた番号による)は、それぞれKとNであることに留意しなければならない。天然のA6 Tax TCR中には、N末端のメチオニン残基は存在せず、上述したように、細菌の発現系の中で、各鎖が作製される場合には存在することがある。
新しい鎖間ジスルフィド結合を形成させるために、システイン残基に変異させることができるヒトTCR中の残基は特定されているので、当業者であれば、同じように、任意のTCRを変異させて、新しい鎖間ジスルフィド結合を有する可溶型のTCRを作製することができるであろう。ヒトの場合、当業者は、各TCR鎖中に以下のモチーフを探して、変異させるべき残基を同定する必要があるにすぎない(影が付されている残基は、システインに変異される残基である)。
α鎖 Thr48: DSDVYITDKVLDMRSMDFK(TRAC01遺伝子のエキソン1のアミノ酸39−58)
α鎖 Thr45: QSKDSDVYIDKTVLDMRSM(TRAC01遺伝子のエキソン1のアミノ酸36−55)
α鎖 Tyr10: DIQNPDPAVQLRDSKSSDK(TRAC01遺伝子のエキソン1のアミノ酸1−20)
α鎖 Ser15: DPAVYQLRDKSSDKSVCLF(TRAC01遺伝子のエキソン1のアミノ酸6−25)
β鎖 Ser57: NGKEVHSGVTDPQPLKEQP(TRBC101遺伝子とTRBC201遺伝子のエキソン1のアミノ酸48−67)
β鎖 Ser77: ALNDSRYALSRLRVSATFW(TRBC101及びTRBC201遺伝子のエキソン1のアミノ酸68−87)
β鎖 Ser17: PPEVAVFEPEAEISHTQKA(TRBC101及びTRBC201遺伝子のエキソン1のアミノ酸8−27)
β鎖 Asp59: KEVHSGVSTPQPLKEQPAL(TRBC101及びTRBC201遺伝子のエキソン1のアミノ酸50−69)
β鎖 Glu15: VFPPEVAVFPSEAEISHTQ(TRBC101及びTRBC201遺伝子のエキソン1のアミノ酸6−25)
その他の種では、TCR鎖は、上記モチーフと100%の同一性を有する領域を有していないことがある。しかしながら、当業者であれば、TCRのα鎖又はβ鎖の等価な部分を同定して、システインに変異させるべき残基を同定するために上記モチーフを用いることが可能であろう。この点では、アラインメント技法を用いることができる。例えば、TCR配列の変異に適した部分の位置を決定するために、European Bioinformatics Institute website(http://www.ebi.ac.uk/index.html)から入手できるClustal Wを用いて、上記モチーフを、特定のTCR鎖配列と比較することができる。
ヒトのジスルフィド連結αβ TCRのみならず、他の哺乳動物(マウス、ラット、ブタ、ヤギ、及びヒツジが含まれるが、これらに限定されない)のジスルフィド連結αβ TCRも、本発明の範囲に属する。上述したように、当業者であれば、システイン残基を導入して鎖間ジスルフィド結合を形成させることができる、上記ヒトの部位と等価な部位を決定することができるであろう。例えば、TCR鎖間ジスルフィド結合を形成させるためにシステインに変異させることができる、上記ヒトの残基と等価なマウスの残基を示すモチーフとともに、マウスCα及びCβ可溶性ドメインのアミノ酸配列が、以下に示されている(当該残基に影が付されている)。
マウスのCα可溶性ドメイン:
PYIQNPEPAVYQLKDPRSQDSTLCLFTDFDSQINVPKTMESGTFITDKTVLDMKAMDSKSNGAIAWSNQTSFTCQDIFKETNATYPSSDVP
マウスのCβ可溶性ドメイン:
EDLRNVTPPKVSLFEPSKAEIANKQKATLVCLARGFFPDHVELSWWVNGREVHSGVSTDPQAYKESNYSYCLSSRLRVSATFWHNPRNHFRCQVQFHGLSEEDKWPEGSPKPVTQNISAEAWGRAD
ヒトα鎖Thr48のマウスにおける等価物:ESGTFITDKTVLDMKAMDSK
ヒトα鎖Thr45のマウスにおける等価物:KTMESGTFITDKTVLDMKAM
ヒトα鎖Tyr10のマウスにおける等価物:YIQNPEPAVYQLKDPRSQDS
ヒトα鎖Ser15のマウスにおける等価物:AVYQLKDPRSQDSTLCLFTD
ヒトβ鎖Ser57のマウスにおける等価物:NGREVHSGVSTDPQAYKESN
ヒトβ鎖Ser77のマウスにおける等価物:KESNYSYCLSSRLRVSATFW
ヒトβ鎖Ser17のマウスにおける等価物:PPKVSLFEPSKAEIANKQKA
ヒトβ鎖Asp59のマウスにおける等価物:REVHSGVSTDPQAYKESNYS
ヒトβ鎖Glu15のマウスにおける等価物:VTPPKVSLFEPSKAEIANKQ。
本発明の好ましい実施形態では、前記TCRの(i)及び(ii)の各々が、第二のTCRの定常ドメインの全部又は一部に融合された第一のTCRの機能的可変ドメインを備え、前記第一及び第二のTCRは同一の種から得られたものであり、天然のTCRには存在しない前記各定常ドメインの全部又は一部中の残基の間に鎖間ジスルフィド結合が存在する。ある実施形態では、前記第一及び第二のTCRはヒトのものである。換言すれば、ジスルフィド結合によって連結された定常ドメインは、その上に可変ドメインを融合させることができるフレームワークとして機能する。得られたTCRは、第一のTCRの元となった天然のTCRと実質的に同一であろう。このような系によって、安定な定常ドメインフレームワーク上にあらゆる機能的可変ドメインを容易に発現することが可能となる。
その上に異種の可変ドメインを融合することができるフレームワークとして、上記A6 Tax sTCRの定常ドメイン、あるいは、実際には、上述した新しい鎖間ジスルフィド結合を有する任意の変異αβ TCRの定常ドメインを用いることができる。融合タンパク質は、異種可変ドメインのコンフォメーションをできる限り保持していることが好ましい。従って、導入されるシステイン残基と定常ドメインのN末端との間にある何れかの部位で、異種の可変ドメインが定常ドメインに連結されていることが好ましい。A6 Tax TCRの場合、α及びβ鎖上の導入されたシステイン残基は、それぞれ、TRAC01中のエキソン1のトレオニン48(Garbocziらが用いた番号によると、α鎖のトレオニン158)、及びTRBC101とTRBC201中のエキソン1のセリン57(Garbocziらが用いた番号によると、β鎖のセリン172)に位置することが好ましい。従って、異種のα及びβ鎖可変ドメイン付着点は、それぞれ、残基48(Garbocziらが用いた番号によると159)又は残基58(Garbocziらが用いた番号によると173)とα又はβ定常ドメインのN末端との間に存在することが好ましい。
A6 Tax TCR中の前記付着点に対応する異種α及びβ鎖の定常ドメイン中の残基は、配列の相同性によって同定することができる。融合タンパク質は、好ましくは、付着点のN末端の異種配列を全て包含するように構築することが好ましい。
以下でさらに詳細に論述されているように、本発明のsTCRは、そのC末端又はN末端を成分(moiety)で誘導体化し、又は成分に融合させてもよい。結合ドメインから遠位にあるので、C末端が好ましい。ある実施形態では、TCR鎖の一方又は双方が、このような成分を融合させることができるシステイン残基を、そのC末端及び/又はN末端に有する。
本発明の可溶性TCR(好ましくは、ヒトのもの)は、実質的に純粋な形態で、又は精製された若しくは単離された調製物として提供することができる。例えば、本発明の可溶性TCRは、他のタンパク質が実質的に存在しない形態で提供することができる。
本発明の複数の可溶性TCRを、多価複合体中に与えてもよい。このように、本発明は、ある側面において、本明細書に記載されている可溶性T細胞受容体を複数備えた、多価T細胞受容体(TCR)複合体を提供する。前記複数の可溶性TCRは各々、同一であることが好ましい。
別の側面では、本発明は、MHC−ペプチド複合体を検出する方法であって、
(i)本明細書に記載された可溶性T細胞受容体又は多価T細胞受容体複合体を準備することと、
(ii)前記可溶性T細胞受容体又は多価TCR複合体を前記MHC−ペプチド複合体と接触させることと、
(iii)前記MHC−ペプチド複合体への前記可溶性T細胞受容体又は多価TCR複合体の結合を検出することと、
を備えた方法を提供する。
本発明の多価複合体において、前記TCRは多量体の形態をとるか、及び/又は、脂質二重層(例えば、リポソーム)上に存在し若しくは脂質二重層(例えば、リポソーム)と会合してもよい。
最も単純な形態では、本発明の多価TCR複合体は、好ましくはリンカー分子を介して、(例えば、共有結合で、又はその他の結合で)互いに会合(associate)した2又は3又は4以上のT細胞受容体分子の多量体を備える。適切なリンカー分子には、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラビジン、及びエキストラビジン(これらは、それぞれ、ビオチンの結合部位を4つ有している)等の多価接着分子(attachment molecuLe)が含まれるがこれらに限定されるものではない。このように、複数のTCR結合部位を有するT細胞受容体の多量体中に、ビオチン化されたTCR分子を形成することができる。多量体中に存在するTCR分子の数は、多量体を作るために用いられるリンカー分子の量に対するTCRの量に依存するとともに、他のあらゆるビオチン化された分子の有無にも依存するであろう。好ましい多量体は、二量体、三量体、又は四量体のTCR複合体である。
特定のMHC−ペプチド複合体を発現している細胞を追跡し又は誘導する際には、TCR四量体より大きな構造体を用いてもよい。前記構造体は、直径10nm乃至10μmの範囲にあることが好ましい。該構造体上に存在する2以上のTCR分子が細胞上の2以上のMHC−ペプチド複合体に同時に結合して、多量体の結合成分の細胞に対する結合親和性が増大し得るように十分な距離を置いて、各構造体に、複数のTCR分子をディスプレイしてもよい。
本発明で使用するのに適した構造体には、リポソーム等の膜構造体、及び固体構造体(solid structures)(ビース、例えば、ラテックスビーズなどの粒子であることが好ましい)が含まれる。T細胞受容体分子で外部を被覆することができる他の構造体も適切である。前記構造体は、各個のT細胞受容体分子で被覆するよりも、T細胞受容体多量体で被覆することが好ましい。
リポソームの場合には、T細胞受容体分子又はその多量体を膜に付着(attach)させるか、あるいは、膜と会合させてもよい。このための技術は、当業者に周知である。
標識又はそれ以外の成分(毒性成分又は治療成分など)を、本発明の多価TCR複合体中に包含させてもよい。例えば、混合分子多量体の中に、標識その他の成分を包含させることができる。このような多量体分子の例は、3つのTCR分子と1つのペルオキシダーゼ分子を含有するテトラマーである。これは、TCRと酵素を3:1のモル比で混合して四量体複合体を生成させ、分子を正しい比率で含有していない全ての複合体から、所望の複合体を単離することによって達成することができるであろう。立体的な障害が生じないか、又は分子の所望の機能が著しく損なわれなければ、これらの混合分子は、あらゆる組合せの分子を含有することができる。ストレプトアビジン分子上の結合部位の位置関係は、立体的な障害が起こりにくいので、混合型四量体に適している。
TCRをビオチン化する他の手段も可能であろう。例えば、化学的なビオチン化を使用することができる。ビオチンタグ配列中の一定のアミノ酸は不可欠であるが(Schatz、(1993).Biotechnology NY11(10):1138-43)、別のビオチン化タグを用いてもよい。ビオチン化に用いる混合物を変化させることもできる。前記酵素は、Mg−ATPと低イオン強度を必要とするが、これらの条件は何れも変化させることができる(例えば、さらに高いイオン強度とさらに長い反応時間を使用することも可能であろう)。TCRの多量体を形成させるために、アビジン又はストレプトアビジン以外の分子を使用することも可能であろう。ビオチンを多価で結合するあらゆる分子が適しているであろう。あるいは、全く異なる連結(キレートされたニッケルイオンへのポリヒスチジンタグなど(Quiagen Product Guide 1999,Chapter 3“Protein Expression, Purification, Detection and Assay” p.35-37))を考案することもできるであろう。ペプチド−MHC複合体との相互作用における構造的な障害の程度を最少に抑えるために、前記タグは、タンパク質のC末端方向に位置することが好ましい。
前記TCR鎖の一方又は双方を、検出可能な標識(例えば、診断用途に適した標識)で標識することもできる。このように、本発明は、MHC−ペプチド複合体を検出する方法であって、MHC−ペプチド複合体を、該MHC−ペプチド複合体に特異的である本発明のTCR又は多量体TCR複合体と接触させることと、前記TCR又は多量体TCR複合体の前記MHC−ペプチド複合体への結合を検出することと、を備えた方法を提供する。ビオチン化されたヘテロ二量体を用いて形成された四量体TCRでは、検出可能な標識を与えるために、蛍光ストレプトアビジン(市販されている)を使用することができる。例えば、TCRが特異性を示すペプチドを担持する抗原提示細胞を検出するために、蛍光標識されたテトラマーは、FACS分析で使用するのに適している。
本発明の可溶性TCRを検出することができる別の方法は、TCR特異的な抗体、特にモノクローナル抗体を使用することである。それぞれ、α鎖とβ鎖の定常領域を認識するαF1やβF1等の市販の抗TCR抗体が数多く存在する。
これに代えて又はこれに加えて、本発明のTCR(又はその多価複合体)に、例えば、細胞を死滅させるのに使用する毒性成分又はインターロイキン若しくはサイトカイン等の免疫刺激因子であり得る治療剤を(例えば、共有結合その他の結合で)結合させてもよい。本発明の多価TCR複合体は、多量体でないT細胞受容体ヘテロ二量体と比べて、pMHCに対する結合能が増強されている場合がある。このように、本発明の多価TCR複合体は、インビトロ又はインビボで、特定の抗原を提示する細胞を追跡し又は標的とするのに特に有用であり、このような用途を有する多価TCR複合体をさらに作製するための中間体としても有用である。従って、前記TCR又は多価TCR複合体は、インビボで使用するための薬学的に許容される製剤に加えることができる。
本発明は、標的細胞に治療剤を送達する方法であって、TCR又は多価TCR複合体を前記標的細胞に付着させることが可能な条件下で、本発明のTCR又は多価TCR複合体を標的細胞となり得る細胞に接触させることを備え、前記TCR又は多価TCR複合体がMHC−ペプチド複合体に対して特異的であり、且つTCR又は多価TCR複合体に前記治療剤が結合されている、方法も提供する。
特に、前記可溶性TCR又は多価TCR複合体を用いて、ある抗原を提示する細胞が存在する場所に治療剤を送達することができる。これは、多くの状況において、とりわけ、癌を攻撃する上で有用であろう。治療剤は、その効果が局所的であるが、当該治療剤が結合する細胞のみに効果が限定されないように、送達することもできるであろう。このように、ある方法では、T細胞受容体又は多価TCR複合体に連結された腫瘍抗原特異的抗腫瘍分子を想定している。
多くの治療剤、例えば、放射性化合物、酵素(例えば、パーフォリン)、又は化学療法剤(例えば、シスプラチン)をこの用途に利用することができるであろう。所望の場所で確実に毒性効果が発揮されるようにするために、化合物がゆっくり放出されるように、ストレプトアビジンにトキシンを連結して、リポソームの内側に入れることもできるであろう。これによって、体内での輸送中に効果が損なわれることが防止され、TCRが所定の抗原提示細胞に結合した後に、トキシンが最大の効果を有することが確保されるであろう。
他の適切な治療剤には、
・小分子細胞毒性物質(すなわち、700ダルトン未満の分子量を有し、哺乳類細胞を死滅させることができる化合物)。このような化合物は、細胞毒性効果を有することができる有毒金属も含有し得るであろう。さらに、これらの小分子細胞毒性物質には、プロドラッグ(すなわち、生理的条件下で崩壊し、又は変換を受けて、細胞毒性物質を放出する化合物)も含まれることを理解しなければならない。このような物質の例として、シスプラチン、メイタイシン誘導体、レイチェルマイシン(rachelmycin)、カリチェアマイシン、ドセタキセル、エトポシド、ゲムシタビン、イフォスファミド、イリノテカン、メルファラン、ミトキサントロン、ソルファイマー(sorfimer)、ナトリウムフォトフリンII、テモゾルミド(temozolmide)、トポテカン、トリメトレエートグルクロネート(trimetreate glucuronate)、アウリスタチンE(auristatin E)、ビンクリスチン、及びドキソルビシンが挙げられる;
・ペプチドサイトトキシン(すわち、哺乳類細胞を死滅させることができるタンパク質又はその断片)。例として、リシン、ジフテリアトキシン、シュードモナスバクテリアトキシンA、DNAアーゼ及びRNAアーゼが含まれる;
・放射線核種(すなわち、α若しくはβ粒子又はγ線のうち1以上を放出しながら崩壊する、元素の非安定同位体)。例として、ヨウ素131、レニウム186、インジウム111、イットリウム90、ビスマス210及び213、アクチニウム225、並びにアスタチン213などが含まれる;
・抗体に誘導される酵素プロドラッグ(antibody directed enzyme pro-drug)などのプロドラッグ;
・免疫刺激物質(immuno-stimulant)(すなわち、免疫反応を刺激する成分)。例として、IL−2などのサイトカイン、IL−8、血小板因子4、メラノーマ増殖刺激タンパク質などのケモカイン、抗体又はその断片、補体活性化因子、異種タンパク質ドメイン、同種タンパク質ドメイン、ウイルス/細菌タンパク質ドメイン、並びにウイルス/細菌ペプチドが含まれる。
本発明の可溶性TCR又は多価TCR複合体は、プロドラッグを薬物に転換することができる酵素に連結させてもよい。これにより、プロドラッグは、必要とされている部位に限って、薬物に転換することが可能となる(すなわち、TCRによって誘導される)。
本発明のTCRに対する適切なMHC−ペプチド標的の例には、HTLV−1エピトープ(例えば、HLA−A2に拘束されるTaxペプチド、HTLV−1は白血病に関連している。)、HIVエピトープ、EBVエピトープ、CMVエピトープなどのウイルスエピトープ、メラノーマエピトープ(例えば、MAGE−1 HLA−A1拘束エピトープ)、及び他の癌特異的エピトープ(例えば、HLA−A2によって拘束される腎細胞癌腫随伴抗原G250)、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患に関連するエピトープが含まれるが、これらに限定されない。疾病に関連するpMHCであって本発明での使用に適したpMHC標的が、さらに、「HLA Factbook(Barclay(Ed) Academic Press)」に列記されており、他にも多くのものが同定されつつある。可溶性TCRの特異性によって薬物を局在化させることによって、複数の疾病の治療を強化させ得る可能性もある。
薬物が存在するウイルス疾患(例えば、HIV、SIV、EBV、CMV)では、感染細胞の近傍で放出又は活性化される薬物が有益であろう。癌の場合、腫瘍又は転移の近傍に局在化させることによって、トキシン又は免疫刺激物質の効果が増強するであろう。自己免疫疾患では、患者の全体的な免疫能への影響を最小限に抑えつつ、免疫抑制剤をゆっくり放出させ、長期間にわたって、より局所的な効果を与えることができるであろう。移植片の拒絶を抑制する場合には、免疫抑制剤の効果を同様に最適化することができるであろう。ワクチンを送達する場合、抗原提示細胞の近傍にワクチン抗原を局在化させることにより、抗原の効力を増強させることができるであろう。本方法は、画像診断にも適用することができる。
本発明の可溶性TCRは、特異的なpMHCを結合させてT細胞の活性化をモジュレートすることにより、T細胞の活性化を阻害するために使用することもできる。T細胞を介した炎症及び/又は組織傷害を伴う自己免疫疾患、例えば、I型糖尿病は、このアプローチに適しているであろう。この用途では、当該pMHCによって提示される特異的なペプチドエピトープを知ることが必要である。
本発明の医薬は、無菌の薬学的組成物(薬学的に許容される担体を含むのが通常である)の一部として供給されるのが通常であろう。この薬学的組成物は、(患者に投与する所望の方法に応じて)任意の適切な形態であり得る。前記薬学的組成物は、単位投薬形態として提供することができ、密封された容器中に入れるのが一般的であり、キットの一部として提供してもよい。このようなキットには、(必ずというわけではないが)通常、使用説明書が添付されているであろう。キットには、複数の単位投薬形態が含まれていてもよい。
前記薬学的組成物は、任意の適切な経路、例えば、経口(口腔粘膜(buccal)又は舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(口腔粘膜、舌下、又は経皮を含む)、膣又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、又は皮内を含む)経路による投与に適合させ得る。このような組成物は、薬学の分野で公知のあらゆる方法によって、例えば、滅菌条件下で、活性成分を担体又は賦形剤と混合することによって、調製することができる。
経口投与向けの薬学的組成物は、カプセル又は錠剤などの分離したユニットとして、粉末又は顆粒として、溶液、シロップ、又は懸濁液として(水性又は非水性液中に、又は食べられるフォーム(foam)又はホイップとして、又はエマルジョンとして)与えることができる。錠剤又はハードゼラチンカプセルに適した賦形剤には、ラクトース、トウモロコシのデンプン又はその誘導体、ステアリン酸又はその塩が含まれる。ソフトゼラチンカプセルとともに使用するのに適した賦形剤には、例えば、植物油、蝋(wax)、脂肪、半固体又は液体のポリオールなどが含まれる。
溶液及びシロップを調製する場合には、使用し得る賦形剤には、例えば、水、ポリオール、及び糖が含まれる。懸濁油(例えば、植物油)の調製には、水中油又は油中水懸濁液を与えるために使用することができる。経皮投与向けの薬学的組成物は、長期間にわたって、受療者の表皮と密接した状態を保つための分離したパッチ(discrete patch)として与えることができる。例えば、活性成分は、「Pharmaceutical Research 3(6):318(1986)」に概説されているイオントフォレーシスにより、パッチから送達することができる。局所投与向けの薬学的組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、パウダー、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、又はオイルとして調合することができる。目又はその他の外部組織(例えば、口や皮膚)の感染症には、前記組成物を局所軟膏又はクリームとして与えることが好ましい。軟膏中に調合する場合には、パラフィン又は水混和性軟膏基剤とともに、前記活性成分を用いることができる。あるいは、前記活性成分は、水中油クリーム基剤又は油中水基剤とともに、クリーム中に調合してもよい。
目への局所投与向けの薬学的組成物には、適切な担体(特に、水性溶媒)中に前記活性成分を溶解又は懸濁させた点眼薬が含まれる。口腔中への局所投与向けの薬学的組成物には、トローチ剤、芳香錠剤、及びうがい薬が含まれる。
直腸投与向けの薬学的組成物は、座剤又は浣腸として与えることができる。経鼻投与向けの薬学的組成物であって、担体が固体である組成物には、例えば、20乃至500ミクロンの範囲の粒子サイズを有し、鼻から吸い込む様式で(すなわち、鼻に近付けた粉末の容器から鼻を通じて素早く吸引することによって)投与される粗い粉末が含まれる。点鼻スプレー又は点鼻薬として適した、担体が液体である組成物には、活性成分の水溶液又は油溶液が含まれる。吸引による投与向けの薬学的組成物には、様々なタイプの定量加圧エアロゾル、噴霧器、又は吸入器によって生成することができる微粒子ダスト又はミストが含まれる。経膣投与向けの薬学的組成物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、又はスプレー調合物として与えることができる。非経口投与向けの薬学的組成物には、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び前記製剤を対象となる受療者の血液とほぼ等張にする溶質を含有し得る水性及び非水性滅菌注射溶液と、懸濁剤及び濃縮剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液とが含まれる。注射溶液に使用できる賦形剤には、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、及び植物油が含まれる。前記組成物は、単一投薬又は複数投薬容器、例えば、密閉されたアンプルやバイアル中に入れ、使用直前に、滅菌された液体担体(carried)(例えば、注射水)を加えるだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時調合注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製することができる。
前記薬学的組成物は、防腐剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着臭剤、塩(本発明の物質自体を、薬学的に許容される塩の形態で与えてもよい)、緩衝液、被覆剤、又は抗酸化剤を含有してもよい。前記薬学的組成物は、本発明の物質に加えて、治療的に活性な物質を含有してもよい。
本発明の物質の投薬量は、治療すべき疾病又は疾患、治療すべき個体の年齢と症状などに応じて、幅広く変動させることができ、終局的には、使用すべき適切な投薬量を医師が決定することになろう。適切な頻度で複数回投薬を行ってもよい副作用が生じた場合には、一般的な治療の方法に従って、投薬の量及び/又は頻度を減少させることができる。
本発明のTCRを好ましくは実質的に純粋な形態で提供するために、遺伝子クローニング技術を用いることができる。これらの技術は、例えば、「J.Sambrook et al Molecular Cloning 2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)」に開示されている。このため、さらなる側面において、本発明は、本発明の可溶性TCRの鎖をコードする配列又はこれと相補的な配列を備えた核酸分子を提供する。このような核酸配列は、TCRをコードする核酸をT細胞クローンから単離し、(挿入、欠失、又は置換によって)適切な変異を作製することによって得ることができる。
前記核酸分子は、単離された形態又は組換え形態とすることができる。前記核酸分子をベクター中に取り込ませ、そのベクターを宿主細胞中に取り込ませてもよい。このようなベクター及び適切な宿主も、本発明のさらなる側面を構成する。
本発明は、TCR鎖を得る方法であって、TCR鎖の発現が引き起こされる条件下で、このような宿主細胞をインキュベートすることと、次いで、前記ポリペプチドを精製することとを備えた方法も提供する。
本発明の可溶性TCRは、封入体としてE.Coliなどの細菌中で発現させた後、インビトロでリフォールディングさせることによって得ることができる。
TCR鎖のリフォールディングは、適切なリフォールディング条件の下、インビトロで行うことができる。ある実施形態では、正しいコンフォメーションを有するTCRは、可溶化剤(例えば、尿素)を含むリフォールディング緩衝液中で可溶化されたTCR鎖をリフォールディングすることによって取得される。有利には、前記尿素は、少なくとも0.1M又は少なくとも1M又は少なくとも2.5M又は約5Mの濃度で存在し得る。使用可能な別の可溶化剤は、0.1Mと8Mの間、好ましくは、少なくとも1M又は少なくとも2.5Mの濃度のグアニジンである。リフォールディングの前に、システイン残基を完全に還元させるために、還元剤を用いることが好ましい。必要であれば、DTTやグアニジンなどの変性剤をさらに使用してもよい。リフォールディング工程の前に、異なる変性剤と還元剤を用いてもよい(例えば、尿素、β−メルカプトエタノール)。リフォールディングの間に、シスタミン/システアミン酸化還元対、DTT又はβ−メルカプトエタノール/大気の酸素、及び還元型と酸化型のシステインなどの別の酸化還元対を用いてもよい。
フォールディング効率は、他のタンパク質成分、例えば、シャペロンタンパク質をリフォールディング混合物に加えることによって増加させることもできる。リフォールディングは、ミニ−シャペロンが固定化されたカラムにタンパク質を通過させることによって、改善される(Altamirano et al. (1999). Nature Biotechnology 17:187-191 ; Altamirano, et al. (1997). Proc Natl Acad Sci USA 94(8):3576-8)。
あるいは、昆虫細胞などの真核細胞系の中に発現させることによって、本発明の可溶性TCRを取得してもよい。
TCRの精製は、多くの様々な手段によって行うことができる。他の様式のイオン交換を利用してもよいし、ゲル濾過クロマトグラフィー又はアフィニティークロマトグラフィーなどのそれ以外の様式のタンパク質精製を使用してもよい。
本発明の可溶性TCR及び多価TCR複合体は、TCRがpMHC複合体に結合するのを阻害できる物質(小さな化学的化合物など)をスクリーニングする際にも使用できる。従って、さらなる側面において、本発明は、T細胞受容体のペプチド−MHC複合体への結合を阻害する物質をスクリーニングする方法であって、物質の存在下で、本発明の可溶性T細胞受容体のペプチド−MHC複合体との結合をモニタリングすることと、このような結合を阻害する物質を選択することとを備えた方法を提供する。
このようなスクリーニング法に適した技術には、WO01/22084号に記載されている表面プラズモン共鳴に基づく方法が含まれる。このスクリーニング法の基礎を成し得る他の周知の技術は、シンチレーション近接分析(SPA)や増幅ルミネッセント近接アッセイである。
本発明のクリーニング法によって選択された物質は、薬物として使用することができ、あるいは、創薬プログラムの基礎として、医薬として投与するのにさらに適する特徴を有するように修飾し又はその他の改良を施すことができる。このような医薬は、望ましくないT細胞反応成分を有する症状を治療するために使用することができる。このような症状には、癌(例えば、腎臓、卵巣、腸、頭部及び頸部)、精巣、肺、胃、子宮頚(cervical)、膀胱、前立腺、又はメラノーマ)、自己免疫疾患、移植片の拒絶、移植片対宿主病が含まれる。
本発明の各側面の好ましい特徴は、相互に、他の側面の好ましい特徴となる。本明細書に記載されている従来技術の文献は、法が許容する最大限度まで、本明細書に組み込まれる。
実験の詳細
本発明をさらに以下の実験例で説明するが、これらの例は決して本発明を限定するものではない。
以下の添付の図面を参照されたい。
以下の実験例のすべてにおいて、別段の記載がない限り、産生された可溶性TCR鎖は、天然鎖間ジスルフィド結合を形成するシステイン残基のC末端直近で切断される。
実験例1: A6 Tax TCRα鎖及びβ鎖のプライマー設計及び突然変異誘発
TRAC01中のエキソン1のA6 Taxトレオニン48をシステインに突然変異させるために、以下のプライマーを設計した(突然変異を小文字で示す)。
5’-C ACA GAC AAA tgT GTG CTA GAC AT
5’-AT GTC TAG CAC Aca TTT GTC TGT G
TRBC101及びTRBC201の両方におけるエキソン1のA6 Taxセリン57をシステインに突然変異させるために、以下のプライマーを設計した(突然変異を小文字で示す)。
5’-C AGT GGG GTC tGC ACA GAC GC
5’-GG GTC TGT GCa GAC CCC ACT G
PCR突然変異誘発:
A6 Tax TCRα鎖又はβ鎖の各遺伝子を含む発現プラスミドを、それぞれα鎖プライマー又はβ鎖プライマーを用いて、以下のように突然変異させた。プラスミド100ngを10mM dNTP 5μL、10xPfu緩衝剤(Stratagene)25μL、Pfuポリメラーゼ(Stratagene)10単位と混合し、最終体積をHOで240μLに調節した。この混合物48μLに、最終反応体積50μL中最終濃度が0.2μMになるように希釈したプライマーを補充した。95℃30秒の初期変性ステップの後、Hybaid PCR発現PCR装置を用いて、反応混合物を15ラウンドの変性(95℃、30秒)、アニーリング(55℃、60秒)及び伸長(73℃、8分)に供した。次いで、この生成物を、DpnI制限酵素(New England Biolabs)10単位を用いて37℃で5時間消化した。消化された反応物10μLをコンピテントXL1−Blue細菌に形質転換して、37℃で18時間増殖させた。単一コロニーを選択し、TYP+アンピシリン(16g/Lバクトトリプトン、16g/L酵母抽出物、5g/LNaCl、2.5g/LKHPO、100mg/Lアンピシリン)5mL中で終夜増殖させた。QIAgenミニプレップカラムを用いて製造者の指示に従ってプラスミドDNAを精製し、オックスフォード大学生化学科の配列決定施設における自動配列決定によってその配列を確認した。α鎖の突然変異核酸配列及びアミノ酸配列のそれぞれを図2a及び3aに、β鎖の突然変異核酸配列及びアミノ酸配列のそれぞれを図2b及び3bに示す。
実験例2: 可溶性TCRの発現、リフォールディング及び精製
突然変異α鎖及びβ鎖を含む各発現プラスミドをそれぞれE.Coli菌株BL21pLysSに別個に形質転換し、単一のアンピシリン耐性コロニーをTYP(アンピシリン100μg/mL)培地中37℃でOD600が0.4になるまで増殖させてから0.5mM IPTGによってタンパク質発現を誘導した。誘導から3時間後にBeckman J-6Bを用いて4000rpmで30分間遠心分離して細胞を回収した。細胞のペレットを、50mMトリス−HCl、25%(w/v)スクロース、1mM NaEDTA、0.1%(w/v)アジ化ナトリウム、10mM DTT、pH8.0を含有する緩衝液に再懸濁した。終夜の凍結融解ステップ後、再懸濁した細胞を、Milsonix XL2020超音波処理器中で直径12mmの標準プローブを用いて1分のバーストで合計約10分間超音波処理した。封入体のペレットをBeckman J2−21遠心分離器を用いて13000rpmで30分間遠心分離して回収した。次いで、洗浄剤による洗浄を3回実施して細胞片及びメンブレン成分を除去した。毎回、トリトン緩衝液(50mMトリス−HCl、0.5%トリトンX100、200mM NaCl、10mM NaEDTA、0.1%(w/v)アジ化ナトリウム、2mM DTT、pH8.0)で封入体ペレットをホモジナイズした後に、Beckman J2−21を用いて13000rpmで15分間遠心分離してペレット化した。次いで、以下の緩衝液、すなわち、50mMトリス−HCl、1mM NaEDTA、0.1%(w/v)アジ化ナトリウム、2mM DTT、pH8.0中で同様に洗浄して、洗浄剤及び塩を除去した。最後に、封入体を30mgの一定分量に分割して、−70℃で凍結させた。6Mグアニジン−HClで可溶化し、Bradford色素結合アッセイ(PerBio)で測定することによって、封入体タンパク質収率を定量した。
可溶化した各封入体鎖約30mg(すなわち、1μモル)を凍結貯蔵物から融解し、次いで試料を混合し、その混合物をグアニジン溶液(6Mグアニジン−塩酸塩、10mM酢酸ナトリウム、10mM EDTA)15mLに希釈して、鎖が完全に変性されたことを確認した。次いで、十分に還元され変性されたTCR鎖を含有するグアニジン溶液を、1リットルの以下のリフォールディング緩衝液、すなわち、100mMトリス pH8.5、400mM L−アルギニン、2mM EDTA、5mM還元グルタチオン、0.5mM酸化グルタチオン、5M尿素、0.2mM PMSF中に注入した。この溶液を24時間静置した。次いで、リフォールディング体を2回、すなわち、最初に10リットルの100mM尿素で、次に10リットルの100mM尿素、10mMトリス pH8.0で透析した。リフォールディングと透析の両方のステップを6〜8℃で実施した。
透析したリフォールディング体をPOROS 50HQ陰イオン交換カラムに充填し、Akta精製装置(Pharmacia)を用いて50カラム体積にわたる0〜500mMのNaCl勾配で、結合したタンパク質を図4のように溶出させることによって、分解生成物及び不純物からsTCRを分離させた。ピーク画分を4℃で貯蔵し、クーマシー染色SDS−PAGE(図5)によって分析した後、プールし濃縮した。最後に、HBS−EP緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3.5mM EDTA、0.05%ノニデットp40)中で予め平衡化させたSuperdex 200HRゲルろ過カラム(図6)を用いてsTCRを精製しその特徴を調べた。約50kDaの相対分子量で溶出したピークをプールし濃縮した後、BIAcore表面プラズモン共鳴分析によってその特徴を調べた。
実験例3: 特定のpMHCに結合するsTCRのBIAcore表面プラズモン共鳴キャラクタリゼーション
表面プラズモン共鳴バイオセンサー(BIAcore 3000(商標))を用いて、ペプチド−MHCリガンドに対するsTCRの結合性を分析した。この分析は、ストレプトアビジンで被覆された結合表面に半配向して固定された(以下に記載する)単一のpMHC複合体を作製することによって容易になり、(別個のフローセル上に固定された)最高4種類の異なるpMHCに対する可溶性T細胞受容体の結合性を同時に効率的に試験することが可能になる。HLA複合体を手動で注入することによって、固定クラスI分子の正確な濃度を容易に操作できるようになる。
このような固定複合体は、可溶相にいずれも注入することができるT細胞受容体及び補助受容体CD8ααの両方に結合することができる。TCRの特異的結合は低濃度(少なくとも40μg/mL)でも得られ、このことはTCRが比較的安定であることを意味する。sTCRは、可溶相で使用しても固定相で使用しても、そのpMHC結合諸特性が定性的及び定量的に類似していることが認められている。これは、可溶性種の活性を部分的に制御するのに重要であり、ビオチン化pMHC複合体が非ビオチン化複合体と生物学的に同等の活性を有することも示唆している。
構成要素のサブユニットタンパク質及び合成ペプチドを含有し細菌によって発現される封入体から、ビオチン化クラスI HLA−A2−ペプチド複合体をインビトロでリフォールディングさせ、次いで精製し、インビトロで酵素によってビオチン化した(O’Callaghan等(1999)Anal.Biochem.266:9〜15)。HLA重鎖は、適切な構築物においてタンパク質の膜貫通領域及び細胞質領域を置換するC末端ビオチン化タグと共に発現された。約75mg/リットル細菌培養物の封入体発現レベルが得られた。HLA軽鎖又はβ2−ミクログロブリンも、E.Coliにおいて適切な構築物から約500mg/リットル細菌培養物の濃度で封入体として発現された。
E.Coli細胞を溶解し封入体を純度約80%に精製した。封入体からのタンパク質を6Mグアニジン−HCl、50mMトリス pH8.1、100mM NaCl、10mM DTT、10mM EDTA中で変性し、単一パルスの変性タンパク質を5℃未満のリフォールディング緩衝液に添加することによって、30mg/リットル重鎖、30mg/リットルβ2mの濃度で、0.4M L−アルギニン−HCl、100mMトリス pH8.1、3.7mM シスタミン、mM システアミン、4mg/mLペプチド(例えば、tax 11−19)中にリフォールディングした。リフォールディングは、4℃において、1時間以上で完結させることができた。
10倍容量の10mM トリス pH8.1中で透析して緩衝液を交換した。溶液のイオン強度を十分低下させるには2回緩衝液を変える必要があった。次いで、タンパク質溶液を、1.5μm酢酸セルロースフィルターを通してろ過し、POROS 50HQ陰イオン交換カラムに充填した(総容積8mL)。タンパク質を線状0〜500mM NaCl勾配で溶出させた。HLA−A2−ペプチド複合体は約250mM NaClで溶出し、ピーク画分を収集し、プロテアーゼ阻害剤のカクテル(Calbiochem)を添加し、その画分を氷上で冷却した。
ビオチン化タグ付きHLA複合体の緩衝液を、同じ緩衝液で平衡化させたPharmaciaの急速脱塩カラムを用いて、10mMトリス pH8.1、5mM NaClと交換した。タンパク質含有画分を、溶出後速やかに氷冷し、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Calbiochem)を添加した。次いで、ビオチン化試薬を添加した:1mMビオチン、5mM ATP(pH8に緩衝)、7.5mM MgCl2、及び5μg/mL BirA酵素(O’Callaghan等(1999)Anal.Biochem.266:9〜15に従って精製した)。次いで、この混合物を室温で終夜インキュベートした。
ゲルろ過クロマトグラフィを用いてビオチン化HLA複合体を精製した。ろ過したPBSを用いてPharmacia Superdex 75 HR 10/30カラムを予め平衡化し、1mLのビオチン化反応混合物を充填し、PBSを用いて0.5mL/minで展開した。ビオチン化HLA複合体は、約15mLで単一ピークとして溶出した。タンパク質を含有する画分をプールし、氷冷し、プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した。クーマシー結合アッセイ(PerBio)によってタンパク質濃度を決定し、一定量のビオチン化HLA複合体を−20℃で凍結保存した。ストレプトアビジンを標準アミンカップリング法によって固定した。
新規鎖間結合を含むA6 Tax sTCRと、そのリガンド/MHC複合体又はその生成について上述した無関係なHLA−ペプチド化合物との相互作用を、BIAcore 3000(商標)表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサーを用いて分析した。受容体リガンド相互作用を検出し、それらの親和性及び動力学パラメータを解析するのに用いることができる原理である、小さなフローセル内のセンサー表面近くの応答単位(RU)で表される屈折率変化が、SPRによって測定される。β2m上に架橋結合されたビオチンと、フローセルの活性化された表面に化学的に架橋結合されたストレプトアビジンとを結合させて、個々のHLA−ペプチド複合体を別個のフローセル中に固定することによって、プローブフローセルを調製した。次いで、異なるフローセルの表面を一定流量でsTCRを通過させ、そのSPR応答を測定することによってアッセイを実施した。まず、2つの異なる表面、すなわち、約5000RUの特異的ペプチド−HLA複合体で被覆された表面と約5000RUの非特異的ペプチド−HLA複合体で被覆されたもう1つの表面にわたって5μL/minの一定流量でsTCRを通過させることによって相互作用の特異性を確認した(図7挿入グラフ)。可溶性sTCRを、一定流量かつ様々な濃度でペプチド−HLA複合体に注入してバックグラウンド共鳴を確定した。図7に示すように、これらの対照測定の値を特異的ペプチド−HLA複合体によって得られる値から差し引き、その値を用いて解離定数Kdとして表される結合親和性を計算した(Price&Dwek、Principles and Problems in Physical Chemistry for Biochemists(2nd Edition)1979、Clarendon Press、Oxford)。
得られたKd値(1.8μM)は、新規ジスルフィド結合のないA6 Tax sTCRとpMHCの相互作用に対する報告値(0.91μM-Ding等、1999、Inmmunity 11:45〜56)に近い。
実験例4: 新規ジスルフィド結合を含む可溶性JM22 TCRの生成
実験例1において調製した可溶性A6 TCRのβ鎖は、連結部位として使用するのに適したBglII制限酵素切断部位(AAGCTT)を天然配列中に含む。
PCR突然変異誘発を以下のように実施してBamH1制限酵素切断部位(GGATCC)を可溶性A6 TCRのα鎖、新規システインコドンの5’に導入した。図2aに記載した配列をこの突然変異誘発用テンプレートとして用いた。以下のプライマーを使用した。
Figure 2005514006
プラスミド100ngを10mM dNTP5μL、10xPfu緩衝液(Stratagene)25μL、Pfuポリメラーゼ(Stratagene)10単位と混合し、HOを用いて最終体積を240μLに調整した。この混合物48μLに、最終反応体積50μL中最終濃度が0.2μMになるように希釈したプライマーを補充した。95℃30秒の初期変性ステップの後、Hybaid PCR発現PCR装置を用いて、反応混合物を15ラウンドの変性(95℃、30秒)、アニーリング(55℃、60秒)及び伸長(73℃、8分)に供した。次いで、この生成物を、DpnI制限酵素(New England Biolabs)10単位を用いて37℃で5時間消化した。消化された反応物10μLをコンピテントXL1−Blue細菌に形質転換して、37℃で18時間増殖させた。単一コロニーを選択し、TYP+アンピシリン(16g/Lバクトトリプトン、16g/L酵母抽出物、5g/LNaCl、2.5g/LKHPO、100mg/Lアンピシリン)5mL中で終夜増殖させた。QIAgenミニプレップカラムを用いて製造者の指示に従ってプラスミドDNAを精製し、オックスフォード大学生化学科の配列決定施設における自動配列決定によってその配列を確認した。α鎖に導入された突然変異は「サイレント」であり、したがってこの鎖のアミノ酸配列は、図3Aに詳述されたものと同じである。突然変異α鎖のDNA配列を図8Aに示す。
新規ジスルフィド結合が組み込まれた可溶性JM22 TCRを生成させるために、α鎖BamH1及びβ鎖BglII制限酵素切断部位を含むA6 TCRプラスミドをテンプレートとして使用した。以下のプライマーを使用した。
Figure 2005514006
JM22 TCRα鎖及びβ鎖構築物を以下のようにPCRクローニングによって得た。上述のプライマー及びJM22 TCR鎖を含むテンプレートを用いてPCR反応を実施した。PCR産物を該当する制限酵素で消化し、pGMT7にクローン化して発現プラスミドを得た。プラスミド挿入断片の配列を、自動DNA配列決定によって確認した。図8b及び8cに、JM22 TCRの突然変異α鎖及びβ鎖それぞれのDNA配列を示す。図9a及び9bに、得られたアミノ酸配列を示す。
実験例1及び2に記載したように、それぞれのTCR鎖が発現され、共にリフォールディングされ、精製された。図10に、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムから溶出した可溶性ジスルフィド連結JM22 TCRタンパク質の溶出を示す。図11に、図10に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)の両方のゲルの結果を示す。ピーク1が鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーを含むことは明らかである。図12に、図10のピーク1からプールされた画分のサイズ排除カラムからのタンパク質溶出を示す。
pMHCに対するJM22 TCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。図13aに、HLA−Flu複合体に対するジスルフィド連結JM22可溶性TCRの特異的結合のBIAcore分析結果を示す。図13bに、ジスルフィド連結JM22可溶性TCRの単回投与の対照と比較した結合応答を示す。HLA−FLU複合体に対するこのジスルフィド連結TCRのKdは7.9±0.51μMと決定された。
実験例5: 新規ジスルフィド結合を含む可溶性NY-ESO TCRの生成
NY-ESO TCRをコードするcDNAを、Enzo Cerundolo(Institute of MolecuLar Medicine、University of Oxford)によって提供されたT細胞から既知の技術に従って単離した。NY-ESO TCRをコードするcDNAを、mRNAを逆転写酵素で処理することによって生成させた。
新規ジスルフィド結合が組み込まれた可溶性NY-ESO TCRを生成させるために、α鎖BamHI及びβ鎖BglII制限酵素切断部位を含むA6 TCRプラスミドを実験例4に記載したようにテンプレートとして使用した。以下のプライマーを使用した。
Figure 2005514006
NY-ESO TCRα鎖及びβ鎖構築物を以下のようにPCRクローニングによって得た。上述のプライマー及びNY-ESO TCR鎖を含むテンプレートを用いてPCR反応を実施した。PCR産物を該当する制限酵素で消化し、pGMT7にクローン化して発現プラスミドを得た。プラスミド挿入断片の配列を、自動DNA配列決定によって確認した。図14a及び14bに、NY-ESO TCRの突然変異α鎖及びβ鎖それぞれのDNA配列を示す。図15a及び15bに、得られたアミノ酸配列を示す。
プロトコルにおける以下の変更点を除いて実験例1及び2に記載したように、それぞれのTCR鎖が発現され、共にリフォールディングされ、精製された。
可溶性TCRの変性;可溶化されたTCRβ鎖封入体30mg及び可溶化されたTCRα鎖封入体60mgを凍結貯蔵物から融解した。封入体を6Mグアニジン溶液中5mg/mLの最終濃度に希釈し、DTT(2M貯蔵物)を添加して最終濃度10mMにした。この混合物を37℃で30分間インキュベートした。
可溶性TCRのリフォールディング:リフォールディング緩衝液1Lを5℃±3℃で激しく撹拌した。酸化還元対(2−メルカプトエチルアミン及びシスタミン(それぞれ最終濃度6.6mM及び3.7mM))を添加し、その約5分後に変性TCR鎖を添加した。次いで、このタンパク質を、5℃±3℃で約5時間±15分撹拌しながらリフォールディングさせた。
リフォールディングされた可溶性TCRの透析:リフォールディングされたTCRを、Spectrapor 1メンブレン(Spectrum;製品番号132670)を用いて、10Lの10mMトリス pH8.1に対して5℃±3℃で18〜20時間透析した。この時間が経過した後、透析緩衝液を新しい10mMトリス pH8.1(10L)に変え、5℃±3℃でさらに20〜22時間透析を続けた。
図16に、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムから溶出した可溶性NY−ESOジスルフィド連結TCRタンパク質の溶出を示す。図17に、図16に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)の両方のゲルの結果を示す。ピーク1及び2が鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーを含むことは明らかである。図18に、図17のピーク1(A)及びピーク2(B)からプールされた画分のサイズ排除クロマトグラフィを示す。タンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。
pMHCに対するジスルフィド連結NY-ESO TCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。図19に、HLA−NYESO複合体に対するジスルフィド連結NY−ESO可溶性TCRの特異的結合のBIAcore分析結果を示す。A.ピーク1、B.ピーク2。
HLA-NY-ESO複合体に対するこのジスルフィド連結TCRのKdは、9.4±0.84μMと決定された。
実験例6: 新規ジスルフィド鎖間結合、及び天然ジスルフィド鎖間結合を形成するのに必要な2つのシステインのうち少なくとも1つを含む可溶性NY-ESO TCRの生成
新規ジスルフィド結合、及び天然ジスルフィド鎖間結合に関与するシステイン残基の少なくとも1つが組み込まれた可溶性NY-ESO TCRを生成させるために、実験例4に記載したように、α鎖BamHI及びβ鎖BglII制限酵素切断部位を含むプラスミドをフレームワークとして使用した。以下のプライマーを使用した。
Figure 2005514006
NY-ESO TCRα鎖及びβ鎖構築物を以下のようにPCRクローニングによって得た。上述のプライマー及びNY-ESO TCR鎖を含むテンプレートを用いてPCR反応を実施した。PCR産物を該当する制限酵素で消化し、pGMT7にクローン化して発現プラスミドを得た。プラスミド挿入断片の配列を、自動DNA配列決定によって確認した。図20a及び20bに、NY-ESO TCRの突然変異α鎖及びβ鎖それぞれのDNA配列を示す。図21a及び21bに、得られたアミノ酸配列を示す。
非天然ジスルフィド鎖間結合及び天然ジスルフィド鎖間結合の両方を含む可溶性NY-ESO TCRを生成させるために、上記プライマーの両方を用いて単離されたDNAを使用した。非天然ジスルフィド鎖間結合、及び天然ジスルフィド鎖間結合に関与するシステイン残基の1つのみを含む可溶性NY-ESO TCRを生成させるために、上記プライマーの1つと実験例5からの適切なプライマーとを用いて単離されたDNAを使用した。
実験例5に記載したように、それぞれのTCR鎖が発現され、共にリフォールディングされ、精製された。
図22〜24に、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQ陰イオン交換カラムから溶出した可溶性NY-ESO TCRαcysβcys(すなわち、両方の鎖の非天然及び天然システインを含む)、TCRαcys(両方の鎖の非天然システインを含むがα鎖のみの天然システインしか含まない)、及びTCRβcys(両方の鎖の非天然システインを含むがβ鎖のみの天然システインしか含まない)タンパク質の溶出を示す。図25及び26に、図22〜24に示したNY-ESO TCRαcysβcys、TCRαcys及びTCRβcysカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)ゲル及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)ゲルそれぞれの結果を示す。これらは、鎖間ジスルフィドによって連結されたTCRヘテロダイマーが形成されたことを明瞭に示している。図27〜29に、それぞれ図22〜24に示したNY-ESO TCRαcysβcys、TCRαcys及びTCRβcys陰イオン交換カラム分析からプールされた画分のゲルろ過クロマトグラフィのタンパク質溶出プロファイルを示す。タンパク質は、TCRヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。
pMHCに対するsTCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。図30〜32に、HLA−NYESO複合体に対するNY-ESO TCRαcysβcys、TCRαcys及びTCRβcysそれぞれの特異的結合のBIAcore分析結果を示す。
TCRαcysβcysのKdは18.08±2.075μMであり、TCRαcysのKdは19.24±2.01μMであり、TCRβcysのKdは22.5±4.0692μMであった。
実験例7: 新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性AH−1.23 TCRの生成
AH−1.23 TCRをコードするcDNAを、Hill Gaston(Medical School、Addenbrooke’s Hospital、Cambridge)によって提供されたT細胞から既知の技術に従って単離した。NY-ESO TCRをコードするcDNAを、mRNAを逆転写酵素で処理することによって生成させた。
新規ジスルフィド結合が組み込まれた可溶性AH−1.23 TCRを生成させるために、α鎖BamHI及びβ鎖BglII各制限酵素切断部位を含む各TCRプラスミドを実験例4に記載したようにフレームワークとして使用した。以下のプライマーを使用した。
Figure 2005514006
AH−1.23 TCRα鎖及びβ鎖構築物を以下のようにPCRクローニングによって得た。上述のプライマー及びAH−1.23 TCR鎖を含むテンプレートを用いてPCR反応を実施した。PCR産物を該当する制限酵素で消化し、pGMT7にクローン化して発現プラスミドを得た。プラスミド挿入断片の配列を、自動DNA配列決定によって確認した。図33a及び33bに、AH−1.23 TCRの突然変異α鎖及びβ鎖それぞれのDNA配列を示す。図34a及び34bに、得られたアミノ酸配列を示す。
実験例5に記載したように、それぞれのTCR鎖が発現され、共にリフォールディングされ、精製された。
図35に、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQ陰イオン交換カラムから溶出した可溶性AH−1.23ジスルフィド連結TCRタンパク質の溶出を示す。図36及び37に、図35に示したカラム分析画分のそれぞれ還元SDS−PAGE(クーマシー染色)ゲル及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)ゲルの結果を示す。これらのゲルは、鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーの存在を明示している。図38は、図35に示した陰イオン交換カラム分析からプールされた画分のSuperdex 75 HRゲルろ過カラムの溶出プロファイルである。タンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。
実験例8: 定常ドメインの免疫グロブリン領域内の別の位置における新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの生成
TRAC01のエキソン1のトレオニン48とTRBC101/TRBC201両方のエキソン1のセリン57との間以外の位置にあるTCR免疫グロブリン領域において、新規ジスルフィド結合を含む機能的可溶性TCRを形成できるかどうかを検討するために以下の実験を実施した。
A6 TCRα鎖を突然変異させるために、以下のプライマーを設計した(プライマー名称内の番号はTRAC01のエキソン1中で突然変異するアミノ酸残基の位置を示し、突然変異した残基を小文字で示す)。
T48→C 突然変異
5’-CACAGACAAAtgTGTGCTAGACAT-3’
5’-ATGTCTAGCACAcaTTTGTCTGTG-3’
Y10→C 突然変異
5’-CCCTGCCGTGTgCCAGCTGAGAG-3”
5’-CTCTCAGCTGGcACACGGCAGGG-3’
L12→C 突然変異
5’-CCGTGTACCAGtgcAGAGACTCTAAATC-3’
5’-GATTTAGAGTCTCTgcaCTGGTACACGG-3’
S15→C 突然変異
5’-CAGCTGAGAGACTgTAAATCCAGTGAC-3’
5’-GTCACTGGATTTAcAGTCTCTCAGCTG-3’
V22→C 突然変異
5’-CAGTGACAAGTCTtgCTGCCTATTCAC-3’
5’-GTGAATAGGCAGcaAGACTTGTCACTG-3’
Y43→C 突然変異
5’-GATTCTGATGTGTgTATCACAGACAAAT-3’
5’-ATTTGTCTGTGATAcACACATCAGAATC-3’
T45→C 突然変異
5’-CTGATGTGTATATCtgtGACAAAACTGTGC-3’
5’-GCACAGTTTTGTCacaGATATACACATCAG-3’
L50→C 突然変異
5’-AGACAAAACTGTGtgtGACATGAGGTCT-3’
5’-AGACCTCATGTCacaCACAGTTTTGTCT-3’
M52→C 突然変異
5’-ACTGTGCTAGACtgtAGGTCTATGGAC-3’
5’-GTCCATAGACCTacaGTCTAGCACAGT-3’
S61→C 突然変異
5’-CTTCAAGAGCAACtGTGCTGTGGCC-3’
5’-GGCCACAGCACaGTTGCTCTTGAÅG-3’
TCR A6β鎖を突然変異させるために、以下のプライマーを設計した(プライマー名称内の番号はTRBC201のエキソン1中で突然変異するアミノ酸残基の位置を示し、突然変異した残基を小文字で示す)。
S57→C 突然変異
5’-CAGTGGGGTCtGCACAGACCC-3’
5’-GGGTCTGTGCaGACCCCACTG-3’
V13→C 突然変異
5’-CCGAGGTCGCTtgtTTTGAGCCATCAG-3’
5’-CTGATGGCTCAAAacaAGCGACCTCGG-3’
F14→C 突然変異
5’-GGTCGCTGTGtgtGAGCCATCAGA-3’
5’-TCTGATGGCTCacaCACAGCGACC-3’
S17→C 突然変異
5’-GTGTTTGAGCCATgtGAAGCAGAGATC-3’
5’-GATCTCTGCTTCacATGGCTCAAACAC-3’
G55→C 突然変異
5’-GAGGTGCACAGTtGtGTCAGCACAGAC-3’
5’-GTCTGTGCTGACaCaACTGTGCACCTC-3’
D59→C 突然変異
5’-GGGTCAGCACAtgCCCGCAGCCC-3’
5’-GGGCTGCGGGcaTGTGCTGACCC-3’
L63→C 突然変異
5’-CCCGCAGCCCtgCAAGGAGCAGC-3’
5’-GCTGCTCCTTGCaGGGCTGCGGG-3’
S77→C 突然変異
5’-AGATACGCTCTGtGCAGCCGCCT-3’
5’-AGGCGGCTGCaCAGAGCGTATCT-3’
R79→C 突然変異
5’-CTCTGAGCAGCtGCCTGAGGGTC-3’
5’-GACCCTCAGGCaGCTGCTCAGAG-3’
E15→C 突然変異
5’-GCTGTGTTTtgtCCATCAGAA-3’
5’-TTCTGATGGacaAAACACAGC-3’
以下のアミノ酸対間に新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性TCRを生成させるために、PCR突然変異誘発、α及びβTCR構築物増幅、ライゲーション及びプラスミド精製を、上記プライマーの適切な組み合わせを用いて、実験例1に記載したように実施した。
Figure 2005514006
図39〜58に、上記プライマーによって増幅された突然変異A6 TCR鎖のDNA配列及びアミノ酸配列を示す。突然変異システインをコードするコドンを強調して示す。
実験例5に記載したように、それぞれのTCR鎖が発現され、共にリフォールディングされ、精製された。POROS 50HQ陰イオン交換カラムで精製した後、正確にリフォールディングされた可溶性TCRが形成されたかどうかを評価するために、得られたタンパク質をSDS−Pageゲルにかけた。精製材料における正確な分子量のジスルフィド連結タンパク質の有無を確認するためにこれらのゲルも評価した。以下の新規ジスルフィド鎖間結合を含む研究対象のTCRは、この細菌発現システムでは正確な分子量のジスルフィド連結タンパク質が生成せず、これらをさらに評価することはしなかった。しかし、別の原核生物又は真核生物発現システムが利用可能である。
Figure 2005514006
図59〜64に、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 200HQ陰イオン交換カラムからの以下の残基間、すなわち、Thr 48−Ser 57、Thr 45−Ser 77、Tyr 10−SER 17、Thr 45−Asp 59、Met 52−Gly 55及びSer 15−Glu 15間それぞれの新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性TCRの溶出を示す。図65〜70に、図59〜64に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)ゲル及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)ゲルそれぞれの結果を示す。これらのゲルは、鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーの存在を明示している。
図71〜76は、図59〜64に示した陰イオン交換カラム分析からプールされた画分のSuperdex 200 HRゲルろ過カラムからの溶出プロファイルである。
pMHCに対するTCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。図77〜82は、HLA−A2 tax pMHC複合体に対する精製可溶性TCRの結合能力を示すBIAcoreトレースである。
Thr 48−Ser 57のKdは7.8μMであり、Thr 45−Ser 77のKdは12.7μMであり、Tyr 10−Ser 17のKdは34μMであり、Thr 45−Asp 59のKdは14.9μMであり、Ser 15−Glu 15のKdは6.3μMであった。Met 52−Gly 55は、その天然の「標的」であるHLA−A2 tax複合体に結合可能であるが、「無関係な」標的であるHLA−A2−NY−ESO複合体にも同様に結合した(図81参照)。
実験例9: NY−ESO−HLA−A2複合体に特異的なジスルフィド連結NY−ESO T細胞受容体のX線結晶学
NY−ESO dsTCRを実験例5に記載したようにクローン化し以下のように発現させた。
突然変異α鎖及びβ鎖を含む各発現プラスミドをそれぞれE.Coli菌株BL21pLysSに別個に形質転換し、単一のアンピシリン耐性コロニーをTYP(アンピシリン100μg/mL)培地中37℃でOD600が0.7になるまで増殖させてから0.5mM IPTGによってタンパク質発現を誘導した。誘導後18時間してBeckman J−6Bを用いて4000rpmで30分間遠心分離して細胞を回収した。細胞のペレットを、10mMトリス−HCl pH8.1、10mM MgCl、150mM NaCl、2mM DTT、10%グリセリンを含有する溶解緩衝液に再懸濁した。細菌培養物1Lごとに、リゾチーム(20mg/mL)100μL及びDnaseI(20μg/mL)100μLを添加した。細菌懸濁液を、氷上で30分間インキュベーションした後、直径12mmの標準プローブの付いたMilsonix XL2020超音波処理器を用いて1分のバーストで合計10分間超音波処理した。Beckman J2−21遠心分離器(4℃)を用いて13000rpmで30分間遠心分離して封入体のペレットを回収した。次いで、トリトン洗浄緩衝液(50mMトリス−HCl、pH8.1、0.5%トリトンX100、100mM NaCl、10mM NaEDTA、0.1%(w/v)、2mM DTT)による洗浄を3回実施して、細胞片及びメンブレン成分を除去した。毎回、封入体ペレットをトリトン洗浄緩衝液にホモジナイズした後、Beckman J2−21を用いて13000rpmで15分間遠心分離してペレット化した。次いで、再懸濁緩衝液(50mMトリス−HCl pH8.1、100mM NaCl、10mM NaEDTA、0.1%(w/v)アジ化ナトリウム、2mM DTT)中で同様に洗浄して、洗浄剤及び塩を除去した。最後に、封入体を、6Mグアニジン緩衝液(6Mグアニジン−塩酸塩、50mMトリス pH8.1、100mM NaCl、10mM EDTA、10mM DTT)に可溶化し、120mgの一定分量に分割し、−70℃で凍結させた。6Mグアニジン−HClで可溶化しBradford色素結合アッセイ(PerBio)で測定することによって封入体を定量した。
凍結可溶化されたアルファ鎖約60mg(すなわち、2.4μモル)を凍結可溶化されたベータ鎖30mg(すなわち、1.2μモル)と混合した。このTCR混合物を6Mグアニジン緩衝液で最終体積18mLに希釈し、37℃に30分間加熱して鎖変性を確実に終了させた。次いで、完全に還元され変性されたTCR鎖を含有するグアニジン溶液を冷リフォールディング緩衝液(100mMトリス pH8.1、400mM L−アルギニン−HCl、2mM EDTA、6.6mM 2−メルカプトエチルアミン、3.7mMシスタミン、5M尿素)1リットルに撹拌しながら混合した。この溶液を5時間低温室(5℃±3℃)に静置してリフォールディングさせた。次いで、リフォールディング体を水12リットルで18〜20時間透析し、その後12リットルの10mMトリス pH8.1で18〜20時間(5℃±3℃)透析した。分子量カットオフが6〜8000kDaであるSpectrapor 1(Spectrum Laboratories 製品番号132670)透析メンブレンをこの透析プロセスに使用した。透析したタンパク質を、Nalgeneろ過ユニットに装着した細孔サイズ0.45μmのフィルター(Schleicher and Schuell、参照番号10 404012)を通してろ過した。
透析したリフォールディング体をPOROS 50HQ(Applied Bio Systems)陰イオン交換カラムに充填しAKTA精製装置(Amersham Biotech)を用いて、リフォールディングされたNY-ESO TCRを分解生成物及び不純物から分離させた。POROS 50 HQカラムを10カラム体積の緩衝液A(10mMトリス pH8.1)で予め平衡化した後、それにタンパク質を充填した。7カラム体積にわたる0〜500mMのNaCl勾配によって、結合したタンパク質を溶出させた。還元及び非還元試料緩衝液を用いた変性SDS−PAGEでピーク画分(1mL)を分析した。25mM MES pH6.5で予め平衡化したSuperdex 75HRゲルろ過カラムを用いて、アルファ−ベータヘテロダイマー複合体を含有するピーク画分をさらに精製した。相対分子量約50kDaで溶出したタンパク質ピークをプールし、Ultrafree遠心濃縮装置(Millipore、部品番号UFV2BGC40)で42mg/mLに濃縮し、−80℃で保存した。
当量の結晶化緩衝液と混合した、5mM Mes pH6.5に希釈したタンパク質溶液(8.4mg/mL)1μLを用いて、ハンギングドロップ法によって18℃でNY-ESO TCRの結晶化を実施した。Crystal Screen緩衝液(Hampton Research)を用いたいくつかの異なる条件下で結晶が出現した。単一の立方晶(<100μm)が30%PEG4000、0.1Mクエン酸ナトリウム pH5.6、0.2M酢酸アンモニウム緩衝液中で成長し、構造決定に使用された。
NY-ESO TCRの結晶を急速冷凍し、DaresburyシンクロトロンのX線回折試験に供した。この結晶は0.25nm(2.5Å)の分解能で回折した。1組のデータを収集し処理して、約0.27nm(2.7Å)が妥当であるが0.25nm(2.5Å)まで使用可能である98.6%完全な振幅セットが得られた。組み合わせR因子(merging R-factor)、すなわち結晶学的に等価な反射を複数回測定した一致度は、すべてのデータに対して10.8%であった。これは、最高分解能シェルでは限界である。空間群は、細胞サイズA=4.25nm(42.5Å)、b=5.95nm(59.5Å)、c=8.17nm(81.7Å)、β=91.5°のP2であった。細胞サイズ及び対称性から、細胞中には2つのコピーが存在することが示された。検討を要する非対称単位au又は最小体積は一方の分子のみであり、細胞中の他方の分子は2対称操作によって作製される。auにおける分子の位置決めはy方向で任意である。x−z面内で正確な位置にある限り、y方向に自由に移動させることができる。これは、この「極性」空間群ではフリーパラメータと呼ばれる。
PDBデータベースには、A/BヘテロダイマーTCRを含有するエントリーは、1BD2の1つしかない。このエントリーは、TCRを含む複合体におけるHLA同族ペプチド(cognate peptide)の座標も有する。TCR鎖BはNY−ESOで同じであったが、鎖AはCドメインで僅かな差がありNドメインでかなりの差があった。1BD2 A/Bモデルを分子置換MRに使用すると、対称等価な分子との広範な重複によって示されるように、不正確な解が得られた。B鎖のみを使用すると、近隣分子とさほど衝突しないより良い解が得られた。相関係数は49%であり、結晶学的R因子は50%であり、最短近接(重心〜重心)は0.49nm(49Å)であった。鎖Bの出発モデルをMR等価物に変換するために必要な回転及び並進操作を鎖Aに適用した。このようにして生成されたハイブリッドMR解は、細胞内にうまく充填され、衝突は最小に抑えられた。
電子密度地図はこのモデルとほぼ一致し、NY-ESO TCRの配列に合致するように調節された。しかし、出発モデルには多数の相違があり、特に、このモデルの不規則に配列した部分に特徴的である側鎖の欠損があった。鎖間のヘアピンループの多くは極めて低い密度を有し、モデル化が困難であった。このモデルの結晶学的R因子は30%である。R因子は、残差、すなわち、振幅の計算値と測定値の差である。
図83a及び83bに示すように、1BD2からの入力配列は、密度とあまり一致しない。モデルの鎖Aの164位及び鎖Bの174位をCysに変更し、その後さらに改良すると、この配列指定が密度と極めて良く適合することが明らかになった。しかし、側鎖のサイズの差は極めてわずかで、このモデルに乱れはほとんどなかった。この領域の電子密度はほとんど変化しなかった。
この研究の最も重要な側面は、新しいTCRが、発表されたモデル(1BD2)に構造的に極めて類似していることである。この比較には、TCRのすべて、定常ドメイン、又は突然変異点近くの小部分を含めることができる。
r.m.s偏差値を下表に列記する。構造の比較を図84に示す。
Figure 2005514006
ショートストレッチとは、目下ジスルフィド架橋によって連結されている鎖Aからの一本鎖(A157〜A169)及び鎖Bからの一本鎖(B170〜B183)を指す。主鎖の原子に対してのみ偏差を計算した。
これらの結果から、ジスルフィド結合を導入しても、その周囲のTCRの局所構造がほとんど影響を受けないことがわかる。A6 TCRの発表された構造(1BD2)とTCRを比較すると、いくつかのより大きな効果が認められるが、RMS変移の増加はループコンホメーションの違いによるところが大きい(図84参照)。これらのループは、特徴的なIgフォールド(Ig fold)を形成する一連のβシートによって形成されるTCRのコア構造の一部を形成しない。α鎖全体に対するRMS偏差は、A6 TCR(1BD2)とNY-ESO TCRとの可変ドメイン配列の違いのために特に大きい。しかし、A6 TCR及びNY-ESO TCRは同じ可変βドメインを有し、β鎖全体のRMS偏差から、新しいジスルフィド結合を含むTCRにおいてもこの可変ドメインの構造が維持されることがわかる。したがって、これらのデータは、新しいジスルフィド結合を含むTCRの結晶構造においても、TCRのコア構造が維持されることを示している。
実験例10: 新規ジスルフィド鎖間結合及びC末端β鎖タギング部位を含む可溶性NY-ESO TCRの生成
新規ジスルフィド結合が組み込まれた可溶性NY-ESO TCRを生成させるために、実験例4に記載したように、α鎖BamHI及びβ鎖BglII制限酵素切断部位を含むA6 TCRプラスミドをフレームワークとして使用した。
NY-ESO TCRβ鎖構築物を、以下のようにPCRクローニングによって得た。以下に示すプライマー、及びNY-ESO TCR鎖を含むテンプレートを用いてPCR反応を実施した。
Figure 2005514006
PCR産物を該当する制限酵素で消化し、ビオチン認識配列を含むpGMT7にクローン化して発現プラスミドを得た。プラスミド挿入断片の配列を、自動DNA配列決定によって確認した。図85aに、ビオチン認識部位が組み込まれたNY-ESO TCRのβ鎖のDNA配列を示す。図85bに得られたアミノ酸配列を示す。
α鎖構築物を実験例5に記載したように生成させた。実験例5に記載したように、それぞれのTCR鎖が発現され、共にリフォールディングされ、精製された。
非天然ジスルフィド鎖間結合とβ鎖C末端のヘキサ−ヒスチジンタグとを含む可溶性NY-ESO TCRを生成させるために、同じプライマー及びNY−ESOテンプレートを上述のように使用した。PCR産物を該当する制限酵素で消化し、ヘキサ−ヒスチジン配列を含むpGMT7にクローン化して発現プラスミドを得た。図86aに、ヘキサ−ヒスチジンタグが組み込まれたNY-ESO TCRのβ鎖のDNA配列を示す。図86bに得られたアミノ酸配列を示す。
図87に、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQ陰イオン交換カラムからの、新規ジスルフィド結合及びビオチン認識配列を含む可溶性NY-ESO TCRの溶出を示す。図88に、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQ陰イオン交換カラムからの、新規ジスルフィド結合及びヘキサ−ヒスチジンタグを含む可溶性NY-ESO TCRの溶出を示す。
図89及び90は、図87及び88によって示されたそれぞれNY−ESO−ビオチン及びNY−ESO−ヘキサ−ヒスチジンタグ付き陰イオン交換カラム分析からプールされた画分のゲルろ過クロマトグラフィからのタンパク質溶出プロファイルである。タンパク質は、TCRヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。
pMHCに対するsTCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。NY−ESO−ビオチンTCRのKdは7.5μMであった。NY−ESO−ヘキサ−ヒスチジンタグ付きTCRのKdは9.6μMであった。
実験例11: 新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性NY-ESO TCRの蛍光標識四量体を用いた細胞染色
TCR四量体の調製
実験例10のように調製した、新規ジスルフィド結合及びビオチン認識配列を含むNY−ESO可溶性TCRを利用して、細胞染色に必要な可溶性TCR四量体を形成させた。精製可溶性TCR溶液(約0.2mg/mL)2.5mLの緩衝液を、PD−10カラム(Pharmacia)を用いてビオチン化反応緩衝液(50mMトリス pH8.0、10mM MgCl)に置換した。分子量カットオフが10kDaであるcentricon濃縮装置(Amicon)を用いて溶出液(3.5mL)を1mLに濃縮した。これに、貯蔵物(pH7.0に調整された0.1g/mL)からATPを添加して10mMにした。次いで、多量のプロテアーゼ阻害剤のカクテル(プロテアーゼ阻害剤カクテルSet 1、Calbiochem Biochemicals)を、供給された貯蔵溶液の1/100の最終プロテアーゼカクテル濃度にするのに十分な量添加し、その後(0.2M貯蔵物から添加された)1mM ビオチン及び(0.5mg/mLの貯蔵物からの)20μg/mL 酵素を添加した。次いで、この混合物を終夜室温でインキュベートした。S75 HRカラムのサイズ排除クロマトグラフィによって、この溶液から過剰のビオチンを除去した。NY-ESO TCRのビオチン化レベルを、以下のように、サイズ排除HPLCベースの方法によって決定した。50uL一定量のビオチン化NY-ESO TCR(2mg/mL)を、ストレプトアビジンで被覆したアガロースビーズ(Sigma)50uLと共に1時間インキュベートした。次いで、このビーズを遠心沈殿させ、未結合試料50μLを、TSK 2000 SWカラム(Tosoohaas)に流量0.5mL/min(200mMリン酸緩衝液 pH7.0)で30分間かけた。ビオチン化NY-ESO TCRの存在を、UV分光計によって214nm及び280nmで検出した。ビオチン化NY−ESOを非ビオチン化NY-ESO TCR対照と対比して測定した。非ビオチン化タンパク質のピーク面積からビオチン化タンパク質のピーク面積を減算してビオチン化の割合を計算した。
ビオチン化可溶性TCRの四量体化を、neutravidin−フィコエリトリン複合体(Cambridge Biosciences、UK)を用いて行った。ビオチン化可溶性TCRの濃度をクーマシータンパク質アッセイ(Pierce)によって測定し、可溶性TCR 0.8mg/mg neutravidin−フィコエリトリン複合体の比を、ビオチン化TCRによるneutravidin−PEの飽和を1:4の比で達成するように計算した。リン酸緩衝食塩水(PBS)で希釈した6.15mg/mLビオチン化NY−ESO可溶性TCR溶液19.5μLを、氷上の1mg/mL可溶性neutravidin-PE 150μLに静かに撹拌しながら徐々に添加した。次いで、PBS 100.5μLをこの溶液に添加して最終NY-ESO TCR四量体濃度を1mg/mLにした。
染色手順
PBS 0.5mLで希釈した0.3×10HLA−A2陽性EBV形質転換B細胞系(PP LCL)の4つのアリコートを、HLA−A2 NYESOペプチド(SLLMWITQC)の濃度を変えて(0、10−4、10−5及び10−6M)37℃で2時間インキュベートした。次いで、これらのPP LCL細胞を、ハンクス緩衝食塩水溶液(HBSS)(Gibco、UK)で2回洗浄した。
4つのアリコートの各々を等分し、neutravidin−フィコエリトリンを用いて新たに四量体化したビオチン化NY−ESOジスルフィド連結TCRで染色した。5又は10μgフィコエリトリン標識dsTCR複合四量体と共に細胞を氷上で30分間インキュベートし、HBSSで洗浄した。細胞を再度洗浄し、HBSSに再懸濁させ、FACSVantageで分析した。25,000回測定し、WinMIDIソフトウエアを用いてデータを解析した。
結果
図91a〜hに、上述したように調製した試料の各々に対して得られたFACSVantageデータをヒストグラムとして示す。以下の表に、各々の試料に対して観察された陽性染色細胞の割合を列記する。
Figure 2005514006
これらのデータは、NY-ESO TCR四量体によって標識された細胞の比率が、インキュベートしたペプチド(SLLMWITQC)濃度に相関して増加することを明示している。したがって、これらのNY-ESO TCR四量体は、HLA−A2 NY−ESO複合体の発現に基づく特異的細胞標識に適した成分である。
本実験例では、蛍光性の複合化されたNY-ESO TCR四量体を使用した。しかし、適切な治療成分(therapeutic moiety)でこの標識を置換しても、同様なレベルの細胞結合が期待される。
実験例12: Cβ1定常領域が組み込まれた、新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRの生成
上記実験例はすべて、Cβ2定常領域が組み込まれた、新規ジスルフィド結合を含む可溶性TCRの生成について説明している。本実験例では、Cβ1定常領域が組み込まれた、可溶性TCRを首尾よく生成可能であることを示す。
A6 TCRβ鎖V−ドメインをCβ1にPCRステッチングするためのプライマーの設計
A6 TCRβ鎖V−ドメインのPCR構築用に以下のプライマーを設計した。
5’-GGAGATATACATATGAACGCTGGTGTCACT-3’
5’-CCTTGTTCAGGTCCTCTGTGACCGTGAG-3’
Cβ1のPCR構築用に以下のプライマーを設計した。
5’-CTCACGGTCACAGAGGACCTGAACAAGG-3’
5’-CCCAAGCTTAGTCTGCTCTACCCCAGGCCTCGGC-3’
ベータVTCR構築物及びCβ1構築物を標準PCR法によって別々に増幅した。これらを、ステッチングPCRによって連結させた。QIAgenミニプレップカラムを用いて製造者の指示に従ってプラスミドDNAを精製し、オックスフォード大学生化学科の配列決定施設における自動配列決定によってその配列を確認した。A6+Cβ1の配列を図92に示す。
その結果、A6+Cβ1鎖は、両方の鎖のCドメインにシステインが導入され、鎖間ジスルフィド結合によってA6アルファTCRと一対になった。
実験例2に記載したように、可溶性TCRが発現され、リフォールディングされた。
リフォールディングされた可溶性TCRの精製:
透析したリフォールディング体をPOROS 50HQ陰イオン交換カラムに充填し、Akta精製装置(Pharmacia)を用いて50カラム体積にわたる0〜500mMのNaCl勾配で、結合したタンパク質を図93のように溶出させることによって、分解生成物及び不純物からsTCRを分離させた。ピーク画分を4℃で貯蔵し、クーマシー染色SDS−PAGE(図94)によって分析した後、プールし濃縮した。最後に、HBS−EP緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3.5mM EDTA、0.05%ノニデットp40)中で予め平衡化させたSuperdex 200HRゲルろ過カラム(図95)を用いてsTCRを精製しその特徴を調べた。約50kDaの相対分子量で溶出したピークをプールし濃縮した後、BIAcore表面プラズモン共鳴分析によってその特徴を調べた。
pMHCに対するジスルフィド連結A6 TCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。図96に、その同族pMHCに対するジスルフィド連結A6可溶性TCRの特異的結合のBIAcore分析結果を示す。
Cβ1定常領域が組み込まれた、新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRは、その同族pMHCに対して2.42±0.55μMのKを有した。この値は、Cβ2定常領域が組み込まれた、新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRに対して実験例3で決定されたKの1.8μMに極めて近い。
実験例13: β鎖に「遊離の」システインが組み込まれた、新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRの生成
TCRのβ鎖定常領域には、鎖間又は鎖内ジスルフィド結合形成に関与しないシステイン残基(TRBC101及びTRBC201のエキソン1における残基75)が含まれる。上記実験例はすべて、機能性TCRの収率低下をもたらし得る「不適切な」ジスルフィド結合が形成される可能性を回避するために、この「遊離の」システインがアラニンに突然変異した、新規ジスルフィド結合を有する可溶性TCRの生成について述べている。本実験例では、この「遊離の」システインが組み込まれた可溶性TCRを生成させ得ることを示す。
TCRβ鎖のプライマー設計及び突然変異誘発
TCRβ鎖アラニン(TRBC101及びTRBC201のエキソン1の残基75)をシステインに突然変異させるために、以下のプライマーを設計した(突然変異を小文字で示す)。
5’-T GAC TCC AGA TAC tgT CTG AGC AGC CG
5’-CG GCT GCT CAG Aca GTA TCT GGA GTC A
可溶性TCRのPCR突然変異誘発、発現及びリフォールディングを、実験例2に記載したように実施した。
リフォールディングされた可溶性TCRの精製:
透析したリフォールディング体をPOROS 50HQ陰イオン交換カラムに充填し、Akta精製装置(Pharmacia)を用いて50カラム体積にわたる0〜500mMのNaCl勾配で、結合したタンパク質を図98のように溶出させることによって、分解生成物及び不純物からsTCRを分離させた。ピーク画分を4℃で貯蔵し、クーマシー染色SDS−PAGE(図99)によって分析した後、プールし濃縮した。最後に、HBS−EP緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3.5mM EDTA、0.05%ノニデットp40)中で予め平衡化させたSuperdex 200HRゲルろ過カラム(図100)を用いてsTCRを精製しその特徴を調べた。約50kDaの相対分子量で溶出したピークをプールし濃縮した後、BIAcore表面プラズモン共鳴分析によってその特徴を調べた。
pMHCに対するジスルフィド連結A6 TCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。図101に、その同族pMHCに対するジスルフィド連結A6可溶性TCRの特異的結合のBIAcore分析結果を示す。
β鎖に「遊離の」システインが組み込まれた新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRは、その同族pMHCに対して21.39±3.55μMのKを有した。
実験例14: β鎖の「遊離の」システインがセリンに突然変異した、新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRの生成
本実験例では、β鎖の「遊離の」システイン(TRBC101及びTRBC201のエキソン1の残基75)がセリンに突然変異した、新規ジスルフィド結合を含む可溶性TCRが首尾よく生成可能であることを示す。
TCRβ鎖のプライマー設計及び突然変異誘発
天然システイン(TRBC101及びTRBC201のエキソン1の残基75)を予め置換したTCRβ鎖アラニンをセリンに突然変異させるために、以下のプライマーを設計した(突然変異を小文字で示す)。
5’-T GAC TCC AGA TAC tCT CTG AGC AGC CG
5’-CG GCT GCT CAG AGa GTA TCT GGA GTC A
可溶性TCRの(図102に示す突然変異ベータ鎖をもたらす)PCR突然変異誘発、発現及びリフォールディングを、実験例2に記載したように実施した。
リフォールディングされた可溶性TCRの精製:
透析したリフォールディング体をPOROS 50HQ陰イオン交換カラムに充填し、Akta精製装置(Pharmacia)を用いて50カラム体積にわたる0〜500mMのNaCl勾配で、結合したタンパク質を図103に示すように溶出させることによって、分解生成物及び不純物からsTCRを分離させた。ピーク画分を4℃で貯蔵し、クーマシー染色SDS−PAGE(図104)によって分析した後、プールし濃縮した。最後に、HBS−EP緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3.5mM EDTA、0.05%ノニデットp40)中で予め平衡化させたSuperdex 200HRゲルろ過カラム(図105)を用いてsTCRを精製しその特徴を調べた。約50kDaの相対分子量で溶出したピークをプールし濃縮した後、BIAcore表面プラズモン共鳴分析によってその特徴を調べた。
pMHCに対するジスルフィド連結A6 TCRの結合のBIAcore分析を、実験例3に記載したように実施した。図106に、その同族pMHCに対するジスルフィド連結A6可溶性TCRの特異的結合のBIAcore分析結果を示す。
β鎖の「遊離の」システインがセリンに突然変異した、新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRは、その同族pMHCに対して2.98±0.27μMのKを有した。この値は、β鎖の「遊離の」システインがアラニンに突然変異した、新規ジスルフィド結合を含む可溶性A6 TCRに対して実験例3で決定されたKの1.8μMに極めて近い。
実験例15: 新規ジスルフィド結合を含むNY−ENO TCRα鎖及びβ鎖の酵母発現ベクターへのクローニング
NY-ESO TCRα鎖及びβ鎖を、Saccharomyces cerevisiae由来のプレプロα接合因子配列のC末端に融合させ、それぞれ酵母発現ベクターpYX122及びpYX112にクローン化した(図107及び108参照)。
S.cerevisiae菌株SEY6210(Robinson等(1991)、Mol Cell Biol.11(12):5813〜24)由来のプレプロα接合因子配列をPCR増幅してTCRα鎖に融合させるために、以下のプライマーを設計した。
5’-TCT GAA TTC ATG AGA TTT CCT TCA ATT TTT AC-3’
5’-TCA CCT CCT GGG CTT CAG CCT CTC TTT TAT C-3’
S.cerevisiae菌株SEY6210由来のプレプロα接合因子配列をPCR増幅してTCRβ鎖に融合させるために、以下のプライマーを設計した。
5’-TCT GAA TTC ATG AGA TTT CCT TCA ATT TTT AC-3’
5’-GTG TCT CGA GTT AGT CTG CTC TAC CCC AGG C-3’
S.cerevisiae菌株SEY6210のコロニーを0.25%SDS水溶液30μLに再懸濁し、90℃で3分間加熱して、酵母DNAを調製した。TCRα鎖及びβ鎖に融合させるためのプレプロα接合因子配列を、それぞれ上述のプライマー対を用いて以下のPCR条件で酵母DNA0.25μLをPCR増幅することによって生成させた。各プライマー12.5pモルを、200μM dNTP、10xPfu緩衝液5μL及びPfuポリメラーゼ(Stratagene)1.25単位と最終体積50μL中で混合した。92℃30秒の初期変性ステップの後、反応混合物をHybaid PCR発現PCR装置によって30ラウンドの変性(92℃、30秒)、アニーリング(46.9℃、60秒)及び伸長(72℃、2分)に供した。
上述のプレプロα接合因子配列に融合させるTCRα鎖をPCR増幅するために、以下のプライマーを設計した。
5’-GGC TGA AGC CCA GGA GGT GAC ACA GAT TCC-3’
5’-CTC CTC TCG AGT TAG GAA CTT TCT GGG CTG GG-3’
上述のプレプロα接合因子配列に融合させるTCRβ鎖をPCR増幅するために、以下のプライマーを設計した。
5’-GGC TGA AGC CGG CGT CAC TCA GAC CCC AAA AT-3’
5’-GTG TCT CGA GTT AGT CTG CTC TAC CCC AGG C-3’
TCRα鎖及びβ鎖を増幅するためのPCR条件は、以下の変更点以外上述したのと同じであった。すなわち、TCRα鎖及びβ鎖を増幅するために使用したDNAテンプレートは、それぞれ(実験例5において調製した)NY-ESO TCRα鎖及びβ鎖であり、使用したアニーリング温度は60.1℃であった。
次いで、初期PCR産物に導入した相補的重複配列を利用したPCRステッチング反応にPCR産物を用いて、完全長キメラ遺伝子を作製した。得られたPCR産物を制限酵素EcoR I及びXho Iで消化し、同じ酵素で消化したpYX122又はpYX112にクローン化した。得られたプラスミドをQiagen(商標)ミニプレップカラムを用いて製造者の指示に従って精製し、その配列を、Genetics Ltd、Queensway、New Milton、Hampshire、United Kingdomの配列決定施設における自動配列決定によって確認した。図109及び110に、クローン化されたキメラ産物のDNA配列及びタンパク質配列を示す。
実験例16: 新規ジスルフィド結合を含む可溶性NY-ESO TCRの酵母中での発現
それぞれ実験例15に記載したように生成されたTCRα鎖及びβ鎖を含む酵母発現プラスミドを、Agatep等(1998)(Technical Tips Online(http://tto.trends.com)1:51:P01525)によるプロトコルを用いて、S.cerevisiae菌株SEY6210に同時形質転換した。ヒスチジン及びウラシルを含有する合成ドロップアウト(SD、synthetic dropout)寒天(Qbiogene、Illkirch、France)上で増殖させた単一のコロニーを、ヒスチジン及びウラシルを含有するSD培地10mL中30℃で終夜培養した。その終夜培養したものを、ヒスチジン及びウラシルを含有する新鮮なSD培地10mL中1:10で継代培養し、30℃で4時間増殖させた。その培養物を、Heraeus Megafuge 2.0R(Kendro Laboratory Products Ltd、Bishop’s Stortford、Hertfordshire、UK)を用いて3800rpmで5分間遠心分離し、上清を回収した。StratClean Resin(Stratagene)5μLを上清と混合し、ブラッドホイール中4℃で終夜回転させた。StratClean ResinをHeraeus Megafuge 2.0Rを用いて3800rpmで遠心沈殿させ、培地を廃棄した。還元試料緩衝液(2M DTT50μLを含有するLaemmLi試料緩衝液(Biorad)950μL)25μLを樹脂に添加し、その試料を95℃で5分間加熱し、次いで、氷冷した後、混合物20μLをSDS−PAGEゲルに0.8mA一定/cmゲル表面で1時間かけた。ゲル中のタンパク質を、以下の変更点以外下記実験例17に記載したように、Immuno-Blot PVDFメンブレン(Bio−Rad)に移し、TCR抗α鎖抗体でプローブした。1次抗体(TCR抗α鎖)及び2次抗体をそれぞれ1/200及び1/1000に希釈して用いた。図111に、展開したメンブレンの写真を示す。その結果、酵母培養によって培地中に低レベルのTCRが分泌されることが判明した。
実験例17: バキュロウイルスにおけるジスルフィドA6 Tax TCRα鎖及びβ鎖発現
クローニング戦略
ジスルフィドA6 Tax TCRのα鎖及びβ鎖を、pGMT7からpEX172と称するpBlueScript KS2ベースのベクターにクローン化した。このベクターは、DRB10101のリーダー配列、様々なペプチドコード配列を挿入するためのAgeI部位、リンカー領域、次いでJunロイシンジッパー配列の前のDRβ鎖をクローン化するMluI及びSalI部位を用いて、昆虫細胞を発現させるための様々なMHCクラスIIβ鎖をクローニングするように設計された。pBlueScript II KS−のKpnI部位とEcoRI部位の間に位置し、pEX 172がpBlueScript II KS−と異なる配列を図112に示す。昆虫細胞においてTCR鎖をクローニングするために、このpEX172がAgeI及びSalIと共に切断されてリンカー領域及びMluI部位が除去され、ペプチド配列が始まる箇所にTCR鎖が入る。TCR配列は、5’末端にBspEI部位(これはAgeI適合付着末端を含んでいた)及び3’末端にSalI部位を含むpGMT7からクローン化された。DRβリーダー配列の除去用切断部位を用意するために、DRβ鎖の最初の3つの残基(GDT)を保存した。Junロイシンジッパー配列が転写されるのを防止するために、SalI部位の前に終止コドンを挿入する必要があった。この構築物の概略については、図113を参照されたい。TCR鎖がこのプラスミドに入った後、BamHI断片を切り出し、バキュロウイルスに対して相同組換え部位を有するpAcAB3ベクターにサブクローニングした。pAcAB3ベクターは、2つの異なるプロモーターを有し、1つはBamHI部位を含み、1つはBglIIクローニング部位を含む。A6 TCRβ鎖にはBglII部位があるので、A6 TCRα鎖がBglII部位に挿入され、次いでβ鎖がBamHI部位にサブクローニングされる。
上記クローニング戦略に従い、以下のプライマーを設計した(ベクターに相同な部分を大文字で示す)。
A6α:F:5’-gtagtccggagacaccggaCAGAAGGAAGTGGAGCAGAAC
R:5’-gtaggtcgacTAGGAACTTTCTGGGCTGGG
A6β:F:5’-gtagtccggagacaccggaAACGCTGGTGTCACTCAGA
R:5’-gtaggtcgacTAGTCTGCTCTACCCCAGG
PCR、クローニング及びサブクローニング:
ジスルフィドA6 Tax TCRα鎖又はβ鎖の遺伝子を含有する発現プラスミドを、以下のPCR反応においてテンプレートとして使用した。プラスミド100ngを10mM dNTP 1μL、10xPfu緩衝液(Stratagene)5μL、Pfuポリメラーゼ(Stratagene)1.25単位、上記A6αプライマー50pモルと混合し、最終体積をHOで50μLに調節した。同様の反応混合物を、βプラスミド及びβプライマー対を用いてβ鎖用に準備した。これらの反応混合物を、Hybaid PCR発現PCR装置を用いて35ラウンドの変性(95℃、60秒)、アニーリング(50℃、60秒)及び伸長(72℃、8分)に供した。次いで、生成物を、BspEI制限酵素10単位を用いて37℃で2時間消化し、SalI(New England Biolabs)10単位でさらに2時間消化した。これらの消化された反応物を、AgeI及びSalIで消化したpEX172に連結し、これらをコンピテントなXL1−Blue細菌に形質転換し、37℃で18時間増殖させた。単一のコロニーをα及びβ調製物の各々から選択し、TYP+アンピシリン(16g/Lバクトトリプトン、16g/L酵母抽出物、5g/LNaCl、2.5g/LKHPO、100mg/Lアンピシリン)5mL中で終夜増殖させた。QIAgenミニプレップカラムを用いて製造者の指示に従ってプラスミドDNAを精製し、Genetixの配列決定施設における自動配列決定によってその配列を確認した。α鎖及びβ鎖それぞれについて、BamHI挿入断片のアミノ酸配列を図114及び115に示す。
pEX172におけるこれらα及びβジスルフィドA6 Tax TCR鎖構築物を、BamHI制限酵素(New England Biolabs)を用いて37℃で2時間消化して除去した。α鎖のBamHI挿入断片を、BglII酵素で消化したpAcAB3ベクター(Pharmingen-BD Biosciences:21216P)に連結した。これをコンピテントなXL1−Blue細菌に形質転換し、37℃で18時間増殖させた。このプレートから単一のコロニーを選択し、TYP+アンピシリン5mL中で終夜増殖させ、プラスミドDNAを先と同様に精製した。次いで、このプラスミドをBamHIで消化し、β鎖BamHI挿入断片を連結し、コンピテントなXL1−Blue細菌に形質転換し、終夜増殖させ、TYP−アンピシリンで選択し、増殖させた後、QIAgenミニプレップカラムを用いて先と同様にミニプレップを行った。α鎖及びβ鎖両方の正確な配向を、以下の配列決定プライマーを用いて配列を決定することによって確認した。
pAcAB3 α 順方向:5’-gaaattatgcatttgaggatg
pAcAB3 β 順方向:5’-attaggcctctagagatccg
昆虫細胞内におけるトランスフェクション、感染、発現及びA6 TCRの分析
BacuLogold形質移入キット(Pharmingen-BD Biosciences:21100K)を用いて製造者の指示に従って、無血清培地(Pharmingen-BD Biosciences:551411)で増殖させたsf9細胞(Pharmingen-BD Biosciences:21300C)に、α鎖及びβ鎖を含む発現プラスミドを形質移入した。27℃で5日後、これらの形質移入細胞を増殖させた培地200μLを、無血清培地中の1×10細胞/mLのHigh Five細胞100mLに添加した。27℃でさらに6日後、この培地1mLを取り出し、Hereus microfugeを用いて13,000RPMで5分間遠心して細胞片をペレット化した。
この昆虫A6ジスルフィド連結TCR上清10μLを、正の対照の細菌A6ジスルフィド連結TCR5μg及び10μgと一緒にプレキャスト4〜20%トリス/グリシンゲル(Invitrogen:EC60252)上に流した。還元試料緩衝液(950μLのLaemmLi試料緩衝液(Bio-Rad:161-0737)50μLの2M DTT)10μLを添加し、95℃で5分間加熱し、室温で10分間冷却し、次いで20μLを充填することによって還元試料を調製した。LaemmLi試料緩衝液10μLを添加し、20μLを充填することによって非還元試料を調製した。
Novex-Xcellゲルタンク中で1時間このゲルに150ボルトをかけ、その後ゲルを静かに撹拌しながらクーマシーゲル染料50mLで1時間染色した(メタノール500mL中でクーマシー粉1.1gを1時間撹拌し、酢酸100mLを添加し、HOで1リットルとし、1時間撹拌し、次いで0.45μmフィルターでろ過する)。脱染剤(destain)(クーマシー粉を除いたクーマシーゲル染料)50mL中でゲルを静かに撹拌しながら30分間3回脱染した。
先と同様にSDS−PAGEゲルを操作してウェスタンブロットを実施した。但し、クーマシーでゲルを染色するのではなく、タンパク質をImmuno-Blot PVDFメンブレン(Bio−Rad:162−0174)に移した。6枚のろ紙をゲルのサイズに合わせて切り、転写緩衝液(グリシン2.39g、トリス塩基5.81g、DTT0.77gをHO 500mLに溶解し、メタノール200mLを添加し、次いでHOで1000mLにした)に浸漬した。PVDFメンブレンを、メタノールに1分間、次いで転写緩衝液に2分間浸漬して調製した。Immno-Blot装置(Pharmacia-Novablot)のアノード表面に3枚のろ紙を置き、次いでその上にメンブレンを置き、その上にゲルを置き、最後に別の3枚のろ紙をカソード側に置いた。0.8mA一定/cmゲル表面で1時間Immuno-blotを用いて分析した。
ブロッティング後、ブロッキング緩衝液(トリス緩衝食塩錠剤(Sigma:T5030)4個、脱脂粉乳(Sigma:M7409)3g、Tween 20 30μLをHOで30mLに調整)7.5mL中で60分間静かに撹拌しながらメンブレンをブロックした。TBS洗浄緩衝液(TBS錠剤20個、Tween 20 150μLをHOで300mLに調整)でメンブレンを3回5分間洗浄した。次いで、ブロッキング緩衝液7.5mLで希釈した抗TCRα鎖クローン3A8(Serotec:MCA987)又は抗TCRβ鎖クローン8A3(Serotec:MCA988)で1/50に希釈した1次抗体中で1時間静かに撹拌しながらメンブレンをインキュベートした。先と同様にしてメンブレンをTBS洗浄緩衝液で洗浄した。次に、ブロッキング緩衝液7.5mLで1/1000に希釈したHRP標識ヤギ抗マウス抗体(Santa Cruz Biotech:Sc-2005)の2次抗体インキュベーションを、静かに撹拌しながら30分間実施した。先と同様にしてメンブレンを洗浄し、次いでTBS錠剤2個を含むHO30mLで洗浄した。
Opti−4CN色度検出(Biorad:170-8235)(Opt−4CN希釈剤1.4mL、HO12.6mL、Opti−4CN基質0.28mL)によって抗体結合を検出した。メンブレンを30分間着色し、次いでHOで15分間洗浄した。メンブレンを室温で乾燥し、走査イメージをクーマシー染色ゲルのイメージと並べた(図116)。
結果
図116から、両方のジスルフィドTCRが、SDSゲル中で安定なヘテロダイマーとして形成されることがわかる。これらは両方とも、還元するとα鎖とβ鎖に分解する。昆虫ジスルフィドTCRヘテロダイマーは、おそらく昆虫細胞によるグリコシレーションのために、細菌によって産生されたものよりもやや大きな分子量を有する。この場合、昆虫細胞はα鎖を過剰に産生し、遊離のα鎖が抗αウェスタンブロットの非還元レーンに見られることが判明した。
これらのデータから、上述のバキュロウイルス発現システムが、新規ジスルフィド結合を含む可溶性TCRの原核生物発現に対して、実行可能な代替システムとなることが明確に示された。
図1は、本発明によって導入された鎖間ジスルフィド結合を有する可溶性TCRの概略図である。 図2a及び2bは、システインコドンを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのそれぞれα鎖及びβ鎖の核酸配列である。陰影付きの部分は、導入したシステインコドンである。 図3aは、新規ジスルフィド鎖間結合を生成させるために使用したT48→C突然変異(下線部)を含めたA6 TCRα鎖細胞外アミノ酸配列である。図3bは、新規ジスルフィド鎖間結合を生成させるために使用したS57→C突然変異(下線部)を含めたA6 TCRβ鎖細胞外アミノ酸配列である。 図4は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィによって得られたトレースである。 図5−A.図4に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。B.図4に示したカラム分析画分の非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。ピーク1はジスルフィドによって連結されていないβ鎖を主として含んでいることが明らかであり、ピーク2は鎖間ジスルフィドによって連結されたTCRヘテロダイマーを含み、ショルダーは鎖間ジスルフィド連結sTCRに混入したE.coli汚染物質によるものであり、この複製では見え難い。 図6は、図5のピーク1からプールされた画分のサイズ排除クロマトグラフィによって得られたトレースである。このタンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。 図7は、HLA−A2−tax複合体に対するジスルフィド連結A6可溶性TCRの特異的結合のBIAcore応答曲線である。挿入グラフは、ジスルフィド連結A6可溶性TCRの単回投与の対照と比較した結合応答である。 図8aは、突然変異してBamHl制限酵素切断部位が組み込まれた新規システイン残基を含むA6 TCRα鎖配列である。陰影付きの部分は、導入されてBamHl制限酵素切断部位を形成した突然変異を示す。図8b及び8cは、突然変異して追加のシステイン残基を含み非天然(non-native)ジスルフィド結合を形成するJM22 TCRのα鎖及びβ鎖のDNA配列である。 図9a及び9bは、それぞれ図8a及び8bのDNA配列から産生されるJM22 TCRα鎖及びβ鎖の細胞外アミノ酸配列である。 図10は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、可溶性ジスルフィド連結JM22 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィによって得られたトレースである。 図11aは、図10に示すカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。図11bは、図10に示すカラム分析画分の非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。ピーク1が鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーを含んでいるのは明らかである。 図12は、図10のピーク1からプールされた画分のサイズ排除クロマトグラフィによって得られたトレースである。このタンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。収率は80%である。 図13−A.HLA−Flu複合物に対するジスルフィド連結JM22可溶性TCRの特異的結合のBIAcore応答曲線である。B.ジスルフィド連結JM22可溶性TCRの単回投与の対照と比較した結合応答である。 図14a及び14bは、突然変異して追加のシステイン残基を含み非天然ジスルフィド結合を形成したNY−ESOのα鎖及びβ鎖のDNA配列である。 図15a及び15bは、それぞれ図14a及び14bのDNA配列から産生されたNY-ESO TCRα鎖及びβ鎖の細胞外アミノ酸配列である。 図16は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、可溶性NY−ESOジスルフィド連結TCRの陰イオン交換クロマトグラフィによって得られたトレースである。 図17−A.図16に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。B.図16に示したカラム分析画分の非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。ピーク1及び2が、鎖間ジスルフィドによって連結されたTCRヘテロダイマーを含んでいることは明らかである。 図18 図17のピーク1(A)及びピーク2(B)からプールされた画分のサイズ排除クロマトグラフィを示すグラフである。このタンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。 図19は、HLA−NYESO複合体に対するジスルフィド連結NY−ESO可溶性TCRの特異的結合のBIAcore応答曲線である。A.ピーク1、B.ピーク2。 図20a及び20bは、(陰影付きで示された)新規システインコドンを導入するように突然変異した可溶性NY-ESO TCRのそれぞれα鎖及びβ鎖のDNA配列である。これらの配列は、(太字のコドンで示された)天然ジスルフィド鎖間結合に関与するシステインを含む。 図21a及び21bは、それぞれ図20a及び21bのDNA配列から産生されるNY-ESO TCRα鎖及びβ鎖の細胞外アミノ酸配列である。 図22は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、可溶性NY-ESO TCRαcysβcysの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図23は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、可溶性NY-ESO TCRαcysの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図24は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、可溶性NY-ESO TCRβcysの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図25は、図22〜24の陰イオン交換カラム分析からのそれぞれNY-ESO TCRαcysβcys、TCRαcys、TCRβcys各画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。レーン1及び7はMWマーカーであり、レーン2はNYESOdsTCRlg4 α-cys βピーク(EB/084/033)であり、レーン3はNYESOdsTCRlg4 α-cys β小ピーク(EB/084/033)であり、レーン4はNYESOdsTCRlg4 α β-cys(EB/084/034)であり、レーン5はNYESOdsTCRlg4 α-cys β-cys小ピーク(EB/084/035)であり、レーン6はNYESOdsTCRlg4 α-cys β-cysピーク(EB/084/035)である。 図26は、図22〜24それぞれの陰イオン交換カラム分析からのNY-ESO TCRαcysβcys、TCRαcys、及びTCRβcys各画分の非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。レーン1及び7はMWマーカーであり、レーン2はNYESOdsTCRlg4 α-cys βピーク(EB/084/033)であり、レーン3はNYESOdsTCRlg4 α-cys β小ピーク(EB/084/033)であり、レーン4はNYESOdsTCRlg4 α β-cys(EB/084/034)であり、レーン5はNYESOdsTCRlg4 α-cys β-cys小ピーク(EB/084/035)であり、レーン6はNYESOdsTCRlg4 α-cys β-cysピーク(EB/084/035)である。 図27は、図22からプールされた画分のタンパク質溶出を示す、可溶性NY-ESO TCRαcysβcysのサイズ排除交換クロマトグラフィから得られたトレースである。このタンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。 図28は、図22からプールされた画分のタンパク質溶出を示す、可溶性NY-ESO TCRαcysのサイズ排除交換クロマトグラフィから得られたトレースである。このタンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。 図29は、図22からプールされた画分のタンパク質溶出を示す、可溶性NY-ESO TCRβcysのサイズ排除交換クロマトグラフィから得られたトレースである。このタンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。 図30は、HLA-NY-ESO複合体に対するNY-ESO TCRαcysβcysの特異的結合のBIAcore応答曲線である。 図31は、HLA-NY-ESO複合体に対するNY-ESO TCRαcysの特異的結合のBIAcore応答曲線である。 図32は、HLA-NY-ESO複合体に対するNY-ESO TCRβcysの特異的結合のBIAcore応答曲線である。 図33a及び33bは、(陰影付きで示された)新規システインコドンを導入するように突然変異した可溶性AH−1.23 TCRのそれぞれα鎖及びβ鎖のDNA配列である。これらの配列は、(太字のコドンによって示される)天然ジスルフィド鎖間結合に関与するシステインを含む。 図34a及び34bは、図33a及び33bの各DNA配列から産生されるAH−1.23 TCRα鎖及びβ鎖の細胞外アミノ酸配列である。 図35は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、可溶性AH−1.23 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図36は、図35における陰イオン交換カラム分析のAH−1.23 TCR画分の還元SDS−PAGE(10%Bis−Trisゲル、クーマシー染色)を示す図である。試験したタンパク質は、リフォールディング体3からのTCR 1.23 S−Sの陰イオン交換画分である。レーン1はMWマーカーであり、レーン2はB4であり、レーン3はC2であり、レーン4はC3であり、レーン5はC4であり、レーン6はC5であり、レーン7はC6であり、レーン8はC7であり、レーン9はC8であり、レーン10はC9である。 図37は、図35における陰イオン交換カラム分析のAH−1.23 TCR画分の非還元SDS−PAGE(10%Bis−Trisゲル、クーマシー染色)を示す図である。試験したタンパク質は、リフォールディング体3からのTCR 1.23 S−Sの陰イオン交換画分である。レーン1はMWマーカーであり、レーン2はB4であり、レーン3はC2であり、レーン4はC3であり、レーン5はC4であり、レーン6はC5であり、レーン7はC6であり、レーン8はC7であり、レーン9はC8であり、レーン10はC9である。 図38は、図35からプールされた画分のタンパク質溶出を示す、可溶性AH−1.23 TCRのサイズ排除交換クロマトグラフィから得られたトレースである。このタンパク質は、ヘテロダイマーに対応する単一の主ピークとして溶出する。 図39a及び39bは、TRAC01のエキソン1中の残基48に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図40a及び40bは、TRAC01のエキソン1中の残基45に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図41a及び41bは、TRAC01のエキソン1中の残基61に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図42a及び42bは、TRAC01のエキソン1中の残基50に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図43a及び43bは、TRAC01のエキソン1中の残基10に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図44a及び44bは、TRAC01のエキソン1中の残基15に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図45a及び45bは、TRAC01のエキソン1中の残基12に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図46a及び46bは、TRAC01のエキソン1中の残基22に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図47a及び47bは、TRAC01のエキソン1中の残基52に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図48a及び48bは、TRAC01のエキソン1中の残基43に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図49a及び49bは、TRAC01のエキソン1中の残基57に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのα鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図50a及び50bは、TRBC201のエキソン1中の残基77に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図51a及び51bは、TRBC201のエキソン1中の残基17に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図52a及び52bは、TRBC201のエキソン1中の残基13に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図53a及び53bは、TRBC201のエキソン1中の残基59に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図54a及び54bは、TRBC201のエキソン1中の残基79に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図55a及び55bは、TRBC201のエキソン1中の残基14に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図56a及び56bは、TRBC201のエキソン1中の残基55に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図57a及び57bは、TRBC201のエキソン1中の残基63に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図58a及び58Bは、TRBC201のエキソン1中の残基15に新規システインを導入するように突然変異した可溶性A6 TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。陰影付きのヌクレオチドは導入された新規システインコドンを示し、下線のアミノ酸は導入されたシステインを示す。 図59は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50カラムからのタンパク質溶出を示す、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図60は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50カラムからのタンパク質溶出を示す、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図61は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50カラムからのタンパク質溶出を示す、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図62は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50カラムからのタンパク質溶出を示す、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図63は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50カラムからのタンパク質溶出を示す、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図64は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50カラムからのタンパク質溶出を示す、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィから得られたトレースである。 図65a及び65bは、TRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのそれぞれ還元及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。画分を図59の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図66a及び66bは、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのそれぞれ還元及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。画分を図60の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図67a及び67bは、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのそれぞれ還元及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。画分を図61の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図68a及び68bは、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのそれぞれ還元及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。画分を図62の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図69a及び69bは、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのそれぞれ還元及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。画分を図63の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図70a及び70bは、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのそれぞれ還元及び非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。画分を図64の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図71は、Superdex 200 HLゲルろ過カラムからのタンパク質溶出を示す、TRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのサイズ排除クロマトグラフィから得られたトレースである。画分を図59の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図72は、Superdex 200 HLゲルろ過カラムからのタンパク質溶出を示す、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのサイズ排除クロマトグラフィから得られたトレースである。画分を図60の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図73は、Superdex 200 HLゲルろ過カラムからのタンパク質溶出を示す、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのサイズ排除クロマトグラフィから得られたトレースである。画分を図61の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図74は、Superdex 200 HLゲルろ過カラムからのタンパク質溶出を示す、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのサイズ排除クロマトグラフィから得られたトレースである。画分を図62の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図75は、Superdex 200 HLゲルろ過カラムからのタンパク質溶出を示す、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのサイズ排除クロマトグラフィから得られたトレースである。画分を図63の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図76は、Superdex 200 HLゲルろ過カラムからのタンパク質溶出を示す、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRのサイズ排除クロマトグラフィから得られたトレースである。画分を図64の陰イオン交換カラム分析から収集した。 図77は、HLA−A2−tax pMHCに対する、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、及びTRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの結合を示すBIAcore応答曲線である。 図78は、HLA−A2−tax pMHCに対する、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、及びTRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの結合を示すBIAcore応答曲線である。 図79は、HLA−A2−tax pMHCに対する、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、及びTRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの結合を示すBIAcore応答曲線である。 図80は、HLA−A2−tax pMHCに対する、それぞれTRAC01のエキソン1の残基48とTRBC201のエキソン1の残基57との間、TRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基77との間、TRAC01のエキソン1の残基10とTRBC201のエキソン1の残基17との間、及びTRAC01のエキソン1の残基45とTRBC201のエキソン1の残基59との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの結合を示すBIAcore応答曲線である。 図81は、HLA−A2−tax及びHLA−A2−NY−ESO pMHCに対する、TRAC01のエキソン1の残基52とTRBC201のエキソン1の残基55との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの非特異的結合を示すBIAcoreトレースである。 図82は、HLA−A2−tax pMHCに対する、TRAC01のエキソン1の残基15とTRBC201のエキソン1の残基15との間の新規ジスルフィド鎖間結合を含む可溶性A6 TCRの結合を示すBIAcore応答曲線である。 図83aは、1BD2配列を含むモデルの周囲の電子密度地図である(鎖A Thr164、鎖B Ser 174)。地図には、1.0、2.0及び3.0σの等高線が記されている。図83bは、2つの位置A164及びB174においてCysで改良(refinement)した後の電子密度地図である。この地図も、図83aと同じσレベルで等高線が記されている。 図84は、1BD2 TCRの構造を本発明のNY-ESO TCRの構造と、リボン表示及びコイル表示で前記各構造を重ね合わせることによって比較した図である。 図85a及び85bは、ビオチン認識部位が導入されたNY-ESO TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。ビオチン認識部位を強調して示す。 図86a及び86bは、ヘキサ−ヒスチジンタグを導入したNY-ESO TCRのβ鎖のそれぞれDNA配列及びアミノ酸配列である。ヘキサ−ヒスチジンタグを強調して示す。 図87は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQ陰イオン交換カラムからの新規ジスルフィド結合及びビオチン認識配列を含む可溶性NY-ESO TCRの溶出を示すグラフである。 図88は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQ陰イオン交換カラムからの新規ジスルフィド結合及びヘキサ−ヒスチジンタグを含む可溶性NY-ESO TCRの溶出を示すグラフである。 図89は、図87に示したNY−ESO−ビオチンタグ付き陰イオン交換カラム分析からプールされた画分のゲルろ過クロマトグラフィによるタンパク質溶出プロファイルである。 図90は、図88に示したNY−ESO−ヘキサ−ヒスチジンタグ付き陰イオン交換カラム分析からプールされた画分のゲルろ過クロマトグラフィによるタンパク質溶出プロファイルである。 図91a〜hは、それぞれ以下の濃度のNY−ESOペプチド及び蛍光NY-ESO TCR四量体と共にインキュベートしたHLA−A2陽性EBV形質転換B細胞系(PP LCL)を25,000回測定して得られた染色強度を示すFACSヒストグラムである。NYESO 0 TCR 5μg、NYESO 10−4M TCR 5μg、NYESO 10−5M TCR 5μg、NYESO 10−6M TCR 5μg、NYESO 0 TCR 10μg、NYESO 10−4M TCR 10μg、NYESO 10−5M TCR 10μg、NYESO 10−6M TCR 10μg。 図91−1の説明に同じ。 図91−1の説明に同じ。 図92は、TRBC101定常領域が組み込まれたA6 TCRのベータ鎖のDNA配列である。 図93は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示した、TRBC101定常領域が組み込まれた可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィのトレースである。 図94−A.図93に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。B.図93に示したカラム分析画分の非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。 図95は、図93のピーク2からプールされた画分のサイズ排除クロマトグラフィを示すグラフである。ピーク1は、鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーを含む。 図96−A.HLA−Flu複合体に対するジスルフィド連結A6可溶性TCRの特異的結合のBIAcore分析結果を示すグラフである。B.ジスルフィド連結A6可溶性TCRの単回投与の対照と比較した結合応答を示すグラフである。 図97は、「フリーの」システインが組み込まれたA6 TCRの突然変異ベータ鎖の核酸配列である。 図98は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、「フリーの」システインが組み込まれた可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィを示すグラフである。 図99−A.図98に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。B.図98に示したカラム分析画分の非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。 図100は、図98のピーク2からプールされた画分のサイズ排除クロマトグラフィを示す図である。ピーク1は、鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーを含む。 図101−A.HLA−Flu複合体に「フリーの」システインが組み込まれたジスルフィド連結A6可溶性TCRの特異的結合のBIAcore分析結果を示すグラフである。B.ジスルフィド連結A6可溶性TCRの単回投与の対照と比較した結合応答を示すグラフである。 図102は、「フリーの」システインが突然変異したセリン残基が組み込まれたA6 TCRの突然変異ベータ鎖の核酸配列である。 図103は、点線で示した0〜500mMのNaCl勾配を用いたPOROS 50HQカラムからのタンパク質溶出を示す、「フリーの」システインが突然変異したセリン残基が組み込まれた可溶性A6 TCRの陰イオン交換クロマトグラフィを示すグラフである。 図104−A.図103に示したカラム分析画分の還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。B.図103に示したカラム分析画分の非還元SDS−PAGE(クーマシー染色)を示す図である。ピーク2が、鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーを含んでいることは明らかである。 図105は、図103のピーク2からプールされた画分のサイズ排除クロマトグラフィを示すグラフである。ピーク1は、鎖間ジスルフィド連結されたTCRヘテロダイマーを含む。 図106−A.「フリーの」システインが突然変異したセリン残基が組み込まれたジスルフィド連結A6可溶性TCRのHLA−Flu複合体に対する特異的結合のBIAcore分析結果を示すグラフである。B.ジスルフィド連結A6可溶性TCRの単回投与の対照と比較した結合応答を示すグラフである。 図107は、pYX112のヌクレオチド配列である。 図107−1の説明に同じ。 図108は、pYX122のヌクレオチド配列である。 図107−1の説明に同じ。 図109は、TCRα鎖に融合したプレプロα接合因子のDNA配列及びタンパク質配列である。 図110は、TCRβ鎖に融合したプレプロα接合因子のDNA配列及びタンパク質配列である。 図111は、S.cerevisiae菌株SEY6210において発現される可溶性TCRのウェスタンブロットの写真である。レーンCは、対照として精製可溶性NY-ESO TCR 60ngを含む。レーン1及び2は、2つの別個のTCR形質転換酵母培養物から収集したタンパク質を含む。 図112は、pEX172プラスミドのKpnI〜EcoRI挿入断片の核酸配列である。プラスミドの残部は、pBlueScript II KS−である。 図113は、バキュロウイルスにクローニングするためのTCR鎖の概略図である。 図114は、pAcAB3発現プラスミドに挿入するためのBamHI挿入断片としてのジスルフィドA6 α TCR構築物の核酸配列である。 図115は、pAcAB3発現プラスミドに挿入するためのBamHI挿入断片としてのジスルフィドA6 β TCR構築物を示す図である。 図116は、細菌によって産生されたジスルフィドA6 TCR及び昆虫ジスルフィドA6 TCRに対するクーマシー染色ゲル及びウェスタンブロットを示す写真である。

Claims (32)

  1. (i)膜貫通ドメインを除くTCRα鎖の全部又は一部と、(ii)膜貫通ドメインを除くTCRβ鎖の全部又は一部とを備えた可溶性T細胞受容体(sTCR)であって、(i)及び(ii)が、それぞれ、TCR鎖の機能的可変ドメインと定常ドメインの少なくとも一部とを備え、定常ドメイン残基の間が天然のTCR中には存在しないジスルフィド結合によって連結されている、可溶性T細胞受容体。
  2. (i)及び(ii)の一方又は双方が、TCR鎖の細胞外定常Igドメインの全部を備える、請求項1に記載のsTCR。
  3. (i)及び(ii)の一方又は双方が、TCR鎖の細胞外ドメインの全部を備える、請求項1又は2に記載のsTCR。
  4. 可溶性αβ型T細胞受容体(sTCR)であって、共有ジスルフィド結合が、α鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基を、β鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基に連結する、可溶性αβ型T細胞受容体。
  5. 天然のTCR中の鎖間ジスルフィド結合が存在しない、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  6. 天然の鎖間ジスルフィド結合を形成するシステイン残基が除外されるように、天然のα及びβ TCR鎖のC末端が切断されている、請求項5に記載のsTCR。
  7. 天然の鎖間ジスルフィド結合を形成するシステイン残基が別の残基に置換されている、請求項5に記載のsTCR。
  8. 天然の鎖間ジスルフィド結合を形成するシステイン残基がセリン又はアラニンに置換されている、請求項7に記載のsTCR。
  9. 天然のTCR β鎖中に存在する対を成していないシステイン残基が存在しない、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  10. 天然のTCR中に存在しない前記ジスルフィド結合が、天然のTCR構造中においてβ炭素原子が0.6nm未満離れている残基を置換するシステインの間でなされている、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  11. 天然のTCR中に存在しない前記ジスルフィド結合が、TRAC01のエキソン1のThr48を置換するシステイン残基とTRBC101又はTRBC201のエキソン1のSer57を置換するシステイン残基との間でなされている、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  12. 天然のTCR中に存在しない前記ジスルフィド結合が、TRAC01のエキソン1のThr45を置換するシステイン残基とTRBC101又はTRBC201のエキソン1のSer77を置換するシステイン残基との間でなされている、請求項1乃至10の何れか1項に記載のsTCR。
  13. 天然のTCR中に存在しない前記ジスルフィド結合が、TRAC01のエキソン1のTyr10を置換するシステイン残基とTRBC101又はTRBC201のエキソン1のSer17を置換するシステイン残基との間でなされている、請求項1乃至10の何れか1項に記載のsTCR。
  14. 天然のTCR中に存在しない前記ジスルフィド結合が、TRAC01のエキソン1のThr45を置換するシステイン残基とTRBC101又はTRBC201のエキソン1のAsp59を置換するシステイン残基との間でなされている、請求項1乃至10の何れか1項に記載のsTCR。
  15. 天然のTCR中に存在しない前記ジスルフィド結合が、TRAC01のエキソン1のSer15を置換するシステイン残基とTRBC101又はTRBC201のエキソン1のGlu15を置換するシステイン残基との間でなされている、請求項1乃至10の何れか1項に記載のsTCR。
  16. 請求項1、2、及び5乃至15の何れか1項に記載のsTCRであって、(i)及び(ii)が、それぞれ、第二のTCRの定常ドメインの全部又は一部に融合された第一のTCRの機能的可変ドメインを備え、前記第一及び第二のTCRが同一の種から得られたものである、sTCR。
  17. 前記第二のTCRの定常ドメインが、前記天然に存在しない鎖間ジスルフィド結合を形成する残基のN末端側において切断されている、請求項16に記載のsTCR。
  18. 前記鎖の一方又は双方のC末端又はN末端が或る成分で誘導体化され又は該成分に融合されている、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  19. 前記鎖の一方又は双方が、成分を融合することができるシステイン残基をC末端及び/又はN末端に有する、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  20. 検出可能な標識をさらに備える、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  21. 治療剤が会合された、先行する請求項の何れかに記載のsTCR。
  22. 先行する請求項の何れかに記載のsTCRを複数備えた、多価T細胞受容体(TCR)複合体。
  23. sTCR多量体を備えた、請求項22に記載の複合体。
  24. 好ましくはリンカー分子を介して互いに会合した2又は3又は4以上のT細胞受容体分子を備えた、請求項23に記載の複合体。
  25. 前記sTSR又はsTCR多量体が脂質二重層中に存在するか又は粒子に付着されている、請求項22、23、又は24に記載の複合体。
  26. MHC−ペプチド複合体を検出する方法であって、
    (i)請求項1乃至21の何れか1項に記載された可溶性TCR又は請求項22乃至25の何れか1項に記載された多価T細胞受容体複合体を準備することと、
    (ii)前記可溶性TCR又は多価TCR複合体をMHC−ペプチド複合体と接触させることと、
    (iii)前記MHC−ペプチド複合体への前記可溶性TCR又は多価TCR複合体の結合を検出することと、
    を備えた方法。
  27. 薬学的に許容される担体とともに、請求項1乃至21の何れか1項に記載のsTCR及び/又は請求項22乃至25の何れか1項に記載の多価TCR複合体を備えた薬学的製剤。
  28. 請求項1乃至21の何れか1項に記載のsTCRの(i)若しくは(ii)をコードする配列又はこれに相補的な配列を備えた核酸分子。
  29. 請求項28に記載の核酸分子を備えたベクター。
  30. 請求項29に記載のベクターを備えた宿主細胞。
  31. 請求項1乃至21の何れか1項に記載された(i)又は(ii)を得る方法であって、前記ペプチドを発現せしめる条件下で、請求項30に記載の宿主細胞をインキュベートした後に、前記ポリペプチドを精製することを備えた方法。
  32. 適切なリフォールディング条件下で、(i)と(ii)を混合することをさらに備えた、請求項31に記載の方法。
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