JP2005508434A - 複合材料接合用の改善された接着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は接着剤に関する。より具体的には、本発明は、熱硬化性プラスチック、熱可塑性プラスチック、金属、木材、セラミックその他の材料ならびに2以上の材料の組合わせを含む多様な材料の接合に使用される、常温硬化性の二液型メタクリレート系接着剤に関する。本発明は、必要な表面調製を最小限に抑えて、或る種の難接合性複合材料に対する接着剤の接合能力を著しく改善する。本発明の別の特徴は、硬化した接着剤の弾性 (エラスティック) 挙動が高度であることと、硬化した接着剤材料が高温または長期エージングに曝された後もその弾性挙動の高い割合を保持できることである。
【背景技術】
【0002】
一般的な常温硬化性の二液型反応性接着剤は、エポキシ系、ポリウレタン系およびアクリル系の3種類に大別される。これらの従来の接着剤と新発明の接着剤の説明は構造用途であることに力点が置かれており、構造用接着剤では、1つのアセンブリを構成する2つの構造部材の間に非常に強い結合が得られ、この結合はアセンブリが破壊する前に材料破壊が生ずるほど強いことがよくある。しかし、それらの接着剤材料はどれも、要求がさほど厳しくない用途にも使用されることがあり、現に有利に使用されている。その場合には、特定の接着剤の1または2以上の利点が具体的な接合要件を満たす。
【0003】
エポキシ系接着剤は、汎用の構造用接着剤として最も早くからあって、最も良く知られ、かつ最も一般的なものであるが、これはエポキシ樹脂の接着剤成分と、アミン、ポリアミド、またはアミン/ポリアミド混合物の硬化剤成分とから構成される。ポリメルカプタン硬化剤を用いると、より速く硬化するエポキシ組成物とすることができるが、この硬化剤は一般にはポリアミドおよびアミン硬化剤と併用される。
【0004】
ポリウレタン系接着剤は一般に、イソシアネート末端ポリオールと、ポリオールまたはアミンまたはポリオール/アミン混合物からなる硬化剤または硬化性成分とから構成される。
【0005】
エポキシ系およびポリウレタン系の接着剤は、混合後に、重合反応に加えて、硬化剤成分とエポキシまたはポリウレタン樹脂成分との反応が起こった時に硬化する。
エポキシ系やポリウレタン系と同じ用途に使用されているメタクリレート系またはアクリル系接着剤は、エラストマーまたは熱可塑性樹脂またはそれらの混合物がメチルメタクリレートのようなモノマー中に溶解したモノマー中ポリマー溶液から一般に構成される。硬化は、このモノマー中ポリマー混合物に過酸化物とアミンとの混合物を導入してラジカル(遊離基)硬化反応を開始させた時に達成される。一般に、接着剤成分はアミンと過酸化物のいずれか一方の成分を含有し、反応相手の他方の過酸化物またはアミン成分は接合の直前に接着剤と混合される。
【0006】
上記3種類の一般的な反応性接着剤にはそれぞれ固有の利点と欠点とがある。例えば、エポキシ系は安全で混合と塗布が比較的容易であるという特長を持つ傾向があるが、やや剛直で、接合すべき表面の清浄さに敏感であるという傾向も併せ持つ。ポリウレタン系は一般に柔軟性 (可撓性) と弾性が非常に高いと考えられているが、表面の汚染、水分および湿度に敏感であるという難点もある。以上の2種類の接着剤はどちらも、速硬化性の製品は混合後のオープンタイム(塗布してから張り合わせるまでの時間)が非常に短くなる傾向があり、一方、より許容できるオープンタイムを持つ製品は硬化時間が非常に長いという制約がある。この制約は、これらの接着剤の硬化反応である付加重合反応の特徴である線状反応機構のために課せられるものである。
【0007】
硬化した接着剤と生成した結合の特性に関して、エポキシ系は、その高い弾性率(モジュラス)および剛性と得られた高い重ね(ラップ)剪断強度のために非常に強力であると考えられている。エポキシ系は、金属表面へのそれらの高い親和性と高い剪断強度のために、一般に金属の接合用に推奨される。しかし、それらの剛直性のために、接着剤結合に柔軟性が要求される用途におけるそれらの有用性は制限される。エポキシ系はまた熱可塑性プラスチック材料の接合能力も限られていた。
【0008】
ポリウレタン系は、エポキシ系に比べて、弾性、靱性および柔軟性(可撓性)が一般にずっと大きい。弾性、靱性および柔軟性は、接着剤結合が剥離もしくは衝撃力を受ける時、ならびに結合および結合したアセンブリが動的疲労応力を受ける時には有利に作用する。しかし、ポリウレタン系は、金属の接合にはエポキシ系ほど有用ではなく、曲げおよび衝撃応力に曝される用途におけるプラスチック材料の接合に一般により好適である。
【0009】
二液型アクリル系またはメタクリレート系接着剤はエポキシ系およびポリウレタン系の主要な欠点の2つを克服する。それらは、清浄ではないか、または調製されていない表面の許容度がずっと高く、オープンタイムや硬化速度に関して硬化プロファイルがずっと有利である。さらに、それらは金属およびプラスチック表面に対する親和性がエポキシ系またはポリウレタン系のいずれかと同等かそれより良好である。しかし、或る種の材料、特に或る種の複合材料は、「受け取ったまま」の状態では接合が困難である。具体例としては、小型船舶(ボート)や他の屋外天候に曝される構造物に使用されるガラス繊維強化ポリエステル (FRP)複合材料の外面または「見せる」表面を構成する、高度に架橋した不活性なポリエステル・コンパウンドである、或る種のゲルコートが挙げられる。
【0010】
別の例は、FRP複合構造物の製造に使われる開放式金型成形法(open molded process) 以外の方法により成形される材料である、密閉式金型成形(closd molded)ポリエステル複合材料である。密閉成形方法および材料の例は、シート成形用コンパウンド (SMC) 、樹脂トランスファー成形 (RTM) された複合材料、および引抜き成形された複合材料である。
【0011】
密閉式金型成形法の本質的な点は、(1) この種の方法は、ポリエステル複合成形品の製造に伴うポリエステル樹脂中のスチレン成分の放出とそれへの作業員露出が低減するため、開放式金型成形法に急速に取って変わりつつあることと、(2) この種の材料が一般に、接着剤の硬化前に接合表面を普通は軟化させるか、それに浸透するメタクリレートモノマーの溶媒和作用に対する耐性により特徴づけられることである。また、これらの材料の多くは、塗装のための平滑表面を付与するために加工助剤を使用する。これらの材料も接合方法を妨害することがある。
【0012】
部品を製作するのに使われた金型からの部品の脱型を容易にするために、別の材料が使用される。そのような材料は成形用コンパウンドに直接添加されることがよくあり、その場合にはこれらは「内部」離型剤と呼ばれる。別の材料は成形前の金型表面に噴霧することにより使用できる。これらの材料は「外部」離型剤と呼ばれる。このような加工助剤はいずれも、強力な接着接合の形成を妨害することがある。
【0013】
従来のメタクリレート系接着剤による上記材料の接合において経験されてきた各種の問題点、ならびに、それらの接着剤を使用するのに必要となる、グリットブラスト、研磨、溶媒塗りつけ (ワイピング) 、および下塗りを包含する追加の望ましくない処理工程については、米国特許第3,838,093 号に詳述されている。これについて、以下にさらに説明する。
【0014】
標準的なDGEBA(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル)樹脂を基材とし、アミン、ポリアミドおよび特定の性質を付与するのに用いる他の添加剤の組合わせを主成分とする硬化剤で硬化させたエポキシ系接着剤は、或る種の密閉成形複合材料を接合するのに有効に使用されてきた。しかし、このような接着剤は室温では完全には硬化せず、それらの十分な物理的強度を発現させるには熱的な後硬化が一般に必要である。
【0015】
ポリウレタン接着剤技術の最近の発展は、例えば、米国特許第5,340,901 号および第5,548,056 号に開示されているように、これらの複合材料への接着性を改善することに向けられてきた。しかし、エポキシ系接着剤と同様に、これらの材料は熱的な後硬化を必要とすることが多い。ポリウレタンが室温でその十分な物理的強度を最終的には確かに発現する場合であっても、そのような後硬化が、プロセス速度の要求を満たすため、または複合材表面への十分な、もしくは信頼性もしくは再現性のある接着を発現させるため、あるいはその両方のために必要となることがある。室温で接着性を発現させるため溶剤系プライマーを使用する場合もあるが、これは環境と健康の理由で望ましいものではない。
【0016】
エポキシ系およびポリウレタン系接着剤の別の問題点は、開放成形複合材表面への接合能力が限られていることである。複合材料の開放成形品は、開放式金型内でガラス繊維の織布および細断品 (チョップドガラス繊維) をポリエステル積層 (ラミネート) 用樹脂と混合するスプレイ法とロール塗布法の組合わせを用いることにより作製される。成形品の形状の金型にまず、平滑で光沢のある外面、即ち、「見せる」表面を形成する高度に架橋した顔料着色樹脂のゲルまたは外面被膜をスプレイする。その後、積層用樹脂とガラス繊維を、所望の部品厚みが達成されるまで一緒に次々に塗布していく。成形品をできるだけすばやく脱型して、それをアセンブリ・エリアに移動させることができることが望ましい。この時点、そしてその後も数時間の間は、樹脂は完全には硬化しておらず、重合過程の最終段階が進行する間は「生 (グリーン) 」であると呼ばれる。この段階では、露出した、即ち、「未加工の」樹脂表面は慣用のエポキシまたはポリウレタン系接着剤で接合することは困難または不可能である。
【0017】
このように、エポキシ系およびポリウレタン系はこれらの樹脂構造物のゲルコートまたは見せる表面を接合できる場合もあるが、たいていの場合は、未加工の表面をそれ自体に、またはゲルコート表面に接合することが必要である。メタクリレート系接着剤は、生の状態でも未加工のガラス繊維表面を接合することができるという、その能力のために、普及と利用が増大してきた。しかし、近年ゲルコート材料の組成の改善と変化が行われてきたため、メタクリレート系接着剤が、それらを特に「受入れたまま」の状態で接合する能力が予測しにくくなってきた。
【0018】
より最近の一部のアクリルまたはメタクリレート系接着剤の顕著な特性は、弾性、靱性および柔軟性がエポキシより大きく、ポリウレタンのそれに近づきつつあることである。しかし、全てのメタクリレート系接着剤がそのような弾性、靱性および柔軟性を最初から示すのではなく、また、そのような特性を示すものの多くが、長期間にわたって、または高温に加熱された時にそれらの特性を保持することができない。そのような弾性の低下は、高温に露出されたことのない組成物から製造したフィルムの体積応力−歪み特性を、各種温度での短時間または長時間の露出を受けさせた類似のフィルムと比較することにより実証することができる。高温に短時間曝した時に起こる弾性の低下は、硬化過程の継続、即ち「後硬化」過程の結果である場合がある。硬化組成物をそのガラス転移温度 (Tg) 以上に加熱した場合には、該組成中においてガラス質とゴム質の成分またはドメインの相分布における何らかの物理的変化が起こることがあるとも考えられている。高温に長時間曝すことで起こる弾性の低下は、上述した後硬化または物理的過程のいずれかの結果であることもあるが、ポリマー構造に悪影響を及ぼす酸化もしくは他の熱誘起反応に起因する化学的劣化の結果であることもある。
【0019】
本発明の改善は、高温に比較的短時間露出するか、室温に長時間露出した後の後硬化または物理的変化の結果として起こる変化に主に向けられている。酸化または他の熱的劣化過程に対する耐性は、当業者には周知の他の化学処方の原理に属する。
【0020】
これらの現象の実際の表れとしては、接合したアセンブリが老化するにつれて接着接合部が剥離または衝撃力に耐える能力が潜在的に低下すること、あるいは厚い断面部分の中心部における硬化組成物の弾性の低下もしくは硬度の増大、が挙げられる。後者の現象は、重合中の組成物が発生する発熱により温度が硬化した組成のTgに近づくか、それを超えるレベルまで上昇した時に起こると考えられる。接着剤の初期の硬化期の間または後に起こる物理的変化の原因が何であれ、接着剤の最終的な物理的および弾性の特性は、問題の材料を高温に短時間露出することにより一般に予測することができる。この目的での典型的な熱露出は約70℃ないし約100 ℃の範囲の温度で30分ないし数時間加熱することである。
【0021】
複合材構造物の製作における接着剤の使用が増えるにつれて、設計技術者たちは、その構造物の一体部分となる接着剤の物理的特性を確実に予測する必要性に気づくことが増えている。この点に関して、接着剤は一般にそれらの引張り強度、モジュラス(modulus) もしくはスチフネス(stiffness) 、ならびに弾性特性により特徴づけられる。場合によっては、接合部に高度の耐荷重 (耐力) の可能性を付与するために、剛性 (スチフネス) が高めの接着剤が望まれる。別の場合には、衝撃、振動および疲労荷重に耐えるために、柔軟性または弾性が高めの接合部が必要となることがある。高速道路の高架橋工事といった土木工学用途では、やや剛性が高い接合が望ましいかもしれない。しかし、熱的サイクルと、それにより生ずる接合した成分の膨張の差の結果として起こる接合応力に耐えるために、接着剤は弾性挙動の程度が予測可能であることも重要である。また、橋を通る車両の通行により加わる構造物の繰り返しの荷重負荷にも耐える必要がある。極端な場合、土木工学構造物に加わる地震荷重は、接着剤と生成した接合部の破壊点応力の能力が最大となることを要求する。
【0022】
他方、小型船舶 (ボート類) の製作では、柔軟性がより高い接着剤が望ましいことが多い。1例は、ボート船体の構造製作における縦材 (ストリンガ) または内張り材 (ライナー) の接合である。この用途においては、ボートを波の荒い荒れた水面の上を高速で操縦する時に接合部には過酷な剪断、剥離および衝撃荷重の組合わせが加わることがある。柔軟な接着剤は、接合部に負荷された剥離および衝撃荷重に耐え、かつ接合部が繰り返し荷重を受ける際に接合部に伝わるエネルギーを減衰させることにより非常に耐久性のある接合部を形成することができる。
【0023】
これらのいずれの場合においても、接着剤はその構造物の寿命までの間、物理的特性、特に衝撃および疲労荷重に耐える能力を保持することができることが肝要である。また、多様な用途に対して所望の程度の剛性と柔軟性を与えるように、接着剤の成分を調整できることも重要である。
【0024】
多様な複合材表面を受入れたままの状態で、すばやく、かつ完全な硬化または十分な接着剤の結合強度の発現のために加熱を必要とせずに、確実かつ予測可能に接合する接着剤が求められていることは以上の説明から明らかである。そのような接着剤にとって、金属、熱可塑性プラスチック、木材等の他の構造材料を接合することも望ましい。さらに、そのような接着剤が高度で予測可能な程度の弾性を有し、硬化過程または使用中に高温に曝された時にその弾性を保持することも望ましい。
【0025】
本発明の改善により得られる利点は、構造用接着剤による接合の用途にあてはまる。しかし、ここに開示した組成物は、エポキシ系、ポリウレタン系、メタクリレート系およびポリエステル系樹脂が使用されている他の多くの用途にも有用となりうる。そのような用途の1つはコーティングである。コーティングの具体的な1例は、FRP又は複合材の橋梁路床をはじめとする橋梁路床(bridge deck) の車道表面である。そのような橋梁路床は、本発明の接着剤組成物を包含する接着剤を用いて作られ、かつ集成されることがある。そのようなコーティングは、橋梁路床上層材 (オーバーレイ) と呼ばれることが多い。
【0026】
FRPまたは複合材の橋梁および橋梁路床は、錆や過酷な気候での腐食に対する耐性をはじめとする多くの理由により、従来の鉄鋼とコンクリートの構造物の代替材として開発された。それらは、鉄鋼とコンクリートの構造物に比べて軽量かつ高強度であることから、古くなって劣化した橋梁構造物の再建に特に有用となる。複合材路床は、構造物全体を取り替えずに、既存の劣化した構造物からなるコンクリートと鉄鋼の路床を取り替えるのに使用することができる。複合材路床の軽量と同等またはそれ以上の耐荷重能力のため、橋梁の他の劣化した構造支持部材を交換しなくても、橋梁が既存の構造物と同じ通行荷重を支持することが可能となる。
【0027】
再建した橋、ならびに新設および交換した橋は、従来の橋より短期間に、かつ交通妨害をより少なくして設置することができる。この技術思想の他の利点は説明できないほど多くあり、本発明の範囲を超えている。しかし、これらの用途の1つの共通の問題は、橋梁路床の歩道または車道表面の取り替えの最終工程である。
【0028】
既存の橋梁用再舗装材料は、ポリマーラテックス変性コンクリートまたは骨材の結合剤としてエポキシ樹脂もしくはポリエステル樹脂を用いた骨材組成物と、舗装面を橋梁路床に固着させるための接着剤とから一般に構成される。これらの材料はもともとは従来のコンクリートまたはアスファルトの橋梁路床を再舗装するために開発され、使用されてきた。これらの材料を複合材料の橋梁路床に適用すると、複合材路床に対する熱膨張率のミスマッチ、靱性と柔軟性が不十分、貧弱もしくはぎりぎり合格の接着性、ならびに混合と施行が複雑といった点を含む多くの理由から、決して満足できるものではなかった。
【0029】
接着剤としての本発明の利点、即ち、弾性と靱性、および弾性と靱性の保持と、難接合性の複合材料を含む多くの表面を接合できる能力との両立、は橋梁の車道表面の取り替えに有用である。その靱性、柔軟性および亀裂抵抗 (耐クラッキング性) はまた、既存のコンクリートおよびアスファルトの橋梁路床の修復用のオーバーレイ・コーティングに対しても潜在的な利点を与える。この場合、コーティングは、交通の摩耗面と、舗装の下側のコンクリートおよび金属の橋梁構造物を損傷する可能性がある水分、塩および他の損傷性成分の侵入を防止するためのシール材の両方としての機能を果たすことができる。この用途にとって、水分または着氷防止化学薬品、油類もしくは燃料といった損傷性成分のコーティングへの浸透を可能にするひび割れや他のあらゆる種類の一体性の低下に対してコーティングが抵抗して耐えることが肝要である。そのような浸透は遂にはオーバーレイの結合の消失や、および/または橋梁路床および支持構造物の構造部材の損傷に至ることがある。
【0030】
米国特許第3,333,025 号は、メチルメタクリレートモノマー、スチレンモノマー、ポリクロロプレン、および場合により不飽和ポリエステル樹脂の混合物を基材とする重合性接着剤の接着性における改善を開示している。
【0031】
米国特許第3,838,093 号は、上記'025号米国特許の接着剤を包含する接着剤によるガラス繊維強化ポリエステル (FRP) 基体の接合に関連する問題点を記載している。これはまた、プライマーとしてイソシアネートおよびポリオール成分を主成分とするプライマーの組成を開示しており、ここではプライマーは効果的に塗布するために揮発性有機溶剤を必要とする。この米国特許はさらに、プライマーを室温で72時間まで放置するか、またはプライマーを塗布した基体を華氏 200〜280 度の加熱器内で焼付けることにより、プライマーを硬化させる必要があることも開示している。
【0032】
米国特許第3,890,407 号は、メチルメタクリレート (MMA) モノマー中のクロロスルホン化ポリエチレン (CSPE) の混合物からなる、改善された接着性を持つメタクリレート系接着剤を開示している。開示された組成物の中には、MMA中のハイパロン(Hypalon) 20およびハイパロン30のCSPEと、接着剤組成物を完結させるための他の添加成分との混合物がある。記載されている改善としては、硬化速度の増大、非清浄もしくは非調製表面への接着性の改善、ならびに高い結合強度がある。
【0033】
米国特許第4,126,504 号は、ポリクロロプレン、クロロスルホン化ポリエチレン、およびブタジエン/アクリロニトリルを包含する多様なポリマーを含有するメタクリレートモノマー系接着剤を開示している。この米国特許はそのようなポリマーの混合物を採用できることを示唆しているが、ポリマーの特定の混合物もしくは組合わせを記載または特許請求しておらず、またそのような混合物の使用により得ることができる特定の利点を示唆ないし開示していない。特に、これはポリクロロプレンまたは塩素化ポリエチレンポリマーとブタジエン−アクリロニトリルポリマーとの混合物を示唆していない。
【0034】
米国特許第5,206,288 号は、多数のエラストマーをコア−シェル型耐衝撃性改良剤と別々にブレンドした混合物を主成分とするメタクリレート系接着剤を開示している。これらの接着剤は、特に室温において高度の靱性と柔軟性を示す。ポリクロロプレンおよびブタジエン−アクリロニトリルのエラストマーを個別にコア−シェル型耐衝撃性改良剤と組合わせることは開示されているが、これらのエラストマーのブレンドを該耐衝撃性改良剤と組合わせて使用することは示唆がない。
【発明の開示】
【0035】
ポリクロロプレン、塩素化ポリエチレンおよびクロロスルホン化ポリエチレンといった塩素化ポリマーをブタジエン−アクリロニトリルエラストマーおよびメタクリレートモノマーおよび遊離基 (フリーラジカル) 触媒とブレンドして重合性メタクリレート系接着剤とすることにより、ユニークかつ非常に有益な接着特性を得ることができることがここに見出された。そのような接着剤は、徹底した表面調製を必要とせずに、難接合性複合材の表面に対して優れた接着性を示す。さらに、この接着剤は高度の弾性を示し、熱に露出した後もその弾性を保持している。
【0036】
本発明の接着剤は、約1〜約45重量%、好ましくは約2〜約35重量%、特に好ましくは約5〜約25重量%の塩素化ポリマー、好ましくは塩素化エラストマーポリマー、約1〜約45重量%、好ましくは約1〜約25重量%、特に好ましくは約1〜約20重量%のニトリルエラストマー、ゴム変性アクリロニトリルコポリマー、もしくはそれらの混合物、ならびに約25〜約90重量%のアルキルアクリレートもしくはメタクリレートモノマー、好ましくはC1 〜C5 アルキルアクリレートもしくはメタクリレートモノマー、の組合わせを包含する。
【0037】
別の好ましい態様において、本発明の接着剤は、約1〜約45%、好ましくは約5〜約25の塩素化エラストマーポリマー、約1〜約45%、好ましくは約1〜約25%のニトリルエラストマー、約0.01〜約30%、好ましくは約0.01〜約20%のコア−シェル型耐衝撃性改良剤をメタクリレートモノマーまたは2種以上のメタクリレートモノマーの混合物と組合わせた混合物を包含する。好ましいモノマーは、組成物の約25〜約90重量%、好ましくは約40〜約90重量%、特に好ましくは約50〜約85重量%を占めるC1 〜C5 アルキルアクリレートもしくはメタクリレートモノマーである。最も好ましいモノマーはメチルメタクリレートモノマーである。別の有用なモノマーは、組成物の0.01〜約25%、好ましくは0.01〜約15%を占めることができるC6 またはそれより高級のメタクリレートモノマーである。この組成物はさらに、0〜約15%、好ましくは0.01〜約10%の重合性有機酸モノマーを含有しうる。この組成物は遊離基発生触媒系で硬化させる。
【0038】
本発明の好ましいモノマーは、アルキルメタクリレートモノマーであるが、例えばアクリレートモノマーといった他のモノマーも組成物中に有利に使用できる場合がある。同様に、アクリレートメタクリレート以外のメタクリレートまたはアクリレートモノマーも、特定の特性を付与するために各種の割合で使用できる場合がある。スチレンおよびスチレンから誘導されたモノマーをはじめとする他の相溶性のある重合性ビニルモノマーも同様である。
【0039】
本発明の接着剤組成物は、接合前の表面調製の有無にかかわらず、或る種の難接合複合材料を含む多様な複合材料、ならびに多様な他の材料を単独または組合わせて接合できることを特徴とする。この接着剤はさらに、高度の弾性と、その弾性挙動を高温に曝した後または周囲条件下で長期エージング後も保持できることをさらに特徴とする。
【0040】
本発明の必須の特色は、塩素化ポリマー、好ましくは塩素化エラストマー性ポリマーを、アクリロニトリルとブタジエンもしくはイソプレンとの、またはブタジエンとイソプレンの混合物とのコポリマーと組合わせて、メタクリレート系接着剤のエラストマー性成分として使用することである。
【0041】
本発明の好ましい塩素化エラストマーポリマーはポリクロロプレン、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、他の塩素化炭化水素ポリマー、塩素化ゴム、エピクロロヒドリンポリマー、または約20〜約55%の塩素、好ましくは約25〜約45%の塩素を含有する他のポリマーである。好ましいクロロスルホン化ポリエチレンポリマーの例は、ハイパロン20、ハイパロン30、ハイパロン40およびハイパロン48である。好ましい塩素化ポリエチレンポリマーの例は、タイリン(Tyrin) 3615、タイリン4211、およびタイリン4215である。好ましいポリクロロプレンポリオレフィンの例は、ネオプレンAD-5, AD-10, AD-20および他の接着剤用および非接着剤用のポリクロロプレンポリマーである。これらの塩素化ポリマーは全て、工業製造業者の中でもとりわけデュポン・ダウエラストマー社から入手できる。
【0042】
ポリ塩化ビニル(PVC)または塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマーのような塩化ビニルコポリマーといった塩素化ポリマーも使用できる。未変性のポリ塩化ビニルは本発明のメタクリレートモノマー中に易溶ではないが、高剪断の条件下では分散させうる。他方、コポリマーは易溶性である。ポリ塩化ビニルポリマーの別の有用な混入方法は、ニトリルエラストマー/PVCブレンドを添加することである。ニトリルエラストマーを典型的には約20〜約80%、好ましくは約30〜約70%含有しているそのようなブレンドは、ゼオン・ケミカルズ(Zeon Chemicals)社より商品名ニポール(Nipol) として販売されている。具体例は、70/30ニトリル−PVCブレンドのニポールP-70および50/50ブレンドのニポール503 F1である。
【0043】
本発明のニトリルエラストマーポリマーは、アクリロニトリル含有量が約15〜約50%、好ましくは約18〜約45%のブタジエン−アクリロニトリルまたはブタジエン−イソプレン−アクリロニトリルポリマーである。ニトリルポリマー主鎖の残りは、典型的には、ブタジエンまたはブタジエンとイソプレンとの混合物である。このポリマーのガラス転移温度 (Tg ) は約−50〜約0℃、好ましくは約−40〜約−10℃の範囲である。このようなポリマーの例としては、ゼオン社から入手しうる、ニポールDN 401LL、ニポールDN 1201L、ニポール1401LG、ニポール1472およびニポールDN 4555 といったポリマーが挙げられる。
【0044】
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン (ABS) およびメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン (MABS) の溶液用または成形用樹脂をはじめとする或る種のゴム変性アクリロニトリルコポリマーも本発明の有用な成分であるが、それらはブタジエン−アクリロニトリルまたはブタジエン−イソプレン−アクリロニトリルエラストマーと組合わせて使用する時に最も有効である。本発明の塩素化およびニトリルエラストマーと併用するのに有用な溶液用または成形用樹脂は、典型的には約5〜約50%、好ましくは約5〜約30%のブタジエンを含有し、ポリマーの残部はスチレンとアクリロニトリル、またはスチレンとアクリロニトリルとメチルメタクリレートを主成分とする。他のスチレンまたはビニルモノマーも使用できる。ポリマーの組成範囲とそれらの製造に使用する各種方法の説明は、米国特許第4,233,418 号に記載されている。
【0045】
1つの有用なABS樹脂はゼネラル・エレクトリック社により供給されるブレンデックス(Blendex) ADG-21である。これはABSパイプ用の溶剤セメントの製造用に販売されている溶液用樹脂である。この樹脂は約35.5%のアクリロニトリル、約7.5 %のブタジエンおよび約60%のスチレンを含有する。有用なMABS樹脂はバスフ(BASF)社製のテルラックス(Terlux) 2812 TRであり、これは高度の透明性と物理的性質の保持が要求される成形用途用に市販されている特別な透明用樹脂である。これは密度が1.08 g/cc 、引張強度が5,988 psi 、および引張弾性率が278,200 psi である。本発明で有用なABSおよびMABSポリマーの範囲から、以上の例示は制限するものではないことは明らかである。例えば、ABSおよびMABSの溶液用および成形用樹脂は典型的には実質部分の遊離スチレン−アクリロニトリルコポリマー (SAN) を含有しているので、SANコポリマーもまた有効な成分である。
【0046】
使用する場合、これらのポリマーは本発明の接着剤組成物の約0.01〜約30%、好ましくは約2〜約25%の量で配合しうる。
他のポリマー材料も本発明の組成物中に有利に使用できることがある。例えば、コア−シェル型耐衝撃性改良剤は、望ましい垂れ落ちないレオロジー特性を付与するために使用することができ、これは他の望ましい接着または機械的性質の特性を付与することもできる。そのようなポリマーの例は、コア−シェル型のMABS、ABSまたはMBSポリマー耐衝撃性改良剤である。MBSポリマーは米国特許第4,304,709 号 (参考として援用する) に記載されているものに似ている。MBSポリマーは、ポリブタジエンまたはポリブタジエンコポリマーゴムの存在下でメチルメタクリレートモノマーおよびスチレンを重合させることにより一般に製造される。
【0047】
ABSおよびMABS系の耐衝撃性改良剤は、メチルメタクリレートモノマーをそれぞれアクリロニトリルまたはアクリロニトリルとメチルメタクリレートモノマーとの混合物に置き換えて、上と同様の方法により製造される。これらのポリマーは、米国特許第4,513,108 号 (参考として援用する) に記載されている。ABS耐衝撃性改良剤の1例はゼネラル・エレクトリック社製のブレンデックス338 である。
【0048】
本発明の別のオプションの特色は、混合アクリレートまたはメタクリレートモノマー組成物の使用である。このモノマー組成物の主成分はメチルもしくはエチルメタクリレートまたはアルコール部分の炭素数が5以下の他のアクリレートもしくはメタクリレートであるだろうが、これらのモノマーはC6 以上のアクリレートまたはメタクリレートといったより長鎖のモノマーと組合わせてもよい。最も好ましい、より長鎖のアクリレートおよびメタクリレートはドデシル (C12、ラウリルとも呼ばれる) およびステアリルメタクリレートであり、線状 (直鎖) 脂肪族アルコールを主成分とするものでよい。他の好ましいこの群のモノマーは、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、オクタデシル、ならびに炭素数が約24までの脂肪族アルコール群との他の類似のモノマーである。組成物に使用する短鎖と長鎖のアクリレートまたはメタクリレートモノマーの相対的な量は、その使用目的に依存する。
【0049】
長鎖メタクリレートモノマーは一般に硬化した接着剤組成物の柔軟性と靱性を高める。それらはまた、接着剤組成物の特定の基体または基体群に対する親和性を増減させることにより、組成物の接着特性に影響を及ぼすこともある。一般に、メチルメタクリレートの量が多くなると、モジュラスとスチフネスが高くなり、靱性と柔軟性は低下する。長鎖モノマーの量は、スチフネスとモジュラスを著しく低下させずに、所望レベルの柔軟性と靱性を達成するように選択する。また、長鎖メタクリレートモノマーの量は、他の望ましい接着特性に著しく、そしてネガティブに影響することなく、望ましい接着特性を達成するように選択される。
【0050】
長鎖のアクリルまたはメタクリレートモノマーの別の機能は、モノマー混合物の揮発性を低減させることにより接着剤のオープンタイムを延長することである。オープンタイムをさらに延長するために、天然または合成ワックスを約 0.1〜2%またはそれ以上の範囲の量で添加してもよい。このようなワックスを添加すると、未乾燥の接着剤層の表面からのモノマーの蒸発速度を低下させるためのバリアーとして作用することによってもオープンタイムがさらに延長される。
【0051】
本発明の好ましいモノマーはアルキルメタクリレートモノマーである。しかし、アクリレートモノマーも組成物中に有利に使用できる場合もある。また、アルキルメタクリレート以外のメタクリレートまたはアクリレートモノマーも特定の特性を付与するために多様な量で使用しうる。他の有用なモノマーの例は、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルメタクリレートおよびアクリレートのようなヒドロキシ置換モノマー類、テトラヒドロフルフリルアクリレートおよびメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートならびにメトキシエチルメタクリレートである。エポキシおよびポリウレタン主鎖から誘導されたものをはじめとする、2官能性架橋用モノマーおよびオリゴマーも本発明の組成物中に有利に使用することができる。利用可能なモノマーおよびオリゴマーの一般的な選択は当業者には周知であり、米国特許第5,935,711 号に概説されている。
【0052】
使用する場合、C1 〜C5 アルキルアクリレートおよびメタクリレート以外のモノマーは、ポリマーおよびモノマー組成物の約0.01〜約25%、好ましくは約0.5 〜約15%の範囲の量で添加される。
【0053】
特に金属への接着をさらに促進させるため、メタクリル酸のような重合性の酸を全組成物に基づいて約0.01〜約15%の範囲の量で存在させることが好ましい。他の有用な重合性の酸は、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、および当業者には周知のこの種の他の共重合性不飽和酸である。
【0054】
接着剤の粘度をコントロールするために、オルガノクレイ、ヒュームドシリカなどの各種の粘度調整剤を、系の重量に基づいて約0.1 〜約10%の範囲の量で添加してもよい。接着剤のコスト低減または収縮もしくは発熱特性といったある種の物理的性質を変化させるために追加の充填剤をかなり多量に添加してもよい。この場合、充填剤または増量剤は上述した基本のポリマーおよびモノマー組成物に対する添加剤として別個に考慮されることになる。
【0055】
クレイ、タルク、炭酸カルシウム、シリカおよびアルミナ三水和物といった普通の粒子状の充填剤または増量剤を、特定の経済上、塗装上または結合状での特性を得るために重量で組成物の約50%まで、またはそれ以上の量で添加することができる。無機または有機微球またはマイクロバルーンも、接着剤の密度とコストの低減のため、ならびに自動車車体補修製品のような補修材料として使用する場合のサンディング (研磨) または仕上げ特性を改善するために使用してもよい。
【0056】
本発明の組成物の重合および硬化を引き起こすために任意の数の入手可能で周知の触媒を選択してもよい。硬化系の各種成分 (触媒、開始剤、活性剤、助触媒) を記述する用語は、しばしば相互に交換可能に使用されるので、以下で使用している用語が本技術分野で使用されている別の記載とは異なることもある。
【0057】
一般に、選択する触媒は遊離基発生触媒である。この種の触媒の例は、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ジクミル、tert−ブチルペルオキシド・アセテート、過安息香酸tert−ブチル、ジtert−ブチルアゾジイソブチロニトリルなどである。これらの遊離基生成触媒は接着剤組成物の重量に基づいて約0.01〜約10重量%の量で使用される。好ましくは、触媒の使用量は約0.05〜約5重量%であろう。
【0058】
触媒の反応性を促進または向上させる他の成分は開始剤もしくは活性剤ならびに助触媒 (プロモータ) である。開始剤もしくは活性剤は接着剤の重量に基づいて約15重量%までの量で添加される。好ましい量は0.01〜約5%である。相互に交換可能に使用されることが多い開始剤および活性剤としては、第三アミンおよびアルデヒド−アミン反応生成物が挙げられる。有用な第三アミンとしては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルトルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)トルイジン等が挙げられる。
【0059】
アルデヒド−アミン反応生成物としては、その活性成分がアルデヒド3モルとアミン1モルとの縮合により生成したジヒドロピリジン(DHP)である、ブチルアルデヒド−アニリンおよびブチルアルデヒド−ブチルアミン誘導体のような組成物が挙げられる。より最近には、これらの組成物のDHP濃化バージョンが入手可能となった。このような材料の1例はレイリー・インダストリーズ社(Reilly Industries, Inc.) から入手できるレイルキャト(Reillcat) ASY-2である。米国特許第3,890,407 号および第4,182,644 号に記載されているように、この触媒または開始剤系は塩化スルホニル化合物およびヒドロペルオキシドと組合わせて使用されることが非常に多い。
【0060】
クロロスルホン化ポリエチレン、クメンヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド化合物、および触媒/開始剤系としてDHPを利用した組成物は、一般に2つの方法のいずれかで混合および塗布される。その1つは塩素化ポリエチレンとヒドロペルオキシドを他の全ての接着剤成分と一緒に単一のモノマー中ポリマー組成物に含有させることである。残るDHPは、刷毛塗り、ロール塗布またはスプレイ塗布により接合表面に塗布することができる。この方法は、上掲の'407号米国特許に開示された好ましい方法であった。最もポピュラーな現在の工業的な使用方法は、クロロスルホン化ポリエチレンとヒドロペルオキシドを一方のモノマー中ポリマー溶液 (接着剤部分) に含有させ、DHPを他方の処方されたモノマー中ポリマー溶液 (活性剤部分) に添加した1:1混合比の接着剤を処方することである。実施例に開示した組成物はいずれの方法でも利用することができるが、処方成分の割合を特定するため、便宜上、単一溶液ブレンドとして示している。
【0061】
助触媒は、ナフテン酸コバルト、ニッケル、マンガンもしくは鉄、オクタン酸銅、銅アセチルアセトナート、ヘキサン酸鉄、またはプロピオン酸鉄のような遷移金属の有機塩である。助触媒は硬化速度を高めるために使用される。助触媒の硬化は系ごとに大きく変動するが、その使用量は約1〜2重量%までの量、好ましくは約1ppm から約0.5 重量%までの量である。最も好ましい量は約5ppm から約0.5 重量%までである。
【0062】
最も好ましい遊離基発生触媒系は、(1) 第三アミンを過酸化ベンジルまたは他の過酸化物と反応させる系、または(2) DHP誘導体を塩化スルホニル化合物およびヒドロペルオキシドと組合わせて室温フリーラジカル硬化を誘発させた系である。
【0063】
本発明の組成物は、主に接着剤の性質を改善するために開発された。しかし、それにより見出された改善によって、これらの製品は、補修材料、コーティング、バルク・キャスティング、および接着剤の用途を超えたかなり多くの他の用途に対して、同種の従来の製品より有利となる。
【0064】
1つの具体例は従来技術において述べた橋梁路床のオーバーレイ用途である。本発明の好ましい主成分、即ち、ポリ (メチルメタクリレート) 、ニトリルポリマーおよびエラストマー、ならびに塩素化ポリマーおよびエラストマーは、個々におよび集合して、そのようなオーバーレイが曝される悪影響の因子に本質的に耐えることができる。さらに、これらの成分は、それらの接着性、物理的および化学的な性質を最適にするために量および組成に関して容易に変更および調整することができ、それも全て本発明の範囲内である。表面調製をせずに複合材料および多様な他の材料を接合する能力、ならびに弾性特性の永久保持をはじめとする接着剤にとって重要なこれらの特性および利点の全てが、多数の他の用途 (その1例は橋梁路床のオーバーレイである) にもあてはまりうる。
【実施例】
【0065】
実施例で用いた材料と成分
【0066】
実施例で用いた試験基体
下記は本発明の接着剤の評価に用いた試験基体の概要説明である。材料の具体的な詳細と特定は具体的な実施例に示されている。
【0067】
【0068】
実施例で用いた処方組成物および混合法
特に指定しない限り、実験用接着剤を調製するのに、本技術分野で周知の技術を用いて、下記の操作を使用した。
【0069】
易溶性または易分散性のエラストマーおよび樹脂は、実験室用ロール練り機(roll mill) 上の金属カンまたはジャー内でメチルメタクリレート (MMA) モノマー中に溶解させて、原液を形成した。ポリマーとモノマーの割合は、逐次的な処方成分の添加および混合を可能にするのに好都合な作業粘度を与えるように選択した。MMA中15〜35重量%という典型的な溶液濃度が、50,000〜200,000 cps の範囲の最終溶液粘度を与えるように選択された。できあがった接着剤をMMAモノマーで希釈して最終的に粘度調整することができるように、濃度および粘度範囲がより高い原液を調製することが一般に好ましい。ポリマーとモノマーは、全てのポリマーが溶解し、未溶解材料の塊りまたは粒子が存在しなくなるまでロール練りした。
【0070】
実験用接着剤は、 100〜300 グラムの出来上がり接着剤量でプラスチックビーカー内にて調製した。出来上がった接着剤中のエラストマーの割合が所望の値となるのに必要な量で、十分な原液または2種以上の原液混合物をビーカーに添加した。
【0071】
粉末状の耐衝撃性改良剤を処方組成物に添加する場合には、これらはモノマー中ポリマーの溶液に、任意の他の非触媒液状成分と一緒に添加し、均一で時に粒のある(grainy)ペースト稠度が得られるまで高剪断実験室用ミキサーで混合した。耐衝撃性改良剤は混合物中に溶解しないが、かなり膨潤して接着剤にゲル用の稠度 (コンシステンシー) を付与する。一般に、耐衝撃性改良剤が混合物中に完全に分散するようになるのに十分に膨潤および軟化するには2ないし4時間が必要である。この時点で、高剪断条件下で2回目の接着剤の混合を行うと、滑らかなペーストが生成する。2回目の混合の最後に、残りの成分を添加し、接着剤中によく混合する。
【0072】
耐衝撃性改良剤を含有しない接着剤の調製は、エラストマーの原液の混合物に残りの成分を直接加えて、よく混合して、完成した接着剤を形成することにより行った。最終の粘度調整は、必要に応じてMMAモノマーまたはヒュームドシリカを添加することにより行った。
【0073】
実施例からの試験片の調製と試験
接着結合
金属と金属との重ね剪断結合は、呼称厚みが0.060 〜0.063 インチの1インチ×4インチの試験クーポン (短冊状試験片) どうしを接合することにより調製した。接着剤を、貼り合わせる各基体クーポンに、接着剤が試験片の一端の1インチ×1/2 インチの領域を完全にカバーするように均一に塗布して、接着剤層を形成した。接着剤の量は、クーポン同士を貼り合わせた時に、接合領域の全周辺からのはみ出しがあるように十分に過剰な量として、試験片が確実に完全に接合するようにした。
【0074】
この試験片を、金属固着用金型内に平行になるように整列させた。1/2 インチの重なり部分は、クーポンの厚みに応じて 0.006〜0.010 インチの均一な接合厚みとした。過剰な接着剤のはみ出しは、接着剤がまだ液状である間に接合部を乱すことなく慎重に除去した。接合は、接着剤が硬化するのに十分な時間、触らないように保った。
【0075】
この金属間の接着結合はASTM試験法D1002 に従って試験した。
接着剤重ね剪断結合は、プラスチックおよび複合材料のサンプルからも、それら同士を接合するか、または金属試験片に接合することにより調製した。接着剤は、2枚の基体片のそれぞれの端部の1/2 インチ平方または1インチ平方の領域のいずれかに同様に塗布した。複合材料基体の試験片はしばしば厚みが変動する。ステンレス鋼線のスペーシング・シム (はさみ部材) を用いて名目上の接合厚みが達成されるようにし、接合した試験片は帯状のプラスチック板を用いてこの試験片が均一に平行に配列するよう位置させた。
【0076】
結合はASTM法D5868 に従って試験し、結果を報告した。
場合によっては、プラスチック基体の厚みは、結合を圧縮剪断で試験するようにした。試験片を試験法D2564 に従って切断し、組立てた。この試験法を、試験片に接着剤を塗布した後、ステンレス鋼線シムを用いて、接合面が平行で平滑である場合に接合線厚みが約0.010 インチとなるようにした点において変更した。粗面または一様ではない表面を持つプラスチック試験片を接合する場合には、より太い鋼線スペーサーまたは許容できる結合厚みを維持する他の何らかの方法を用いた。いずれの場合も、各実施例には、使用した試験法ならびに接合前に表面の調製に用いたあらゆる処理が言及されている。
【0077】
重ね剪断の結合強度の結果を報告する場合、全実施例を通して、対応する破壊モードに対して下記の略号を用いる:
AF:接着剤破壊、接着剤が基体表面からきれいに分離する。
CF:凝集破壊、破壊が接着剤層内で起こり、どちらの基体表面にも接着剤の明確な層が残る。
TLCF:薄層凝集破壊、破壊は本質的には接着剤であるように見えるが、接着剤の大半は一方の表面に残り、他方の表面には接着剤の薄い残渣が残る。
FT又はDL:複合材基体の繊維断裂または層間剥離。
SF:接着剤の結合線での複合材基体の破断破壊および分離。接合の分離はない。
【0078】
実施例の接着剤の体積引張特性
本発明の組成物の弾性保持の改善を、ASTM試験法D638に従って接着剤の体積応力−歪み特性を測定することにより決定した。試験片は、十分な量の接着剤を混合して、直径約6〜7インチ、厚み0.0625インチの均一に平坦は接着剤の被膜を調製することにより作製した。被膜用の接着剤の調製・混合には下記の2つの方法のいずれかを用いた。
【0079】
第1の方法では、接着剤成分を特定の比率でビーカー内で単に手で混合することにより混合した。接着剤を十分に混合した後、ビーカーを減圧チャンバーに入れ、減圧を断続的に適用して、最後の1・2回の減圧の適用がそれ以上の泡立ち又は膨張を生じなくなるまで空気を除去した。その後、接着剤を、直径約12インチの2枚のガラスまたはプラスチックのプレート (その上に同様の寸法のマイラー(Mylar) 剥離フィルムを載せたもの) の一方に移した。接着剤はこのマイラーフィルムの中心に置き、残った他方のマイラーフィルムとプレートを接着剤の上に重ねて、均一に下向きにプレスして、被膜を広げた。金属シムをプレートの外周に沿って配置して、所望の被膜厚みを確保した。
【0080】
第2の方法では、市販または実験用接着剤を、ミックスパック社(Mix Pac Company) より市販されているもののような市販のプラスチック・カートリッジから、同じ製造業者により提供されるスタティック・ミキサーを通して、フィルム・プレートの中心に分配した。実験用接着剤成分は、サンプルを調製する前に、個々に上記のようにして脱気しておいた。
【0081】
この方法の変更例は、上記のように接着剤を混合および脱気し、それを1成分用コーキング・カートリッジにすばやく移して、フィルム・プレートに分配することである。
被膜を硬化させた後、プレートを取り外した。この被膜から試験法に規定されたダンベル型試験片を切り出したが、被膜の最もボイドのない部分から試験片を切り出すように気をつけた。ダンベル試験片を切り出す前に、被膜を室温または実施例に指定した高温で指定の時間硬化させた。各試験の数値は少なくとも8個、典型的には10個の別個の試験片の平均値である。
【0082】
下記の実施例において、接着剤成分は上述したようにして調製および混合した。特に指定しない限り、表示割合は全て重量%である。
実施例1
表1の結果は、ポリクロロプレンまたはネオプレンを含有する接着剤にニトリルエラストマーを添加することによる、接着剤組成物の引張り特性、特に引張り伸びの改善を例示している。比較例の1Aは、米国特許第5,206,288 号に開示された好ましい従来技術の組成物であり、ここでBTA 753 耐衝撃性改良剤は約70〜80%のポリブタジエンを含有し、Tgは約−80℃である。発明例の1Bおよび1Cにおいて、エラストマーまたはエラストマー含有ポリマーの合計量は比較例の1Aと同じである。発明例の1Dでは、エラストマーの合計量は比較例の1Aより少ない。
【0083】
【表1】
【0084】
発明例の1B〜1Dは多くの予測されない結果を示す。例1Bでは、Tgが−35℃のネオプレンと、推定でポリブタジエン含有量が70%でTgが−80℃のBTA 753 の一部を、Tgが−10℃でブタジエン含有量が55%のニトリルポリマーで置換した。例1Bでは、エラストマー成分のTgとポリブタジエンの含有量が全体として低下したにもかかわらず、従来技術の比較例1Aよりやや高い初期引張りと、著しく高い保持後の伸びを示す。これは予想外である。例1Cの組成物では、比較例1Aの合計エラストマー成分と同じ割合をガラス転移温度が低く、ポリブタジエン含有量がより高いニトリルポリマーで置換しているが、全体の得られた含有量は増大させていないにもかかわらず、さらにより高い初期および保持後の伸びを与える。例1Dでは、好ましいBTA 753 成分を完全に除去し、ブタジエン含有量が似ているニトリルエラストマーのずっと少ない量で置換している。このようにエラストマー成分の割合が全体的に減少しているにもかかわらず、82℃に1時間露出した後、硬化後の組成物は比較例1Aより弾性が高いままである。
【0085】
実施例2
表2の結果は、ポリクロロプレンまたはネオプレンとMBS耐衝撃性改良剤の代わりにABS耐衝撃性改良剤とを含有する接着剤にニトリルエラストマーを添加することによる、引張り特性、特に引張り伸びの改善を例示している。これらの実施例はまた長鎖メタクリレートモノマーであるラウリルメタクリレートも含有している。比較例2Aは、上記比較例1Aと同様であるが、但し、MBS耐衝撃性改良剤であるBTA 753 の代わりに、同様に高いポリブタジエン含有量を持つABS耐衝撃性改良剤であるBlendex 338 を使用した。発明例は例2B、2C、2Dおよび2Eである。
【0086】
【表2】
【0087】
例2Cは、アクリロニトリル含有量が低く、低Tgのニトリルエラストマーの添加が、比較例2Aに比べてかなりの改善を与えることを示す。例2Dは、ポリクロロプレンと高TgのニトリルポリマーとABS溶液用樹脂とを組合わせて処方すると、従来技術に比べて弾性特性の優れた保持を付与できることを示している。
【0088】
実施例3
表3の結果は、MBS耐衝撃性改良剤および塩素化ポリエチレンを主成分とする従来技術の接着剤組成物の伸びが、この組成物に比較的少量の反応性液状ブタジエン−アクリロニトリルを添加すると著しく改善されることを示す。3A、3Bおよび3Cのそれぞれの一番目の例は比較例であり、例3Bおよび3Cの二番目と三番目の例は発明例である。
【0089】
【表3】
【0090】
実施例4
実施例4の結果は、ニトリル基が、硬化した接着剤の増大した伸びという利点を与えるのに本発明のエラストマー成分において重要であることをさらに示す。表4に示すように、主鎖にニトリル基を持たない液状ポリブタジエン樹脂の添加は、実施例3に示したのと同じような組成物の初期伸びの大きな増大は与えない。これらの実施例では初期伸びが比較的低かったので、熱エージング試験は実施しなかった。
【0091】
【表4】
【0092】
実施例5
表5の結果は、接着剤組成物の塩素化ポリマー成分として塩素化ポリエチレンを含有する接着剤に固体ニトリルエラストマーを添加することによる引張り伸びの改善をさらに示す。これらのエラストマーブレンドを、塩素化ポリエチレンとABS耐衝撃性改良剤とを含有する比較例5Aに開示したブレンドと比較する。発明例は例5B、5Cおよび5Dである。
【0093】
【表5】
【0094】
例5Bは、ブタジエン/イソプレン/アクリロニトリルターポリマーが、使用した特定の塩素化ポリエチレンとの組合わせにおいて特に効果的であることを示す。グループ内でブタジエンゴム含有量が最高 (81%) でTgが最低 (推定−38℃) のニトリルエラストマーであるNipol 401 LLが最高レベルの弾性を与えないことは注目すべきである。これは、本発明におけるポリマーブレンドのニトリル含有量の重要性をさらに確認する。
【0095】
実施例6
表6の結果は、塩素化ポリマーとしてクロロスルホン化ポリエチレンを主成分とし、クメンヒドロペルオキシドとジヒドロピリジン系活性剤成分を採用した組成物による本発明の応用と、従来技術に比べた弾性特性の改善を実証する。例6Aは比較例であり、例6B、6Cおよび6Dは発明例である。
【0096】
【表6】
【0097】
従来例6Aおよび6Bと比べた時、本発明の6Cおよび6Dは初期伸びの著しい増大を示す。これらはまた、82℃に1時間露出した後も著しく高い伸びを保持している。
【0098】
実施例7
表7の結果は、室温での硬化と各種の熱サイクル後の応力/歪み特性を、代表的な市販のメタクリレート系接着剤と本発明のそれとで比較する。熱サイクルはサンプルごとに異なるが、傾向は明らかである。本発明の接着剤は商業製品に比べて実質的な改善を与えることを明白に示している。例6Eおよび6Fは、本発明の組成物におけるABSおよびMABS溶液用および成形用樹脂の有用性を例示する。比較例は例7A、7B、7Cおよび7Dであり、発明例は例7E、7F、7Gおよび7Hである。
【0099】
【表7】
【0100】
上の結果は、市販のメタクリレート系接着剤に比べた本発明の接着剤の初期および保持後の伸びの実質的な改善を示している。処方したメタクリレート系接着剤の全ての保持後の伸びが、市販のポリウレタン系接着剤のそれを超えたこと、および一部はポリウレタン系接着剤の弾性特性をはるかに超えたことも注目に値する。
【0101】
実施例8ないし13は、難接合性の密閉成形複合材料を包含する多様な複合材料を、最小限の表面調製で接合することができるという本発明の組成物のユニークな能力を例示するものである。
【0102】
実施例8
実施例8は、バスの組立てに使用される商業用シート成形複合材料 (SMC) の接合能力における改善を例示する。本発明の改善された接着剤の性能を、(1) 混合比が10:1の市販のメタクリレート系接着剤および(2) ポリクロロプレンとニトリルエラストマーを個々に含有する処方した接着剤と比較した。表8を参照。比較例は例8A〜8Eであり、例8Fと8Gが発明例である。
【0103】
【表8】
【0104】
塩素化ポリマーとニトリルポリマーを混合物ではなく、個々に含有する市販および処方した接着剤に比べて、これらのブレンドを含有する例8Fおよび8Gは、接合部の分離が全くなく、100 %繊維断裂結合または複合材料試験片の完全破壊により証明されるように、難接合性基体への接着力の著しい改善を示す。
【0105】
実施例9
実施例9は、ライクホールド(Reichhold) ポリエステル樹脂31615 を基材とする、開発用引抜き成形複合材料の接合能力の改善を例示する。本発明の改善された接着剤の性能を、混合比が10:1の市販のメタクリレート系接着剤と比較した。表9を参照。例9A、9Bおよび9Cが比較例であり、例9Dが発明例である。
【0106】
【表9】
【0107】
実施例8と同様に、本発明の接着剤は、塩素化ポリマーとニトリルポリマーを混合物ではなく、個々に含有する市販の接着剤に比べて、ずっと高度の接着性を与える。
【0108】
実施例10
実施例10は、接着剤により接合されたガスパイプライン修復システム用の引抜き成形された工業用複合材料の接合能力における改善を例示する。本発明の改善された接着剤の性能を、この修復システムに付随して供給されている工業用メタクリレート接着剤と比較した。この複合材料の表面は非常に光沢があって不活性であり、ある程度の表面調製をしないとどの接着剤でも接合が困難である。光沢を取り除くだけの研磨パッドによる軽いバフ研磨で接着を促進するのに十分であり、この処理は試験した両方の接着剤で行った。表10を参照。例10Aは比較例であり、例10Bが発明例である。
【0109】
【表10】
【0110】
本例では、凝集力の増大と接着能力の改善により接合の破壊応力がずっと高くなるという本発明の利点を利用することができる。これにより、この種の接着剤接合型の複合材料系を使用した修復の許容できる使用寿命または使用条件の厳しさを増大させる可能性がでてくる。
【0111】
実施例11
実施例11は、リクリエーション・ビークル (RV) の製造に使用される工業用SMC複合材料の接合能力の改善を例示する。成形プロセスにおいて、金型の汚れやくっつきを防止するために、炭化水素系離型剤であるケムリース(Chemlease) 41-90 がかなりの量で使用される。残留する離型剤により、この複合材料を表面調製せずに接合することは特に困難となる。本発明の改善された接着剤の性能を、10:1の混合比の市販メタクリレート系接着剤と比較した。本例では、この複合材料をアルミニウムに接合する。結合破壊は複合材料表面で、または複合材料基体内で起こる。表示された離型剤で処理したこの特定の複合材料を確実に接合することが完全に可能である公知の市販の接着剤は存在しない。表11を参照。例11Aが比較例で、例11Bが発明例である。
【0112】
【表11】
【0113】
実施例11Bに示すように、本発明の好ましい組成物は、この困難な表面に著しく改善された接着性を付与し、100 %の繊維断裂性構造用接合を形成する。
【0114】
実施例12
実施例12は、本発明の接着剤組成物によるアルミニウムの接合能力の改善を例示する。実施例8に記載したSMCシートと組合わせたバスの構造組立て用の特定グレードのアルミニウムを試験に使用した (例12A〜12C)。この用途では、SMC表面とアルミニウム表面とを一体に確実に接合できることが重要である。使用した特定のアルミニウム合金は未知である。これを"Ex. 8" と称する。本実施例の目的にとって、アルミニウム接合の強度を完全に評価するため、アルミニウムをより弱いSMC基体ではなくアルミニウム自体に接合する。表12を参照。例12Aおよび12Bが比較例であり、例12Cが発明例である。
【0115】
【表12】
【0116】
本発明の接着剤が、より高い結合強度と接合部の凝集破壊により証明されるようにアルミニウム表面に著しく改善された接着性を与えることは極めて明らかである。この結果は、実施例8に示した接合相手であるSMC基体への改善された接着とあいまって、困難な組合わせの材料の接合に対する本発明の接着剤の価値を例証するものである。
【0117】
実施例13
表13の結果は、本発明の接着剤の広範囲の結合能力を実証する。
【0118】
【表13】
【0119】
下記基体の全てが接合前に表面調製を行わずに受け入れたままの状態で接合された。
【0120】
【表14】
【0121】
この結果は本発明の組成物が製品の組立てプロセスで使用される多様な材料を接合するのに使用できることを示している。本例は、この接着剤組成物が、鉄鋼材料とプラスチックおよび他の材料を含む多様な非金属基体との接合能力を示すことを強調するものである。必要であれば、実施例13の処方に示されているような組成物の接着性を、当業者には周知の表面処理を用いて、アルミニウム、ステンレス鋼その他の金属上においても改善することができる。
【0122】
以上に本発明を各種の好適態様に関して説明したが、これらは本発明の範囲を制限するものと解すべきではない。本発明の技術思想から逸脱せずに多くの他の変更、改変、置換および変化をなすことができる。
Claims (15)
- 塩素化ポリマー約1〜約50重量%、ニトリルエラストマー、熱可塑性アクリロニトリルコポリマーまたはそれらの混合物約0.5 〜約45重量%、ならびにアルキルアクリレートもしくはメタクリレートモノマー約25〜約90重量%の混合物を含む接着剤組成物。
- 塩素化エラストマーポリマー約2〜約40重量%、ニトリルエラストマー、熱可塑性アクリロニトリルコポリマーまたはそれらの混合物約0.5 〜約25重量%、ならびにC1〜C5アルキルアクリレートもしくはメタクリレートモノマー約40〜約90重量%の混合物を含む接着剤組成物。
- 塩素化エラストマーポリマー約5〜約30重量%、ニトリルエラストマー、熱可塑性アクリロニトリルコポリマーまたはそれらの混合物約0.5 〜約20重量%、ならびにC1〜C5アルキルアクリレートもしくはメタクリレートモノマー約50〜約85重量%の混合物を含む接着剤組成物。
- C6もしくはより高級のアクリレートもしくはメタクリレートモノマー約0.01〜約25重量%と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- コアシェル型耐衝撃性改良剤約0.01〜約30重量%と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- 重合性有機酸モノマー約0.01〜約15重量%と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- 遊離基発生触媒系と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- 助触媒と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- C6もしくはより高級のアクリレートもしくはメタクリレートモノマーならびにコアシェル型耐衝撃性改良剤ポリマーと混合されている請求項1、2または3に記載の組成物。
- C6もしくはより高級のアクリレートもしくはメタクリレートモノマーならびに重合性有機酸モノマーと混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- C6もしくはより高級のアクリレートもしくはメタクリレートモノマーならびに遊離基発生触媒系と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- コアシェル型耐衝撃性改良剤ポリマーおよび遊離基発生触媒系と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- 遊離基発生触媒系および助触媒と混合されている、請求項1、2または3に記載の組成物。
- 塩素化ポリマーがポリ塩化ビニルである、請求項1に記載の接着剤組成物。
- 塩素化ポリマーがポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニルとニトリルエラストマーとのブレンドである、請求項1に記載の接着剤組成物。
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