JP2007224155A - 嫌気硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は嫌気硬化性接着剤に関するものであり、コアシェル粒子を配合することにより、はみ出し部が固化し、且つ厚膜硬化性を有する嫌気硬化性組成物に関する。
【解決手段】
(a)分子中に少なくとも1つ以上のラジカル重合性官能基を有する化合物、(b)イソボルニル(メタ)アクリレートまたは、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(c)有機過酸化物、(d)o−ベンゾイックスルフィミド、(e)コアシェル粒子からなることを特徴とする嫌気硬化性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は嫌気硬化性接着剤に関するものであり、嫌気硬化では硬化しないはみだし部が固化し、かつ厚膜硬化性を有する嫌気硬化性組成物に関する。
嫌気硬化性組成物はラジカル重合性の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと有機過酸化物を主成分としたものであり、空気または酸素と接触している間は安定であり、ゲル化などせずに長期間液状状態で保たれ、空気または酸素が遮断もしくは排除されると急速に硬化する性質を有するものである。このような性質を利用して前記組成物はネジ、ボルト等の接着、固定、嵌め合い部品の固着、フランジ面間の接着、シール、鋳造部品に生じる巣孔の充填等に使用されている。
嫌気硬化性接着剤は常温において速硬化性を有し、硬化後も安定した物性を有するため、その特性を生かし大量生産の必要な電気電子部品の接着・シールでの利用が大変多くなってきた。
嫌気硬化性組成物は前述の通り酸素と遮断されると重合反応が開始して硬化するため、嫌気硬化性組成物を多めに塗布してしまった場合など、接着部よりはみ出した部分は酸素が遮断されずそのまま未硬化のまま残存してしまうという欠点がある。未硬化の嫌気硬化性組成物は他の部位に垂れ流れて周囲を汚染したり、自然蒸発による揮発成分が発生することで他の部位に付着するなどの悪影響を及ぼす可能性がある。このような問題を解決するため、嫌気硬化性組成物に光硬化性を付与し、はみ出した部分に紫外線を照射してはみ出し部分を硬化させるという手法が考えられた。また、はみ出し部分が垂れ流れないように粘度を高くするなど垂れにくさを持たせたものなどが用いられてきた。
ところが、光硬化性を付与した場合、光照射装置を準備しなければならず、また、はみ出し部に必ず光が当たるとは限らず、当たらないまたは当たりにくい部位は依然未硬化のままであった。また、垂れ流れない様に粘度を高くした場合は塗布時の作業性が悪化してしまい、欠点を克服できる嫌気硬化性組成物は得られていない。
嫌気硬化性組成物に加熱硬化性を付与したものは、加熱することによりはみ出し部を硬化することができると考えられる。しかしながら、嫌気硬化のメカニズムはラジカル重合性化合物を重合させようとする成分とラジカル重合性化合物の重合を抑制しようとする要因を共存させ両成分のバランスを適切にすることにより達成されている。よって、加熱硬化性を付与するために過酸化物を多量に入れたり、過酸化物の分解温度(半減期温度)が低いものを使用すると、嫌気硬化性組成物の保存性が極端に悪くなり工業製品としての保存性は達成できない。
一方、嫌気硬化性組成物にゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリマーのシェルからなる微粒子を添加した嫌気硬化性組成物は特許文献1に公知である。特許文献1は嫌気硬化性のシール剤組成物であり、オリゴマー成分として柔軟性の高いウレタン(メタ)アクリレートを使用し、かつ硬化後の振動吸収性を高めるためコアシェル粒子を添加するなど、シール剤として使用するため柔軟性を持たせることに主眼をおいたものである。特許文献1は前述したはみ出し部についての記述や示唆は特にされていない。
また、特許文献2は嫌気硬化性組成物の保存安定性は低下させず、はみ出し部を硬化させるものであるが、はみ出し部の硬化には加熱が必要であり、別途加熱工程が必要なものであった。
特開平10−237420号公報 特開平2003−313206号公報
嫌気硬化性組成物は加熱や紫外線照射などの手段を必要とせず速硬化が可能であることが特徴であるため、はみ出し部を硬化させるために加熱や紫外線照射を行うことは好まれない。そのため精度の高い塗布技術や、貼合せ技術により、はみ出さないという手法をとることが必要であり、はみ出し部が未硬化になるという嫌気硬化性組成物の欠点の改善が望まれていた。
本発明は上述した従来の問題点を克服するものであり、すなわち、(a)分子中に少なくとも1つ以上のラジカル重合性官能基を有する化合物、(b)イソボルニル(メタ)アクリレートまたは、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(c)有機過酸化物、(d)o−ベンゾイックスルフィミド、(e)コアシェル粒子からなることを特徴とする嫌気硬化性組成物である。ここで、(メタ)アクリレートとはアクリレートとメタクリレートの総称である。
本発明に使用される(a)分子中に少なくとも1つ以上のラジカル重合性官能基を有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸等のビニル基を分子中に有するモノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられる。この重合性モノマーを更に具体的に挙げると、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のモノエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類;エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多価エステル類であるが、これらに限定されるものではなく、通常嫌気硬化性組成物の分野で使用されているものである。これらの重合性モノマーは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
重合性オリゴマーとしては、例えば、マレート基、フマレート基、アリル基、(メタ)アクリレート基を有する硬化性樹脂、イソシアネート改質アクリルオリゴマー、エポキシ改質アクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオリゴマー、ポリエーテルアクリルオリゴマー等が挙げられ、これらのオリゴマーは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。重合性オリゴマーは嫌気硬化性組成物の粘度の調整、あるいはその硬化物の特性を調整する目的で適宜含有させることができる。
また、重合性ポリマーとしては不飽和ポリエステル樹脂、不飽和アクリル樹脂等の重合性不飽和重合体、ポリウレタンやポリエーテルの末端に(メタ)アクリロイル基を付加させた化合物、が挙げられる。この重合性不飽和重合体は上記の重合性モノマーと合わせて用いることが好ましい。
(a)成分は分子中に少なくとも1つ以上のラジカル重合性官能基を有する化合物であるので、分類的には後述の(b)成分をも含むものである。すなわち(a)成分はイソボルニル(メタ)アクリレートまたは、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートも含まれることになり、(a)成分としてそれらを選択した場合、(a)成分と(b)成分は区別できないことになるが、そうであっても特に問題はない。例えば(a)成分、(b)成分ともにイソボルニルアクリレートを選択した場合、本組成物の硬化物を構成する化合物はすべてイソボルニルアクリレートということになるが、それでも本発明のはみ出し部が固化するという効果は達成できる。
ただし、本組成物を接着剤や緩み止め剤に適用する場合に、接着強度の調整や硬化速度の調整のなどの性能を発揮させるため、(b)成分と重複しないように(a)成分を選択した方が好ましい。その意味で(a)成分はウレタン(メタ)アクリレートやポリエーテル(メタ)アクリレートなど(b)成分とは別の成分を選択することのが好ましい。
本発明の(b)成分はイソボルニル(メタ)アクリレートまたは、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートであり、後述する(e)成分との組み合わせによりり本発明の特徴を発揮する本組成物に必須の成分である。すなわち、(b)成分はイソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジメタクリレートから選択されるものであり、これらから1つを使用しても良いし、2つ以上の混合でも良い。(b)成分は(メタ)アクリロイル基を有するためラジカル重合性を有するものであり、(a)成分とともにラジカル反応により硬化する。
(b)成分の配合量は後述する(e)成分の配合量の重量比で1/2以上の量を添加するのが好ましい。本発明は(b)成分と(e)成分が共存することにより、本発明の効果を発揮するものであるため、(e)成分の添加量のすべてをはみ出し部の固化作用に発揮させるためには重量比で1/2以上存在させることが好ましいということである。これは(b)成分が重量比で1/2より少ないと、はみ出し部の固化効果がないということではなく、添加した(e)成分のすべてがこの効果をもたらさないので、不効率であるという意味である。例えば、(e)成分を100重量部、(b)成分30重量部で配合した場合、(e)成分を60重量部(および(b)成分を30重量部)配合した場合と効果がかわらず、残りの40重量部は単なる充填材としてしか機能しないということである。よって、添加した(e)成分を効果的に発揮するためには(e)成分の重量比で1/2以上添加することが好ましい。また、1/2以上の「以上」は無限量を添加しても良いという意味ではなく、後述する(e)成分の好ましい添加量から(b)成分が(e)成分の10倍以上になると、好ましい範囲からはずれるのでおのずと上限も規定される。
本発明に用いられる(c)有機過酸化物は従来より嫌気硬化性組成物にて用いられているもので、特に限定されるものではなく、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、その他、ケトンパーオキサイド類、ジアリルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。
これらの有機過酸化物は単独で或いは二種以上の混合物として用いることができる。この(c)成分の好ましい配合量は、(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対して0.1〜5重量部である。この場合、0.1重量部よりも少ないと重合反応を生じさせるのに不十分であり、5重量部よりも多いと、嫌気硬化性組成物の安定性が低下する。
本発明において用いられる(d)成分はo−ベンゾイックスルフィミドであり嫌気性組成物には通常使用される成分である。o−ベンゾイックスルフイミドはいわゆるサッカリンであり、前記(c)成分と混在させることにより嫌気硬化性を発揮する。(d)成分の好ましい添加量は(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対して0.5〜5重量部配合される。0.5重量部より少ないと、嫌気硬化性が悪くなり、セットタイムが長くなり実用的でない。5重量部より多いと嫌気硬化性組成物の安定性が低下する。
本発明の(e)成分はコアシェル粒子である。本成分は前述の(a)成分との組み合わせによりはみ出し部が固化するという効果を奏する。コアシェル粒子とは粒子のコア(核)の部分とシェル(壁)の部分が異なる性質の重合体からなる微粒子である。このようなものとしては多数例示されるが、ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリマーのシェルからなるコアシェル微粒子がこのましい。このコアシェル粒子は、コア部に「弾力性」を有しシェル部に「硬質性」を有すもので、液状樹脂中で溶解しないものである。「コア」を形成するポリマーは、実質的には周囲温度以下のガラス転移温度を有する。「シェル」を形成するポリマーは、実質的には周囲温度以上のガラス転移温度を有す。周囲温度はシール剤が使用される温度範囲として画定される。
本発明で使用される好ましい粉末粒子の製造においては、まず、コア部分として重合性モノマーを重合させることにより製造させる。この重合性モノマーの例としてn−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系モノマー、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、シアン化ビニリデン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルフマレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレエート、ブトキシエチルメタクリレートなどが挙げられさらに、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールトリ(メタ)アクリレート、オリゴエチレンジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレントリ(メタ)アクリレートなどの反応性基を2個以上有する架橋性モノマー、ジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニルモノマー、トリメリット酸トリアリル、トリアリルイソシアネレートなどがあげられ、これらは1種または異なる2種以上を選択し使用できる。
前記の重合性モノマーを重合させた重合体の分子量、分子形状、架橋密度により、ゴム性状は変化する。本発明ではコア部分は室温でゴム状ポリマーが好ましい。さらに好ましくは得られる重合体のガラス転移点が−10℃以下となることが好ましい。
次に、このようにして得られた重合体粒子をコアとし、さらに、重合性モノマーを重合させて、室温でガラス性状を有する重合体からなるシェルを形成させる第2回目の重合を行う。この際用いられる重合性モノマー、としては、前記のコアを得るための重合性モノマーと同じものから選択し使用することができる。ただし、本発明では、シェル部分は常温でガラス状ポリマーが好ましい。さらに好ましくは、得られる重合体のガラス転移点が70度以上であることが好ましい。これは、選択した重合性モノマーを共重合させたときに得られる重合体の分子量、分子形状、架橋密度などにより決定することができる。常温でガラス状でない場合には、(a)成分、(b)成分と本重合体粒子を混合した場合、粒子が、ラジカル重合性モノマーにより膨潤してしまい、保存中に経時的に粘度が増加し、ゲル化してしまう。すなわち、貯蔵安定性が不十分になる。
シェル材として使用される重合性モノマーの好ましい例は、エチル(メタ)アクリレート,n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、などのアルキル基の炭素数が1〜4の(メタ)アクリレートが挙げられる。 これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で特にメチルメタクリレートが好適である。
(e)成分のコアシェル粒子は上述により合成しても良いが、市販のものを使用しても良い。商業的に入手可能なコアシェル粒子としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなるパラロイドEXL−2655(呉羽化学工業社製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなるスタフィロイドAC−3355、スタフィロイドAC3364、スタフィロイドTR−2105、スタフィロイドTR−2102、スタフィロイドTR−2122、スタフィロイドIM−101、スタフィロイドIM−203、スタフィロイドIM−301、スタフィロイドIM−401、及びスタフィロイドIM−406、アクリル酸エステル・アクリロニトリル・スチレン共重合体からなるスタフィロイドIM−601(ガンツ化成株式会社製)、パラロイドEXL−2314(呉羽化学工業社製)、PALALOID EXL−2611及びPALALOID EXL−3387(Rohm&Haas社製)、ゼオンアクリルレジンF−351(日本ゼオン社製)、等を使用することが出来る。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(e)成分の好ましい添加量は(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対して10〜100重量部配合される。10重量部より少ないと、はみ出した本組成物の固化能力が悪くなり、本発明の効果が得られない。また、100重量部より多いと、組成物の粘度が高くなりすぎて、塗布しづらくなるため、実用的ではない。
本発明の嫌気硬化性組成物の製造方法を簡単に説明するとまず、(b)成分と(e)成分を混合攪拌して十分に両者をなじませる。その後、その他の(a)(c)(d)成分を添加して混合攪拌することにより製造することができる。
本組成物の主剤は上記成分以外に重合を促進する成分を添加することができる。これらの成分としてはアミン化合物、メルカプタン化合物を挙げることができる。アミン化合物は1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキナルジン等の複素環第2級アミン、キノリン、メチルキノリン、キナルジン、キノキサリンフェナジン等の複素環第3級アミン、N,N−ジメチル−アニシジン、N,N−ジメチルアニリン等の芳香族第三級アミン類、1,2,4−トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ベンゾキサゾール、1,2,3−ベンゾチアジアゾール、3−メルカプトベンゾトリゾール等のアゾール系化合物等が挙げられる。また、メルカプタン化合物としてはn−ドデシルメルカプタン、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン等の直鎖型メルカプタンが挙げられるがこれに限定したものではない。
本発明は主剤に対し更に種々の添加剤を使用できる。例えば、保存安定性を得るためには、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のラジカル吸収剤、エチレンジアミン4酢酸又はその2−ナトリウム塩、シユウ酸、アセチルアセトン、o−アミノフエノール等の金属キレート化剤等を添加することもできる。
更に、その他に嫌気硬化性組成物の性状や硬化物の性質を調整するために、増粘剤、充填剤、可塑剤、着色剤等を必要に応じて使用することができる。
本発明の嫌気硬化性組成物は理由は定かではないが、上述した組み合わせによりはみ出し部が固化する効果を持つ。ただし、固化といっても、架橋反応をしているわけではなく、どちらかというと乾燥固化している状態に近い。よって、はみ出し部で固化物を強く擦ると固形分が剥離するものであり、明らかに嫌気硬化性により強固に重合したものとは異なるものである。また、はみ出し部は1mm程度以下の薄膜でないと固化しない。そのため多量にはみ出し1mm以上の膜になった場合には薄くのばすか、軽く拭き取るなどの作業は必要である。しかしながら、薄膜であれば1時間程度で固化し、はみ出し部の固化物は指触でべとつかず、また、垂れ流れたりしないため、はみ出し部が硬化しない従来の嫌気硬化性に比べて十分に有用である。また、はみ出し部の固化とは別の作用効果として、厚膜効果をすることが判明した。嫌気硬化性組成物は通常クリアランスが50μm程度の被着体しか硬化しないが、本組成物は500μmでも硬化する。
これまで、嫌気硬化性組成物のはみ出し部分はプライマーを使用したり、加熱硬化性や紫外線硬化性を付与しなければ硬化させることはできなかった。また、はみ出し部の硬化性を向上させると保存安定性が犠牲になり達成できなかった。しかし、本発明では保存安定性を低下させることなくはみ出し部を放置するのみで硬化させることができる。そのため、極めて精度の高い塗布装置や、貼合せ装置を使用する必要がなく、被着体からはみ出したものや、あふれ出たもので、多量でなければ拭き取る必要がない。
以下、本発明を実施例により優れた効果を証明する。なお、本実施例の配合はすべて重量部である。後述の表1、表2に記載の化合物を表に記載の配合量で混合し、嫌気硬化性組成物を得た。ただし、表中、・・・・
3002M・・・エポキシエステル3002M、共栄社化学、エポキシアクリレート;
BP−2EM・・・ライトエステルBP−2EM、共栄社化学、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン;、
F−351・・・ゼオンアクリルレジンF−351、日本ゼオン、コアシェル粒子;
IM−406・・・スタフィロイドIM−406、ガンツ化成、コアシェル粒子、;
J−4P・・・根上工業、架橋アクリルビーズ;、
SX−500H・・・綜研化学、ポリスチレン粒子;、
である。製造例は実施例1で説明すると、まず、イソボロニルアクリレート20重量部にF351を10g添加し攪拌羽根にて1時間攪拌する。次いで、BP−2EM70重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10重量部、O−ベンゾイックスルフィミド1重量部を添加し、攪拌羽根にて1時間攪拌する。次いでクメンハイドロパーオキサイド1重量部を添加し攪拌羽根にて15分攪拌することにより得られる。実施例2〜9も同様にして製造する。比較例1〜5は(b)成分と(e’)成分を混合してから、多の成分を実施例1と同様に混合し製造する。ただし、比較例6〜9は(b)成分を使用しないため2−ヒドロキシエチルメタクリレートと(e)成分を混合する。
得られた、嫌気硬化性組成物をJIS B1180の鉄生地六角ボルト(M10、P1.5×20mm)のねじ部に1g滴下した。嫌気硬化性組成物は自重によりネジ溝を伝っていき、ボルトのねじ部全体に嫌気硬化性組成物が付着した状態にした。次いで、鉄生地六角ナットをボルトの途中まで0N・mで締め込み、25℃40%の環境で24時間放置した。ナットと接しない部分は嫌気硬化性組成物で濡れている状態である。放置後、ボルトのねじ部を指触により固化を確認した。(はみ出し固化試験1)その後、トルク測定器を用い、ナットをゆるめる方向に連続で回転させ、ナットが初めて動き出した点(接着破壊時)のトルクを測定した。はみ出し固化試験は固化しており指で押しても液状物がしみ出してこないもの=○、外観上固化している、指で押すと液状物がしみ出してくるもの又は表面タックがあるもの=△、外観上液状態が確認できるもの=×と判断した。
各組成物を鉄板上にバーコーターにて0.8mmの膜厚に塗布し、25℃40%の環境で60分放置した。指触により固化の状態を確認した。(はみ出し固化試験2)判定方法は前述との通りである。
保存安定性の試験は加熱促進試験として80℃ゲル化試験を行った。各組成物を30ml試験管に20ml入れ、80℃の加熱炉で1時間放置した。その後、ゲル化、ゲル状物ができているものは×、増粘しているものは△、ほとんど増粘していないものは○とした。
本発明の嫌気硬化性組成物はネジ、ボルトの接着・固定・緩み止め、嵌め合い部品の接着、金属部品の接着、フランジ面間の接着・シール等に適している。

Claims (2)

  1. (a)分子中に少なくとも1つ以上のラジカル重合性官能基を有する化合物、(b)イソボルニル(メタ)アクリレートまたは、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(c)有機過酸化物、(d)o−ベンゾイックスルフィミド、(e)コアシェル粒子からなることを特徴とする嫌気硬化性組成物。
  2. 前記(c)、(d)、(e)成分は(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対してそれぞれ、(c)成分0.1〜5重量部、(d)成分0.5〜5重量部、(e)成分10〜100重量部であり、かつ(b)成分は(e)成分の配合量の1/2以上を配合する請求項1に記載の嫌気硬化性組成物。

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