JP6793474B2 - 液晶滴下工法用シール材、液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents

液晶滴下工法用シール材、液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶滴下工法用シール材、液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法に関する。
携帯電話やパーソナルコンピュータをはじめとする各種電子機器の画像表示パネルとして、液晶表示パネルが広く使用されている。液晶表示パネルは、通常、表面に電極が設けられた一対の基板と、それらの間に挟持された枠状のシール部材と、該シール部材で囲まれた領域内に封入された液晶とを有する。
液晶表示パネルは、例えば液晶滴下工法で製造される。液晶滴下工法は、(1)一対の基板の一方にシール材を塗布して、液晶を充填するための枠状のシールパターンを形成し、(2)該シールパターンの枠内に液晶を滴下し、(3)シールパターンが未硬化状態のままで一対の基板を高真空下で重ね合わせた後、(4)シールパターンを硬化させて液晶表示パネルを製造する方法である。
このように、液晶滴下工法では、未硬化のシール材と液晶とが接触した状態で硬化を行うため、液晶滴下工法に用いられるシール材は、液晶の汚染が少ないことが求められる。液晶の汚染を少なくするためには、シール材が低温で硬化することが好ましい。しかしながら、低温で硬化するシール材は、室温で硬化が始まって増粘しやすく、粘度安定性が低い(ポットライフが短い)という問題があった。
これに対して、液晶滴下工法に用いられるシール材として、(メタ)アクリル樹脂と、環状エーテル基含有樹脂と、2以上のヒドラジド基を有する特定の熱硬化剤とを含む液晶滴下工法用シール材(例えば特許文献1)や、硬化性樹脂と、特定の変性ヒドラジド化合物とを含む液晶滴下工法用シール材(例えば特許文献2)等が提案されている。
特許第5180818号公報 特開2013−60386号公報
しかしながら、特許文献1及び2に示される液晶滴下工法用シール材に含まれるヒドラジド化合物は、いずも低分子量であることから拡散性が高く、液晶の汚染を十分に抑制できるものではなかった。また、当該ヒドラジド化合物は、反応性も高いことから、十分な粘度安定性を有するものでもなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、硬化性を損なうことなく、液晶汚染が少なく、且つ粘度安定性の良好な液晶滴下工法用シール材を提供することを目的とする。
[1] 2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂A1と、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の少なくとも一方と、熱硬化剤Bとを含み、前記熱硬化剤Bは、重量平均分子量が1万以上15万以下である多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1を含む、液晶滴下工法用シール材。
[2] 前記多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、下記式(1)で表される構造単位を含む重合体である、[1]に記載の液晶滴下工法用シール材。
Figure 0006793474
(式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基を表す)
[3] 前記重合体は、下記式(2)で表される構造単位をさらに含む、[2]に記載の液晶滴下工法用シール材。
Figure 0006793474
(式(2)において、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、−NH2又は−OR3(R3は、アルキル基)を表す)
[4] 前記R2は、−NH2である、[3]に記載の液晶滴下工法用シール材。
[5] 前記式(1)で表される構造単位の含有割合は、前記重合体を構成する構造単位の合計に対して45モル%以上である、[2]〜[4]のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール材。
[6] 前記熱硬化剤Bは、イミダゾール系熱硬化剤B2をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール材。
[7] 光重合開始剤Cをさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール材。
[8] (メタ)アクリレート化合物Dをさらに含む、[7]に記載の液晶滴下工法用シール材。
[9] 充填剤Eをさらに含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール材。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール材を用いて、一方の基板上に枠状のシールパターンを形成する工程と、前記シールパターンが未硬化の状態において、前記シールパターンの枠内、又は前記一方の基板と対になる他方の基板に液晶を滴下する工程と、前記一方の基板と前記他方の基板とを、前記シールパターンを介して重ね合わせる工程と、前記シールパターンを光硬化させた後、熱硬化させる工程とを含む、液晶表示パネルの製造方法。
[11] 一対の基板と、前記一対の基板の間に配置された枠状のシール部材と、前記一対の基板の間の前記シール部材で囲まれた空間に充填された液晶層とを含み、前記シール部材が、[1]〜[9]のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール材の硬化物である、液晶表示パネル。
本発明によれば、硬化性を損なうことなく、液晶汚染が少なく、且つ粘度安定性の良好な液晶滴下工法用シール材を提供することができる。
本発明では、液晶滴下工法用シール材の熱硬化剤として、重量平均分子量が1万以上の多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1を用いることで、硬化性を損なうことなく、液晶汚染の抑制と、粘度安定性の向上とを両立できることを見出した。
この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。即ち、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、比較的高分子量であることから、シール材中での拡散性が低いので、液晶へ溶出しにくく、液晶汚染を抑制できる。また、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、比較的高分子量であることから、反応性も高すぎない。それにより、室温下や使用時に、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1が、樹脂成分と硬化反応することによる粘度上昇を抑制でき、粘度安定性を高めることができる。
さらに、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1と、他の熱硬化剤B2;特にイミダゾール系熱硬化剤B2とを組み合わせることで、液晶汚染の抑制と粘度安定性とを両立しつつ、硬化性をさらに高めることができることを見出した。本発明はこのような知見に基づきなされたものである。
1.液晶滴下工法用シール材
本発明の液晶滴下工法用シール材は、エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の少なくとも一方と、熱硬化剤Bとを含み、必要に応じて光重合開始剤C、(メタ)アクリレート化合物D、充填剤E、及びシランカップリング剤Fのうち少なくとも一以上をさらに含んでいてもよい。尚、熱硬化剤Bは、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1を含み、他の熱硬化剤B2をさらに含んでいてもよい。
1−1.エポキシ樹脂A1
エポキシ樹脂A1は、エポキシ基を2以上有する樹脂である。但し、エポキシ樹脂A1は、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2とは異なり、(メタ)アクリロイル基を有しない。エポキシ樹脂A1を含むシール材は、液晶に対する溶解性や拡散性が低く、得られる液晶表示パネルの表示特性を良好とするだけでなく、硬化物の耐湿性を高め得る。
エポキシ樹脂A1は、硬化物の耐熱性や耐湿性を高めやすい点から、芳香族エポキシ樹脂であることが好ましい。芳香族エポキシ樹脂の例には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールE、ビスフェノールF、2,2’−ジアリルビスフェノールA、ビスフェノールAD等の芳香族ジオール類又はそれらをエチレングリコール、プロピレングリコール、アルキレングリコール変性したジオール類と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹脂(例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂等);フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のノボラック樹脂と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);キシリレンフェノール型エポキシ樹脂;トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリスフェノールエタン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂等が含まれる。中でも、ノボラック型エポキシ樹脂(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエタン型エポキシ樹脂、ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂A1の官能基の数は、特に制限されないが、官能基の数が多すぎると、得られる硬化物の架橋密度が高く、密着強度が低下しやすい。従って、エポキシ樹脂A1は、2官能又は3官能のエポキシ樹脂であることが好ましく、2官能のエポキシ樹脂であることがより好ましい。
2官能エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂であることが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂であることがより好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂と比べて結晶性が低く、塗工安定性に優れるからである。
エポキシ樹脂A1は、液状であってもよいし、固形状であってもよい。液晶汚染を抑制しやすい点では、固形状のエポキシが好ましい。
固形状のエポキシ樹脂の軟化点は、40〜150℃であることが好ましい。軟化点は、JIS K7234に規定する環球法によって測定することができる。
エポキシ樹脂A1の例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製1001、固形状)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER1004、固形状)及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製825、液状)が含まれる。
エポキシ樹脂A1の重量平均分子量は、500〜10000であることが好ましい。エポキシ樹脂A1の重量平均分子量が500以上であると、液晶へ溶解しにくいため液晶の汚染を抑制しやすく、10000以下であると、シール材の粘度が高くなりすぎるのを抑制しやすい。エポキシ樹脂A1の重量平均分子量は、1000〜5000であることがより好ましい。エポキシ樹脂A1の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算にて測定することができる。
エポキシ樹脂A1は、一種類であってもよいし、二種類以上の組み合わせであってもよい。
1−2.部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2
部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2は、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂である。それにより、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2は、シール材に光硬化性と熱硬化性とを付与し得る。(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2は、例えばエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを塩基性触媒の存在下で反応させて得られる(メタ)アクリル酸グリシジルエステルであり得る。
原料となるエポキシ樹脂は、前述のエポキシ樹脂A1の例として挙げたものと同様のものを用いることができる。
原料となるエポキシ樹脂の官能基数は、特に制限されないが、3官能や4官能の多官能のエポキシ樹脂を(メタ)アクリル変性して得られる(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂の硬化物は、架橋密度が高く、密着強度が低下しやすい。従って、原料となるエポキシ樹脂は、2官能のエポキシ樹脂であることが好ましい。2官能のエポキシ樹脂は、前述と同様のものを用いることができる。
部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の例には、メタクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ケーエスエム社製、BAEM−50等)、アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ケーエスエム社製、BFEA−50等)、メタクリル変性ビスフェノールE型エポキシ樹脂(ケーエスエム社製、BEEM−50等)が含まれる。
部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の(メタ)アクリロイル基の変性量は、30〜80%であることが好ましい。変性量が30%以上であると、(メタ)アクリレート化合物Dとの相溶性が得られやすい。(メタ)アクリロイル基の変性量は、例えば原料となるエポキシ樹脂に反応させる(メタ)アクリル酸のモル数によって調整することができる。
部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の重量平均分子量は、310〜1000程度であることが好ましい。部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の重量平均分子量が310以上であると、液晶へ溶解しにくいため液晶の汚染を抑制しやすく、1000以下であると、シール材の粘度が高くなりすぎるのを抑制できる。部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の重量平均分子量は、前述と同様の方法で測定することができる。
部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2は、一種類であってもよいし、二種類以上の組み合わせであってもよい。
液晶滴下工法用シール材は、硬化物の接着性と耐湿性を両立しやすくする点から、エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の両方を含むことが好ましい。
液晶滴下工法用シール材におけるエポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の合計含有量は、該シール材の全質量に対して5〜90質量%であることが好ましい。エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の合計含有量が5質量%以上であると、シール材に含まれるエポキシ基を一定以上とし得るので、シール材の硬化物に良好な接着性や耐湿性を付与しやすい。エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の合計含有量が90質量%以下であると、シール材に含まれるエポキシ基が過剰にならないため、液晶との相溶性が高くならず、エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の成分が液晶へ溶出することを抑制でき、液晶の汚染を抑制しやすい。エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の合計含有量は、シール材の全質量に対して10〜80質量%であることがより好ましい。
エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2との含有比率は、例えばエポキシ樹脂A1:部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2=0:100〜100:0(質量比)、好ましくは5:95〜50:50(質量比)であり、より好ましくは9:91〜43:57(質量比)であり得る。エポキシ樹脂A1:部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2=5:95(質量比)以上であると、エポキシ樹脂A1の含有割合が一定以上となるので、シール材の硬化物に良好な接着性を付与しやすく、50:50(質量比)以下であると、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の含有割合が一定以上となるので、光硬化性を十分に付与しつつ、エポキシ樹脂A1と(メタ)アクリレート化合物Dの相溶性を高めやすい。
1−3.熱硬化剤B
熱硬化剤Bは、通常の保存条件下(室温、可視光線下等)ではエポキシ樹脂A1や部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2を硬化させないが、熱を与えられると当該樹脂を硬化させる潜在性硬化剤である。このような熱硬化剤Bを含有するシール材は、粘度安定性に優れ、且つ熱硬化性に優れる。熱硬化剤Bは、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1を含み、必要に応じて他の熱硬化剤B2をさらに含んでもよい。
1−3−1.多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、ヒドラジド基を2以上有し、且つ重量平均分子量が1万以上15万以下である潜在性熱硬化剤である。多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の重量平均分子量が1万以上であると、拡散性が低いので、硬化性を損なうことなく、液晶への溶出や、保存時の硬化反応を生じにくい。多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の重量平均分子量が15万以下であると、液晶への溶出や保存時の硬化反応を生じることなく、硬化性を損ないにくい。多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の重量平均分子量は、1.5万以上10万以下であることがより好ましい。多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の重量平均分子量は、前述と同様の方法で測定することができる。
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1のヒドラジド基当量は、例えば90〜180g/eqとし得る。ヒドラジド基当量が90g/eq以上であると、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の1分子に含まれるヒドラジド基の数が多すぎないので、硬化性を損なわない範囲で保存時の硬化反応を生じにくく、粘度上昇を高度に抑制しやすい。ヒドラジド基当量が180g/eq以下であると、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の1分子に含まれるヒドラジド基の数が少なすぎないので、保存時の硬化反応を生じない範囲で、良好な硬化性が得られやすい。
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1のヒドラジド基当量は、例えば以下の方法で求めることができる。即ち、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の化学構造をNMR法(Nuclear Magnetic Resonance)により特定し、1分子中のヒドラジド基の数を求める。そして、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の重量平均分子量を、1分子中のヒドラジド基の数で除すことによって、ヒドラジド基当量を求めることができる。
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、特に制限されないが、(メタ)アクリル酸アミドの単独重合体若しくは共重合体又は(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体若しくは共重合体をヒドラジンと反応させて得られる、(メタ)アクリル酸アミド(共)重合体又は(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体のヒドラジド化物であることが好ましい。
即ち、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、下記式(1)で表される構造単位を含む重合体(以下、単に「重合体」ともいう)であることが好ましい。
Figure 0006793474
式(1)のR1は、水素原子又はメチル基を表す。
上記重合体は、親水性やヒドラジド基当量を適切な範囲に調整しやすい点から、下記式(2)で表される構造単位をさらに含むことが好ましい。
Figure 0006793474
式(2)のR1は、式(1)のR1と同義である。
式(2)のR2は、−NH2又は−OR3を表す。R3は、アルキル基を表す。アルキル基は、炭素原子数1〜10の置換又は無置換のアルキル基であることが好ましい。アルキル基の例には、メチル基、エチル基等が含まれ;アルキル基が有する置換基の例には、ヒドロキシ基が含まれる。中でも、R2は、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1に親水性を付与しやすく、液晶への溶出を生じにくくする点から、−NH2であることが好ましい。
式(1)で表される構造単位の含有割合は、上記重合体を構成する構造単位の合計に対して45モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。式(1)で表される構造単位の含有割合が45モル%以上であると、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の1分子に含まれるヒドラジド基の数が少なすぎないので、粘度安定性を損なわない範囲で、良好な硬化性が得られやすい。式(1)で表される構造単位の含有割合は100モル%以下であり、98モル%以下であることがより好ましい。式(1)で表される構造単位の含有割合が98モル%以下であると、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の1分子に含まれるヒドラジド基の数が多すぎないので、硬化性を損なわない範囲で、粘度安定性を高めやすい。
式(1)で表される構造単位の含有割合は、(メタ)アクリル酸アミドの単独重合体若しくは共重合体又は(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体若しくは共重合体と反応させるヒドラジンのモル数によって調整することができる。
式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位の合計含有量は、上記重合体を構成する構造単位の合計に対して90モル%以上であることが好ましく、100モル%であってもよい。
上記重合体は、式(1)で表される構造単位や式(2)で表される構造単位以外の他の構造単位をさらに含んでいてもよい。他の構造単位の例には、(メタ)アクリル酸等のα,β−不飽和酸由来の構造単位が含まれる。
式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位とを含む重合体は、式(1)で表される構造単位のブロックと式(2)で表される構造単位のブロックとを含むブロック重合体であってもよいし、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位とをランダムに含むランダム重合体であってもよい。
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1(上記重合体)は、前述の通り、(メタ)アクリル酸アミドの単独重合体若しくは共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体若しくは共重合体と、ヒドラジンとを反応させることによって得ることができる。反応は、例えば(メタ)アクリル酸アミドの単独重合体又は共重合体1モルを、水、又はメタノール水溶液でポリマー濃度20〜40質量%とし、ヒドラジンを上記重合体に対して1〜3モル添加し、例えば50〜100℃で3〜20時間程度反応させて行うことができる。
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、一種類であってもよいし、二種類以上の組み合わせであってもよい。
1−3−2.他の熱硬化剤B2
他の熱硬化剤B2は、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1以外の潜在性熱硬化剤であり、特に制限されない。他の熱硬化剤B2は、一種類のみであってもよいし二種以上の組み合わせであってもよい。
熱硬化剤B2の融点又は軟化点は、シール材の粘度安定性を高め、且つ硬化物の耐湿性を損なわない観点から、熱硬化温度にもよるが、50〜250℃であることが好ましく、70〜200℃であることがより好ましい。
熱硬化剤B2の例には、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1以外のアミン系熱硬化剤、及びチオール系熱硬化剤が含まれる。
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1以外のアミン系熱硬化剤の例には、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1以外の有機酸ヒドラジド系熱硬化剤、イミダゾール系熱硬化剤、アミンアダクト系熱硬化剤及びポリアミン系熱硬化剤が含まれる。多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1以外の有機酸ヒドラジド系熱硬化剤の例には、アジピン酸ジヒドラジド(融点181℃)、1,3-ビス(ヒドラジノカルボエチル)-5-イソプロピルヒダントイン(融点120℃)、7,11-オクタデカジエン-1,18-ジカルボヒドラジド(融点160℃)、ドデカン二酸ジヒドラジド(融点190℃)、及びセバシン酸ジヒドラジド(融点189℃)等が含まれる。イミダゾール系熱硬化剤の例には、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチルイミダゾリル−(1')]−エチルトリアジン(融点215〜225℃)、2−フェニルイミダゾール(融点137〜147℃)、及び2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が含まれる。アミンアダクト系熱硬化剤は、触媒活性を有するアミン系化合物と任意の化合物とを反応させて得られる付加化合物からなる潜在性硬化剤であり、その例には、味の素ファインテクノ(株)製アミキュアPN−40(融点110℃)、味の素ファインテクノ(株)製アミキュアPN−23(融点100℃)、味の素ファインテクノ(株)製アミキュアPN−31(融点115℃)、味の素ファインテクノ(株)製アミキュアPN−H(融点115℃)、味の素ファインテクノ(株)製アミキュアMY−24(融点120℃)、及び味の素ファインテクノ(株)製アミキュアMY−H(融点131℃)等が含まれる。ポリアミン系熱硬化剤は、アミンとエポキシとを反応させて得られるポリマー構造を有する潜在性硬化剤であり、その例には、(株)ADEKA製アデカハードナーEH4339S(軟化点120〜130℃)、及び(株)ADEKA製アデカハードナーEH4357S(軟化点73〜83℃)等が含まれる。
チオール系熱硬化剤の例には、ポリオール(例えばトリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールポリ(β−チオプロピオネート)等)とチオール有機酸(2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトブタン酸等)のエステル化反応によって得られるチオール化合物;アルキルポリチオール化合物(例えば1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール等);末端チオール基含有ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル;エポキシ化合物と硫化水素の反応によって得られるチオール化合物;ポリチオールとエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物等が含まれる。
中でも、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1と組み合わせることで、良好な硬化性や接着性が得られやすい点から、イミダゾール系熱硬化剤が好ましい。
1−3−3.共通事項
液晶滴下工法用シール材における熱硬化剤Bの合計含有量(好ましく多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1とイミダゾール系熱硬化剤B2との合計含有量)は、該シール材に含まれるエポキシ基の当量と熱硬化剤Bの活性反応基(例えばアミン基)の当量との比(当量比)にもよるが、該シール材の全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。熱硬化剤Bの合計含有量が3質量%以上であると、未硬化の熱硬化剤Bによる液晶汚染や粘度安定性の低下を生じない範囲で、十分な硬化性が得られやすい。熱硬化剤Bの合計含有量が30質量%以下であると、未反応のエポキシ樹脂A1や部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2による硬化不良を生じない範囲で、粘度安定性を高めやすい。熱硬化剤Bの合計含有量は、該シール材の全質量に対して5〜20質量%であることがより好ましい。
熱硬化剤Bの合計含有量は、樹脂成分の熱硬化を十分に行いやすくする点では、エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の合計質量に対して3〜150質量%であることが好ましく、5〜100質量%であることがより好ましい。
多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1とイミダゾール系熱硬化剤B2の含有比率は、例えば多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1:イミダゾール系熱硬化剤B2=50:50〜100:0(質量比)であり、好ましくは50:50〜95:5(質量比)であり、より好ましくは57:43〜80:20であり得る。多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1:イミダゾール系熱硬化剤B2=50:50(質量比)以上であると、多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1の含有割合が多いので、硬化性を損なわない範囲で、粘度安定性を一層高めやすく、95:5(質量比)以下であると、イミダゾール系熱硬化剤B2の含有割合が多いので、粘度安定性を損なわない範囲で、硬化性を一層高めやすい。
1−4.光重合開始剤C
光重合開始剤Cは、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2や(メタ)アクリレート化合物Dを光硬化反応させるための光ラジカル重合開始剤である。そのような光重合開始剤Cを含むシール材は、液晶表示パネルを製造する際に、光硬化によるシール材の仮硬化が可能となり、作業が容易になる。
光ラジカル重合開始剤の例には、アルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサトン系化合物、α−アシロキシムエステル系化合物、フェニルグリオキシレート系化合物、ベンジル系化合物、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、有機色素系化合物、鉄−フタロシアニン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、アントラキノン系化合物等が含まれる。中でも、アルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物が好ましい。
アルキルフェノン系化合物の例には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651)等のベンジルジメチルケタール;2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(IRGACURE 907)等のα−アミノアルキルフェノン;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184)等のα−ヒドロキシアルキルフェノン等が含まれる。アシルフォスフィンオキサイド系化合物の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が含まれる。チタノセン系化合物には、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が含まれる。オキシムエステル化合物の例には、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE 01)等が含まれる。
光重合開始剤Cは、一種類であってもよいし、二種類以上の組み合わせであってもよい。
液晶滴下工法用シール材における光重合開始剤Cの含有量は、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2や(メタ)アクリレート化合物Dの含有量にもよるが、該シール材の全質量に対して例えば0〜5質量%、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%とし得る。光重合開始剤Cの含有量が0.01質量%以上であると、シール材の硬化性、特に光硬化性が良好となる。一方、光重合開始剤Cの含有量が5質量%以下であると、基板への塗布時の安定性が良好となる。
1−5.(メタ)アクリート化合物D
(メタ)アクリレート化合物Dは、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーである。但し、(メタ)アクリレート化合物Dは、前述の部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2とは異なるものであり、エポキシ基を有しない。このような(メタ)アクリレート化合物Dを含むシール材は、光硬化が良好となり、液晶パネル製造時の作業性が向上する。
(メタ)アクリート化合物Dの1分子あたりの(メタ)アクリロイル基の数は、1又は2以上である。
1分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する樹脂の例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2―ヒドロキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが含まれる。
1分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂の例には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ若しくはトリ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又はそのオリゴマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート又はそのオリゴマー;ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート;トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート;カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート;カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート;アルキル変性ジペンタエリスリトールのポリアクリレート又はポリメタクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのポリアクリレート又はポリメタクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート又はジメタクリレート;カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;エチレンオキサイド変性リン酸アクリレート又はジメタクリレート;エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート;ネオペンチルグルコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのオリゴ(メタ)アクリレート等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物Dの市販品の例には、共栄社化学製ライトアクリレート14EG-A(ポリエチレングリコールジアクリレート、重量平均分子量600)、ケーエスエム社製BAEA−100(アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、BAEM−100(メタクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂)等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物Dの(メタ)アクリロイル基当量は、150〜500g/eqであることが好ましい。(メタ)アクリロイル基当量が150g/eq以上であると、硬化物の架橋密度が高くなりすぎないので、脆くなりにくく、500g/eq以下であると、硬化物の架橋密度が低くなりすぎないので、耐湿性が低下しにくい。
(メタ)アクリレート化合物Dの重量平均分子量は、310〜1000程度であることが好ましい。(メタ)アクリレート化合物Dの重量平均分子量が310以上であると、液晶へ溶解しにくいため液晶の汚染を抑制しやすく、1000以下であると、シール材の粘度が高くなりすぎるのを抑制できる。(メタ)アクリレート化合物Dの重量平均分子量は、前述と同様の方法で測定することができる。
(メタ)アクリレート化合物Dは、一種類であってもよいし、二種類以上の組み合わせであってもよい。
液晶滴下工法用シール材における(メタ)アクリレート化合物Dの含有量は、該シール材の全質量に対して例えば0〜80質量%、好ましくは1〜80質量%とし得る。(メタ)アクリレート化合物Dの含有量が1質量%以上であると、硬化物の耐湿性を高めやすく、80質量%以下であると、エポキシ樹脂A1や(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の含有割合が少なくなり過ぎないので、硬化物の接着性が損なわれにくい。
(メタ)アクリレート化合物Dの含有量は、十分な熱硬化性と光硬化性とを有する点では、エポキシ樹脂A1と部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の合計質量に対して1〜500質量%であることが好ましい。
1−6.充填剤E
充填剤Eは、シール材の粘度、硬化物の強度又は線膨張性等を調整し得る。充填剤Eは、無機充填剤又は有機充填剤であり得る。
無機充填剤の例には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、窒化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、チタン酸カリウム、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が含まれる。中でも、二酸化ケイ素及びタルクが好ましい。
有機充填剤の例には、熱可塑性樹脂粒子が含まれる。熱可塑性樹脂粒子は、環球法により測定される軟化点温度が50〜120℃、好ましくは70〜100℃の熱可塑性樹脂を含む粒子である。そのような熱可塑性樹脂粒子を含むシール材は、加熱硬化の際の収縮応力を好ましく緩和できるので、目的とする線幅でシール部材を形成しやすい。
熱可塑性樹脂粒子の例には、エポキシ基と二重結合基とを含む樹脂を、ラジカル重合可能なモノマーと懸濁重合して得られる微粒子が含まれる。エポキシ基と二重結合基とを含む樹脂の例には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とメタアクリル酸を三級アミン存在下で反応させた樹脂が含まれる。ラジカル重合可能なモノマーの例には、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、及びジビニルベンゼンが含まれる。
充填剤Eの形状は、球状、板状、針状等の定形状であってもよいし、非定形状であってもよい。
充填剤Eが球状の無機充填剤である場合、充填剤Eの平均一次粒子径は、1.5μm以下であり、且つ比表面積が0.5〜20m2/gであることが好ましい。充填剤Eの平均一次粒子径は、JIS Z8825−1に記載のレーザー回折法により測定することができる。充填剤Eの比表面積は、JIS Z8830に記載のBET法により測定することができる。
充填剤Eが球状の有機充填剤である場合、有機充填剤の数平均粒子径は、0.05〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであることが好ましい。数平均粒子径は、乾式粒度分布計で測定され得る。
液晶滴下工法用シール材における充填剤Eの含有量は、シール材の全質量に対して例えば0〜30質量%、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%とし得る。充填剤Eの含有量が1質量%以上であると、シール材の硬化物の耐湿性を高めやすく、30質量%以下であると、シール材の塗工安定性が損なわれにくい。
1−7.その他の成分
本発明の液晶滴下工法用シール材は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分をさらに含んでいてもよい。その他の成分の例には、熱ラジカル重合開始剤、シランカップリング剤等のカップリング剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡剤及び液晶表示パネルのギャップを調整するためのスペーサー等が含まれる。中でも、本発明の液晶滴下工法用シール材は、シランカップリング剤や熱ラジカル重合開始剤をさらに含むことが好ましい。
1−7−1.シランカップリング剤F
シランカップリング剤Fの例には、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が含まれる。
液晶滴下工法用シール材におけるシランカップリング剤Fの含有量は、シール材の全質量に対して例えば0〜3質量%、好ましくは0.01〜3質量%である。シランカップリング剤Fの含有量が0.01質量%以上であると、シール材の硬化物が十分な接着性を有しやすい。
1−7−2.熱ラジカル重合開始剤G
熱ラジカル重合開始剤Gの例には、有機過酸化物系化合物やアゾ化合物等が含まれる。
有機過酸化物系化合物の例には、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド系化合物;1,1−ジ(t−ブチルオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール系化合物;t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーオキシエステル系化合物;ジラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド系化合物;(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネイト等のパーオキシジカーボネイト系化合物;t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト等のパーオキシカーボネイト系化合物;ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド系化合物;t−アミルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド系化合物;等が含まれる。
アゾ化合物の例には、1,1’−アゾビス(2,4−シクロヘキサン)−1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス[(2−イミダゾリン−2−エル)プロパン]ジサルフェイトジハイドレイト、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等の水溶性アゾ化合物;1−[(シアノ−1−メチル)アゾ]ホルムアミド等の油溶性アゾ化合物;高分子アゾ化合物等が含まれる。
熱ラジカル重合開始剤Gとしては、10時間半減期温度の下限が80℃、上限が150℃のものが好適に用いられる。
液晶滴下工法用シール材における熱ラジカル重合開始剤Gの含有量は、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2や(メタ)アクリレート化合物Dの含有量にもよるが、該シール材の全質量に対して例えば0〜5質量%、好ましくは0.01〜5質量%であり得る。熱ラジカル重合開始剤Gの含有量が0.01質量%以上であると、シール材の硬化性、特に熱硬化性が良好となる。一方、熱ラジカル重合開始剤Gの含有量が5質量%以下であると、基板への塗布時の安定性が良好となる。
1−8.液晶滴下工法用シール材の物性
本発明の液晶滴下工法用シール材の25℃、2.5rpmにおける粘度は、200〜450Pa・sであることが好ましい。シール材の粘度が上記範囲にあると、ディスペンサーによる塗布性が良好となる。シール材の粘度は、300〜400Pa・sであることがより好ましい。シール材の粘度は、E型粘度計で測定することができる。
2.液晶表示パネル及びその製造方法
本発明の液晶表示パネルは、一対の基板と、該一対の基板の間に配置される枠状のシール部材と、該一対の基板の間の枠状のシール部材で囲まれた空間に充填された液晶層とを含む。シール部材を、本発明の液晶滴下工法用シール材の硬化物とし得る。
一対の基板は、いずれも透明基板である。透明基板の材質は、ガラス、又はポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン及びPMMA等のプラスチックである。
一対の基板のうち一方の基板の表面には、マトリックス状のTFT、カラーフィルタ、ブラックマトリクス等が配置され得る。該一方の基板の表面には、さらに配向膜が配置され得る。配向膜には、公知の有機配向剤や無機配向剤が含まれる。
液晶表示パネルは、本発明の液晶滴下工法用シール材を用いて製造される。液晶表示パネルの製造方法には、一般に、液晶滴下工法と、液晶注入工法とがあるが、本発明の液晶表示パネルは、液晶滴下工法で製造されることが好ましい。
液晶滴下工法による液晶表示パネルの製造方法は、
1)一方の基板に、本発明の液晶滴下工法用シール材のシールパターンを形成する工程と、
2)シールパターンが未硬化の状態において、基板のシールパターンで囲まれた領域内、又はシールパターンで囲まれた領域に対向する他方の基板の領域に、液晶を滴下する工程と、
3)一方の基板と他方の基板とをシールパターンを介して重ね合わせる工程と、
4)シールパターンを硬化させる工程と
を含む。
2)の工程において、シールパターンが未硬化の状態とは、シール材の硬化反応がゲル化点までは進行していない状態を意味する。このため、2)の工程では、シール材の液晶への溶解を抑制するために、シールパターンを光照射又は加熱して半硬化させてもよい。
4)の工程では、光照射による硬化を行った後、加熱による硬化を行うことが好ましい。光照射による硬化を行うことで、シール材を短時間で硬化させることができるので、液晶への溶解を抑制できる。光照射による硬化と加熱による硬化とを組み合わせることで、光照射による硬化のみの場合と比べて光による液晶層へのダメージを少なくすることができる。
照射する光は、波長340〜450nmの光であることが好ましい。上記波長の光は、液晶や駆動電極に与えるダメージが比較的少ないからである。光の照射は、紫外線や可視光を発する公知の光源を使用できる。可視光を照射する場合、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、蛍光灯等を使用できる。
光照射エネルギーは、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2や(メタ)アクリレート化合物Dを硬化させる程度のエネルギーであればよく、例えば100mW/cm2程度とし得る。光硬化時間は、シール材の組成や光照射エネルギーにもよるが、例えば積算照射量が3J/cm2以上となるように設定されればよく、光照射エネルギー100mW/cm2で照射する場合は1分以内とし得る。
熱硬化温度は、シール材の組成にもよるが、例えば120℃とし、熱硬化時間は1〜2時間程度とし得る。
本発明の液晶滴下工法用シール材は、液晶への溶出が低減されている。従って、本発明の液晶滴下工法用シール材の硬化物を有する液晶表示パネルは、液晶の汚染が少なく、高品質の表示性能を有し得る。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.液晶滴下工法用シール材の材料
<エポキシ樹脂A1>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER1004、エポキシ基当量875〜975g/eq、重量平均分子量約1650)
<部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2>
メタクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ケーエスエム社製、BAEM−50、メタクリル変性率50%
<多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1>
多官能ヒドラジド系熱硬化剤(B1−1)(式(1)で表される構造単位/式(2)で表される構造単位=50/50モル比、重量平均分子量約9万、ヒドラジド基当量160g/eq)
多官能ヒドラジド系熱硬化剤(B1−2)(式(1)で表される構造単位/式(2)で表される構造単位=80/20モル比、重量平均分子量約9万、ヒドラジド基当量104g/eq)
多官能ヒドラジド系熱硬化剤(B1−3)(式(1)で表される構造単位/式(2)で表される構造単位=50/50モル比、重量平均分子量約2万、ヒドラジド基当量164g/eq)
多官能ヒドラジド系熱硬化剤(B1−4)(式(1)で表される構造単位/式(2)で表される構造単位=80/20モル比、重量平均分子量約2万、ヒドラジド基当量109g/eq)
<他の熱硬化剤B2>
イミダゾール系熱硬化剤(四国化成社製2MAOK、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、融点なし(約260℃で分解、融解しない))
アミンアダクト系熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製アミキュアPN−23、融点100℃)
アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製ADH、重量平均分子量約174、融点177〜184℃)
セバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製SDH、重量平均分子量約230、融点186〜188℃)
1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(味の素ファインテクノ社製アミキュアVDH、重量平均分子量約314、融点120℃)
コハク酸ジヒドラジド(日本ファインケム社製SUDH、重量平均分子量約146、融点168℃)
<(メタ)アクリレート化合物D>
ポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学製ライトアクリレート14EG-A、重量平均分子量600、(メタ)アクリロイル基当量300g/eq)
Figure 0006793474
<光重合開始剤C>
オキシムエステル系光重合開始剤:BASF社製OXE−01(1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)])
<充填剤E>
シリカ粒子:(株)日本触媒化学製シーホスターKE−S100、平均粒子径1μm
熱可塑性樹脂粒子:アイカ工業社製F351、軟化点120℃、平均粒子径0.3μm
<シランカップリング剤F>
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:信越シリコーン社製KBM-403
<熱ラジカル重合開始剤G>
水溶性アゾ熱ラジカル重合開始剤:和光純薬工業(株)製V−501(4,4’−Azobis(4−cyanovaleric acid))
2.液晶滴下工法用シール材の調製と評価
(実施例1)
多官能ヒドラジド系熱硬化剤(B1−1)をジェットミル粉砕して、平均粒子径が3μmとなるように調整した。
次いで、エポキシ樹脂A1としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER1004)を10質量部と、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2としてビスフェノールAエポキシメタクリル変性体(ケーエスエム社製BAEM−50)を20質量部と、(メタ)アクリレート化合物Dとしてポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学製ライトアクリレート14EG−A)を70質量部と、上記調整した多官能ヒドラジド系熱硬化剤(B1−1)を10質量部と、光重合開始剤Cとしてオキシムエステル系光重合開始剤(BASF社製OXE−01)を1質量部と、充填剤Eとしてシリカ粒子((株)日本触媒化学製KE−S100)を10質量部と、熱可塑性樹脂粒子(アイカ工業社製、F351)を10質量部と、シランカップリング剤Fとしてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)を1質量部とを、三本ロールミルを用いて均一な液となるように十分に混合して、シール材を得た。
(実施例2〜11、比較例1〜4)
表1又は2に示される組成に変更した以外は実施例1と同様にしてシール材を得た。
得られたシール材の粘度安定性、該シール材を用いた液晶表示パネルの表示特性及び接着強度を、以下の方法で評価した。
[粘度安定性]
ディスペンス用シリンジに10gのシール材を入れ、脱泡処理を行った。脱法処理後のシール材2gの初期粘度を、E型粘度計にて25℃、2.5rpmの条件で測定した。また、このシール材を23℃、50%RHで1週間保存した後、同様にして粘度を測定した。そして、以下の基準に基づいて粘度安定性を評価した。
○:初期粘度に対する1週間後の粘度の割合(上昇率)が1.2倍以下
△:初期粘度に対する1週間後の粘度の割合(上昇率)が1.2倍を超えて1.5倍以下
×:初期粘度に対する1週間後の粘度の割合(上昇率)が1.5倍を超える
[液晶表示パネルの表示特性]
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング製「ショットマスター」)を用いて、透明電極及びラビング済み配向膜を付した40mm×45mmのガラス基板(EHC社製「RT−DM88−PIN」)上に、上記調製したシール材を塗布し、35mm×40mmの四角形枠状のシールパターン(線の断面積:3500μm2)(メインシール)を作製した。さらに、作製したメインシールを囲むように、同一の条件で上記調製したシール材を塗布した。メインシールの枠内に、貼り合せ後のパネル内容量に相当する量の液晶材料(メルク社製「MLC−11900−000」)を、ディスペンサーを用いて精密に滴下した。上記ガラス基板と、対向するガラス基板とを減圧下で重ね合わせた後、大気圧下に開放して貼り合わせた。貼り合わせたガラス基板を遮光ボックスに3分間保持した後、3000mJ/cm2の紫外線を照射してメインシールを仮硬化させた。次いで、120℃で60分加熱してメインシールを熱硬化させて、液晶表示パネルを得た。
得られた液晶表示パネルを、液晶表示素子の液晶とシール材とが接触している近傍に振動若しくは圧力を複数回加えた後、偏光板を通して顕微鏡で確認した。メインシール近傍における液晶の色むら発生の有無を目視観察し、以下の基準に基づいて液晶表示パネルの表示特性を評価した。
○:シール際まで表示機能が発揮されており、表示機能の異常が認められない
×:シール際0.3mm以内の位置で表示機能の異常が認められる
[接着強度]
上記[液晶表示パネルの表示特性]に記載した手順と同様の手順で作製した液晶表示パネルを、高温高湿条件下(70℃、95%RH)で500時間放置した。高温高湿条件下に放置後の液晶表示パネルの二枚のガラス基板の平面引張強度(接着強度)を、引張試験装置(インテスコ社製)を用いて引張速度2mm/分の条件で測定した。そして、以下の基準に基づいて接着強度を評価した。
◎:接着強度が20MPa以上
○:接着強度が15MPa以上20MPa未満
×:接着強度が15MPa未満
実施例1〜11の評価結果を表1に示し、比較例1〜4の評価結果を表2に示す。
Figure 0006793474
Figure 0006793474
表1に示されるように、多官能ヒドラジド系硬化剤B1を含む実施例1〜11のシール材は、粘度安定性と表示特性を両立できることがわかる。
特に、多官能ヒドラジド系硬化剤B1と他の硬化剤とを組み合わせること、特に多官能ヒドラジド系硬化剤B1とイミダゾール系硬化剤B2とを組み合わせることで、粘度安定性を損なうことなく、表示特性と接着強度が一層高まることがわかる(実施例4、5、6及び8の対比)。
これに対して、表2に示されるように、多官能ヒドラジド系硬化剤B2を含まない比較例1〜4のシール材は、いずれも粘度安定性と表示特性を両立できないことがわかる。具体的には、比較例1、2及び4のシール材は、粘度安定性は比較的良好であるものの、表示特性が低いことがわかる。これは、比較例1、2及び4で用いた硬化剤の分子量が比較的低いことから、液晶に溶解しやすいためであると考えられる。一方、比較例3のシール材は、表示特性は良好であるが、粘度安定性が低いことがわかる。これは、比較例3で用いた硬化剤の融点が比較的低いことから、室温下で反応しやすいからであると考えられる。
本発明は、硬化性を損なうことなく、液晶汚染が少なく、且つ粘度安定性の良好な液晶滴下工法用シール材を提供することができる。

Claims (9)

  1. 2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂A1と、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の少なくとも一方と、
    熱硬化剤Bとを含み、
    前記熱硬化剤Bは、重量平均分子量が1万以上15万以下である多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1と、イミダゾール系熱硬化剤B2とを含む、
    液晶滴下工法用シール材。
  2. 2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂A1と、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂A2の少なくとも一方と、
    熱硬化剤Bと、
    光重合開始剤Cと、
    (メタ)アクリレート化合物Dと
    を含み、
    前記熱硬化剤Bは、重量平均分子量が1万以上15万以下である多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1を含む、
    液晶滴下工法用シール材
  3. 前記多官能ヒドラジド系熱硬化剤B1は、下記式(1)で表される構造単位を含む重合体である、
    請求項1または2に記載の液晶滴下工法用シール材。
    Figure 0006793474
    (式(1)において、
    は、水素原子又はメチル基を表す)
  4. 前記重合体は、下記式(2)で表される構造単位をさらに含む、
    請求項に記載の液晶滴下工法用シール材。
    Figure 0006793474
    (式(2)において、
    は、水素原子又はメチル基を表し、
    は、−NH又は−OR(Rは、アルキル基)を表す)
  5. 前記Rは、−NHである、
    請求項に記載の液晶滴下工法用シール材。
  6. 前記式(1)で表される構造単位の含有割合は、前記重合体を構成する構造単位の合計に対して45モル%以上である、
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用シール材。
  7. 充填剤Eをさらに含む、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用シール材。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用シール材を用いて、一方の基板上に枠状のシールパターンを形成する工程と、
    前記シールパターンが未硬化の状態において、前記シールパターンの枠内、又は前記一方の基板と対になる他方の基板に液晶を滴下する工程と、
    前記一方の基板と前記他方の基板とを、前記シールパターンを介して重ね合わせる工程と、
    前記シールパターンを光硬化させた後、熱硬化させる工程と、
    を含む、液晶表示パネルの製造方法。
  9. 一対の基板と、
    前記一対の基板の間に配置された枠状のシール部材と、
    前記一対の基板の間の前記シール部材で囲まれた空間に充填された液晶層とを含み、
    前記シール部材が、請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用シール材の硬化物である、液晶表示パネル。
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