ところが、上述した従来の方式の場合、以下に示すような問題がある。すなわち、前述したように、制御ユニット310は、ブラックボックス化された一体構造となっており、さらに開封検知により開封が検知された場合には、内部データの消去をおこなうセキュリティ構造となっているが、あくまでも制御ユニット310単体でのセキュリティ構造であるため、信頼性の高いセキュリティとは言えない。このため、依然として暗証番号やカード情報のスキミング部品の取り付けなどによる不正改造がおこなわれる恐れがある。
また、従来の方式によると、デビット端末装置300において、異常状態が発生した旨の連絡を遊技店から受けた情報処理センタ600では、通知された故障内容や保守を担当する複数の保守会社毎の運用(連絡が可能な場所や時間帯)に合わせて、連絡する場所や報知方法(メール連絡、FAX送信、電話連絡)を特定する必要があるため手間がかかるうえ、報知作業が煩雑なものとなってしまうという問題があった。また、複数箇所(保守会社の本社、営業所など)に複数の報知方法を選択して連絡をおこなわなければならないため、報知連絡の終了までに時間が掛ってしまうという問題があった。
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解決するためになされたものであり、デビット端末機によるエラー状況(異常状態)を異常情報として正確且つ効率良く保守会社に対して報知することができるデビット決済システムにおける異常情報報知システムおよび異常情報報知方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技店に備えたデビット端末機と公衆回線により接続されたデビット決済をおこなう情報処理センタと金融機関とを備えるデビット決済システムにおける異常情報報知システムであって、前記情報処理センタは、前記デビット端末機における異常状況の判定をおこなう異常状況判定手段と、前記異常状況判定手段によりデビット端末機に関する異常状況が判定された場合に、当該異常状況を警告情報として、自動的に外部の報知先に対して報知する異常情報報知手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、遊技店に備えたデビット端末機と公衆回線により接続されたデビット決済をおこなう情報処理センタと金融機関とを備えるデビット決済システムにおける異常情報報知システムであって、前記デビット端末機は、当該デビット端末機による異常状況を検知する異常状況検知手段と、前記異常状況検知手段により検知された異常状況を、前記情報処理センタに送信する異常状況送信手段とを備え、前記情報処理センタは、前記異常状況送信手段により送信された異常状況を警告情報として、自動的に外部の報知先に対して報知する異常情報報知手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記異常情報報知手段は、前記デビット端末機による異常状況に応じて、当該異常状況を報知する報知先を、予め報知条件が登録された複数の報知先から自動的に選択する報知先選択手段を備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の発明において、前記異常情報報知手段は、前記報知先選択手段により選択された報知先に対しての報知方法を自動的に選択する報知方法選択手段をさらにを備えることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記報知方法選択手段は、前記外部の報知先に対して自動的に異常状況を送信する複数の送信手段を備えるとともに、これら複数の送信手段のうちから、前記報知先の報知条件に応じた送信手段を選択する機能を備えることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記複数の送信手段は、前記外部の報知先に対して自動的にメールを送信する自動メール送信手段、自動的にFAXを送信する自動FAX送信手段、自動的に電話連絡をおこなう自動電話通信手段、または、これら複数の送信手段の組合わせにより構成されることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記異常情報報知手段は、前記異常状況判定手段により判定される異常状況に応じて、前記異常状況を報知する報知先および/または報知先に対しての報知方法が、予め報知条件として登録された報知条件データベースをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記報知条件データベースには、報知先である保守会社名称、前記情報処理センタからの報知に対応可能な曜日、時間帯、報知先、報知場所、複数の報知手段から成る報知方法のうちのいずれか一つ、または、これらの組合わせが報知条件として記憶されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一つに記載の発明において、前記異常情報報知手段は、前記報知先に対して、報知の無効性を判定する報知無効性判定手段をさらに備え、前記報知無効性判定手段による報知を無効とする判定は、異常状況の発生日時を予め登録した報知無効条件データベースに基づいておこなうことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記報知無効条件データベースは、デビット端末機の識別IDに対応付けて、報知を無効とする日時が登録されていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記異常情報報知手段は、前記情報処理センタとデビット端末機との取引通信途中に通信が途絶えたことを判定する通信断判定手段を備え、当該通信断判定手段により通信断が判定された場合に、前記外部の報知先を介して、前記遊技店に対して取引結果情報の通知をおこなうことを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、遊技店に備えたデビット端末機と公衆回線により接続されたデビット決済処理をおこなう情報処理センタと外部の報知先とのデビット決済システムにおける異常情報報知方法であって、前記デビット端末機による異常状況を検知する異常状況検知工程と、前記異常状況検知工程により検知された異常状況を警告情報として、前記情報処理センタに送信する異常状況送信工程と、前記異常状況送信工程により送信された異常状況に応じて、異常状況を報知する報知先を、予め報知条件が登録された複数の報知先から自動的に選択する報知先選択工程と、当該報知先選択工程により選択された報知先に対しての報知手段を自動的に選択する報知手段選択工程とを備えることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記報知方法選択工程は、前記外部の報知先に対して自動的に異常状況を送信する複数の送信工程を備えるとともに、これら複数の送信工程のうちから、前記報知先の報知条件に応じた送信工程を選択する機能を備えることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記複数の送信工程は、前記外部の報知先に対して自動的にメールを送信する自動メール送信工程、自動的にFAXを送信する自動FAX送信工程、自動的に電話連絡をおこなう自動電話通信工程、または、これら複数の送信工程の組合わせにより構成されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、遊技店に備えたデビット端末機と公衆回線により接続されたデビット決済をおこなう情報処理センタと金融機関とを備えるデビット決済システムにおける異常情報報知システムであって、前記情報処理センタは、前記デビット端末機における異常状況の判定をおこなう異常状況判定手段と、前記異常状況判定手段によりデビット端末機に関する異常状況が判定された場合に、当該異常状況を警告情報として、自動的に外部の報知先に対して報知する異常情報報知手段と、を備えたので、外部の報知先(保守会社)に対して、迅速且つ確実に報知をおこなうことができるうえ、制御ユニットの不正改造(暗証番号やカード情報のスキミング部品の取り付け)による不正行為を確実に防止することができ、異常の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、請求項2に記載の発明によれば、遊技店に備えたデビット端末機と公衆回線により接続されたデビット決済をおこなう情報処理センタと金融機関とを備えるデビット決済システムにおける異常情報報知システムであって、前記デビット端末機は、当該デビット端末機による異常状況を検知する異常状況検知手段と、前記異常状況検知手段により検知された異常状況を、前記情報処理センタに送信する異常状況送信手段とを備え、前記情報処理センタは、前記異常状況送信手段により送信された異常状況を警告情報として、自動的に外部の報知先に対して報知する異常情報報知手段を備えたので、外部の報知先(保守会社)に対して、迅速且つ確実に報知をおこなうことができるうえ、制御ユニットの不正改造(暗証番号やカード情報のスキミング部品の取り付け)による不正行為を確実に防止することができ、異常の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記異常情報報知手段は、前記デビット端末機による異常状況に応じて、当該異常状況を報知する報知先を、予め報知条件が登録された複数の報知先から自動的に選択する報知先選択手段を備えるので、この報知先選択手段により容易且つ確実に報知条件に該当する報知先を選択することができるという効果を奏する。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記異常情報報知手段は、前記報知先選択手段により選択された報知先に対しての報知方法を自動的に選択する報知方法選択手段をさらにを備えるので、この報知方法選択手段により容易且つ確実に報知条件に該当する報知方法を選択することができるという効果を奏する。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記報知方法選択手段は、前記外部の報知先に対して自動的に異常状況を送信する複数の送信手段を備えるとともに、これら複数の送信手段のうちから、前記報知先の報知条件に応じた送信手段を選択する機能を備えるので、異常情報を送信する報知先に対して、複数の送信手段の中から迅速且つ確実に送信による報知をおこなうことができるという効果を奏する。
また、請求項6に記載の発明によれば、前記複数の送信手段は、前記外部の報知先に対して自動的にメールを送信する自動メール送信手段、自動的にFAXを送信する自動FAX送信手段、自動的に電話連絡をおこなう自動電話通信手段、または、これら複数の送信手段の組合わせにより構成されるので、これら複数の送信手段の組合わせにより容易且つ確実に報知条件に該当する送信手段を選択できるという効果を奏する。
また、請求項7に記載の発明によれば、前記異常情報報知手段は、前記異常状況判定手段により判定される異常状況に応じて、前記異常状況を報知する報知先および/または報知先に対しての報知方法が、予め報知条件として登録された報知条件データベースをさらに備えるので、報知条件データベースに基づいて、報知先および報知手段を容易且つ正確に選択することができるという効果を奏する。
また、請求項8に記載の発明によれば、前記報知条件データベースには、報知先である保守会社名称、前記情報処理センタからの報知に対応可能な曜日、時間帯、報知先、報知場所、複数の報知手段から成る報知方法のうちのいずれか一つ、または、これらの組合わせが報知条件として記憶されているので、報知条件データベースに登録された報知条件に基づいて、異常状況に応じた報知先および報知方法を容易且つ正確に選択することができるという効果を奏する。
また、請求項9に記載の発明によれば、前記異常情報報知手段は、前記報知先に対して、報知の無効性を判定する報知無効性判定手段をさらに備え、前記報知無効性判定手段による報知を無効とする判定は、異常状況の発生日時を予め登録した報知無効条件データベースに基づいておこなうので、この報知無効条件データベースに登録された報知無効条件に基づいて、報知を無効とするデビット端末機の識別IDおよび日時を正確に把握することができるうえ、通信負荷の低減を図ることができるという効果を奏する。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の発明において、前記報知無効条件データベースは、デビット端末機の識別IDに対応付けて、報知を無効とする日時が登録されているので、この報知無効条件データベースに登録された報知無効条件に基づいて、報知を無効とするデビット端末機の識別IDおよび日時を正確に把握することができるという効果を奏する。
また、請求項11に記載の発明によれば、前記異常情報報知手段は、前記情報処理センタとデビット端末機との取引通信途中に通信が途絶えたことを判定する通信断判定手段を備え、当該通信断判定手段により通信断が判定された場合に、前記外部の報知先を介して、前記遊技店に対して取引結果情報の通知をおこなうので、デビット端末機と情報処理センタ間で通信経路が断線した場合でも、遊技店ではデビット端末機による決済結果を把握することができるうえ、通信の断線による障害を早期に回復することができるという効果を奏する。
また、請求項12に記載の発明は、遊技店に備えたデビット端末機と公衆回線により接続されたデビット決済処理をおこなう情報処理センタと外部の報知先とのデビット決済システムにおける異常情報報知方法であって、前記デビット端末機による異常状況を検知する異常状況検知工程と、前記異常状況検知工程により検知された異常状況を警告情報として、前記情報処理センタに送信する異常状況送信工程と、前記異常状況送信工程により送信された異常状況に応じて、異常状況を報知する報知先を、予め報知条件が登録された複数の報知先から自動的に選択する報知先選択工程と、当該報知先選択工程により選択された報知先に対しての報知手段を自動的に選択する報知手段選択工程とを備えるので、外部の報知先(保守会社)に対して、迅速且つ確実に報知をおこなうことができるうえ、制御ユニットの不正改造(暗証番号やカード情報のスキミング部品の取り付け)による不正行為を確実に防止することができるという効果を奏する。
また、請求項13に記載の発明によれば、前記報知方法選択工程は、前記外部の報知先に対して自動的に異常状況を送信する複数の送信工程を備えるとともに、これら複数の送信工程のうちから、前記報知先の報知条件に応じた送信工程を選択する機能を備えるので、この報知方法選択手段により容易且つ確実に報知条件に該当する報知方法を選択することができるという効果を奏する。
また、請求項14に記載の発明によれば、前記複数の送信工程は、前記外部の報知先に対して自動的にメールを送信する自動メール送信工程、自動的にFAXを送信する自動FAX送信工程、自動的に電話連絡をおこなう自動電話通信工程、または、これら複数の送信工程の組合わせにより構成されるので、外部の報知先(保守会社)に対して、迅速且つ確実に報知をおこなうことができるうえ、制御ユニットの不正改造(暗証番号やカード情報のスキミング部品の取り付け)による不正行為を確実に防止することができるという効果を奏する。
(異常情報報知システムの概要および特徴)
まず最初に、図1を参照して、本実施例1に係るデビット決済システムにおける異常情報報知システムの概要および特徴を説明する。図1は、本実施例1に係るセキュリティ情報報知装置を含む異常情報報知システムの全体構成を示すシステム構成図である。また、図2は、本実施例1に係る異常情報報知システムが適用される遊技媒体貸出システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施例1に係る異常情報報知システムは、パチンコ遊技やスロット遊技などの遊技を提供する遊技店100に備えたデビット端末機300とデビット決済処理をおこなうデビット決済センタである情報処理センタ600とで構築されるデビット決済における遊技媒体貸出システムに適用される異常情報報知システムである。すなわち、この異常情報報知システムは、情報処理センタ600がデビット端末機300から送信される制御ユニット310(図1)の取り外しなどのエラー状態(異常状態検知情報)をセキュリティ情報(異常情報)として受信した場合に、この異常状態の状況確認や修理を依頼する報知先(保守会社A、Bなどの本社、営業所、保守員)に対して、自動的に報知先および報知先に対する報知方法(メール、FAX、電話)を選択して報知をおこなうシステムである。
ここで、先ず、図2を参照して、この異常情報報知システムが適用される遊技媒体貸出システムについて簡単に説明する。すなわち、図2に示すように、この遊技媒体貸出システムは、ターミナルコントローラ400(T/C)の制御下にある島コントローラ255に接続されるパチンコ機110およびカード処理機150と、カード発行機200と、カード精算機210とからなるプリペイドカードシステムと、公衆回線網450を通じて通信接続されたデビット端末機300と情報処理センタ600とCAFISネットワーク700(クリアリングセンタ710を含む)と、デビットカード発行銀行800と、加盟店銀行900と、△△銀行950(遊技店の口座)とを介して接続されている。このCAFISネットワーク700を核とし、更に、情報処理センタ600の遊技店100内に設置されたデビット端末機300へと継がるシステム部分は、デビット決済をおこなうデビットカードシステムと称されている。なお、このデビットカードシステムの詳細については、公知技術であるため詳細は省略する。
また、ターミナルコントローラ400は、遊技店100外のカード会社センタ470の中央管理コンピュータと公衆回線網460により接続されており、この中央管理コンピュータを用いてターミナルコントローラ400内のデータを管理できるようになっている。
また、遊技店100内において、デビット端末機300とカード発行機200と管理装置であるターミナルコントローラ400(T/C)とが通信接続され、このうちデビット端末機300は、前述したように、遊技店100の店外において、公衆回線網450を介してデビット決済処理をおこなう情報処理センタ600に接続されている。
以下、再度、図1を参照して、異常情報報知システムの概要および特徴を説明する。すなわち、前述したように、異常情報報知システムは、デビット端末機300が据置された遊技店100と、デビット決済処理をおこなう情報処理センタ600と、このデビット端末機300のメンテナンス(保守)や修理をおこなう複数の保守会社(図1では、保守会社Aのみを示す)と、保守会社Aの本社と営業所とがそれぞれ情報処理センタ600と通信接続されたシステム構成となる。情報処理センタ600は、本発明の特徴部分であるセキュリティ情報報知装置500を備えている。
具体的に、異常情報報知システムの構成を説明すると、遊技店100内に据置されたデビット端末機300は、ISDNなどの公衆回線450を介して情報処理センタ600と通信接続され、情報処理センタ600と保守会社Aとは、公衆回線を含むインターネット451を介して通信接続されている。また、この情報処理センタ600から保守会社Aの本社および営業所、保守会社Aに所属する現地保守員の携帯電話に対して、複数の報知手段(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話通信)による自動送信(報知)が可能となっている。
また、保守会社Aは、Webブラウザを搭載したパソコンを備えており、後述するように、このパソコンを使用して情報処理センタ600に対して、報知条件の登録をおこなう機能を備えている。
また、この保守会社Aの本社および営業所は、主に遊技店100に据置されたデビット端末機300のメンテナンス(保守点検)を実施する機関として存在するが、本発明に密接する機能として、情報処理センタ600からの指示(遊技店100のデビット端末機300に対する状況確認/修理依頼)に基づいて、この依頼された遊技店100に保守員を派遣し、対象となるデビット端末機300の状況確認や修理を実施する機能を備えている。
具体的に説明すると、情報処理センタ600からの報知により、状況確認や修理依頼を受信した保守会社Aの本社および営業所は、該当する遊技店100に保守員を派遣し修理をおこなうこととなる。また、情報処理センタ600から直接、電話連絡或いはメールにより修理依頼を受信した現地の保守員は、遊技店100を訪問し、対象となるデビット端末機300の状況確認(修理)をおこなうこととなる。
ここで、この異常情報報知システムの主たる特徴は、情報処理センタ600が備えているセキュリティ情報報知装置500がデビット端末機300から制御ユニット310(図1)の取り外しなどのエラー状態(異常状態検知情報)をセキュリティ情報として受信した場合に、この異常状態の状況確認および修理を依頼する報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)および報知方法(メール送信、FAX送信、電話連絡)を自動的に選択し、これにより迅速且つ正確に報知をおこなうことにある。
具体的に、この特徴を説明すると、セキュリティ情報報知装置500は、本発明に係る異常情報報知システムの主体をなす装置であり、デビット端末機300において、異常状態の検知(制御ユニット310の取り外しや一定期間以上通信が途絶えているデビット端末機300があると判断した場合など)がなされた時に、このデビット端末機300から送信される「異常状態検知情報」を受信(取得)するとともに、この異常検知情報を受信した時の異常状態発生日(曜日)および時間帯を自動的に取得/判定し、さらに、この取得/判定した異常状態発生日(曜日)および時間帯に基づいて、異常状態修復の修理依頼指示を報知する報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)を選択するとともに、この選択した報知先に対する報知方法を、報知条件データベース580(図7)に登録された報知条件に基づいて、複数の報知手段(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話通信)のうちから自動的に報知手段を選択し、この選択した報知手段により報知先に対しての報知をおこなう機能を備えている。
すなわち、このセキュリティ情報報知装置500は、デビット端末機300の異常状態に応じて、この異常状態を報知する報知先および報知先に対しての報知方法が、予め報知条件として登録された報知条件データベース580(図7)を備えており、この報知条件データベース580に基づいて、報知する報知先および報知先に対しての報知方法を自動的に選択するようにしている。
さらに、このセキュリティ情報報知装置500は、保守会社Aに対しての報知を無効とする報知無効条件が、予め報知無効条件として登録された報知無効条件データベース590(図8)を備えており、この報知無効条件データベース590に基づいて、報知の無効を判定するようにしている。
すなわち、デビット端末機300の制御ユニット310は、予め、保守会社Aによるメンテナンス(保守点検)やカード発行機200の入れ替えや設定情報の変更などで取り外しが予定されている場合があるため、この場合には、警告情報として保守会社に報知する必要はないと言える。そこで、予め制御ユニット310の取り外しが予定されている日時を報知無効条件として、この報知無効条件を報知無効条件データベース590に登録し、この報知無効条件に該当するデビット端末機300(識別ID)による異常検知状態情報の送信判定時には報知をおこなわない制御としている。なお、これら、報知条件データベース580および報知無効条件データベース590の詳細については、後述する。
一方、情報処理センタ600は、保守会社Aから登録情報として送信された報知条件を受信すると、セキュリティ情報報知装置500の報知条件登録部510(図6)により報知条件データベース580として登録するものとなる。以下、後述するように、この報知条件データベース580内の報知条件は、デビット端末機300から送信される「異常状態検知情報」の報知をおこなう際の、報知先および報知方法の選択条件として利用される。
次に、図3および図4を参照して、遊技店100に備えているデビット端末機300の構成および機能の詳細について説明する。図3は、デビット端末機300の外観を示した正面図、図4は、このデビット端末機300の内部構成を示す機能ブロック図である。以下、これら図3、4を参照しながら、デビット端末機300の詳細について説明する。
図3に示すように、デビット端末機300は、縦型の筐体により構成されており、上から順番に、表示部350、操作入力部360、デビットカード挿入/返却口370、レシート発行口380とを備えている。
表示部350は、デビット決済による取引金額(プリペイドカードの購入金額)や遊技客による入力操作のガイダンスをおこなう各種情報を表示する機能を有しており、例えば液晶表示器によって構成してある。
操作入力部360(外部操作入力部)は、確認スイッチや取消スイッチ等の各種機能スイッチ、さらにはデビットカード(キャッシュカード)の暗証番号を入力するためのテンキースイッチを備えて構成したものであり、暗証番号等を入力する機能を有している。
デビットカード挿入/返却口370は、キャッシュカード(デビットカード)を受け入れて、取り込んだデビットカードをデビットカード処理部390(図4)において所望の処理を施した後、再度、このデビットカードを返却するための開口である。
レシート発行口380は、印字部385(図4)において印字処理されたレシートを、遊技客用の利用控えとして排出するための開口である。このレシート発行口380からはデビット決済による結果(OKかNG)が印字されたレシートを発行することもできる。
次に、図4を参照してデビット端末機300の内部構成の詳細について説明する。すなわち、図4に示すように、デビット端末機300の内部は、表示部350と、デビット制御部340と、エラー状態判定部345と、外部操作入力部360(操作入力部)と、デビットカード挿入/返却口370と、レシート発行口380と、印字部385と、デビットカード処理部390と、通信I/F部330、330aとを備えている。
ここで、図4に示すように、デビット端末機300の特徴は、デビット端末機300本体に組みつけられた制御ユニット310の取り外しを検知する制御ユニット取り外し検知センサ320(以下、単に「取り外し検知センサ320」と称する)と、デビット端末機300による異常状態をエラーとして判定するエラー状態判定部345とを備えたことにある。なお、前述したように、デビット制御部340とデビットカード処理部390は、ブラックボックスとして一体化されており、制御ユニット310としている。
取り外し検知センサ320は、制御ユニット310の取り外しを検知する機能を備えている。ここで、図5を参照して、制御ユニット310の取り外しを検知する取り外し検知センサ320の機能について簡単に説明する。この取り外し検知センサ320は、デビット端末機300の内部に組み付けられた制御ユニット310が、取り外された際に、この取り外しを電気的或いは機械的に検知する機能を備えていており、近接センサやプッシュセンサなどにより構成されている。そして、同図に示すように、制御ユニット310が取り外された際には、この取り外し検知センサ320により不正改造がおこなわれたことを判定することができる。
具体的に説明すると、制御ユニット310が取り外された場合の取り外し検知センサ320による検知出力をONとすると、この取り外し検知センサ320による検知出力がOFFからONとなり、再度、この検知出力がONからOFFとなった場合に、制御ユニット310が取り外され、何らかの不正改造がおこなわれた後、再度、デビット端末機300に、この制御ユニット310の取り付けがおこなわれたと判定することができる。
このため、実際には、取り外し検知センサ320により、制御ユニット310が取り外され、再度、デビット端末機300に取り付けられたことが検知されるとともに、デビット端末機300の本体電源が投入(ON)された場合に、情報処理センタ600に「異常状態検知情報」が送信されることとなる。
図4に戻り、再度、デビット端末機300の内部構成について説明する。すなわち、通信I/F部330は、公衆回線網450を通じて情報処理センタ600との間で通信をおこなう機能を備えており、この通信I/F部330を通じて、決済希望金額に関わる決済依頼通知と、デビット端末機300になんらかの異常が発生した場合の「異常状態検知情報」が情報処理センタ600に送信されることとなる。また、通信I/F部330aは、カード発行機200(図2)の通信I/F部(図示せず)と通信自在となっており、これらデビット端末機300とカード発行機200との間で、各種情報(プリペイドカードの所有する残金情報など)の送受信がおこなわれる。
デビット制御部340は、デビット端末機300における各処理を一括してコントロールする制御機能を備えており、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部である。また、特に本発明に密接に関連するものとしては、機能概念的に、エラー状態判定部345を備えてる。このエラー状態判定部345は、遊技店のデビット端末機300によるエラー内容が、制御ユニット310の取り外しによる物理的エラーか、このような物理的エラー以外の論理エラーかの判定をおこなう機能を備えている。
印字部385は、デビット制御部340から通知された情報を、レシート発行口380から発行されるレシートに印字するための機能を有している。具体的には、この印字部385により、レシートに対してデビット処理に係る金額情報などが印字される。
デビットカード処理部390は、デビットカード挿入/返却口370から取り込んだデビットカード(キャッシュカード)に磁気記録されているカード情報を読み取り、その読み取り結果をデビット制御部340に通知する機能を備えている。
(異常情報報知システムの全体構成)
次に、図6を参照して、本発明の異常情報報知システムに係るセキュリティ情報報知装置500の詳細について説明する。図6は、情報処理センタ600に備えてるセキュリティ情報報知装置500の全体構成を示す機能ブロック図を示している。
すなわち、図6に示すように、セキュリティ情報報知装置500は、報知条件登録部510と、報知無効条件登録部520と、報知無効判定部522と、異常状態判定部525と、異常発生日時判定部530と、報知先選択部540と、報知手段選択部550と、自動メール送信部551と、自動FAX送信部552と、自動電話通信部553と、通信制御I/F部570と、報知条件データベース580と、報知無効条件データベース590とを備えている。
報知条件登録部510は、制御ユニット310の取り外し検知によるエラーおよび何らかの自己チェックによる論理エラーなどの報知対象を事前に設定(登録)する機能を備えており、具体的には、保守会社A(図1)のWeb画面(報知条件設定画面581)の設定により登録された報知条件(報知先および報知手段)を、報知条件データベース580(図7)に記憶/格納する機能を備えている。なお、この報知条件登録部510による複数の保守会社による報知条件の登録は、情報処理センタ600に備えたパソコンのWeb画面の設定入力により登録することもできる。
報知無効条件登録部520は、保守会社A(図1)のWeb画面(報知無効条件設定画面591)の設定により登録された報知無効条件を報知無効条件データベース590(図8)に記憶/格納する機能を備えている。前述したように、報知無効条件データベース590には、デビット端末機300の識別IDに対応付けて、保守会社によるメンテナンス(保守点検)の実施予定日やカード発行機200の入れ替えにともなう制御ユニット310(図4)の取り外し予定日などが登録/格納されている。
報知無効判定部522は、デビット端末機300から送信された「異常状態検知情報」を解析し、報知無効条件データベース590(図8)に登録/格納されている報知無効条件に基づいて、保守会社A等に対する報知を無効とするか否かを判定する機能を備えている。
異常状態判定部525は、デビット端末機300から送信された「異常状態検知情報」を解析し、制御ユニット310の取り外しにともなうエラーか、その他何らかの自己チェックによる論理エラーかを判定する機能を備えている。前述したように、制御ユニット310の取り外しは、取り外し検知センサ320によりおこなわれる。
異常発生日時判定部530は、デビット端末機300から送信された「異常状態検知情報」を受信した時の異常状態発生日(曜日)および時間帯を自動的に取得/判定する機能を備えている。
報知先選択部540は、異常発生日時判定部530により判定されたデビット端末機300による異常状態の発生日(送信日)に基づいて、複数の報知先(保守会社Aの本社、営業所、現地の保守員/保守会社B・・・)の中から、1箇所以上の報知先を、デビット端末機300に対する状況確認/修理依頼の連絡先として、自動的に選択する機能を備えている。
報知手段選択部550は、自動メール送信部551と自動FAX送信部552と自動電話通信部553とを備えており、これら複数の報知手段(自動メール送信部551、自動FAX送信部552、自動電話通信部553)の内から、報知手段を任意に選択する機能を備えているうえ、これら複数の報知手段のうちいずれかの報知手段により報知をおこなうかを任意に選択する機能を備えている。具体的には、本社にFAX、保守員にメールとの設定が可能となっている。
自動メール送信部551は、自動的にメールを対象となる報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)に送信する機能を備えている。この自動メール送信部551によるメール送信の場合、状況確認(修理)を依頼する遊技ホール名称(○△パーラー)、点検/修理の対象となるデビット端末機300の識別IDなどが入力(記載)されたメールが自動的に報知先に送信される。
自動FAX送信部552は、自動的にFAXを対象となる報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)に送信する機能を備えている。この自動FAX送信部552によるFAX送信の場合、状況確認(修理)を依頼する遊技ホール名称(○△パーラー)、点検/修理の対象となるデビット端末機300の識別IDなどが記入されたFAX用紙が自動的に報知先に送られる。
自動電話通信部553は、自動的に電話による修理依頼を対象となる報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)に対して、送信する機能を備えている。この自動電話通信部553による電話通信の場合、状況確認(修理)を依頼する遊技ホール名称(○△パーラー)、点検/修理の対象となるデビット端末機300の識別IDなどの情報が音声により自動的に保守員の携帯電話に伝達される。
報知条件データベース580は、保守会社Aにより設定(登録)された報知条件が記憶/格納されているデータベースである。この報知条件データベース580は、予め保守会社AがパソコンのWeb画面(報知条件登録画面581)により作成した報知条件が登録されているデータベースである。
図7は、報知条件データベース580の構成内容を示している。すなわち、同図に示すように、報知条件データベース580には、メンテナンス(保守点検)や修理を実施する各保守会社の名称(保守会社A、保守会社B・・・)と、報知が適用される曜日(月曜〜金曜)と、時間帯と、報知先(保守会社の本社、営業所、保守員)と、報知方法(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話通信)とが各保守会社別に登録/格納されている。
具体的に説明すると、保守会社Aでは、月曜日から金曜日の間は、9時から18時59分の時間帯では、本社および営業所により情報処理センタ600からの報知を受信可能であり、報知方法(送信手段)としては、FAXかメールによる送信手段が登録されていることを表している。また、同様に、月曜日から金曜日の間の19時から(翌朝)8時59分までの時間帯では、報知先として本社および保守員が登録され、報知方法として本社宛てにはFAX、保守員宛てにはメールによる送信が登録されていることを表している。
すなわち、保守会社Aの場合、例えば、月曜日の20時に、遊技店100のデビット端末機300から情報処理センタ600に、「異常状態検知情報」の送信があった場合には、図7の報知条件データベース580に基づいて、本社に対して自動的にFAXによる報知がおこなわれるとともに、保守員の携帯電話に対して自動的にメールによる報知がおこなわれる。これらの報知により、本社には報知された旨の記録がFAXとして残されるとともに、メールによる報知を受けた保守員が早急に対応することが可能となる。
報知無効条件データベース590は、遊技店100に据置された複数台のデビット端末機300の識別IDに対応付けて、保守会社に対する「異常状態検知情報」の報知を無効とする日時と、この報知を無効とする理由とを登録/格納する機能を備えている。
図8は、報知無効条件データベース590の構成内容を示している。すなわち、同図に示すように、この報知無効条件データベース590は、デビット端末機300の識別ID番号に対応付けて、予め、メンテナンス(保守点検)やカード発行機200の入れ替えにより制御ユニット310が取り外される日時および時間帯が登録/格納されているデータベースである。
具体的に説明すると、3月14日の22時から23時30分までの間は、端末ID番号が000134のデビット端末機300は、保守点検(メンテナンス)のため制御ユニット310が取り外されることが登録されていることを示している。また、3月16日の12時30分から15時30分までの間は、端末ID番号が006895のデビット端末機300は、カード発行機200の入れ替え作業のため制御ユニット310が取り外されることが登録されていることを示している。すなわち、この報知無効条件データベース590に登録されている報知無効条件に基づいて、デビット端末機300から「異常状態検知情報」が送信された日時が、報知無効条件と一致する場合は、保守会社に対しての報知を中止とする制御が実施される。
次に、図9および図10を参照して、報知条件設定画面581および報知無効条件設画面591について説明する。これら報知条件設定画面581および報知無効条件設定画面591は、例えば、HTMLやXMLなどのテキスト・ファイルとして形成することができる。
図9は、保守会社Aのパソコンに表示される報知条件を設定するための報知条件設定画面581の表示例(Web画面例)を示す図である。すなわち、図9示すように、この報知条件設定画面581には、保守会社名、期日(曜日)、時間帯、報知先(報知場所)、報知の方法を選択する選択フィールドが表示されており、保守会社Aのオペレータは、この報知条件設定画面581に対して、所望の報知条件を入力または選択により設定することができる。この報知条件設定画面581において、582は、入力または選択された報知条件を設定するための設定ボタンで、583は、最終的に設定ボタン582により設定された報知条件を情報処理センタ600に対して送信するための送信ボタンである。この送信ボタン583押下(ON)により設定された報知条件がインターネット451(図2)を介して、情報処理センタ600に送信される。
具体的に説明すると、期日および時間帯は、三角マーク(移動ボタン)のクリックにより所望の曜日および時間帯に設定することができる。また、報知先(場所)は、保守会社Aの本社と、営業所と、現地保守員の携帯電話とによる3種類(保守会社Bは、保守コールセンターを入れた4種類)の報知先のうち何れかのチェックマークをマウスによるクリックで、選択することで設定することができる。また、同様に報知手段の選択は、自動メール送信と、自動FAX送信と、自動電話通信による3種類の報知手段のうち何れかのチェックマークをマウスによるクリックで選択することにより設定することができる。
具体的に説明すると、図9の報知条件設定画面581による設定例では、保守会社Aの場合、月曜から金曜の9時から18時59分までの時間帯では、報知先を保守会社Aの本社、営業所、現地保守員の携帯電話の中から選択可能としており、本例の場合、報知先として、保守会社Aの本社と営業所とが報知先として設定されていることを示している。
以下、報知条件設定画面581による設定ボタン582の押下(ON)により入力または選択された報知条件が設定され、送信ボタン583押下(ON)により設定された報知条件は、保守会社のパソコンからインターネット451を介して、情報処理センタ600に対して送信され、報知条件登録部510により報知条件記憶データベース580(図7)に格納される。以下、この報知条件データベース580に記憶された報知条件に基づいて、報知先の選択および報知手段が選択されることとなる。なお、この報知条件設定画面581による設定は、定期的或いは報知条件の変更が生じた場合に設定される。
図10は、保守会社Aのパソコンに表示される報知無効条件を設定するための報知無効条件設定画面591の表示例(Web画面例)を示す図である。すなわち、図10に示すように、この報知無効条件設定画面591には、報知無効期日、デビット端末機300の識別ID番号、時間帯、無効理由とを設定する選択フィールドが表示されており、保守会社Aのオペレータは、この報知無効条件設定画面591に対して、所望の報知条件を入力または選択により設定することができる。この報知無効条件設定画面591において、592は、入力または選択された報知無効条件を設定するための設定ボタンで、593は、最終的に設定ボタン592により設定された報知無効条件を情報処理センタ600に対して送信するための送信ボタンである。この送信ボタン593押下(ON)により設定された報知条件がインターネット451(図2)を介して、情報処理センタ600に送信される。
具体的に説明すると、報知無効期日および時間帯は、三角マーク(移動ボタン)のクリックにより所望の期日および時間帯を設定することができる。また、報知無効理由は、メンテナンス、端末の入れ替え(カード発行機200)、その他による3種類の報知無効理由のうち何れかのチェックマークをマウスによるクリックで、選択することで設定することができる。また、端末の識別IDは、テンキーによる数字の入力により設定することができる。
具体的に説明すると、図10の報知無効条件設定画面591による設定例では、3月14日に、端末識別ID134のデビット端末機300が22時から23時までの時間、メンテナンスのため制御ユニット310の取り外しがあることを示している。
以下、報知無効条件設定画面591による設定ボタン592の押下(ON)により入力または選択された報知無効条件が設定され、送信ボタン593押下(ON)により設定された報知無効条件は、保守会社のパソコンからインターネット451を介して、情報処理センタ600に対して送信され、報知無効条件登録部520により報知無効条件記憶テーブル590(図8)に格納される。以下、この報知無効条件データベース590に記憶された報知無効条件に基づいて、該当する期日、時間帯、識別IDと同一のデビット端末機300による「異常状態通知情報」の受信時には報知を無効とする制御をおこなうこととなる。
(異常情報報知システムによる基本制御手順)
図11は、本実施例1に係る異常情報報知システムの基本制御手順を示すフローチャートである。すなわち、本発明の異常情報報知システムは、大別して(1)報知条件登録工程(ステップSA110)と、(2)報知無効条件登録工程(ステップSA120)と、(3)異常状態判定工程(ステップSA130)と、(4)異常発生日時判定工程(ステップSA140)と、(5)報知先選択工程(ステップSA150)と、(6)報知手段選択工程(ステップSA160)と、(7)異常状態報知工程(ステップSA170)とによる7つの処理工程により構成されている。以下、(1)〜(7)による各制御工程の詳細について説明する。
(1)報知条件登録工程は、保守会社A(図1)のパソコンによるWeb画面(報知条件設定画面581)により設定された報知条件を、セキュリティ情報報知装置500の報知条件データベース580(図7)に記憶(登録)させる処理工程である。
(2)報知無効条件登録工程は、保守会社A(図1)のパソコンによるWeb画面(報知無効条件設定画面591)により設定された報知無効条件を、セキュリティ情報報知装置500の報知無効条件データベース590(図8)に記憶(登録)させる処理工程である。
(3)異常状態判定工程は、デビット端末機300から送信された異常状態の判定をセキュリティ情報報知装置500の異常状態判定部525によりおこなう処理工程である。
(4)異常発生日時判定工程は、デビット端末機300から送信された異常状態情報の受信日(曜日)および時間帯をセキュリティ情報報知装置500の異常発生日時判定部530によりおこなう処理工程である。
(5)報知先選択工程は、異常状態情報を送信する報知先をセキュリティ情報報知装置500の報知先選択部540によりおこなう処理工程である。
(6)報知手段選択工程は、前記報知先選択工程により選択された報知先に応じて、複数の報知手段(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話通信)の中から、報知条件データベース580に登録された報知条件に基づいて、自動的に報知手段を選択する処理工程である。
(7)異常状態報知工程は、報知先選択工程により選択された報知先に対して、報知手段選択工程により選択された報知手段(メール送信、FAX送信、自動電話)を使用して、自動的に異常状態の報知(送信連絡)をおこなう処理工程である。
(異常情報報知システムにおけるセキュリティ情報の報知処理手順)
次に、図12のフローチャートを参照して、本実施例1における異常情報報知システムにおけるセキュリティ情報(異常情報)の報知処理手順を説明する。この図12に示すフローチャートは、遊技店100に据置されたデビット端末機300と、情報処理センタ600に備えたセキュリティ情報報知装置500間において、実行されるセキュリティ情報の報知処理手順を示している。ここで、以下のフローチャートでは、デビット端末機300に組み付けられている制御ユニット310の取り外しが、取り外し検知センサ320(図4)により検知されたことを想定して説明する。
すなわち、図12のフローチャートに示すように、先ず、デビット端末機300は、異常状態が発生したか否かの判定をおこなう(ステップS110)。具体的には、デビット端末機300から制御ユニット310の取り外しがあり、これにより、取り外し検知センサ320が作動(ON/OFF)したかの判定をおこなう。そして、このステップS110の判定により、制御ユニット310の取り外しがあると判定された場合(ステップS110肯定)、デビット端末機300は、異常状態が発生したことを判定する(ステップS120)。以下、このデビット端末機300は情報処理センタ600に対して、異常状態が発生した旨を示す「異常状態検知情報」を警告情報として送信する(ステップS130)。なお、この場合、デビット端末機300から情報処理センタ600に対して警告情報が送信されるまで、このデビット端末機300は使用不能となる。
一方、情報処理センタ600では、デビット端末機300から送信された「異常状態検知情報」を受信すると(ステップS140肯定)、デビット端末機300が「異常状態」であると判断し、現時点でデビット端末機300が警告状態であると認識する(ステップS150)。
以下、情報処理センタ600は、デビット端末機300の状況確認/修理を保守会社Aに対して依頼(報知)する異常状態報知処理に移行する(ステップS160)。前述したように、この異常状態報知処理とは、情報処理センタ600がデビット端末機300から送信される「異常状態検知情報」を受信した際に、報知条件データベース380(図7)に基づいて、登録された報知先および報知方法を選択して、選択された報知手段(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話送信)により状況確認および異常状態の修復処理を迅速且つ正確におこなうための制御手順である。
すなわち、この異常状態報知処理(状況確認)では、先ず、デビット端末機300から「異常検知情報通知」を受信した時の期日(曜日)判定をおこない(ステップS170)、次いで、同様に「異常状態検知情報」を受信した時の時間帯の判定をおこなう(ステップS180)。これら「異常状態検知情報」を受信した時の期日(曜日)および時間帯の判定は、異常発生日時判定部530(図5)によりおこなう。なお、本フローチャートでは、異常発生日時判定部530により判定された異常発生日時は、火曜日の21時であったとして、以下、説明する。
次いで、報知無効条件判定に移行し(ステップS190)、ステップS170およびステップS180により判定された「異常状態検知情報」の受信日(曜日)および時間帯が報知無効条件に該当するかの判定をおこなう(ステップS210)。具体的には、報知無効条件データベース590(図8)を参照し、「異常状態検知情報」の受信日(曜日)および時間帯が報知無効条件と一致するかの判定である。そして、ステップS210の判定により、報知無効条件が該当すると判定された場合には(ステップS210肯定)、そのまま保守会社に対する報知をおこなうことなく処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS210の判定により、報知無効条件データベース590による報知無効条件が該当しないと判定された場合には(ステップS210否定)、次の、報知先選択処理に移行する(ステップS230)。前述したように、この報知先選択処理は、報知情報データベース580から報知条件を取得する処理である。すなわち、この報知先選択処理は、ステップS170およびステップS180により判定された「異常状態検知情報」の受信による曜日および時間帯に基づいて、報知先の選択をおこなう処理である。具体的に説明すると、本例の場合、「異常状態検知情報」の発生日時(受信日時)は、火曜日の21時であることから、報知条件データベース580(図7)によると、報知先は現地保守員の携帯電話が選択されることとなる。
次いで、以下では、ステップS230により選択された報知先に応じた報知手段を選択する報知手段選択処理に移行する(ステップS240)。前述したように、この報知手段選択処理は、報知情報データベース580から報知先に対応する報知手段を複数の報知手段(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話通信)の中から選択する処理である。具体的には、ステップS170およびステップS180により判定された異常状態発生日時に基づいて、報知条件データベース580を参照し、登録されている複数の報知手段の中から報知手段を選択することとなる。本例の場合、具体的には、異常発生日時は、火曜日の21時であるため、報知条件データベース580に登録された報知条件から報知手段は自動メール送信による報知或いは、自動電話通信による報知となる。
以下、ステップS250による異常状態報知処理に移行する(ステップS250)。すなわち、本例では、ステップS230の報知先選択処理およびステップS240の報知手段選択処理により選択された報知先および報知手段よる報知処理がおこなわれる。本例では、情報処理センタ600のセキュリティ情報報知装置500から保守会社Aに所属する現地保守員の携帯電話に対して、自動メールの送信或いは自動電話通信による状況確認/修理依頼の報知がおこなわれることとなる。
以上説明したように、実施例1に係る異常情報報知システムは、デビット端末機300における異常状態の発生時に、この異常状態の発生を自動的に検知するとともに、情報処理センタ600によりデビット端末機300から送信される「異常検知情報」を受信し、この異常検知情報を受信した時の異常状態発生日(曜日)および時間帯を取得/判定し、さらに、この取得/判定した異常状態発生日(曜日)および時間帯に基づいて、異常状態の修理依頼指示を報知する報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)を自動的に選択するとともに、この選択した報知先に対する報知方法を、複数の報知手段(FAX、電話、メール)のうちから自動的に選択するセキュリティ情報報知装置を備えるので、異常状態の報知を保守会社に対して効率良く報知することができる。
次に、本発明の異常情報報知システムに係る実施例2の詳細を説明する。図13は、実施例2に係るデビット端末機300aの内部構成を示す機能ブロック図を、図14は、実施例2に係るセキュリティ情報報知装置500aの全体機能ブロック図を、図15は、実施例2に係る異常情報報知システムにおけるセキュリティ情報の報知処理手順の流れを示すフローチャートをそれぞれ示している。なお、以下の説明において、前述した図4および図6に示した各機能ブロック図による構成要件と同一の構成要件については、詳細な説明を省略する。
ここで、実施例2に係る異常情報報知システムは、決済処理の途中にデビット端末機300aと情報処理センタ600間の通信がデビット決済がおこなわれている途中で途絶えた(例えば、通信経路の断線)場合、セキュリティ情報報知装置500aにより、この通信断状態をエラー状態(デビット端末機300側の決済不明状態)として判定し、実施例1と同様、報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)に対して、デビット端末機300に異常状態(エラー状態)が発生したことの報知(状況確認依頼/修理依頼)をおこなうとともに、この報知先を介して対象となるデビット端末機300における決済結果(デビット決済による取引結果)の伝達をおこなうことに特徴がある。なお、この場合も実施例1と同様に選択された報知先に応じた報知手段(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話通信)が自動的に選択される。
具体的に説明すると、情報処理センタ600は、該当するデビット端末機300による取引結果(例えば、デビット端末機300による決済が完了したことや、非決済として決済が完了できなかったことや、処理の途中で決済の取り消しがあったこと)を決済取引結果として取得(判定)することができる。このため、例えば、デビット端末機300と情報処理センタ600間での通信経路が断線した場合でも、情報処理センタ600が把握(取得)している決済結果を、セキュリティ情報報知装置500aの機能を利用して、選択された報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)に対して、選択された報知手段(自動メール送信、自動FAX送信、自動電話通信)により報知をおこない、この選択された報知先を介して、対象となる遊技店100(デビット端末機300)に決済結果を伝達できるようにしている。
このため、図13に示すように、デビット端末機300aのデビット制御部340には、エラー状態の判定をおこなうエラー状態判定部345と、デビット端末機300によるデビット決済結果が不明であるかの判定をおこなう決済不可判定部346とを備えている。また、図14に示すように、セキュリティ情報報知装置500aには、デビット端末機300と情報処理センタ600間での通信断を判定する通信断判定部560が備えられている。この通信断判定部560は、デビット決済がおこなわれている途中にデビット端末機300と情報処理センタ600との間で所定時間以上通信が途絶えた場合に、通信経路の断線があることを判定する機能を備えている。
以下、図15のフローチャートを参照して、実施例2に係る異常情報報知システムにおけるセキュリティ情報の報知処理手順について説明する。ここで、図15に示すフローチャートは、デビット端末機300と情報処理センタ600間で通信の断線が発生した場合のデビット端末機300による処理手順と情報処理センタ600(セキュリティ情報報知装置500a)による処理手順の詳細を示している。なお、この実施例2による図15のフローチャートにおいて、前述した図12と同様の処理手順については、詳細な説明は省略する。
すなわち、図15のフローチャートに示すように、デビット端末機300では、先ず決済不明状態があるか否かの判定をおこない(ステップS140)、このステップS140の判定により、決済不明状態であると判定された場合には(ステップS140肯定)、デビット端末機300と情報処理センタ600間での通信経路において、通信の断線があると判定する(ステップS145)。ここで、決済不明状態であるか否かの判定は、決済不可判定部346によりおこなわれる。また、通信経路の断線の判定は、通信断判定部560によりおこなわれる。
次いで、デビット端末機300は、ステップS145によりデビット端末機300と情報処理センタ600間で通信の断線があると判定すると、カード挿入/排出口370(図3)からデビットカード(キャッシュカード)を排出し(ステップS146)、次いで、レシート発行口380(図3)から取引明細レシートを排出する(ステップS147)。なお、このレシート発行口380から排出される取引明細レシートには、決済不明エラーの発生および通信経路が断線した旨を示す情報が印字されている。
以下、このデビット端末機300は、表示部350(図3)に例えば、「只今、決済処理のお取り扱いはできません」などのガイダンスが表示され決済取引機能を停止し、エラーダウンとなり(ステップS148)、デビット端末機300による処理を終了する(エンド)。
一方、情報処理センタ600では、デビット端末機300からの取引通信が途中で途絶えたか否かを判定し(ステップS152)、このステップS152の判定によりデビット端末機300からの取引通信が途中で途絶えたと判定された場合(ステップS152肯定)、デビット端末機300と情報処理センタ600間の通信経路が断線状態であると判定する(ステップS155)。
以下、前述した図12のフローチャートと同様に、ステップS160〜ステップS180およびステップS230〜ステップS240による処理をおこなった後、具体的には、ステップS240により報知手段選択処理をおこない(ステップS240)、次いで、ステップS240により選択された報知手段により、報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)に対して異常状態(通信断)の報知をおこない(ステップS255)、以下、デビット端末機300による決済結果の報知をおこない(ステップS260)、全ての処理を終了する(エンド)。
以上説明したように、実施例2に係る異常情報報知システムは、デビット端末機300と情報処理センタ600との間の通信がデビット決済がおこなわれている途中で途絶えた(例えば、通信経路の断線)場合に、この通信断をエラー状態(端末側決済不明状態)として通信断判定部560により判定し、報知先(保守会社Aの本社、営業所、保守員)に対して、遊技店100(デビット端末機300)に異常状態が発生したことの報知および決済結果(デビット決済による取引結果)の報知をおこなうので、デビット端末機300と情報処理センタ600間での通信が不能となった場合でも、決済結果をセキュリティ情報報知装置500aの機能を利用して、保守会社Aを介して遊技店100に決済結果を伝達することができる。これによって、デビット端末機300と情報処理センタ600間で通信経路が断線した場合でも、遊技店100では、デビット端末機300による決済結果を把握することができるうえ、通信経路の断線などによる障害を早期に回復することができる。
なお、情報処理センタ600のセキュリティ情報報知装置500において、報知先として遊技店を選択可能に設定しておくことにより、デビット端末機300と情報処理センタ600との間の通信が、デビット決済がおこなわれている途中で途絶えた場合に、この情報処理センタ600から直接、遊技店100に対して対象となるデビット端末機300による決済結果の報知(決済不明エラーの報知)および通信断の報知をおこなうようにしてもよい。更には、決済処理をおこなっている途中でなくても、デビット端末機300と情報処理センタ600との通信が所定時間以上通信が途絶えた場合には、情報処理センタ600は通信異常が発生していると判断して、その旨の異常情報を報知先(保守会社、遊技店等)へ報知するようにしてもよい。
(他の実施例)
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例1、2以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において、種々の異なる実施例にて実施することもできる。以下では、本発明に関する種々の変形例を順に説明する。
すなわち、上述した実施例1、2では、デビット端末機300による異常状態発生時には、情報処理センタ600から保守会社Aに対して、状況確認や修理を報知するようにしているが、状況確認や修理を依頼する報知をおこなうことなく、情報処理センタ600側でデビット端末機300による決済処理の受付を一旦中断(決済受付の拒否)する制御をおこなうこととしてもよい。具体的には、デビット端末機300における異常状態の検知が連続して継続した場合や、遊技店100内に複数台据置されたデビット端末機300の全ての端末機300のいずれによっても、異常状態が検知される場合などでは、決済処理の受付を拒否する制御をおこなうものとなる。
また、上述した実施例1、2では、デビット端末機300による異常状態の発生日(送信日)に基づいて、複数の報知先(保守会社Aの本社、営業所、現地の保守員/保守会社B・・・)の中から、いずれか1箇所の報知先(状況確認/修理依頼の連絡先)を自動的に選択するようにしているが、この場合の報知先は1箇所ではなく、複数箇所の報知先に対して同時に修理の依頼報知を送信するようにしてもよい。