まず、貯遊技媒体管理システムにおける警告出力の概要を説明する。図1は、貯遊技媒体管理システムにおける警告出力の概要を説明するための説明図である。ここでは、例えば店長などの店舗の管理者によって、アラート対象として「返品時の貯玉」が選択されているものとする。
かかる状況において、遊技客が、賞品交換によって交換した賞品が不要である旨を賞品交換の担当者である従業員に伝えると、該従業員は、賞品管理装置において賞品の返品の処理を行う。かかる賞品の返品の処理が行われると、その賞品の交換に要する玉数が賞品交換対象の玉数として再度特定され、賞品の在庫数の修正(加算)が行われる。
この状態において、遊技客が会員登録を行っていない一般の遊技客である場合、遊技客は、従業員から賞品を受け取らずに賞品に係る権利を放棄するケースがある。遊技客は、返品した賞品と同じ遊技媒体数の他の賞品を選択することができるものの、飴やガムなどの小額の景品を不要と考える遊技客が多いためである。
遊技客が賞品についての権利を放棄したならば、従業員は、本来図中に破線の矢印で示すように、遊技客が放棄した賞品の遊技媒体数を店舗の収入として取り込む処理を行うことになる。
しかしながら、従業員が不正を企図した場合には、図中に実線の矢印で示すように、従業員自身の会員カード又は従業員により盗用された会員カードに対して放棄された賞品分の遊技媒体数を貯玉される可能性がある。このような場合に、不正を企図する従業者が取得できる一回の貯玉数は少量であるが、かかる処理が複数回繰り返され、蓄積された貯玉について再プレイが行われたり、高額な賞品への交換が行われたりすると、遊技店の損失が過大となる。
そこで、本実施例1では、店舗の管理者によって「返品時の貯玉」がアラート対象として選択されている場合には、上記のような不正な処理が行われたならば、メール等で報知を行うとともに、アラート対象となる上記の処理のログを抽出してアラートログが作成されることとしている。
ところで、上記に示した賞品の返品時の貯玉は、会員が賞品の返品を行う場合にも生ずる。会員が、従業員の勧めに従って、返品した商品分の遊技媒体数を貯玉するケースがあり得るためである。このため、単に賞品の返品時に貯玉されたからといって、直ちに従業員による不正が発生したと断定できるわけではない。
しかしながら、同一の従業員が、賞品の返品時の貯玉を繰り返し実施した場合や、同一の会員カードに対して過度に繰り返し貯玉がされた場合などは、従業員による賞品の返品時の不正が行われた可能性を否定できない。このため、メール等で報知された店舗の管理者が、作成されたアラートのログを確認し、対象のログが従業員の不正の可能性があるか否かを判断できるようにする意味は大きい。そして、従業員による不正が行われた可能性が想定される場合には、該従業員の行動の監視、従業員に直接不正の有無を問い質す等の対応が可能になる。
このように、賞品の返品時の貯玉の処理に関して、従業員の不正の可能性があるパターンを登録し、登録パターンに該当する処理が行われた場合に通知するとともに、処理のログを抽出して閲覧できるようにして、貯玉の処理に介在する従業員によって、通常の処理又は不正な処理の判別が難しい状況で不正行為が行われる場合であっても、不正の可能性を認識することが可能となる。これにより、従業員の不適正な処理を検出し、貯遊技媒体システムにおける遊技店の適正な運用を確保することができる。
次に、本実施例1に係る貯遊技媒体管理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る貯遊技媒体管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過した場合に、所定個数の遊技玉を賞玉として付与する。
また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、この始動領域を遊技玉が通過した場合に、所定の抽選が行われる。この抽選結果が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、入賞領域又は他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記の入賞領域には、該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)が検知される。また、遊技機20の制御装置は、入賞領域ごとに賞玉として付与する遊技玉数を記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、特定の入賞領域に対する遊技玉の通過が入賞センサにより検知されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の遊技玉が払い出される。
また、遊技機20の外部出力部からは、遊技機20の遊技状態(大当り状態か否か等)、払い出された賞玉数、抽選が行われたこと等を示す外部出力信号が出力される。さらに、遊技機20ごとに付設された図示しない打込玉検出器からは、遊技機20の遊技盤から外部に排出された遊技玉数(つまり、遊技者によって盤面に打ち込まれた遊技玉数)を示す外部出力信号が出力される。これらの遊技機20の外部出力部及び打込玉検出器からの外部出力信号は、遊技機20ごとに設けられた図示しない遊技情報表示機での遊技情報の表示や、会員管理装置50での各遊技機20の遊技状態の把握に利用される。
台間カード処理機10は、入金の受付、遊技玉の貸し出し並びにカード管理装置40及び会員管理装置50との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知をカード管理装置40に送信し、入金額に対応するプリペイド価値をカード管理装置40に管理されたプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値に対応する数の遊技玉を払い出す。
また、台間カード処理機10は、会員が所持する会員カード及び他の台間カード処理機10等のカード発行装置で発行された一般カード等のカードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持遊技媒体又は貯遊技媒体の残高を受信した場合には、この残高を記憶する。そして、持遊技媒体の残高を受信して装置内部の記憶部に記憶した場合には、カード管理装置40に対して持遊技媒体減算要求を送信し、カード管理装置40が管理する持遊技媒体の残高をゼロにクリアする。
また、台間カード処理機10は、持遊技媒体再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持遊技媒体数を所定数減算し、減算した持遊技媒体数に対応する数の遊技玉を払い出す。また、台間カード処理機10は、貯遊技媒体再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯遊技媒体再プレイ要求を送信することで、会員管理装置50が管理する貯遊技媒体数を所定数減算させ、減算させた貯遊技媒体数に対応する数の遊技玉を払い出す。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持遊技媒体数を含む持遊技媒体加算要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持遊技媒体を加算させた後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。なお、島コントローラ30は、遊技島(一群として設置される遊技台)について1台設置されるものであってもよいし、複数台の台間カード処理機(例えば2〜4台)について1台設置されるものでもあってもよく、また、島コントローラ30と台間カード処理機10の間に複数の台間カード処理機10(例えば2〜4台)の通信をまとめて中継する中継機が介在していてもよい。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持遊技媒体数等をカードデータとして管理する管理装置である。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持遊技媒体の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード挿入通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯遊技媒体再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。貯遊技媒体再プレイデータには、該カードIDに対応する暗証番号、貯遊技媒体数、貯遊技媒体再プレイに使用可能な貯遊技媒体数及び当日に貯遊技媒体再プレイを行った実績数を含む。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードIDを含む持遊技媒体減算要求を受信した場合には、カードIDに対応する持遊技媒体口座の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10からカードIDを含む持遊技媒体加算要求を受信した場合には、持遊技媒体加算要求に示された持遊技媒体数をカードIDに対応する持遊技媒体口座に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、対応するプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯遊技媒体再プレイ要求を受信した場合には、該貯遊技媒体再プレイ要求を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から貯遊技媒体再プレイデータを受け付けた場合には、受け付けた貯遊技媒体再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持遊技媒体数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データ54aを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、貯遊技媒体数、ポイント、暗証番号、氏名及びカードのステータス情報(「ロック」、「注意」など)等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10から会員カードのカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する暗証番号、貯遊技媒体数、貯遊技媒体再プレイに使用可能な貯遊技媒体数及び当日に貯遊技媒体再プレイを行った実績数を含む貯遊技媒体再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯遊技媒体再プレイ要求を受信したならば、貯遊技媒体再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯遊技媒体口座の残高を所定数減算し、減算後の貯遊技媒体口座の残高などを含む貯遊技媒体再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員カードのステータス情報が「ロック」である場合は、会員管理装置50から台間カード処理機10に向けて「ロック」のステータスを示す情報が送信される。この場合、台間カード処理機10は会員カードを内部に保持したままエラーダウンする。これにより、当該会員カードでの玉貸、貯遊技媒体、持遊技媒体の使用はできなくなる。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との間の通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯遊技媒体数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯遊技媒体口座の残高を賞品管理装置60に通知する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり、獲得遊技媒体、貯遊技媒体及び持遊技媒体の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、カードを受け付けた場合には、読み出したカードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードの持遊技媒体数を要求する。また、貯遊技媒体を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯遊技媒体数を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
次に、図2に示したシステムで玉貸を行う場合の玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した玉貸要求を示す電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報等を含む。
カード管理装置40は、玉貸要求を受信すると、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、500円)減算してカード管理データ45aを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば125玉)の遊技玉を払い出す。
次に、図2に示したシステムで持遊技媒体の再プレイを行う場合の持遊技媒体再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カード又は会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10に関連づけられたレート(遊技媒体の単価)を特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた各レート(複数のレートが運用されている場合には複数のレート)の持遊技媒体の残高を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持遊技媒体の残高を記憶する。そして、カードIDを特定する情報と、持遊技媒体減算要求とを含む電文をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持遊技媒体減算要求を受信した場合には、カードIDにより特定される持遊技媒体口座の残高をゼロにクリアする。台間カード処理機10は、持遊技媒体再プレイ操作を受け付けた場合には、記憶した持遊技媒体の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉を払い出す。また、台間カード処理機は、会員カードについて特定のレートの口座の遊技媒体(会員が預け入れた貯玉、計数ユニット18bで計数した持玉)を単価の比率で換算して他のレートの遊技媒体として払い出す乗入再プレイを行うこともできる。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けた場合には、カード管理装置40に対して持遊技媒体加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、レートごとの持遊技媒体の残高と持遊技媒体加算要求とを含む。
カード管理装置40は、持遊技媒体加算要求を受け付けた場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた遊技種ごとの持遊技媒体口座の残高を受信した残高の値に更新する。その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示したシステムで貯遊技媒体の再プレイを行う場合の貯遊技媒体再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを挿入された場合、若しくは、会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報。以降、単に「カードID」と言う)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、カード挿入通知の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯遊技媒体数と、貯遊技媒体再プレイに使用可能な貯遊技媒体数と、当日に貯遊技媒体再プレイを行った実績数とを含む貯遊技媒体再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、受信した貯遊技媒体再プレイデータを装置内の記憶部に記憶し、貯遊技媒体再プレイデータに示された貯遊技媒体再プレイに使用可能な貯遊技媒体数が貯遊技媒体再プレイにおける遊技媒体の払出単位数(貯遊技媒体再プレイ単位数(例えば125玉))に対応した数以上である場合には、貯遊技媒体再プレイ操作を受け付け可能とする。なお、ここでは説明の便宜上、貯遊技媒体再プレイに使用可能な貯遊技媒体数が払出単位数に対応した数以上であるならば、貯遊技媒体再プレイ操作を受け付け可能とする場合について説明したが、貯遊技媒体再プレイデータに貯遊技媒体再プレイ可能回数が示されているならば、貯遊技媒体再プレイ可能回数が1以上である場合に貯遊技媒体再プレイ操作を受け付け可能としてもよい。
台間カード処理機10は、貯遊技媒体再プレイデータを記憶部に記憶した後、最初に貯遊技媒体再プレイ操作を受け付けたときに、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯遊技媒体再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。また、暗唱番号の入力は、最初の貯遊技媒体再プレイ操作を受け付けた場合ではなく、会員カードが挿入された場合としてもよい。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した貯遊技媒体再プレイ要求を示す電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報とを含む。
カード管理装置40は、貯遊技媒体再プレイ要求の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯遊技媒体再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた貯遊技媒体口座のうち、該電文により特定された遊技種に応じた貯遊技媒体口座の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯遊技媒体再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、貯遊技媒体再プレイデータを受信して記憶部に記憶していた貯遊技媒体再プレイデータの情報を更新し、遊技玉を貯遊技媒体再プレイ単位数だけ払い出す。また、更新後の貯遊技媒体再プレイデータ状況によって貯遊技媒体再プレイの可否を判定し、貯遊技媒体再プレイが不可能であれば、貯遊技媒体再プレイ操作を受け付け不能とする。更新後の貯遊技媒体再プレイデータの状況により貯遊技媒体再プレイが可能であれば、再度貯遊技媒体再プレイ操作を受け付け可能であり、貯遊技媒体再プレイ操作を受け付けた場合には貯遊技媒体再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯遊技媒体再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行なうように設定してもよい。
次に、閉店処理における持遊技媒体からの貯遊技媒体への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データ45aの持玉口座の残高を確認し、持遊技媒体の残高が「0」より大きい持遊技媒体口座が存在する場合には、該持遊技媒体口座の残高をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯遊技媒体口座の残高に通知された持遊技媒体口座残高を加算して更新する。その後、カード管理装置40は、該持遊技媒体口座の残高をゼロにクリアする。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観構成を説明する。図3は、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観構成を示す図である。また、この台間カード処理機10に併設される遊技機20は、図中に破線で示している。なお、同図では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示することとしたが、電子マネーや硬貨を受付可能なユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯又は点滅で表示する状態表示部11と、遊技玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12aとを有する。また、台間カード処理機10は、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードを受け付けるカード挿入口14aと、携帯端末等をかざすためのかざし部14bと、遊技玉を遊技機20に投出するノズルユニット18aと、遊技機20の下皿から落下させた遊技玉を計数する計数ユニット18bとを有する。
次に、図2に示した台間カード処理機10の内部構成を説明する。図4は、台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ、図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、プリペイド価値、持遊技媒体数、貯遊技媒体数等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けとを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、このカード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信によりカードID等の各種情報を読み取るインタフェース部である。このかざし部14bは、例えば計数ユニット18bにて計数され、記憶されている玉数が存在する状態で、所定の条件下で携帯端末がかざされた場合にそのID(IDm等の識別情報)から特定される会員の口座に当該記憶されている玉数を貯玉する計数貯玉処理等に利用される。
通信部15は、遊技機20及び通信回線との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。ノズルユニット18aは、玉貸又は再プレイにより遊技玉を払い出す場合に、その一部又は全ての払い出しに使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、カードID16a、有価価値データ16b、遊技設定データ16c及び貯遊技媒体再プレイ関連データ16dを記憶する。
カードID16aは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。また、カードが挿入されていない状態で入金が行なわれたならば、図示しないカード収納部からリーダライタ14にカードが搬送され、リーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。
なお、本実施例1では、カードが挿入されていない状態の入金操作で、図示しないカード収納部からリーダライタ14にカードが搬送され、リーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新されることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。最後にカードが排出された時に、図示しないカード収納部の一番上にあるカードをリーダライタ14に搬送して、カードIDを読み取って記憶しておくことにより、遊技客によるカード挿入がされていない状態で入金された場合には、記憶されたカードIDでカードID16aを更新することもできる。
有価価値データ16bは、遊技玉の払い出しを受けるために使用可能な有価価値を示すデータである。この有価価値には、玉貸に使用可能なプリペイド価値の残高、持遊技媒体口座の残高、貯遊技媒体再プレイ用の暗証番号並びに貯遊技媒体口座の残高を含む。
遊技設定データ16cは、台間カード処理機10に接続された遊技機20の遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉4円」、2円レートの遊技玉に「玉2円」、1円レートの遊技玉に「玉1円」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理する。したがって、4円区画に設置された台間カード処理機10は、遊技設定データ16cとして「玉4円」を記憶し、1円区画に設置された台間カード処理機10は、遊技設定データ16cとして「玉1円」を記憶することとなる。
貯遊技媒体再プレイ関連データ16dは、会員管理装置50から会員カード挿入時に送信された貯遊技媒体再プレイデータ、若しくは、貯遊技媒体再プレイ時に送信された貯遊技媒体再プレイデータに含まれる、当該会員カードに対応する暗証番号、貯遊技媒体再プレイ可能数及び貯遊技媒体再プレイ実績数を記憶したデータである。制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、計数処理部17b及び貯遊技媒体再プレイ処理部17c有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID16a及び装置IDを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持遊技媒体及び貯遊技媒体の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値により有価価値データ16b及び貯遊技媒体再プレイ関連データ16dを更新する。データ管理部17aは、有価価値データ16b及び貯遊技媒体再プレイ関連データ16dに示されたプリペイド価値、持遊技媒体及び貯遊技媒体の値を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、遊技客により持遊技媒体再プレイ操作が行なわれた場合に、有価価値データ16bに示された持遊技媒体口座の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉を払い出す。
また、データ管理部17aは、貯遊技媒体再プレイ関連データ16dに含まれる貯遊技媒体の再プレイ可能数が1回の貯遊技媒体再プレイで払い出す単位数に相当する数以上である場合には、表示操作部13に貯遊技媒体再プレイボタンを表示し、貯遊技媒体再プレイ操作を受け付け可能とする。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID16a、装置ID並びに持遊技媒体数を含む持遊技媒体加算要求をカード管理装置40に送信して、有価価値データ16bの持遊技媒体口座の残高を0にクリアした後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID16a及び装置IDを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
計数処理部17bは、計数ユニット18bに遊技玉が投入された場合に、計数ユニット18bに遊技玉の計数を行わせ、計数結果を有価価値データ16bの持遊技媒体数に加算する処理を行なう。
貯遊技媒体再プレイ処理部17cは、貯遊技媒体再プレイの操作を受け付けたならば、会員管理装置50に、貯遊技媒体再プレイの要求を送信する。また、貯遊技媒体再プレイ処理部17cは、会員管理装置50から貯遊技媒体再プレイデータを含む貯遊技媒体再プレイの許可を示す応答を受け付けた場合には、受け付けた貯遊技媒体再プレイデータに基づいて有価価値データ16bの貯遊技媒体数と貯遊技媒体再プレイ関連データ16dとを更新し、貯遊技媒体再プレイの単位数の遊技玉の払い出しを行う。また、後述する会員管理装置50の取引履歴データ55fには、再プレイを行った場合、台間カード処理機10の号機番号(装置ID)、会員ID、再プレイを行った時刻を示すデータが記録される。
次に、図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。図5は、図2に示した会員管理装置50の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続される。表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスであり、入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。
また、会員管理装置50は、外部ネットワーク通信部53と、店舗ネットワーク通信部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。外部ネットワーク通信部53は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内の通信回線を介して賞品管理装置60及びカード管理装置40等とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員管理データ55a、遊技種設定データ55b、賞品マスタ55c、アラート条件設定データ55d、アラート対象抽出データ55e、交換履歴データ55f、取引履歴データ55g及び開閉店設定データ55hを記憶する。会員管理データ55aは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号等を関連付けたデータである。
遊技種設定データ55bは、遊技種に対して貸出レート、交換レート及び表示名を関連付けたデータである。賞品マスタ55cは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータである。
アラート条件設定データ55dは、遊技店の管理者等に向けてアラートを通知する条件を設定したデータである。アラート対象抽出データ55eは、アラート条件設定データ55dに基づいて検出されたアラート対象の事象を、履歴として記憶したデータである。
交換履歴データ55fは、賞品管理装置60において賞品の交換が行われた履歴を示すデータである。取引履歴データ55gは、賞品管理装置60以外の端末において、会員の残高(貯玉等)の加算・減算が行われた履歴を示すデータである。開閉店設定データ55hは、遊技店の開店時刻、閉店時刻が設定されたデータであり、例えば「開店時刻−9:00、閉店時刻−23:30」と設定されている。
制御部56は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b及びアラート管理部56cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b、アラート管理部56cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
会員管理部56aは、会員管理データ55aの管理を行う処理部である。会員管理部56aは、カード管理装置40及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉口座の残高を更新する。また、会員管理部56aは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55aに会員を追加する更新を行う。
賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cを管理する処理部である。賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cの更新が行われたならば、遊技店内の賞品管理装置60に賞品マスタ55cを配布する。
アラート管理部56cは、アラート条件設定データ55dにより設定された条件に合致した事象が発生した場合に、アラート対象抽出データ55eを作成し、店舗管理者等に向けて通知する処理を行う。
次に、図5に示した記憶部55に記憶されるデータの具体例について説明する。図6〜図12は、図5に示した記憶部55に記憶されるデータを説明するための説明図である。
図6に示す会員管理データ55aは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、各遊技種の貯玉口座、住所「姫路市下手野…」、前来店日(前回カードを使用した期日)「2016年3月28日」、携帯IDm「IDmX1」等が対応づけられた状態を示している。なお、ここでは図示省略したが、この会員管理データ55aは、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等をカードIDに対応付けることができる。また、携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する場合に用いられる。また、ここでは図示省略したが、会員管理データ55aは、後述する移行処理が行われた場合に、「日付」、「時刻」、「号機」、「担当者」、「移行元の会員ID」、「移行先の会員ID」が記録された会員移行更新データを含んでいる。
また、図6では、貯玉口座は、「玉1」、「玉2」、「玉3」及び「玉4」の4つの遊技種について設けられ、各貯玉口座には貯玉の残高が示されている。例えば、カードID「2002」の「玉1」は、貯玉が「1000」である。また、カードID「2002」の「玉2」は、貯玉が「1000」である。カードID「2002」の「玉3」は、貯玉が「1000」である。カードID「2002」の「玉4」は、貯玉が「1000」である。また、ここでは図示していないが、貯玉の中の当日獲得分(当日に貯玉処理が行われた分)については、別個データとして管理されている。例えば、カードID「2002」の「玉1」については、貯玉「1000」の中で当日獲得分が「100」、「玉2」については当日獲得分が「1000」というように管理している。この管理により、貯玉の再プレイに制限(上限個数など)が設定される場合に、当日獲得分の貯玉と過去に獲得した貯玉について異なる設定(当日分については無制限等)などを行うことができる。また、ここでは図示していないが、会員IDに対応付けて、遊技者が遊技機で獲得し、台間カード処理機10にて計数された持玉について別途記憶していてもよい。また、貯玉の当日獲得分と持玉とを区別せずに単一のデータとして管理してもよい。
図7に示す遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉4」に対し、レート「0.5円」及び表示名「0.5パチ」を関連付けている。
図8に示す賞品マスタ55cは、賞品を一意に識別する賞品コードに対し、賞品名、群コード、賞品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは賞品を分類して管理するための識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な特殊賞品を示す。群コード「02」以降は、特殊賞品以外の日用品などを含む一般賞品である。
賞品マスタ55cは、賞品コード「0001」に対し、賞品名「大賞品」、群コード「01」、賞品価値「1000」、玉1の交換玉数「250」、玉2の交換玉数「500」、玉3の交換玉数「1000」並びに玉4の交換玉数「2000」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0002」に対し、賞品名「小賞品」、群コード「01」、賞品価値「100」、玉1の交換玉数「25」、玉2の交換玉数「50」、玉3の交換玉数「100」並びに玉4の交換玉数「200」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0100」に対し、賞品名「Mセブン」、群コード「02」、賞品価値「400」、玉1の交換玉数「100」、玉2の交換玉数「200」、玉3の交換玉数「400」並びに玉4の交換玉数「800」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0101」に対し、賞品名「ラック」、群コード「02」、賞品価値「420」、玉1の交換玉数「105」、玉2の交換玉数「210」、玉3の交換玉数「420」並びに玉4の交換玉数「840」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0600」に対し、賞品名「端玉 飴」、群コード「04」、賞品価値「12」、玉1の交換玉数「3」、玉2の交換玉数「6」、玉3の交換玉数「12」並びに玉4の交換玉数「24」を関連付けている。
図9は、アラート条件設定データ55dの設定例を示す図である。図9では、アラート対象の条件1として、「返品処理時の貯玉」が1日1回以上発生した場合に、アラート条件成立と判定する設定となっている。また、店舗管理者へのメール通知は「する」に設定されている。
また、条件2として、「会員情報未登録の賞品交換」が発生した場合に、アラート条件成立と判断する設定となっている。また、店舗管理者へのメール通知は「する」に設定されている。
さらに、条件3として「休眠会員の移行」が最終来店後370日以上経過した会員に対して行われた場合に、アラート条件成立と判定する設定となっている。この条件における店舗管理者へのメール通知は「する」に設定されている。
また、条件4として「営業時間外の同一会員の再プレイ」が1日3回以上発生した場合に、アラート条件成立と判断する設定となっている。また、店舗管理者へのメール通知は「しない」に設定されている。これら条件1〜4に示されるアラート条件は、左欄のチェックボックスをONに変更することにより、アラート条件として設定される。また、設定後、この対応するチェックボックスをOFFに変更することにより、アラート条件から除外することもできる。また、アラート条件の設定に関し、チェックボックスの操作だけでなく別途設定適用操作を必要としたり、適用にあたり、権限を確認するための認証処理を設けたりすることもできる。条件1〜4によるアラート処理については後述する。
また、ここでは図示省略したが、賞品管理装置60は、カード、レシートからの読み取りによる交換玉数入力と、従業員による手入力による交換玉数入力を区別可能に通知する機能を有するため、玉数入力が従業員による手入力により行われたことをアラート条件とする「玉数手入力」についても条件として設定することができる。
また、賞品管理装置60における賞品交換が途中で中断されたときに発行される保留レシートの発行回数が一定の回数に達した場合をアラート条件とする「保留レシート発行回数」や、営業時間外に計数処理が行われたことによる「営業時間外の計数」、営業時間外に交換処理が行われたことによる「営業時間外の賞品交換」、営業時間外に貯玉処理が行われたことによる「営業時間外の貯玉」についても、一定回数発生したことをアラート条件として設定することができる。
図10に示すアラート対象抽出データ55eでは、アラート条件設定データ55dにより設定されたアラート対象の事象について、2016年3月28日に「返品処理時の貯玉」が2回発生し、「会員情報未登録の賞品交換」が1回、「休眠会員の移行」が1回発生し、2016年3月27日に「営業時間外の同一会員再プレイ」が1回発生したことが記憶されている。
図11に示す交換履歴データ55fは、賞品管理装置60で行われた賞品交換処理に関する処理履歴が、賞品管理装置60から送信される情報に基づいて記録され、日付、時刻と賞品管理装置60のID(号機)、処理を行った従業員、処理の種別を示す「処理(概要)」と、処理がされた内容とその関連情報を示す「処理(詳細)」が関連づけられて記録されている。
図11では、2016年3月28日(木)の22時50分にPOS2号機で担当者Bが手入力により10000玉を入力し、22時51分に特殊賞品大5個、小1個の交換処理を行ったことが記録されている。また、22時54分にレシートの読み取りにより3000玉を入力し、同じく会員カードの読み取りにより1000玉を入力し、その後22時56分に特殊賞品大1個、中1個の交換処理を行い、余った20玉を会員ID:2002に貯玉したことが記録されている。また、2016年3月28日(木)の23時にPOS1号機で担当者Aが飴5個の返品処理により18玉の玉数入力を行い、その後、18玉を会員ID「2036」に貯玉したことが記録されている。
図12に示す取引履歴データ55gは、賞品管理装置60以外で行われた貯玉の取引(加減算)について、台間カード処理機10等の端末から送信される情報に基づいて記録され、日付、時刻と端末のID(号機)、対象の会員ID、処理の種別を示す「処理(概要)」と、処理がされた内容を示す「処理(詳細)」が関連づけられて記録されている。
図12では、2016年3月28日(木)の22時30分に台間機180号機で会員ID2002のカードを使用して再プレイが行われ、22時41分に台間機180号機で会員ID「2002」に対応付けられた携帯端末を用いて貯玉が行われたことが記録されている。また、2016年3月28日(木)の23時50分に台間機200号機で会員ID2036のカードを使用して再プレイが行われ、その後23時51分、23時52分に同様に再プレイが行われたことが記録されている。
図13は、会員管理装置50のアラート管理部56cによるアラート管理の処理を示すフローチャートである。同図に示すように、まず所定のタイミングが到来したかどうかが判定される(ステップS101)。この所定のタイミングは、例えば開店処理が行われるタイミングや閉店処理が行われるタイミグに設定される。ここでは閉店処理が行われるタイミングに設定されているものとする。
そして、所定のタイミングに到来していない場合には(ステップS101;No)、処理を終了する。一方、所定のタイミングに到来した場合には(ステップS101;Yes)、アラート条件設定データ55dに設定されたアラート条件に合致するログを検索する(ステップS102)。このアラート管理部56cによるアラート条件に合致するログの検出処理の具体的な内容については後述する。
そして、合致するログが存在しない場合には(ステップS103;No)、処理を終了する。一方、合致するログが存在する場合には(ステップS103;Yes)、アラート対象抽出データ55eを作成し(ステップS104)、アラート対象の事象が発生した旨を通知先に通知する(ステップS105)。この通知先としては、店舗の管理者等のメールアドレスや、チェーン店の場合は本部のPCが設定される。
次に、図2に示した賞品管理装置60の外観構成について説明する。図14は、図2に示した賞品管理装置60の外観構成を示す図である。図14に示すように、賞品管理装置60は、遊技店の従業員用の筐体と遊技客用の筐体とを通信線により接続した構成を有する。遊技店の従業員用の筐体には、店側表示部61、操作部62、レシート発行部63、カードリーダ67a及び店員タグリーダ67bが設けられている。遊技客用の筐体には客側表示部64及び携帯端末リーダ67cが設けられている。
従業員は、遊技客が提示したカードをカードリーダ67aにかざすことにより、該カードからカードIDを読み取らせ、カードIDに対応付けられた持玉及び貯玉の残高を特定する。このようにして特定された残高は、特殊賞品又は一般賞品との賞品交換に使用される。従業員(店員)は、自身の店員タグを店員タグリーダ67bにかざすことにより、権限の認証を受けることができる。
店側表示部61は、操作者である従業員用の表示部兼操作部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部61には、賞品交換内容や操作ガイダンスなどが表示される。操作部62は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、賞品交換操作入力などを行う際に使用される。レシート発行部63は、登録リストや集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。
遊技客用の筐体に設けられた客側表示部64は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この客側表示部64の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる持玉や貯玉の残高を確認することができる。また、客側表示部64は、上位の装置(例えばカード管理装置40)からイベント情報などを設定データとして通知された場合には、該イベント情報を表示することができる。
また、客側表示部64は、貯玉を使用する際の暗証番号の入力にも使用される。携帯端末リーダ67cは、会員カードとして使用可能な携帯端末がかざされた場合に、該携帯端末からカードIDに対応する情報を読み取る。このカードIDに対応する情報により、持玉数及び貯玉数が特定される。
次に、図2に示した賞品管理装置60の機能的な構成について説明する。図15は、図2に示した賞品管理装置60の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この賞品管理装置60は、通信回線に接続されている。
賞品管理装置60は、すでに説明した店側表示部61、操作部62、レシート発行部63、客側表示部64、カードリーダ67a、店員タグリーダ67b及び携帯端末リーダ67cと、記憶部65と、制御部66と、通信部68とを有する。通信部68は、賞品管理装置60が通信回線を経由して上位の装置と通信するためのインタフェース部である。
記憶部65は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、賞品マスタ65a及び交換履歴データ65bを記憶する。賞品マスタ65aは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータであり、会員管理装置50から受信して記憶したデータである。交換履歴データ65bは、賞品交換を行った履歴を示すデータであり、会員管理装置50の交換履歴データ55fと同等のデータが記憶される。
制御部66は、賞品管理装置60を全体制御する制御部であり、賞品管理部66a、賞品交換処理部66b、会員登録受付部66c、移行処理受付部66dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、賞品管理部66a、賞品交換処理部66b、会員登録受付部66c、移行処理受付部66dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
賞品管理部66aは、記憶部65に記憶した賞品マスタ65aを用いて賞品管理装置60の取扱対象となる特殊賞品、一般賞品の交換玉数等を管理する管理部である。賞品管理部66aは、会員管理装置50から賞品マスタを取得し、賞品マスタ65aとして記憶部65に格納する。
賞品交換処理部66bは、カードリーダ67a又は携帯端末リーダ67cにより読み取られたカードIDをカード管理装置40あるいは会員管理装置50に送信し、カードIDに関連付けられた持玉及び貯玉の残高を取得する。賞品交換処理部66bは、持玉及び貯玉の残高の範囲内で、賞品マスタ65aに基づいて特殊賞品及び一般賞品の賞品交換処理を行う。
具体的には、賞品交換処理部66bは、特殊賞品の交換処理を指定された場合には、持玉及び貯玉の残高の範囲内で交換可能な特殊賞品の種類及び数の組み合わせを求め、交換に必要な玉数を持玉及び貯玉の残高より減算する。また、賞品交換処理部66bは、特殊賞品以外の一般賞品の交換処理を行う場合には、操作部62の操作により指定された賞品を交換賞品として、交換に必要な玉数を持玉及び貯玉の残高より減算する。
会員登録受付部66cは、新規の会員登録を受け付ける処理部である。具体的には、客側表示部64から、会員登録に必要な情報の入力を受け付け、新規の会員カードのカードIDに関連付けて、会員管理装置50に送信する処理を行う。
移行処理受付部66dは、特定の会員カード(移行元)の会員の貯玉等の情報を他の会員カード(移行先)に移動・合算する処理部である。具体的には、例えば会員カードを紛失した会員から、氏名情報等、移行元を特定するための情報を聞き取った従業員が操作部62にて操作を行うことで、移行元を特定し、新規の会員カードに移行元のデータを移動し、移行先の会員カードに残高がある場合には、移行元の残高を加算する処理を行う。また、ここでは図示省略したが、賞品管理装置60は、複数のレート(単価)の口座が運用されている場合に、会員カードについて特定のレートの口座の遊技媒体(貯玉、持玉)を単価の比率で換算して他のレートの遊技媒体として払い出す乗入再プレイを行うか否かの設定を行う機能を有している。この設定が「行う」となっている場合は、台間カード処理機10にて乗入再プレイを行うことができる。
図16は、賞品管理装置60において行われる賞品交換処理手順を示すフローチャートである。以下の処理は、店員タグリーダ67bにおいて従業員が所持する店員タグを読み取ることによって、処理を行っている従業員を特定した状態で行われる。
同図に示すように、まず玉数入力処理が行われる(ステップS201)。この玉数入力処理は、持玉を関連付けられた一般カード、持玉及び貯玉が関連付けられた会員カード、計数された玉数が関連付けられたレシート等の媒体を読み取ることによって行われる。かかる媒体の読み取りによって玉数の入力が行われた場合には、賞品管理装置60において交換履歴データのログとして玉数入力が行われた旨と、時刻、読み取った媒体の種別および入力された玉数が記録され、会員管理装置50に通知される(ステップS202)。
また、媒体として複数の媒体に関連付けられた玉数を合算して賞品交換の対象として特定することができる。具体的には、会員カードや一般カードのように、複数種類のレートの玉数を関連付けることができる媒体を最初に読み取った場合には、複数種類のレートのうち、賞品交換の対象とするレートの選択画面を表示して、選択操作が行われたレートについて、複数の媒体の玉数を合算する処理を行う。また、レシートのように、単一のレートの玉数が関連付けられた媒体を最初に読み取った場合には、読み取ったレシートのレートを交換対象のレートと決定して、決定したレートについて複数の媒体の玉数を合算する処理を行う。また、貯玉と持玉の合算値を交換対象とするか、いずれかのみを交換対象とするかについても選択することができる。
また、玉数の入力は、媒体の読み取りの他に、レシート等の媒体が読み取れなくなった場合に備えて、従業員の手入力で玉数を入力することができる。この場合、賞品管理装置60においては、交換履歴データのログとして、手入力によって玉数が入力された旨と入力された玉数とが記録され、会員管理装置50に通知される(ステップS202)。
また、遊技客が、賞品を不要と判断して返品した場合には、この賞品の交換玉数が返品処理により入力される。この返品処理による入力処理は、交換された賞品と引き換えに遊技媒体を再度特定する再特定手段として作用する。この場合、賞品管理装置60においては、交換履歴データのログとして、賞品の返品によって玉数が入力された旨と、返品された賞品、入力された玉数が記録され、会員管理装置50に通知される(ステップS202)。これらの通知情報は、会員管理装置60において交換履歴データ55fに記憶される。また、ステップS201の玉数入力において、入力された玉数の一部を指定して賞品交換の対象とすることもできる。
そして、ステップS201で入力された玉数に基づいて、賞品の選択処理が行われる(ステップS203)。例えば、操作部62に配置された専用キーのうちの「高速交換」キーが操作されると、残玉数の範囲内で獲得できる特殊賞品の最大数の組み合わせが自動的に選択される。また、専用キーのうち、賞品に対応して設けられた個別キーが操作されると、対応する賞品が選択され、複数回の操作又はテンキーでの入力にて数量を選択して入力することができる。そして、残玉数が所定数以下になるまで賞品を繰り返し選択することができる(ステップS204;No)。
そして、賞品が選択され、残玉数が所定数以下になると(ステップS204;Yes)、賞品の選択を確定する操作である確定操作の待機状態となる(ステップS205;No)。この確定操作は、操作部62に配置されたキーの入力により行われる。そして、確定操作が行われると(ステップS205;Yes)、時刻、賞品管理装置の号機、処理を行った従業員、交換処理の内容を示す交換ログを作成して記録するとともに、会員管理装置50に当該情報を通知する(ステップS206)。
なお、ステップS203による賞品の選択処理が行われている状況で、遊技客が残りの玉数に対応する賞品の選択を迷う場合には、賞品交換処理を途中で保留することもできる。この場合、既に選択が行われた賞品を確定して遊技客に手渡すとともに、残玉数が関連付けられた保留レシートをレシート発行部63から発行する。この際、交換処理を行った賞品についての交換ログを作成するとともに、保留レシートを発行した旨の保留レシート発行ログが作成される。この保留レシート発行ログには、時刻、賞品管理装置60の号機、処理を行った従業員、保留レシートの残玉数が含まれる。この保留レシート発行ログについても会員管理装置50に通知される。また、この保留レシートは、通常のレシートと同様に、ステップS201において玉数入力を受け付ける媒体として使用することができ、残玉数について賞品交換を行うことができる。
また、貯玉操作が行われたかどうかを判定する(ステップS207)。この貯玉操作は、操作部62に配置された貯玉キーの操作によって行われる。そして、貯玉操作が行われた場合には(ステップS207;Yes)、該当する会員の貯玉口座に残玉数を加算して更新する貯玉処理を行った後に(ステップS210)、時刻、賞品管理装置60の号機、処理を行った従業員、貯玉された玉数及び対象の会員の会員IDを含む貯玉ログを作成して記憶し、会員管理装置50に通知する(ステップS211)。
ステップS207の貯玉操作では、ステップS201の玉数入力において読み取った媒体に会員カードが含まれている場合には、該会員カードの会員IDにて特定される口座を貯玉対象の口座として特定する。また、ステップS201の玉数入力において読み取った媒体に会員カードが含まれていない場合には、対象の口座を特定するために、カードリーダ67aによる会員カードの読取りを待機し、読み取った会員カードの会員IDにより特定される口座を貯玉対象の口座として特定する。この場合に、ステップS201の玉数入力において読み取った媒体に会員カードが含まれている場合には、ステップS207の貯玉操作において会員カードの読み取りは不可能又は制限されているため、他人の交換処理における残り玉を自分の口座に横取りして貯玉しようとする行為は抑止できる。
一方、貯玉操作が行われない場合には(ステップS207;No)、賞品交換の終了処理が行われる(ステップS208)。そして、賞品交換の終了処理が行われた場合には、時刻、賞品管理装置60の号機、処理を行った従業員を示す終了ログが作成され記憶されるとともに、会員管理装置50に通知される(ステップS209)。また、終了処理を行うにあたり、賞品交換に使用されなかった残玉数がある場合において、ステップS201の玉数入力において読み取った媒体に会員カードが含まれる場合には、当該残玉数を会員カードに集約して関連付け、返却する処理を行う。また、会員カードが含まれていない場合には、残玉数を遊技店の収益データとして取り込んで終了する。
図17は、賞品管理装置60にて行われる移行処理を説明するための説明図である。この移行処理は、会員がカードを紛失し、旧会員カードのデータを移行元として新しい会員カードに引き継ぐ場合や、遊技店が特に認めた場合に、会員間(例えば友人、家族間等)で貯玉等のデータの譲渡をするために行われる処理である。ここでは、かかる移行処理において、引き継がれるデータを移行元と呼び、データを引き継ぐ先を移行先と呼ぶこととする。以下の処理は、店員タグリーダ67bにて従業員が所持する店員タグを読み取ることにより、移行処理を担当する従業員が特定された状態で行われる。
まず、従業員によって会員メニューの中から「会員移行処理」が選択されると、図17(a)に示すように、条件を入力して移行する対象(移行元)の会員カード(会員)を検索するための画面が表示される。ここでは、会員コード(会員ID)、氏名、電話番号及び暗証番号のいずれか一つ以上を入力することによって会員を検索することができる。具体的には、移行を希望する会員から従業員が聞き取りを行い、検索条件を決定し、入力して検索を行うことになる。
そして、いずれかの検索条件が入力された状態で、操作部62のOKキーが操作されると、図17(b)に示すように、条件に合致する候補者となる会員が表示される。ここで、候補者が複数存在する場合には、複数の候補者が表示され、従業員は、これらの候補者をアップダウンキーで選択することになる。
図17(b)においては、候補者として、会員コード「2092」、氏名「客B」、電話番号「09012345678」、生年月日「1986年3月28日」の会員が抽出された状況を示している。そして、この状態でOKキーが操作されると、図17(c)に示すように、会員管理装置50で管理されている会員管理データ55aに基づいて、該当の会員の会員データが表示される。ここでは、会員の会員コード(会員ID)、氏名、性別、電話番号、会員種別、貯玉残高、前回来店した日付等が表示される。そして、従業員によりさらなる確認が行われ、誤りがないことが確認され、OKキーが操作されると、表示されている会員データを移行元として確定される。
そして、賞品管理装置60の客側表示部60は、暗証番号の入力待ちとなり、遊技客によって正しい暗証番号が入力されると、図17(d)に示すように、移行先の会員コードの入力待ちとなる。この状態で、移行先の会員コード(会員ID)を従業員が聞き取り、操作部62のキーで入力するか、カードリーダ67aで移行先の会員カードを読み取ると、移行先の会員コードが特定される。
そして、この状態でOKキーが操作されると、客側表示部64は、暗証番号の入力待ちとなり、移行先の会員カードに設定された暗証番号の入力を要求する。そして、暗証番号が正しい場合には、移行元の会員情報の残高を移行先の残高に加算し、移行元の会員情報の残高をクリアし、図17(e)に示すように、移行処理が完了した旨を表示する。
そして、移行処理が完了した場合には、時刻、賞品管理装置60の号機、処理を行った従業員、移行元及び移行先の会員カードのIDを含む移行ログを作成して記憶し、移行ログを会員管理装置50に通知する。この通知を受けた会員管理装置は、移行ログを会員管理データ55aに格納する。なお、移行先の会員カードに設定された暗証番号の入力は、移行時にカードを新たに手渡す場合のように、未登録会員カード(会員カードのデータが会員管理装置50に登録されていないカード)のケースは要求されない。
次に、図18(a)、(b)を参照しつつ、「返品処理時の貯玉」を検出するアラート管理部56cの制御について説明する。図18(a)は、交換履歴データ55fに記憶される交換履歴データの一部を示している。図中に示した破線囲み部分に注目すると、POS1号機にて担当Aが返品処理による玉数入力を行い、このときの玉数が18玉であった状況を示している。
その後、会員ID2036に対して担当Aが貯玉18玉を行っているが、返品処理に係る玉数(18玉)と貯玉数(18玉)が同じ値を示している。「返品処理時の貯玉」を検出する設定がなされている場合には、この状況のように返品処理に係る玉数と貯玉数が同じ値を示している場合に、アラート対象であると判定する。
そして、会員管理データ55aから、会員ID「2036」をキーにして該IDに係る会員名「客A」を特定するとともに、遊技種設定データ55bから、POS1号機の当該処理に係る遊技媒体単価が「4円」であることを特定して、図18(b)に示すようなアラートログを作成する。
図18(a)に示す例では、玉を獲得した一般の遊技客が、特殊賞品を交換した後、余り玉である18玉を飴5個に交換したものの、この飴5個を不要と判断し、従業員である「担当A」に返品した状況が考えられる。しかしながら、この「担当A」は、飴5個を返品処理した後、これを店舗の収入とする「取り込み」の処理をすべきであるにも関わらず、「客A」の名義の会員カードに貯玉したという状況が推測される。この場合、「客A」は「担当A」と同名義である場合もあるが、知人の名義や架空名義であるケースも考えられる。
遊技店の中には「遊技の結果として表示された遊技球等の数量に対応する金額と等価の物品」と交換する、という「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の規定を厳密に遵守している遊技店があり、この場合、所定数(例えば20玉)以下であっても何らかの賞品と交換する、という運用を行うことになる。
このような場合、遊技客にとっては、所定数以下の玉数に対応する賞品は不要であることが多く、これらの賞品については権利の放棄が行われる頻度が高い。
しかしながら、この賞品についての権利の放棄に便乗して、これらの玉数を横取りして貯玉しようとする従業員の不正が発生する可能性がある。このため、本実施例1では、上記の制御を行うことにより、かかる不正の可能性がある履歴を抽出することで、これらの不正を効果的に検出することができる。
次に、図18(c)、(d)を参照しつつ、「会員情報未登録の賞品交換」を検出するアラート管理部56cの制御について説明する。図18(c)は、交換履歴データ55fに記憶される交換履歴データの一部を示している。図18(c)は、2016年3月28日(木)の22時56分に、会員ID「2024」の会員カードのデータを使用した賞品交換が行われたことを示している。
また、図18(d)は、会員管理データ55aに管理されている登録会員データの一部を示している。図18(c)により賞品交換が行われたことが示される会員ID「2024」に対応する氏名の項目(図中に示す破線囲み部分)が未入力となっている。
「会員情報未登録の賞品交換」がアラート対象として設定されている場合には、このような場合にアラート対象と判定する。この場合、会員登録のために賞品交換カウンタ等に備えられている未登録会員カードを利用して、従業員が不正に貯玉等を行い、賞品を詐取しようとした可能性があるが、かかる不正を効率的に検出することができる。なお、ここでは、氏名の項目の未入力を用いて判定することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、住所等の欄の未入力を判定するようにしてもよい。
次に、図19(a)、(b)を参照しつつ、「休眠会員の移行」を検出するアラート管理部56cの制御について説明する。図19(a)は、会員管理データ55aに管理されている会員移行更新データの一部を示している。図19(a)では、2016年3月28日の22時に、POS2号機で担当Bにより、移行元を会員ID「2040」、移行先を会員ID「2052」として、図17で説明した移行処理が行われたことが記憶されている。
また、図19(b)は、会員管理データ55aに管理されている登録会員データの一部を示している。図19(a)で移行元とされた会員ID「2040」に対応する会員の最終来店日(前来店日)が2015年3月20日となっている(図中に示す破線囲み部分を参照)。ここで、休眠会員の移行として設定されている判定条件が、「最終来店日から370日」と設定されているならば、このケースはアラート対象と判定されることになる。ここでは、最終来店日から373日経過しているためである。
かかる判定条件である「最終来店日からの日数」については、設定者が任意に設定することができる。この場合、登録会員データを参照した従業員が、最終来店日が一定以上前であるために、対象の会員がもう来店しないと判定して、当該会員の有する貯玉などのデータを移行処理により自らの所有する架空名義等の会員カードに詐取する不正行為が行われている可能性があるが、これらを効果的に検出することができる。
また、ここでは、最終来店日の項目をチェックして不適正な移行を検出する制御について示しているが、移行元と移行先の会員情報の不一致をアラート対象とする機能(以降、「会員情報不一致移行」と称することもある)も有している。例えば、図19(a)における移行元の会員ID「2040」、移行先の会員ID「2052」について、会員管理データ55aに管理されている登録会員データの氏名欄の氏名が異なることをアラート対象とする。この場合、氏名が異なるため、他人の口座のデータを詐取しようとしている蓋然性が高く、上記の不正を効果的に検出することができる。
また、ここでは、最終来店日の項目をチェックして不適正な移行を検出する制御について示しているが、移行先について所定回数以上移行が行われたことをアラート対象とする機能(以降、「複数回移行」と称することもある)も有している。例えば、図19(a)における移行先の会員ID「2052」について、任意に設定された所定期間(例えば30日)あたりの移行処理先となった回数が所定の回数(任意に設定される、例えば3回)以上となった場合にアラート対象とする。この場合、通常の処理においては、一定の回数以上移行処理が行われることは稀であるため、従業員が複数の会員から口座のデータを詐取しようとしている蓋然性が高く、不正を効果的に検出することができる。
次に、図19(c)を参照しつつ、「営業時間外の同一会員再プレイ」を検出するアラート管理部56cの制御について説明する。図19(c)は、取引履歴データ55gに管理されている取引履歴データの一部を示している。図19(c)では、同一の会員ID「2036」について、23時50分、23時51分、23時52分にそれぞれ再プレイが行われたことを記憶している(図中に示す破線囲み部分を参照)。
開閉店設定データ55hは、「開店時刻−9:00、閉店時刻−23:30」と設定されているので、これらの再プレイが行われた時刻はいずれも閉店時刻より後であり、営業時間外である。この場合、営業時間外に行われた再プレイの回数が同一会員IDにいて任意に設定された回数(ここでは3回)以上となるため、アラート対象と判定する。この場合、従業員が不正に蓄積した貯玉データを現物化し、賞品交換などで利益を得ようとしている可能性があるが、これらの不正を効果的に検出することができる。
また、上記の説明では、営業時間外に行われた再プレイをアラート対象と判定した場合を示したが、営業時間外に行われた島端計数機での計数処理、営業時間外に行われた貯玉処理、営業時間外に行われた賞品管理装置60での賞品交換処理について、同様に所定回数以上をアラート対象とすることができる。さらに、上記の営業時間外に行われた再プレイ・計数処理・貯玉処理・賞品交換処理については、回数ではなく、対象となった玉あるいは賞品の金額の累積値をアラート対象として設定することも可能である。
図20は、アラート対象の事象が発生した場合に、遊技店の店長などの店舗管理者あてに送信されるメールの一例を示す図である。図では、アラート事象が発生した日時、発生した店舗、発生したアラート対象の種別、アラートを行うと判定する条件が記載されている。図20でアラート発生の報知を受けた店舗管理者は、会員管理装置50にてログの確認処理を行い、これらの処理の正当性の確認を行う。
図21は、会員管理装置50の表示画面にて、アラート対象抽出データ55eを閲覧する場合の表示態様を示す図である。まず、店舗管理者が自らのIDとパスワードでログインを行い、メニューからアラート一覧を選択すると、図21に示すように、日付順にアラートの発生した日付と、アラート内容の一覧が表示される。
この画面では、2016年3月28日に、アラート項目「返品処理時の貯玉」、「会員情報未登録の賞品交換」、「休眠会員の移行」がそれぞれ2回、2016年3月27日に営業時間外の同一会員再プレイが2回発生したことが表示されている。そして、2016年3月28日及び3月27日のいずれも閉店処理の回数は1回であったことが表示されている。本実施例1では、閉店処理のタイミングで前回の閉店処理から今回の閉店処理の間にアラート対象の事象があったかどうかを判定しているため、この閉店処理の回数は、アラート対象の有無の判定を行った回数を表していることになる。この画面においては、画面上部の項目において対象期間を設定することで、過去のアラート発生履歴を閲覧することもできる。
そして、図21において、一覧のアラート項目に付されたリンクタグを選択操作(マウス等でクリックなど)すると、図22に示すように、アラート項目の詳細画面が表示される。このアラート項目の詳細画面は、アラート項目の種別ごとに表示項目(以下、「詳細表示項目」と言う)が設定されており、ここでは、「返品処理時の貯玉」に対応して詳細表示項目は「日付」、「時刻」、「号機」、「担当者」、「会員コード」、「氏名」、「遊技種」、「返品数(返品による入力玉数)」、「貯数(貯玉の数)」が設定されており、図18(a)及び図18(b)に示した処理により作成されている。
また、図21において画面上部で対象期間を設定してアラート項目を選択操作することにより、指定された対象期間のログを対象にして、設定された条件に対応するログを再検索し、合致するログがある場合は、図22において詳細表示項目として表示される。ここでは、アラート報知の対象となった2016年3月28日のログ以前にも、3月21日、3月14日、3月7日にもアラート対象「返品処理時の貯玉」に合致する条件のログが存在することが表示されている。この再検索機能により、アラート報知の対象となる事象が発生した場合に、過去にも同様の事象があったのか、いつから発生していたのか等を効率よく認識することができ、不正行為の可能性の判定や、不正の場合の従業員の常習性などの判定に用いることができる。
また、ここでは説明を省略したが、図22における担当者の欄、会員コードの欄などを選択操作すると、当該担当者あるいは会員コードについてのアラート対象「返品処理時の貯玉」の発生履歴を抽出することができる。このようにすることで、同一の担当者あるいは会員コードについて、アラート事象がどのようなタイミングで発生しているのか等を認識することもできる。
図22に示すアラート詳細閲覧時の詳細表示項目について説明する。アラート項目「会員情報未登録の賞品交換」については、「日付」、「時刻」、「号機」、「担当者」、「遊技種」、「玉数」という詳細表示項目が設定され、アラート項目「休眠会員の移行」については「日付」、「時刻」、「号機」、「担当者」、「会員コード(移行元)」、「氏名(移行元)」、「最新来店日(移行元)」、「会員コード(移行先)」、「氏名(移行先)」、「最新来店日(移行先)」という詳細表示項目が設定されている。このように、アラート項目に応じた詳細表示項目が設定され利用できるようになっている。
また、上記の説明では、図20におけるメール通知は、アラート内容の概要を示すもののみとしたが、スマートフォンなどの操作性の良い可搬型端末に対してメール通知を行う場合には、図21に示す会員管理装置50のデータにインターネット回線等を通じてアクセスするためのアクセス先情報(URL等のリンク)を付してメール通知を行うことも可能である。このようにすれば、アラート一覧、アラート詳細情報へのアクセスの利便性を一層向上させることができる。
上記の実施例1で記載したアラート処理により、従業員の不正の疑いを持った店舗管理者は、予めアラート条件を設定し、設定した条件により過去の履歴を検索する等により、不正の可能性のある従業員操作を効果的に検出することが可能となる。
なお、本実施例1でアラート処理の対象として列挙したアラート条件は、上記のものに限定されることはなく、「玉数手入力」、「保留レシート発行」に関する条件を設定することができる。また、精算機80において期限を超過したプリペイドカードの残高に対して従業員が行う手精算処理(従業員が精算機に対して処理内容を手入力することにより残高精算を行う処理)や、各台計数を導入していない場合に島端に設けられた計数装置で行う差玉チェック処理(ホールコンピュータの遊技データと計数玉数の突き合わせ処理)における従業員の確認処理(台移動などの場合に遊技データとの差ありをOKとする処理)等についても、回数や頻度などを指定してアラート条件として設定することもできる。また、会員管理装置50および賞品管理装置60では、賞品の在庫数を管理している。この賞品の在庫数については従業員が訂正処理を行うことができるが、この訂正の回数や金額についてもアラート条件とすることができる。さらに、賞品管理装置60には、選択された賞品(特に特殊賞品)を複数収納し、賞品管理装置からの指示に応じて賞品の払出を行う賞品払出装置が接続されることがあるが、この賞品払出装置の賞品を収納している収納部を開閉する操作を店員タグを読取らせることによって行うことができる。この収納部の開閉操作を行った回数をアラート条件とすることもできる。また、同一会員IDにて一定回数以上貯玉が行われた場合をアラート条件とし、関与した会員のID、従業員のIDを抽出することもできる。また、アラート条件の設定が変更されたことについても、アラート報知の条件とすることができる。さらに、不正行為とは関係ないが、会員番号の一部と暗証番号が一致している会員や、暗証番号がゾロ目・数字の順ならびなど推測されやすい暗証番号になっている会員が存在する場合についてもアラート条件とすることによって、会員のセキュリティの低下を防止することもできる。また、アラート条件を設定した場合の通知先についても、アラート条件ごとに、店舗の管理者あるいは店舗のオーナー、もしくはその双方などというように設定にて変更することができる。
また、上記の実施例1では、処理を行う端末装置(台間カード処理機10、賞品管理装置60等)が各処理を行ったならば、会員管理装置50に処理の通知を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一定のタイミング(一定時間ごと又は開閉店等のタイミング)まで端末装置側で処理履歴を蓄積しておき、タイミングの到来時に一括して会員管理装置50に通知する構成とすることもできる。また、端末装置側は、入力を受け付けたことのみを会員管理装置50に通知し、会員管理装置50にて入力内容のタイミングなどから処理の内容を判定し、処理のログを会員管理装置50側で作成するよう構成することもできる。