JP2005343326A - ゴムクローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 牽引性能と耐屈曲性能とを極めて高度に両立することができるゴムクローラを提供する。
【解決手段】 クローラ厚み方向の外側に配されたクローラ厚み方向外側部分7と、このクローラ厚み方向外側部分7の外面8に突設された接地ラグ2とを備えたゴムクローラ1である。クローラ厚み方向外側部分7は、最大伸び(%)と引張強さ(MPa)との積の値が10000(MPa・%)以上で且つ100%モジュラスが10(MPa)以下のゴムからなる。接地ラグ2は、100%モジュラスが15(MPa)以上のゴムからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建設機械や農機などの無限走行装置に用いられる無端帯状のゴムクローラに関するものである。
ゴムクローラは、鉄クローラと比較して低騒音、乗り心地の良さ、路面保護性の高さなどの利点があり、広く用いられている。ゴムクローラには、芯金をゴムで覆ったタイプや、芯金の無いタイプなどがあるが、いずれにしてもゴムを無端帯状に形成することにより作製される。これらのゴムクローラでは、クローラ本体の外周面に接地ラグが突設されており、この接地ラグを地面等に食い込ませて牽引性能を高めている。したがって、接地ラグの剛性が高いほど牽引性能が高くなる傾向がある。この点に関して特許文献1では、接地ラグの内部に、クローラ本体又はラグ表面よりも高硬度のゴム質芯体(ウレタンゴム等)を埋設したクローラが提案されている。(特許文献1参照。)。
特開平9−249163号公報
上述した従来技術のクローラでは、接地ラグの剛性を高めて牽引性能を向上させることができるとともに、高硬度のゴム質芯体を加硫ゴムで被覆することで摩耗性を改善しクラック等の発生を少なくすることができる。
今回、牽引性能に加えて耐屈曲性能においても従来技術より高い性能としうる本発明を見いだすに至った。
即ち本発明は、牽引性能と耐屈曲性能とを極めて高度に両立することができるゴムクローラを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するための本発明は、クローラ本体と、このクローラ本体の外周面に突設された接地ラグとを備えたゴムクローラにおいて、前記クローラ本体の全部またはそのクローラ厚み方向外側の一部分は、最大伸び(%)と引張強さ(MPa)との積の値が10000(MPa・%)以上で且つ100%モジュラスが10(MPa)以下のゴムからなり、前記接地ラグは、100%モジュラスが15(MPa)以上のゴムからなることを特徴とするゴムクローラである。
このゴムクローラでは、前記クローラ本体の全部またはそのクローラ厚み方向外側の一部分は、最大伸び(%)と引張強さ(MPa)との積の値が10000(MPa・%)以上であるから、クローラを屈曲しても亀裂が入りにくくなり耐屈曲性能が高まる。そして、接地ラグは100%モジュラスが15(MPa)以上のゴムからなるから、接地ラグの剛性が高まり牽引性能が向上する。
なお、「最大伸び」とは、JIS K 6251で規定される「伸び」のことであり、所定の試験片を規定速度で破断するまで引っ張った場合における最大の伸び率(%)を示すものである。
また、「引張強さ」は、JIS K 6251に規定されるものであり、所定の試験片を規定速度で破断するまで引っ張った場合における最大の引っ張り応力を試験片の元の断面積で割った値(単位はMPa)である。
また、「100%モジュラス」とは、伸びが100%の際における引っ張り応力を試験片の元の断面積で割った値(単位はMPa)であり、JIS K 6251で規定されるものである。
以上に記載の発明によれば、クローラ本体またはその外側の一部分と接地ラグとで物性を相違させ、それぞれに最適物性のゴムを用いたので、耐屈曲性能と牽引性能とを極めて高度に両立しうるゴムクローラとすることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図2は、本発明の本発明の一実施形態であるゴムクローラ1を外周面側(接地面側)から見た図であり、図3はこのゴムクローラ1を内周面側から見た図である。図1は図2のA−A線におけるゴムクローラ1の断面図であり、図4は図2のB−B線におけるゴムクローラ1の断面図である。
図2に示すように、ゴムクローラ1は、その接地面側に所定間隔おきに突設された接地ラグ2を備えている。接地ラグ2は、その長手方向がクローラ幅方向と平行となるように配置されており、またクローラ幅方向の中央位置において左右に分離されている。接地ラグ2は、クローラ幅方向中央に対して左右対称に設けられ、左右のラグ2は互いにクローラ長手方向位置が同位置(同位相)とされている。また、図4の断面図に示すように、各接地ラグ2の断面形状(ラグ長手方向に垂直な断面の断面形状)は略台形とされ、該台形における上底側が接地側となるような形状となっている。
またゴムクローラ1は、クローラ長手方向の所定間隔おきに埋設された芯金3と、クローラ長手方向に沿って連続的に埋設されゴムクローラ1の伸びを規制する抗張体4(図1参照)と、を備えている。
図1に示すように、抗張体4は複数本設けられており、各抗張体4がクローラ長手方向に対して連続しているとともに、複数本の抗張体4はクローラ厚み方向の略同一位置においてクローラ幅方向に並列して設けられている。また抗張体4は、芯金3近傍のクローラ外周面側に配置されている。
芯金3は、図2及び図3で示すように、その長手方向がクローラ幅方向と平行になるように配置されており、更に、図2及び図4で示すように、各芯金3は各接地ラグ2とクローラ長手方向位置が同一(同位相)に配置されている。このように、芯金3と接地ラグ2とのクローラ長手方向位置を同一とすると、接地ラグ2の土台部分に芯金3が配置されることになるから、該土台部分の剛性が高まり、ひいては接地ラグ2の剛性が高まるから、ゴムクローラ1の牽引性能向上に寄与する。
図1及び図3に示すように、各芯金3は、その長手方向中央部付近においてクローラの内周面側に突出するとともに互いに対向している2つの脱輪防止突起3aと、該中央部からクローラ幅方向左右両側に伸びる翼部3bとを有している。また、図3に示すように、クローラ長手方向において互いに隣り合った芯金3と芯金3との間には、ゴムクローラ1をその厚み方向に貫通する貫通孔5が設けられている。この貫通孔5は、ゴムクローラ1のクローラ幅方向中央位置に一定間隔おきに設けられており、この貫通孔5に車両のスプロケット等の駆動輪が噛み合うことによりゴムクローラ1が駆動される。また、前述の脱輪防止突起3aにより、ゴムクローラ1が駆動輪等の車輪から脱落することが防止される。
図4及び図1に示すように、ゴムクローラ1のうちのゴム部分は、帯状に連続するクローラ本体10と、このクローラ本体10の外周面に突設された接地ラグ2と、からなる。そしてクローラ本体10は、クローラ厚み方向内側の一部分を構成する層状のクローラ厚み方向内側部分6と、クローラ厚み方向外側の一部分を構成する層状のクローラ厚み方向外側部分7と、からなる。また、芯金3の翼部3bは、これらクローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7とに挟まれた位置に配置されている。クローラ厚み方向外側部分7の外面が、ゴムクローラ1の外周面8であり、この外周面8から接地ラグ2が突出している。
なお、クローラ厚み方向内側部分6、クローラ厚み方向外側部分7及び接地ラグ2は、これら各部を構成する未加硫状態のゴム材料をそれぞれ同一の金型内に仕込んで一体成形されることにより、ゴム部分として一体化されている。図1や図4の断面図においては、理解しやすいように、クローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7、及びクローラ厚み方向外側部分7と接地ラグ2の境界線を実線にて明瞭に示したが、実際には、かかる境界線は通常不明瞭であり、目視により認識することは通常困難である。また、この境界線は、ゴムクローラ1成型時のゴム流れ等の影響により、蛇行した形状あるいは凹凸を有する形状等となっていることが多いが、図1や図4では単純に直線で表示している。
ここで、接地ラグ2とクローラ厚み方向外側部分7とは、互いに配合の異なるゴムを用いている。そして接地ラグ2は、100%モジュラスが15(MPa)以上のゴムにより形成されている。一方、クローラ厚み方向外側部分7は、最大伸び(%)と引張強さ(MPa)との積の値(以下、伸び強さ乗算値ともいう)が10000(MPa・%)以上で且つ100%モジュラスが10(MPa)以下のゴムからなる。
接地ラグ2の100%モジュラスが15(MPa)以上であるから、接地ラグ2の剛性が高まり、高い牽引性能が確保される。
一方、クローラ厚み方向外側部分7は上述した伸び強さ乗算値を10000(MPa・%)以上としたので、耐屈曲性能が高くなっている。即ち、最大伸び(%)や引張強さ(MPa)が大きいほど屈曲しても亀裂が生じにくくなり耐屈曲性能が高くなる。更にクローラ厚み方向外側部分7は、100%モジュラスが10(MPa)以下とされているので、柔軟性が比較的高く、前述した伸び強さ乗算値の効果と相まって耐屈曲性能を相乗的に高めている。
従来のゴムクローラでは、クローラ厚み方向外側部分のゴムと接地ラグのゴムとが同一のゴム(同一配合のゴム)より形成されており、両者のゴムは100%モジュラス、最大伸び、引張強さがそれぞれ同一であった。したがって、耐屈曲性能と牽引性能との両立に限界があった。即ち、牽引性能を高めるべくゴム材料の100%モジュラスを高くすると耐屈曲性能が低下する傾向があり、逆に耐屈曲性能を高めるべくゴム材料の100%モジュラスを低くすると牽引性能が低下する傾向となってしまう。よってこの場合、牽引性能と耐屈曲性能とを両立を図ろうとすると、前述した特許文献1のように、ラグ内部に高硬度のゴム質芯体を埋設するといった比較的複雑な構造を採用する必要が生じていた。これに対して本発明では、上記構成とすることにより耐屈曲性能と牽引性能とを高度に両立している。
なお、上述のように、クローラ厚み方向外側部分7のゴムの伸び強さ乗算値は大きいほど耐屈曲性能を高める上で有利であるから、クローラ厚み方向外側部分7を構成するゴムの物性は、好ましくは伸び強さ乗算値が11000(MPa)以上とするのがよい。
また上述のように、クローラ厚み方向外側部分7を構成するゴムの100%モジュラスが小さいほど耐屈曲性能を高める上で有利であるから、クローラ厚み方向外側部分7を構成するゴムの100%モジュラスは、好ましくは9(MPa)以下がよい。ただし、クローラ厚み方向外側部分7の100%モジュラスが過度に小さすぎると、牽引性能が低下することがあるので、好ましくは0.5(MPa)以上とするのがよい。
接地ラグ2を構成するゴムは、上述のようにその100%モジュラスを大きくするほど牽引性能を高める上で有利であるから、接地ラグ2を構成するゴムの100%モジュラスは、好ましくは16(MPa)以上とするのがよい。なお、接地ラグ2の100%モジュラスが大きすぎると、乗り心地が悪くなることがあるので、好ましくは40(MPa)以下とするのがよい。
なお、ゴムクローラ1の有する複数個の接地ラグ2の全てにおいて、100%モジュラスを15(MPa)以上とする必要はなく、少なくとも一の接地ラグ2において100%モジュラスを15(MPa)以上とすればよい。ただし、牽引性能を重視する観点からは、ゴムクローラ1の有する全ての接地ラグ2の100%モジュラスを15(MPa)以上とするのが好ましい。また、複数個の接地ラグ2相互間において、各接地ラグ2を構成するゴムの100%モジュラスを変化させてもよい。個々の接地ラグ2の100%モジュラスを適宜変化させることにより、ゴムクローラ1の形状(接地ラグ2のパターン、接地ラグ2の形状等)を同一としつつゴムクローラ1の牽引性能を細かく設定することができ、ゴムクローラ1の設計自由度が高まる。
上述のように、クローラ厚み方向外側部分7の伸び強さ乗算値は10000(MPa・%)以上とするが、その場合、最大伸びは500(%)以上とするのが好ましく、引張強さは20(MPa)以上とするのが好ましい。最大伸びと引張強さのいずれも所定値以上の値を確保しておくことにより、屈曲時の亀裂がさらに生じにくくなる。
なお、クローラ厚み方向外側部分の厚みは特に限定されない。ただし、クローラ厚み方向外側部分の厚みが薄すぎると、クローラ厚み方向外側部分の物性を上記範囲とした効果が少なくなるから、クローラ厚み方向外側部分の厚みは5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましい。同様の理由で、クローラ厚み方向外側部分の厚みは、クローラ本体10の厚みの10%以上とするのが好ましい。そして、クローラ本体部10の外側の一部のみならず、クローラ本体部10の全体について、伸び強さ乗算値を10000(MPa・%)以上とし且つ100%モジュラスを10(MPa)以下としてもよい。
上述した実施形態では、クローラ本体10をクローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7との2層構造としたが、本発明のクローラ厚み方向外側部分7はこのような構造に限定されるものではなく、前述のように、クローラ厚み方向外側部分7は、クローラ本体10の外周面を構成する層であればよい。また、クローラ本体10がクローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7との2層構造でなく、クローラ本体10全体が単一層からなっていてもよい。
また、上述した実施形態のように、クローラ本体10がクローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7との2層構造からなる場合、クローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7とのゴム配合は相違していてもよいし、同一でもよい。ただし、クローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7とを同一配合のゴムとすると、クローラ厚み方向内側部分6とクローラ厚み方向外側部分7とがより強固に一体化しやすく、ゴムクローラ1の耐久性が高まるので好ましい。
本発明では、接地ラグ2やクローラ厚み方向外側部分7のゴム配合を適宜変更することにより、同一のゴムクローラ1用金型であっても牽引性能や耐屈曲性能を細かく設定することができる。よって例えば、ラグ配置、ラグパターン、ラグ断面形状等を変えることなく牽引性能を変更することもできる。したがって、同一の金型で様々な路面に適応することが可能なゴムクローラ1を成型することができる。
ゴムクローラ1は、無端帯状のゴムクローラの製法として通常用いられる方法で作製することができる。ただし、実施形態では、クローラ厚み方向外側部分7と接地ラグ2とでゴム配合を互いに異ならせる必要があるから、クローラ厚み方向外側部分7用の未加硫ゴムと、接地ラグ2用の未加硫ゴムとをそれぞれ別々に用意し、両者をゴムクローラ1用の金型内に一緒に仕込んで加硫成型する必要がある。
即ち、ゴムクローラ1の製造方法を具体的に説明すると、図示省略するが、上下型からなる金型の下型に、クローラ厚み方向内側部分6用の帯状の未加硫ゴム、芯金3、抗張体4、クローラ厚み方向外側部分7用の帯状の未加硫ゴム、接地ラグ2用の未加硫ゴム(塊状)の順に載置した後、接地ラグ2成形用の凹部を有する上型を被せて型締めして加硫成形することにより、有端帯状のクローラ部材を作成する。その後、別の金型で、ゴムや芯金を追加しつつジョイント部を成型して無端帯状のゴムクローラ1とする。なお、接地ラグ2用の塊状の未加硫ゴムは、上記した上型の接地ラグ2成形用凹部に対応した位置にセットするとともに、該塊状ゴムの仕込量は、接地ラグ2の体積に対応させた量とする。また、接地ラグ2用の塊状の未加硫ゴムを、型締め前に上型の接地ラグ2形成用凹部内に充填させておいてもよい。また、接地ラグ2用の未加硫ゴムをあらかじめ未加硫状態にて接地ラグ2の形状に予備成型しておき、これをゴムクローラ1の金型内に載置(又は金型の接地ラグ2形成用凹部内にセット)して、上記のように加硫成型してもよい。この場合、ゴムクローラ1の金型の接地ラグ2成型用凹部が接地ラグ2用ゴムで充填されやすくなるから、ゴムクローラ1の加硫成型時において接地ラグ2成形用凹部にクローラ厚み方向外側部分7用のゴムが流入しにくくなる。
ゴムクローラ1は、以上のような製法により作製されたものであるから、上述したように、クローラ厚み方向外側部分7と接地ラグ2との境界線は蛇行したり凹凸を有したりしている。その原因は、加硫成型時のゴム流れ、接地ラグ2用未加硫ゴムの仕込量の誤差、クローラ厚み方向外側部分7用未加硫ゴムの仕込量の誤差、等である。よって、クローラ厚み方向外側部分7用のゴムと接地ラグ2用のゴムとはその境界線近傍において互いに入り交じったような状態となっているが、接地ラグ2の大半(少なくとも80%以上)のゴムは、上記の所定物性を有する接地ラグ2用のゴムからなり、クローラ厚み方向外側部分7の大半(少なくとも80%以上)のゴムは、上記の所定物性を有するクローラ厚み方向外側部分7用のゴムからなっている。
(実施例)
本発明の効果確認するため、4種類の実施例(実施例1〜4)及び8種類の比較例(比較例1〜8)を作製し評価した。全ての実施例及び全ての比較例(以下、全ての例ともいう)においては、クローラ厚み方向外側部分及び接地ラグの材質以外は全て共通のゴムクローラとした。例えば、ラグパターン等のクローラ形状や芯金の仕様等は全ての例で共通とした。
各例に用いるゴムとして、ゴムA〜ゴムEの5種類のゴムを作製した。これらは、ジエン系ゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックを30〜100重量部(phr)、オイルを0〜50重量部(phr)、硫黄を0.5〜5重量部(phr)、加硫促進剤を0.5〜3.0重量部(phr)、をそれぞれ配合して作製した。カーボンブラック、オイル、硫黄、加硫促進剤の各phrを上記範囲内で適宜変更することにより、ゴムA〜ゴムEの5種類のゴムを作製した。
ゴムA〜ゴムEの仕様は以下の表1の通りである。
Figure 2005343326
そして、クローラ厚み方向外側部分及び接地ラグに上記ゴムA〜ゴムEを用いて各実施例及び各比較例を作製した。各例の仕様及び耐屈曲性能及び牽引性能の評価結果を表2に示す。
Figure 2005343326
各例における耐屈曲性能及び牽引性能は、各例のゴムクローラを車両に装着して走行させ、以下の基準によりそれぞれ4段階評価したものである。
〔耐屈曲性能〕
◎:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面に亀裂が発生していない。
○:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面にごく微細な亀裂が見られる。
△:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面に小さな亀裂が見られる。
×:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面に大きな亀裂が見られる。
〔牽引性能〕
◎:1tの物体を牽引させた場合、スリップしなかった。
○:1tの物体を牽引させた場合、まれにスリップして前進する。
△:1tの物体を牽引させた場合、スリップはするものの前進できる。
×:1tの物体を牽引させた場合、スリップして前進できない。
なお、耐屈曲性能及び牽引性能のいずれの評価においても、路面条件はドライとした。
表2に示すように、全ての比較例においては、耐屈曲性能又は牽引性能の少なくともいずれかが△又は×の評価となっている。これに対して、全ての実施例においては、耐屈曲性能及び牽引性能のいずれも◎又は○の評価となっており、耐屈曲性能と牽引性能とが高度に両立している。
なお、接地ラグやクローラ厚み方向外側部分の基材ゴムとしてジエン系ゴムを用いる場合、かかるジエン系ゴムとしては、天然ゴム (NR)および/またはジエン系合成ゴム を用いることが出来る。ここで、ジエン系合成ゴム としては、たとえばスチレンブタジエンゴム (SBR)、イソプレン合成ゴム (IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム (NBR)、イソブチレン−イソプレンゴム (IIR)、クロロプレンゴム (CR)などがあげられる。これらのゴム は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ゴムクローラを構成するゴムの材質や組成は特に限定されないが、接地ラグと、クローラ厚み方向外側の一部分(またはクローラ本体の全部)とで同一の基材ゴムを用いると、接地ラグとクローラ厚み方向外側部分(またはクローラ本体の全部)との結合力が極めて強固となるので好ましい。
図1は、本発明の一実施形態のゴムクローラにおける図2のA−A線での断面図である。 図2は、本発明の一実施形態であるゴムクローラを厚み方向外側(接地面側)から見た図である。 図3は、図2のゴムクローラを厚み方向内側から見た図である。 図4は、図2のB−B線における断面図である。
符号の説明
1 ゴムクローラ
2 接地ラグ
7 クローラ厚み方向外側部分(クローラ本体のクローラ厚み方向外側の一部分)
8 外周面
10 クローラ本体

Claims (1)

  1. クローラ本体と、このクローラ本体の外周面に突設された接地ラグとを備えたゴムクローラにおいて、
    前記クローラ本体の全部またはそのクローラ厚み方向外側の一部分は、最大伸び(%)と引張強さ(MPa)との積の値が10000(MPa・%)以上で且つ100%モジュラスが10(MPa)以下のゴムからなり、
    前記接地ラグは、100%モジュラスが15(MPa)以上のゴムからなることを特徴とするゴムクローラ。
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