JP2005343326A - ゴムクローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 クローラ厚み方向の外側に配されたクローラ厚み方向外側部分7と、このクローラ厚み方向外側部分7の外面8に突設された接地ラグ2とを備えたゴムクローラ1である。クローラ厚み方向外側部分7は、最大伸び(%)と引張強さ(MPa)との積の値が10000(MPa・%)以上で且つ100%モジュラスが10(MPa)以下のゴムからなる。接地ラグ2は、100%モジュラスが15(MPa)以上のゴムからなる。
【選択図】 図1
Description
今回、牽引性能に加えて耐屈曲性能においても従来技術より高い性能としうる本発明を見いだすに至った。
即ち本発明は、牽引性能と耐屈曲性能とを極めて高度に両立することができるゴムクローラを提供することを目的とする。
また、「引張強さ」は、JIS K 6251に規定されるものであり、所定の試験片を規定速度で破断するまで引っ張った場合における最大の引っ張り応力を試験片の元の断面積で割った値(単位はMPa)である。
また、「100%モジュラス」とは、伸びが100%の際における引っ張り応力を試験片の元の断面積で割った値(単位はMPa)であり、JIS K 6251で規定されるものである。
図2は、本発明の本発明の一実施形態であるゴムクローラ1を外周面側(接地面側)から見た図であり、図3はこのゴムクローラ1を内周面側から見た図である。図1は図2のA−A線におけるゴムクローラ1の断面図であり、図4は図2のB−B線におけるゴムクローラ1の断面図である。
図1に示すように、抗張体4は複数本設けられており、各抗張体4がクローラ長手方向に対して連続しているとともに、複数本の抗張体4はクローラ厚み方向の略同一位置においてクローラ幅方向に並列して設けられている。また抗張体4は、芯金3近傍のクローラ外周面側に配置されている。
芯金3は、図2及び図3で示すように、その長手方向がクローラ幅方向と平行になるように配置されており、更に、図2及び図4で示すように、各芯金3は各接地ラグ2とクローラ長手方向位置が同一(同位相)に配置されている。このように、芯金3と接地ラグ2とのクローラ長手方向位置を同一とすると、接地ラグ2の土台部分に芯金3が配置されることになるから、該土台部分の剛性が高まり、ひいては接地ラグ2の剛性が高まるから、ゴムクローラ1の牽引性能向上に寄与する。
接地ラグ2の100%モジュラスが15(MPa)以上であるから、接地ラグ2の剛性が高まり、高い牽引性能が確保される。
一方、クローラ厚み方向外側部分7は上述した伸び強さ乗算値を10000(MPa・%)以上としたので、耐屈曲性能が高くなっている。即ち、最大伸び(%)や引張強さ(MPa)が大きいほど屈曲しても亀裂が生じにくくなり耐屈曲性能が高くなる。更にクローラ厚み方向外側部分7は、100%モジュラスが10(MPa)以下とされているので、柔軟性が比較的高く、前述した伸び強さ乗算値の効果と相まって耐屈曲性能を相乗的に高めている。
なお、ゴムクローラ1の有する複数個の接地ラグ2の全てにおいて、100%モジュラスを15(MPa)以上とする必要はなく、少なくとも一の接地ラグ2において100%モジュラスを15(MPa)以上とすればよい。ただし、牽引性能を重視する観点からは、ゴムクローラ1の有する全ての接地ラグ2の100%モジュラスを15(MPa)以上とするのが好ましい。また、複数個の接地ラグ2相互間において、各接地ラグ2を構成するゴムの100%モジュラスを変化させてもよい。個々の接地ラグ2の100%モジュラスを適宜変化させることにより、ゴムクローラ1の形状(接地ラグ2のパターン、接地ラグ2の形状等)を同一としつつゴムクローラ1の牽引性能を細かく設定することができ、ゴムクローラ1の設計自由度が高まる。
即ち、ゴムクローラ1の製造方法を具体的に説明すると、図示省略するが、上下型からなる金型の下型に、クローラ厚み方向内側部分6用の帯状の未加硫ゴム、芯金3、抗張体4、クローラ厚み方向外側部分7用の帯状の未加硫ゴム、接地ラグ2用の未加硫ゴム(塊状)の順に載置した後、接地ラグ2成形用の凹部を有する上型を被せて型締めして加硫成形することにより、有端帯状のクローラ部材を作成する。その後、別の金型で、ゴムや芯金を追加しつつジョイント部を成型して無端帯状のゴムクローラ1とする。なお、接地ラグ2用の塊状の未加硫ゴムは、上記した上型の接地ラグ2成形用凹部に対応した位置にセットするとともに、該塊状ゴムの仕込量は、接地ラグ2の体積に対応させた量とする。また、接地ラグ2用の塊状の未加硫ゴムを、型締め前に上型の接地ラグ2形成用凹部内に充填させておいてもよい。また、接地ラグ2用の未加硫ゴムをあらかじめ未加硫状態にて接地ラグ2の形状に予備成型しておき、これをゴムクローラ1の金型内に載置(又は金型の接地ラグ2形成用凹部内にセット)して、上記のように加硫成型してもよい。この場合、ゴムクローラ1の金型の接地ラグ2成型用凹部が接地ラグ2用ゴムで充填されやすくなるから、ゴムクローラ1の加硫成型時において接地ラグ2成形用凹部にクローラ厚み方向外側部分7用のゴムが流入しにくくなる。
本発明の効果確認するため、4種類の実施例(実施例1〜4)及び8種類の比較例(比較例1〜8)を作製し評価した。全ての実施例及び全ての比較例(以下、全ての例ともいう)においては、クローラ厚み方向外側部分及び接地ラグの材質以外は全て共通のゴムクローラとした。例えば、ラグパターン等のクローラ形状や芯金の仕様等は全ての例で共通とした。
各例に用いるゴムとして、ゴムA〜ゴムEの5種類のゴムを作製した。これらは、ジエン系ゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックを30〜100重量部(phr)、オイルを0〜50重量部(phr)、硫黄を0.5〜5重量部(phr)、加硫促進剤を0.5〜3.0重量部(phr)、をそれぞれ配合して作製した。カーボンブラック、オイル、硫黄、加硫促進剤の各phrを上記範囲内で適宜変更することにより、ゴムA〜ゴムEの5種類のゴムを作製した。
ゴムA〜ゴムEの仕様は以下の表1の通りである。
〔耐屈曲性能〕
◎:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面に亀裂が発生していない。
○:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面にごく微細な亀裂が見られる。
△:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面に小さな亀裂が見られる。
×:100時間走行後の目視観察において、クローラ厚み方向外側部分や接地ラグの表面に大きな亀裂が見られる。
〔牽引性能〕
◎:1tの物体を牽引させた場合、スリップしなかった。
○:1tの物体を牽引させた場合、まれにスリップして前進する。
△:1tの物体を牽引させた場合、スリップはするものの前進できる。
×:1tの物体を牽引させた場合、スリップして前進できない。
なお、耐屈曲性能及び牽引性能のいずれの評価においても、路面条件はドライとした。
2 接地ラグ
7 クローラ厚み方向外側部分(クローラ本体のクローラ厚み方向外側の一部分)
8 外周面
10 クローラ本体
Claims (1)
- クローラ本体と、このクローラ本体の外周面に突設された接地ラグとを備えたゴムクローラにおいて、
前記クローラ本体の全部またはそのクローラ厚み方向外側の一部分は、最大伸び(%)と引張強さ(MPa)との積の値が10000(MPa・%)以上で且つ100%モジュラスが10(MPa)以下のゴムからなり、
前記接地ラグは、100%モジュラスが15(MPa)以上のゴムからなることを特徴とするゴムクローラ。
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