JP5516038B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents
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Description
(2)一方のサイドウォール部における前記内側補強層のみを前記熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部で構成した場合において、該サイドウォール部における前記外側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを1〜10MPaにすると共に、該サイドウォール部を、ネガティブキャンバー角の付与された車輪又はキャンバー角の付与されていない車輪では車両の内側に装着し、ポジティブキャンバー角の付与された車輪では車両の外側に装着するようにする。
(3)左右のサイドウォール部における前記内側補強層をそれぞれ熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部で構成した場合において、前記外側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを1〜10MPaにしたうえで、前記内側補強層を構成する前記熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部の25℃におけるヤング率を左右のサイドウォール部において3MPa以上異ならせると共に、ネガティブキャンバー角の付与された車輪又はキャンバー角の付与されていない車輪では前記ヤング率が大きい側を車両内側に装着し、ポジティブキャンバー角の付与された車輪では前記ヤング率が大きい側を車両外側に装着するようにする。
(4)左右のサイドウォール部における前記内側補強層をそれぞれ熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部で構成した場合において、前記外側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを1〜10MPaにしたうえで、前記内側補強層と外側補強層との接合面における中点の断面高さを一方のサイドウォール部においてタイヤ断面高さの0.4〜0.55倍にし、他方のサイドウォール部においてタイヤ断面高さの0.45〜0.6倍にし、かつ該中点の断面高さを左右のサイドウォール部において異ならせると共に、ネガティブキャンバー角の付与された車輪又はキャンバー角の付与されていない車輪では前記中点の断面高さが高い側を車両内側に装着し、ポジティブキャンバー角の付与された車輪では前記中点の断面高さが高い側を車両外側に装着するようにする。
しかも、内側補強層と外側補強層との接合面における中点の断面高さを、タイヤ断面高さの0.4〜0.6倍にしたので、ランフラット耐久性と通常走行時における乗心地性とをバランスよく向上させることができる。
さらに、本発明では、内側補強層を構成する熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部の25℃におけるヤング率を30〜300MPaにしたので、通常走行時における乗心地性を阻害させることなしに、ランフラット走行時における荷重支持機能を確実に強化させてランフラット耐久性を一層高いレベルで向上させることができる。
タイヤサイズを205/55R16 91V、タイヤの基本構造を図1として、左右の
サイド補強層を構成する内側補強層及び外側補強層の境界面におけるQ点の位置、及び内側補強層及び外側補強層を構成する材料及びその物性、を表1のように異ならせた各種タイヤを作製し、これら各種タイヤを表1に示すようにキャンバー角の付与された排気量1800ccのFF車の前後輪に装着して、以下の試験方法により、ランフラット耐久性及び乗心地性の評価を行った。
各タイヤをリム(サイズ:16×6.0J)に組み込み、空気圧を230kPaとして、4輪のうち駆動輪右側(1本)のバルブコアを除去して、アスファルト路面からなるテストコースを平均速度80km/hにて走行させ、ドライバーがタイヤの故障による振動を感じるまで走行を続け、その走行距離を以って、ランフラット耐久性の評価とした。そして、この評価を熟練された3名のテストドライバーにより行い、その結果を平均して従来タイヤを100とする指数により表1に併記した。数値が大きいほどランフラット耐久性が優れていることを示す。
各タイヤをリム(サイズ:16×6.0J)に組み込み、空気圧を230kPaとして、乾燥したアスファルト路面からなるテストコースを平均速度80km/hにて走行させ、熟練された3名のテストドライバーによる官能評価を行った。この評価結果を従来タイヤを3とする5点法により集計し、その平均値を表1に併記した。数値が大きいほど乗心地性が優れていることを示す。
タイヤサイズを205/55R16 91V、タイヤ構造を図2として、左右のサイド
補強層を構成する内側補強層及び外側補強層の材料及びその物性を表2のように異ならせた各種タイヤを作製し、これら各種タイヤを表2に示すようにキャンバー角の付与された排気量1800ccのFF車の前後輪に装着して、上述する試験方法と同様に、ランフラット耐久性及び乗心地性の評価を行い、その結果を表1における従来例と併せて表2に併記した。
2 サイドウォール部
3 カーカス層
4 インナーライナー層
5 サイド補強層
5a 内側補強層
5b 外側補強層
Q 内側補強層と外側補強層との接合面における中点
h 中点の断面高さ
SH タイヤ断面高さ
Claims (5)
- 左右一対のサイドウォール部におけるカーカス層とインナーライナー層との間に断面三日月状のゴム組成物からなるサイド補強層を配置したランフラットタイヤにおいて、
前記サイド補強層をそれぞれタイヤ径方向の内側に位置する内側補強層と外側に位置する外側補強層との2つのパーツにより構成し、前記内側補強層と外側補強層との接合面における中点の断面高さをタイヤ断面高さの0.4〜0.6倍にすると共に、前記内側補強層のうち、少なくとも一方のサイドウォール部における前記内側補強層を前記ゴム組成物に代えて熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成部により構成し、前記熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部の25℃におけるヤング率を30〜300MPaにしたランフラットタイヤ。 - 一方のサイドウォール部における前記内側補強層及び外側補強層をそれぞれゴム組成物で構成した場合において、前記内側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを10〜15MPaにすると共に、前記外側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを1〜10MPaにした請求項1に記載のランフラットタイヤ。
- 一方のサイドウォール部における前記内側補強層のみを熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部で構成した場合において、該サイドウォール部における前記外側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを1〜10MPaにすると共に、該サイドウォール部を、ネガティブキャンバー角の付与された車輪又はキャンバー角の付与されていない車輪では車両の内側に装着し、ポジティブキャンバー角の付与された車輪では車両の外側に装着するようにした請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
- 左右のサイドウォール部における前記内側補強層をそれぞれ熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部で構成した場合において、前記外側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを1〜10MPaにしたうえで、前記内側補強層を構成する前記熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部の25℃におけるヤング率を左右のサイドウォール部において3MPa以上異ならせると共に、ネガティブキャンバー角の付与された車輪又はキャンバー角の付与されていない車輪では前記ヤング率が大きい側を車両内側に装着し、ポジティブキャンバー角の付与された車輪では前記ヤング率が大きい側を車両外側に装着するようにした請求項1に記載のランフラットタイヤ。
- 左右のサイドウォール部における前記内側補強層をそれぞれ熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成部で構成した場合において、前記外側補強層を構成するゴム組成物の25℃における100%モジュラスを1〜10MPaにしたうえで、前記内側補強層と外側補強層との接合面における中点の断面高さを一方のサイドウォール部においてタイヤ断面高さの0.4〜0.55倍にし、他方のサイドウォール部においてタイヤ断面高さの0.45〜0.6倍にし、かつ該中点の断面高さを左右のサイドウォール部において異ならせると共に、ネガティブキャンバー角の付与された車輪又はキャンバー角の付与されていない車輪では前記中点の断面高さが高い側を車両内側に装着し、ポジティブキャンバー角の付与された車輪では前記中点の断面高さが高い側を車両外側に装着するようにした請求項1又は4に記載のランフラットタイヤ。
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