JP2010006327A - 空気入りランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気入りランフラットタイヤにおいて、ランフラット耐久性を犠牲にすることなく、また、タイヤ重量を増やすことなく乗り心地の向上を図る。
【解決手段】サイド補強ゴム層24の、径方向外側端A点から接点Qまでのサイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向外側面に沿って計測した距離AQを、A点から接点Pまでのサイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向内側面に沿って計測した距離APよりも短く設定すると、通常走行時においては、相対的に軟らかい第1の補強ゴム層24Aが実際に接地するトレッド部16に近く、接地面からの衝撃を受け易いため、通常走行時における乗り心地が確保される。ランフラット走行時においては、相対的に硬い第2の補強ゴム層24Bの荷重支持割合が従来対比で大きくなり、その結果、サイド補強ゴム層24の圧縮剛性が向上し、サイド補強ゴム層24のゴム量を増やさずにランフラット耐久性が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りランフラットタイヤにかかり、特には、タイヤサイド部に断面三日月状の補強ゴム層を供えたサイド補強タイプの空気入りランフラットタイヤに関する。
タイヤサイド部に、断面三日月状の補強ゴム層を備えたサイド補強タイプの空気入りランフラットタイヤ(例えば、特開2001−239813号公報)では、該補強ゴムによってランフラット走行が可能となっているが、通常のタイヤと比較してタイヤの縦ばね定数が上がることで乗り心地が悪化する。
補強ゴム層に柔らかいゴムを用いることで、乗り心地の悪化を抑えることはできるが、ランフラット耐久性を確保するためには補強ゴム層を厚くする必要があり、その結果、タイヤ重量が増加する問題がある。
また、タイヤ重量が増加することで、サスペンションのばね下荷重が増え、操縦安定性が悪化する。さらには、タイヤ重量の増加による車両入力の増加により、車両の耐久性に対しても少なからず悪影響を及ぼす問題がある。
また、乗り心地を損ねずにランフラット走行距離を増大させる空気入りランフラットタイヤとして、例えば、特許文献1に記載の空気入りランフラットタイヤがある。
特開2001−239813号公報 特開2002−301911号公報
特許文献1の空気入りランフラットタイヤでは、サイド補強ゴム層をトレッド部側の第1のゴム部とビード部側の第2のゴム部とで形成し、第1のゴム部を第2のゴム部よりも軟らかく設定しているが、サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面の第1のゴム部と第2のゴム部との接点を、タイヤ径方向内側面の第1のゴム部と第2のゴム部との接点よりもタイヤ径方向外側に位置するように第1のゴム部と第2のゴム部とが配置されている。しかしながら、ランフラット走行時には、図3に示すように、サイド補強ゴム層の中央付近にて軟らかい第1のゴム部(図3では符号24Aのゴム)と硬い第2のゴム部(図3では、符号24Bのゴム)とで荷重を支持しているため、ランフラット耐久性の面で不十分であることが分かった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、ランフラット耐久性を犠牲にすることなく、また、タイヤ重量を増やすことなく乗り心地の向上を図ることのできる空気入りランフラットタイヤを提供することが目的である。
サイド補強タイプの空気入りランフラットタイヤでは、三日月状のサイド補強ゴム層が、内圧が無い場合の荷重支持を行っているが、この時、三日月形状のサイド補強ゴム層のタイヤ径方向中央部分では、ゴムの圧縮剛性にて直接的に荷重を支持して有効に内圧零時の荷重支持に寄与しているが、一方、三日月形状の端部においては剪断剛性で全体を曲げ難くしてタイヤ剛性を上げている。
この三日月形状とされたサイド補強ゴム層の端部付近の剛性は、内圧零時の荷重支持においては、相対的に弱いことが分かっている。したがって、このサイド補強ゴム層の端部付近においては内圧零時の荷重支持よりも通常内圧時の乗り心地の悪化に寄与する傾向が強い。特に、実際に接地をするトレッド部に隣接する補強ゴム層のタイヤ径方向外端付近は、直接、接地面からの衝撃を受ける部位であることにより、より乗り心地への寄与が大きい。
現状のサイド補強タイプの空気入りランフラットタイヤの課題は、通常内圧で使用した際に、サイド補強ゴム層の存在により縦ばね定数が上がって乗り心地が悪化することが問題となっていることより、可能な限りサイド補強ゴム層の圧縮剛性を引き出してランフラット耐久性を確保すると同時に、通常内圧時の縦ばね定数を下げて乗り心地を向上するためには、硬いゴムと軟らかいゴムとの分割線を従来とは異なる分割線とすることが有効であることが、発明者による種々の実験検討により判明した。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、請求項1に記載の空気入りランフラットタイヤは、一方のビードコアから他方のビードコアへトロイド状に跨るカーカスと、
前記カーカスのタイヤ軸方向内側に配置され、ビードコア側、及びトレッド側に向けて厚さが漸減し、前記サイドゴム層を構成するゴムよりも硬いゴムからなるサイド補強ゴム層と、を備え、前記サイド補強ゴム層は、トレッド側に配置される第1の補強ゴム層と、ビードコア側に配置され前記第1の補強ゴムよりも硬いゴムから形成される第2の補強ゴム層を有し、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記第1の補強ゴム層のタイヤ径方向外側端をA、前記第2の補強ゴム層のタイヤ径方向内側端をB、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面における前記第1の補強ゴム層と前記第2の補強ゴム層との接点をQ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面における前記第1の補強ゴム層と前記第2の補強ゴム層との接点をPとしたときに、前記A点から前記接点Qまでの前記第1の補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測した距離AQが、前記A点から前記接点Pまでの前記第1の補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測した距離APよりも短く設定されている。
次に、請求項1に記載の空気入りランフラットタイヤの作用を説明する。
請求項1に記載の空気入りランフラットタイヤでは、内圧低下時にサイド補強ゴム層が荷重を支持し、ランフラット走行を可能とする。
ランフラット走行時において、サイド補強ゴム層のタイヤ径方向中央部分は圧縮剛性の寄与が大きく、タイヤ径方向内側部分(ビードコア側部分)、及びタイヤ径方向外側部分(トレッド側部分)は剪断剛性の寄与が大きいことは、内圧零時のタイヤの変形により特徴付けられるものである。
即ち、サイド補強ゴム層の長手方向(タイヤ径方向)中央部では、ゴムの圧縮剛性にて直接的に荷重支持を行って有効に内圧低下時の荷重支持に寄与しているが、サイド補強ゴム層の長手方向端部においては、剪断剛性で全体を曲げ難くしてタイヤ剛性を確保している。
ここで、請求項1に記載の様にサイド補強ゴム層を第1の補強ゴム層と、ビードコア側に配置され第1の補強ゴムよりも硬いゴムから形成される第2の補強ゴム層とで構成し、サイド補強ゴム層のタイヤ径方向外側端A点からサイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面における第1の補強ゴム層と第2の補強ゴム層との接点Qまでの第1の補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測した距離AQを、A点からサイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面における第1の補強ゴム層と第2の補強ゴム層との接点Pまでの第1の補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測した距離APよりも短く設定することで、第1の補強ゴム層、及び第2の補強ゴム層の各々の形状が最適化され、相対的に軟らかい第1の補強ゴム層が実際に接地するトレッド部に近く、接地面からの衝撃を受け易いため、通常走行時における乗り心地が確保される。
また、請求項1のように第1の補強ゴム層、及び第2の補強ゴム層の各々の形状を最適化すると、ランフラット走行時においてサイド補強ゴム層が荷重を受けて曲げ変形した際に、相対的に硬い第2の補強ゴム層の荷重支持割合(圧縮剛性の寄与)が従来対比で大きくなり、その結果、サイド補強ゴム層の圧縮剛性が向上し、サイド補強ゴム層のゴム量を増やさずにランフラット耐久性が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りランフラットタイヤにおいて、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測する前記A点から前記B点までの距離をLx、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測する前記A点から前記B点までの距離をLyとしたときに、前記接点Qが、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測して前記A点から0.15〜0.40Lx離間した位置にあり、前記接点Pが、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測して前記A点から0.35〜0.60Ly離間した位置にある。
次に、請求項2に記載の空気入りランフラットタイヤの作用を説明する。
接点Qをサイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測してA点から0.15〜0.40Lx離間した位置に設定し、接点Pをサイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測してA点から0.35〜0.60Ly離間した位置に設定することで、乗り心地の向上と、ランフラット耐久性の向上とを高次元で両立することができる。
なお、A点から接点Qまでの距離が0.15Lx未満になると、サイド補強ゴム層のトレッドに近い部位に硬いゴム(第2の補強ゴム層)が入ることで、通常内圧時の縦ばねが悪化し、乗り心地が悪化する。
一方、A点から接点Qまでの距離が0.40Lxを超えると、サイド補強ゴム層の中央部に軟らかいゴム(第1の補強ゴム層)が入ることで、内圧零時の縦たわみが大きくなり、ランフラット耐久性が不利になる。
次に、A点から接点Pまでの距離が0.35Ly未満になると、サイド補強ゴム層のトレッドに近い部位に硬いゴム(第2の補強ゴム層)が入ることで、通常内圧時の縦バネが悪化し、乗り心地が悪化する。
一方、A点から接点Pまでの距離が0.60Lyを超えると、サイド補強ゴム層の中央部に軟らかいゴム(第1の補強ゴム層)が入ることで、内圧零時の縦たわみが大きくなり、ランフラット耐久性が不利になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りランフラットタイヤにおいて、前記第1の補強ゴム層は、25°Cにおける100%伸張モジュラスが5〜10MPaの範囲内にあり、前記第2の補強ゴム層は、25°Cにおける100%伸張モジュラスが10〜15MPaの範囲内にある。
次に、請求項3に記載の空気入りランフラットタイヤの作用を説明する。
第1の補強ゴム層の25°Cにおける100%伸張モジュラスが5MPa未満になると、第2補強ゴム層との剛性差が過大になり、界面を起点とした破壊が発生し易くなる。
一方、第1の補強ゴム層の25°Cにおける100%伸張モジュラスが10MPaを超えると、縦ばね低減の十分な効果が得られなくなる。
第2の補強ゴム層の25°Cにおける100%伸張モジュラスが10MPa未満になると、ランフラット耐久性を得るために必要なサイド補強ゴム層のゲージが厚くなり、重量増加してしまう。
一方、第2の補強ゴム層の25°Cにおける100%伸張モジュラスが15MPaを超えると、サイド部での曲げ剛性を効率的に得るためには、サイド補強ゴム層のゲージに適正な範囲(5〜10mm)にあることが望ましく(何故なら、曲げ剛性に対してゲージは3乗で効くから)、硬すぎるサイド補強ゴム層はゲージが薄くなり、ランフラット耐久性に不利になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りランフラットタイヤにおいて、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記第1の補強ゴム層と前記第2の補強ゴム層との分割線の長手方向中心点をR、前記点Rを通るタイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記サイド補強ゴム層の内側輪郭線の法線が前記サイド補強ゴム層の外側輪郭線と交差する点をT、前記法線が前記サイド補強ゴム層の内側輪郭線と交差する点をSとしたときに、前記点Rから前記点Tまでの前記法線に沿った距離LRT(が、前記点Sから前記点Tまでの前記法線に沿った距離LSTの15〜75%の範囲内にある。
距離LRTが、距離LSTの15%未満になると、縦ばね低減効果が得られ難くなる。
一方、距離LRTが、距離LSTの75%を超えると、内圧零時の剛性が下がり、また、第1補強ゴム層と第2補強ゴム層との界面での破壊が発生し易くなることより、ランフラット耐久性に不利となる。
したがって、距離LRTを距離LSTの15〜75%の範囲内に設定することが好ましい。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りランフラットタイヤにおいて、一方のビードコアから他方のビードコアへ至る前記カーカスの本体部と、前記ビードコアにてタイヤ外側へ折り返された前記カーカスの折返し部との間に配置され、前記サイドゴム層を構成するゴムよりも硬いゴムからなるビードフィラーを備え、前記第2の補強ゴム層は、前記ビードフィラーを構成するゴムと同一のゴムが用いられている。
次に、請求項5に記載の空気入りランフラットタイヤの作用を説明する。
ランフラット走行時において、サイド補強ゴム層のタイヤ径方向中央部分は圧縮剛性の寄与が大きく、タイヤ径方向内側部分(ビードコア側部分)、及びタイヤ径方向外側部分(トレッド側部分)は剪断剛性の寄与が大きいことは、内圧零時のタイヤの変形により特徴付けられるものであるが、サイド補強ゴム層のトレッド側に比較して、ビードコア側はビードフィラーに隣接する領域であり、この部位でトレッド側に適用したのと同様の軟らかいゴムを適用すると、ビードフィラーとの剛性差が大きいために局部的な破壊を起こし易くなる。したがって、サイド補強ゴム層のビードコア側、即ち第2のサイド補強ゴム層に軟らかいゴムを適用するのは好適でなく、逆に、ビードフィラーと同じ硬いゴムを適用することで、ビードフィラーと、これに隣接する第2の補強ゴム層との間の剛性段差が最小となり、ランフラット走行時において局部的な歪みが無い連続的な変形が達成でき、ランフラット耐久上効果がある。
以上説明したように本発明の空気入りランフラットタイヤは上記構成としたので、ランフラット耐久性を犠牲にすることなく、また、タイヤ重量を増やすことなく乗り心地の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1において、本実施の形態に係る空気入りランフラットタイヤ10は、一対のビード部12と、該ビード部12に夫々連なるサイドウォール部14と、両側の該サイドウォール部14に連なるトレッド部16と、一対のビード部12間をトロイド状に跨って配設されビード部12間に位置するカーカス本体部18A及びビード部12のビードコア22にタイヤ内側から外側に折り返された折返し部18Bとを有するカーカス18と、ビード部12及びトレッド部16に向かって厚さが夫々漸減するようにカーカス本体部18Aの内面側に配設されたサイド補強ゴム層24とを備えている。
また、空気入りランフラットタイヤ10は、一般の空気入りタイヤと同様に、例えばカーカス本体部18Aのタイヤ径方向外側にベルト層26を有し、更にその外側にベルト補強層としてのキャップ28A、及びレイヤー28Bを有し、一対のビード部12にわたるタイヤ内面には、インナーライナー32が配設されている。なお、キャップ28Aはベルト全体を覆い、レイヤー28Bはベルト端付近のみを覆うように設けられている。
ビード部12におけるビードコア22のタイヤ径方向外側には、カーカス本体部18Aと折返し部18Bとの間に、タイヤ径方向外側に向けて厚さが漸減するビードフィラー36が配設されている。ビードフィラー36は、カーカス本体部18Aのタイヤ軸方向外側に配置されるゴムよりも硬いゴムから形成されている。
(サイド補強ゴム層の構造)
本実施形態のサイド補強ゴム層24は、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの断面形状がタイヤ内側に曲率中心を有するいわゆる三日月形状である。
本実施形態のサイド補強ゴム層24は、トレッド側の第1のサイド補強ゴム層24Aと、ビードコア側の第2のサイド補強ゴム層24Bとの2層構造となっている。
ここで、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときのサイド補強ゴム層24のタイヤ径方向外側端をA、サイド補強ゴム層24のタイヤ径方向内側端をB、サイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向外側面における第1の補強ゴム層24Aと第2の補強ゴム層24Bとの接点をQ、サイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向内側面における第1の補強ゴム層24Aと第2の補強ゴム層24Bとの接点をPとしたときに、A点から接点Qまでの第1の補強ゴム層24Aのタイヤ軸方向外側面に沿って計測した距離AQが、A点から接点Pまでの第1の補強ゴム層24Aのタイヤ軸方向内側面に沿って計測した距離APよりも短く設定されている。
タイヤ回転軸に沿った断面で見たときのサイド補強ゴム層24(第1の補強ゴム層24A、及び第2の補強ゴム層24B)のタイヤ軸方向外側面に沿って計測するA点からB点までの距離をLx、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときのサイド補強ゴム層24(第1の補強ゴム層24A、及び第2の補強ゴム層24B)のタイヤ軸方向内側面に沿って計測するA点からB点までの距離をLyとしたときに、接点Qが、サイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向外側面に沿って計測してA点から0.15〜0.40Lx離間した位置にあり、接点Pが、サイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向内側面に沿って計測してA点から0.35〜0.60Ly離間した位置にあることが好ましい。
タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの第1の補強ゴム層24Aと第2の補強ゴム層24Bとの分割線PLの長手方向中心点をR、点Rを通るタイヤ回転軸に沿った断面で見たときのサイド補強ゴム層24の内側輪郭線の法線L1がサイド補強ゴム層24の外側輪郭線と交差する点をT、法線L1がサイド補強ゴム層24の内側輪郭線と交差する点をSとしたときに、点Rから点Tまでの法線L1に沿った距離LRTが、点Sから点Tまでの法線L1に沿った距離LSTの15〜75%の範囲内にあることが好ましい。
ここで、第1の補強ゴム層24Aと第2の補強ゴム層24Bとの分割線(境界線)PLは、タイヤ内側に曲率中心を有する円弧形状とすることが好ましい。
なお、第1の補強ゴム層24Aは、25°Cにおける100%伸張モジュラスが5〜10MPaの範囲内にあり、第2の補強ゴム層24Bは、25°Cにおける100%伸張モジュラスが10〜15MPaの範囲内にあることが好ましい。
また、第1の補強ゴム層24Aは、ビードフィラー36を構成するゴムと同一のゴムを用いることが好ましい。
(作用)
次に、本実施形態の空気入りランフラットタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態の空気入りランフラットタイヤ10では、内圧低下時にサイド補強ゴム層24が荷重を支持し、ランフラット走行を可能としている。
本実施形態の空気入りランフラットタイヤ10では、第1の補強ゴム層24A、及び第2の補強ゴム層24Bが、距離AQが距離APよりも短くなるように分割されて各々の形状が最適化されているので、通常走行時においては、相対的に軟らかい第1の補強ゴム層24Aが実際に接地するトレッド部16に近く、接地面からの衝撃を受け易いため、通常走行時における乗り心地が確保される。
一方、ランフラット走行時においてサイド補強ゴム層24が荷重を受けて曲げ変形すると、本実施形態のように第1の補強ゴム層24A、及び第2の補強ゴム層24Bの各々の形状(分割線PLの向き)を最適化することで、サイド補強ゴム層24の中央付近(図2の点線で囲む圧縮剛性寄与大領域)において、相対的に硬い第2の補強ゴム層24Bの荷重支持割合が従来(図3参照)対比で大きくなり、その結果、サイド補強ゴム層24の圧縮剛性が向上し(即ち、サイド補強ゴム層全体の変形が小さくなる)、サイド補強ゴム層24のゴム量を増やさずにランフラット耐久性が向上する。
なお、図3に示すように、第1の補強ゴム層24A、及び第2の補強ゴム層24Bの分割線PLを従来構造とすると、ランフラット走行時に、第2の補強ゴム層24Bと軟らかい第1の補強ゴム層24Aとが荷重を支持することになり、高いランフラット耐久性が得られない。
また、接点Qをサイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向外側面に沿って計測してA点から0.15〜0.40Lx離間した位置に設定し、接点Pをサイド補強ゴム層24のタイヤ軸方向内側面に沿って計測してA点から0.35〜0.60Ly離間した位置に設定することで、乗り心地の向上と、ランフラット耐久性の向上とを高次元で両立することができる。
また、第2のサイドゴム層24Bに、ビードフィラー36と同じ硬いゴムを適用すると、ビードフィラー36と、これに隣接する第2のサイドゴム層24Bとの間の剛性段差が最小となり、ランフラット走行時において局部的な歪みが無い連続的な変形が達成でき、ランフラット耐久上好ましい。
ここで、A点から接点Qまでの距離が0.15Lx未満になると、サイド補強ゴム層24のトレッド部16に近い部位に硬いゴム(第2のサイドゴム層24B)が入ることで、通常内圧時の縦ばねが悪化し、乗り心地が悪化する。
一方、A点から接点Qまでの距離が0.40Lxを超えると、サイド補強ゴム層24の中央部に軟らかいゴム(第1の補強ゴム層24A)が入ることで、内圧零時の縦たわみが大きくなり、ランフラット耐久性が不利になる。
次に、A点から接点Pまでの距離が0.35Ly未満になると、サイド補強ゴム層24のトレッド部16に近い部位に硬いゴム(第2のサイドゴム層24B)が入ることで、通常内圧時の縦ばねが悪化し、乗り心地が悪化する。
一方、A点から接点Pまでの距離が0.60Lyを超えると、サイド補強ゴム層24の中央部に軟らかいゴム(第1の補強ゴム層24A)が入ることで、内圧零時の縦たわみが大きくなり、ランフラット耐久性が不利になる。
第1の補強ゴム層24Aの25°Cにおける100%伸張モジュラスが5MPa未満になると、第2のサイドゴム層24Bとの剛性差が過大になり、界面を起点とした破壊が発生し易くなる。
一方、第1の補強ゴム層24Aの25°Cにおける100%伸張モジュラスが10MPaを超えると、縦ばね低減の十分な効果が得られなくなる。
第2の補強ゴム層24Bの25°Cにおける100%伸張モジュラスが10MPa未満になると、ランフラット耐久性を得るために必要なサイド補強ゴム層24のゲージが厚くなり、重量増加してしまう。
一方、第2の補強ゴム層24Bの25°Cにおける100%伸張モジュラスが15MPaを超えると、サイドウォール部14での曲げ剛性を効率的に得るためには、サイド補強ゴム層24のゲージに適正な範囲(5〜10mm)にあることが望ましく(何故なら、曲げ剛性に対してゲージは3乗で効くから)、硬すぎるサイド補強ゴム層24はゲージが薄くなり、ランフラット耐久性に不利になる。
距離LRTが、距離LSTの15%未満になると、縦ばね低減効果が得られ難くなる。
一方、距離LRTが、距離LSTの75%を超えると、内圧零時の剛性が下がり、また、第1補強ゴム層と第2補強ゴム層との界面での破壊が発生し易くなることより、ランフラット耐久性に不利となる。
[試験例]
本発明の効果を確かめるために、従来構造のタイヤ1種、比較例に係るタイヤ2種、本発明の適用された実施例のタイヤ1種を試作し、ランフラット耐久性、乗り心地性(通常内圧時縦ばね定数)、及びタイヤ重量の比較を行った。
供試タイヤの諸元は以下の通りである。
・タイヤサイズ:225/50 R17
・カーカス:レーヨンコード使用、2層構造
・ベルト層:スチールベルプライの2層構造で、スチールコードの角度がタイヤ軸方向に対して64°
・ベルト補強層:1キャップ(ベルト全体を覆う)+1レイヤー(ベルト端付近を覆う)
・ランフラット耐久性:タイヤをドラム試験機に装着してランフラット走行(内圧零、荷重525kgf、速度89km/h)させ、タイヤが故障するまでの距離を測定し、従来例の故障までの距離の逆数を100とする指数表示とした。指数の数値が大きいほどランフラット耐久性に優れていることを表している。
・乗り心地性:内圧230kPa時の縦ばね定数である。評価は、従来例の測定値を100とする指数表示とし、数値が小さいほど乗り心地性が良いことを表している。
・タイヤ重量:従来例を100とする指数表示とし、数値が大きいほど重量が大きいことを表している。
Figure 2010006327
なお、乗り心地に関し、指数の数値で1の差は、ベテランのテストドライバーが分かるレベルで、一般のユーザーには殆ど判断できないレベルである。
・比較例1のタイヤ:分割線の位置がタイヤ径方向外側に行過ぎているため、乗り心地の改善効果が一般ユーザーに分かる程度に出ていない。
・比較例2のタイヤ:乗り心地は若干改善されているものの、ランフラット耐久性を確保するためにサイド補強ゴム層を厚くした関係で、タイヤ重量が増加している。
・比較例3のタイヤ:乗り心地は若干改善されているものの、ランフラット耐久性を確保するためにサイド補強ゴム層を厚くした関係で、タイヤ重量が増加している。
・実施例のタイヤ:ランフラット耐久性を確保しつつ、タイヤ重量を増やさずに乗り心地を大幅に改善できている。
通常時の空気入りランフラットタイヤの回転軸に沿った断面図である。 内圧零時の空気入りランフラットタイヤの回転軸に沿った断面図である。 内圧零時の従来の空気入りランフラットタイヤの回転軸に沿った断面図である。
符号の説明
10 空気入りランフラットタイヤ
12 ビード部
14 サイドウォール部
16 トレッド部
18 カーカス
18A カーカス本体部
18B 折返し部
22 ビードコア
24 サイド補強ゴム層
24A サイド補強ゴム層
24B サイド補強ゴム層
26 ベルト層
32 インナーライナー
36 ビードフィラー

Claims (5)

  1. 一方のビードコアから他方のビードコアへトロイド状に跨るカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ軸方向内側に配置され、ビードコア側、及びトレッド側に向けて厚さが漸減し、前記サイドゴム層を構成するゴムよりも硬いゴムからなるサイド補強ゴム層と、を備え、
    前記サイド補強ゴム層は、トレッド側に配置される第1の補強ゴム層と、ビードコア側に配置され前記第1の補強ゴムよりも硬いゴムから形成される第2の補強ゴム層を有し、
    タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記第1の補強ゴム層のタイヤ径方向外側端をA、前記第2の補強ゴム層のタイヤ径方向内側端をB、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面における前記第1の補強ゴム層と前記第2の補強ゴム層との接点をQ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面における前記第1の補強ゴム層と前記第2の補強ゴム層との接点をPとしたときに、
    前記A点から前記接点Qまでの前記第1の補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測した距離AQが、前記A点から前記接点Pまでの前記第1の補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測した距離APよりも短く設定された空気入りランフラットタイヤ。
  2. タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測する前記A点から前記B点までの距離をLx、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測する前記A点から前記B点までの距離をLyとしたときに、
    前記接点Qが、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側面に沿って計測して前記A点から0.15〜0.40Lx離間した位置にあり、
    前記接点Pが、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側面に沿って計測して前記A点から0.35〜0.60Ly離間した位置にある請求項1に記載の空気入りランフラットタイヤ。
  3. 前記第1の補強ゴム層は、25°Cにおける100%伸張モジュラスが5〜10MPaの範囲内にあり、
    前記第2の補強ゴム層は、25°Cにおける100%伸張モジュラスが10〜15MPaの範囲内にある請求項1または請求項2に記載の空気入りランフラットタイヤ。
  4. タイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記第1の補強ゴム層と前記第2の補強ゴム層との分割線の長手方向中心点をR、
    前記点Rを通るタイヤ回転軸に沿った断面で見たときの前記サイド補強ゴム層の内側輪郭線の法線が前記サイド補強ゴム層の外側輪郭線と交差する点をT、
    前記法線が前記サイド補強ゴム層の内側輪郭線と交差する点をSとしたときに、
    前記点Rから前記点Tまでの前記法線に沿った距離LRTが、前記点Sから前記点Tまでの前記法線に沿った距離LSTの15〜75%の範囲内にある、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りランフラットタイヤ。
  5. 一方のビードコアから他方のビードコアへ至る前記カーカスの本体部と、前記ビードコアにてタイヤ外側へ折り返された前記カーカスの折返し部との間に配置され、前記サイドゴム層を構成するゴムよりも硬いゴムからなるビードフィラーを備え、
    前記第2の補強ゴム層は、前記ビードフィラーを構成するゴムと同一のゴムが用いられている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りランフラットタイヤ。
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