JP5416449B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、レーシングカー用、スポーツカー用のタイヤとして好適であり、優れた操縦安定性を維持しながらカーカス耐久性を向上した空気入りタイヤに関する。
例えばスポーツカー、レーシングカーなどの高速走行用の四輪車両に用いられる空気入りタイヤでは、タイヤ剛性を高めて操縦安定性を向上させるために、タイヤの骨格をなすカーカスを複数枚のカーカスプライにより形成するとともに、カーカスコードにアラミド繊維コードやポリエチレンナフタレート繊維コード(PEN繊維コード)などの高弾性の有機繊維コードを採用している(例えば特許文献1参照)。
特開2003−54215号公報
しかし、前記高速走行用の四輪車両に用いられる空気入りタイヤ、特にレース用のタイヤでは、充填内圧が相対的に低いこと、サイドウォールゴムの厚さが小であること、並びに過酷な旋回走行が強いられることなどから、バットレス域では、通常の乗用車用タイヤに比して大きな屈曲変形が発生する。
このとき、最もタイヤ内腔側に配されるカーカスプライでは、このカーカスプライが屈曲変形における応力中心よりも内側(タイヤ内腔側)を通るため、バットレス域では強い圧縮応力を受けることとなる。しかも前記高弾性の有機繊維コードは、弾性率が高い分、圧縮側の耐疲労性に劣る傾向がある。そのため、バットレス域では、前記屈曲変形による強い圧縮応力の繰り返しにより、最もタイヤ内腔側に配されるカーカスプライのカーカスコードが圧縮疲労を起こし、コード破断を誘発させるなどカーカス耐久性を低下させるという問題がある。特に、サイドウォール部にサイド補強プライを設けて操縦安定性を高めた場合には、バットレス域に負荷が集中して屈曲変形がより大となるため、カーカス耐久性の低下はより顕著なものとなる。
そこで本発明は、インナーライナゴム層の厚さをバットレス域において増大せしめ、最もタイヤ内腔側に配されるカーカスプライを屈曲変形の応力中心側に近づけさせることを基本として、バットレス域において作用するカーカスコードへの圧縮応力を低減でき、圧縮疲労を抑えてカーカス耐久性を向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るプライ本体部の両端に、前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を設けた折返しのカーカスプライを1枚以上有するカーカスと、前記サイドウォール部に配されかつ前記プライ折返し部に沿って半径方向内外にのびるサイド補強プライと、最もタイヤ内腔側に配されるプライ本体部の内面に添着されビード部間をのびることによりタイヤ内腔面を形成するインナーライナゴム層とを具える空気入りタイヤであって、
前記カーカスプライのカーカスコードは、アラミド繊維コード又はポリエチレンナフタレート繊維コードからなり、
前記インナーライナゴム層は、略均一の厚さtbを有する主部と、この主部よりも大な厚さtaを有しかつトレッド端位置からタイヤ最大幅位置までの領域で定義される上サイドウォール領域に含まれるバットレス域に配される一つの厚さ増大部とを一連に具え、
前記厚さ増大部は、厚さtaが最大となる最大厚さ位置から半径方向内外に厚さtaを漸減してのびる断面三日月状をなし、
前記一つの厚さ増大部の半径方向内外は、前記主部で構成されており、
しかも前記最大厚さ位置において、最もタイヤ内腔側に配されるプライ本体部の厚さ中心iからタイヤ内腔面までの厚さtcは、前記最大厚さ位置におけるタイヤ全厚さTの0.3倍以上であることを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記プライ折返し部の半径方向外端及び/又は前記サイド補強プライの半径方向外端は、前記上サイドウォール領域内で終端するとともに、
前記厚さ増大部の半径方向内端は、前記上サイドウォール領域内で終端するプライ折返し部の半径方向外端及び/又は前記サイド補強プライの半径方向外端のうちで最も半径方向外側に位置する最外側の外端よりも半径方向内側に、プライ本体部に沿った5〜15mmの距離L1を隔たり、
かつ前記厚さ増大部の半径方向外端は、前記トレッド端位置からタイヤ軸方向内側に、プライ本体部に沿った5〜30mmの距離L2を隔たることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記プライ折返し部の半径方向外端と前記サイド補強プライの半径方向外端とは、前記上サイドウォール領域内で終端しないとともに、
前記厚さ増大部の半径方向内端は、前記タイヤ最大幅位置からプライ本体部に沿って半径方向内側に5mm以下の距離L3の位置、又は半径方向外側に10mm以下の距離L3の位置に配され、
かつ前記厚さ増大部の半径方向外端は、前記トレッド端位置からタイヤ軸方向内側にプライ本体部に沿った5〜30mmの距離L2を隔たることを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記カーカスの外側に、サイドウォール部の外面をなすサイドウォールゴムが配されるとともに、このサイドウォールゴムは、前記上サイドウォール領域の50%以上の領域範囲において、ゴム厚さを1.0〜2.0mmとしたことを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記サイド補強プライは、前記プライ本体部とプライ折返し部との間に配されることを特徴としている。
本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した正規内圧状態で特定される値とする。
なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。ただし、レース用のタイヤ等のように、適用される規格がない場合、前記正規リム及び正規内圧には、メーカにより推奨されるリム及び空気圧が適用される。
本発明の空気入りタイヤのインナーライナゴム層は、略均一の厚さを有する主部と、この主部よりも大な厚さを有しかつバットレス域に配される厚さ増大部とを一連に具える。従って、屈曲変形時、最もタイヤ内腔側に配されるカーカスプライが屈曲変形の応力中心側に近づき、バットレス域において作用するカーカスコードへの圧縮応力を減じることができる。その結果、高弾性の有機繊維コードからなるカーカスコードの圧縮疲労、及びそれに起因する強度低下が抑えられ、優れた操縦安定性を確保しながらカーカス耐久性を向上することができる。
なお、インナーライナゴム層の全体に亘って厚さを増大した場合には、タイヤ質量の不必要な増加を招き、燃費性やラップタイムを悪化させることとなる。
本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 そのサイドウォール部を拡大して示す断面図である。 その厚さ増大部をさらに拡大して示す断面図である。 厚さ増大部の他の例を拡大して示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の実施例を示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の実施例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1において、空気入りタイヤ1は、本例ではレース用のスリックタイヤであって、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7と、サイドウォール部3に配されかつ前記カーカス6に沿って半径方向内外にのびるサイド補強プライ9とを具える。
また前記トレッド部2には、前記ベルト層7のタイヤ半径方向外側に、トレッドゴム2Gが配される。このトレッドゴム2Gは、例えば2.0〜5.5mm、より好ましくは3.0〜4.5mmの略均一なゴム厚さで形成されている。このゴム厚さは一般の乗用車用タイヤに比べて小であり、サーキット走行時、トレッドゴム2Gの発熱を抑え、高速耐久性を高めるのに役立つ。
前記トレッドゴム2Gのゴム硬度(デュロメータA硬さ)は、その下限が30度以上、さらには40度以上が望ましく、また上限は、90度以下、さらには85度以下が好ましい。このゴム硬度が過度に小さくなると、耐摩耗性が低下し、逆に大きすぎると十分なグリップ力が得られない傾向となる。
次に、前記カーカス6は、前記ビードコア5、5間を跨るトロイド状のプライ本体部6aの両端に、ビードコア5の回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを設けた折返しのカーカスプライを1枚以上有して形成される。本例では、半径方向内外に重置する2枚の折返しのカーカスプライ6A、6Bから形成される所謂2−0構造の場合が例示される。
各カーカスプライ6A、6Bは、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば50〜90°の角度で配列したコードプライであり、前記カーカスコードとして、アラミド繊維コード又はポリエチレンナフタレート繊維コード(PEN繊維コード)から選択される高弾性の有機繊維コードが採用される。これによりカーカス剛性を高め、高速走行時の旋回性を含む操縦安定性を向上させている。
また本例のカーカス6は、図2に拡大して示されるように、外のカーカスプライ6Bのプライ折返し部6bBがタイヤ最大幅位置Pmよりも半径方向内方で終端するとともに、内のカーカスプライ6Aのプライ折返し部6bAは、トレッド端位置Peをタイヤ軸方向内方に越え、その外端E6Aはトレッド部2の内部にて終端している。このようなハイターンアップ構造は、サイドウォール部3の曲げ剛性を高め、操縦安定性をさらに向上させるとともに、前記プライ折返し部6bBの半径方向外端E6Bを被覆保護するため、この外端E6Bを起点とするコード端ルースなどの損傷を抑制しうる。なお前記外端E6A、E6Bを総称して外端E6という場合がある。
また前記カーカス6の外側には、サイドウォール部3の外面3S(以下サイドウォール面3Sと呼ぶ場合がある。)をなすサイドウォールゴム3Gが配される。本例の如きレース用タイヤの場合、このサイドウォールゴム3Gのゴム厚さは、前記上サイドウォール領域Yuの50%以上の領域範囲において、1.0〜2.0mmの範囲と、通常の乗用車用タイヤに比して非常に薄く設定され、軽量化が図られている。
また、前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側へ先細状にのびるビードエーペックスゴム8が配される。このビードエーペックスゴム8は、例えばゴム硬度(デュロメータA硬さ)が60度以上、より好ましくは70度以上の硬質ゴムからなり、ビード部4からサイドウォール部3にかけて補強する。なお周囲のゴムとの接着性などに鑑み、このゴム硬度の上限は98度以下、さらには95度以下が好ましい。
また、操縦安定性のさらなる向上を図るため、サイドウォール部3にはサイド補強プライ9が配される。このサイド補強プライ9は、有機繊維からなる補強コードをタイヤ周方向に対して30〜60°の角度で配列したコードプライからなり、前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間を通って半径方向内外にのびる。
本例では、サイド補強プライ9が、前記ビードエーペックスゴム8とプライ折返し部6bとの間を通って半径方向内外にのびる主部9aのみからなるI字状に形成される場合が例示されている。しかし、この主部9aの半径方向内端に、ビードコア5の回りで折り返される折返し部9b(図示しない)を延設したU字状に形成することもできる。なおI字状、U字状の何れの場合にも、前記主部9aの半径方向外端E9a、折返し部9bの半径方向外端E9bは、それぞれ上サイドウォール領域Yu内或いはタイヤ最大幅位置Pmよりも半径方向内方で終端する。本例では、前記主部9aの外端E9aが上サイドウォール領域Yu内で終端する場合が例示されている。なお前記外端E9a、E9bを総称して、外端E9と言う場合がある。
ここで、前記上サイドウォール領域Yuは、前記トレッド端位置Peからタイヤ最大幅位置Pmまでの領域であって、このタイヤ最大幅位置Pmとは、前記サイドウォール面3Sがタイヤ軸方向外側に最も張り出す点であるタイヤ最大幅点Mを通ってプライ本体部6aに直交する直線の位置を意味する。又前記トレッド端位置Peとは、前記トレッド端Teを通ってプライ本体部6aに直交する直線の位置を意味する。又トレッド端Teとは、トレッド部2の外面2S(以下トレッド面2Sと呼ぶ場合がある。)と前記サイドウォール面3Sとがエッジで交わる所謂スクエアショルダの場合には、そのエッジによりトレッド端Teが定義される。又本例の如く、トレッド面2Sとサイドウォール面3Sとが小円弧面Ssを介して連なる所謂ラウンドショルダの場合には、図3の如く、トレッド面2Sと小円弧面Ssの交点q2と、小円弧面Ssとサイドウォール面3Sとの交点q1との間の、小円弧面Ss上の中点を、前記トレッド端Teとして定義する。
次に、前記ベルト層7は、図2の如く本例では、半径方向内外に重置する2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ周方向に対して例えば15〜40°の角度で配列するベルトコードを有し、該ベルトコードがプライ間相互で交差することによりベルト剛性を高め、トレッド部2を強固に補強している。前記ベルトコードとしては、例えばアラミド繊維コード等の高弾性の有機繊維コードやスチールコードが好適に使用される。
また、本例では、高速耐久性を高める目的で、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に、有機繊維からなるバンドコードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回したバンド層10を設けている。このバンド層10としては、前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ、及びベルト層7の略全巾を覆うフルバンドプライが適宜使用でき、本例では、1枚のフルバンドプライからなる場合が例示される。このようなバンド層10は、高速走行時のベルト層7の動きを抑制し、トレッドゴム2Gの摩耗を抑制する他、高速走行時の操縦安定性、耐久性を向上させる。なお前記ベルト層7では、バンド層10に代えて、或いはさらに高速耐久性を高める目的で、ベルト層7の外端をU字に折り返した所謂フォールドエンド構造を採用することもできる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、最もタイヤ内腔側に配されるプライ本体部、本例ではプライ本体部6aAの内面に、ブチル系ゴム等の低空気透過性ゴムからなり、かつビード部4、4間をのびることによりタイヤ内腔面Hsを形成するインナーライナゴム層11を具える。
このインナーライナゴム層11は、略均一の厚さtbを有する主部12と、この主部12よりも大な厚さtaを有しかつ前記上サイドウォール領域Yuに含まれるバットレス域Yu1に配される厚さ増大部13とを一連に具える。なお前記主部12は、加硫成形等に起因する寸法バラツキが少ない領域範囲、具体的には少なくとも前記ビードエーペックスゴム8の先端間の領域範囲において、その厚さtbが略一定であって、この厚さtbとしては、従来タイヤのインナーライナゴム層と同様、0.5〜1.5mmの範囲が好適に採用される。
また、前記厚さ増大部13は、図3に示すように、前記厚さtaが最大値ta1となる最大厚さ位置Q1から半径方向内外に厚さtaを漸減してのびる断面三日月状をなす。そして、前記最大厚さ位置Q1において、最もタイヤ内腔側に配されるプライ本体部6aAの厚さ中心iからタイヤ内腔面Hsまでの厚さtcは、前記最大厚さ位置Q1におけるタイヤ全厚さTの0.3倍以上に設定される。
このような断面三日月状の厚さ増大部13は、前記プライ本体部6aAを、屈曲変形時の応力中心側に近づけることができる。その結果、バットレス域Yu1において作用するカーカスコードへの圧縮応力を減じることが可能となり、カーカスコードの圧縮疲労及びそれに起因する強度低下を抑えることができる。なお厚さtcが全厚さTの0.3倍未満では、圧縮応力の低減効果が不充分となる。逆に厚さtcが厚すぎると、重量の不必要な増加を招く他、タイヤ全体の剛性バランスが損なわれ操縦安定性を低下させる恐れを招く。従って、前記厚さtcの上限は、全厚さTの0.6倍以下が好ましい。
また前記圧縮応力の低減効果を有効に発揮させるために、前記厚さ増大部13の半径方向外端13oは、前記トレッド端位置Peからタイヤ軸方向内側に5〜30mmの距離L2を隔てた位置で終端するのが好ましい。また前記厚さ増大部13の半径方向内端13iは、前記上サイドウォール領域Yu内にて、前記プライ折返し部6bの半径方向外端E6及び/又は前記サイド補強プライ9の半径方向外端E9が終端する場合には、この上サイドウォール領域Yu内にて終端する外端E6、E9のうちで最も半径方向外側に位置する最外側の外端Exよりも半径方向内側に5〜15mmの距離L1を隔てた位置で終端するのが好ましい。本例では、サイド補強プライ9の半径方向外端E9、詳しくは、主部9aの外端E9aのみが上サイドウォール領域Yu内にて終端し、従ってこの主部9aの外端E9aが、前記最外側の外端Exとなる。しかし、サイド補強プライ9に代えて、プライ折返し部6bAの外端E6Aが上サイドウォール領域Yu内にて終端し、この外端E6Aが最外側の外端Exを構成することも、また双方の外端E9a、E6Aが上サイドウォール領域Yu内にて終端し、このうちの何れかの外端E9aまたはE6Aが最外側の外端Exを構成することもできるなど、種々の態様を採用しうる。
なお前記距離L1、L2は、前記プライ本体部6aに沿った距離である。前記距離L2が5mmより小、及び距離L1が5mmより小の場合には、厚さ増大部13が有効に機能せず、トレッド端位置Peや最外側の外端Exの近傍にてカーカスコードが圧縮疲労を起こして破断損傷を招きやすくなる。逆に、前記距離L2が30mmを越える、或いは距離L1が15mmを越える場合には、圧縮応力の低減効果のさらなる向上が見込まれず、また重量の不必要な増加を招く。従って、距離L2の下限値は5mm以上が好ましく、また上限は30mm以下が好ましい。また距離L1の下限値は5mm以上が好ましく、また上限は15mm以下が好ましい。
また、図4に示すように、前記上サイドウォール領域Yu内にて、前記プライ折返し部6bの半径方向外端E6とサイド補強プライ9の半径方向外端E9とが何れも終端しない場合には、前記厚さ増大部13の半径方向内端13iは、前記タイヤ最大幅位置Pmから半径方向外側に10mm以下の距離L3の位置、又は半径方向内側に5mm以下の距離L3の位置で終端するのが好ましい。この距離L3がタイヤ最大幅位置Pmから半径方向外側に10mmを越えると厚さ増大部13を有効に機能させることが難しく、逆に半径方向内側に5mmを越えると、重量の不必要な増加を招く。このような観点から、前記距離L3は半径方向外側に5mm以下がより好ましい。なお前記距離L3も前記プライ本体部6aに沿った距離である。
次に、前記カーカス6としては、本例の如く、2枚の折返しのカーカスプライ6A、6Bからなる2−0構造の場合の他、図5に示すように、1枚の折返しのカーカスプライ6Aのみから形成される所謂1−0構造を採用することもできる。また図6に示すように、2枚の折返しのカーカスプライ6A、6Bのさらに外側に、前記プライ折返し部6bAを覆ってトレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4に巻き下ろされる巻き下ろしのカーカスプライ6Cを設けた所謂2−1構造を採用することもできる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1のタイヤ構造を有するサイズ245/40R18のレース用のラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作し、それらについて操縦安定性、カーカスの強力保持率、タイヤ質量を測定し互いに比較した。表1に記載以外は、各タイヤとも実質的に同仕様である。
<操縦安定性>
各試供タイヤをリム(18×8JJ)、内圧(200kPa)の条件にてレース仕様車両(スカイラインGT−R)の全輪に装着し、サーキットコースにてサーキット走行を行い、その時の操縦安定性を、ドライバの官能評価により比較例1を100とした指数で示す。数値が大きいほど良好である。
<カーカスの強力保持率>
前記車両を用いて、サーキットコースを約3.7kmの距離を走行し、その後タイヤを解体して、カーカスコードをタイヤから取り出した。そして、JIS L1017(化学繊維タイヤコード試験方法)の8.5項に記載された「引張強さ及び伸び率」に準拠し、取り出したカーカスコードの破断時の荷重を、コード5本に対して測定しその平均値をコード強力とした。そして新品タイヤにおけるコード強力(コード5本の平均)を100とする指数で比較した。数値が大なほど強力保持率が高く、耐久性に優れている。
<タイヤ質量>
タイヤ1本当たりの質量を測定し、比較例1を100とした指数で示す。数値が小さいほど軽量である。
Figure 0005416449
比較例2と比べるように、実施例のタイヤは、タイヤ質量の過度の増加を抑えながら、強力保持率を向上させうることが確認できる。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
3G サイドウォールゴム
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A、6B 折返しのカーカスプライ
6aA,6aB プライ本体部
6bA,6bB プライ折返し部
9 サイド補強プライ
11 インナーライナゴム層
12 主部
13 厚さ増大部
Hs タイヤ内腔面
Pe トレッド端位置
Pm タイヤ最大幅位置
Q1 最大厚さ位置
Yu 上サイドウォール領域
Yu1 バットレス域

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るプライ本体部の両端に、前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を設けた折返しのカーカスプライを1枚以上有するカーカスと、前記サイドウォール部に配されかつ前記プライ折返し部に沿って半径方向内外にのびるサイド補強プライと、最もタイヤ内腔側に配されるプライ本体部の内面に添着されビード部間をのびることによりタイヤ内腔面を形成するインナーライナゴム層とを具える空気入りタイヤであって、
    前記カーカスプライのカーカスコードは、アラミド繊維コード又はポリエチレンナフタレート繊維コードからなり、
    前記インナーライナゴム層は、略均一の厚さtbを有する主部と、この主部よりも大な厚さtaを有しかつトレッド端位置からタイヤ最大幅位置までの領域で定義される上サイドウォール領域に含まれるバットレス域に配される一つの厚さ増大部とを一連に具え、
    前記厚さ増大部は、厚さtaが最大となる最大厚さ位置から半径方向内外に厚さtaを漸減してのびる断面三日月状をなし、
    前記一つの厚さ増大部の半径方向内外は、前記主部で構成されており、
    しかも前記最大厚さ位置において、最もタイヤ内腔側に配されるプライ本体部の厚さ中心iからタイヤ内腔面までの厚さtcは、前記最大厚さ位置におけるタイヤ全厚さTの0.3倍以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記プライ折返し部の半径方向外端及び/又は前記サイド補強プライの半径方向外端は、前記上サイドウォール領域内で終端するとともに、
    前記厚さ増大部の半径方向内端は、前記上サイドウォール領域内で終端するプライ折返し部の半径方向外端及び/又は前記サイド補強プライの半径方向外端のうちで最も半径方向外側に位置する最外側の外端よりも半径方向内側に、プライ本体部に沿った5〜15mmの距離L1を隔たり、
    かつ前記厚さ増大部の半径方向外端は、前記トレッド端位置からタイヤ軸方向内側に、プライ本体部に沿った5〜30mmの距離L2を隔たることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記プライ折返し部の半径方向外端と前記サイド補強プライの半径方向外端とは、前記上サイドウォール領域内で終端しないとともに、
    前記厚さ増大部の半径方向内端は、前記タイヤ最大幅位置からプライ本体部に沿って半径方向内側に5mm以下の距離L3の位置、又は半径方向外側に10mm以下の距離L3の位置に配され、
    かつ前記厚さ増大部の半径方向外端は、前記トレッド端位置からタイヤ軸方向内側にプライ本体部に沿った5〜30mmの距離L2を隔たることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカスの外側に、サイドウォール部の外面をなすサイドウォールゴムが配されるとともに、このサイドウォールゴムは、前記上サイドウォール領域の50%以上の領域範囲において、ゴム厚さを1.0〜2.0mmとしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイド補強プライは、前記プライ本体部とプライ折返し部との間に配されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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