JP2006213163A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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幸博 小川
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Abstract

【課題】ドラム耐久性を向上できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、一対のビードコア2、2に対してトロイド状に架け渡されるカーカスプライ3と、カーカスプライ3のタイヤ幅方向内側に配置されるインナーパッド8とを含む。そして、インナーパッド8の50[%]伸張時のモジュラスMが0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にある。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、少なくともインナーパッド8の最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することにより、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pを通りタイヤ軸方向に平行な基準線nが引かれたときに、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称となること。
【選択図】 図1

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、ドラム耐久性を向上できる空気入りタイヤを提供することに関する。
近年、トラックやバス等に装着される重荷重用の空気入りタイヤとして、扁平率が低いラジアルタイヤが普及している。かかる空気入りタイヤでは、カーカスプライのターンナップ部(巻き返し部)の外端あるいはビード部の変形を防止するために配置された有機繊維コードの外端にて周囲のゴム材にセパレーションが発生し、タイヤのドラム耐久性が悪化するという課題がある。
かかる課題において、従来の空気入りタイヤには、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤ(タイヤとリムの組立体)は、両ビードコア間にトロイダル状に延在する、ラジアルカーカス本体部を備える重荷重車両用ラジアルタイヤとリムとの組立体であって、このタイヤに対応する規格に規定された最低内圧を充填した状態において、タイヤのリムからの離反点と、この離反点に最も近い半径方向最外端のリム表面上の点との、リム表面に沿った距離をD1とし、前記離反点からD1のペリフェリ長さだけ半径方向外側に隔離したタイヤ表面上の点を通り、ラジアルカーカスの本体部に垂直な直線をL1としたときに、ラジアルカーカス本体部の幅方向内側に、断面三日月状のゴム部材よりなり、直線L1を越えて半径方向内側まで延在するインナーパッド弾性補強体を設け、このインナーパッド弾性補強体の最大肉厚を、この最大肉厚を与えるタイヤ半径方向位置でのタイヤ肉厚の3〜20%としてなる。従来の空気入りタイヤは、かかる構成により、リムフランジ端部に対応するタイヤ表面上の点の、タイヤ幅方向変位量を低減させ、よって、タイヤのこの部分近傍に現れるダイアゴナルクラックの発生を抑制していた。
特開2003−237321号公報
この発明は、ドラム耐久性を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、一対のビードコアに対してトロイド状に架け渡されるカーカスプライと、前記カーカスプライのタイヤ幅方向内側に配置されるインナーパッドとを含む空気入りタイヤであって、前記インナーパッドの50[%]伸張時のモジュラスMが0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にあり、且つ、タイヤ子午線方向の断面視にて、少なくとも前記インナーパッドの最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することにより、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pを通りタイヤ軸方向に平行な基準線nが引かれたときに、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称となることを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、インナーパッドの50[%]伸張時のモジュラスMが適正化されている。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称(自然平衡カーカスライン)となるように、インナーパッドの配置が適正化されている。これにより、リムクッション部におけるセパレーション(クラック)の発生、その他のビード部の故障が抑制されるので、タイヤのドラム耐久性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、一対のビードコアに対してトロイド状に架け渡されるカーカスプライと、前記カーカスプライのタイヤ幅方向内側に配置されるインナーパッドとを含む空気入りタイヤであって、前記インナーパッドは、50[%]伸張時のモジュラスMが0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にある軟ゴム部と、前記軟ゴム部に対してタイヤ径方向内側に配置されると共に50[%]伸張時のモジュラスMが3.5[MPa]≦M≦6.5[MPa]の範囲内にある硬ゴム部とから成り、タイヤ子午線方向の断面視にて、少なくとも前記インナーパッドの最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することにより、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pを通りタイヤ軸方向に平行な基準線nが引かれたときに、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称となり、且つ、前記硬ゴム部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、インナーパッドが軟ゴム部および硬ゴム部から成ると共にこれらのゴム部の硬度が適正化されている。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称(自然平衡カーカスライン)となるように、インナーパッドの配置が適正化されている。これにより、リムクッション部におけるセパレーション(クラック)の発生、その他のビード部の故障が抑制されるので、タイヤのドラム耐久性が向上する利点がある。また、インナーパッドの硬ゴム部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置するので、タイヤの使用時にてビード部の変形が抑制される。これにより、操縦安定性が維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、正規内圧の10[%]の空気圧がタイヤに充填された状態にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線n上に中心を持つ単一の略円弧形状を有する。
この空気入りタイヤでは、正規内圧の10[%]の空気圧がタイヤに充填された状態にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線n上に中心を持つ単一の略円弧形状を有するので、より良好な自然平衡カーカスラインが形成される。これにより、タイヤのドラム耐久性がより効果的に向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインlのタイヤ径方向最外部をQとし、前記カーカスプライの巻き返し端部からリムフランジ端部までのタイヤ径方向の距離の中間点をRとするときに、中間点Rからカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pまでのタイヤ径方向の距離RP’と、カーカスラインlのタイヤ径方向最外部Qからタイヤ幅方向最外部Pまでのタイヤ径方向の距離QP’とが等しい。
この空気入りタイヤ1では、カーカスラインlの形状が適正化されているので、より良好な自然平衡カーカスラインが形成される。これにより、タイヤのドラム耐久性がより効果的に向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記インナーパッドのタイヤ径方向外側の端部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側にある。
また、この空気入りタイヤでは、タイヤ子午線方向の断面視にて、インナーパッドのタイヤ径方向外側の端部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側にあるので、小さな(少ないゴム材から成る)インナーパッドにより自然平衡カーカスラインが形成される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、インナーパッドのタイヤ径方向内側の端部がビードコアのタイヤ径方向にかかる寸法範囲内にある。
また、この空気入りタイヤでは、タイヤ子午線方向の断面視にて、インナーパッドのタイヤ径方向内側の端部がビードコアのタイヤ径方向にかかる寸法範囲内(高さの範囲内)にあるので、タイヤ使用時にてビードトゥの浮き上がり現象によりビード部が繰り返し変形したときに、インナーパッドの端部がカーカスプライ3から剥離し難い。これにより、タイヤのドラム耐久性がより向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pからカーカスラインlの巻き返し部に接線mが引かれるときに、この接線mとカーカスラインlとによって切り取られる前記インナーパッドの断面部分の最大肉厚がインナーパッド8の最大肉厚の80[%]以上となる。
また、この空気入りタイヤでは、インナーパッドの肉厚および配置が適正化されているので、より良好な自然カーカスラインが形成される。これにより、タイヤのドラム耐久性がより効果的に向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、扁平率が70[%]以下の重荷重用空気入りラジアルタイヤである。
また、この空気入りタイヤの構成が扁平率70[%]以下の重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用されることにより、ビード部の耐久性が向上する利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤによれば、インナーパッドの50[%]伸張時のモジュラスMが適正化されており、また、タイヤ子午線方向の断面視にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称(自然平衡カーカスライン)となるようにインナーパッドの配置が適正化されているので、リムクッション部におけるセパレーション(クラック)の発生、その他のビード部の故障が抑制されて、タイヤのドラム耐久性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤによれば、インナーパッドが軟ゴム部および硬ゴム部から成ると共にこれらのゴム部の硬度が適正化されており、また、タイヤ子午線方向の断面視にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称(自然平衡カーカスライン)となるようにインナーパッドの配置が適正化されているので、リムクッション部におけるセパレーション(クラック)の発生、その他のビード部の故障が抑制されて、タイヤのドラム耐久性が向上する利点がある。また、インナーパッドの硬ゴム部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置するので、タイヤの使用時にてビード部の変形が抑制されて、操縦安定性が維持される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのタイヤ子午線方向の断面図である。図2および図3は、図1に記載した空気入りタイヤのビード部を示す説明図である。図4〜図6は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。図7および図8は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2、2と、ビードフィラー(ビードゴム)21、21と、カーカスプライ3と、ベルト層4と、トレッドゴム5と、サイドウォールゴム6と、インナーライナー7とを含み構成される。ビードコア2、2は、左右一対を一組として構成される。ビードフィラー21は、これらのビードコアのタイヤ径方向外周にそれぞれ配置される。カーカスプライ3は、左右のビードコア2、2間にトロイド状に架け渡される。また、カーカスプライ3の両端部(ターンナップ部)は、ビードフィラー21を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返される。ベルト層4は、カーカスプライ3のタイヤ径方向外周に配置される。トレッドゴム5は、ベルト層4に対してタイヤ径方向外周に配置され、空気入りタイヤ1のトレッド部を構成する。サイドウォールゴム6は、カーカスプライ3に対してタイヤ幅方向外側に配置され、空気入りタイヤ1のサイドウォール部を構成する。インナーライナー7は、カーカスプライ3の内側に配置されて、空気入りタイヤ1の内周面を構成する。
[インナーパッド]
また、この空気入りタイヤ1では、ビード部にインナーパッド8が配置される(図1〜図3参照)。このインナーパッド8は、50[%]伸張時のモジュラスM(JIS−K6251参照)が0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にあるゴム材料から成る。また、インナーパッド8は、カーカスプライ3のタイヤ幅方向内側、例えば、カーカスプライ3とインナーライナー7との間に配置されている。
また、インナーパッド8の形状および配置は、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pを通りタイヤ軸方向(回転軸の方向)に平行な基準線nが引かれたときに、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlがサイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称(自然平衡カーカスライン)となるように、規定される。
具体的には、タイヤ子午線方向の断面視にて、インナーパッド8が略三日月状を有すると共に、その略三日月状の最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することより、自然平衡カーカスラインが形成されている。なお、カーカスラインlとは、タイヤ子午線方向断面視におけるカーカスプライ3の概略ラインという。また、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pとは、カーカスラインlの部分のうちタイヤ幅方向の最も外側に位置する部分をいう。
[作用効果]
この空気入りタイヤ1は、上記のように、インナーパッドの50[%]伸張時のモジュラスMが0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にあり、また、タイヤ子午線方向の断面視にて、少なくとも前記インナーパッドの最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することにより、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pを通りタイヤ軸方向に平行な基準線nが引かれたときに、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称(自然平衡カーカスライン)となるように、構成される(図1〜図3参照)。
かかる構成では、内圧負荷時(空気充填時)ならびに荷重負荷時にて、ビード部の倒れ込み(タイヤ子午線方向の断面視におけるタイヤ幅方向への変形)が抑制されるので、ビード部への負担が軽減される。これにより、リムクッション部におけるセパレーション(クラック)の発生、その他のビード部の故障が抑制されるので、タイヤのドラム耐久性が向上する利点がある。
また、かかる構成では、インナーパッド無しに自然平衡カーカスラインが形成される構成(図示省略)と比較して、ビード部のゲージ不足が解消される。これにより、タイヤ幅方向にかかるビード部の剛性(サイド横剛性)が確保されるので、操縦安定性が維持される利点がある。
また、かかる構成では、インナーパッド無しに自然平衡カーカスラインが形成される構成(図示省略)と比較して、加硫成型時におけるビード部でのゴム材料の流れが良好となる(バックリング現象の発生が防止される)。これにより、ビード部の製造故障が低減されることにより、タイヤ生産性およびタイヤ品質が向上する利点がある。なお、ビード部のゲージ不足は、タイヤ成形金型の形状の変更により、解消可能である。
[変形例1]
なお、この空気入りタイヤ1では、インナーパッド8が略単一のゴム材料から成る(図2参照)が、これは、インナーパッド8を安価かつ簡易に構成できる点で好ましい。しかし、これに限らず、インナーパッド8は、軟ゴム部81および硬ゴム部82から成る二極構造を有することが好ましい(図3参照)。
具体的には、インナーパッド8は、50[%]伸張時のモジュラスMが0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にある軟ゴム部81と、50[%]伸張時のモジュラスMが3.5[MPa]≦M≦6.5[MPa]の範囲内にある硬ゴム部82とにより、構成される。
また、インナーパッド8は、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ径方向(長手方向)の略中央部を境界として軟ゴム部81および硬ゴム部82に二分割され、軟ゴム部81がタイヤ径方向外側に位置すると共に硬ゴム部82がタイヤ径方向内側に位置するように、構成される。また、インナーパッド8は、少なくとも硬ゴム部82がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置するように、構成される。なお、軟ゴム部81と硬ゴム部82との境界線は、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ径方向に対して傾斜していても良いし(図4参照)、タイヤ径方向に平行(図5参照)あるいは垂直(図6参照)であっても良い。
かかる構成では、インナーパッド8の軟ゴム部81がタイヤ径方向外側に位置するので、タイヤの使用時にてカーカスプライ3の撓み(動き)が阻害されない。これにより、タイヤのドラム耐久性が向上する利点がある。また、硬ゴム部82がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置するので、タイヤの使用時にてビード部の変形が抑制される。これにより、操縦安定性が維持される利点がある。
[変形例2]
また、この空気入りタイヤ1では、正規内圧の10[%]の空気圧がタイヤに充填された状態にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線n上に中心を持つ単一の略円弧形状を有することが好ましい。
具体的には、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向外側にかかる外側カーカスライン、ならびに、タイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側にかかる内側カーカスラインが、基準線n上に中心を有する略円弧形状を有する(図1参照)。そして、正規内圧の10[%]の空気圧がタイヤに負荷された状態にて、外側カーカスラインの曲率半径r0と内側カーカスラインの曲率半径r1とが略等しくなるように、インナーパッド8が構成される。これにより、より良好な自然カーカスラインが形成されるので、タイヤのドラム耐久性がより効果的に向上する利点がある。
なお、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。
[変形例3]
また、この空気入りタイヤ1では、カーカスラインlが以下の形状となるように、インナーパッド8が構成されることが好ましい。
まず、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインlのタイヤ径方向最外部Qからリムフランジ端部までのタイヤ径方向の距離をHとする(図1参照)。つぎに、カーカスプライ3の巻き返し端部からリムフランジ端部までのタイヤ径方向の距離について、その中間点Rをとる。この中間点Rからカーカスプライ3の巻き返し端部までのタイヤ径方向の距離と、中間点Rからリムフランジ端部までのタイヤ径方向の距離とは、いずれも等しい(=h2)。このとき、この中間点Rからカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pまでのタイヤ径方向の距離RP’と、カーカスラインlのタイヤ径方向最外部Qからタイヤ幅方向最外部Pまでのタイヤ径方向の距離QP’とが等しい(RP’=QP’=h1)。これにより、より良好な自然カーカスラインが形成されるので、タイヤのドラム耐久性がより効果的に向上する利点がある。
[変形例4]
また、この空気入りタイヤ1では、自然平衡カーカスラインの形成にあたり、少なくともインナーパッド8の最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置すれば足りる(図2参照)。
しかし、タイヤ子午線方向の断面視にて、インナーパッド8のタイヤ径方向外側の端部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側にあることが好ましい(インナーパッド8の上限位置)。これにより、小さな(少ないゴム材から成る)インナーパッド8により、自然平衡カーカスラインが形成される利点がある。
また、タイヤ子午線方向の断面視にて、インナーパッド8のタイヤ径方向内側の端部がビードコア2のタイヤ径方向にかかる寸法範囲内(高さの範囲内)にあることが好ましい(インナーパッド8の下限位置)。すなわち、インナーパッド8は、そのタイヤ径方向内側の端部がビードコア2まで至るように構成されることが好ましい。また、インナーパッド8は、そのタイヤ径方向内側の端部がビードコア2よりもタイヤ径方向内側に位置しないように構成されることが好ましい。かかる構成では、タイヤ使用時にてビードトゥの浮き上がり現象によりビード部が繰り返し変形したときに、インナーパッド8の端部がカーカスプライ3から剥離し難い。これにより、タイヤのドラム耐久性がより向上する利点がある。
また、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pからカーカスラインlの巻き返し部に接線(弦)mが引かれるときに、この接線mとカーカスラインlとによって切り取られるインナーパッド8の断面部分の最大肉厚(カーカスラインl上の点から接線mに下ろされる垂線の最大長さ)がインナーパッド8の最大肉厚の80[%]以上となるように、インナーパッド8の肉厚および配置が規定されることが好ましい(図3参照)。これにより、より良好な自然平衡カーカスラインが形成されるので、タイヤのドラム耐久性がより効果的に向上する利点がある。また、ビード部の製造故障が効果的に低減されるので、タイヤの生産性がより向上する利点がある。
[適用例]
また、この空気入りタイヤ1の構成は、扁平率が70[%]以下の重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用されることが好ましい。かかる重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、カーカスプライ3外側のリムクッション部が厚くなり、カーカスラインが自然平衡化され難くなるためである。また、製造時のゴム流れが改善されるので、製造時の故障が抑制されてビード部の耐久性が向上する利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)ドラム耐久性、および、(2)操縦安定性にかかる性能試験が行われた(図7および図8参照)。この性能試験では、タイヤサイズ275/70R22.5の空気入りタイヤがJATMA規定の正規リムにリム組みされる。
(1)ドラム耐久性にかかる性能試験では、空気入りタイヤに対してJATMA規定の正規荷重の1.5倍の荷重および正規空気圧が負荷される。そして、室内ドラム試験機にて、ビード部に故障が発生するかリムクッション部にクラック等が発生して走行不能となるまでの走行距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とする指数評価が行われる。この指数評価は、数値が大きいほど好ましい。
(2)操縦安定性にかかる性能試験では、空気入りタイヤに対してJATMA規定の正規荷重および正規空気圧が負荷される。そして、この空気入りタイヤが10[ton]トラックである試験車両に装着され、直進性およびハンドリングに関する感応評価が専門パネラーにより行われる。評価結果は、従来の空気入りタイヤ(従来例)を基準(100)とした指数値により示されており、その指数値が大きいほど好ましい。
従来例の空気入りタイヤでは、インナーパッドが配置されておらず、また、カーカスラインlが自然平衡化されていない。一方、発明例1〜6の空気入りタイヤ1は、インナーパッド8が配置されており、また、カーカスラインlが自然平衡化されている(r0=r1=70[mm])。また、比較例1の空気入りタイヤでは、インナーパッドが配置されていないが、カーカスラインlが自然平衡化されている。また、発明例1〜3の空気入りタイヤ1は、インナーパッド8が軟ゴム材のみから成る(図1および図2参照)。一方、発明例4〜6の空気入りタイヤ1は、インナーパッド8が軟ゴム部81および硬ゴム部82を有する(図4参照)。
試験結果に示すように、発明例1〜6と従来例とを比較すると、発明例1〜6の空気入りタイヤ1では、ドラム耐久性が向上しており、また、操縦安定性が維持されていることが分かる。なお、比較例1について、インナーパッド無しにカーカスラインlが自然平衡化されている構成では、ビード部の剛性が不足するために、操縦安定性が悪化することが分かる。
また、発明例1〜3の空気入りタイヤ1と比較例2および比較例3とを比較すると、インナーパッド8の硬度(50[%]モジュラスM)が適正化されることにより、ドラム耐久性が向上することが分かる(図7参照)。同様に、発明例4〜6の空気入りタイヤ1と比較例4および比較例5とを比較すると、インナーパッド8の軟ゴム部81および硬ゴム部82の硬度(50[%]モジュラスM)が適正化されることにより、ドラム耐久性が向上すると共に操縦安定性が維持されることが分かる(図8参照)。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、ドラム耐久性を向上できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのタイヤ子午線方向の断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのビード部を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤのビード部を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
21 ビードフィラー
3 カーカスプライ
4 ベルト層
5 トレッドゴム
6 サイドウォールゴム
7 インナーライナー
8 インナーパッド
81 軟ゴム部
82 硬ゴム部

Claims (8)

  1. 一対のビードコアに対してトロイド状に架け渡されるカーカスプライと、前記カーカスプライのタイヤ幅方向内側に配置されるインナーパッドとを含む空気入りタイヤであって、
    前記インナーパッドの50[%]伸張時のモジュラスMが0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にあり、且つ、
    タイヤ子午線方向の断面視にて、少なくとも前記インナーパッドの最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することにより、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pを通りタイヤ軸方向に平行な基準線nが引かれたときに、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称となることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 一対のビードコアに対してトロイド状に架け渡されるカーカスプライと、前記カーカスプライのタイヤ幅方向内側に配置されるインナーパッドとを含む空気入りタイヤであって、
    前記インナーパッドは、50[%]伸張時のモジュラスMが0.4[MPa]≦M≦1.5[MPa]の範囲内にある軟ゴム部と、前記軟ゴム部に対してタイヤ径方向内側に配置されると共に50[%]伸張時のモジュラスMが3.5[MPa]≦M≦6.5[MPa]の範囲内にある硬ゴム部とから成り、
    タイヤ子午線方向の断面視にて、少なくとも前記インナーパッドの最大肉厚部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することにより、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pを通りタイヤ軸方向に平行な基準線nが引かれたときに、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線nを軸として略対称となり、且つ、
    前記硬ゴム部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 正規内圧の10[%]の空気圧がタイヤに充填された状態にて、サイドウォール部からビード部に至るカーカスラインlが基準線n上に中心を持つ単一の略円弧形状を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインlのタイヤ径方向最外部をQとし、前記カーカスプライの巻き返し端部からリムフランジ端部までのタイヤ径方向の距離の中間点をRとするときに、
    中間点Rからカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pまでのタイヤ径方向の距離RP’と、カーカスラインlのタイヤ径方向最外部Qからタイヤ幅方向最外部Pまでのタイヤ径方向の距離QP’とが等しい請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記インナーパッドのタイヤ径方向外側の端部がカーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pよりもタイヤ径方向内側にある請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ子午線方向の断面視にて、インナーパッドのタイヤ径方向内側の端部がビードコアのタイヤ径方向にかかる寸法範囲内にある請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカスラインlのタイヤ幅方向最外部Pからカーカスラインlの巻き返し部に接線mが引かれるときに、この接線mとカーカスラインlとによって切り取られる前記インナーパッドの断面部分の最大肉厚がインナーパッド8の最大肉厚の80[%]以上となる請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 扁平率が70[%]以下の重荷重用空気入りラジアルタイヤである請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9139050B2 (en) 2010-09-21 2015-09-22 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire having first and second turnup pads
JP2016049920A (ja) * 2014-09-01 2016-04-11 株式会社ブリヂストン タイヤ
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JP2018100043A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

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