JP2019156312A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】トレッド部2は、センター陸部21が位置する領域をセンター領域Acとし、ベルト層14が有する複数のベルト141、142のうちタイヤ幅方向における幅が最も広いベルト141である最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pと最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における端部144との間の領域をショルダー領域Ashとする場合に、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内であり、センター陸部21は、センター陸部幅Wcが、Wc≧19mmであり、且つ、最幅広ベルト143の幅であるベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤの中には、所望の性能を確保するために、所定の位置での寸法を規定しているものがある。例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤでは、ベルト層の端部とカーカスの最外端との距離とトレッド幅との比を規定することにより、トレッド部の外径成長を抑制している。また、特許文献2に記載されたランフラットラジアルタイヤでは、最大幅ベルト層とサイド補強ゴム層とのタイヤ軸方向の重複幅とタイヤ断面高さとの比を規定することにより、リム外れ性を向上させている。
特許第5567839号公報 特開2015−205583号公報
ここで、近年では、空気入りタイヤの転がり抵抗の低減を目的として、指定内圧を高めるニーズが増えている。一方で、空気入りタイヤの内圧が高まると接地面の剛性が増加するため、異物を踏んだ際に接地面が変形し難くなり、異物を踏み込むことに起因して発生するショックバーストに対する耐性である耐ショックバースト性能が低下し易くなる。このため、耐ショックバースト性能を低下させることなく転がり抵抗を低減させるのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、少なくとも1層のカーカス層と、前記カーカス層におけるトレッド部に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されて複数のベルトが積層されるベルト層と、前記トレッド部における前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドゴム層とを備える空気入りタイヤであって、前記トレッド部には、タイヤ周方向に延びる主溝が形成されると共に、前記主溝によって複数の陸部が画成されており、前記トレッド部は、前記陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い前記陸部であるセンター陸部が位置する領域をセンター領域とし、前記ベルト層が有する複数の前記ベルトのうちタイヤ幅方向における幅が最も広い前記ベルトである最幅広ベルトのタイヤ幅方向における幅の85%の位置と前記最幅広ベルトのタイヤ幅方向における端部との間の領域をショルダー領域とする場合に、前記センター領域におけるタイヤ平均厚さGcと、前記ショルダー領域におけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内であり、前記センター陸部は、前記センター陸部を画成する2本の前記主溝における前記センター陸部側のそれぞれの溝壁と、前記センター陸部の接地面とのタイヤ子午断面における交点同士のタイヤ幅方向における距離であるセンター陸部幅Wcが、Wc≧19mmであり、且つ、前記最幅広ベルトの幅であるベルト幅Wbと前記センター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たすことを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記センター領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVcと、前記ショルダー領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.7≦(Vc/Vsh)≦2.6の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッドゴム層を成すゴムのうち、前記センター領域に含まれるゴムは、300%伸張時のモジュラスが10MPa以上15MPa以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部は、前記タイヤ赤道面上に位置し、前記センター陸部幅Wcのタイヤ幅方向両側の前記交点のうち、一方の前記交点と前記タイヤ赤道面とのタイヤ幅方向における幅Wcaと、他方の前記交点と前記タイヤ赤道面とのタイヤ幅方向における幅Wcbとの関係が、0.8≦(Wca/Wcb)≦1.2の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部を画成する2本の前記主溝は、一方の前記主溝の溝幅Wg1と、他方の前記主溝の溝幅Wg2との関係が、0.7≦(Wg1/Wg2)≦1.3の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部を画成する2本の前記主溝のうち少なくとも一方の前記主溝には、前記センター陸部側の前記溝壁に、前記センター陸部のタイヤ幅方向における中心側に向かって凸となる屈曲部が形成されており、前記屈曲部は、前記主溝の開口部側からの深さGd2が、前記主溝の溝深さGd1に対して、0.3≦(Gd2/Gd1)≦1.0の範囲内となる位置に形成されることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部は、前記屈曲部の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxのタイヤ周方向全体の平均幅Wxaveと、前記センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wxave/Wc)≦0.95の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、トレッド部の要部斜視図であり、トレッドゴム層の実ゴム厚さについての説明図である。 図4は、図2に示すセンター陸部とセンター主溝の詳細図である。 図5は、実施形態1に係る空気入りタイヤで路面上の突起物を踏んだ状態を示す説明図である。 図6は、図5のB−B断面図であり、実施形態1に係る空気入りタイヤで路面上の突起物を踏んだ状態を示す説明図である。 図7は、センター陸部幅が広い空気入りタイヤで路面上の突起物を踏んだ状態を示す説明図である。 図8は、実施形態2に係る空気入りタイヤの要部詳細断面図である。 図9は、実施形態3に係る空気入りタイヤの要部詳細断面図である。 図10は、実施形態2に係る空気入りタイヤの変形例であり、1つの溝壁に複数の屈曲部が形成される場合の説明図である。 図11は、実施形態2に係る空気入りタイヤの変形例であり、屈曲部の位置とセンター主溝の深さとが一致する場合の説明図である。 図12は、実施形態2に係る空気入りタイヤの変形例であり、屈曲部よりもタイヤ径方向内側の位置でセンター陸部の幅が広くなる場合の説明図である。 図13は、実施形態2に係る空気入りタイヤの変形例であり、一方のセンター主溝の溝壁にのみ屈曲部が形成される場合の説明図である。 図14Aは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。 図14Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸であるタイヤ回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、タイヤ回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、子午面断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2は、ゴム組成物から成るトレッドゴム層4を有している。また、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、接地面3として形成され、接地面3は、空気入りタイヤ1の輪郭の一部を構成している。トレッド部2には、接地面3にタイヤ周方向に延びる主溝30が複数形成されており、この複数の主溝30により、トレッド部2の表面には複数の陸部20が画成されている。本実施形態1では、主溝30は4本がタイヤ幅方向に並んで形成されており、4本の主溝30は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側にそれぞれ2本ずつ配設されている。つまり、トレッド部2には、タイヤ赤道面CLの両側に配設される2本のセンター主溝31と、2本のセンター主溝31のそれぞれのタイヤ幅方向外側に配設される2本のショルダー主溝32との、計4本の主溝30が形成されている。
なお、主溝30とは、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。一般に主溝30は、3mm以上の溝幅を有し、6mm以上の溝深さを有し、摩耗末期を示すトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を内部に有する。本実施形態1では、主溝30は、9mm以上12mm以下の溝幅を有し、7mm以上8mm以下の溝深さを有しており、タイヤ赤道面CLと接地面3とが交差するタイヤ赤道線(センターライン)と実質的に平行である。主溝30は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよいし、波形状又はジグザグ状に設けられてもよい。
主溝30によって画成される陸部20のうち、2本のセンター主溝31同士の間に位置し、タイヤ赤道面CL上に位置する陸部20は、センター陸部21になっている。また、隣り合うセンター主溝31とショルダー主溝32との間に位置し、センター陸部21のタイヤ幅方向外側に配置される陸部20はセカンド陸部22になっている。また、セカンド陸部22のタイヤ幅方向外側に位置し、ショルダー主溝32を介してセカンド陸部22に隣り合う陸部20はショルダー陸部23になっている。
なお、これらの陸部20は、タイヤ周方向の1周に亘ってリブ状に形成されていてもよく、トレッド部2に、タイヤ幅方向に延びるラグ溝(図示省略)が複数形成されることによって陸部20が主溝30とラグ溝とによって画成され、各陸部20がブロック状に形成されていてもよい。本実施形態1では、陸部20はタイヤ周方向の1周に亘って形成されるリブ状の陸部20として形成されている。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両外側端にはショルダー部5が位置しており、ショルダー部5のタイヤ径方向内側には、サイドウォール部8が配設されている。即ち、サイドウォール部8は、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に配設されている。換言すると、サイドウォール部8は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2箇所に配設されており、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出した部分を形成している。
タイヤ幅方向における両側に位置するそれぞれのサイドウォール部8のタイヤ径方向内側には、ビード部10が位置している。ビード部10は、サイドウォール部8と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されており、即ち、ビード部10は、一対がタイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側に配設されている。各ビード部10にはビードコア11が設けられており、ビードコア11のタイヤ径方向外側にはビードフィラー12が設けられている。ビードコア11は、スチールワイヤであるビードワイヤを束ねて円環状に形成される環状部材になっており、ビードフィラー12は、ビードコア11のタイヤ径方向外側に配置されるゴム部材になっている。
また、トレッド部2のタイヤ径方向内側には、ベルト層14が設けられている。ベルト層14は、複数のベルト141、142が積層される多層構造によって構成されており、本実施形態1では、2層のベルト141、142が積層されている。ベルト層14を構成するベルト141、142は、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角として定義されるベルト角度が、所定の範囲内(例えば、20°以上55°以下)になっている。また、2層のベルト141、142は、ベルト角度が互いに異なっている。このため、ベルト層14は、2層のベルト141、142が、ベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成されている。つまり、2層のベルト141、142は、それぞれのベルト141、142が有するベルトコードが互いに交差する向きで配設される、いわゆる交差ベルトとして設けられている。トレッド部2が有するトレッドゴム層4は、トレッド部2におけるベルト層14のタイヤ径方向外側に配置されている。
ベルト層14のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部8のタイヤ赤道面CL側には、ラジアルプライのコードを内包するカーカス層13が連続して設けられている。このため、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、いわゆるラジアルタイヤとして構成されている。カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設される一対のビード部10間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。
詳しくは、カーカス層13は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部10のうち、一方のビード部10から他方のビード部10にかけて配設されており、ビードコア11及びビードフィラー12を包み込むようにビード部10でビードコア11に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。ビードフィラー12は、このようにカーカス層13がビード部10で折り返されることにより、ビードコア11のタイヤ径方向外側に形成される空間に配置されるゴム材になっている。また、ベルト層14は、このように一対のビード部10間に架け渡されるカーカス層13における、トレッド部2に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されている。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードを、コートゴムで被覆して圧延加工することによって構成されている。カーカスプライを構成するカーカスコードは、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつ、タイヤ周方向にある角度を持って複数並設されている。
ビード部10における、ビードコア11及びカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側やタイヤ幅方向外側には、リムフランジに対するビード部10の接触面を構成するリムクッションゴム17が配設されている。また、カーカス層13の内側、或いは、当該カーカス層13の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ16がカーカス層13に沿って形成されている。インナーライナ16は、空気入りタイヤ1の内側の表面であるタイヤ内面18を形成している。
図2は、図1のA部詳細図である。トレッド部2は、タイヤ幅方向における中央に位置する領域をセンター領域Acとし、タイヤ幅方向における両端に位置する領域をショルダー領域Ashとする場合における、それぞれの領域のタイヤ平均厚さの相対関係が、所定の関係を満たしている。これらの領域のうち、センター領域Acは、複数の陸部20のうち、タイヤ赤道面CLに最も近い陸部20であるセンター陸部21が位置する領域になっている。詳しくは、センター領域Acは、空気入りタイヤ1の子午断面であるタイヤ子午断面において、センター陸部21を画成するセンター主溝31の溝壁35のうちセンター陸部21側に位置する溝壁35と、センター陸部21のタイヤ径方向外側の外輪郭線を示す接地面3との交点24から、タイヤ内面18に対して垂直に延ばした線をセンター領域境界線Lcとする場合に、センター陸部21のタイヤ幅方向両側に位置する2本のセンター領域境界線Lcの間に位置する領域になっている。
なお、センター主溝31が、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に屈曲したり湾曲したりすることによりタイヤ幅方向に振幅している場合は、センター領域Acは、タイヤ幅方向に最も広くなる範囲で規定される。つまり、センター主溝31がタイヤ幅方向に振幅している場合は、センター領域Acを規定するセンター領域境界線Lcは、センター陸部21を画成するセンター主溝31の溝壁35における、タイヤ周方向上において最もタイヤ幅方向外側に位置する部分と接地面3との交点24からタイヤ内面18に対して垂直に延ばした線になる。
また、ショルダー領域Ashは、ベルト層14のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pとベルト層14のタイヤ幅方向における端部144との間の領域になっている。詳しくは、ショルダー領域Ashは、タイヤ子午断面において、ベルト層14が有する複数のベルト141、142のうち、タイヤ幅方向における幅が最も広いベルトである最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pと、最幅広ベルト143の端部144とから、タイヤ内面18に対して垂直に延ばした線を、それぞれショルダー領域境界線Lshとする場合に、2本のショルダー領域境界線Lshの間に位置する領域になっている。これらのように規定されるショルダー領域Ashは、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側で規定され、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側にそれぞれ位置している。
本実施形態1では、ベルト層14が有する2層のベルト141、142のうち、タイヤ径方向内側に位置するベルト141のタイヤ幅方向における幅が、他方のベルト142のタイヤ幅方向における幅よりも広くなっており、このタイヤ径方向内側に位置するベルト141が、最幅広ベルト143になっている。
また、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pは、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における中心、或いはタイヤ赤道面CLの位置を中心として、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の領域がタイヤ幅方向両側に均等に振り分けられた際における、85%の領域の端部の位置になっている。このため、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pと、最幅広ベルト143の端部144との間隔は、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側で同じ大きさになっている。
これらのセンター領域Acとショルダー領域Ashとは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態における形状で規定される。ここでいう正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
これらのように規定されるセンター領域Acとショルダー領域Ashとのそれぞれの領域のタイヤ平均厚さは、タイヤ子午断面における陸部20のタイヤ径方向外側の輪郭線である外輪郭線を示す接地面3からタイヤ内面18までの厚さであるタイヤ厚さの、領域ごとの平均値になっている。つまり、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcは、センター領域Acにおける接地面3からタイヤ内面18までの距離の平均値になっており、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshは、ショルダー領域Ashにおける接地面3からタイヤ内面18までの距離の平均値になっている。
センター領域Acのタイヤ平均厚さGcとショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとは、タイヤ子午面断面におけるトレッド部2のセンター領域Acとショルダー領域Ashのそれぞれの断面積を、各領域の幅で除算することによって算出してもよい。例えば、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcは、センター領域Acの断面積を、センター領域Acを規定する2本のセンター領域境界線Lc同士の距離で除算することによって算出してもよい。2本のセンター領域境界線Lc同士が、互いに傾斜している場合には、それぞれのセンター領域境界線Lc上における接地面3の位置とタイヤ内面18の位置との中間の位置での距離によって、センター領域Acの断面積を割ってセンター領域Acのタイヤ平均厚さGcを算出する。ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshも同様に、ショルダー領域Ashの断面積を、ショルダー領域Ashを規定するショルダー領域境界線Lsh同士の距離で除算することにより算出してもよい。
トレッド部2は、これらのように算出するセンター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっている。なお、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係は、1.08≦(Gc/Gsh)≦1.20の範囲内であるのが好ましい。
トレッド部2は、タイヤ平均厚さのみでなく、トレッド部2に形成された溝を考慮したトレッドゴム層4の厚さである実ゴム厚さも、相対関係が所定の関係を満たしている。つまり、センター領域Acとショルダー領域Ashとの領域ごとに算出する実ゴム厚さである平均実ゴム厚さも、センター領域Acの平均実ゴム厚さとショルダー領域Ashの平均実ゴム厚さとで、相対関係が所定の関係を満たしている。図3は、トレッド部2の要部斜視図であり、トレッドゴム層4の実ゴム厚さについての説明図である。トレッド部2には、主溝30が形成されており、タイヤ周方向に延びる主溝30の他にも、タイヤ幅方向に延びるラグ溝40等の溝が形成されている。トレッドゴム層4の平均実ゴム厚さは、溝の部分にはトレッドゴム層4を構成するゴムが存在しないものとして算出するトレッドゴム層4の厚さになっている。このため、各領域のトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さは、各領域において主溝30やラグ溝40等の溝を含まないトレッドゴム層4の実際の体積を、各領域に位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出する厚さになっている。
例えば、センター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcは、センター領域Acにおいて溝を含まないトレッドゴム層4の体積を、センター領域Acに位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出する。センター領域Acに位置するタイヤ内面18の面積は、タイヤ内面18における、センター領域Acを規定する2本のセンター領域境界線Lcで挟まれてタイヤ周方向に延在する部分の面積になっている。
また、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshは、ショルダー領域Ashにおいて溝を含まないトレッドゴム層4の体積を、ショルダー領域Ashに位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出する。ショルダー領域Ashに位置するタイヤ内面18の面積は、タイヤ内面18における、ショルダー領域Ashを規定する2本のショルダー領域境界線Lshで挟まれてタイヤ周方向に延在する部分の面積になっている。
トレッド部2は、これらのように算出するセンター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.7≦(Vc/Vsh)≦2.6の範囲内になっている。
なお、各領域のトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さは、空気入りタイヤ1から領域ごとにトレッドゴム層4を切り出し、切り出したトレッドゴム層4の質量とトレッドゴム層4を構成するゴムの比重とに基づいて体積を算出し、算出した体積を、各領域に位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出してもよい。
また、トレッドゴム層4を成すゴムのうち、少なくともセンター領域Acに含まれるゴムは、300%伸張時のモジュラスが、10MPa以上15MPa以下の範囲内になっている。なお、300%伸張時のモジュラスは、JIS K6251(3号ダンベル使用)に準拠した23℃での引張試験により測定され、300%伸長時の引張り応力を示す。また、トレッドゴム層4を成すゴムは、センター領域Ac以外に位置するゴムの300%伸張時のモジュラスも、10MPa以上15MPa以下の範囲内であってもよい。
図4は、図2に示すセンター陸部21とセンター主溝31の詳細図である。トレッド部2に形成されるセンター陸部21は、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31におけるセンター陸部21側のそれぞれの溝壁35と、センター陸部21の接地面3とのタイヤ子午断面における交点24同士のタイヤ幅方向における距離をセンター陸部幅Wcとする場合に、センター陸部幅Wcが、Wc≧19mmになっている。つまり、センター陸部幅Wcは、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31のうち、一方のセンター主溝31のセンター陸部21側の溝壁35とセンター陸部21の接地面3とのタイヤ子午断面における交点24と、他方のセンター主溝31のセンター陸部21側の溝壁35とセンター陸部21の接地面3とのタイヤ子午断面における交点24との、タイヤ幅方向における距離になっている。
さらに、センター陸部21は、このように規定されるセンター陸部幅Wcと、ベルト層14が有する最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅であるベルト幅Wbとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たしている。
なお、センター主溝31の開口部に面取りが形成されている場合は、センター陸部幅Wcは、センター主溝31の溝壁35を接地面3側に延長した延長線と、センター陸部21の接地面3をセンター主溝31側に延長した延長線とが交差する部分を交点24とし、この交点24同士のタイヤ幅方向における距離を、センター陸部幅Wcとする。
また、タイヤ赤道面CL上に位置するセンター陸部21は、センター陸部幅Wcのタイヤ幅方向両側を規定する2箇所の交点24のうち、一方の交点24とタイヤ赤道面CLとのタイヤ幅方向における幅Wcaと、他方の交点24とタイヤ赤道面CLとのタイヤ幅方向における幅Wcbとの関係が、0.8≦(Wca/Wcb)≦1.2の範囲内になっている。つまり、センター陸部21は、センター陸部21のタイヤ幅方向における中心位置が、タイヤ赤道面CLの近傍に位置するように配設されている。なお、タイヤ赤道面CLから一方の交点24までの幅Wcaと、タイヤ赤道面CLから他方の交点24までの幅Wcbとの関係は、0.9≦(Wca/Wcb)≦1.1の範囲内であるのが好ましい。
また、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31は、一方のセンター主溝31の溝幅Wg1と、他方のセンター主溝31の溝幅Wg2との関係が、0.7≦(Wg1/Wg2)≦1.3の範囲内になっている。つまり、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31は、溝幅が互いに同程度の大きさで形成されている。この場合におけるセンター主溝31の溝幅Wg1、Wg2は、センター主溝31の開口部33の位置での溝幅になっている。なお、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31における一方のセンター主溝31の溝幅Wg1と、他方のセンター主溝31の溝幅Wg2との関係は、0.9≦(Wg1/Wg2)≦1.1の範囲内であるのが好ましい。
本実施形態1に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、ビード部10にリムホイールR(図5参照)を嵌合することによってリムホイールRに空気入りタイヤ1をリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、インフレート時の内圧が比較的高い状態で使用され、具体的には、250kPa以上290kPa以下の範囲内の内圧で使用される。空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、接地面3のうち下方に位置する部分の接地面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
例えば、空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主に接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、接地面3と路面との間の水が主溝30やラグ溝40等の溝に入り込み、これらの溝で接地面3と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、接地面3は路面に接地し易くなり、接地面3と路面との間の摩擦力により、車両は所望の走行をすることが可能になる。
また、車両の走行時は、空気入りタイヤ1は車体の重量や、加減速、旋回に伴う荷重を受けるため、タイヤ径方向に大きな荷重が作用する。この荷重は、空気入りタイヤ1の内部に充填される空気によって主に受けるが、空気入りタイヤ1の内部の空気のみでなく、トレッド部2やサイドウォール部8によっても受ける。即ち、サイドウォール部8は、リムホイールRが嵌合されるビード部10とトレッド部2との間で荷重を伝達し、トレッド部2は、サイドウォール部8と路面との間で荷重を伝達する。このため、サイドウォール部8やトレッド部2には、車両の走行時には大きな荷重が作用し、サイドウォール部8やトレッド部2は、主にタイヤ径方向に撓みながらこの荷重を受ける。
また、車両の走行時には、空気入りタイヤ1は回転をするため、接地面3における路面に接地する位置は継続的にタイヤ周方向に移動し、これに伴い、サイドウォール部8やトレッド部2における、車両の走行時の荷重によって撓む位置も、タイヤ周方向に移動する。このため、車両の走行時は、サイドウォール部8やトレッド部2のタイヤ周方向上における各位置が、順次撓むことを繰り返しながら空気入りタイヤ1は回転をする。
ここで、このようにサイドウォール部8やトレッド部2が撓むことは、空気入りタイヤ1が路面に接地しながら回転する際における回転の妨げになり、空気入りタイヤ1の回転時における大きな抵抗として作用する。このため、空気入りタイヤ1の回転時における撓みが大きい場合は、空気入りタイヤ1の回転時における抵抗である、いわゆる転がり抵抗が大きくなる。
これに対し、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、内圧が250kPa以上290kPa以下の範囲内で使用され、即ち、内圧が比較的高い状態で使用されるため、空気入りタイヤ1に作用する多くの荷重を、内圧によって受けることができる。このため、サイドウォール部8やトレッド部2は、空気入りタイヤ1に作用する荷重によって撓み難くなり、サイドウォール部8やトレッド部2の撓みによる、空気入りタイヤ1の回転時の抵抗を小さくすることができる。これにより、空気入りタイヤ1の回転時における転がり抵抗を小さくすることができる。
また、車両が走行する路面には、石等の路面から突出する突起物が存在することがあり、走行中の車両は、このような突起物を空気入りタイヤ1のトレッド部2で踏んでしまうことがある。その際に、内圧が高いことによりサイドウォール部8やトレッド部2の撓みが小さいと、空気入りタイヤ1は、突起物が存在することによる路面の形状の変化を吸収することができず、突起物は、空気入りタイヤ1のトレッド部2を貫通してしまう虞がある。即ち、内圧を高くした空気入りタイヤ1は、路面上の突起物を踏んだ際に、サイドウォール部8やトレッド部2の撓みが小さいことに起因して突起物がトレッド部2を貫通し、ショックバーストが発生する虞がある。
これに対し、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcが厚く、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshが薄くなっているため、内圧を高くした場合におけるショックバーストを抑制することができる。図5は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1で路面100上の突起物105を踏んだ状態を示す説明図である。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1では、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcを厚くすることにより、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近の破断強度を増加させることができるため、路面100上の突起物105をセンター領域Ac付近で踏んだ場合でも、突起物105がトレッド部2を貫通することを抑制することができる。また、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshを薄くすることにより、トレッド部2のセンター領域Ac付近で突起物105を踏んだ際に、ショルダー領域Ashを優先的に変形させることができ、センター領域Ac付近が路面100から離れる方向に、ショルダー領域Ashを変形させ易くすることができる。これにより、トレッド部2に対する突起物105からの圧力を低減することができ、突起物105がトレッド部2を貫通することを抑制することができる。従って、車両の走行中に突起物105を踏むことに起因するショックバーストを抑制することができる。
具体的には、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっているため、転がり抵抗を低減しつつ、ショックバーストを抑制することができる。つまり、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcとショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係が、(Gc/Gsh)<1.05である場合は、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcが薄過ぎるため、センター領域Acの破断強度が増加し難くなる。または、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshが厚過ぎるため、ショルダー領域Ashが変形し難くなり、トレッド部2で突起物105を踏んだ際に、センター領域Ac付近が路面100から離れる方向にショルダー領域Ashが変形し難くなる。
また、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcとショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係が、(Gc/Gsh)>1.35である場合は、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcが厚過ぎ、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshが薄過ぎるため、接地面3の接地形状のタイヤ幅方向おける中央付近と両端付近とで、接地長に大きな差がついてしまい、転がり抵抗が大きくなり易くなる。つまり、接地形状のタイヤ幅方向における中央付近の接地長が長く、タイヤ幅方向における両端付近の接地長が短いということは、タイヤ幅方向における中央付近と両端付近とでトレッド部2の撓み方が異なることになり、タイヤ幅方向における中央付近の撓み方が、両端付近の撓み方よりも大きくなる。これにより、接地面3の接地時のトレッド部2の撓みは、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近に集中し、この部分だけ大きく撓むため、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近が大きく撓むことに起因して転がり抵抗が大きくなり易くなる。
これに対し、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内である場合は、接地面3の接地時に、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近のみが大きく撓むことを抑制しつつ、センター領域Acの破断強度を確保し、ショルダー領域Ashの変形のし易さを確保することができる。これにより、転がり抵抗を低減しつつ、ショックバーストを抑制することができ、耐ショックバースト性能を向上させることができる。
また、接地面3の接地時に比較的大きく撓むことにより、空気入りタイヤ1の回転時の損失エネルギーが大きくなり易いショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshがセンター領域Acのタイヤ平均厚さGcよりも薄いため、ショルダー領域Ashが撓む際における抵抗を小さくすることができる。これにより、空気入りタイヤ1の回転時の損失エネルギーを低減することができ、転がり抵抗を低減することができる。
また、センター陸部21は、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たし、且つ、センター陸部幅Wcが、Wc≧19mmであるため、突起物105を踏んだ際におけるトレッド部2の局所的な変形を緩和することができ、耐ショックバースト性能を向上させることができる。図6は、図5のB−B断面図であり、実施形態1に係る空気入りタイヤ1で路面100上の突起物105を踏んだ状態を示す説明図である。図7は、センター陸部幅Wcが広い空気入りタイヤで路面100上の突起物105を踏んだ状態を示す説明図である。図6、図7は、いずれも空気入りタイヤ1をタイヤ回転軸AXに沿った方向に見た場合における模式図である。路面100上の突起物105をトレッド部2のセンター領域Ac付近で踏んだ場合、トレッド部2は、図5に示すように突起物105の大きさに応じてタイヤ幅方向における所定の範囲がタイヤ径方向内側に向かって撓むのみでなく、図6に示すように、タイヤ周方向における所定の範囲もタイヤ径方向内側に向かって撓む。その際に、実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たすため、センター陸部21の剛性が低くなっており、即ち、センター領域Acの剛性が低くなっているため、タイヤ周方向における広い範囲が、タイヤ径方向内側に向かって撓む。
つまり、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)>0.15である場合は、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅が比較的広くなっているため、センター陸部21の剛性は、比較的高くなっている。このような空気入りタイヤのトレッド部2におけるセンター領域Ac付近で路面100上の突起物105を踏んだ場合、トレッド部2は、タイヤ周方向における広い範囲に亘って撓み難く、トレッド部2は、図7に示すように、タイヤ周方向における狭い範囲で撓む傾向になる。即ち、トレッド部2は、局所的に大きく変形する。この場合、トレッド部2には、応力集中が発生し易くなり、ベルト層14やカーカス層13等の補強部材が損傷し易くなるため、耐ショックバースト性能を向上させ難くなる。
これに対し、本実施形態1では、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たすため、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅は比較的狭くなっており、センター陸部21の剛性は、比較的低くなっている。このため、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2におけるセンター領域Ac付近で路面100上の突起物105を踏んだ場合は、トレッド部2は、図6に示すように、タイヤ周方向における広い範囲に亘って撓み易くなる。これにより、トレッド部2の局所的な変形を緩和することができ、トレッド部2の応力集中を緩和することができる。従って、ベルト層14やカーカス層13等の補強部材は損傷し難くなり、耐ショックバースト性能を向上させることができる。
さらに、センター陸部21は、センター陸部幅WcがWc≧19mmであるため、センター陸部21の剛性が低くなり過ぎることを抑制でき、突起物105を踏んだ際にベルト層14やカーカス層13等の補強部材に作用する力が不均一になって補強部材が損傷することを抑制することができる。つまり、センター陸部幅WcがWc<19mmである場合は、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅が狭過ぎるため、センター陸部21の剛性が低くなり過ぎてしまう虞がある。この場合、トレッド部2のセンター領域Ac付近で路面100上の突起物105を踏んだ際に、センター陸部21が倒れ込み易くなり、これに伴ってベルト層14やカーカス層13等の補強部材に作用する力が不均一になって補強部材が損傷し易くなるため、耐ショックバースト性能を向上させ難くなる。
これに対し、本実施形態1では、センター陸部幅WcがWc≧19mmであるため、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅が狭くなり過ぎることを抑制でき、センター陸部21の剛性が低くなり過ぎることを抑制できる。これにより、トレッド部2のセンター領域Ac付近で路面100上の突起物105を踏んだ場合におけるセンター陸部21の倒れ込みを抑制することができ、ベルト層14やカーカス層13等の補強部材に作用する力が不均一になることを抑制することができる。これらの結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。
また、トレッド部2は、センター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.7≦(Vc/Vsh)≦2.6の範囲内であるため、転がり抵抗を低減しつつ、ショックバーストを抑制することができる。つまり、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、(Vc/Vsh)<1.7である場合は、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcが薄過ぎるため、センター領域Acの破断強度が増加し難くなる虞がある。または、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshが厚過ぎるため、突起物105を踏んだ際にショルダー領域Ashが変形し難くなる虞がある。また、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、(Vc/Vsh)>2.6である場合は、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcが厚過ぎ、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshが薄過ぎるため、接地面3の接地形状のタイヤ幅方向における中央付近の接地長が、タイヤ幅方向における両端付近の接地長さ対して大幅に長くなる虞がある。この場合、接地面3の接地時に、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近だけ大きく撓み易くなり、これに起因して転がり抵抗が大きくなり易くなる虞がある。
これに対し、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.7≦(Vc/Vsh)≦2.6の範囲内である場合は、接地面3の接地時に、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近のみが大きく撓むことを抑制しつつ、センター領域Acの破断強度を確保し、ショルダー領域Ashの変形のし易さを確保することができる。この結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
また、トレッドゴム層4を成すゴムのうち、少なくともセンター領域Acに含まれるゴムは、300%伸張時のモジュラスが10MPa以上15MPa以下の範囲内になっているため、トレッドゴム層4の強度を確保しつつ、トレッド部2を適度に撓ませることができる。つまり、トレッドゴム層4におけるセンター領域Acに含まれるゴムの300%伸張時のモジュラスが、10MPa未満である場合は、トレッドゴム層4におけるセンター領域Acに位置するゴムが柔らか過ぎる虞があり、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近で突起物105を踏んだ際、突起物105がトレッドゴム層4を貫通する虞がある。この場合、トレッドゴム層4を貫通した突起物105がベルト層14に到達し、ベルト層14を損傷する虞がある。また、トレッドゴム層4におけるセンター領域Acに含まれるゴムの300%伸張時のモジュラスが、15MPaより大きい場合は、トレッド部2で突起物105を踏んだ際にトレッド部2が撓み難くなり過ぎる虞があり、路面100から突起物105が突出していることをトレッド部2が撓むことによって吸収できなくなる虞がある。この場合、トレッドゴム層4の強度が高くても突起物105がトレッドゴム層4を貫通してベルト層14を損傷する虞がある。
これに対し、トレッドゴム層4におけるセンター領域Acに含まれるゴムの300%伸張時のモジュラスが、10MPa以上15MPa以下の範囲内である場合は、突起物105の貫通を抑えることができる程度のトレッドゴム層4の強度を確保しつつ、トレッド部2で突起物105を踏んだ際に、路面100から突起物105が突出していることをある程度吸収できるようにトレッド部2を適度に撓ませることができる。この結果、耐ショックバースト性能をより確実に向上させることができる。
また、センター陸部21は、タイヤ赤道面CL上に位置し、センター陸部幅Wcのタイヤ幅方向両側を規定する2箇所の交点24のうちの一方の交点24とタイヤ赤道面CLとの幅Wcaと、他方の交点24とタイヤ赤道面CLとの幅Wcbとの関係が、0.8≦(Wca/Wcb)≦1.2の範囲内であるため、より確実に耐ショックバースト性能を向上させることができる。つまり、幅Wcaと幅Wcbとの関係が、(Wca/Wcb)<0.8であったり、(Wca/Wcb)>1.2であったりする場合は、センター陸部21のタイヤ幅方向における位置が、トレッド部2のタイヤ幅方向におけるどちからに偏って配設されることになる。この場合、トレッド部2のセンター領域Ac付近で路面100上の突起物105を踏んだ際に、ベルト層14やカーカス層13等の補強部材に作用する荷重が、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側で不均一になるため、応力集中が発生し易くなり、耐ショックバースト性能を向上させ難くなる虞がある。
これに対し、幅Wcaと幅Wcbとの関係が、0.8≦(Wca/Wcb)≦1.2の範囲内である場合は、センター陸部21を、トレッド部2のタイヤ幅方向における中心付近に配設することができる。これにより、トレッド部2のセンター領域Ac付近で突起物105を踏んだ際に補強部材に作用する荷重が、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側で均等に作用するようにすることができ、応力集中が発生することを抑制することができる。この結果、耐ショックバースト性能をより確実に向上させることができる。
また、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31は、一方のセンター主溝31の溝幅Wg1と、他方のセンター主溝31の溝幅Wg2との関係が、0.7≦(Wg1/Wg2)≦1.3の範囲内であるため、より確実に耐ショックバースト性能を向上させることができる。つまり、一方のセンター主溝31の溝幅Wg1と他方のセンター主溝31の溝幅Wg2との関係が、(Wg1/Wg2)<0.7であったり、(Wg1/Wg2)>1.3であったりする場合は、トレッド部2の剛性が、センター陸部21のタイヤ幅方向における両側で異なることになる。この場合、トレッド部2のセンター領域Ac付近で路面100上の突起物105を踏んだ際に、ベルト層14やカーカス層13等の補強部材に作用する荷重が、センター陸部21のタイヤ幅方向における両側で不均一になるため、応力集中が発生し易くなり、耐ショックバースト性能を向上させ難くなる虞がある。
また、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31の一方のセンター主溝31の溝幅Wg1と、他方のセンター主溝31の溝幅Wg2との関係が、0.7≦(Wg1/Wg2)≦1.3の範囲内である場合は、センター陸部21のタイヤ幅方向における両側で、トレッド部2の剛性を均等に近付けることができる。これにより、トレッド部2のセンター領域Ac付近で突起物105を踏んだ際に補強部材に作用する荷重が、センター陸部21のタイヤ幅方向における両側で均等に作用するようにすることができ、応力集中が発生することを抑制することができる。この結果、耐ショックバースト性能をより確実に向上させることができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と略同様の構成であるが、センター主溝31の溝壁35に屈曲部36が形成される点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図8は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の要部詳細断面図である。実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、トレッド部2は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっている。また、センター陸部21も、センター陸部幅WcがWc≧19mmであり、且つ、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たしている。
さらに、実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31には、それぞれのセンター主溝31が有する溝壁35のうちセンター陸部21側の溝壁35に、タイヤ子午断面においてセンター陸部21のタイヤ幅方向における中心側に向かって凸となる屈曲部36が形成されている。つまり、屈曲部36は、センター主溝31が有する溝壁35のうち、センター陸部21を形成する溝壁35に設けられている。また、それぞれのセンター主溝31が有する溝壁35に形成される屈曲部36は、タイヤ幅方向において互いの他方のセンター主溝31が位置する側に凸となって形成されており、タイヤ周方向における1周に亘って形成されている。
具体的には、センター主溝31のセンター陸部21側の溝壁35は、センター主溝31の溝深さ方向における、センター主溝31の開口部33から屈曲部36が位置する部分までの範囲では、開口部33側から屈曲部36側に向かうに従って、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅が狭くなる方向に傾斜している。また、センター主溝31のセンター陸部21側の溝壁35は、センター主溝31の溝深さ方向における、屈曲部36が位置する部分からセンター主溝31の溝底37までの範囲では、屈曲部36側から溝底37側に向かうに従って、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅が広くなる方向に傾斜している。
屈曲部36は、溝壁35の傾斜方向が変化する部分になっており、センター主溝31のセンター陸部21側の溝壁35において、最もセンター陸部21のタイヤ幅方向における中心側に位置する部分、或いは、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31における他方のセンター主溝31寄りに位置する部分になっている。このため、センター陸部21は、タイヤ幅方向における幅が、センター主溝31の屈曲部36の位置で最も狭くなっている。
これらのようにセンター主溝31に形成される屈曲部36は、センター主溝31の溝深さ方向におけるセンター主溝31の開口部33側からの深さGd2が、センター主溝31の溝深さGd1に対して、0.3≦(Gd2/Gd1)≦1.0の範囲内となる位置に形成されている。なお、センター主溝31の溝深さGd1に対する、センター主溝31の開口部33側からの屈曲部36の深さGd2は、0.8≦(Gd2/Gd1)≦1.0の範囲内であるのが好ましい。
また、センター陸部21は、センター主溝31の屈曲部36の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxと、センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wx/Wc)≦0.95の範囲内になっている。この場合における屈曲部36の位置での幅Wxは、屈曲部36のタイヤ径方向における位置での、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅になっている。このため、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31にそれぞれ形成される屈曲部36の、タイヤ径方向における位置が同じ位置である場合は、屈曲部36の位置での幅Wxは、それぞれのセンター主溝31の屈曲部36同士のタイヤ幅方向における距離になる。このように形成されるセンター陸部21やセンター主溝31のタイヤ子午断面における形状は、タイヤ周方向における1周に亘って同じ形状になっている。
本実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、センター陸部21を画成するセンター主溝31の溝壁35に、センター陸部21のタイヤ幅方向における中心側に向かって凸となる屈曲部36が形成されているため、トレッド部2のセンター領域Acで突起物105を踏んだ際に、センター陸部21を変形させ易くすることができる。つまり、路面100上の突起物105をセンター陸部21で踏んだ際に、センター主溝31におけるセンター陸部21側の溝壁35が、タイヤ子午断面で見た際に屈曲部36で折り畳まれるように変形することにより、センター陸部21をタイヤ径方向に容易に変形させることができる。これにより、センター陸部21を、突起物105を踏んだ部分のみでなく、タイヤ周方向における広い範囲に亘ってタイヤ径方向内側に撓ませることができ、トレッド部2の局所的な変形を緩和することができる。従って、トレッド部2の応力集中を緩和することができるため、耐ショックバースト性能を向上させることができる。
また、センター主溝31の溝壁35に屈曲部36を設けることにより、センター主溝31により画成されるセンター陸部21の体積を減少させることができる。これにより、トレッドゴム層4の体積を減少させることができるため、空気入りタイヤ1の回転時の損失エネルギーを低減することができ、また、重量も低減することができるため、転がり抵抗を低減することができる。この結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
また、センター主溝31の屈曲部36は、センター主溝31の開口部33側からの深さGd2が、センター主溝31の溝深さGd1に対して、0.3≦(Gd2/Gd1)≦1.0の範囲内となる位置に形成されるため、より確実に耐ショックバースト性能を向上させることができる。つまり、屈曲部36の深さGd2が、センター主溝31の溝深さGd1に対して、(Gd2/Gd1)<0.3である場合は、屈曲部36の位置がセンター陸部21の接地面3に近過ぎるため、センター主溝31の溝壁35が屈曲部36の位置で変形した際に、センター陸部21が変形し易くなる範囲は、屈曲部36よりタイヤ径方向外側の狭い範囲になる。このため、トレッド部2のセンター領域Acで突起物105を踏んだ際に、センター陸部21をタイヤ径方向に効果的に変形させ難くなる虞があり、センター陸部21を、タイヤ周方向における広い範囲に亘って撓ませ難くなるため、耐ショックバースト性能を効果的に向上させ難くなる虞がある。
これに対し、屈曲部36の深さGd2が、センター主溝31の溝深さGd1に対して、0.3≦(Gd2/Gd1)≦1.0の範囲内である場合は、屈曲部36を、センター陸部21の接地面3からタイヤ径方向内側に離れた位置に形成することができる。このため、センター主溝31の溝壁35が屈曲部36の位置で変形した際に、センター陸部21を、タイヤ径方向における広い範囲で変形させ易くすることができる。これにより、トレッド部2のセンター領域Acで突起物105を踏んだ際に、センター陸部21をより確実にタイヤ径方向に変形させ易くすることができ、センター陸部21を、タイヤ周方向における広い範囲に亘って撓ませ易くすることができる。この結果、耐ショックバースト性能をより確実に向上させることができる。
また、センター陸部21は、屈曲部36の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxと、センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wx/Wc)≦0.95の範囲内であるため、より確実に転がり抵抗を低減することができる。つまり、屈曲部36の位置でのセンター陸部21の幅Wxと、センター陸部幅Wcとの関係が、(Wx/Wc)<0.85である場合は、屈曲部36の位置でのセンター陸部21の幅Wxが狭過ぎるため、センター主溝31の溝壁35が屈曲部36の位置で変形した際に、センター陸部21がタイヤ径方向に大きく変形し過ぎる虞がある。この場合、センター陸部21の変形量が増加してセンター陸部21が必要以上に変形することにより、空気入りタイヤ1の回転時の損失エネルギーが大きくなり過ぎる虞があり、これにより転がり抵抗が悪化する虞がある。また、屈曲部36の位置でのセンター陸部21の幅Wxと、センター陸部幅Wcとの関係が、(Wx/Wc)>0.95である場合は、屈曲部36の位置でのセンター陸部21の幅Wxが広過ぎるため、センター主溝31の溝壁35に屈曲部36を設けても、センター陸部21の体積を効果的に減少させ難くなる虞がある。この場合、屈曲部36を設けても、空気入りタイヤ1の回転時の損失エネルギーを低減したり、重量も低減したりすることが困難になるため、転がり抵抗を効果的に低減し難くなる虞がある。
これに対し、屈曲部36の位置でのセンター陸部21の幅Wxと、センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wx/Wc)≦0.95の範囲内である場合は、センター主溝31の溝壁35に屈曲部36を形成することによって、センター陸部21の変形が大きくなり過ぎない程度に、センター陸部21の体積を減少させることができる。この結果、より確実に転がり抵抗を低減することができる。
[実施形態3]
実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と略同様の構成であるが、サイドウォール部8にサイド補強ゴム50を備える点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図9は、実施形態3に係る空気入りタイヤ1の要部詳細断面図である。実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、トレッド部2は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっている。また、センター陸部21も、センター陸部幅WcがWc≧19mmであり、且つ、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たしている。
また、実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、サイドウォール部8にサイド補強ゴム50を備えており、パンク等によって空気が漏出した場合でも走行可能な、いわゆるランフラットタイヤとして用いられる。サイドウォール部8に配設されるサイド補強ゴム50は、サイドウォール部8の内部に設けられるゴム部材になっており、タイヤ内表面やタイヤ外表面には露出することなく配設されている。詳しくは、サイド補強ゴム50は、主にカーカス層13におけるサイドウォール部8に位置する部分のタイヤ幅方向内側に位置しており、サイドウォール部8においてカーカス層13とインナーライナ16との間に配置され、空気入りタイヤ1の子午断面における形状が、タイヤ幅方向外側に凸となる三日月形状に形成されている。
三日月形状に形成されるサイド補強ゴム50は、タイヤ径方向における外側の端部である外側端部51が、トレッド部2におけるベルト層14のタイヤ径方向内側に位置しており、サイド補強ゴム50とベルト層14とは、所定の範囲内のラップ量で、一部がタイヤ径方向に重なって配設されている。このため、サイド補強ゴム50は、外側端部51近傍の少なくとも一部が、ショルダー領域Ashに位置している。このように配設されるサイド補強ゴム50は、サイドウォール部8を形成するゴムやビード部10に配設されるリムクッションゴム17よりも、強度が高いゴム材料により形成されている。
サイド補強ゴム50は、ショルダー領域Ashのみでなく、一部がショルダー領域Ashのタイヤ幅方向内側に位置していてもよい。また、サイド補強ゴム50の一部がショルダー領域Ashのタイヤ幅方向内側に位置する場合のショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshは、サイド補強ゴム50を含んだ厚さが用いられる。
本実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、これらのようにサイドウォール部8の内側にサイド補強ゴム50が配設されるため、サイドウォール部8の曲げ剛性が高くなっている。これにより、パンク等によって空気が漏出して大きな荷重がサイドウォール部8に作用する場合でも、サイドウォール部8の変形を低減することができ、所定の速度以下の速度であれば走行を行うことができる。
一方で、ランフラットタイヤでは、サイドウォール部8にサイド補強ゴム50が配設されることにより、サイドウォール部8の曲げ剛性が高くなっているため、内圧を充填した状態で突起物105を踏んだ場合、サイドウォール部8は撓み難くなっている。このため、突起物105を踏んだ際における応力は、トレッド部2に集中し易くなっており、ショックバーストが発生し易くなる。
これに対し、本実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcが厚く、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshが薄くなっているため、トレッド部2で突起物105を踏んだ場合に、ショルダー領域Ashが変形し易くなっている。これにより、突起物105を踏んだ場合における、トレッド部2に対する突起物105からの圧力を低減することができ、突起物105がトレッド部2を貫通してショックバーストが発生することを抑制することができる。この結果、ランフラット性能と耐ショックバースト性能とを両立させることができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態2では、センター主溝31の1つの溝壁35に屈曲部36が1つ形成されているが、1つの溝壁35に屈曲部36が複数形成されていてもよい。図10は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、1つの溝壁35に複数の屈曲部36が形成される場合の説明図である。センター主溝31の1つの溝壁35には、例えば、図10に示すように、屈曲部36を2つ形成してもよい。つまり、2本のセンター主溝31によって画成するセンター陸部21のタイヤ子午断面におけるタイヤ径方向の2箇所に、タイヤ幅方向における幅が狭い箇所を設けてもよい。このように、センター主溝31の1つの溝壁35に屈曲部36を2つ形成し、センター陸部21の2箇所に、タイヤ幅方向における幅が狭い箇所を設けることにより、センター陸部21をより確実にタイヤ径方向に変形させ易くすることができ、タイヤ周方向における広い範囲に亘ってセンター陸部21を撓ませ易くすることができる。この結果、耐ショックバースト性能をより確実に向上させることができる。
また、上述した実施形態2では、屈曲部36は、センター主溝31の1つの溝壁35における開口部33と溝底37との間に形成されているが、屈曲部36は、これ以外の位置に形成されていてもよい。図11は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、屈曲部36の位置とセンター主溝31の深さとが一致する場合の説明図である。センター主溝31の1つの溝壁35に形成される屈曲部36のタイヤ径方向における位置は、例えば、図11に示すように、センター主溝31の溝底37のタイヤ径方向における位置と同じ位置であってもよい。つまり、屈曲部36は、センター主溝31の溝深さ方向におけるセンター主溝31の開口部33側からの深さGd2が、センター主溝31の溝深さGd1に対して、(Gd2/Gd1)=1.0になる位置、即ち、Gd1=Gd2となる位置に形成してもよい。
センター主溝31の開口部33側からの屈曲部36の深さGd2と、センター主溝31の溝深さGd1とが、Gd1=Gd2となる位置に屈曲部36を形成することにより、センター陸部21は、タイヤ径方向における最も内側の位置で、タイヤ径方向における幅が狭くなる。このため、センター陸部21を形成する溝壁35は、センター陸部21のタイヤ径方向における最も内側の位置に対して、オーバーハングする状態で形成されることになるため、センター陸部21を、より確実にタイヤ径方向に変形させ易くすることができる。これにより、センター陸部21を、タイヤ周方向における広い範囲に亘って撓ませ易くすることができるため、耐ショックバースト性能をより確実に向上させることができる。
また、上述した実施形態2では、センター陸部21は、接地面3の位置での幅Wcよりもタイヤ幅方向における幅が大きくなっている部分がないが、センター陸部21は、接地面3の位置での幅Wcよりタイヤ径方向における幅が大きくなっている部分があってもよい。図12は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、屈曲部36よりもタイヤ径方向内側の位置でセンター陸部21の幅が広くなる場合の説明図である。センター陸部21は、例えば、図12に示すように、屈曲部36よりもタイヤ径方向内側の位置でタイヤ幅方向における幅が大きくなっていてもよい。つまり、センター陸部21は、センター主溝31の屈曲部36の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxと、タイヤ径方向における位置がセンター主溝31の溝底37と同じ位置でのセンター陸部21のタイヤ幅方向における幅Weとが、Wx<Weの関係となる形状で形成されていてもよい。
また、上述した実施形態2では、屈曲部36は、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31のそれぞれの溝壁35に形成されているが、屈曲部36は、2本のセンター主溝31のそれぞれに形成されていなくてもよい。図13は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、一方のセンター主溝31の溝壁35にのみ屈曲部36が形成される場合の説明図である。屈曲部36は、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31のうち少なくとも一方のセンター主溝31に形成されていればよく、例えば、図13に示すように、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31のうちの一方のセンター主溝31における、センター陸部21側の溝壁35にのみ形成されていてもよい。このように、屈曲部36が、一方のセンター主溝31の溝壁35にのみ形成される場合でも、センター陸部21は、屈曲部36の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxと、センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wx/Wc)≦0.95の範囲内であるのが好ましい。
この場合における、屈曲部36の位置でのセンター陸部21のタイヤ幅方向における幅Wxは、センター陸部21を形成する溝壁35のうち、屈曲部36が形成されていない溝壁35における、他方の溝壁35に形成される屈曲部36のタイヤ径方向における深さGd2と同じ深さGd3の位置Fと、屈曲部36とのタイヤ幅方向における幅になっている。
センター陸部21を形成する2本のセンター主溝31のうち、一方のセンター主溝31の溝壁35のみに屈曲部36を形成する場合、センター陸部21のタイヤ幅方向における剛性のバランスは低下するものの、屈曲部36を形成しない側では、剛性を確保することができる。これにより、例えば、センター陸部21の剛性によって操安性を確保することができる。このため、センター陸部21のタイヤ幅方向において、剛性が重要視される側の溝壁35には屈曲部36を形成せず、他方の溝壁35のみに屈曲部36を形成することにより、陸部20の剛性が重要な操安性等の性能を確保しつつ、耐ショックバースト性能を向上させることができる。
また、上述した実施形態2では、センター陸部21やセンター主溝31のタイヤ子午断面における形状は、タイヤ周方向における1周に亘って同じ形状になっているが、センター陸部21やセンター主溝31のタイヤ子午断面における形状は、タイヤ周方向における位置によって異なっていてもよい。例えば、センター主溝31の溝壁35に形成される屈曲部36のタイヤ径方向における位置やタイヤ幅方向における位置が、タイヤ周方向における位置によって異なっていてもよい。
このように、屈曲部36の形態がタイヤ周方向における位置によって異なる場合は、センター陸部21の、屈曲部36の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxが、タイヤ周方向における位置によって変化することがある。屈曲部36の形態が、タイヤ周方向における位置によって異なる場合は、センター陸部21は、屈曲部36の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxのタイヤ周方向全体の平均幅Wxaveと、センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wxave/Wc)≦0.95の範囲内であるのが好ましい。屈曲部36の形態が、タイヤ周方向における位置によって異なる場合でも、屈曲部36の位置でのセンター陸部21の平均幅Wxaveと、センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wxave/Wc)≦0.95の範囲内であることにより、センター陸部21の変形が大きくなり過ぎない程度に、センター陸部21の体積を、センター主溝31の溝壁35に形成する屈曲部36によって減少させることができる。この結果、より確実に転がり抵抗を低減することができる。
また、上述した実施形態1では、主溝30は4本が形成されているが、主溝30は4本以外であってもよい。また、上述した実施形態1では、センター領域Acは、タイヤ赤道面CL上に位置する陸部20であるセンター陸部21のタイヤ幅方向における範囲と一致しているが、センター領域Acは、タイヤ赤道面CL上に位置していなくてもよい。例えば、タイヤ赤道面CL上に主溝30が位置している場合、センター領域Acは、タイヤ赤道面CL上に位置する主溝30と、当該主溝30の次にタイヤ赤道面CLに近い主溝30とによって画成される陸部20のタイヤ幅方向における範囲であってもよい。換言すると、センター領域Acは、隣り合う2本の主溝30によって挟まれた領域のうち、タイヤ赤道面CLに最も近い領域がセンター領域Acとして用いられればよい。
また、上述した実施形態1では、ラグ溝40は隣り合う主溝30同士の間に亘って形成されていないが、ラグ溝40は隣り合う主溝30同士の間に亘って形成されていてもよい。つまり、各領域の陸部20は、タイヤ幅方向に延びるリブ状に形成されていてもよく、陸部20がタイヤ幅方向に隣り合う主溝30とタイヤ周方向に隣り合うラグ溝40によって画成される、ブロック状に形成されていてもよい。
また、上述した実施形態1〜3や変形例は、適宜組み合わせてもよい。例えば、実施形態1、2に示す構成と、実施形態3に示すサイド補強ゴム50とを組み合わせてもよい。空気入りタイヤ1は、少なくともトレッド部2のセンター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内となり、センター陸部21のセンター陸部幅WcがWc≧19mmで、且つ、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が(Wc/Wb)≦0.15を満たすことにより、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。
[実施例]
図14A、図14Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、ショックバーストに対する耐久性である耐ショックバースト性能と、転がり抵抗についての性能である転がり抵抗性能とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが245/50R19 105Wサイズの空気入りタイヤ1を、リムサイズ19×7.5JのJATMA標準のリムホイールにリム組みしたものを用いて行った。各試験項目の評価方法は、耐ショックバースト性能については、試験タイヤの空気圧を220kPaで充填し、プランジャー径19mm、押し込み速度50mm/分にてJIS K6302に準じたプランジャー破壊試験を行い、タイヤ破壊エネルギーを測定することによって評価した。耐ショックバースト性能は、後述する従来例を100とした指数で表し、指数値が大きいほどタイヤ強度が優れ、耐ショックバースト性能が優れていることを示している。
また、転がり抵抗性能については、試験タイヤの空気圧を250kPaで充填し、ドラム半径854mm、速度80km/h、負荷荷重7.26kNにて30minの予備走行を行った後の転がり抵抗を測定した。転がり抵抗性能は、測定した転がり抵抗の逆数を、後述する従来例を100とする指数で表し、指数値が大きいほど転がり抵抗が小さいことを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜13と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例1〜4との18種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、トレッド部2のセンター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcが、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshよりも小さくなっており、センター陸部幅Wcと最幅広ベルト143のベルト幅Wbとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たしていない。
また、比較例1、4の空気入りタイヤは、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内に入っていない。また、比較例2の空気入りタイヤは、センター陸部幅Wcが19mm未満であり、比較例3の空気入りタイヤは、センター陸部幅Wcと最幅広ベルト143のベルト幅Wbとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たしていない。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜13は、全てショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshに対するセンター領域Acのタイヤ平均厚さGcが1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっており、センター陸部幅WcがWc≧19mmであり、且つ、最幅広ベルト143のベルト幅Wbとセンター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たしている。さらに、実施例1〜13に係る空気入りタイヤ1は、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshに対するセンター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVc(Vc/Vsh)や、センター領域Acのトレッドゴム層4の300%伸長時のモジュラス[MPa]、センター陸部21のタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側の部分Wca、Wcbの比率(Wca/Wcb)、センター陸部21を画成する2本のセンター主溝31の溝幅Wg1、Wg2の比率(Wg1/Wg2)、センター主溝31の溝壁35の屈曲部36の有無、センター主溝31の溝深さGd1に対する屈曲部36が形成される位置の深さGd2(Gd2/Gd1)、センター陸部幅Wcに対する屈曲部36の位置での幅Wx(Wx/Wc)が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図14A、図14Bに示すように、実施例1〜13に係る空気入りタイヤ1は、耐ショックバースト性能と転がり抵抗とのいずれも従来例に対して悪化させることなく、双方の性能を従来例に対して向上させることができることが分かった。つまり、実施例1〜13に係る空気入りタイヤ1は、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 接地面
4 トレッドゴム層
5 ショルダー部
8 サイドウォール部
10 ビード部
13 カーカス層
14 ベルト層
141、142 ベルト
143 最幅広ベルト
144 端部
18 タイヤ内面
20 陸部
21 センター陸部
22 セカンド陸部
23 ショルダー陸部
24 交点
30 主溝
31 センター主溝
32 ショルダー主溝
33 開口部
35 溝壁
36 屈曲部
37 溝底
40 ラグ溝
50 サイド補強ゴム
51 外側端部
100 路面
105 突起物

Claims (7)

  1. 少なくとも1層のカーカス層と、前記カーカス層におけるトレッド部に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されて複数のベルトが積層されるベルト層と、前記トレッド部における前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドゴム層とを備える空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部には、タイヤ周方向に延びる主溝が形成されると共に、前記主溝によって複数の陸部が画成されており、
    前記トレッド部は、
    前記陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い前記陸部であるセンター陸部が位置する領域をセンター領域とし、
    前記ベルト層が有する複数の前記ベルトのうちタイヤ幅方向における幅が最も広い前記ベルトである最幅広ベルトのタイヤ幅方向における幅の85%の位置と前記最幅広ベルトのタイヤ幅方向における端部との間の領域をショルダー領域とする場合に、
    前記センター領域におけるタイヤ平均厚さGcと、前記ショルダー領域におけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内であり、
    前記センター陸部は、前記センター陸部を画成する2本の前記主溝における前記センター陸部側のそれぞれの溝壁と、前記センター陸部の接地面とのタイヤ子午断面における交点同士のタイヤ幅方向における距離であるセンター陸部幅Wcが、Wc≧19mmであり、且つ、前記最幅広ベルトの幅であるベルト幅Wbと前記センター陸部幅Wcとの関係が、(Wc/Wb)≦0.15を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッド部は、前記センター領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVcと、前記ショルダー領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.7≦(Vc/Vsh)≦2.6の範囲内である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッドゴム層を成すゴムのうち、前記センター領域に含まれるゴムは、300%伸張時のモジュラスが10MPa以上15MPa以下の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記センター陸部は、前記タイヤ赤道面上に位置し、
    前記センター陸部幅Wcのタイヤ幅方向両側の前記交点のうち、一方の前記交点と前記タイヤ赤道面とのタイヤ幅方向における幅Wcaと、他方の前記交点と前記タイヤ赤道面とのタイヤ幅方向における幅Wcbとの関係が、0.8≦(Wca/Wcb)≦1.2の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記センター陸部を画成する2本の前記主溝は、一方の前記主溝の溝幅Wg1と、他方の前記主溝の溝幅Wg2との関係が、0.7≦(Wg1/Wg2)≦1.3の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記センター陸部を画成する2本の前記主溝のうち少なくとも一方の前記主溝には、前記センター陸部側の前記溝壁に、前記センター陸部のタイヤ幅方向における中心側に向かって凸となる屈曲部が形成されており、
    前記屈曲部は、前記主溝の開口部側からの深さGd2が、前記主溝の溝深さGd1に対して、0.3≦(Gd2/Gd1)≦1.0の範囲内となる位置に形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記センター陸部は、前記屈曲部の位置でのタイヤ幅方向における幅Wxのタイヤ周方向全体の平均幅Wxaveと、前記センター陸部幅Wcとの関係が、0.85≦(Wxave/Wc)≦0.95の範囲内である請求項6に記載の空気入りタイヤ。
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