JP2016124442A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2016124442A JP2015000728A JP2015000728A JP2016124442A JP 2016124442 A JP2016124442 A JP 2016124442A JP 2015000728 A JP2015000728 A JP 2015000728A JP 2015000728 A JP2015000728 A JP 2015000728A JP 2016124442 A JP2016124442 A JP 2016124442A
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春菜 水島
Haruna Mizushima
春菜 水島
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Abstract

【課題】摩耗後においても排水性を確保してハイドロプレーニング現象の発生を抑制すると共に、優れた操縦安定性を維持することができ、かつ製造時の故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部1の車両外側となる部位にタイヤ周方向に延在して内側壁面11iと外側壁面11oと底面11bとから構成される第1主溝11を形成すると共に、この第1主溝11よりもタイヤ幅方向内側となる部位にタイヤ周方向に延在して内側壁面12iと外側壁面12oと底面12bとから構成される第2主溝12を設け、第1主溝11の外側壁面11oをトレッド部1の踏面の法線に対して溝内側に傾斜させ、第1主溝11の内側壁面11iをトレッド部1の踏面の法線に対して溝外側に傾斜させ、第2主溝12の外側壁面12oをトレッド部1の踏面の法線に対して溝内側に傾斜させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、周方向に延びる主溝を有する空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、優れた操縦安定性を維持しながら、摩耗後においても優れたウェット性能を発揮することができ、かつ製造時の故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤでは、雨天時等の排水性を確保し、ハイドロプレーニング現象の発生を抑制し、ウェット性能を向上するために、トレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝が形成されている。しかしながら、従来の一般的な主溝は、溝底側に向かって溝幅が減少する形状を有するため、トレッド表面が摩耗すると摩耗後の接地面における溝面積が減少し、新品時に比べて排水性が低下し、ハイドロプレーニング現象の発生を充分に抑制できず、ウェット性能が低下するという問題がある。
そのため、近年、主溝の溝幅をトレッド表面側から溝底側に向かって徐々に大きくすることや(例えば、特許文献1を参照)、主溝を溝幅が漸減する上方部分と溝幅が漸増する下方部分とから構成することで(例えば、特許文献2を参照)、摩耗後であっても接地面における溝面積を確保することが提案されている。
しかしながら、このような形状の主溝を設けた場合、主溝が溝底側で拡幅する分、主溝の両側に隣接する陸部が共に主溝の溝底側に向かうに従って大きく抉れたような断面形状になるため、これら陸部の剛性を充分に確保することができなくなり、コーナリング時の操縦安定性が低下するという問題がある。また、主溝の開口部が窄まった形状であるため加硫後のタイヤを金型から抜き取る際の釜抜け性が悪く、ブロックの欠け等の外観故障が生じやすいという問題がある。
特開2001‐121924号公報 特開平9‐164814号公報
本発明の目的は、優れた操縦安定性を維持しながら、摩耗後においても優れたウェット性能を発揮することができ、かつ製造時の故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部を備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部の車両外側となる部位にタイヤ周方向に延在してタイヤ幅方向内側の内側壁面とタイヤ幅方向外側の外側壁面と底面とから構成される第1主溝を形成すると共に、該第1主溝よりもタイヤ幅方向内側となる部位にタイヤ周方向に延在してタイヤ幅方向内側の内側壁面とタイヤ幅方向外側の外側壁面と底面とから構成される第2主溝を設け、前記第1主溝の外側壁面を前記トレッド部の踏面の法線に対して溝内側に傾斜させ、前記第1主溝の内側壁面を前記トレッド部の踏面の法線に対して溝外側に傾斜させ、前記第2主溝の外側壁面をトレッド部の踏面の法線に対して溝内側に傾斜させたことを特徴とする。
本発明では、第1主溝の内側壁面がトレッド部の踏面の法線に対して溝外側に傾斜することで、摩耗時においても第1主溝の溝面積が確保され、排水性を充分に維持することができ、ハイドロプレーニング現象の発生を抑制し、ウェット性能を向上することができる。このとき、第1主溝の外側壁面はトレッド部の踏面の法線に対して溝内側に傾斜しているので、第1主溝のタイヤ幅方向外側に隣接する陸部の剛性が維持され、第1主溝のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部よりも高剛性になり、コーナリング時の操縦安定性を良好に保つことができる。また、第2主溝の外側壁面がトレッド踏面の法線に対して溝内側に傾斜しているので、第1主溝を成形する成形骨が抜ける際の陸部の変形が阻害されず、釜抜け性を高め、ブロック欠け等の外観故障を防止することができる。
本発明では、第1主溝の内側壁面とトレッド部の踏面の法線とがなす角度θiが0°<θi≦40°の範囲であることが好ましい。このように第1主溝の内側壁面の傾斜角度を設定することで、排水性と釜抜け性とを高度に両立することができる。
本発明では、第1主溝の内側壁面とトレッド部の踏面の法線とがなす角度θiと、第1主溝の外側壁面とトレッド部の踏面の法線とがなす角度θoとが、θi>θoの関係を満たすことが好ましい。このように角度を設定することで、第1主溝の摩耗後の溝面積を充分に確保することができ、摩耗後の排水性を維持するには有利になる。
本発明では、第1主溝の開口部の幅Waと底面の幅WbとがWa<Wbの関係を満たすことが好ましい。このように溝幅を設定することで、第1主溝の摩耗後の溝面積を充分に確保することができ、摩耗後の排水性を維持するには有利になる。
本発明では、第1主溝の内側壁面と底面との連結部および第1主溝の外側溝壁と底面との連結部がそれぞれ円弧を形成し、これら円弧の曲率半径がそれぞれ0.3mm以上3mm以下であることが好ましい。このように第1主溝の形状を設定することで、溝底部分の溝体積を充分に確保することができ、摩耗後の排水性を維持するには有利になる。
本発明では、第1主溝のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の第1主溝の内側壁面側の部位を構成するゴム組成物として他の部位よりも高硬度のゴム組成物を使用することが好ましい。これにより、溝外側に傾斜した第1主溝の内側壁面によって溝底側が抉れた形状になる陸部を補強することができ、優れた操縦安定性を得るには有利になる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの第1主溝および第2主溝の一部 を拡大して示す説明図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤの第1主溝および第2主溝の 一部を拡大して示す説明図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部を示す説明図で ある。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部を示す説明図で ある。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、符号CLはタイヤ赤道を表わす。本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とから構成される。左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7,8が埋設されている。各ベルト層7,8は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7,8において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7,8の外周側にはベルト補強層9が設けられている。ベルト補強層9は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層9において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その断面構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
図1に示す実施形態では、トレッド部1にタイヤ周方向に延びる4本の主溝10が設けられる。これら4本の主溝10は、タイヤ赤道CLの両側に2本ずつが配置されている。各主溝10は、タイヤ幅方向内側の内側壁面とタイヤ幅方向外側の外側壁面と底面の3面から構成される。
これら主溝10のうち、車両装着時に車両に対して最も外側に配置されるものを第1主溝11とし、そのタイヤ幅方向内側に位置するものを第2主溝12とすると、図2に示すように、第1主溝11の外側壁面11oはトレッド表面側から溝底11b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜し、第1主溝11の内側壁面11iはトレッド表面側から溝底11b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜し、第2主溝12の外側壁面12oはトレッド表面側から溝底12b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜している。
尚、図1の実施形態では、第2主溝12の内側壁面12iも第1主溝11の内側壁面11iと同様にトレッド表面側から溝底12b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜している。また、車両装着時に車両に対して最も内側に配置される主溝10を第3主溝13とし、そのタイヤ幅方向内側に位置する主溝10を第4主溝14とすると、図1の実施形態では、第3主溝13の外側壁面13oはトレッド表面側から溝底13b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜し、第3主溝13の内側壁面13iはトレッド表面側から溝底13b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜し、第4主溝14の外側壁面14oはトレッド表面側から溝底14b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜し、第4主溝14の内側壁面14iはトレッド表面側から溝底14b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜している。
本発明では、上述のように、第1主溝11の両壁面11i,11oと第2主溝12の外側壁面12oとを特定の形状にしているため、操縦安定性を良好に維持しながらハイドロプレーニング現象の発生を抑制し、かつ製造時の外観故障を防止することができる。具体的には、車両装着時に車両に対して最も外側に位置する第1主溝11の内側壁面11iがトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜することで、従来の溝底側に向かって溝幅が狭くなる断面形状(図2の鎖線を参照)と比べて、摩耗時においても第1主溝11の溝面積が確保され、排水性を充分に維持することができる。そのため、ハイドロプレーニング現象の発生を抑制して、ウェット性能を向上することができる。このとき、第1主溝11の外側壁面11oはトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜しているので、第1主溝11のタイヤ幅方向外側に隣接する陸部の剛性が維持され、第1主溝11のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部よりも高剛性になり、コーナリング時の操縦安定性を良好に保つことができる。また、第2主溝12の外側壁面12oがトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜しているので、タイヤ製造時に第1主溝11を成形する成形骨が抜ける際に第1主溝11のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の変形が阻害されず、釜抜け性を高め、ブロック欠け等の外観故障を防止することができる。
このとき、第1主溝11の両壁面11i,11oがトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜していると、摩耗後の溝面積は確保できるものの、第1主溝11のタイヤ幅方向外側に隣接する陸部の剛性が低下して操縦安定性が悪化すると共に、製造時に第1主溝11を成形する成形骨が抜け難くなり釜抜け性が悪化する。また、第2主溝12の外側壁面12oがトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜していると、製造時に第1主溝11および第2主溝12を成形する成形骨が抜ける際に、第1主溝11と第2主溝との間に位置する陸部が各成形骨によってこの陸部の幅方向両側から圧縮されることになり釜抜け性が悪化する。
本発明では、上述の3つの溝壁面(第1主溝11の両壁面11i,11oおよび第2主溝12の外側壁面12o)が上述のように特定の方向に傾斜していることが必須であるが、好ましくは第1主溝11をトレッド部1の踏面1aの法線に対して所定の角度で傾斜させるとよい。具体的には、第1主溝11の内側壁面11iとトレッド部1の踏面1aの法線とがなす角度をθiとしたとき、角度θiを好ましくは0°<θi≦40°、より好ましくは10°≦θi≦20°の範囲に設定するとよい。このように第1主溝の内側壁面11iを充分に傾斜させることで、排水性と釜抜け性とを高度に両立することが可能になる。このとき、角度θiが40°を超えると、第1主溝11のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の第1主溝11の底面側が大きく抉れることになるため、この陸部の剛性が低下し、充分な操縦安定性を得ることが難しくなる。
このような第1主溝11の内側壁面11iに対して、第1主溝11の外側壁面11oは第1主溝11の内側壁面11iよりも傾斜角度を小さくすることが好ましい。即ち、第1主溝11の外側壁面11oとトレッド部1の踏面1aの法線とがなす角度をθoとしたとき、この角度θoと上述の角度θiとがθi>θoの関係を満たすことが好ましい。このように第1主溝11の両壁面11i,11oの角度の関係を設定することで、第1主溝11の摩耗後の溝面積を充分に確保することが可能になり、摩耗後の排水性を維持するには有利になる。角度θoが角度θi以上になると、第1主溝11が溝底側に向かって溝幅が狭くなるので、摩耗後の溝面積を充分に確保することが難しくなる。角度θoは角度θiよりも小さければ具体的な数値範囲は特に限定されないが、例えば0°〜30°の範囲に設定することができる。
尚、第2主溝12の外側壁面12oは上述の傾斜方向になっていれば、第2主溝12全体の形状に応じてその傾斜角度を適宜設定することができるが、第1主溝11の外側壁面11oと同様に第1主溝11の内側壁面11iよりも傾斜量が小さいとよく、傾斜角度を例えば0°〜30°に設定するとよい。特に、図1の実施形態のように、第1主溝と第2主溝とが同等の断面形状である場合は、第2主溝12の溝壁面の角度を第1主溝11の各壁面の角度θi,θoと同じ範囲に設定することが有効である。
第1主溝11は、上述のように各壁面11i,11oを傾斜させることで、開口部よりも底面11bの方が広い断面形状とすることが好ましい。即ち、第1主溝11の開口部の幅をWa、底面11bの幅をWbとしたとき、これら幅Wa,WbがWa<Wbの関係を満たすことが好ましい。このように第1主溝11の溝幅を設定することで、第1主溝11の摩耗後の溝面積を充分に確保することができ、摩耗後の排水性を維持するには有利になる。尚、本発明において溝底の幅Wbとは、図示のように、内側壁面11iの延長線と底面11bとの交点Piと外側壁面11oの延長線と底面11bとの交点Poとの間の長さである。このとき、幅Wa,Wbの大小関係が逆転すると、第1主溝11の溝幅が溝底11b側に向かって狭くなるので、摩耗後の溝面積を充分に確保することが難しくなる。
第1主溝11を構成する壁面11i,11oと底面11bとは滑らかに連結しているとよく、特に、図2に示すように、第1主溝11の内側壁面11iと底面11bとの連結部および第1主溝11の外側溝壁11oと底面11bとの連結部がそれぞれ円弧を形成しているとよい。このとき、第1主溝11の内側壁面11iと底面11bとの連結部の円弧の曲率半径をRi、第1主溝11の外側溝壁11oと底面11bとの連結部の円弧の曲率半径をRoとすると、これら曲率半径Ri,Roがそれぞれ0.3mm以上3mm以下であることが好ましい。このように第1主溝11の底面近傍の断面形状を設定することで、溝底部分の溝体積を充分に確保することができ、摩耗後の排水性を維持するには有利になる。このとき曲率半径Ri,Roが3mmを超えると第1主溝11の溝底部分の溝体積を充分に確保することが難しくなる。
本発明では、第1主溝11の内側壁面11iが上述のように傾斜することで、第1主溝11のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部は、第1主溝11の溝底側が抉れた形状になる。その結果、この陸部の第1主溝11の内側壁面11i側の部位は他の部位に比べて剛性が低くなる傾向にある。そこで、図3に示すように、第1主溝11のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の第1主溝11の内側壁面11i側の部位を構成するゴム組成物として他の部位よりも高硬度のゴム組成物(図の斜線部)を使用して、この部位を補強することが好ましい。これにより、第1主溝11のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の剛性を補うことができるので操縦安定性を向上するには有利になる。
上述の説明では、図1の実施形態を例に用いたが、本発明では第1主溝11の形状と第2主溝12の外側壁面12o以外は特に限定されないので、例えば各溝を図4のように構成することもできる。図4の実施形態では、第1主溝11の内側壁面11iおよび外側壁面11oと第2主溝12の外側壁面12oとは図1の実施形態と同様に上述の傾斜方向の関係を満たすように構成されているが、第2主溝12の内側壁面12iは、図1の実施形態とは異なり、トレッド表面側から溝底12b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜している。一方、第3主溝13および第4主溝14は図1の実施形態と同じ構造になっている。このように各溝が構成されているため、図4の実施形態では、トレッド部1の子午線断面形状がタイヤ赤道CLに対して左右対称になっている。そのため、この実施形態では、第3主溝13および第4主溝14が形成された側を車両に対して外側になるように装着しても、車両装着時に車両に対して最外側に位置する主溝(第3主溝13)とその主溝(第3主溝13)に隣接する主溝(第4主溝14)とは上述の溝壁面の傾斜方向の関係を満たすため、上述の効果を発揮することができる。即ち、図4の実施形態では、車両に対する装着方向が限定されることなく上述の効果を得ることができる。
尚、図1の実施形態のトレッド部1の子午線断面形状は第2主溝12と第4主溝14の形状が異なるためタイヤ赤道CLに対して左右対称ではないが、第1主溝11の形状および第2主溝12の外側壁面12oの形状と第3主溝13の形状および第4主溝14の外側壁面14oの形状とを限定的に比較するとタイヤ赤道CLに対して左右対称であるので、どちら側を車両に対して外側にして装着しても、これら3つの溝壁面の構造によって上述の効果を得ることができる。
或いは、各溝を図5のように構成することもできる。図5の実施形態では、第1主溝11の内側壁面11iおよび外側壁面11oと第2主溝12の外側壁面12oとは図1の実施形態と同様に上述の傾斜方向の関係を満たすように構成されているが、第2主溝12の内側壁面12iも第1主溝11の内側壁面11iと同様にトレッド表面側から溝底12b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜している。これに対して、第3主溝13の外側壁面13oはトレッド表面側から溝底13b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜し、第3主溝13の内側壁面13iはトレッド表面側から溝底13b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜し、第4主溝14の外側壁面14oはトレッド表面側から溝底14b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝外側に傾斜し、第4主溝14の内側壁面14iはトレッド表面側から溝底14b側に向かって見たときトレッド部1の踏面1aの法線に対して溝内側に傾斜している。言い換えれば、全ての主溝10の車両装着時に車両に対して外側となる溝壁面がトレッド表面側から溝底側に向かって見たとき溝内側に傾斜し、全ての主溝10の車両装着時に車両に対して内側となる溝壁面がトレッド表面側から溝底側に向かって見たとき溝外側に傾斜している。この図4の実施形態の場合、第1主溝11および第2主溝12が配置された側を車両に対して外側に装着することで上述の効果を発揮することができるが、第3主溝13および第4主溝14が配置された側を車両に対して外側に装着すると、車両装着時に車両に対して最外側に位置する主溝(第3主溝13)とその主溝(第3主溝13)に隣接する主溝(第4主溝14)とは上述の溝壁面の傾斜方向の関係を満たさないため、上述の効果を発揮することはできない。即ち、図5の実施形態では、車両に対する装着方向が限定されることになる。
タイヤサイズが255/30ZR20であり、主溝の断面形状を除いて図1に例示する基本構造を有し、車両装着時に車両に対して最外側に位置する主溝(第1主溝)、第1主溝のタイヤ幅方向内側の主溝(第2主溝)、車両装着時に車両に対して最内側に位置する主溝(第3主溝)、第3主溝のタイヤ幅方向内側の主溝(第4主溝)のそれぞれのタイヤ幅方向外側の溝壁面(外側壁面)の傾斜方向およびトレッド部の踏面の法線に対する傾斜角度、タイヤ幅方向内側の溝壁面(内側壁面)の傾斜方向およびトレッド部の踏面の法線に対する傾斜角度、底面と溝壁面との連結部の曲率半径、また、第1主溝については開口部の幅、溝底の幅、第1主溝のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の第1主溝の内側壁面側の部位を構成するゴム組成物(内側壁部のゴム組成物)をそれぞれ表1のように設定した従来例1、比較例1〜3、実施例1〜8の12種類の空気入りタイヤを作製した。
これら12種類の空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、排水性(新品時、50%摩耗時)、操縦安定性、釜抜け性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
排水性(新品時、50%摩耗時)
各試験タイヤをリムサイズ20×9.0Jのホイールに組み付けて、空気圧を240kPaとして、排気量が1.8Lである前輪駆動の乗用車に装着し、直進路上で水深10mmのプールに進入するようにした走行試験を実施し、プールへの進入速度を徐々に増加させ、ハイドロプレーニング現象が発生する限界速度を測定した。尚、50%摩耗時の排水性については、各試験タイヤをトレッド表面から有効溝深さの50%の位置まで摩耗したうえで、上記試験を行って測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど排水性が優れることを意味する。
操縦安定性
各試験タイヤをリムサイズ20×9.0Jのホイールに組み付けて、空気圧を240kPaとして、排気量が1.8Lである前輪駆動の乗用車に装着し、テストコースにてテストドライバーによる試験走行を実施し、その際の操縦安定性を官能評価した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。尚、指数値が99以上であれば従来レベルを維持していることを意味する。
釜抜け性
各試験タイヤを10本ずつ製造し、加硫後のタイヤにおけるブロック欠け等の外観故障の有無を目視で判断し、外観故障が発生したタイヤの本数を測定した。評価結果は、外観故障が発生したタイヤの本数が0〜1本を「○」、2〜4本を「△」、5本以上を「×」として示した。評価結果が「○」又は「△」であれば、外観故障の発生率が50%未満であり、充分な釜抜け性を維持していることを意味する。
Figure 2016124442
表1から明らかなように、実施例1〜8はいずれも従来例1に対して、操縦安定性を維持しながら摩耗後(新品時及び50%摩耗時)の排水性を向上し、かつ釜抜け性を良好に維持した。特に、第1主溝の内側壁面を適度な角度で傾斜させた実施例3,4は排水性と操縦安定性をバランスよく向上した。また、第1主溝のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の第1主溝の内側壁面側の部位に高硬度のゴム組成物を配した実施例8は排水性と操縦安定性を高度に両立した。
一方、第1主溝の両壁面が溝外側に傾斜し、第2主溝の外側壁面が溝外側に傾斜した比較例1は操縦安定性および釜抜け性が悪化した。第1主溝の両壁面が溝外側に傾斜し、第2主溝の外側壁面が溝内側に傾斜した比較例2は操縦安定性が悪化した。第1主溝の形状が本願発明と同様である一方で第2主溝の外側壁面が溝外側に傾斜した比較例3は操縦安定性および釜抜け性が悪化した。
1 トレッド部
1a 踏面
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7,8 ベルト層
9 ベルト補強層
10 主溝
10i 内側壁面
10o 外側壁面
10b 底面
11 第1主溝
11i 内側壁面
11o 外側壁面
11b 底面
12 第2主溝
12i 内側壁面
12o 外側壁面
12b 底面
13 第3主溝
13i 内側壁面
13o 外側壁面
13b 底面
14 第4主溝
14i 内側壁面
14o 外側壁面
14b 底面
CL タイヤ赤道

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部を備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部の車両外側となる部位にタイヤ周方向に延在してタイヤ幅方向内側の内側壁面とタイヤ幅方向外側の外側壁面と底面とから構成される第1主溝を形成すると共に、該第1主溝よりもタイヤ幅方向内側となる部位にタイヤ周方向に延在してタイヤ幅方向内側の内側壁面とタイヤ幅方向外側の外側壁面と底面とから構成される第2主溝を設け、前記第1主溝の外側壁面を前記トレッド部の踏面の法線に対して溝内側に傾斜させ、前記第1主溝の内側壁面を前記トレッド部の踏面の法線に対して溝外側に傾斜させ、前記第2主溝の外側壁面をトレッド部の踏面の法線に対して溝内側に傾斜させたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1主溝の内側壁面と前記トレッド部の踏面の法線とがなす角度θiが0°<θi≦40°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1主溝の内側壁面と前記トレッド部の踏面の法線とがなす角度θiと、前記第1主溝の外側壁面と前記トレッド部の踏面の法線とがなす角度θoとが、θi>θoの関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1主溝の開口部の幅Waと底面の幅WbとがWa<Wbの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1主溝の内側壁面と底面との連結部および前記第1主溝の外側溝壁と底面との連結部がそれぞれ円弧を形成し、これら円弧の曲率半径がそれぞれ0.3mm以上3mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1主溝のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部の前記第1主溝の内側壁面側の部位を構成するゴム組成物として他の部位よりも高硬度のゴム組成物を使用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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