JP2003072315A - 非空気式タイヤ - Google Patents

非空気式タイヤ

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JP2003072315A
JP2003072315A JP2002226199A JP2002226199A JP2003072315A JP 2003072315 A JP2003072315 A JP 2003072315A JP 2002226199 A JP2002226199 A JP 2002226199A JP 2002226199 A JP2002226199 A JP 2002226199A JP 2003072315 A JP2003072315 A JP 2003072315A
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tire
rubber
rubber material
pneumatic tire
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JP2002226199A
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Yusaku Kato
祐作 加藤
Osamu Nakano
治 中野
Satoru Oda
悟 小田
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Fukuyama Rubber Industry Co Ltd
Original Assignee
Fukuyama Rubber Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ソフトな乗り心地と安全な操縦性を備えたパン
クのおそれのない非空気式タイヤを提案する。 【解決手段】非空気式タイヤに於いて、タイヤの左右両
側面に多数の孔を円周状に穿設すると共に、これら隣接
する孔間は一定幅にゴム材が介在するものとなし、且つ
穿設される孔の数を、15個以上の孔とすると共に、孔
の軸方向長さ(h)と隣接する孔間の周方向長さ(a)
の関係(h/a)を、 h/a<3.0 孔のピッチ(p)に対する上記孔間の周方向長さ(a)
の割合(a/p)を、 a/p≧20% となされていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォークリフトなど
の産業車両用及び建設車両用タイヤとして比較的低速で
使用され、且つパンクのおそれのない非空気式タイヤに
係り、特に乗り心地をソフトに改良した非空気式の孔あ
きタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に比較的低速で、且つ重量物を積載
し、しかもときには釘、木片などの散在する悪路の走行
に使用されるフォークリフトやホイールローダー等の産
業車両は、タイヤのパンクによる不具合を排除するため
空気入りタイヤに代えて非空気式タイヤであるソリッド
タイヤを使用することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に乗り心地のソフ
トな空気入りタイヤは重量物を積載するとたわみが大き
く成りすぎて、方向転換時にコントロールを失い易く操
縦安定性に問題があり、また重量物を積載して走行中に
突如パンクすることがあり危険である。一方、上記ソリ
ッドタイヤは、ゴム弾性体が中実であるため空気入りタ
イヤのように局部変形することが出来ず乗り心地が非常
に悪く、且つタイヤ重量が重いほか、ゴムの加硫時間が
長くコスト高であるといった欠点がある。またソリッド
タイヤは縦バネ特性が高いため、路面状況に過敏に反応
して路面に凹凸があると振動が運転者にストレートに伝
わり乗り心地が悪くなる。このため、ソリッドタイヤの
乗り心地を改善するためにタイヤのゴム硬度を低くして
初期圧縮のバネ定数を下げると、横ブレが大きくなるな
どの旋回安定性の低下を招くこととなる。
【0004】そこで本発明はソフトな乗り心地と安全な
操縦性を備えたパンクのおそれのない非空気式タイヤを
提案する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の非空気式タイヤ
を産業車両、建設車両用として使用する際のより適切な
縦バネ定数の範囲は図20に示すとおりである。このグ
ラフの斜線内が好ましい乗り心地を得られる範囲であ
り、更にフォークリフト用タイヤとしては掛線内が最適
な範囲を表している。このグラフの上限以上ではタイヤ
が硬くなりすぎて乗り心地が悪くなり、また下限以下で
はタイヤの横バネ定数が低くなりすぎて旋回時などの操
縦性が不安定となるばかりか、タイヤの耐久性も悪くな
る。
【0006】本発明は、ゴム弾性体で形成された産業車
両及び建設車両用の非空気式の孔あきタイヤであって、
接地側に配置されるトレッド部と、トレッド部の半径方
向内側に配置されるベース部と、両部間のクッション部
より構成され、該クッション部の左右両側面に多数の孔
を円周状に穿設し、且つこれら隣接する孔間は一定幅に
ゴム材が介在すると共に、穿設される孔の数を、15個
以上の孔とし、孔の軸方向長さ(h)と隣接する孔間の
周方向長さ(a)の関係を、h/a<3.0、孔のピッ
チ(p)に対する上記孔間の周方向長さ(a)の割合
(a/p)を、a/p≧20% としたことにより、座
屈現象を防止し、操縦安定性及び耐久性に優れたタイヤ
を提供することが可能となった。また、少なくとも上記
孔部を設けたゴム部、すなわち、クッション部ゴム硬度
を、硬度60〜80度としたことにより、タイヤ硬度を
低くした際の横ブレが大きくなるなどの旋回安定性の低
下を防止することができる。また、タイヤのバネ定数を
1500kg/cm未満とし、好ましくはこれに加えて
孔間のゴム材のバネ定数を3000kg/cm未満とし
たことにより、孔あきタイヤとしてのバネ定数として優
れたものになり、路面に凹凸がある場合でも振動が運転
者にストレートに伝わることによる乗り心地が悪くなる
事を防止し、乗り心地が良くなる。更に望ましくは、穿
設される孔の構成が、(1)15個以上の孔を穿設する
こと、(2)孔の軸方向長さ(h)と隣接する孔間の周
方向長さ(a)の関係(h/a)を0.75<h/a<
3.0(3)孔のピッチ(p)に対する上記孔間の周方
向長さ(a)の割合(a/p)を 20%<a/p<7
2.5%とされ、本発明の孔あきタイヤに適正なゴム硬
度を選択することによって、縦バネ定数が前記グラフの
範囲内に含まれるようになり、乗り心地と操縦性の良好
な非空気式の孔あきタイヤを提供することが可能とな
る。上述の孔が複数の層状に形成される場合は、接地側
に穿設される孔の構成を上記範囲とする。また、形状及
び大きさの異なる多数の層状に形成される場合は孔の大
きさの大きい層の構成に関して上記範囲とする。更に、
形状及び大きさが同一の多数の孔を円周状に複数の層状
に穿設する場合は、これら複数の層のうち少なくとも一
層の孔の構成を上記範囲とする。
【0007】上記構成で本発明が孔数を15個以上とし
たことにより、走行振動が抑制され、良好な乗り心地が
得られる理由は次の通りである。すなわち、図21に示
す孔40,40とこれら孔間に介在するゴム材50との
たわみの関係は数1の式で近似的に表される。このと
き、タイヤのクッション性に影響を及ぼす接地側若しく
は孔の大きさの大きい層の孔数を15個以下とした場合
には、図21Aに示すように隣接する孔40,40間の
ゴム材50の周方向長さa内に接地面で荷重を負担する
幅tが常に存在するものとなるため、走行時に孔40と
ゴム材50とが交互に荷重を負担することとなって走行
振動が大となるのである。これに対して孔数を15個以
上とする場合は、図21Bに示すように接地面で荷重を
負担する幅t内にゴム材50a、50bが存在し、これ
で荷重を分担して負担することから効果的に振動を低減
させることが出来るものとなる。なお、図中の斜線部は
ゴム材の荷重を負担する部分を、Gは路面を示す。例え
ばタイヤサイズ6.50−10の場合、標準的な負荷時
のタイヤのたわみを1.0cm、孔が形成される層の直径
を43cm、標準負荷時に負担するゴム材の数(隣接する
孔間の周方向長さaをゴム材1個と呼称する)を1.5
個とすると孔数は約15.5個となる。
【数1】
【0008】また、上記構成に於いて、a/p≧20%
としたことにより、孔間のゴム材に集中する機体旋回時
の引っ張り力からの耐久性を向上させ、該部からの亀裂
発生を防止することが可能となった。
【0009】更に、孔間のゴム材は圧縮を受け、ゴムの
限界歪みを超えると座屈が発生する。本発明の孔あきタ
イヤにおいて孔間のゴム材が座屈すると、バネ定数が急
速に変化し操縦不安定となる。孔の軸方向長さ(h)と
孔間のゴム材の周方向長さ(a)の割合h/aが大きく
なると限界歪み量が小さくなるため、わずかな圧縮で座
屈が生じタイヤとしては不適である。特に旋回時のタイ
ヤはスラスト方向の力を受けるため、タイヤ側面のゴム
に異常な伸張及び圧縮による座屈が発生し、タイヤの耐
久性を損なう。本発明に於いては、h/a<3.0とし
たことにより、座屈現象を防止し、操縦安定性及び耐久
性に優れたタイヤを提供することが出来た。
【0010】タイヤ幅(H)に対する孔の深さ(b)の
最適な割合は、h/aやa/pの値、タイヤのゴム硬度
等によって異なるが、本発明において最適なバネ定数を
得るためには、b/H>17%とすると良い。
【0011】更に、孔のピッチ(p)に対する孔間のゴ
ム材の周方向長さ(a)の割合の上限を、a/p<7
2.5%とした場合には、荷重が加わってタイヤがたわ
み孔の接地面側に歪みが集中して、この部分からトレッ
ド部に向けて亀裂が発生するといった不具合を防止し、
耐久性の優れた孔あきタイヤとすることができた。
【0012】また、更に孔の軸方向長さ(h)と孔間の
ゴム材周方向長さ(a)の割合をh/a>0.75とし
たことにより、孔間のゴム材のしわによる亀裂の発生を
抑制することが出来た。これは、ゴムを繰り返し圧縮す
ると孔のアール部(曲線部分)にしわが発生し、やがて
該個所からゴム亀裂に至る現象を抑制し、耐久性に優れ
たタイヤとすることができた。そして、h/a>0.7
5とすることにより、孔あきタイヤのバネ定数がソリッ
ドタイヤに比べて低くなり、クッション性の良好なタイ
ヤとなった。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明の非空気式の
孔あきタイヤ1の一例を示すものであって、ゴムなどの
弾性材料で構成され、リムに装着されるベース部2と、
接地面にトレッド3a及び溝3bを形成したトレッド部
3とを同心円上に配置しており、また両部間にクッショ
ン部6を形成し、該部6のタイヤ左右両側面のそれぞれ
に内外2層の円形の孔4a,4bを円周方向(矢印c)
に穿設し、且つ隣接する孔4a,4b間のクッション部
6にベース部2からトレッド部3にかけて一体的に形成
した一定幅のゴム材5a、5bを介在させている。
【0014】トレッド部側の孔4aの軸方向長さ(h)
と隣接する孔間の周方向長さ(a)の関係を、h/a≒
2、孔のピッチ(p)に対する上記孔間の周方向長さ
(a)の割合を、a/p≒28.7%とし、h/a<
3.0、a/p≧20% の範囲とすることにより、タ
イヤのクッション性が良好となり、耐久性も実用上問題
とならない。また、孔4aの深さ(b)とタイヤ幅
(H)の割合を、b/H>17%としている。(タイヤ
サイズ7.00−12ではb≧3cmとなる。)
【0015】トレッド部側の孔4aとベース部側の孔4
bは同数で、且つ周方向に於いて半ピッチずらされて配
置されており、すなわち隣接するトレッド部側の孔4
a,4a間のゴム材5a位置にベース部側の孔4bが配
置されていると共に、これら孔4a,4bの両端はそれ
ぞれΔtだけオーバーラップしている。また、各孔4
a,4bはタイヤ巾方向(矢印H)両側面から交互に且
つおよそ巾方向中央位置の深さで開口しており、タイヤ
幅方向中央に全周に連続するウェブkが形成される。
【0016】トレッド部3のゴム材は、耐摩耗性、耐カ
ット性、耐チッピング性に優れ、スリップしないゴムが
適しており、具体的には硬度(HJIS A)55〜
75度で、天然ゴムまたは天然ゴムとSBR、ブタジエ
ンゴムのブレンドゴムなどがある。一方、クッション部
のゴムは低発熱で疲労性に優れ、圧縮永久歪が少なく高
温での引き裂き抵抗に優れたものが良く、例えば硬度
(HJIS A)60〜80度の天然ゴムあるいは天
然ゴムとブタジエンゴムのブレンドゴムが適している。
また、ベース部のゴムは硬度(HJIS A)75〜
95度のやや硬めでリムに強固に固定できるものが良い
のであり、このように各部の目的、特徴に沿ったゴムを
選択することにより、耐久性に優れたタイヤを提供でき
る。更に、孔間のゴム材5a、5b部分からの亀裂発生
を防止するため、クッション部6の表面を高物性、高強
度のゴムで補強すると良い。更に、トレッド部及びクッ
ション部の両部に適する特性を備えたゴム材を選択し、
両部を同一ゴム材で作成しても良い。
【0017】図4及び図5は、別例のタイヤ巾方向断面
図であり、図4はタイヤ両側面に貫通する孔4a、4b
が穿設してあり、図5はタイヤ巾方向左右両側面からそ
れぞれ孔4a、4bを穿設し、タイヤ巾方向中央に全周
にわたってウェブkを設けたものである。なおRは機体
に装着するためにタイヤベース部2に取り付けたリムで
あり、Sは補強のためにベース部2に埋入されたビード
ワイヤーであるが、ビードワイヤーは特に埋入しなくて
も良いのであり、また鉄板など別の補強手段を埋設して
も良い。
【0018】図6は本発明の第2実施例の孔あきタイヤ
7を示すもので、楕円状の孔4aと円状の孔4bのそれ
ぞれ内外2層の孔を直線上に配置したものであり、接地
側の孔4a及び孔間のゴム材5aのそれぞれの大きさは
上記範囲内に設定してある。図7は本発明の第3実施例
の孔あきタイヤ8を示すもので、面取りをした四角形状
の孔4を一層穿設してある。
【0019】図8は本発明の第4実施例を示す孔あきタ
イヤ9であって、接地側の上記範囲内の大きさ(h/a
=0.8、a/p=57.8%)の孔4aと、該隣接す
る孔4a、4a間のゴム材5aに小孔4cを穿設すると
共に、内側の孔4bは接地側の孔4aよりも多く穿設し
ている。該実施例のように大小の孔が混在して穿設され
る場合は最大の大きさの孔に関して上記範囲内とする。
図9は本発明の第5実施例を示す孔あきタイヤ10であ
って、ベース部2とトレッド部3との間に3層の略三角
形状の孔4a、4b、4cを配置したものである。
【0020】図10は本発明の第6実施例を示す孔あき
タイヤ11の巾方向断面図であって、本タイヤ11はベ
ース部2を金属製の円筒状のベースバンドで形成したも
のであり、クッション部6には上記範囲の孔4が穿設さ
れる。
【0021】なお、これら孔の形状は上記実施例に限定
されるものではなく、例えば楕円や四角形、または丸と
多角形を交互に配置すること等、様々なパターンが考え
られる。また、孔層が2層以上の場合、それぞれの層に
穿設された孔は同数とする必要はない。
【0022】図11は第1実施例の変形例1’を示すタ
イヤの部分斜視図であり、孔4a、4b、4a’、4
b’間のゴム材を外方へ突出させた膨出部51a、51
b、51a’、51b’に形成している。このため孔間
のゴム材の強度が上がり、亀裂発生、座屈の防止に優れ
た効果を発揮することができると共に、スラスト方向の
剛性が上がり、旋回時の操縦安定性に優れる。
【0023】
【実験例1】より最適な孔あきタイヤを、その孔形状を
限定することにより求めるため、種々の大きさの孔に基
づき実験を行った。その結果を表1に示す。なお、本実
験では孔の大きさを孔間のゴム材の大きさに置き換えて
それぞれ実施例及び比較例にて測定、評価した。
【0024】
【表1】
【0025】(1)試料の作成 タイヤサイズ7.00−12のタイヤを想定して図12
のような1ピッチ当たりのゴム材試料を作成した。図中
pは孔のピッチ、aは孔間のゴム材の周方向長さ、bは
孔の深さ、hは孔の軸方向長さ、Hはタイヤ幅方向長さ
である。 (2)孔間のゴム材のバネ定数 作成した1ピッチ当たりの試料に1トンの荷重を加えた
ときのたわみからこのゴム材試料のバネ定数を算出し
た。 (3)ゴム試料のたわみ 試料のバネ定数からサイズ7.00−12のタイヤとし
てのたわみを図13のグラフに基づき求めたものであ
る。なお、図13は1ピッチのゴム材試料のバネ定数と
2.5トン負荷時の試料のたわみを示したものであり、
ゴム材のバネ定数が高いと、2.5トンの負荷を1ピッ
チのゴム材で負担するが、バネ定数が低くなるにつれ、
荷重を負担するゴム材が増えるのであり、図中(イ)は
1ピッチのゴム材で、(ハ)は2ピッチのゴム材で、
(ロ)はその中間でそれぞれ荷重を負担した場合を示し
てある。 (4)評価法 表1の各試料が図13より算出したたわみと同量のたわ
みになるように荷重を加えた際の試料の状態を観察し、
評価を示したものであり、比較例10、11は孔間のゴ
ム材が座屈をおこした。
【0026】
【実験例2】上記ゴム試料による実験のうち、実施例
2、3、4、5、9について実際にタイヤサイズ7.0
0−12、孔数30の孔あきタイヤを作成し、フォーク
リフトに装着して、実車での走行試験を行った。また比
較例として同サイズのタイヤを作成し、実車試験を行っ
た。この結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】(1)試験方法 実施例の試験は、フォークリフトに装着したタイヤに1
本当たり2500kgの荷重をかけた状態で、時速16km
で走行した。比較例の試験は通常使用状態、すなわちタ
イヤ1本当たりの荷重が470kg〜1440kg、時速4
km〜8kmで走行試験した。 (2)タイヤのバネ定数 実施例2,3,4,5,9のタイヤのバネ定数を測定
し、この値と実験1の1ピッチのゴム試料とのバネ定数
の関係を図14に示した。これによると、両者は互いに
相関しており、1ピッチのゴム材試料のたわみがタイヤ
全体のたわみと関連していることが分かった。なお図中
sは同サイズのソリッドタイヤのバネ定数である。 (3)評価 各実施例及び比較例の孔回りのゴム材について、欠点発
生の有無を観察した。実施例2、3、4、5は8時間
(480分)走行で異常は見られなかったが、実施例9
は7時間20分(440分)走行で、孔が圧縮されて出
来るしわによる亀裂が発生し、更に孔間のゴム材が裂け
た。また比較例は800時間走行で孔の接地側部分に亀
裂が発生した。
【0029】表1の結果を図15のグラフに表す。グラ
フ内の線B未満、線D以上が本発明の孔あきタイヤの好
ましい範囲である。表1の実施例は全てこの範囲内であ
る。図中線Bはh/a=3.0であり、この値以上では
孔間のゴム材が座屈し、急にたわみが大きくなって操縦
性が不安定になる。線Dはa/p=20%であり、この
値を下限としてa/p≧20%とすることにより、ゴム
材に引っ張りの力が集中し、該部のゴムが裂けることを
効果的に抑制することとなった。
【0030】図中線Aはh/a=0.75で有り、この
値以下のものはゴム材にしわが発生する他、図14に示
すように本発明の孔あきタイヤのバネ定数が約1500
kg/cm以上、即ち孔間のゴム材のバネ定数が3000kg
/cm以上となって、孔あきタイヤとしてのバネ定数に劣
ることがあるので、ゴム硬度等の他の条件を適正に設定
する必要がある。線Cはa/p=72.5%であり、ク
ッション部のゴムへの亀裂発生を抑制するラインであ
り、この値以上では孔から接地面側へ亀裂が発生するこ
とがある。一定負荷条件に於いて、ゴムの耐久性はゴム
硬度(剛性)に依存し、ゴム硬度が低いと耐久性が低
く、ゴム硬度が高くなるに従い耐久性も向上しやがてピ
ークを迎えるが、ピーク値以上のゴム硬度となると耐久
性が低下することが知られている。実験2の比較例で
は、ピーク値以上のゴム硬度であるため耐久性が悪く亀
裂が発生した。そこで文献及び該実験結果より耐久性を
考慮したa/pは、適正硬度のゴムを想定するとa/p
≦72.5%の範囲とすることが好ましい。一方、実験
2の実施例9はゴム硬度が低いためたわみが大きく、走
行試験の旋回時に図16に示すようなスラスト方向の負
荷Fがかかった場合、接地側のクッション部のゴムが異
常に変形し、ゴム材5aが裂けた(図中V)。なお図中
Gは地面である。しかしゴム硬度を適正に想定すれば実
施例2、3、4、5の如く何ら問題はない。
【0031】
【発明の効果】本発明の非空気式タイヤは、多数の孔を
設けているため、ゴム材料をソリッドタイヤに比べ低減
でき、また成形加硫時、金型よりゴム内部に熱が伝わり
易いためソリッドタイヤに比べ加硫時間が大幅に短縮で
き、経済的にも優れた非空気式タイヤを提供できる。
【0032】図17及び図18は本発明の孔あきタイヤ
とソリッドタイヤに静荷重及びネジリトルクをかけた時
のたわみ及びネジレ角を示すグラフであり、図17に示
すようにタイヤに縦方向の荷重を加えた際のたわみは両
者ともほぼ変わりないが、図18に示すようにトルク荷
重については本発明の孔あきタイヤが柔らかいことを示
しており、ソフトな乗り心地が得られる。一方、図19
は両タイヤに軸方向の荷重を加えた際のたわみを比較し
たグラフであるが、グラフに示すように孔あきタイヤの
方がたわみが少ないのであり、本発明の孔あきタイヤは
スラスト力に対して安定しており、旋回時の操縦安定性
に優れている。
【0033】多数の孔が穿設してあるため、タイヤの内
部発熱を効果的に外部に放熱、拡散することができ、タ
イヤのバーストを防止し、耐久性に優れた空冷タイヤと
なった。また、本発明の孔あきタイヤは全周に亘って孔
間のゴム材及びウェブを形成しているため、タイヤのト
レッドが磨耗し孔部分が接地面に露出しても、これら孔
間のゴム材部分がトレッド、孔部分が溝としての働きを
するため、安全上支障のない限りそのまま使用すること
が可能であり、経済性に優れたものとなった。
【0034】本発明の非空気式タイヤはパンクのおそれ
がなく、操縦安定性を維持しながらクッション性を高め
て、ソフトな乗り心地である。一方、スラスト方向の剛
性も備えているため、高荷重時でも走行性、旋回性に優
れており、作業者においても安心且つ安全である。
【0035】更に、本発明の非空気式タイヤは、タイヤ
の左右両側面に穿設した孔を、孔の軸方向長さ(h)と
隣接する孔間の周方向長さ(a)の関係をh/a<3.
0としたことにより、座屈現象を防止し、操縦安定性及
び耐久性に優れたタイヤを提供することが可能となり、
孔のピッチ(p)に対する上記孔間の周方向長さ(a)
の割合をa/p≧20%としたことにより、孔間のゴム
材に集中する機体旋回時の引っ張り力からの耐久性を向
上させ、該部からの亀裂発生を防止することが可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非空気式タイヤの斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】タイヤ巾方向断面図の変形例である。
【図5】タイヤ巾方向断面図の変形例である。
【図6】本発明の非空気式タイヤの第2実施例を示す正
面図である。
【図7】本発明の非空気式タイヤの第3実施例を示す正
面図である。
【図8】本発明の非空気式タイヤの第4実施例を示す正
面図である。
【図9】本発明の非空気式タイヤの第5実施例を示す正
面図である。
【図10】本発明の第6実施例を示すタイヤ巾方向断面
図である。
【図11】本発明の第1実施例の変形例を示す部分斜視
図である。
【図12】実験で使用するゴム試料を説明するもので、
Aは正面図、BはY−Y線断面図である。
【図13】実験で使用するゴム試料のバネ定数と、2.
5トン負荷時の7.00−12のタイヤとしての試料の
たわみの関係を示したグラフである。
【図14】1ピッチのゴム試料とタイヤ全体との各バネ
定数の関係を示したグラフである。
【図15】表1の値をグラフに示したものである。
【図16】旋回走行時の接地側ゴムの状態を示す断面図
である。
【図17】タイヤの縦方向荷重とタイヤのたわみ変形の
関係を本発明の非空気式タイヤとソリッドタイヤとで比
較したグラフである。
【図18】タイヤのネジリトルクをかけた時のネジレ角
を示すグラフである。
【図19】タイヤの軸方向荷重とタイヤのたわみ変形の
関係を本発明の非空気式タイヤとソリッドタイヤとで比
較したグラフである。
【図20】本発明の非空気式タイヤの適切なゴム定数の
範囲を示したグラフである。
【図21】本発明の作用を説明するタイヤ側面図であ
る。
【符号の説明】
1 孔あきタイヤ 2 ベース部 3 トレッド部 4a、4b 孔 5a、5b 孔間のゴム材 51a、51b、51a’、51b’ 膨出部 6 クッション部 K ウェブ R リム S ビードワイヤー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非空気式タイヤに於いて、該タイヤの左
    右両側面に多数の孔を円周状に穿設すると共に、これら
    隣接する孔間は一定幅にゴム材が介在するものとなし、
    且つ穿設される孔の数を、15個以上の孔とすると共
    に、孔の軸方向長さ(h)と隣接する孔間の周方向長さ
    (a)の関係(h/a)を、h/a<3.0、孔のピッ
    チ(p)に対する上記孔間の周方向長さ(a)の割合
    (a/p)を、a/p≧20%としたことを特徴とする
    非空気式タイヤ。
  2. 【請求項2】 孔部を設けたゴム部のゴム硬度を硬度6
    0〜80度としたことを特徴する請求項1記載の非空気
    式タイヤ。
  3. 【請求項3】 穿設される孔の深さ(b)とタイヤ幅
    (H)の割合をb/H>17%としたことを特徴とする
    請求項1または2に記載の非空気式タイヤ。
  4. 【請求項4】 タイヤのバネ定数を1500kg/cm
    未満としたことを特徴する請求項1〜3いずれかに記載
    の非空気式タイヤ。
  5. 【請求項5】 孔間のゴム材のバネ定数を3000kg
    /cm未満としたことを特徴する請求項1〜4いずれか
    に記載の非空気式タイヤ。
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