[スロットマシンの外観構成]
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す図である。なお、本実施形態においては、3リール式のスロットマシンについて本発明を適用しているが、本発明は、これに限られることなく、9リール式や液晶リール式など、如何なる形式のスロットマシンにも適用可能である。
図1において、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1は、箱形形状を呈しているマシン本体2と、このマシン本体2に対して開閉自在に取り付けられている前扉3と、を備えている。
前扉3の中央部には、正面パネル4が装着されている。この正面パネル4の主要部には、3つの表示窓5a,5b,5cが横一列に並んだ状態で開口形成されており、これら各表示窓5a〜5cに対して、回転リール6a,6b,6cの3つがマシン本体2内に配置されている。回転リール6a〜6cの外周囲には、複数種類の図柄が周方向に沿って描かれている。なお、これらの図柄は、複数種類の役に対応するもので、各表示窓5a〜5cを通して3つずつ観察される。
表示窓5cの右側には、遊技の演出に関連する情報の表示を行う表示手段の一例として、遊技の演出に関連する情報の表示を行うLCD7が設けられている。なお、このLCD7は、遊技中に視認可能となるように、各表示窓5a〜5cの周囲に配設されていればどこでもよく、例えば、正面パネル4における表示窓5bの上側や、後述する上パネル9に配設されていてもよい。これにより、遊技者は、スロット遊技の途中においてもLCD7に表示された画像が視認容易となり、ひいてはLCD7に表示される画像と、後述する透明LCD(透明液晶パネル)50に表示される画像と、の一体性を向上させることが可能になる。
表示窓5a〜5cの前方には、画像を表示可能な表示手段の一例として、その表示窓5a〜5cを介して回転リール6a〜6cを視認可能とする、透明LCD50が配設されている。
左表示窓5aの左側には、表示窓5a〜5c上を通過する上段,中段,下段について横方向の3本と、斜め方向の2本と、の合わせて5本の賭けラインのうち、何れの賭けラインが有効化されているかを表示するための賭けライン表示ランプ8が配置されている。
前扉3の上部には、上パネル9が装着されている。この上パネル9の主要部には、遊技状況に応じて予め定める態様で点灯する演出ランプ群10が設けられている。一方、前扉3の下部には、機種名及びイメージデザインが印刷された下パネル11が装着されている。
正面パネル4の下方には、操作部12が設けられている。この操作部12には、メダル投入口13、ベットボタン14、始動レバー15、停止ボタン16a,16b,16c、及びクレジット/精算切替ボタン17が備えられている。
ベットボタン14は、遊技媒体としてのメダルの賭け枚数(遊技者の賭け量)を設定するために、メダルをメダル投入口13から投入することに代えて用いられるもので、予め内部的にメダルをクレジットしておき、ベットボタン14を押圧する回数により何枚賭けるかを設定することができる。すなわち、遊技者が、賭けようとするメダルの賭け枚数分に応じてベットボタン14を押圧操作すると、そのメダル賭け枚数に対応する有効ラインが設定され、そのメダル賭けメダル枚数に対応する賭けライン表示ランプ8が点灯する。
有効ラインの数は、メダル投入口13から投入されたメダルの枚数又はベットボタン14の押圧操作回数によって異なる。より具体的には、1回の操作では、表示窓5a〜5cの中段において水平に伸びる1本のラインが有効ラインの対象となる。2回の操作では、上記1本のラインに、表示窓5a〜5cの上下段において水平に伸びる2本のラインを加えた、3本のラインが有効ラインの対象となる。3回の操作では、上記3本のラインに、表示窓5a〜5cの対角線上の2本のラインを加えた、5本のラインが有効ラインの対象となる。なお、4回以上の操作は無効となる。
上記手順に則して有効ラインが設定されると、遊技を開始する条件が整う。そして、この状態において、遊技者が始動レバー15をON操作すると、各回転リール6a〜6cが回転始動する。
各停止ボタン16a〜16cは、各回転リール6a〜6cに対応して配置されている。これらの停止ボタン16a〜16cを押圧操作すると、その押圧操作に対応する回転リール6a〜6cの回転が停止する。そして、この回転リール6a〜6cの停止によって停止表示された図柄の組み合わせと、予め定める役の入賞を示す図柄の組み合わせと、が、有効ライン上で揃った場合には、ホッパー21(図3参照)により、その組み合わせの重み(入賞役の種類)に従って、予め定められている枚数のメダルが放出口18から受け皿19に払い出される。
クレジット/精算切替ボタン17は、メダルのマニュアル投入モードとクレジットモードとを互いに切り替える際に使用される。また、下パネル11の下方には、メダル放出口18、及びメダル受け皿19、並びに遊技状況に応じて予め定める態様で効果音を発するスピーカー20が設けられている。
[スロットマシンの電気的構成]
図2は、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
図2において、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1に内蔵された制御装置100は、スロットマシン1全体を制御する主制御部(メイン基板)200と、この主制御部200と連携して遊技の演出(画像や音による演出を含む)を制御する副制御部(サブ基板)300と、主制御部200と副制御部300とを中継するI/Oポート400と、を備えている。なお、副制御部300は、I/Oポート400を介して、主制御部200からのワンウェイ通信で接続されており、主制御部200のみからアクセス可能となっている。
図3は、図2に示す主制御部200の電気的構成を示すブロック図である。
図3において、主制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、クロックパルス発生回路204と、乱数発生器205と、モーター駆動制御回路206と、ホッパー駆動制御回路207と、ランプ駆動制御回路208と、バックアップ電源209と、を備えている。
CPU201は、スロットマシン1の制御部中枢を司るものであって、ROM202に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。このCPU201の制御対象は、各回転リール6a〜6cの駆動源であるステッピングモーターMA,MB,MC、メダルの貯留・放出を行うホッパー21、賭けライン表示ランプ8及び演出ランプ群10である。これら各制御対象要素に対する制御信号は、それぞれ、モーター駆動制御回路206、ホッパー駆動制御回路207及びランプ駆動制御回路208を介して、CPU201から与えられる。
CPU201には、ベットボタン14,始動レバー15,停止ボタン16a〜16c,クレジット/精算切替ボタン17の操作信号と、メダル投入検知センサー501,メダル排出検知センサー502のセンサー出力と、回転位置検出回路503の回転位置検出信号と、が与えられる。
停止ボタン16a〜16cの操作信号は、リール停止信号処理回路601により所定の処理が施された後、リール停止信号としてCPU201に入力される。
メダル投入検知センサー501は、メダル投入口13から投入されたメダルを検出するものであって、メダル投入口13に関連して設けられている。一方、メダル排出検知センサー502は、メダルの排出を検出するものであって、ホッパー21のメダル放出位置に関連して設けられている。このメダル排出検知センサー502のセンサー出力は、メダル排出完了信号処理回路602により所定の処理が施された後、メダル排出完了信号としてCPU201に入力される。
回転位置検出回路503は、各回転リール6a〜6cの回転位置を検出するものであって、各ステッピングモーターMA〜MCに対して出力されたパルス数を計数する計数器や、各回転リール6a〜6cに設けられるとともに前記計数器で計数されたパルス数をリセットするための信号を出力する光センサーなどを含んでいる。
遊技を開始する前に、遊技者によりメダル投入口13にメダルが投入され、その検出信号が入力されるか、或いは、ベットボタン14が押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU201は、入力された操作信号が示す値に応じた枚数のメダルを賭け対象としてスロットマシン1に投入させる。
遊技を開始するために、遊技者により始動レバー15がON操作され、その操作信号が入力されると、CPU201は、全回転リール6a〜6cの回転を開始させるべく、モーター駆動制御回路206を介してステッピングモーターMA〜MCに始動信号を出力する。そうすると、回転リール6a〜6cの回転が開始される。その結果、表示窓5a〜5c内において、回転リール6a〜6cの図柄が変動表示される。
回転リール6a〜6cの回転を停止させるために、遊技者により停止ボタン16a〜16cが押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU201は、操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させるべく、モーター駆動制御回路206を介してステッピングモーターMA〜MCに停止信号を出力する。そうすると、回転リール6a〜6cの回転が停止する。その結果、表示窓5a〜5c内において回転リール6a〜6cの図柄が停止表示される。
ROM202は、スロットマシン1を制御してメダルを払い戻すための遊技プログラム、このプログラムで用いる変数の初期値、入賞図柄の組み合わせと乱数との対応関係を示すデータ群などを記憶している。
上記遊技プログラムには、通常遊技において、始動レバー15がON操作されることを契機に持ち越し役としてのボーナス役及び非持ち越し役としての小役やリプレイ役からなる複数種類の役を抽選対象として当該役の当選フラグの成立に関する内部的な役抽選(内部抽選)を行うための手順を示すステップと、ボーナス役(例えばビッグボーナス役、レギュラーボーナス役など)の当選フラグが成立したときには入賞が果たされるまで次ゲームへとこの当選フラグを持ち越し、小役及びリプレイ役の当選フラグが成立したときには成立したゲームにおいて入賞が果たされなくてもその当選フラグを消去し次ゲームに持ち越さない制御を行うための手順を示すステップと、何らかの役の当選フラグが成立しているゲームにおいて、各停止ボタン16a〜16cが押圧操作されることを契機に有効ライン上に当選フラグが成立している役の入賞を構成する図柄の組み合わせで各回転リール6a〜6cが停止し易いように制御を行うための手順を示すステップと、何れの役の当選フラグも成立していないゲームにおいて、各停止ボタン16a〜16cが押圧操作されることを契機に有効ライン上に何れの役の入賞をも構成しない図柄の組み合わせとなるように各回転リール6a〜6cを停止する制御を行うための手順を示すステップと、何らかの役の当選フラグが成立している場合のゲームにおいて、各停止ボタン16a〜16cが押圧操作されることを契機に有効ライン上に当選フラグが成立している役以外の役の入賞を構成する図柄の組み合わせで各回転リール6a〜6cが停止しない制御を行うための手順を示すステップと、が含まれている。
ボーナス役などの入賞を構成する図柄が有効ライン上に停止するか否かは、例えば回転位置検出回路503による回転リールの図柄の位置信号と停止ボタンによる回転リールの停止操作のタイミングとROM202に格納されているリール停止テーブルにより判定することができる。ここでリール停止テーブルとは、回転リールの停止制御に用いられるもので、当選フラグの有無、当選フラグの役の種類などにより複数用意されており、停止ボタンの操作タイミングにより、回転リールの滑りコマ数(停止ボタンが操作されてから図柄が停止するまでの移動する図柄の個数)を規定し、何れの図柄を表示窓内(有効ライン上)に停止させるかを決定するために用いられるテーブルである。
RAM203は、CPU201と互いにインターフェイスをとっており、CPU201のワーキングエリアとして機能する。換言すると、RAM203では、制御に必要なフラグ(例えば、ボーナス役の当選フラグを含む複数種類の役の当選フラグ)や変数の値の書き込み及び読み出しがランダムに行われる。なお、RAM203は、停電時に備えるため、バックアップ電源209によりバックアップされている。
上記ボーナス役は、上述したように、内部抽選で当選フラグが成立した場合には、その入賞が果たされるまで、次ゲームへと持ち越される役であり、フラグ持ち越し手段により入賞となるまで記憶されている。すなわち、RAM203の特別役フラグの特定領域に記憶されて管理される。一方、小役やリプレイ役の当選フラグが内部抽選で成立した場合には、成立したときのゲームで入賞が果たされないときは、次ゲームにその当選フラグを持ち越すことなく消滅するようになっている。
クロックパルス発生回路204は、基準クロックパルスを発生させるためのものであって、発生させたクロックパルスをCPU201に供給する。
乱数発生器205は、内部抽選に用いる乱数をそれぞれ所定の範囲の中から任意に抽出するものであって、抽出した乱数をCPU201に供給する。具体的には、乱数を発生させるためのコマンドがCPU201から乱数発生器205に対して与えられると、乱数発生器205は、所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号を出力する。乱数が乱数発生器205から入力されると、CPU201は、その乱数に対応する図柄の組み合わせを定めるために、ROM202に記憶されているデータ群を検索し、その組み合わせに対応した数値を代入する。
ホッパー駆動制御回路207は、CPU201からの指示信号に基づいて駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をホッパー21に与える。その結果、ホッパー21が駆動され、放出口18からメダルが払い出される。
ランプ駆動制御回路208は、CPU201からの指示信号に基づいて駆動制御信号を生成し、この生成した駆動制御信号を賭けライン表示ランプ8及び演出ランプ群10に与える。その結果、賭けライン表示ランプ8及び演出ランプ群10が点灯又は消灯する。
主制御部200の制御の結果としての遊技状況は、I/Oポート400を介して、副制御部300に全てコマンドとして送信される。換言すると、CPU201は、スロットマシン1において何らかの事象が発生する度に、その事象に応じたコマンドをI/Oポート400を介して副制御部300へ送信する。具体的には、CPU201は、主制御部200内の各要素に送った各種の制御信号と、主制御部200内の各要素から受け取った各種の信号と、RAM203に設定した各種のフラグと、内部抽選の結果に応じたコマンドと、役の入賞判定の結果に応じたコマンドと、をI/Oポート400を介して副制御部300へ送信する。これらの信号、フラグ及びコマンドに基づいて、副制御部300は、各種の処理を行う。
図4は、図2に示す副制御部300の電気的構成を示すブロック図である。
図4において、副制御部300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、EEPROM304と、音出力制御回路305と、VDP307と、キャラクタROM308と、VRAM309と、LCD駆動制御回路310と、を備えている。
CPU301は、副制御部300の制御中枢を司るものであって、I/Oポート400を介して送られてきた、主制御部200からのコマンドに従って所定のプログラム処理を実行する。このCPU301の制御対象は、透明LCD50、LCD7、及びスピーカー20である。透明LCD50及びLCD7に対する制御信号はVDP307及びLCD駆動制御回路310を介して、スピーカー20に対する制御信号は音出力制御回路305を介して、それぞれCPU301から与えられる。
ROM302には、透明LCD50やLCD7に画像を表示させるためのプログラムや、画像演出パターンに関する抽選テーブルなどが記憶されており、キャラクタROM308には、複数種類の演出画像などが記憶されている。ここで、画像演出パターンとは、各演出時において、前記複数種類の演出画像のうち、どの演出画像を使用するのか、また、その演出画像を、透明LCD50及びLCD7のうちのどの表示装置で表示するのかを定めたものであり、スロットマシン1にはこのような画像演出パターンが複数用意されている。なお、透明LCD50及び/又はLCD7で表示される複数種類の演出画像や、その演出パターンには、内部抽選の抽選結果に基づいた告知演出を行うための告知演出画像や告知演出パターンが含まれている。RAM303は、CPU301と互いにインターフェイスをとっており、CPU301のワーキングエリアとして機能する。すなわち、このRAM303では、データ等の書き込み及び読み出しがランダムに行われる。
EEPROM304は、スロットマシン1の遊技履歴を蓄積して記憶する。このEEPROM304に蓄積された情報は、所定の加工が施された後、遊技の履歴に関連する情報として遊技者に提供される。なお、遊技履歴は、日単位、週単位、又は月単位で更新される。
音出力制御回路305及びVDP307に対するCPU201からの制御信号は、I/Oポート400及びCPU301を経由して受け渡される。それゆえ、音出力制御回路305は、CPU301からの指示信号に基づいて音出力信号を生成し、この生成した音出力信号をスピーカー20に与える。その結果、スピーカー20は効果音を発する。VDP307は、CPU301からの指示信号を基にキャラクタROM308を参照し、この参照結果に基づいて透明LCD50及び/又はLCD7に表示するための画像データを生成する。VDP307により生成された画像データは、VRAM309上で展開され、その後、VDP307に読み出されてLCD駆動制御回路310に与えられる。その結果、LCD駆動制御回路310は、VDP307から与えられた画像データに基づいて、透明LCD50及び/又はLCD7の表示面に所定の演出画像が表示されることとなる。
ここで、CPU301は、主制御部200からI/Oポート400を介して送られてきた内部抽選の結果に応じた情報やLCD画像表示指令情報などを取得すると、(内部抽選の結果に基づき)VDP307を介してキャラクタROM308から特定の画像演出パターンに係る演出画像を読み出し、LCD駆動制御回路310を介して透明LCD50及び/又はLCD7に制御信号(指示信号)を送信する。
また、CPU301は、ROM302に格納された画像演出パターンに関する抽選テーブルを読み出し、RAM303をワーキングエリアとしつつ、演出画像の表示に用いる表示手段を透明LCD50及び又はLCD7から選択することに加えて、その表示手段で表示する画像演出をキャラクタROM308に記憶された演出画像から選択するための抽選を行う。さらに、CPU301は、この抽選の抽選結果によって演出画像を表示することが決定した表示手段について、演出画像の表示タイミングを制御する。
以上説明したように、本実施形態では、演出パターン抽選手段、タイミング制御手段、並びに表示制御手段としての機能を副制御部300に設けているが、本発明はこれに限られず、これらの機能を主制御部200に設けることとしてもよい。
[演出パターン抽選]
図5は、前記演出画像を決定する画像演出パターンに関する抽選テーブルの一例を示す図である。なお、本実施形態では、LCD7に表示される演出画像は全部で3種類(A〜C)あり、透明LCD50に表示される演出画像も全部で3種類(D〜F)あるものとする。
図5によれば、LCD7に演出画像A〜Cが表示されたり(演出パターン1〜3)、透明LCD50に演出画像D〜Fが表示されたり(演出パターン4〜6)、LCD7に演出画像A〜C及び透明LCD50に演出画像D〜Fが表示されたり(演出パターン7〜15)、LCD7及び透明LCD50に演出画像が何も表示されなかったりする(演出パターン16)。このように、LCD7と透明LCD50で行われる画像演出を個別的に変化させることで、演出表現のバリエーションを多様化でき、その結果、視覚的ゲーム性を高めることができる。
ここで、LCD7に演出画像A〜Cが表示された場合には、当選信頼度を20%とし、透明LCD50に演出画像D〜Fが表示された場合には、当選信頼度を30%とし、LCD7に演出画像A〜C及び透明LCD50に演出画像D〜Fが表示された場合には、当選信頼度を50%とし、LCD7及び透明LCD50に演出画像が何も表示されなかった場合には、当選信頼度を0%としている(図5の右欄)。このようにすることで、演出画像が表示される表示手段によって間接的に当選信頼度(ボーナス期待度)を遊技者に報知することができ、ひいては遊技の興趣を高めることができる。
なお、図5では、演出画像が表示される表示手段が増えるに従って、当選信頼度が向上するようなテーブル設定としたが、本発明はこれに限られず、演出画像が表示される表示装置が増えるに従って、当選信頼度が下がるようなテーブル設定としてもよい。また、LCD7に演出画像A〜Cが表示された場合には当選信頼度を全て20%としたが、本発明はこれに限られず、例えば、LCD7に演出画像Aが表示された場合には当選信頼度を5%とし、LCD7に演出画像Bが表示された場合には当選信頼度を7%とし、LCD7に演出画像Cが表示された場合には当選信頼度を13%としてもよい。
また、図5においては、LCD7で表示される画像としては演出画像A,B,Cが割り当てられる一方、透明LCD50で表示される画像としては演出画像D,E,Fが割り当てられているが、表示される演出画像として、LCD7及び透明LCD50の双方に共通する演出画像を設け、それらがどの表示装置で表示されるかということのみにより、当選信頼度を報知するようにしてもよい。
具体的には、上記実施形態では、2つのLCD7,50にそれぞれA〜C及びD〜Fの6種類の演出画像データを用いて16通りの演出態様(図5参照)を表現し得るものであるが、このように、演出画像を2つのLCDで共通して用いる場合には、3種類の演出画像データで同様の16通りの演出画像を表現でき、少ない画像データであっても多種多様の画像演出を遊技者に提供することができる。また、表示タイミングによるバリエーションを加えれば、より多くの画像演出を提供することができる。
さらに、本実施形態では、図5のテーブルを用いて、演出画像の表示に用いる表示装置と、その表示装置で表示させる演出画像とを一度の抽選により決定しているが、演出画像の表示に用いる表示装置を決定するためのテーブルと、演出に用いる演出画像を決定するためのテーブルとを設け、両者を別々に選択するようにしてもよい。
図6は、画像演出全体の表示時間を前半と後半の2期間に分割した場合において透明LCD50とLCD7に表示される演出画像が決定される様子を示す図である。
図6によれば、画像演出全体の表示時間が前半と後半に分かれており、それぞれのタイミングで、個別的に表示手段において表示する演出画像の抽選が行われる。すなわち、前半でLCD7に演出画像Aが表示され、後半で透明LCD50に演出画像Dが表示されたり(図6の演出パターン1)、前半で透明LCD50に演出画像Dが表示され、後半でも同じく透明LCD50に演出画像Fが表示されたり(図6の演出パターン2)、前半でLCD7に演出画像Aが表示され、後半でLCD7に演出画像A及び透明LCD50に演出画像Dが表示されたり(図6の演出パターン3)、前半でLCD7に演出画像A及び透明LCD50に演出画像Dが表示され、後半でLCD7に演出画像Aが表示されたり(図6の演出パターン4)、前半でLCD7に演出画像Bが表示され、後半でLCD7に演出画像B及び透明LCD50に演出画像Eが表示されたり(図6の演出パターン5)、前半でLCD7に演出画像B及び透明LCD50に演出画像Eが表示され、後半で透明LCD50に演出画像Eが表示されたりする(図6の演出パターン6)。
ここで、図6の演出パターン1又は演出パターン2に示すような表示がなされた場合には、当選信頼度を20%とする。すなわち、前半においても後半においても、LCD7と透明LCD50の双方で演出画像が表示されない場合には、当選信頼度を20%とする。
一方で、図6の演出パターン3ないし演出パターン6に示すような表示がなされた場合には、当選信頼度を80%とする。すなわち、前半或いは後半のいずれか一方において、LCD7と透明LCD50の双方で演出画像が表示された場合には、当選信頼度を80%とする。
このように、演出画像をLCD7又は透明LCD50に表示するにあたって、経時的要素を取り込み、表示タイミングを前半又は後半のいずれかの期間に合わせ、各演出パターンと当選信頼度をリンクさせることで、遊技者の役抽選に対する期待感を膨らませることができる。
図7は、画像演出全体の表示時間を第1期間,第2期間,第3期間の3期間に分割した場合において透明LCD50とLCD7に表示される演出画像が決定される様子を示す図である。
図7によれば、画像演出全体の表示時間が第1期間,第2期間,第3期間の3期間に分かれており、それぞれのタイミングで、個別的に画像演出パターンの抽選が行われる。すなわち、第1期間でLCD7に演出画像Aが表示され、第2期間でLCD7に演出画像Bが表示され、第3期間でLCD7に演出画像Aが表示される(図7の演出パターン1)。以下、図6で説明したのと同様、LCD7と透明LCD50に様々な演出画像が表示される(図7の演出パターン2以降参照)。このように、演出画像をLCD7又は透明LCD50に表示するにあたって、経時的要素を取り込み、表示タイミングを第1期間,第2期間,第3期間のいずれかの期間に合わせることによって、スロットマシンの視覚的ゲーム性を高めることができる。なお、図6で説明したのと同様、各演出パターンと当選信頼度をリンクさせることで、遊技者の役抽選に対する期待感を膨らませることができる。
図8は、内部抽選の結果に基づいて透明LCD50とLCD7に表示される演出画像が決定される様子を示す図である。なお、画像演出全体の表示時間は、前半と後半に分かれている。
図8によれば、内部抽選がハズレであった場合には、前半と後半それぞれにおいて、LCD7か透明LCD50のいずれか一方に演出画像が表示される。例えば、前半ではLCD7に演出画像Aが表示され、後半ではLCD7に演出画像Bが表示される(図8上から3段目の演出パターン参照)。また、内部抽選が当選(当たり)であった場合には、前半と後半のいずれか一方において、LCD7及び透明LCD50の双方に演出画像が表示される。例えば、前半ではLCD7に演出画像Aが表示され、後半ではLCD7に演出画像A及び透明LCD50に演出画像Dが表示される(図8下から4段目の演出パターン参照)。
そして、前半においても後半においても、LCD7と透明LCD50の双方で演出画像が表示されない場合(内部抽選がハズレであった場合)には、当選信頼度を20%とする。一方で、前半或いは後半のいずれか一方において、LCD7と透明LCD50の双方で演出画像が表示された場合(内部抽選が当選であった場合)には、当選信頼度を80%とする。
このように、演出画像をLCD7又は透明LCD50に表示するにあたって、各演出パターンと当選信頼度をリンクさせることで、内部抽選の抽選結果に関する期待値を遊技者に対して間接的に報知することができ、遊技者の役抽選に対する期待感を膨らませることができる。
ここで、図8では、内部抽選の抽選結果に応じて演出画像が表示される表示手段の数を変えることで、内部抽選の抽選結果に関する期待値を報知することとしたが、本発明はこれに限られず、例えば、内部抽選の抽選結果に応じて役の成立に関する抽選に当選したことを告知する告知演出画像を表示することで、内部抽選の抽選結果に関する期待値を報知してもよい。
図9は、透明LCD50とLCD7に表示される演出画像が順次抽選で決定されるリンク抽選を説明するための図である。なお、図9では、第1次抽選(内部抽選)から第3次抽選までとしているが、本発明はこれに限られず、第m次抽選(m≧4)までとしてもよい。
図9によれば、主制御部200のCPU201及びROM202等によって行われる内部抽選の抽選結果に基づき、副制御部300のCPU301及びROM302等によってLCD7に関する第2次抽選が行われ、その後、再び副制御部300のCPU301及びROM302等によって透明LCD50に関する第3次抽選が行われる。
例えば、内部抽選の抽選結果がハズレであった場合において、第2次抽選によってLCD7に演出画像A−1が表示され、第3次抽選によって透明LCD50に演出画像D−1が表示される(図9上から2段目の演出パターン参照)。一方で、内部抽選の抽選結果が当選(当たり)であった場合において、第2次抽選によってLCD7に演出画像A−2が表示され、第3次抽選によって透明LCD50に演出画像D−2が表示される(図9下から4段目の演出パターン参照)。
そして、第2次抽選でLCD7に演出画像A−1、透明LCD50に演出画像D−1又はE−1が表示された場合(内部抽選がハズレであった場合)には、当選信頼度を10%とする。また、第2次抽選でLCD7に演出画像B−1、透明LCD50に演出画像D−1又はE−1が表示された場合(内部抽選がハズレであった場合)には、当選信頼度を15%とする。一方で、第2次抽選でLCD7に演出画像A−2、透明LCD50に演出画像D−2又はE−2が表示された場合(内部抽選が当選であった場合)には、当選信頼度を35%とする。第2次抽選でLCD7に演出画像B−2、透明LCD50に演出画像D−2又はE−2が表示された場合(内部抽選が当選であった場合)には、当選信頼度を40%とする。
このように、演出画像をLCD7→透明LCD50と順次表示する(リンク抽選を行う)にあたって、各演出パターンと当選信頼度をリンクさせることで、内部抽選の抽選結果に関する期待値を遊技者に対して間接的に報知することができ、遊技者の役抽選に対する期待感を膨らませることができる。
なお、図9では、LCD7に表示される演出画像を第2次抽選で、透明LCD50に表示される演出画像を第3次抽選で決定することとしたが、この順序を逆にすることもできる。すなわち、透明LCD50に表示される演出画像を第2次抽選で、LCD7に表示される演出画像を第3次抽選で決定することもできる。
[情報処理の流れ]
図10は、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1における情報処理(遊技フロー)の流れを示すフローチャートである。より具体的には、図10は、メダル投入から役の抽選及び演出パターンの抽選を経て、停止表示された回転リール6a〜6cが変動表示して再び停止表示するまでの遊技フローを説明するためのフローチャートである。
図10において、まず、遊技者がメダル投入口13に投入した所定枚数のメダルをメダル投入検知センサー501により検知したか否かを判断する(ステップS1)。なお、メダルを検知していないと判別した場合には、このステップS1は、投入されたメダルが検知されるまで繰り返し行われる。
次いで、ステップS1においてメダルが検知されると、検知されメダルの枚数に応じて有効ラインが設定され、それに応じて賭けライン表示ランプ8が点灯する(ステップS2)。
次いで、遊技者による始動レバー15のON操作が行われたか否かを、当該始動レバー15の操作に応じて発信された操作信号がCPU201に送信されたか否かにより判断する(ステップS3)。なお、始動レバー15のON操作が行われていない場合には、このステップS3は、始動レバー15がON操作されるまで繰り返し行われる。
次いで、内部抽選処理が行われる(ステップS4)。より具体的には、CPU201は、ROM202から読み出された遊技プログラムに基づき上記内部抽選を行う。
次いで、演出パターン抽選処理が行われる(ステップS5)。より具体的には、CPU201は、内部抽選の抽選結果に応じた情報、LCD画像表示指令情報、といった様々な情報を副制御部300のCPU301に対して送信する。これらの情報を受信したCPU301は、ROM302から画像演出パターンに関する抽選テーブルを読み出し、RAM302をワーキングエリアとしつつ、LCD7及び/又は透明LCD50に表示される演出画像の抽選を実行する。その後、CPU301は、所定のタイミングで、この抽選によって決定された特定の演出画像を、VDP307を介してキャラクタROM308から読み出し、LCD駆動制御回路310を介してLCD7や透明LCD50に制御信号を送信する。その結果、[演出パターン抽選]において述べたような画像演出が行われる(図5〜図8参照)。
次いで、CPU201は、内部抽選の抽選結果として役が成立したか否か(役成立のフラグが立ったか否か)を判断し(ステップS6)、役が成立したと判別したときには、後述する図11に示す遊技フローへ移行する。
一方で、役が成立していないと判別したときには、CPU201の指令に従い全回転リールの回転が開始される(ステップS7)。より具体的には、CPU201の指令に従い、モーター駆動制御回路206に対して各ステッピングモーターMA,MB,MCを作動させることによって、全ての回転リール6a,6b,6cを同時に回転始動させて回転リール上の図柄の変動表示を開始させる。
次いで、CPU201は、遊技者による停止ボタン16a,16b,16cの停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS8)、各停止ボタン16a,16b,16cの停止操作に基づいて送信される停止信号が当該CPU201において受信したことを受け、停止操作が行われたと判別したときに、さらに全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたか否かを判断する(ステップS9)。
なお、このステップS9における判断は回転位置検出回路による各回転リール6a,6b,6cの回転停止位置の検出した結果として送信される検出信号をCPU201が受信することにより行われる。また、ステップS8において、CPU201は、全ての停止ボタン16a,16b,16cが未だ操作されていないと判別したときには、繰り返しステップS8の判断を行う。同様に、ステップS9において、CPU201は、回転リール6a,6b,6cが未だ停止していないと判別したときには、繰り返しステップS9の判断を行う。
最後に、ステップS9において、全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたときには、本サブルーチンを終了し、一連の遊技が終了する。以下、ステップS6において、役が成立したと判別したときに移行する遊技フローについて説明する。
図11は、図10のステップS6において、役が成立したと判別したときに移行する遊技フローの一例を示すフローチャートである。より具体的には、図11は、図10のステップS6において判別された成立役が入賞して特別遊技状態に移行する過程を説明するためのフローチャートである。
図11において、まず、上述したステップS7(図10参照)同様、CPU201の指令に従い全回転リールの回転が開始される(ステップS11)。
次いで、CPU201は、遊技者による停止ボタン16a,16b,16cの停止操作によって全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたか否かを判断し(ステップS12)、各各停止ボタン16a,16b,16cの停止操作に基づいて送信される停止信号が当該CPU201において受信したことを受け、停止操作が行われたと判別したときに、さらに全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたか否かを判断する(ステップS13)。なお、ステップS12において、全ての停止ボタン16a,16b,16cが未だ操作されていないときには、繰り返しステップS12の処理が行われ、また、ステップS13において回転リール6a,6b,6cが未だ停止していないときには、繰り返しステップS13の処理が行われる。
次いで、ステップS13において、全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたときには、CPU201は、成立した役で入賞したか否かを判断する(ステップS14)。
より具体的には、CPU201は、回転リール6a,6b,6cの停止によって停止表示された図柄の組み合わせが、予め定める役の成立を示す図柄の組み合わせであるか否かを、回転位置検出回路503によって判断する。
次いで、ステップS14において、成立した役で入賞したと判別した場合には、CPU201は、ホッパー駆動制御回路207に駆動信号を送信してホッパー21を駆動させて所定枚数のメダルを払い出す制御を行う(ステップS15)。一方で、成立した役で入賞していないと判別した場合には、本サブルーチンを終了し、一連の遊技が終了する。
次いで、停止表示された図柄(及び停止図柄)の組み合わせが、特別役の入賞を示す図柄の組み合わせであるか否か、を判断する(ステップS16)。ステップS16において、特別役で入賞したと判別した場合には、特別遊技へと移行する一方で、特別役で入賞していないと判別した場合には、本サブルーチンを終了し、一連の遊技が終了する。なお、特別役で入賞していないと判別した場合において、ボーナス役フラグが立っている(成立している)ときには、このボーナス役フラグは次のゲームに持ち越されることとなる。
図12は、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1における他の情報処理(遊技フロー)の流れを示すフローチャートである。より具体的には、図12は、メダル投入から役の抽選及び演出パターンの抽選(LCD演出パターン抽選及び透明LCD演出パターン抽選)を経て、停止表示された回転リール6a〜6cが変動表示して再び停止表示するまでの遊技フローを説明するためのフローチャートである。
図12において、ステップS21〜ステップS24までの処理は、図10におけるステップS1〜ステップS4までの処理と同様であるので、その説明を省略する。
次いで、LCD演出パターン抽選処理が行われる(ステップS25)。より具体的には、CPU301は、内部抽選の抽選結果に応じた情報、LCD画像表示指令情報といった様々な情報をCPU201から受信し、ROM302に格納された抽選テーブルに基づきLCD7に表示される演出画像の抽選を実行し、この抽選によって決定された特定の演出画像をキャラクタROM308から読み出し、LCD駆動制御回路310を介してLCD7に制御信号を送信する。その結果、[演出パターン抽選]において述べたような画像演出が行われる(図9参照)。
次いで、透明LCD演出パターン抽選処理が行われる(ステップS26)。より具体的には、ステップS26と同様の処理である。すなわち、CPU301は、種々の情報に基づき透明LCD50に表示される演出画像の抽選を実行し、この抽選結果に基づきLCD駆動制御回路310を介して透明LCD50に制御信号を送信する。その結果、[演出パターン抽選]において述べたような画像演出が行われる(図9参照)。
このように、内部抽選(ステップS24)、LCD演出パターン抽選(ステップS25)、透明LCD演出パターン抽選(ステップS26)、という連鎖的な抽選(リンク抽選)を行うことで、LCD7で行われる画像演出パターンと透明LCD50で行われる画像演出パターンを決定する。
次いで、役の成立フラグが立ったか否か(ステップS27)、全回転リールの回転開始(ステップS28)、全停止ボタンが操作されたか(ステップS29)、全回転リールが停止したか(ステップS30)、の各処理が順次行われるが、上述したステップS6〜ステップS9(図10参照)と同様であるので、その説明を省略する。