以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。
[スロットマシンの外観構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す図である。なお、本実施形態においては、3リール式のスロットマシンについて本発明を適用しているが、本発明はこれに限られない
図1において、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1は、箱形形状を呈するマシン本体2と、このマシン本体2に対して開閉自在に取り付けられている前扉3と、を備えている。
前扉3の中央部には、正面パネル4が装着されている。この正面パネル4の主要部には、3つの表示窓5a,5b,5cが横一列に並んだ状態で形成されており、これら各表示窓5a〜5cに対して、回転リール6a,6b,6cの3つがマシン本体2内に配置されている。各回転リール6a〜6cの外周囲には、複数種類の図柄が周方向に沿って描かれている。なお、これらの図柄は、複数種類の役に対応するもので、各表示窓5a〜5cを通して3つずつ観察される。
右表示窓5cの右側には、遊技の演出に関連する情報の表示を行うLCD7が設けられている。このLCD7は、後述するチャンスゲームに関する抽選の途中経過や抽選結果を表示することができ、また、後述する押し順当てゲームが行われる旨を示唆することもできる。勿論、これらのゲームと関係して、又は無関係に、キャラクタ画像を用いた演出画像を表示することもできる。
左表示窓5aの左側には、表示窓5a〜5c上を通過する上段,中段,下段について横方向の3本と、斜め方向の2本と、の合わせて5本の賭けラインのうち、何れの賭けラインが有効化されているかを表示するための賭けライン表示ランプ8が配置されている。
前扉3の上部には、上パネル9が装着されている。この上パネル9の主要部には、遊技状況に応じて予め定める態様で点灯する演出ランプ群10が設けられている。一方、前扉3の下部には、機種名及びイメージデザインが印刷された下パネル11が装着されている。
正面パネル4の下方には、操作部12が設けられている。この操作部12には、メダル投入口13、ベットボタン14、始動レバー15、停止ボタン16a,16b,16c、及びクレジット/精算切替ボタン17が備えられている。
ベットボタン14は、遊技媒体としてのメダルの賭け枚数(遊技者の賭け量)を設定するために、メダルをメダル投入口13から投入することに代えて用いられるもので、予め内部的にメダルをクレジットしておき、ベットボタン14を押圧する回数により何枚賭けるかを設定することができる。すなわち、遊技者が、賭けようとするメダルの賭け枚数分に応じてベットボタン14を押圧操作すると、そのメダル賭けメダル枚数に対応する賭けライン表示ランプ8が点灯する。
有効ラインの数は、メダル投入口13から投入されたメダルの枚数又はベットボタン14の押圧操作回数によって異なる。より具体的には、1回の操作では、表示窓5a〜5cの中段において水平に伸びる1本のラインが有効ラインの対象となる。2回の操作では、上記1本のラインに、表示窓5a〜5cの上下段において水平に伸びる2本のラインを加えた、3本のラインが有効ラインの対象となる。3回の操作では、上記3本のラインに、表示窓5a〜5cの対角線上の2本のラインを加えた、5本のラインが有効ラインの対象となる。なお、4回以上の操作は無効となる。
上記手順に則して有効ラインが設定されると、遊技を開始する条件が整う。そして、この状態において、遊技者が始動レバー15をON操作すると、各回転リール6a〜6cが回転始動する。
各停止ボタン16a〜16cは、各回転リール6a〜6cに対応して配置されている。これらの停止ボタン16a〜16cを押圧操作すると、その押圧操作に対応する回転リール6a〜6cの回転が停止する。そして、この回転リール6a〜6cの停止によって停止表示された図柄の組み合わせと、予め定める役の成立を示す図柄の組み合わせと、が、有効ライン上で揃った場合には、ホッパー21(図3参照)により、その組み合わせの重み(入賞役の種類)に従って、予め定められている枚数のメダルが放出口18から受け皿19に払い出される。
クレジット/精算切替ボタン17は、メダルのマニュアル投入モードとクレジットモードとを互いに切り替える際に使用される。また、下パネル11の下方には、メダル放出口18、及びメダル受け皿19、並びに遊技状況に応じて予め定める態様で効果音を発するスピーカー20が設けられている。
[スロットマシンの電気的構成]
図2は、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
図2において、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1に内蔵された制御装置100は、スロットマシン1全体を制御する主制御部(メイン基板)200と、この主制御部200と連携して遊技の演出(LCDや音による各演出を含む)を制御する副制御部(サブ基板)300と、主制御部200と副制御部300とを中継するI/Oポート400と、を備えている。なお、副制御部300は、I/Oポート400を介して、主制御部200からのワンウェイ通信で接続されており、主制御部200のみからアクセス可能となっている。
図3は、図2に示す主制御部200の電気的構成を示すブロック図である。
図3において、主制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、クロックパルス発生回路204と、乱数発生器205と、モーター駆動制御回路206と、ホッパー駆動制御回路207と、ランプ駆動制御回路208と、バックアップ電源209と、を備えている。
CPU201は、スロットマシン1の制御部中枢を司るものであって、ROM202に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。このCPU201の制御対象は、各回転リール6a〜6cの駆動源であるステッピングモーターMA,MB,MC、メダルの貯留・放出を行うホッパー21、賭けライン表示ランプ8及び演出ランプ群10である。これら各制御対象要素に対する制御信号は、それぞれ、モーター駆動制御回路206、ホッパー駆動制御回路207及びランプ駆動制御回路208を介して、CPU201から与えられる。
CPU201には、ベットボタン14,始動レバー15,停止ボタン16a〜16c,クレジット/精算切替ボタン17の操作信号と、メダル投入検知センサー501,メダル排出検知センサー502のセンサー出力と、回転位置検出回路503の回転位置検出信号と、が与えられる。
停止ボタン16a〜16cの操作信号は、リール停止信号処理回路601により所定の処理が施された後、リール停止信号としてCPU201に入力される。
メダル投入検知センサー501は、メダル投入口13から投入されたメダルを検出するものであって、メダル投入口13に関連して設けられている。一方、メダル排出検知センサー502は、メダルの排出を検出するものであって、ホッパー21のメダル放出位置に関連して設けられている。このメダル排出検知センサー502のセンサー出力は、メダル排出完了信号処理回路602により所定の処理が施された後、メダル排出完了信号としてCPU201に入力される。
回転位置検出回路503は、各リール6a〜6cの回転位置を検出するものであって、光センサーやロータリエンコーダを含んでいる。光センサーは、各回転リール6a〜6cに関連して設けられる一方、ロータリエンコーダは、各ステッピングモーターMA〜MCに関連して設けられる。
遊技を開始する前に、遊技者によりメダル投入口13にメダルが投入され、その検出信号が入力されるか、或いは、ベットボタン14が押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU201は、入力された操作信号が示す値に応じた枚数のメダルを賭け対象としてスロットマシン1に投入させる。すなわちCPU201は、メダルの賭け(投入)枚数に応じて有効ラインを設定する機能を有している。
遊技を開始するために、遊技者により始動レバー15がON操作され、その操作信号が入力されると、役の成立に関する内部抽選(内部抽選)が行われる。より具体的には、本発明の実施の形態において、CPU201は、始動レバー15がON操作されることを契機に、入賞図柄の組み合わせと乱数との対応関係を示す遊技プログラムをROM202から読み出し、適宜RAM203をワーキングエリアとしつつ役の成立に関する内部抽選を行って、予め定める役を内部的に決定する。すなわち、CPU201、ROM202、及びRAM203は、役の成立に関する内部抽選を行って、予め定める役を内部的に決定するという内部抽選手段としての機能を有している。
内部抽選の結果、BB役或いはRB役といった特別役が内部的に成立した場合には、ボーナスゲームへの移行を左右するチャンスゲームに関する抽選が行われる。チャンスゲームの抽選は、例えば○×ゲームやビッグスモールゲームなどの複数種類のゲームが用意されている場合に、遊技者の選択によって、或いは、CPU201による乱数抽選によって、実行すべきチャンスゲームが抽選・選択される。なお、実行すべきチャンスゲームが予め定められている場合は、チャンスゲームを抽選することなく、チャンスゲームを実行する。
ここで、本実施形態において、CPU201は、特別役が内部的に成立したときに、ROM202から特別遊技への移行を左右するチャンスゲームの実行処理プログラムを読み出し、RAM203をワーキングエリアとしつつゲームを実行することから、CPU201、ROM202、及びRAM203は、ゲーム実行手段としての機能を有している。また、CPU201は、ROM202からチャンスゲームの実行結果と乱数との対応関係を示す遊技プログラムを読み出し、RAM203をワーキングエリアとしつつ、チャンスゲームの実行結果を、チャンスゲームの実行前に予め内部的に決定することから、CPU201、ROM202、及びRAM203は、ゲーム結果内部抽選手段としての機能も有している。
なお、CPU201は、このゲーム結果内部抽選手段による内部的な抽選結果が外れであったときに、RAM203のメモリ空間に書き込まれた特別役(当選フラグ)の成立を解除することで、抽選結果が当たりであったときのみ特別遊技への移行を許容することから、制御手段としての機能も有している。この制御手段の機能によれば、チャンスゲームの抽選結果が外れであった場合に、当選フラグの内部的な成立を解除することができる結果、特別遊技に移行するか否かという遊技の'波'をフレキシブルに作り出すことができ、より面白みのあるスロットマシンを提供することができる。
また、本実施形態において、CPU201及びRAM203は、ペイアウト率カウンタとしての機能も有している。より具体的には、メダル排出検知センサー502によって所定時間(所定ゲーム回数)内に払い出されたメダル枚数Aがカウントされ、メダル投入検知センサー501によって所定時間(所定ゲーム回数)内に投入されたメダル枚数Bがカウントされ、CPU201は、メダル枚数Aをメダル枚数Bで割ることによってペイアウト率(百分率)を算出し、その算出値をRAM203に記憶する。なお、CPU201は、所定時間経過後(所定ゲーム回数実行後)すると、再びペイアウト率を算出し、RAM203に記憶されている算出値を更新する。
なお、ゲーム結果内部抽選手段によるチャンスゲームの実行結果の内部的な決定、ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行、及び制御手段による特別役の成立の解除、の詳細については、[チャンスゲーム]の見出しで後述する。また、本発明は、ゲーム実行手段、ゲーム結果内部抽選手段、及び制御手段を実現する要素として、CPU201、ROM202、及びRAM203の3要素に限定する趣旨ではなく、乱数発生器205など適宜必要なハードウェアが実現要素に加えられるものとする。
ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行と同時に、又は、ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行後、CPU201は、全回転リール6a〜6cの回転を開始させるべく、モーター駆動制御回路206を介してステッピングモーターMA〜MCに始動信号を出力する。そうすると、回転リール6a〜6cの回転が開始される。その結果、表示窓5a〜5c内において、回転リール6a〜6cの図柄が変動表示される。
回転リール6a〜6cの回転を停止させるために、遊技者により停止ボタン16a〜16cが押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU201は、操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させるべく、モーター駆動制御回路206を介してステッピングモーターMA〜MCに停止信号を出力する。そうすると、回転リール6a〜6cの回転が停止する。その結果、表示窓5a〜5c内において回転リール6a〜6cの図柄が停止表示される。
CPU201は、停止表示された図柄の組み合わせが、予め定める役の成立を示す図柄の組み合わせと一致した場合には、その入賞役の種類に応じた数のメダルやコインを払い出すために、ホッパー駆動制御回路207に対して駆動信号を送信する。ここで、上述した制御手段によって当選した特別役が解除されていた場合には、停止表示された図柄の組み合わせと、予め定める役の成立を示す図柄の組み合わせと、が一致しないようなリール制御が行われる。
ROM202は、スロットマシン1を制御してメダルを払い戻すための遊技プログラム、このプログラムで用いる変数の初期値、入賞図柄の組み合わせと乱数との対応関係を示すデータ群、チャンスゲームの実行結果と乱数との対応関係を示すデータ群、チャンスゲームの実行処理プログラム、などを記憶している。
上記遊技プログラムには、通常遊技において、始動レバー15がON操作されることを契機に持ち越し役としてのボーナス役及び非持ち越し役としての小役やリプレイ役からなる複数種類の役を抽選対象として当該役の当選フラグの成立に関する内部的な役抽選を行うための手順を示すステップと、ボーナス役(例えばビッグボーナス役、レギュラーボーナス役など)の当選フラグが成立したときには入賞が果たされるまで次ゲームへとこの当選フラグを持ち越し、小役及びリプレイ役の当選フラグが成立したときには成立したゲームにおいて入賞が果たされなくてもその当選フラグを消去し次ゲームに持ち越さない制御を行うための手順を示すステップと、何らかの役の当選フラグが成立しているゲームにおいて、各停止ボタン16a〜16cが押圧操作されることを契機に有効ライン上に当選フラグが成立している役の入賞を構成する図柄の組み合わせで各回転リール6a〜6cが停止し易いように制御を行うための手順を示すステップと、何れの役の当選フラグも成立していないゲームにおいて、各停止ボタン16a〜16cが押圧操作されることを契機に有効ライン上に何れの役の入賞をも構成しない図柄の組み合わせとなるように各回転リール6a〜6cを停止する制御を行うための手順を示すステップと、何らかの役の当選フラグが成立している場合のゲームにおいて、各停止ボタン16a〜16cが押圧操作されることを契機に有効ライン上に当選フラグが成立している役以外の役の入賞を構成する図柄の組み合わせで各回転リール6a〜6cが停止しない制御を行うための手順を示すステップと、が含まれている。
ボーナス役などの入賞を構成する図柄が有効ライン上に停止するか否かは、例えば回転位置検出回路503による回転リールの図柄の位置信号と停止ボタンによる回転リールの停止操作のタイミングとROM202に格納されているリール停止テーブルにより判定することができる。ここでリール停止テーブルとは、回転リールの停止制御に用いられるもので、当選フラグの有無、当選フラグの役の種類などにより複数用意されており、停止ボタンの操作タイミングにより、回転リールの滑りコマ数(停止ボタンが操作されてから図柄が停止するまでの移動する図柄の個数)を規定し、何れの図柄を表示窓内(有効ライン上)に停止させるかを決定するために用いられるテーブルである。
RAM203は、CPU201と互いにインターフェイスをとっており、CPU201のワーキングエリアとして機能する。換言すると、RAM203では、制御に必要なフラグ(例えば、ボーナス役の当選フラグを含む複数種類の役の当選フラグ)や変数の値の書き込み及び読み出しがランダムに行われる。また、定期的に計算されるペイアウト率の書き込み及び読み出しも行われる。なお、RAM203は、停電時に備えるため、バックアップ電源209によりバックアップされている。
上記ボーナス役は、上述したように、内部抽選で当選フラグが成立した場合には、その入賞が果たされるまで、次ゲームへと持ち越される役であり、フラグ持ち越し手段により入賞となるまで記憶されている。すなわち、RAM203の特別役フラグの特定領域に記憶されて管理される。一方、小役やリプレイ役の当選フラグが内部抽選で成立した場合には、成立したときのゲームで入賞が果たされないときは、次ゲームにその当選フラグを持ち越すことなく消滅するようになっている。
クロックパルス発生回路204は、基準クロックパルスを発生させるためのものであって、発生させたクロックパルスをCPU201に供給する。
乱数発生器205は、内部抽選に用いる乱数をそれぞれ所定の範囲の中から任意に抽出するものであって、抽出した乱数をCPU201に供給する。具体的には、乱数を発生させるためのコマンドがCPU201から乱数発生器205に対して与えられると、乱数発生器205は、所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号を出力する。乱数が乱数発生器205から入力されると、CPU201は、その乱数に対応する図柄の組み合わせを定めるために、ROM202に記憶されているデータ群を検索し、その組み合わせに対応した数値を代入する。
ホッパー駆動制御回路207は、CPU201からの指示信号に基づいて駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をホッパー21に与える。その結果、ホッパー21が駆動され、放出口18からメダルが払い出される。
ランプ駆動制御回路208は、CPU201からの指示信号に基づいて駆動制御信号を生成し、この生成した駆動制御信号を賭けライン表示ランプ8及び演出ランプ群10に与える。その結果、賭けライン表示ランプ8及び演出ランプ群10が点灯又は消灯する。
主制御部200の制御の結果としての遊技状況は、I/Oポート400を介して、副制御部300に全てコマンドとして送信される。換言すると、CPU201は、スロットマシン1において何らかの事象が発生する度に、その事象に応じたコマンドをI/Oポート400を介して副制御部300へ送信する。具体的には、CPU201は、主制御部200内の各要素に送った各種の制御信号と、主制御部200内の各要素から受け取った各種の信号と、RAM203に設定した各種のフラグと、内部抽選の結果に応じたコマンドと、役の入賞判定の結果に応じたコマンドと、をI/Oポート400を介して副制御部300へ送信する。これらの信号、フラグ及びコマンドに基づいて、副制御部300は、各種の処理を行う。
図4は、図2に示す副制御部300の電気的構成を示すブロック図である。
図4において、副制御部300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、EEPROM304と、音出力制御回路305と、VDP306と、キャラクタROM307と、VRAM308と、LCD駆動制御回路309と、を備えている。
CPU301は、副制御部300の制御中枢を司るものであって、I/Oポート400を介して送られてきた、主制御部200からのコマンドに従って所定のプログラム処理を実行する。このCPU301の制御対象は、LCD7及びスピーカー20である。LCD7に対する制御信号は、VDP306及びLCD駆動制御回路309を介して、CPU301から与えられ、スピーカー20に対する制御信号は、音出力制御回路305を介して、CPU301から与えられる。
ROM302は、LCD7にチャンスゲームに関連する情報を表示させるためのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301と互いにインターフェイスをとっており、CPU301のワーキングエリアとして機能する。すなわち、このRAM303では、データ等の書き込み及び読み出しがランダムに行われる。
EEPROM304は、スロットマシン1の遊技履歴を蓄積して記憶する。このEEPROM304に蓄積された情報は、所定の加工が施された後、遊技の履歴に関連する情報として遊技者に提供される。なお、遊技履歴は、日単位、週単位、又は月単位で更新される。
音出力制御回路305及びVDP306に対するCPU201からの制御信号は、I/Oポート400及びCPU301を経由して受け渡される。それゆえ、音出力制御回路305は、CPU301からの指示信号に基づいて音出力信号を生成し、この生成した音出力信号をスピーカー20に与える。その結果、スピーカー20は効果音を発する。一方、VDP306は、CPU301からの指示信号を基にキャラクタROM307を参照し、この参照結果に基づいてLCD7に表示するための画像データを生成する。VDP306により生成された画像データは、VRAM308上で展開され、その後、VDP306に読み出されてLCD駆動制御回路309に与えられる。そうすると、LCD駆動制御回路309は、VDP306から与えられた画像データに基づいて、LCD7の表示画面に所定の演出画像(例えばチャンスゲームの実行結果を示唆する演出画像など)を表示させる。
[チャンスゲーム]
図5は、ゲーム結果内部抽選手段よってチャンスゲームの実行結果が予め内部的に決定される様子の一例を示す図である。なお、本実施形態では、チャンスゲームの当たり確率は、ペイアウト率に応じてソフトウェア的に変動することとしたが、本発明はこれに限定する趣旨ではなく、例えばROM202等にチャンスゲーム当たり確率テーブルを設け、このチャンスゲーム当たり確率テーブルを参照することによって、ハードウェア的に変動するようにしてもよい。
図5(a)において、左欄は、直近の所定ゲーム回数(例えば400ゲーム)あたりのペイアウト率(単位パーセント)を示し、右欄は、ゲーム結果内部抽選手段がチャンスゲームの内部的な抽選結果を、乱数抽選により予め決定するときに用いるチャンスゲーム当たり確率を示している。なお、図5(a)においては直近の所定ゲーム回数あたりのペイアウト率を用いることとしたが、本発明はこれに限定する趣旨ではなく、例えば直近の所定ゲーム回数(400ゲーム)に満たないときは、その時までのゲーム回数あたりのペイアウト率であってもよいし、或いは、例えば6時間、1日、1週間といった所定時間あたりのペイアウト率であってもよい。
図5(a)によれば、ペイアウト率が150パーセント以下である場合には、チャンスゲーム当たり確率は100/100が選択され、ゲーム結果内部抽選手段は、この確率を基に、ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行結果(当たり又はハズレ)を予め内部的に決定する。すなわち、かかる場合には、チャンスゲームの実行結果は常に当たりになる。
同様に、ペイアウト率が200〜151パーセントである場合には、チャンスゲーム当たり確率は50/100が選択され、ゲーム結果内部抽選手段は、この確率を基に、チャンスゲームの実行結果を決定し、ペイアウト率が250〜201パーセントである場合には、チャンスゲーム当たり確率は30/100が選択され、ゲーム結果内部抽選手段は、この確率を基に、チャンスゲームの実行結果を決定し、ペイアウト率が251パーセント以上である場合には、チャンスゲーム当たり確率は0/100が選択され、ゲーム結果内部抽選手段は、この確率を基に、チャンスゲームの実行結果(常にハズレ)を決定する。
このように、ゲーム結果内部抽選手段は、ペイアウト率に応じてソフトウェア的に選択されたチャンスゲーム当たり確率を基にして、ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行結果(当たり又はハズレ)を予め内部的に決定する。ここで、チャンスゲーム当たり確率は、ペイアウト率(払い戻し率)が高くなるにしたがって低くなるように選択される。すなわち、ペイアウト率が低いときには、より高いチャンスゲーム当たり確率が選択されることで、チャンスゲームにおける当たりの回数が増えることとなり、ペイアウト率が高いときには、より低いチャンスゲーム当たり確率が選択されることで、チャンスゲームにおけるハズレの回数が増えることとなる。その結果、ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行結果(当たり又はハズレ)にペイアウト率を反映させることができ、ひいては出玉量を調整することができる。
なお、ペイアウト率に応じたチャンスゲーム当たり確率の選択は任意である。例えば、1日当たりのペイアウト率が低い場合には、例えば図5(b)に示すように、直近の所定回数当たりのペイアウト率が200〜151パーセントである場合及び直近の所定回数当たりのペイアウト率が250〜201パーセントである場合のチャンスゲーム当たり確率を上昇させ、出玉量をコントロールすることで、博打性の過渡の抑圧を防ぐことができる。
図6は、ゲーム実行手段による○×ゲームがLCD7において行われる様子の一例を示す図であって、(a)は○×ゲームの開始時を示しており、(b)は○×ゲームに関する抽選で当たった時を示しており、(c)は○×ゲームに関する抽選で外れた時を示している。
図6において、ゲーム実行手段によるチャンスゲームは、LCD7上で行われる。なお、本発明は、チャンスゲームに関する抽選結果が表示される装置を、このLCD7に限定するものではなく、例えば、有機ELパネルを備えたスロットマシンであれば、チャンスゲームに関する抽選結果を有機ELパネルで表示するようにしてもよい。
まず、LCD7上に2枚のカードが表示され、それらのカードの下に「どちらかのカードを選択してください」といった指示が表示される(図6(a))。より具体的には、主制御部200のCPU201は、内部抽選手段による内部抽選によって特別役が内部的に成立すると、当選フラグが成立した旨の信号を、I/Oポート400を介して副制御部300のCPU301に送信する。これを受信した副制御部300のCPU301は、VDP306に対し、キャラクタROM307からカード画像情報や指示文字情報などを読み出し、かつ、LCD駆動制御回路309にそれらの情報を送信するように指令を行う。カード画像情報や指示文字情報を受信したLCD駆動制御回路309がLCD7に制御信号を送信することで、LCD7に図6(a)のような表示がなされる。
次に、例えば遊技者が停止ボタン16aを押下すると左側のカードが裏返り、チャンスゲームの実行結果が表示される(図6(b)又は図6(c))。より具体的には、停止ボタン16aの押下信号を受信したリール停止信号処理回路601は、その押下信号をCPU201に転送する。そして、CPU201は、モーター駆動制御回路206に対し、チャンスゲームが行われている最中は回転リール6aの回転を維持するように指令を行うと同時に、ゲーム実行手段に対し、遊技者が左のカードを選択した旨の信号を送信する。ゲーム実行手段は、この信号の受信を契機に、上述したチャンスゲーム当たり確率に基づき予め決定されたチャンスゲームの抽選結果を、この信号とともにI/Oポート400を介して副制御部300のCPU301aに送信する。チャンスゲームの実行結果と遊技者が左のカードを選択した旨の信号を受信した副制御部300のCPU301aは、上述同様VDP306とLCD駆動制御回路309を介して、LCD7上の左のカードの表面に、チャンスゲームの実行結果を表示する。チャンスゲームの実行結果が当たりである場合には、LCD7に図6(b)のような表示がなされ、チャンスゲームの実行結果が外れである場合には、LCD7に図6(c)のような表示がなされる。
ここで、チャンスゲームの実行結果が外れである場合(図6(c))には、役制御手段によって特別役の成立が解除される。より具体的には、内部抽選手段による内部抽選によって特別役が内部的に成立すると、RAM203のメモリ空間に当選フラグの書き込みが行われるが、制御手段は、チャンスゲームの実行結果が外れであったときには、その当選フラグを消去する(空白情報を上書きする)。このように、当選フラグの内部的な成立を解除することができる結果、特別遊技への移行回数をコントロールすることができ、ひいては博打性を適度に抑えた上でスロットマシンの遊技性を向上させることができる。
また、本発明は、ゲーム実行手段よるチャンスゲームを○×ゲームに限定する趣旨ではない。例えば、図7に示すようなビッグスモールゲームなどもチャンスゲームに含まれる。図7は、ゲーム実行手段によるビッグスモールゲームがLCD7において行われる様子の一例を示す図であって、(a)はビッグスモールゲームの開始直後を示しており、(b)はビッグスモールゲームに関する抽選で当たった時を示しており、(c)はビッグスモールゲームに関する抽選で外れた時を示している。
図7において、ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行結果は、LCD7上に表示される。まず、LCD7上に、ディーラーのカードとプレイヤーのカードが表示され、それらの下に「ディーラーカードより大きい?小さい?」といった指示が表示される。(図7(a))。より具体的には、図6(a)において説明したのと同様、特別役が内部的に成立すると、主制御部200のCOU201、副制御部300のCPU301,VDP306,LCD駆動制御回路309等によって、LCD7に図7(a)のような表示がなされる。
次に、例えば遊技者が停止ボタン16a又は停止ボタン16cを押下するとプレイヤーのカードが裏返り、チャンスゲームの実行結果が表示される(図6(b)又は図6(c))。より具体的には、図6(b)又は図6(c)において説明したのと同様、主制御部200のゲーム実行手段、副制御部300のCPU301,VDP306,LCD駆動制御回路309等によって、チャンスゲームの実行結果を表示する。
ここで、遊技者は、プレイヤーのカードがディーラーのカードよりも数字の大きいカードであると思い、ビッグを示唆する停止ボタン16aを押下した場合において、チャンスゲームの実行結果が当たりであるときには、ディーラーのカードの数字(「8」)よりも大きな数字(「11」)のカードがLCD7に表示される(図7(b))。一方で、遊技者は、プレイヤーのカードがディーラーのカードよりも数字の大きいカードであると思い、ビッグを示唆する停止ボタン16aを押下した場合において、チャンスゲームの実行結果が外れであるときには、ディーラーのカードの数字(「8」)よりも大きな数字(「2」)のカードがLCD7に表示される(図7(c))。なお、遊技者が停止ボタン16cを押下した場合も同様に考えることができる。すなわち、チャンスゲームの抽選結果が当たりであるときには、ディーラーのカードの数字(「8」)よりも小さな数字(例えば「5」)のカードがLCD7に表示され、チャンスゲームの実行結果が外れであるときには、ディーラーのカードの数字(「8」)よりも大きな数字(例えば「10」)のカードがLCD7に表示されることとなる。
そして、チャンスゲームの実行結果が外れである場合(図7(c))には、上述のとおり、制御手段によって特別役が解除されることとなる。従って、チャンスゲームが○×ゲームである場合と同様、当選フラグの内部的な成立を解除することができる結果、特別遊技への移行回数をコントロールすることができ、ひいては博打性を適度に抑えた上でスロットマシンの遊技性を向上させることができる。
[変形例]
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。なお、本発明の他の実施の形態は、通常遊技から特別遊技の間に、特別遊技への移行を左右するゲームとして「押し順当てゲーム」を介在させる、というものである。
図3において、CPU201は、特別役が内部的に成立したときに、ROM202から押し順当てゲームの実行処理プログラムを読み出し、RAM203をワーキングエリアとしつつ押し順当てゲームを実行することから、CPU201、ROM202、及びRAM203は、ゲーム実行手段としての機能を有している。また、CPU201は、ROM202から押し順当てゲームの押し順パターンと乱数との対応関係を示す遊技プログラムを読み出し、RAM203をワーキングエリアとしつつ、押し順当てゲームの押し順パターンを、ゲーム実行手段により実行される押し順当てゲームの実行前に予め内部的に決定することから、CPU201、ROM202、及びRAM203は、押し順パターン内部抽選手段としての機能も有している。また、CPU201は、押し順パターン内部抽選手段により内部的に決定された押し順パターンと、停止ボタン16a〜16cの操作に基づくゲーム実行手段による押し順当てゲームの実行結果と、が一致するか否かを比較判定することから、比較判定手段としての機能も有している。さらに、比較判定手段による比較判定結果が一致しなかったときに、RAM203のメモリ空間に書き込まれた特別役(当選フラグ)の成立を解除することから、制御手段としての機能も有している。
以下、押し順パターン内部抽選手段による押し順パターンの内部的な決定、ゲーム実行手段による押し順当てゲームの実行、比較判定手段によって行われる、内部的に決定された押し順パターンと押し順当てゲームの実行結果との比較判定、及び制御手段による特別役の成立の解除、の詳細について、以下に説明する。
[押し順当てゲーム]
図8は、押し順パターン内部抽選手段によって押し順当てゲームの押し順パターンが予め内部的に決定される様子の一例を示す図である。(a)は押し順パターンの種類(A〜F)と停止ボタン16a〜16cの押し順との関係を示しており、(b),(c)はペイアウト率に応じた当たり押し順パターンを示している。
図8(a)において、左欄は、押し順パターンの種類(A〜F)を示し、右欄は、停止ボタン16a〜16cの押し順を示している。また、図8(b)及び(c)において、左欄は、直近の所定ゲーム回数あたりのペイアウト率を示し、右欄は、押し順パターン内部抽選手段が押し順当てゲームの内部的な抽選結果を、乱数抽選により予め決定するときに用いる当たり押し順パターンを示している。
図8(a)によれば、押し順パターンAは、停止ボタン16a,停止ボタン16b,停止ボタン16cの順で停止ボタンを押下する押し順パターンであり、押し順パターンBは、停止ボタン16a,停止ボタン16c,停止ボタン16bの順で停止ボタンを押下する押し順パターンであり、押し順パターンCは、停止ボタン16b,停止ボタン16c,停止ボタン16aの順で停止ボタンを押下する押し順パターンであり、押し順パターンDは、停止ボタン16b,停止ボタン16a,停止ボタン16cの順で停止ボタンを押下する押し順パターンであり、押し順パターンEは、停止ボタン16c,停止ボタン16a,停止ボタン16bの順で停止ボタンを押下する押し順パターンであり、押し順パターンFは、停止ボタン16c,停止ボタン16b,停止ボタン16aの順で停止ボタンを押下する押し順パターンである。
また、図8(b)によれば、押し順パターン内部抽選手段は、ペイアウト率が150パーセント以下である場合には、当たり押し順パターンとして押し順パターンA〜Fのいずれも可(オールマイティ)、を決定する。すなわち、ゲーム実行手段による押し順当てゲームの実行結果がどのような結果であれ(遊技者がどの押し順で停止ボタンを押下したとしても)、必ず比較判定手段による比較判定結果が一致するようになる。
同様に、ペイアウト率が200〜151パーセントである場合には、当たり押し順パターンとして押し順パターンA〜Fのいずれか3種類を決定し、ペイアウト率が250〜201パーセントである場合には、当たり押し順パターンとして押し順パターンA〜Fのいずれか2種類を決定し、ペイアウト率が251パーセント以上である場合には、当たり押し順パターンとして押し順パターンA〜Fのいずれか1種類を決定する。
このように、押し順パターン内部抽選手段は、ペイアウト率に応じて当たり押し順パターンを内部的に決定する。ここで、当たり押し順パターンは、ペイアウト率が高くなるにしたがって、押し順パターンの数が少なくなるように選択される。すなわち、ペイアウト率が低いときには、数多くの押し順パターンが選択されるため、ゲーム実行手段による押し順当てゲームの実行結果と一致しやすいが、ペイアウト率が高いときには、数少ない押し順パターンが選択されるため、ゲーム実行手段による押し順当てゲームの実行結果と一致しにくいこととなる。その結果、押し順パターン内部抽選手段によって決定される当たり押し順パターンにペイアウト率を反映させることができ、ひいては出玉量を調整することができる。
なお、ペイアウト率に応じた当たり押し順パターンの選択は任意である。例えば、1日当たりのペイアウト率が低い場合には、例えば図8(c)に示すように、直近の所定回数当たりのペイアウト率が200〜151パーセントである場合及び直近の所定回数当たりのペイアウト率が250〜201パーセントである場合の当たり押し順パターンの数を増やし、出玉量をコントロールすることで、博打性の過渡の抑圧を防ぐことができる。
図9は、ゲーム実行手段による押し順当てゲームがLCD7において行われる様子の一例を示す図であって、(a)は押し順当てゲームの開始時を示しており、(b)は押し順当てゲームで勝った時を示しており、(c)は押し順当てゲームで負けた時を示している。
図9において、ゲーム実行手段による押し順当てゲームは、遊技者の停止ボタン操作に基づきLCD7上で行われる。
まず、LCD7上にキャラクタと「押し順当てゲームの始まり!!」といった文字が表示され、遊技者に対して押し順当てゲームの開始タイミングが告知される(図9(a))。より具体的には、主制御部200のCPU201は、内部抽選手段による内部抽選によって特別役が内部的に成立すると、当選フラグが成立した旨の信号を、I/Oポート400を介して副制御部300のCPU301に送信する。これを受信した副制御部300のCPU301は、VDP306に対し、キャラクタROM307からキャラクタ画像情報や表示文字情報などを読み出し、かつ、LCD駆動制御回路309にそれらの情報を送信するように指令を行う。キャラクタ画像情報や表示文字情報を受信したLCD駆動制御回路309がLCD7に制御信号を送信することで、LCD7に図6(a)のような表示がなされる。
次に、例えば遊技者が停止ボタンを停止ボタン16b,16a,16cの順序(押し順パターンD)で押下すると、比較判定手段による比較判定結果が表示される(図9(b)又は図9(c))。より具体的には、停止ボタン16b,16a,16cの押下信号を順々に受信したリール停止信号処理回路601は、それらの押下信号をCPU201に転送する。そして、CPU201は、ゲーム実行手段に対し、遊技者が押し順パターンDで停止ボタンを押下した旨の信号を送信する。なお、場合によっては、モーター駆動制御回路206に対し、チャンスゲームが行われている最中は回転リール6a,6b,6cの回転を維持するように指令を行う。ゲーム実行手段は、この信号の受信を契機に、押し順パターン内部抽選手段によって予め決定された押し順パターンを、この信号とともに比較判定手段に送信する。押し順パターン内部抽選手段によって予め決定された押し順パターンとゲーム実行手段による押し順当てゲームの実行結果(遊技者が実際に停止ボタンを押下した順番)を受信した比較判定手段は、両者が一致しているか否かを判断する。両者が一致していると判定した場合には、I/Oポート400を介して副制御部300のCPU301aに一致信号を送信する。そうすると、LCD7上に図9(b)のような表示がなされる。一方で、両者が相違すると判定した場合には、I/Oポート400を介して副制御部300のCPU301aに相違信号を送信する。そうすると、LCD7上に図9(c)のような表示がなされる。
ここで、両者が相違すると判定された場合(図9(c))には、制御手段によって特別役の成立が解除される。より具体的には、内部抽選手段による内部抽選によって特別役が内部的に成立すると、RAM203のメモリ空間に当選フラグの書き込みが行われるが、制御手段は、比較判定手段による比較判定結果が一致しないときには、その当選フラグを消去する(空白情報を上書きする)。このように、当選フラグの内部的な成立を解除することができる結果、特別遊技への移行回数をコントロールすることができ、ひいては博打性を適度に抑えた上でスロットマシンの遊技性を向上させることができる。
[情報処理の流れ]
図10は、本発明の実施の形態に係るスロットマシン1における情報処理(遊技フローの流れ)を示すフローチャートである。より具体的には、図10は、メダル投入から役の抽選を経て停止表示された回転リール6a〜6cが変動表示して再び停止表示するまでの遊技フローを説明するためのフローチャートである。
図10において、まず、遊技者がメダル投入口13に投入した所定枚数のメダルをメダル投入検知センサー501により検知したか否かを判断する(ステップS1)。なお、メダルを検知していないと判別した場合には、このステップS1は、投入されたメダルが検知されるまで繰り返し行われる。
次いで、ステップS1においてメダルが検知されると、検知されメダルの枚数に応じて有効ラインが設定され、それに応じて賭けライン表示ランプ8が点灯する(ステップS2)。
次いで、遊技者による始動レバー15のON操作が行われたか否かを、当該始動レバー15の操作に応じて発信された操作信号がCPU201に送信されたか否かにより判断する(ステップS3)。なお、始動レバー15のON操作が行われていない場合には、このステップS3は、始動レバー15がON操作されるまで繰り返し行われる。
次いで、内部抽選処理が行われる(ステップS4)。より具体的には、CPU201は、ROM202から読み出された遊技プログラムに基づき上記内部抽選を行う。
次いで、CPU201は、内部抽選の抽選結果として役が成立したか否か(役成立のフラグが立ったか否か)を判断し(ステップS5)、役が成立したと判別したときには、後述する図11(または図12)に示す遊技フローへ移行する。
一方で、役が成立していないと判別したときには、CPU201の指令に従い全回転リールの回転が開始される(ステップS6)。より具体的には、CPU201の指令に従い、モーター駆動制御回路206に対して各ステッピングモーターMA,MB,MCを作動させることによって、全ての回転リール6a,6b,6cを同時に回転始動させて回転リール上の図柄の変動表示を開始させる。
次いで、CPU201は、遊技者による停止ボタン16a,16b,16cの停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS7)、各停止ボタン16a,16b,16cの停止操作に基づいて送信される停止信号が当該CPU201において受信したことを受け、停止操作が行われたと判別したときに、さらに全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたか否かを判断する(ステップS8)。
なお、このステップS8における判断は回転位置検出回路による各回転リール6a,6b,6cの回転停止位置の検出した結果として送信される検出信号をCPU201が受信することにより行われる。また、ステップS7において、CPU201は、全ての停止ボタン16a,16b,16cが未だ操作されていないと判別したときには、繰り返しステップS7の判断を行う。同様に、ステップS8において、CPU201は、回転リール6a,6b,6cが未だ停止していないと判別したときには、繰り返しステップS8の判断を行う。
最後に、ステップS8において、全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたときには、本サブルーチンを終了し、一連の遊技が終了する。以下、ステップS5において、役が成立したと判別したときに移行する遊技フローについて説明する。
図11は、図10のステップS5において、役が成立したと判別したときに移行する遊技フローの一例を示すフローチャートである。より具体的には、図10は、役が成立したと判別し、その成立した役が特別役であるときには、上述した[チャンスゲーム]が行われることで、その特別役の成立状態が維持されるか或いは解除されるか、が決定される、というものである。
図11において、まず、成立した役は特別役か否かが判断される(ステップS11)。より具体的には、内部抽選手段による内部抽選(図10のステップS4)の結果、役が成立した場合にはRAM203のメモリ空間に当選フラグの書き込みが行われるが、ゲーム結果内部抽選手段は、RAM203のメモリ空間にアクセスして、この書き込みがなされた役が特別役である否かを判断する。
次いで、ステップS11の処理によって成立した役が特別役であると判定された場合には、チャンスゲームに関する抽選が行われる(ステップS12)。より具体的には、ゲーム結果内部抽選手段によって決定される抽選結果が予め内部的に決定され、その抽選結果がRAM203に記憶される。このとき、チャンスゲームの抽選結果にペイアウト率を反映させることで、出玉量を調整することが可能になる。より具体的には、ゲーム結果内部抽選手段は、ペイアウト率カウンタとして機能するCPU201及びRAM203から、直近の所定回数(例えば400ゲーム)あたりのペイアウト率を取得し、このペイアウト率に応じてソフトウェア的に選択されたチャンスゲーム当たり確率を基にして、ゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行結果(当たり又はハズレ)を予め内部的に決定する。この結果として、ペイアウト率を所望の範囲でコントロールすることが可能になり、出玉量を調整することが可能になる。また、上述のとおり、チャンスゲーム当たり確率の選択は任意であり、例えば、ペイアウト率が低すぎる場合には、直近の所定回数当たりのペイアウト率に応じたチャンスゲーム当たり確率を上昇させることで(図8(b),(c)参照)、博打性の過度の抑圧を防ぐことができる。なお、成立した役が特別役でないと判定された場合には、ステップS12の処理をスキップする。
次いで、上述したステップ6(図10参照)同様、CPU201の指令に従い全回転リールの回転が開始される(ステップS13)。より具体的には、CPU201は、モーター駆動制御回路206に対して各ステッピングモーターMA,MB,MCを作動させる駆動信号を送信する。これにより、回転リール6a,6b,6cは回転始動することとなり、その結果、回転リール上の図柄の変動表示が開始される。
次いで、チャンスゲームに関する抽選に当たったかどうかが判断される(ステップS14)。より具体的には、実際のチャンスゲームは、ゲーム実行手段によって遊技者の選択操作に基づきLCD7上で行われるが、そのゲーム実行手段によるチャンスゲームの実行結果は、ゲーム結果内部抽選手段によって予め内部的に決定されている(ステップS12参照)。従って、CPU201がRAM203に記憶された抽選結果を読み出すことにより、ステップS12のチャンスゲームに関する抽選に当たったかどうかが判断される。なお、遊技者からみれば、チャンスゲームに関する抽選に当たったかどうかが判断は、遊技者の停止ボタンの選択操作を契機として、予め内部的に決定されているチャンスゲームの実行結果(チャンスゲームの実行結果を示唆する演出画像を含む)が、図11に示す遊技フローとは別にLCD7上に表示されることによって行われる。
チャンスゲームに関する抽選が外れであった場合には、特別役の成立が解除される(ステップS15)。より具体的には、[チャンスゲーム]において述べたとおり、制御手段は、メモリ空間に書き込まれた当選フラグを消去することによって特別役の成立を解除する。このとき、遊技者から見れば、LCD7上にチャンスゲームの実行結果がハズレであることを示唆する演出画像が表示される(図6(c)参照)。一方で、チャンスゲームに関する抽選が当たりであった場合には、ステップS15の処理は行われず、そのままステップS16の処理に移行する(特別遊技への移行を許容する)。このとき、遊技者から見れば、LCD7上にチャンスゲームの実行結果が当たりであることを示唆する演出画像が表示される(図6(b)参照)。
次いで、CPU201は、遊技者による停止ボタン16a,16b,16cの停止操作によって全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたか否かを判断し(ステップS16)、各停止ボタン16a,16b,16cの停止操作に基づいて送信される停止信号が当該CPU201において受信したことを受け、停止操作が行われたと判別したときに、さらに全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたか否かを判断する(ステップS17)。なお、ステップS16において、全ての停止ボタン16a,16b,16cが未だ操作されていないときには、繰り返しステップS16の処理が行われ、また、ステップS17において回転リール6a,6b,6cが未だ停止していないときには、繰り返しステップS17の処理が行われる。
次いで、ステップS17において、全ての回転リール6a,6b,6cが停止されたときには、CPU201は、役が入賞したか否かを判断する(ステップS18)。より具体的には、CPU201は、有効化された賭けライン(有効ライン)上において、回転リール6a,6b,6cの停止によって停止表示された図柄の組み合わせが、予め定める役の成立を示す図柄の組み合わせであるか否かを、回転位置検出回路503によって判断する。
また、CPU201は、回転リール6a,6b,6cの停止によって停止表示された図柄と、ステップS17において出現した停止図柄と、の組み合わせが、予め定める役の成立を示す図柄の組み合わせであるか否かを、回転位置検出回路503及び主制御部200が副制御部300に対して送信したコマンドによって判断する。
次いで、ステップS18において、役が入賞したと判別した場合には、CPU201は、ホッパー駆動制御回路207に駆動信号を送信してホッパー21を駆動させて所定枚数のメダルを払い出す制御を行う(ステップS19)。一方で、役が入賞していないと判別した場合には、本サブルーチンを終了し、一連の遊技が終了する。
次いで、停止表示された図柄(及び停止図柄)の組み合わせが、特別役の成立を示す図柄の組み合わせであるか否か、すなわち特別役が入賞したか否かを判断する(ステップS20)。ステップS20において、特別役が入賞したと判定した場合には、特別遊技へと移行する一方で、特別役が入賞していないと判定した場合には、本サブルーチンを終了し、一連の遊技が終了する。なお、特別遊技(ボーナスゲーム等)の詳細については、従来のスロットマシンと同様であるので、その説明を省略する。また、特別役が成立しているにも拘わらず、遊技者の停止操作ミスによって特別役の入賞が行われない場合には、その特別役の成立フラグは次回以降の遊技に持ち越され(有効とされ)、内部抽選手段による内部抽選は行われず、その特別役の入賞がなされるまで特別役の成立が有効化されることから、上記図10の遊技フローとは異なる遊技フローにより遊技が進められることになる。
図12は、図10のステップS5において、役が成立したと判別したときに移行する遊技フローの一例を示すフローチャートである。より具体的には、図12は、役が成立したと判別し、その成立した役が特別役であるときには、上述した[押し順当てゲーム]が行われることで、その特別役の成立状態が維持されるか或いは解除されるか、が決定される、というものである。
図12において、まず、成立した役は特別役か否かが判断される(ステップS21)。より具体的には、内部抽選手段による内部抽選(図10のステップS4)の結果、役が成立した場合にはRAM203のメモリ空間に当選フラグの書き込みが行われるが、押し順パターン内部抽選手段は、RAM203もメモリ空間にアクセスして、この書き込みがなされた役が特別役である否かを判断する。
次いで、ステップS21の処理によって成立した役が特別役であると判定された場合には、押し順パターンの抽選が行われる(ステップS22)。より具体的には、押し順パターン内部抽選手段によって押し順当てゲームの当たり押し順パターンが予め内部的に決定され(図8参照)、その当たり押し順パターンがRAM203に記憶される。このとき、予め決定される当たり押し順パターンにペイアウト率を反映させることで、出玉量を調整することが可能になる。より具体的には、押し順パターン内部抽選手段は、ペイアウト率カウンタとして機能するCPU201及びRAM203から、直近の所定回数(例えば400ゲーム)あたりのペイアウト率を取得し、このペイアウト率に応じてソフトウェア的に選択された当たり押し順パターンを基にして、ゲーム実行手段による押し順当てゲームの実行結果を予め内部的に決定する。この結果として、ペイアウト率を所望の範囲でコントロールすることが可能になり、出玉量を調整することが可能になる。また、上述のとおり、当たり押し順パターンの選択は任意であり、例えば、ペイアウト率が低すぎる場合には、直近の所定回数当たりのペイアウト率に応じた当たり押し順パターンを変更させる(当たりとなる押し順パターンの数を増加させる)ことで(図8(b),(c)参照)、博打性の過度の抑圧を防ぐことができる。なお、成立した役が特別役でないと判定された場合には、ステップS22の処理をスキップする。
次いで、上述したステップS6(図10参照)同様、CPU201の指令に従い全回転リールの回転が開始される(ステップS23)。より具体的には、CPU201は、モーター駆動制御回路206に対して各ステッピングモーターMA,MB,MCを作動させる駆動信号を送信する。これにより、回転リール6a,6b,6cは回転始動することとなり、その結果、回転リール上の図柄の変動表示が開始される。
次いで、CPU201は、遊技者による停止ボタン16a,16b,16cの停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS24)。このとき、ゲーム実行手段は、各停止ボタン16a,16b,16cの停止操作に基づいて送信される停止信号を受信すると、これらの停止信号を順番にRAM203に書き込む(例えば、停止ボタン16a→停止ボタン16c→停止ボタン16b)。なお、ステップS24において、CPU201は、全ての停止ボタン16a,16b,16cが未だ操作されていないと判別したときには、繰り返しステップS24の判断を行う。
次いで、CPU201が、全ての停止ボタン16a,16b,16cの停止操作が行われたと判別した場合には、比較判定手段は、押し順当てゲームに当たったかどうかを判断する(ステップS25)。より具体的には、比較判定手段は、RAM203から遊技者が実際に選択した押し順パターンを読み出し、この遊技者が選択した押し順パターンと、ステップS22において予め内部的に決定され、RAM203に記憶されている押し順パターンと、の比較判定を行い、両者が一致しているか否かを判断する(ステップS25)。なお、遊技者から見れば、押し順当てゲームに当たったか否かの判断は、遊技者の停止ボタンの停止操作を契機として、予め内部的に決定されている押し順当てゲームの押し順パターン(押し順当てゲームの当たり外れを示唆する演出画像を含む)が、図12に示す遊技フローとは別にLCD7上に表示されることによって行われる。
押し順当てゲームに外れた(負けた)場合、すなわち、比較判定手段による押し順パターンの比較判定結果が相違していた場合には、特別役の成立が解除される(ステップS26)。より具体的には、[押し順当てゲーム]において述べたとおり、制御手段は、メモリ空間に書き込まれた当選フラグを消去することによって特別役の成立を解除する。このとき、遊技者から見れば、LCD7上に押し順当てゲームの実行結果がハズレであることを示唆する演出画像が表示される(図9(c)参照)。一方で、押し順当てゲームに当たった(勝った)場合には、ステップS26の処理は行われず、そのままステップS27の処理に移行する(特別遊技への移行を許容する)。このとき、遊技者から見れば、LCD7上に押し順当てゲームの実行結果が当たりであることを示唆する演出画像が表示される(図9(b)参照)。
以下、全回転リールの停止(ステップS27)、役の入賞(ステップS28)、メダルの払出し(ステップS29)、特別役が入賞(ステップS30)に関する処理が順次行われるが、これらの処理は、図12を用いて説明したステップS17〜ステップS20までの処理と同様であるため、その説明を省略する。