以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」等:図示省略)が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
告知ランプ121は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、ボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。スタートランプ122は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ123は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。リールパネルランプ125は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン132、133は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン132が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン133が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口160は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン132又は133により電子的に投入することもできるし、メダル投入口160から実際のメダルを投入することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器126は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。表示器127は、各種の内部情報を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器128は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー130は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口160に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン132、133を操作して、スタートレバー130を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転を開始し、遊技が開始される。ストップボタンユニット131には、ストップボタン131a〜131cが設けられている。ストップボタン131a〜131cは、スタートレバー130の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。なお、各ストップボタン131a〜131cの内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン131a〜131cの操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン134は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン135は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口161よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。ドアキー136は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。操作ボタン137は、遊技者が各種の選択操作を行う際に用いるボタンである。メダル払出口161は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口161から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
灰皿部170は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、メダル受皿156の内側にネジ止めされている。音孔171はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ151、サイドランプ152、中央ランプ153、腰部ランプ154、下部ランプ155、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。タイトルパネル140はそのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルであり、リールパネル141は図柄表示窓113を有するパネルである。スロットマシン100の上部には演出ユニットAが設けられている。演出ユニットAの正面には演出ユニットAを保護するパネル180が設けられている。以下、演出ユニットAの構成について説明する。
<演出ユニット>
次に、演出ユニットAの構成について説明する。図2は演出ユニットAの外観図、図3は演出ユニットAの分解斜視図である。演出ユニットAは画像表示ユニット1と、画像表示ユニット1の正面に着脱自在に装着されるシャッタユニット50とを備え、一種の情報表示ユニットを構成している。演出ユニットAは前面扉102に固定されるパネル180に係合することで前面扉102の裏側に着脱自在に装着される。図2に示すようにパネル180は枠体180aに透明板180bを固定してなり、枠体180aの上部にはシャッタユニット50に形成されたフック状の係合部52が係合する係合片が左右方向に略一様に形成されている。係合部52をこの係合片に係合することで演出ユニットAはパネル180にぶら下がり状態で取付けられ前面扉102の裏側に装着されることになる。
その後、シャッタユニット50の四隅に設けた穴にネジを通して枠体180aの四隅に設けられたネジ穴付きのボス部に螺合することで演出ユニットAがパネル180に固定され、よって前面扉102の裏側に固定されることになる。また、図3に示すように画像表示ユニット1はフック状の係合部1b”及び1c”を有しており、これがシャッタユニット50の裏側に係合することでシャッタユニット50が画像表示ユニット1に対して装着される。その後、画像表示ユニット1の四隅に設けた穴(各曲折部1b’及び1c’にそれぞれ2つ)にネジを通してシャッタユニット50のフレーム53に設けられた4箇所のネジ穴にそれぞれ螺合することでシャッタユニット50と画像表示ユニット1とが固定されることになる。
<画像表示ユニット>
次にLCD10とハーフミラー20とを連動して移動させる駆動機構について説明する。図4(a)は画像表示ユニット1の右側面図である。側板1bには駆動源ユニット31が取付けられている。駆動源ユニット31は駆動源ユニット31を側板1bに固定するための固定用プレート31aを有しており、この固定用プレート31aには、LCD10とハーフミラー20とを連動して移動させる駆動機構の駆動源となるモータ32が支持されている。モータ32は例えばDCモータであり、本実施形態ではこのモータ32を単一の駆動源として駆動機構を駆動する。LCD10とハーフミラー20という2つの構成を移動させるにも関わらず、駆動源を単一とすることにより、低コスト化が図れると共にLCD10とハーフミラー20の制御が容易化される。
モータ32の出力軸には固定用プレート31aに支持されたウォームギヤ33が接続されており、モータ32の回転に伴って回転する。側板1bには軸34a回りに回転可能にウォームホイール34が取付けられており、ウォームホイール34はウォームギヤ33と噛み合うことで、ウォームギヤ33の回転に伴って軸34a回りに回転する。ウォームホイール34の内側側面には小径の平歯車34bが一体に設けられており、平歯車34bは軸34a回りにウォームホイール34と共に回転する。
側板1bの略中央部分には平歯車である回転板30が配設されており、この回転板30は側板1bに支持された軸30a回りに回転可能に取付けられている。回転板30は平歯車34bと噛み合うことで平歯車34bの回転に伴って回転する。つまり、回転板30は平歯車34b、ウォームホイール34及びウォームギヤ33を介してモータ32の駆動力によって回転することになる。この回転板30はLCD10及びハーフミラー20を移動させる駆動機構の主たる構成であり、モータ32の回転力を回転板30に伝達するために上述のウォームギア機構を用いたことにより、コンパクトな構成でギヤ比を大きくとれると共に低出力のモータであってもより大きなトルクを得られる。また、モータ32がウォームホイール34の接線方向に配置され、モータ32とウォームギア機構との幅が小さくできるので、平歯車によるギア機構を採用した場合と比べて、本実施形態のように側板1bに沿って余り出っ張らずに配設することができる。
回転板30の外側側面にはカム溝30bが刻設されている。このカム溝30bは回転板30の回転位置を検出するためのカム溝である。詳細には駆動源ユニット31の固定用プレート31aには一対のセンサ41a、41bが配設されている。本実施形態の場合、このセンサ41a、41bは光センサであり、センサアーム40の一端部に設けられた被検知片40bの存在の有無を検出する。センサアーム40は軸34aに回動自在に支持された板状の部材であり、その他方の端部にはピン状の摺動部40aが設けられている。回転板30が回転すると摺動部40aがカム溝30bを摺動し、カム溝30bに案内されてセンサアーム40が軸34a回りに回動する。センサ41a、41bはそれぞれLCD10の2つの位置(後述する第1及び第2の位置)に対応するように配設されており、センサアーム40の回動により被検知片40bの位置が移動してセンサ41aに検知されるとLCD10が第2の位置に存在していることが、センサ41bに検知されるとLCD10が第1の位置に存在していることが、検知されることになる。つまり、センサ41a、41bはLCD10の位置を検知するセンサとして機能する。
次に、側板1b上には回転板30と噛み合う平歯車35が設けられている。この平歯車35は側板1b−1c間を貫通する軸35aに固定されている。軸35aは側板1b及び1cに回転自在に支持され略水平に配設されている。この平歯車35と軸35aとはモータ32の駆動力を側板1c側の駆動機構に伝達するためのものである。図4(b)は画像表示ユニット1の左側面図である。側板1c側には駆動源ユニット31を除いて側板1b側と同じ機構が設けられており、軸35aの回転力は側板1c側の平歯車35を介して側板1c側の回転板30に伝達されることになる。図4(b)では図4(a)の構成に対応する構成に同じ符号を付している。本実施形態ではこのように駆動源ユニット31を除いて両側板側で同じ構成を採用することで設計負担軽減及び部品の種類の減少を図っている。なお、両側板側では同じ構成であるので、以下、側板1b側の構成で駆動機構を説明する。
図4(a)に戻り、側板1bにはアーム部材22が回動自在に取付けられている。このアーム部材22はハーフミラー20を移動させる機構の一部を構成するものである。また、側板1bにはアーム部材14が回動自在に取付けられている。このアーム部材14はLCD10を移動させる機構の一部を構成するものである。アーム部材14はスプリング15の一端が係止される係止部14bを有し、スプリング15の他端は天板1aに形成された係止部1a”に係止される。このスプリング15はアーム部材14が一方の方向に回動する場合には当該回動を補助し、他方の方向に回動する場合には当該回動に抵抗する弾性部材として機能する。後述するように本実施形態ではLCD10が第1の位置と第2の位置との間で移動(回動)するが、その際、LCD10の自重によりモータ32の負荷が高くなる、第1の位置から第2の位置への移動の場合にはスプリング15はアーム部材14の回動を補助し、LCD10の第2の位置から第1の位置への移動の場合にはスプリング15はアーム部材14の回動に抵抗することになる。これによりモータ32の負荷を調整することが可能となる。
次に、図4(a)に加えて図5(a)を参照して駆動機構について説明する。図5(a)は側板1bから駆動ユニット31を取り去った態様を示す図である。また、同図では回転板30を破線で示すと共にその内側側面に刻設されたカム溝30c及び30dを示す。つまり、回転板30の外側側面にはカム溝30bが、内側側面にはカム溝30c及び30dがそれぞれ刻設されていることになる。カム溝30cはLCD10の移動を案内するためのカム溝であり、カム溝30dはハーフミラー20の移動を案内するためのカム溝である。
アーム部材14は側板1bに支持された軸14a回りに回動自在に配設されており、軸14aから見て一方の端部にはカム溝30cを摺動する摺動部14dが、他方の端部には摺動部14cが設けられている。摺動部14dは軸体でありアーム部材14から回転板30側に突出している。アーム部材14は回転板30が回転するとカム溝30cを摺動部14dが摺動することで、カム溝30cに案内されて軸14a回りに回動することになる。摺動部14cは側板1b側に突出しており、側板1bに設けられた円弧状の案内孔16を摺動する。
アーム部材22は側板1bに支持された軸22a回りに回動自在に配設されており、軸22aから見て一方の端部にはカム溝30dを摺動する摺動部22cが、他方の端部には係合部22bが設けられている。摺動部22cは軸体でありアーム部材22から回転板30側に突出している。アーム部材22は回転板30が回転するとカム溝30dを摺動部22cが摺動することで、カム溝30dに案内されて軸22a回りに回動することになる。係合部22bは補助板23の一方端部に支持された軸体23aと係合する。係合部22bはアーム部材22を軸体23a回りに回転可能とすると共に係合部22b内での軸体23aの平行移動を許容するように端部が開放した長孔状に形成されている。
補助板23の他方の端部には軸体23bが支持されており、補助板23はその両端部にて軸体23a、23bをそれぞれ支持する板状の部材である。各軸体23a及び23bは側板1bに設けられた案内孔24a、24bを摺動する。また、各軸体23a及び23bの先端は小径に形成され、その先端部分は後述するハーフミラー20の支持枠21の穴に差し込まれる。
図5(b)は側板1b上の機構を取り外した態様を示す図である。同図ではアーム部材14及び22、補助板23を破線で示しており、各案内孔16、24a、24bの形状、アーム部材14及び22、補助板23との位置関係を示す。孔14a’、22a’、30a’、35a’はそれぞれ軸14a、22a、30a、35aのための孔を示す。図6(a)は側板1bを取り外した態様を示す図(詳しくは、さらに他の側板1a、1d、1eを省略し、アーム部材14、22、補助板23を付加している)であり、画像表示ユニット1の内部の右側面図となる。
図6(a)に示すように、LCD10はブラケット13により支持されている。ブラケット13はLCD10の背面が装着される背板部13bと、背板部13bと一体に形成され、LCD10の側面から離間した側板部13aとを備えた枠部材である。側板部13aの上方にはLCD10の回動中心となる軸12が取付けられている。この軸12は側板1bに支持されており、側板1bを通過して側板1bの外部に設けられた止め具12a(図4、図5参照)にその端部が接続されている。軸12はその軸方向が水平方向に設定されており、LCD10は軸12により規定される水平軸回りに回動自在に支持されていることになる。
側板部13aには上下に延びる長孔状の案内部13cが設けられている。案内部13cはLCD10の移動を案内するためのもので、アーム部材14の摺動部14cは、側板1bの案内部16に加えてこの案内部13cも摺動する。つまり、摺動部14cは案内部16及13cを通過し、側板1bと側板部13aとを貫通していることになる。
次に、LCD10の背後にはハーフミラー20が配設されている。ハーフミラー20の両側部にはそれぞれハーフミラー20を支持する支持枠21が取付けられている。支持枠21は4つの穴が設けられている。この4つの穴のいずれか2つに補助板23の各軸体23a及び23bの先端が差し込まれ、側板1bを挟んで支持枠21と補助板23とが一体的に装着されることになる。
<移動動作>
次に、上記の駆動機構によるLCD10とハーフミラー20との移動態様について説明する。図6及び図7はLCD10とハーフミラー20との移動態様の説明図であり、LCD10、ハーフミラー20並びに上記の駆動機構の主要な構成を右側面から見た図である。まず、図6(a)はLCD10がその表示画面11が略垂直な状態にあり、画像表示ユニット1の正面に露出した状態にある。これを第1の位置という。この第1の位置は画像表示ユニット1を正面視するとハーフミラー20がLCD10の背後に隠れる位置であり、画像表示ユニット1の表示面はLCD10の表示画面11となる。換言すれば、LCD10が直接的な表示主体となる。LCD10はこれから説明するように背後方向に軸12回りに約90度回動する。このため、図6(a)の状態ではLCD10との干渉を避けるべく、ハーフミラー20は画像表示ユニット1のより奥手側の位置(退避位置)に位置している。
図6(b)は回転板30を略90度反時計回りに回転させた状態を示す図である。回転板30の回転によりカム溝30cを摺動部14dが摺動し、カム溝30cの案内によりアーム部材14が軸14aを回動中心として時計回りに回動している。アーム部材14の回動により摺動部14cの位置が移動し、側板1bの案内部16及びブラケット13の案内部13cを摺動部14cが摺動する。摺動部14cは軸14a回りに弧状に移動するのでブラケット13の案内部13cへの摺動によりブラケット13は軸12を回動中心として反時計回りに回動する。ブラケット13に支持されたLCD10も反時計回りに回動する。なお、図示していないが、スプリング15はLCD10が第1の位置にある時、自然長よりも伸長した状態にあり、その収縮力によりLCD10の反時計回りの回動を付勢することになる。
図6(b)の状態ではハーフミラー20はほとんど移動していない。カム溝30dの形状を見ればわかるように摺動部22cの摺動軌跡と回転板30の回転中心(軸30a)との距離が略一定となるようにカム溝30dの形状が設定されているためである。
図7(a)は回転板30を更に略90度反時計回りに回転させた状態を示す図である。アーム部材14の時計回りの回動が更に進んでLCD10の向きがかなり水平に近いところまでLCD10が回動している。この状態では、図示していないがスプリング15は自然長に近くなっており、その収縮力によるLCD10の反時計回りの回動の付勢力も小さくなっている。図7(a)の状態ではハーフミラー20の移動も進んでいる。回転板30の回転によりカム溝30dを摺動部22cが摺動し、カム溝30dの案内によりアーム部材22が軸22aを回動中心として時計回りに回動している。アーム部材22の回動により係止部22bの位置が移動し、軸体23aを押圧する。
軸体23aの押圧に付勢されて補助板23が支持枠21と一体となって移動し、この結果ハーフミラー20が移動する。軸体23a及び23bが側板1bの案内部24a及び24bに案内されてハーフミラー20を画像表示ユニット1の正面側に移動することになる。この際、本実施形態では2つの案内部24a及び24bを設け、それぞれ軸体23a及び23bを摺動するようにしているため、ハーフミラー20の単なる移動ではなく、その姿勢も変化させることができる。つまり、案内部24a及び24bによりハーフミラー20の移動時の姿勢を規定している。図7(a)の状態では図6(a)の状態よりもハーフミラー20の姿勢が寝ていることが分かる。
図7(b)は回転板30を更に略90度反時計回りに回転させた状態を示す図であり、LCD10とハーフミラー20との移動を完了した態様を示す図である。アーム部材14は略垂直方向を向いており、LCD10の姿勢は図6(a)に示す姿勢と比べると、その表示画面の下端部が後方上方へ略90度移動して、略水平である。LCD10のこの位置を第2の位置という。LCD10の表示画面は略水平であり、真下を向くことになる。この状態では、アーム部材14の回動中心(軸14a)と摺動部14cの軸心とを結ぶ線が略垂直方向を向いている。このため、LCD10の自重によりアーム部材14が受ける回転モーメントは略0となり、アーム部材14によりLCD10の静止状態をより維持し易くしている。また、図示していないがスプリング15は略自然長にあり、スプリング15によりアーム部材14が受ける回転モーメントも略0となる。
図7(a)から図7(b)の間ではLCD10の移動量は小さい。カム溝30cの形状を見ればわかるように摺動部14dの摺動軌跡と回転板30の回転中心(軸30a)との距離が略一定となるようにカム溝30cの形状が設定されているためである。つまり、LCD10を第1の位置から第2の位置へ移動させるにあたり、前半ではLCD10の移動量を大きくとって、後半ではハーフミラー20の移動量を大きくとることで両者の干渉を防止しているのである。
図7(b)の状態ではハーフミラー20が退避位置よりも大きく画像表示ユニット1の正面側に移動し、LCD10の略真下に位置している。また、退避位置の場合よりも姿勢が寝ており、水平面に対して略45度の傾斜を有している。このハーフミラー20の位置を表示位置という。この表示位置にある場合、ハーフミラー20は画像表示ユニット1の正面に露出した状態にある。また、第2の位置にあるLCD10はハーフミラー20に画像を投影し、ハーフミラー20が画像表示ユニット1の表示面となる。換言すれば、LCD10は間接的な表示主体となり、ハーフミラー20が直接的な表示主体となる。
このようにして、LCD10が第1の位置にある時はハーフミラー20が退避位置に、LCD10が第2の位置にある時はハーフミラー20が表示位置に、両者が連動して移動することになる。図7(b)から図6(a)の状態へ戻す場合にはモータ32を逆転させて回転板30を逆方向(時計回り)に回転させることになり、LCD10が第2の位置から第1の位置へ、ハーフミラー20が表示位置から退避位置へ、それぞれ連動して移動することになる。その際、スプリング15は徐々に伸長するのでアーム部材15の反時計回りの回動に抵抗することになる。この結果、LCD10が第1の位置から第2の位置へ上がる場合と、第2の位置から第1の位置へ下る場合とで、モータ32の負荷をより一定に近づけることができる。
つまり、LCD10は比較的重量が嵩むので、これを第1の位置から第2の位置へ移動する時にはモータ32の負荷が大きくなり、逆に第2の位置から第1の位置へ移動する時にはこれが小さくなる。一方、スプリング15はLCD10が第1の位置から第2の位置へ移動する時にはこれを付勢する方向に働き、第2の位置から第1の位置へ移動する時にはこれに抵抗する方向に働くことになる。よって、スプリング15によりモータ32の負荷が調整でき、第1の位置から第2の位置への移動の際と第2の位置から第1の位置への移動の際とでモータ32の負荷をより一定に近づけることができる。このことは移動速度の制御を容易化できるといったメリットがある。
また、本実施形態ではハーフミラー20は、表示位置から退避位置へ移動するにつれて、その姿勢が立つように(傾斜角度が大きくなるように)移動されることになる(逆に表示位置から退避位置へ移動するにつれて、その姿勢が寝るように(傾斜角度が小さくなるように)移動されることになる)。ハーフミラー20は平行移動としてもよいが退避位置でその傾斜が立つようにすることで、画像表示ユニット1の奥行き方向の長さをより短くできると共に、LCD10とハーフミラー20との干渉防止にも効果があり、ハーフミラー20の奥行き方向の移動量を小さくすることができる。
<画像表示態様>
次に、画像表示ユニット1の画像表示態様について図8を参照して説明する。図8は画像表示ユニット1による3次元画像の表示原理の説明図であり、同図の右側の図は画像表示ユニット1の要部を側方から見た図であり、同図の左側の図はLCD10が第2の位置にあるときに遊技者から見える表示画像を示している。なお、同図の例ではハーフミラー20の背後に立体物Xが配設されている。立体物Xは山を模した模型である。
LCD10が同図の破線の位置(第1の位置)にある場合、上述した通り、LCD10の表示画面11が画像表示ユニット1の正面に露出した状態にあり、遊技者からは表示画面11は見えるが、ハーフミラー20は退避位置(破線で示す。)にあり、LCD10の背後に隠れて見えない。画像表示ユニット1からはLCD10による2次元画像が遊技者に提示されることになる。
一方、LCD10が同図の実線の位置(第2の位置)にある場合、LCD10は略水平となるので遊技者からは表示画面11が直接見えない。そして、ハーフミラー20が実線で示す表示位置にあり、LCD10からハーフミラー20に投影された画像(虚像)が遊技者に提示されることになる。この虚像は同図に示すように遊技者から見ると、ハーフミラー20の背後に浮かんでいるように見え、立体的感のある、3次元的な画像となる。虚像の位置はLCD10とハーフミラー20との間の距離(L1、L2)とLCD10とハーフミラー20との間の角度(本例では略45度)とによって定まり、本実施形態の場合、ハーフミラー20から奥行き方向にL1、L2だけ離れた位置に虚像が見えることになる。
また、図8の例ではハーフミラー20の背後であって、虚像の位置よりも遊技者の視認方向に後に立体物Xが配置されている。立体物Xは実像としてハーフミラー20を透過して遊技者から見えることになる。このため、同図の左に示す表示画像では虚像(UFO)と立体物Xが合成された合成画像となり、遊技者から見ると、虚像(UFO)→立体物Xの順にこれらが位置しているように見える。立体物Xの存在により奥行き感が高まり、より一層3次元的な画像となる。
図9(a)は合成画像の一例であり、王様の顔とダイヤモンドを持った紳士との画像が虚像であり、他(階段、窓など)はハーフミラー20の背後に配設された模型である。同図の例では紳士の画像の色として濃色を用いることにより、その虚像の背後に存在する模型が透けて見え難くしている。また、図9(b)及び(c)は立体物(模型)の他のバリエーションを表現したものである。
このように本実施形態の画像表示ユニット1によれば、演出態様として2次元画像を表示する演出態様と、3次元画像を表示する演出態様とが選択でき、視認者を驚嘆させる画像表示を実現することができる。特に、第1の位置におけるLCD10の背後にハーフミラー20を配設したので、画像表示ユニット1を正面視すると、第1の位置におけるLCD10の画像表示領域と、ハーフミラー20による画像表示領域とは略一致しており、LCD10の移動により2次元画像と3次元画像とがまさにすりかわったような感覚を与えられる。しかも、LCD10を第1及び第2の位置で移動させることにより、一つのLCD10で2次元画像と3次元画像との双方が表示可能となり、複数個の画像表示装置を用いる必要がなく、コストの低減が図れる。
<シャッタユニット>
次に、図2及び図3を参照して、シャッタユニット50の構成について説明する。シャッタユニット50は左扉51aと右扉51bとを有する(以下、両者を総称するときは扉51という。)。左扉51aと右扉51bとは画像表示ユニット1の正面に開閉自在に設けられており、その閉鎖時にLCD10及びハーフミラー20による表示画像を遊技者から遮蔽して、視認困難とする一対の遮蔽部材を構成している。
図2及び図3においては左扉51aと右扉51bとが開放して、LCD10及びハーフミラー20による表示画像が遊技者から見える位置(非遮蔽位置)に位置している場合を示しており、これらが内側に移動して閉鎖時の位置(遮蔽位置;図1参照)にあると、LCD10及びハーフミラー20による表示画像を遊技者から遮蔽する。なお、表示画像の遮蔽は、左扉51aと右扉51bとを不透明な部材から構成してこれらの背後が全く見えなくするようにしてもよいし、スリガラスのように僅かに透けて見える部材から構成して左扉51aと右扉51bとの背後が全く見えないわけではないが、表示画像の表示内容を視認困難なようにしてもよい。
シャッタユニット50は中央に開口部53aが設けられたフレーム53を有する。このフレーム53の上端部の一部がコの字状に曲折されて枠体180aの上部の係合片に係合する、上述したフック状の係合部52が形成されている。また、フレーム53の背面には中空状の突出部53b(図示せず)が形成されており、この突出部53bにはスリット53b’(図示せず)が形成される。このスリット53b’は画像表示ユニット1の係合部1b”、1c”に対応してそれぞれ形成され、係合部1b”、1c”が挿入されて係合する。係合を解除するときは係合部1b”、1c”を少し上方に移動させてスリット53b’から抜き取ればよい。これにより画像表示ユニット1とシャッタユニット50とが相互に着脱自在に装着される。両者を着脱自在とすることにより、画像表示ユニット1とシャッタユニット50とを個別にユニット化して設計・製造して後で組み立てることができるので生産性に優れ、また、メンテナンスも容易化する。
フレーム53には上下一対のガイドレール部材が2組設けられている(58a、58b)。各ガイドレール部材58a、58bは断面コの字型をなし、扉51の下端部、上端部がそれぞれこれに嵌って扉51の左右方向の平行移動を案内する部材である。なお、ガイドレール部材58aは扉51aを案内し、ガイドレール部材58bは扉51bを案内する。
次に、扉51を移動させる駆動手段について説明する。本実施形態ではベルト伝動機構を採用する。ベルト伝動機構の採用により静寂で滑らかな扉51の移動が可能となる。左扉51a、右扉51bはそれぞれ独立して駆動されるが、その駆動手段等は同じ構成であるため、ここでは右扉51bの駆動手段等の構成のみについて説明する。
シャッタユニット50は一対のプーリ55b間に巻き回された無端ベルト56bと、無端ベルト56bを走行させるモータ54bと、を備える。プーリ55bは回転自在にフレーム53に軸支された回転体であり、一方のプーリ55bは駆動プーリとしてモータ54bの出力軸に接続されている。モータ54bは例えばステッピングモータであり、フレーム53の背面側に固定されている。右扉51bは無端ベルト56bに取り付けられ、無端ベルト56bの走行により移動する。フレーム53には右扉51bの位置を検出するための一対のセンサユニット57bが右扉51bの移動方向に離間して取付けられている。各センサユニット57bにより右扉51bを検知すると、モータ54bにより所定量無端ベルト56bを走行させて、その後、停止することにより、右扉51bを予め予定していた位置に停止させることができる。
このようなシャッタユニット50を設けたことにより、本実施形態ではLCD10及びハーフミラー20を扉51が遮蔽位置にある間に移動させることができる。こうすることで、LCD10等の移動を遊技者に見えないようにすることができ、扉51の開閉により2次元画像と3次元画像との切替えが突如として行われたような感覚を遊技者に与えることができ、2次元画像と3次元画像とがまさにすりかわったような感覚を与えられる。なお、本実施形態では障子のように左扉51aと右扉51bとを相互に相反するように左右方向に平行移動するように構成しているが、これらがそれぞれ回動して開閉する構成を採用してもよく、更に、LCD10及びハーフミラー20の表示画像を遊技者に視認困難とするものであれば他の構成でもよい。
<制御部>
次に、図10〜図12を参照してスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100は、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400から送信された信号に応じて演出ユニットAを制御する演出ユニット制御部500と、から構成されている。副制御部400と演出ユニット制御部500とは、演出に関する処理を実行する。
なお、本実施形態では、副制御部400から主制御部300へ、制御コマンド等を送信する構成は存在せず、主制御部300と副制御部400とのデータ通信は、主制御部300から副制御部400へのみデータが送信される一方向通信である。同様に演出ユニット制御部500から副制御部400へ、制御コマンド等を送信する構成は存在せず、副制御部400と演出ユニット制御部500とのデータ通信は、副制御部400から演出ユニット制御部500へのみデータが送信される一方向通信である。
<主制御部>
まず、図10を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400、演出ユニット制御部500においても同様である。なお、RAM313は不図示のバッテリバックアップ回路によりスロットマシン100の電源断時においても、記憶内容が消失しないようにされている。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチ324、リセットスイッチ326、及び電源電圧監視回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口160の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321はスタートレバー130に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン131a〜131cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン132、133のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。
精算スイッチ324は、精算ボタン135に対する操作を検出し、精算ボタン135が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。
リセットスイッチ326は、RAM313の記憶されている各種の情報を初期化するためのものである。電源電圧監視回路327は、スロットマシン100の電源電圧を監視し、一定の電圧以下に下がると信号を出力する。電源電圧監視回路327はスロットマシン100の電源を落とした時に、電圧が完全に落ちきる前にRAM313等の情報をバックアップするための処理を行うためのものである。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口161から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ121、スタートランプ122、再遊技ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(貯留枚数表示器126、表示器127、払出枚数表示器128等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部>
次に、図11を参照してスロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。なお、RAM413は不図示のバッテリバックアップ回路によりスロットマシン100の電源断時においても、記憶内容が消失しないようにされている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413に記憶されている情報を初期化するためのリセットスイッチ422、電源電圧監視回路423が接続されている。電源電圧監視回路423は上述した電源電圧監視回路327と同様のものであり、スロットマシン100の電源電圧を監視し、一定の電圧以下に下がると信号を出力する。電源電圧監視回路423はスロットマシン100の電源を落とした時に、電圧が完全に落ちきる前にRAM413等の情報をバックアップするための処理を行うためのものである。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信した制御コマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からの制御コマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、例えば、副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ151、サイドランプ152、中央ランプ153、腰部ランプ154、下部ランプ155、リールパネルランプ125、メダル払出口161を内側から閃光にて照明する払出口ストロボ159、受皿ランプ156を制御する。なお、CPU410は、演出ユニット制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。
<演出ユニット制御部>
次に、図12を参照してスロットマシン100の演出ユニット制御部500について説明する。演出ユニット制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。CPU510は、副制御部400の出力インタフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたCPU410からの信号を、入力インタフェース520およびバスを介して受信し、演出ユニット制御部500全体を制御する。
ROM512には、演出ユニット制御部500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。また、CPU510には、バスを介して、CPU530、モータ32を駆動するためのモータドライバ562、モータ54aを駆動するためのモータドライバ542、モータ54bを駆動するためのモータドライバ552、センサ57a’、57b’、41a及び41bが接続されている。なお、図示省略しているが、センサ57a’及び57b’はそれぞれ2つずつ設けられている。更に、CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
一方、ROM531には、CPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532は、CPU530で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP534には、水晶発振器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、LCD10の画像データが複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からの信号をもとにROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、LCD10の表示画面に画像を表示する。
<図柄配列>
図13は、各リール110〜112に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110〜112には、複数種類の図柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。コマとは1つの図柄が配設される領域の単位である。図柄表示窓113には、21コマの内の3コマ分が表示される。
図13の左端に示した番号0〜20は、リール上のどの位置のコマに各図柄が配置されているか、すなわち、配置番号(各コマを識別するための識別子であり、リールの回転位置はこの配置番号で管理される)である。この配置番号と図柄とは1対1で対応しており、例えば、左リール110の番号0のコマにはチャンス図柄、中リール111の番号1のコマには青7図柄、右リール112の番号2のコマにはリプレイ図柄が、それぞれ配置されている。
<入賞役>
次に、本実施形態におけるスロットマシン100の入賞役について説明する。図14〜16は、各遊技状態における内部当選種別、内部当選確率、対応する入賞役、入賞役の図柄組合せ、及び入賞時のメダルの払出枚数を示した図である。なお、各遊技状態における入賞役の種類は、図14〜図16に示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。尚、本実施形態において、「入賞役」とは、メダルの配当がある役(スイカ、ベル、チャンス、チェリー)の他、メダルの配当がない作動役(BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、リプレイを含む意味である。従って、本実施形態における「入賞」には、作動役の図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に表示された場合も含み、例えば、再遊技(リプレイ)入賞、BB入賞とした場合には、リプレイの図柄組合せ、BBの図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に表示されることを意味する。
詳しくは、図14は遊技状態が通常遊技(再遊技通常確率状態)の場合、図15は遊技状態が通常遊技(再遊技高確率状態:RT1モード)の場合、図16(a)は遊技状態が通常遊技(再遊技高確率状態:RT2モード)の場合、図16(b)は遊技状態がビッグボーナスゲーム(BBゲーム)の場合、図16(c)は遊技状態がレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)の場合を示している。
入賞役の内部抽選について概説すると、内部抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜65535)はあらかじめいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に当選やはずれが対応付けられている(例えば、0〜5はBB1、6〜11はBB2、…、17180〜63535ははずれなど)。これらの情報は、入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されており、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。図14〜図16に示す内部当選確率は、各入賞役に割り当てられた乱数値の範囲を全乱数値で除した数値である。なお、内部抽選以外の各種の抽選処理についても同様な方式を採用することができる。
図14、図15及び図16(a)〜(c)に示す内部当選種別とは、上述した内部抽選時に取得される乱数値の範囲の各領域に対応する。内部当選種別には単独と同時があり、単独は1回の内部抽選で1つの入賞役が内部当選となるもの、同時は1回の内部抽選で複数(ここでは2つ)の入賞役が内部当選となるものである。例えば、便宜的に付された「名称」がBB1&リプレイの種別に当選すると、BB1とリプレイとが同時に内部当選し、ビッグボーナス(BB)か再遊技に入賞可能となる。なお、内部当選の状態はRAM313に記憶領域が設定されている内部当選フラグのON、OFFにより管理される。内部当選フラグは、フラグ持ち越しの対象となる場合を除き、1回の遊技に限って有効となり、その遊技が終了するとOFFとなる。
内部当選確率の設定は、一般に所定の出玉率の範囲内になるように設定されており、遊技店の営業に合わせて設定1から設定6までの6段階に設定できるようになっている。図14、図15及び図16(a)〜(c)では、任意の1段階(設定N)を例示し、他の設定に関しては省略している。そして、内部抽選処理の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合に、内部当選した入賞役に対応する図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に停止する可能性がある。以下、各入賞役を個別に説明する。
・ビッグボーナス(BB)
入賞により遊技状態が変更される入賞役であり、本実施形態の場合、ビッグボーナスの遊技状態(BBゲーム)が開始される入賞役である。対応する図柄の組合せは2種類あり、内部当選フラグの種類(BB1、BB2)に応じて、青7−青7−青7か、赤7−赤7−赤7となる。本実施形態ではBBに内部当選するとその遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグがONのままとなって内部当選の状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となる。
・レギュラーボーナス(RB)
入賞により遊技状態が変更される入賞役であり、本実施形態の場合、レギュラーボーナスの遊技状態(RBゲーム)が開始される入賞役である。対応する図柄の組合せはBAR−BAR−BARである。本実施形態ではRBについても上述したフラグ持越しを行う。なお、BBとRBとを総称してボーナスと呼ぶ。
・小役
入賞により所定数のメダルが払い出される役であり、スイカ、ベル、チャンス、チェリーの4種類ある。対応する図柄組合せや払出枚数は、図14〜16に示す通りである。なお、「ANY」はどの図柄でもよいことを示しており、「チェリー」の場合、中リール112と右リール113の図柄は、どの図柄でもよい。これらの小役のうち、チャンスは、その入賞により遊技状態が変更される入賞役であり、本実施形態の場合、再遊技高確率状態(RT1モード)が開始される(図17参照)。
・再遊技(リプレイ)
入賞により、次回の遊技をメダルの投入なしで行うことができる入賞役であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する図柄の組合せは本実施形態の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。また、本実施形態の場合、再遊技の内部当選確率は通常確率と高確率との場合があり、高確率の場合は更に2種類存在する(RT1モードとRT2モード)。
また、本実施形態では、遊技状態として通常遊技状態とボーナス遊技状態(ボーナスゲーム)とに大別される。通常遊技状態は、再遊技通常確率状態と再遊技高確率状態とに区別され、更に再遊技高確率状態はRT1モードとRT2モードとに区別される。なお、RT2モードはボーナスに内部当選中の状態でもある(図17参照)。一方、ボーナス遊技状態は、ビッグボーナス遊技状態(BBゲーム)とレギュラーボーナス遊技状態(RBゲーム)とに区別される。以下、各遊技状態を個別に説明する。
・再遊技通常確率状態
初期設定される遊技状態であり、また、他の遊技状態が解除されるとこの遊技状態に戻る。但し、RT2モードが解除されると、遊技状態はボーナスゲームとなる。
・RT1モード/RT2モード
再遊技通常確率状態よりも再遊技の内部当選(リプレイ)の確率が高くなる遊技状態であるが、RT1モードの方が相対的に高確率である。すなわち、RT1モード/RT2モードは、メダルの目減りが少ないため、遊技者にとって有利な遊技状態である。図17はRT1モード及びRT2モードの設定・解除条件を示す図である。RT1モードは、上述したようにチャンスに入賞した場合(単独内部当選時に限る)に設定され、所定の遊技回数(本実施形態では7回)を消化すると解除される。RT2モードはボーナスに内部当選した場合(単独・同時内部当選の双方)に設定され、ボーナスに入賞すると解除される。
・ボーナスゲーム
遊技者が獲得し得る利益が大きい遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施形態ではBBゲームでのメダルの総払出枚数が規定枚数(例えば465枚)を超えると終了する。つまり、メダルの総払出枚数を終了条件とする。RBゲームの内容も、複数種類考えられるが、本実施形態ではRBゲームでの遊技回数が所定回数(例えば12回)に達するか、RBゲームでの入賞役の入賞回数が所定回数(例えば8回)に達すると終了する。つまり、遊技回数と入賞回数を終了条件とする。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。同じ条件について複数種類のリール停止制御データが設定されている場合には抽選によりいずれかを選択することになる。選択の条件には、少なくともその遊技における内部抽選結果が含まれる。その他、ボーナスのフラグ持ち越しの有無も選択の条件に含まれる。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン131a〜131cの操作があってから一定のコマ数の範囲(ここでは最大5コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止制御データは主制御部300のROM312に格納されている。各リール停止制御データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン114上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、BB又はRBの内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン131a〜131cを操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン131a〜131cを操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
もっとも、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、入賞役のチャンスに対応する、チャンス図柄の配置間隔は左リール110で最大7コマ、中リール111と右リール112とでは最大5コマであり、チャンスに内部当選すると、左から順に各リール110〜112を停止させた場合(いわゆる順押し)はそのタイミングに関わらず100%入賞することになる。このため、例えば、チャンスと同時にBB(BB1、BB2)やRB(BAR)が内部当選した場合は、チャンスと、これらのボーナスのいずれかが入賞することになる。
禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、BB又はRBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン131a〜131cを操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<遊技の基本的制御>
図18は、遊技の基本的制御を示した主制御部メイン処理のフローチャートである。この処理は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理(ステップS102〜S111)を繰り返し実行する。なお、一部を除き特に説明しないが、主制御部300はスロットマシン100に対する遊技者の操作や、各処理の処理結果を示す制御コマンドを随時、副制御部400へ送信する。副制御部400はスロットマシン100のステータス情報としてこれをRAM413に格納しておき、スロットマシン100の状態を常時把握することができる。
ステップS101では、まず、電源投入が行われると、初期化処理が実行される。
ステップS102では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、スタートレバー130が操作されたか否かのチェックを行う。スタートレバー130の操作があればステップS103へ進む。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS104では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、各入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選処理を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグをONに設定する。また、このステップS106では、副制御部400に対して内部当選結果コマンドを送信する。副制御部400は、この内部当選結果コマンドを受信することによって内部抽選の結果を把握する。
ステップS106では、リール停止制御データを選択する。
ステップS107では、全リール110〜112の回転を開始させるリール回転開始処理を行う。
ステップS108では、ストップボタン131a〜131cの受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止すると、ステップS109へ進む。なお、ステップS108のリール制御処理については、詳しくは後述する。
ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選中の入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、通常遊技状態で有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定し、ベルに対応するフラグはリセットされる。また、各入賞役の内部当選を示すフラグがリセットされる。但し、上述した通りBB、RBについては入賞しなかった場合は内部当選フラグがONの状態が維持され、次遊技移行に持ち越される。
ステップS110では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態制御処理を実行する。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BBやRBのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するBBゲームやRBゲームを開始できるように準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるように準備する。また、このステップS111では、副制御部400に対して遊技状態を示す状態コマンドを送信する。副制御部400は、この状態コマンドを受信することによって現在の遊技状態を把握する。なお、ステップS111の遊技状態制御処理については、詳しくは後述する。
以上により1ゲームが終了し、以降これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
<リール制御処理>
次に、図19を用いて、リール制御処理について説明する。ここで、図19は、図18のステップS108のリール制御処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、ストップボタン131a〜131cの停止操作があったか否か判定する。ストップボタン131a〜131cのいずれかの停止操作があったときは、ステップS202に進み、ストップボタン131a〜131cの停止操作がなかったときは、ストップボタン131a〜131cのいずれかの停止操作があるまで待機する。
ステップS202では、ストップボタン131a〜131cが停止操作されたことを示す停止操作コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400は、この停止操作コマンドを受信することによって、ストップボタン131a〜131cの停止操作を把握する。
ステップS203では、選択されたリール停止制御データを取得し、次いで、ステップS204では、取得したリール停止制御データに基づいて、停止操作されたリールのリール停止処理を行う。ここで、図20を参照して、ステップS204のリール停止処理について詳しく説明する。図20は、図19のステップS204のリール停止処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、取得したリール停止制御データより引き込み制御のコマ数を取得する。
ステップS302では、引き込み制御のコマ数に基づいて、リールの停止を行う。
ステップS303では、停止前のリール停止位置、リール停止済み情報、停止受付済みの設定に関する情報など、リール停止に関連する情報をクリア(初期化)する。
ステップS304では、停止したリールの停止位置情報を設定し、次いで、ステップS305では、停止リール情報を設定する。停止リール情報は、どのリールがどの位置で停止したのかを示す情報である。
図19に戻って、ステップS205では、停止リール情報を含むリール関連情報コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400は、このリール関連情報コマンドを受信することによって、停止リールの位置情報を把握する。
ステップS206では、すべてのリールが停止したか否かを判定する。すべてのリールが停止したときは、リール制御処理を終了し、いずれかのリールがまだ停止していないときは、ステップS201に戻る。
<遊技状態制御処理>
次に、図21を用いて、遊技状態制御処理について説明する。ここで、図21は、図18のステップS111の遊技状態制御処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS401では、現在の遊技状態がBBゲームか否かを判定する。現在の遊技状態がBBゲームである場合はステップS402へ進み、今回の遊技がBBゲーム中でない場合は、ステップS404へ進む。
ステップS402では、BBゲーム中のメダルの払出枚数をカウントするカウンタを更新する。このカウンタはRAM313上に設定されるソフトウエアカウンタである。なお、カウンタの更新は、図18に示すステップS110において実際に払い出されたメダルの枚数により行なってもよい。
ステップS403では、ステップS402で更新したカウント値が所定値(BBゲームの終了条件)を超えたか否かを判定する。BBの払出枚数が所定値を越えた場合はステップS416へ進み、通常遊技状態(再遊技通常確率状態)を設定する。これによりBBゲームは終了する。
ステップS404では、現在の遊技状態がRBゲームか否かを判定する。現在の遊技状態がRBゲームである場合は、ステップS410へ進み、現在の遊技状態がRBゲームでない場合は、ステップS405へ進む。ステップS410では、RBゲームの遊技回数、入賞回数の情報の更新、並びに、RBゲームの終了条件の判定を行う。RBゲームの終了条件に該当する場合は、通常遊技状態(再遊技通常確率状態)を設定してRBゲームを終了する。
ステップS405では、今回の遊技でRBに入賞したか否かを判定する。今回の遊技でRBに入賞した場合は、ステップS211へ進み、遊技状態をRBゲームに設定し、RBゲームに関する各種の情報の初期設定を行う。その後、ステップS414へ進む。一方、今回の遊技でRBに入賞しなかった場合は、ステップS406へ進む。
ステップS406では、今回の遊技でBBに入賞したか否かを判定する。今回の遊技でBBに入賞した場合は、ステップS412へ進み、遊技状態をBBゲームに設定し、BBゲームに関する各種の情報の設定を行う。その後、ステップS414へ進む。一方、今回の遊技でBBに入賞しなかった場合は、S407へ進む。
ステップS407では、今回の遊技でチャンスに入賞したか否かを判定する。今回の遊技でチャンスに入賞した場合は、ステップS413へ進み、今回の遊技でチャンスに入賞しなかった場合は、ステップS408へ進む。
ステップS413及びS414では、待ち時間を設定する処理を行う。
ここで、この待ち時間の設定について説明する。
本実施形態の演出ユニットAではその演出態様として2次元画像の表示を行う演出態様と3次元画像の表示を行う演出態様との間で演出態様の切り替えが可能である。この切り替えは、LCD10の移動という演出ユニットAの構成要素の機械的な可動を伴うため、約2秒程の切り替え時間が必要となる。また、本実施形態では主制御部300と副制御部400とが一方向通信であり、主制御部300は副制御部400の状態を把握できない。従って、演出態様の切り替え中に遊技に関する処理が進行してしまう場合を生じ、この場合、切り替わった後の演出がタイミングの悪い演出となってしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、一定の場合に遊技の進行に関する待ち時間を設定する。
待ち時間はBB、RB、チャンスの入賞時に設定されることになる。つまり、入賞した遊技の次の遊技の冒頭で待ち時間が設定される。待ち時間は入賞の種類により異なっており、BBは更にBB1に内部当選して入賞した場合とBB2に内部当選して入賞した場合とで異なるもの、つまり、入賞時の図柄の組合せによって異なるものとなっている。図22は各入賞役に対応する待ち時間の長さを示す図である。
BB入賞の場合、図柄組合せが青7−青7−青7の場合は待ち時間は約6秒であり、また、赤7−赤7−赤7の場合は待ち時間は約8秒である。これにより、図柄組合せが青7−青7−青7の場合と赤7−赤7−赤7の場合とでBBゲーム開始時の演出として演出時間が異なる演出を実行できる。RB入賞の場合は待ち時間は6秒である。チャンス入賞の場合は待ち時間は4秒である。本実施形態では、後述するように、チャンス入賞を契機として演出ユニットAの演出態様を2次元画像の演出態様から3次元画像の演出態様へ切り替えるため、チャンス入賞の場合の待ち時間は演出態様の切り替え時間(約2秒)を確保するための意味を持つ。
ステップS408では、今回の遊技でボーナス(BB、RB)に内部当選(BB1、BB2、BAR)したか否かを判定する。今回の遊技でボーナスに内部当選した場合は、ステップS415へ進み、今回の遊技でボーナスに内部当選しなかった場合は、ステップS409へ進む。
ステップS415では、RTモード制御処理を行う。RTモード制御処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS409では、その他の処理を実行する。
<RTモード制御処理>
図23は、図21のステップS415のRTモード制御処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS501では、現在の遊技状態がRT1モードか否かを判定する。現在の遊技状態がRT1モードである場合は、ステップS502へ進み、該当しない場合は、ステップS505へ進む。
ステップS302では、RT1モードカウンタを1つ減算する。RT1モードカウンタは、RAM313上に設定される、RT1モード中の遊技回数をカウントするソフトウエアカウンタであり、初期値はRT1モードの終了条件である遊技回数(本実施形態では、7回)である。
ステップS503では、ステップS502で減算したRT1モードカウンタのカウント値が0か否かを判定する。RT1モードカウンタのカウント値が0である場合は、ステップS504へ進み、RT1モードの設定を解除し(再遊技通常確率状態となる)、RT1モードカウンタのカウント値が0でない場合は、ステップS505へ進む。
ステップS505では、今回の遊技でボーナス(BB、RB)に内部当選(BB1、BB2、BAR)したか否かを判定する。今回の遊技でボーナスに内部当選した場合は、ステップS506へ進み、遊技状態としてRT2モードを設定する。一方、今回の遊技でボーナスに内部当選しなかった場合は、ステップS509へ進む。
ステップS507では、今回の遊技でボーナス(BB、RB)に入賞したか否かを判定する。今回の遊技でボーナス入賞した場合には、ステップS508へ進み、遊技状態としてRT2モードの設定を解除する。
ステップS509では、今回の遊技でチャンスに入賞したか否かを判定する。今回の遊技でチャンスに入賞した場合は、ステップS510へ進み、今回の遊技でチャンスに入賞しなかった場合は、処理を終了する。
ステップS510では、現在の遊技状態がRT1モードかRT2モードのいずれかであるか否かを判定する。現在の遊技状態がRT1モードかRT2モードのいずれかである場合は、処理を終了する。一方、現在の遊技状態がRT1モードかRT2モードのいずれでもない場合は、ステップS311へ進み、遊技状態としてRT1モードを設定する。この時、RT1モードカウンタの初期値もセットする。
<副制御部の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図24は、スロットマシン100の副制御部400の割り込み処理及びメイン処理を示すフローチャートである。
まず、図24(a)を参照して、割り込み処理について説明する。副制御部400のCPU410は同図の処理を所定周期で行う。
ステップS601では、主制御部300からの制御コマンドを受信したか否かを判定する。主制御部300からの制御コマンドを受信した場合は、ステップS602に進み、 主制御部300からの制御コマンドを受信しなかった場合は、処理を終了する。
ステップS402では、主制御部300から受信した制御コマンドをRAM413の所定のエリア(コマンド格納エリアという)に上書きせずに順次格納する。
次に、図24(b)を参照して、メイン処理について説明する。副制御部400のCPU410は、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理(ステップS702〜S704)を繰り返し実行する。
ステップS701では、初期化処理を行う。ここでは主に電源投入時の処理を行う。
ステップS702では、コマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。制御コマンドが格納されている場合は、ステップS703へ進み、制御コマンドが格納されていない場合は、ステップS702へ戻る。
ステップS703では、コマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、その内容を判定する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
ステップS704では、ステップS703の判定結果に応じて、演出処理を行う。ステップS704の演出処理に関しては、詳しくは後述する。
ここで、図25を参照して、スロットマシン100で実行される演出の内容の設定について説明する。図25は演出内容の基本的な設定を示す説明図である。演出内容の設定は主制御部300から送信される制御コマンドに従って副制御部400が行う。以下、基本的な設定の仕方について説明する。なお、以下に述べる以外にも、主制御部300からの制御コマンド(例えば、エラーを示すコマンド等)に応じて対応する演出内容が設定されている。
演出の内容は複数のグループに分かれており、主制御部300からの特定の制御コマンド(図25の演出グループ選択;演出グループ選択は、内部抽選結果、遊技状態、BB又はRBのフラグ持ち越しの有無などに応じて選択される)に応じていずれかが選択される。具体的には、各グループに対応した演出データ参照テーブルを備えており、いずれかの演出データ参照テーブルが選択される。各演出グループは、主制御部300からの制御コマンド毎(同図の例では、各ストップボタン131a〜131cに対する操作(第1〜第3停止操作、リールの停止(第1〜第3リール停止)、入賞判定結果(入賞判定))毎に決められており、当該個別の制御コマンドを受信すると対応する演出データを選択することになる。
演出データは、演出用のデバイス毎に設定されており、ROM412に格納されている。副制御部400は主制御部300から個別の制御コマンドを受信すると、対応する演出データを読み出して各デバイスにデータをセットする。また、演出ユニットAの制御に必要な制御コマンドを演出ユニット制御部500へ送信する。演出ユニット制御部500は、受信した制御コマンドに応じて演出ユニットAを制御することになる。
次に、演出ユニットAを中心としたスロットマシン100における演出の構成例について説明する。図26(a)はスロットマシン100における演出の構成例を示す概略図である。演出は、大別すると、通常演出モード、期待感演出モード、ボーナス演出モードの3つの演出モードにより構成される。通常演出モードと期待感演出モードとは通常遊技中に設定される演出モードであり、ボーナス演出モードはボーナスゲーム中に設定される演出モードである。
通常演出モードは、通常遊技中、期待感演出モードが設定されていない時に設定される。期待感演出モードは、ボーナスの内部当選を期待させる演出モードであり、”真”の場合と”ガセ”の場合とがある。なお、期待感演出モードにおいて、上述した3次元表示演出が実行される。
図26(b)は通常演出モードと期待感演出モードの演出態様、設定条件及び解除条件を示す図である。期待感演出モードのうち、”真”の期待感演出モードは、ボーナスとチャンスに同時に内部当選し、かつ、チャンスに入賞したことを条件として設定される。”真”の期待感演出モードが解除される条件は、ボーナスへの入賞である。
”真”の期待感演出モードが設定されている間はボーナス(BB、RB)の内部当選中(BB1、BB2、BAR)である。また、RT2モードの設定条件(図17参照)との関係から、”真”の期待感演出モードが設定されている間は、必ず遊技状態がRT2モードである。逆に、遊技状態がRT2モードの場合は、通常演出モードが設定されている場合(ボーナス単独当選の場合)と”真”の期待感演出モードが設定されている場合の双方があり得る。
一方、期待感演出モードのうち、”ガセ”の期待感演出モードは、本実施形態の場合、チャンスに単独で内部当選して、チャンスに入賞したことを条件として設定される。本実施形態では、更に、抽選(切替抽選)に当選したことを条件として”ガセ”の期待感演出モードが設定される。”ガセ”の期待感演出モードが解除される条件は遊技回数である。
”ガセ”の期待感演出モードはボーナスの内部当選中ではないのに期待感演出モードが設定される点で”ガセ”(偽り)である。また、RT1モードの設定条件(図17参照)との関係から、”ガセ”の期待感演出モードが設定されている間は、必ず遊技状態がRT1モードである。逆に、遊技状態がRT1モードの場合は、通常演出モードが設定されている場合と”ガセ”の期待感演出モードが設定されている場合の双方があり得る。”ガセ”の期待感演出モードの設定は切替抽選の当選を条件とするからである。
このように、期待感演出モードは、”真”、”ガセ”のいずれにおいても、チャンスへの入賞を条件としている。チャンスへの入賞が演出モードの切替契機となるので、遊技者にとっては演出モードの切替契機が分かり易いという利点がある。一方、チャンスへの入賞が演出モードの切替契機となることで、遊技者は期待感演出モードが”真”のものか、”ガセ”のものかが分かり難くなり、期待感演出モードでの遊技者のドキドキ感を高めることができる。
次に、通常演出モードでは演出ユニットAの演出態様が2次元画像表示の演出態様である。また、期待感演出モードでは演出ユニットAの演出態様が3次元画像表示の演出態様である。2次元画像表示の演出態様から3次元画像表示の演出態様への切り替えは遊技状態(ここでは再遊技通常確率状態→RT1又はRT2モード)に応じて行なわれることになる。すなわち、演出ユニットAの演出態様の変化は、遊技状態の切替を報知する意味を持つ。
<演出ユニット制御部の処理>
次に、演出ユニット制御部500の処理について説明する。図27は、スロットマシン100の演出ユニット制御部500の割り込み処理及びメイン処理を示すフローチャートである。
まず、図27(a)を参照して、割り込み処理について説明する。演出ユニット制御部500のCPU510は同図の処理を所定周期で行う。
ステップS801では、副制御部400からの制御コマンドを受信したか否かを判定する。副制御部400からの制御コマンドを受信した場合は、ステップS802へ進み、副制御部400からの制御コマンドを受信しなかった場合は、処理を終了する。
ステップS802では、副制御部400から受信した制御コマンドをRAM513の所定のエリア(コマンド格納エリアという)に上書きせずに順次格納する。
次に、図27(b)を参照して、メイン処理について説明する。演出ユニット制御部500のCPU510は、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS901では、RAM513のコマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。制御コマンドが格納されている場合は、ステップS902へ進み、制御コマンドが格納されていない場合は、ステップS901へ戻る。
ステップS902では、RAM513のコマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、その内容を判定する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
ステップS903では、ステップS902の判定結果に応じて演出データを取得し、演出ユニットAの各デバイスドライバに順次演出データをセットする。データのセットにより演出ユニットAがそのデータに応じた演出を実行する。
ここで、図28を参照して、演出ユニットAの制御内容の設定について説明する。図28(a)はROM512に格納される演出ユニットAの制御データを示す図であり、図28(b)はROM531に記憶されるLCD10の表示制御データを示す図である。演出ユニット制御部500は、副制御部400から上述した制御コマンドを受信すると、その制御コマンドにより示される番号(図28(a)の「No.」)に対応した処理を実行する。
図28(a)に示す制御データには制御コマンドにより示される番号に応じて、「処理順」と、左扉51aの制御内容(「左扉」)と、右扉51bの制御内容(「右扉」)と、LCD10の制御内容(「液晶表示装置」)とが設定されている。例えば、副制御部400からNo.1の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において、LCD10に表示制御データ1の内容を表示させる。詳細には図28(b)に示すようにNo.1の表示制御データを取得して対応する画像をLCD10に表示させる。続いて「処理順」2において扉51を全開にする。
また、例えば、副制御部400からNo.5の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において扉51を全閉にする。続いて「処理順」2においてLCD10を下(第1の位置)へ移動させる。また、例えば、副制御部400からNo.10の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において扉51を全閉にする。続いて「処理順」2においてLCD10を上(第2の位置)へ移動させる。また、例えば、副制御部400からNo.21の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において扉51を全閉にする。続いて「処理順」2においてLCD10を上(第2の位置)へ移動させる。そして、「処理順」3においてLCD10に表示制御データ2の内容を表示させる。これは3次元画像となる。そして「処理順」4において扉51を全開にして3次元画像を遊技者に提示する。このようにして演出ユニットAの動作が制御されることになる。
<演出処理>
次に、図29を参照して、本実施形態における演出処理について説明する。図29は、図24のステップS704の演出処理を詳しく示すフローチャートである。
ここで、図29を参照して演出処理を説明する前に、本実施形態における演出処理について概説する。本実施形態の演出処理は、小デジ演出を実行することを特徴としている。小デジ演出は、LCD10を介して実行される演出であり、表示画面11上で主となる主演出と、表示画面11上で副となる指標演出との双方を同時に実行する演出である。なお、主演出とは、入賞役内部抽選の抽選結果を反映している演出であり、例えば、表示画面11における表示領域が大きく、視覚的に遊技者に目立つ演出となっている。これに対して、指標演出は、識別情報の組合せ態様を表示する演出であり、この識別情報の組合せ態様により、入賞役内部抽選の抽選結果、遊技状態、演出状態など遊技に関する情報を示唆し、主演出と比べると、例えば、表示画面11における表示領域が小さかったり、また、表示時間が短かったりして、視覚的に遊技者に目立たない補助的な演出となっている。
図30(a)は、小デジ演出の一例を示している。主演出は、図30(b)に示すようなステップアップ予告演出であり、図30(a)に示すように、LCD10の表示画面11の多くの表示領域を使って、ステップ数及びキャラクタの動作を表示する。
なお、ステップアップ予告演出とは、期待感演出のひとつであって、予告演出態様が異なる複数の演出ステップを順次実行していくことにより(各演出ステップは、それぞれが段階的に関連性を持って実行され、例えば、ストーリー性がある演出態様となっている)、予告演出態様を変化させて、遊技者にとって有利な状態の可能性を予告する予告演出である。例えば、具体的には、キャラクタを演出ステップごとに段階的に順次表示させる演出を行って、BBへの内部当選の可能性を予告したりする。また、ステップアップ予告演出には、キャラクタを順次表示させるほか、音をだんだん大きくしたり、照明をだんだん明るくしたり、役物をだんだん激しく動作させたりして、期待感を高めるような演出態様も含まれる。
また、期待感演出とは、遊技者にとって有利な決定(例えば、内部抽選結果など)、及び有利な遊技状態への移行を遊技者に示唆する演出をいい、具体的には、LCD10による映像出力、扉51の駆動、装飾用ランプの点灯、スピーカ483からの音声出力により演出が実行される。期待感演出は、遊技者が1ゲームに費やす時間(平均的な時間)よりも長い時間行われる場合が多く、例えば、数ゲームに亘って連続した演出が行われる。上述した期待感演出モード(真及びガセ)で実行される3次元表示演出も期待感演出の一つである。
一方、指標演出は、図30(a)に示すように、LCD10の表示画面11の右下の小さな表示領域を使って、識別情報の変動及び停止の態様を表示する。本実施形態では、図30(c)に示すように、識別情報として、3桁の数字(数字A、数字B、数字C)を変動表示させるが、識別情報はこれに限定されず、記号、文字、図柄などであってもよい。
図30に示す例においては、スタートレバー130を操作して、主演出が実行され、主演出がステップ1からステップ3まで達すると、指標演出が開始され、数字が変動するようになっている。そして、この数字の変動は、図31に示すように、ストップボタン131a〜131cの各停止操作と連動して停止するようになっている。なお、指標演出は、数字の変動を伴わずに、ストップボタン131a〜131cの各停止操作と連動して、数字を表示するだけの演出であってもよい。また、数字が表示される契機も、上述したストップボタン131a〜131cの各停止操作と連動する他、ストップボタン131a〜131cのいずれかの停止操作で3桁の変動する数字がすべて停止するようにしてもよい。
以上から、本実施形態の小デジ演出では、主演出の内容が同一であっても(例えば、ステップアップ予告演出のステップ3の画像を表示)、指標演出の識別情報の表示態様(3桁の数字)により、異なった意味を持たせることが可能なので、これにより、期待感演出のバリエーションを豊富することができ、遊技者は期待感演出に飽きることなく、継続して興趣を高めることができる。
好適には、例えば、ステップアップ予告演出で、主演出がさらに発展してボーナスの可能性を示唆する演出となるか、発展せずに終わるかの分岐として、指標演出を使ってもよく、ある数字の組合せ(例えば、777など)が表示されたときには、ボーナスの可能性を示唆するようにしてもよい。すなわち、ステップアップ予告演出のステップが同一であっても、表示される指標演出の数字の組合せによって、ボーナスへの信頼度が異なるようにしてもよい。また、上述した3次元表示を行う期待感演出モードにおいてステップアップ予告演出を行う場合には、指標演出の数字組合せによって、真かガセかの判断が可能であるようにしてもよい。また、例えば、主演出が期待度の低い演出でも、指標演出の態様(例えば、7テンパイなど;テンパイとは、3つの数字のうち、2つの数字が同一である表示結果をいう)により、期待度の低い演出が期待度の高い演出に変化するようにしてもよい。また、例えば、停止表示された出目がチャンス目(ボーナス内部当選中に通常よりも高い割合で表示される出目)であっても、指標演出の態様により(例えば、123など特定の法則性ある数字を表示)、リーチ目(ボーナスに内部当選しているときだけに表示される出目)を意味するようにしてもよい。このように、主演出の内容は同一であっても、指標演出の内容によって、小デジ演出の意味合いは異なるので、遊技者は、主演出による情報と指標演出による情報の組合せに注目して、遊技に関する情報を得ていく。
なお、本実施形態の小デジ演出においては、上述した入賞役内部抽選の抽選結果を反映した指標演出の他、リールの停止結果を反映した指標演出(例えば、リールの図柄組合せがボーナス図柄のテンパイ(2つのリールの停止により、役を構成する2つの図柄が有効ライン上に揃っており、あと1つ図柄が揃うことによって、その役が成立する停止表示結果)であるときは、指標演出の数字もテンパイ(2つの数字が同一である表示結果)するなど)も行われるようになっている。以下、図29に示す演出処理について説明する。
ステップS1001では、受信した制御コマンドが内部当選結果コマンドであるか否かを判定する。受信した制御コマンドが内部当選結果コマンドであるときは、ステップS1002に進み、受信した制御コマンドが内部当選コマンドでもないときは、ステップS1010に進む。
ステップS1002では、演出データ参照テーブル(図25参照)を確認する。
ステップS1003では、演出データ参照テーブルの中から演出データテーブル(図25参照)を選択する。ここで、本実施形態の演出データテーブルは、上述した小デジ演出を実行する演出データテーブルを含む構成となっており、例えば、図25に示すように、ステップアップBOY演出データテーブルは、小デジ演出を実行可能とする演出データテーブルである。詳しくは、ステップアップBOY演出データテーブルは、主演出に関する演出情報(演出セット番号、ステップ数)と、指標演出に関する演出情報(小デジ情報、付加情報)を備えており、1つの演出データで主演出及び指標演出の態様を決定することができる。
ステップS1004では、選択された演出データテーブルが指標演出を実行する演出情報を有するか否か、具体的には、選択された演出データテーブルがステップアップBOY演出データテーブルであるか否かを判定する。指標演出を実行する演出情報を有するときは、ステップS1005に進み、指標演出を実行する演出情報を有しないときは、ステップS1010に進む。
ステップS1005では、入賞役の内部抽選結果、入賞判定結果、現在の遊技状態などから現在の指標演出状態を確認する。本実施形態における指標演出状態を図32(a)に示す。例えば、ボーナス非内部当選時においては、通常状態、また、スイカ当選時以後5ゲーム間はテンパイ率高状態が設定されている。
ステップS1006では、選択された演出データテーブルに従って、主演出情報(演出セット番号、ステップ数)を取得する。
ステップS1007では、内部抽選結果コマンドから内部抽選結果を取得する。
ステップS1008では、設定されている指標演出状態、及び内部抽選結果から抽選結果指標演出カテゴリを絞り込み、抽選処理を行う。ここで、抽選結果指標演出カテゴリとは、内部抽選結果を反映して決定される指標演出の演出態様をいい、具体的には、指標演出の3桁の数字(数字A、数字B、数字C)を決定するカテゴリである。本実施形態における抽選結果指標演出カテゴリを図32(b)に示す。本実施形態では、条件(1)〜条件(18)のカテゴリを備えている。例えば、条件(1)は、7を除くバラケ目(3つの数字が異なっている出目)を生成するカテゴリ、条件(2)は、7を除く奇数のみのバラケ目を生成するカテゴリである。例えば、指標演出状態がテンパイ率高状態抽選のときには、条件(6)〜条件(13)が選択され、この中から抽選処理によって、いずれか1つの条件が決定される。
ステップS1009では、抽選結果指標演出カテゴリの設定をする。これは、ステップステップS1008で決定された抽選結果指標演出カテゴリを設定するものである。
ステップS1010では、受信した制御コマンドがリール関連情報コマンドであるか否かを判定する。受信した制御コマンドがリール関連情報コマンドであるときは、ステップS1011に進み、受信した制御コマンドがリール関連情報コマンドでないときは、ステップS1017に進む。
ステップS1011では、指標演出の補正抽選を行い、補正抽選に当選したか否かを判定する。指標演出の補正抽選に当選したときは、ステップS1012に進み、指標演出の補正抽選に当選しなかったときは、ステップS1017に進む。
ステップS1012では、リール関連情報コマンドの内容から、リールの停止表示態様を判定する。リールの停止表示態様とは、本実施形態の場合、リールの第2停止時の停止表示結果をいい、具体的には、図33に示す条件(A)〜条件(O)を意味する。
ステップS1013では、リールの停止表示態様に従って、停止表示結果指標演出カテゴリを設定する。停止表示結果指標演出カテゴリとは、リールの停止表示結果を反映して決定される指標演出の演出態様をいい、具体的には、リールの第2停止時の停止表示結果に基づいて、指標演出の2桁の数字(数字A、数字B、数字Cのうちのいずれか2つ)を決定するカテゴリである。本実施形態における停止表示結果指標演出カテゴリを図33に示す。条件(A)〜条件(K)は、テンパイに関する停止表示結果、条件(L)〜条件(M)は、リーチ目に関する停止表示結果、条件(N)〜条件(O)は、チャンス目に関する停止表示結果の場合の指標数字の特徴を示している。例えば、条件(A)のとき、すなわち、リールの停止表示態様が青7図柄のテンパイであるときは、既に停止している停止数字(第1停止数字)と同一の数字を第2停止数字として表示し、かつ、この数字を強調する(例えば、大きく表示したり、点滅させたりする)。
図34(a)にリーチ目の一例(第1停止リールだけ構成されるリーチ目であって、左リール110に表示されるリーチ目の一例)、図34(b)にチャンス目の一例(第1停止リール及び第2停止リールにより構成されるチャンス目であって、左リール110及び中リール111に表示されるチャンス目の一例)を示す。
ステップS1014では、設定された抽選結果指標演出カテゴリ、又は停止表示結果指標演出カテゴリに基づいて、識別情報、すなわち、指標演出において停止表示される3桁の数字A、B、及びCを生成する処理を実行する。生成された識別情報は、指標演出情報として取得する。このステップS1014の識別情報生成処理については後述する。
ステップS1015では、主演出だけ実行されるので、選択された演出データテーブルに従って、主演出情報を取得する。
ステップS1016では、取得した主演出情報、指標演出情報に基づいて、演出情報をセットする。この結果、セットされた演出情報に従って、演出が実行される。
ステップS1017では、その他の制御コマンドに応じて、その他の演出処理を行う。
<識別情報生成処理>
図35は、図29のステップS1014の識別情報生成処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS1101では、設定された指標演出のカテゴリを確認する。具体的には、抽選結果指標演出カテゴリ、又は停止表示結果指標演出カテゴリのいずれかを確認する。
ステップS1102では、設定された指標演出のカテゴリが抽選結果指標演出カテゴリであるか否かを判定する。設定された指標演出のカテゴリが抽選結果指標演出カテゴリであるときは、ステップS1103に進み、設定された指標演出のカテゴリが抽選結果指標演出カテゴリでないとき、すなわち、設定された指標演出のカテゴリが停止表示結果指標演出カテゴリであるときは、ステップS1109に進む。
ステップS1103では、入賞役内部抽選の結果に応じた数値生成の条件を取得する。この入賞役内部抽選の結果に応じた数値生成の条件は、図29のステップS1009で設定された抽選結果指標演出カテゴリ、具体的には、図32(b)に示す条件(1)〜条件(18)のいずれかを意味する。
ステップS1104では、取得した数値生成の条件が、図32(b)に示す条件(1)であるか否かを判定する。取得した数値生成の条件が、条件(1)であるときは、ステップS1105に進み、条件(1)による生成方法で数字Aを生成し、次いで、ステップS1106に進み、条件(1)による生成方法で数字Bを生成し、ステップS1107に進み、条件(1)による生成方法で数字Cを生成する。この結果、7を除く完全バラケ目の3桁の数字が生成される。なお、ステップS1105〜S1107における数値生成処理は、詳しくは後述する。一方、取得した数値生成の条件が、図32(b)に示す条件(1)でないときは、ステップS1108に進み、その他の条件(条件(2)〜条件(18))による数値生成方法で3桁の数値を生成する。
ステップS1109では、リールの停止表示の結果に応じた数値生成の条件を取得する。このリールの停止表示の結果に応じた数値生成の条件は、図29のステップS1013で設定された停止表示結果指標演出カテゴリ、具体的には、図33に示す条件(A)〜条件(0)のいずれかを意味する。
ステップS1110では、取得した数値生成の条件に応じた数値生成方法で3桁の数値を生成する。具体的には、図33に示す停止表示結果指標演出カテゴリ表の条件(条件(A)〜(O))による数値生成方法で3桁の数値を生成する。
図36は、図35のステップS1105の条件(1)による数字Aの生成処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS1201では、乱数値を取得する。
ステップS1202では、取得した乱数値を9で割り、余りを特定値A(0〜8)として取得する。
ステップS1203では、特定値Aが7より小さいか否かを判定し、特定値Aが7より小さいときは、ステップS1204に進み、特定値Aの値を数字Aに設定し、特定値Aが7以上のときは、ステップS1205に進み、特定値Aに1を加算した値を数字Aとする。
図37は、図35のステップS1106の条件(1)による数字Bの生成処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS1301では、乱数値を取得する。
ステップS1302では、取得した乱数値を9で割り、余りを特定値B(0〜8)として取得する。
ステップS1303では、特定値Bが7より小さいか否かを判定し、特定値Bが7以上のときは、ステップS1304に進み、特定値Bに1を加算した値を特定値Bとする。
ステップS1305では、特定値Bが数字Aと同じであるか否かを判定する。特定値Bが数字Aと同じであるときは、ステップS1301に戻り、特定値Bが数字Aと同じでないときは、ステップS1306に進み、特定値Bを数字Bに設定する。
なお、図37に図示してはいないが、ステップS1301〜S1305の繰り返し処理をN回実行しても、特定値Bが数字Aと同じであるときは、特定値Bが6のときは、特定値Bに2を加算した8を数字Bとし、特定値Bが9のときは、数字Bを0とし、特定値Bが6及び9のいずれでもないときは、特定値Bに1を加算した数値を数字Bとする。
図38は、図35のステップS1107の条件(1)による数字Cの生成処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS1401では、数字Bが0であるか否かを判定し、数字Bが0であるときは、ステップS1402に進み、数字Bが0でないときは、ステップS1408に進む。
ステップS1402では、乱数値を取得する。
ステップS1403では、取得した乱数値を8で割り、余りに1加算した特定値C(1〜8)を取得する。
ステップS1404では、特定値Cが7以上であるか否かを判定する。特定値Cが7以上であるときは、ステップS1405に進み、特定値Cに1加算した値を特定値Cとする。
ステップS1406では、特定値Cと数字Aが同じであるか否かを判定する。特定値Cと数字Aが同じであるときは、ステップS1402に戻り、特定値Cと数字Aが同じでないときは、ステップS1407に進み、特定値Cを数字Cとする。
なお、図38に図示してはいないが、ステップS1402〜S1406の繰り返し処理をN回実行しても、特定値Cが数字Aと同じであるときは、特定値Cが6のときは、特定値Cに2を加算した8を数字Cとし、特定値Cが9のときは、数字Cを0とし、特定値Cが6及び9のいずれでもないときは、特定値Cに1を加算した数値を数字Cとする。
ステップS1408では、数字A及と数字Bがともに奇数であるか否かを判定する。数字A及と数字Bがともに奇数であるときは、ステップS1409に進み、そうでないときは、ステップS1412に進む。
ステップS1409では、乱数値を取得する。
ステップS1410では、取得した乱数値を5で割り、余りを特定値C(0〜4)として取得する。
ステップS1411では、特定値Cを2倍した数値を数字Cにする。
ステップS1412では、乱数値を取得する。
ステップS1413では、取得した乱数値を9で割り、余りを特定値C(0〜8)として取得する。
ステップS1414では、特定値Cが7より小さいか否かを判定し、特定値Cが7より小さいときは、ステップS1415に進み、特定値Cの値を数字Cに設定し、特定値Cが7以上のときは、ステップS1416に進み、特定値Cに1を加算した値を数字Cとする。
<3桁数字の生成方法>
なお、図35及び図36〜図38では、条件(1)による数値生成方法だけを挙げて説明し、その他の数値生成方法について説明しなかったが、以下に、条件(1)〜条件(18)による数値生成方法について具体的に説明する。
(1桁数字の生成方法)
まず、条件(1)〜条件(18)による数値生成方法を説明する前に、その前提として、条件ごとの1桁数字の生成方法について説明する。
・7以外の1桁数字の生成方法(生成方法Aと称する)
生成する値「Y」は、「0、1、2、3、4、5、6、8、9」のいずれかをとるものとする。
1.乱数(0〜65535のいずれかの値をとる;以下同じ)÷9を実行し、その余り「A」(0〜8)を取得する。
2.Aの値に応じて、Yを設定する。
2−1.Aが7未満の数値のときは、Y=A
2−2.Aが7以上の数値のときは、Y=A+1
・7以外かつ未選択の1桁数字生成(生成方法Bと称する)
生成する値「Y」は、選択済の値「X」を除く「0、1、2、3、4、5、6、8、9」のいずれかをとるものとする。
1.生成方法Aを実行し、結果Rの値とXの値を比較する。
2.1の比較結果に応じて、処理を行う。
2−1.RとXが同じときは、1の処理を再度実行する。
2−2.RとXが異なるときは、Y=R
2−3.1の処理をN回実行済のときは、
2−3−1.Rが6のときは、Y=R+2
2−3−2.Rが9のときは、Y=0
2−3−3.Rが6、9以外のときは、Y=R+1
・7及び0以外、かつ未選択の1桁数字生成(生成方法Cと称する)
生成する値「Y」は、選択済の値「X」を除く「1、2、3、4、5、6、8、9」のいずれかをとるものとする。
1.乱数÷8を実行し、その余りに1加算した値「A」(1〜8)を取得する。
2.Aの値に応じて設定する値Rを取得
2−1.Aが7未満のときは、R=A
2−2.Aが7以上のときは、R=A+1
3.Rの値とAの値を比較し、比較結果に応じて、処理を行う。
3−1.RとXが同じときは、1の処理を再度実行する。
3−2.RとXは異なるときは、Y=R
3−3.1の処理をN回実行済のときは、
3−3−1.Rが6のときは、Y=R+2
3−3−2.Rが9のときは、Y=0
3−3−3.Rが6、9以外のときは、Y=R+1
・奇数生成(生成方法Dと称する)
生成する値「Y」は、「1、3、5、9」のいずれかをとるものとする。
1.乱数÷4を実行し、その余りを「A」(0〜3)を取得する。
2.Aの値に応じて、Yを設定
2−1.Aの値が3のときは、Y=2(A+1)+1
2−2.Aの値が0、1、2のときは、Y=2A+1
・偶数生成(生成方法Eと称する)
生成する値「Y」は、「0、2、4、6、8」のいずれかをとるものとする。
1.乱数÷5を実行し、その余りを「A」(0〜4)を取得する。
2.Y=2A
・奇数かつ未選択の1桁数字生成(生成方法Fと称する)
生成する値「Y」は、選択済の値「X」を除く「1、3、5、9」のいずれかをとるものとする。
1.生成方法Dを実行し、結果Rの値とXの値を比較する。
2.1の比較結果に応じて、処理を行う。
2−1.RとXが同じときは、1の処理を再度実行する。
2−2.RとXが異なるときは、Y=R
2−3.1の処理をN回実行済のときは、
2−3−1.Rが5未満のときは、Y=R+2
2−3−2.Rが5のときは、Y=9
2−3−3.Rが9のときは、Y=0
・偶数かつ未選択の1桁数字生成(生成方法Gと称する)
生成する値「Y」は、選択済の値「X」を除く「0、2、4、6、8」のいずれかをとるものとする。
1.生成方法Eを実行し、結果Rの値とXの値を比較する。
2.1の比較結果に応じて、処理を行う。
2−1.RとXが同じときは、1の処理を再度実行する。
2−2.RとXが異なるときは、Y=R
2−3.1の処理をN回実行済のときは、
2−3−1.Rが8のときは、Y=0
2−3−2.Rが0、2、4、6のときは、Y=R+2
(3桁数字の生成方法)
次に、上述した1桁数字の生成方法を用いて、3桁の数字を生成する方法を、条件別に説明する。
・条件(1)
7を除く完全バラケ目を生成する。
1.生成方法Aを実行し、生成方法Aにより生成した値を数字Aに格納する。
2.数字Aを選択済値Aとして、生成方法Bを実行し、生成方法Bにより生成した値を数字Bに格納する。
3.数字Bの値に応じて、以下の処理を行う。
3−1.数字Bが0のとき、数字Aを選択済値Xとして生成方法Cを実行し、生成方法Cにより生成した値を数字Cに格納する。
3−2.数字Aと数字Bが奇数のとき、生成方法Eを実行し、生成方法Eにより生成した値を数字Cに格納する。
3−3.上記以外のときは、生成方法Aを実行し、生成方法Aにより生成した値を数字Cに格納する。
・条件(2)
7を除く奇数のみのバラケ目を生成する。
1.生成方法Dを実行し、生成方法Dにより生成した値を数字Aに格納する。
2.数字Aを選択済値Xとして、生成方法Fを実行し、生成方法Fにより生成した値を数字Bに格納する。
3.生成方法Dを実行し、生成方法Dにより生成した値を数字Cに格納する。
・条件(3)
完全バラケ+7(バラケ目で、いずれかに7が1個出現)を作成する。
1.条件(1)を実行し、条件(1)により取得した値を数字A、数字B、数字Cに格納する。
2.数字A、数字B、数字Cのいずれかに演出コマンドの抽選により、7を格納する。
3.数字A、数字B、数字Cがすべて奇数の場合は、7の格納位置に応じて、以下の処理を行う。
3−1.数字Aまたは数字Bが7の場合、生成方法Eにより作成した値を数字Cに格納する。
3−2.数字Cが7の場合、生成方法Eにより作成した値を数字Bに格納する。
・条件(4)
奇数バラケ+7(すべて奇数のバラケ目で、いずれか1つに7を出現)を作成する。
1.条件(2)を実行し、条件(2)により取得した値を数字A、数字B、数字Cに格納する。
2.数字A、数字B、数字Cのいずれかに演出コマンドごとの抽選により、7を格納する。
・条件(5)
ダブル7(いずれか2つに7が出現、残りの数字は7以外)を作成する。
1.数字A、数字B、数字Cに7を格納する。
2.数字A、数字B、数字Cを均等抽選により、いずれか1つ選択し、選択された数字A、B、Cのいずれかには、生成方法Aにより生成された値を格納する。
・条件(6)
0のテンパイを作成する(残りの数字は7以外)。
1.数字Aと数字Bに0を格納する。
2.0を選択済値Xとして、生成方法Bを実行し、生成方法Bにより生成した値を数字Cに格納する。
・条件(7)
3のテンパイを作成する(残りの数字は7以外)。
1.数字Aと数字Bに3を格納する。
2.3を選択済値Xとして、生成方法Bを実行し、生成方法Bにより生成した値を数字Cに格納する。
・条件(8)
3、7を除く奇数テンパイを作成する(残りの数字は、7とテンパイ数値以外)。
1.3を選択済値Xとして、生成方法Fを実行し、生成方法Fにより生成した値を数字Aに格納する。
2.数字Aの値を数字Bに格納する。
3.数字Aを選択済値Xとして、生成方法Fを実行し、生成方法Fにより生成した値を数字Cに格納する。
・条件(9)
0を除く偶数テンパイを作成する(残りの数字は、7とテンパイ数値以外)。
1.0を選択済値Xとして、生成方法Gを実行し、生成方法Gにより生成した値を数字Aに格納する。
2.数字Aの値を数字Bに格納する。
3.数字Aを選択済値Xとして、生成方法Gを実行し、生成方法Gにより生成した値を数字Cに格納する。
・条件(10)
007を作成する。
1.数字Aと数字Bに0を格納する。
2.数字Cに7を格納する。
・条件(11)
337を作成する。
1.数字Aと数字Bに7を格納する。
2.数字Cに7を格納する。
・条件(12)
偶数テンパイ+7を作成する。
1.0を選択済値Xとして、生成方法Gを実行し、生成方法Gにより生成した値を数字Aに格納する。
2.数字Aの値を数字Bに格納する。
3.数字Cに7を格納する。
・条件(13)
奇数テンパイ+7を作成する。
1.3を選択済値Xとして生成方法Fを実行し、生成方法Fにより生成した値を数字Aに格納する。
2.数字Aの値を数字Bに格納する。
3.数字Cに7を格納する。
・条件(14)
偶数の3つ揃いを作成する。
1.生成方法Eを3回実行し、生成方法Eにより生成した値を数字A、数字B、数字Cに格納する。
・条件(15)
奇数の3つ揃いを作成する(但し、7の3つ揃いではない)。
1.生成方法Dを3回実行し、生成方法Dにより生成した値を数字A、数字B、数字Cに格納する。
・条件(16)
7の3つ揃いを作成する。
1.設定値(6段階)ごとに抽選を行い、7の3つ揃いを有効にするか否かを決定する。
2.上記抽選結果に応じて、以下の処理を行う。
2−1.7の3つ揃いが有効のときは、数字A、数字B、数字Cに7を格納する。
2−2.7の3つ揃いが無効のときは、条件(1)を実行し、条件(1)により取得した値を数字A、数字B、数字Cに格納する。
・条件(17)
スイカ目を生成する。具体的には、101、202、303、…、909(但し、707は除く)
1.条件(1)を実行し、条件(1)により取得した値を数字A、数字Cに格納する。
2.数字Bに0を格納する。
・条件(18)
チェリー目を作成する。具体的には、100、200、300、…、900(但し、700は除く)
1.条件(1)を実行し、条件(1)により取得した値を数字Aに格納する。
2.数字B、数字Cに0を格納する。
以上、本実施形態のスロットマシン100によれば、LCD10上で小デジ演出、すなわち、主演出と指標演出を同時に実行するので、期待感演出のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者は期待感演出に飽きることなく、継続して興趣を高めることができる。すなわち、主演出の内容が同一であっても、指標演出の識別情報の表示態様により、異なった意味を持たせることが可能なので、遊技者に対して継続して期待感を維持させることできる。例えば、ステップアップ予告演出において、主演出がさらに発展してボーナスの可能性を示唆する演出となるか、発展せずに終わるかの分岐として、指標演出を使う場合には、ある数字の組合せ(例えば、777など)が表示されたときには、ボーナスの可能性を示唆するので、遊技者は、主演出による情報と指標演出による情報に注目して、ボーナスへの信頼度に関する情報を取得することができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。
例えば、扉51の移動を伴う小デジ演出としてもよく、この場合には、LCD10の表示画面11のうち、非遮蔽領域において、指標演出を実行するものである。図39(a)は、右扉51b(図示略)が非遮蔽位置にあるときに、左扉51aが非遮蔽位置から遮蔽位置に移動する場合の小デジ演出、図39(b)は、右扉51bが遮蔽位置にあるときに、左扉51aが遮蔽位置から非遮蔽位置に移動する場合の小デジ演出の一例を示す図である。図39(a)では、表示画面11の遮蔽されていない右側表示領域で小デジ演出が実行され、右側表示領域に指標が表示される。また、図39(b)では、表示画面11の遮蔽されていない左側表示領域で小デジ演出が実行され、左側表示領域に指標が表示される。このように、扉51の移動を伴う演出の最中であっても、遊技者は小デジ演出を見ることができる。
また、上記実施形態では、入賞役内部抽選の抽選結果を反映した抽選結果指標演出カテゴリ、又は第2リール停止時の停止表示態様に応じた停止表示結果指標演出カテゴリに基づいて、指標演出の数字を決定したが、これ以外の条件に基づいて指標演出を行ってもよい。例えば、図40に示すように、第3停止リールが停止する前の引き込み制御に基づいて指標演出を行なってもよく、この場合には、第3停止リールの引き込み制御を行っている最中に指標演出の数字を表示させるので、リール停止結果をいち早く察知することが可能となる。例えば、リール上でボーナスに対応する図柄組み合わせが揃う前に、ボーナスを示唆する数字(例えば、777など)を指標演出として表示できるので、遊技者は第3リールが停止する前にボーナス入賞を認識することができ、興趣を向上させることができる。なお、この場合には、副制御部400はリール操作コマンドを受信したときを契機として、停止操作された各リールに対応する指標(数字)を停止させるものである。
また、上記実施形態では、通常遊技状態において小デジ演出を実行し、指標演出が遊技者に有利な状態、例えば、ボーナスゲーム(BB、RB)などへの当選を示唆する演出としたが、これとは別に、ボーナスゲームなど有利な遊技状態においても、小デジ演出を実行するようにしてもよい。この場合には、図41(a)に示すように、例えば、チャンスゲームでは、指標演出としてチャンス期間を表示し、また、図41(b)に示すように、例えば、ボーナスゲームでは、指標演出としてボーナスゲームで獲得したメダル枚数を表示するようにしてもよい。このように、指標演出が示唆する情報を、遊技状態に応じて異ならせてもよく、通常遊技状態では、当選した役に関する情報を報知し、遊技者に有利な遊技状態においては、遊技媒体の獲得枚数や払出枚数、経過ゲーム数や残りゲーム数など現遊技状態に関する情報を報知するようにしてもよい。
また、上述した小デジ演出において、立体物X(図8参照)の演出を加えてもよく、例えば、LCD10が第2の位置にあり、期待感演出モードにおいて小デジ演出を実行する場合には、ハーフミラー20の背後に設けられた立体物X(具体的には、指標を表示する枠体のような造形物)上に指標演出の数字を表示するようにしてもよい。これにより、指標演出がより強調されるので、遊技者は指標演出により注視することとなる。
また、主演出に登場するキャラクタが複数用意されている場合(複数の演出ステージを備えている場合)、選択されたキャラクタの種類(演出ステージ)に応じて、小デジ演出実行の有無、小デジ演出を実行する確率などが異なるようにしてもよい。
また、上記実施形態の小デジ演出における指標は、LCD10を介して表示されたが、これに限定されず、ランプ、音、LEDなどの報知手段によって報知されるようにしてもよい。この場合は、例えば、複数のLEDの点灯組合せにより、遊技に関する情報を示唆するようにしてもよい。
<パチンコ>
さらには、上記実施形態においてはメダルを用いるスロットマシンに対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いるパチンコ遊技機や遊技球を用いた回胴式遊技機にも適用できるものである。
図42は本発明を適用したパチンコ遊技機100Aの外観斜視図である。パチンコ遊技機100Aは、移動可能なLCD10を備えた演出ユニットA1を備えている。詳しくは、パチンコ遊技機100Aは、液晶ディスプレイなどで構成され、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置(LCD10)を備えており、始動入賞口(図示せず)に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置は、図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようになっている。すなわち、遊技球が始動入賞口に入球すると、抽選を行い、この抽選結果が当りであるか否かを判定する。そして、この抽選で大当たりに当選すると、可変表示装置により、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄;例えば、777など)が表示され、大当たり状態に移行する。大当たり状態では、大入賞口(図示せず)が、例えば、所定の時間又は所定の回数、開放され続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。ここで、パチンコ遊技機100Aにおいては、上述した図柄の変動(主たる図柄の変動という)とともに、補助図柄も変動するようになっており、これにより、LCD10上で、期待感演出の一つである小デジ演出を実行するようになっている。すなわち、主たる図柄の組合せ表示態様と、補助図柄の組合せ表示態様により、遊技状態を示唆するようになっている。
次に、図43を参照して、パチンコ遊技機100Aの制御部の回路構成について説明する。図43は、遊技の基本的制御を行う主制御部1100を中心とした回路構成を示す図である。
主制御部1100は、プログラムに従ってパチンコ遊技機を制御する基本回路1110と、各種スイッチ1102(例えば、図示しないゲートに入った入賞球を検出するゲートスイッチ、始動入賞口に入った入賞球を検出する始動口スイッチ、入賞球をカウントするカウントスイッチ、各入賞口に設けられ、入賞球を検出する入賞口スイッチおよびRAMに記憶されたデータをクリアするクリアスイッチなど)からの信号を基本回路1110に与えるスイッチ回路1103と、ソレノイド1104(例えば、図示しない始動入賞口を開閉するソレノイド、大当たり状態において開状態とされる大入賞口を開閉するソレノイドなど)を基本回路1110からの指令に従って駆動するソレノイド回路1105とを備えている。
また、主制御部1100は、基本回路1110から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路1107を備えている。
基本回路1110は、詳しくは、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM1111、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM1112、プログラムに従って制御動作を行うCPU1113、およびI/Oポート1114とを含む。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御部1500上の回路によって制御される駆動モータ901で駆動される。そして、駆動モータ901の駆動力は、操作ノブ(打球ハンドル)902の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御部1500上の回路によって、打球ハンドル902の操作量に応じた速度で遊技球が発射されるように制御される。
なお、演出制御部1300は、遊技盤に設けられている各種ランプ1301(例えば、各種装飾ランプなど)の表示制御や、各種表示器1302(例えば、図柄を可変表示する可変表示装置など)の表示制御を行うとともに、スピーカ1303を介した音出力制御を行うようになっている。
払出制御部12000は、各種センサ(例えば、図示しない満タンスイッチ、検出する球切れスイッチ、単発発射スイッチおよび払出カウントスイッチなど)からの検出信号を入力する。払出制御部1200は、球切れスイッチからの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチからの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。入賞があると、主制御部1100から、払出指令信号(払出制御コマンド)として、賞球の払出要求を行うためのREQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す払出個数信号が出力される。払出制御部1200は、REQ信号および払出個数信号を入力すると、払出個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置1230を駆動する制御を行う。
以上、パチンコ遊技機100Aにおいても、スロットマシン100と同様に、所定の条件が成立したときには、主演出と指標演出とを同時を実行するので、多様な期待感演出を実行することができる。この結果、遊技者に対して継続して期待感を維持させることが可能であり、遊技に対する興趣を高めることができる。