JP2005338080A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、電気素子を製作する方法であって、基板上に、未焼結状態で、電気回路のための少なくとも1つの構造体を取り付ける方法に関する。
また本発明は、上下に重ねられた複数の基板から成る素子であって、少なくとも1つの基板上に配置された電気回路が設けられており、基板の平面上で素子の外側画成部を越えて外向きに突出して延びる少なくとも1つの電気的な構造体が設けられている形式のものに関する。
耐熱性のセラミックセンサエレメントでは、セラミック層の間に位置する構造体のための規則的な接続部は、導電材料で充填された孔、もしくは導電材料による孔の壁コーティング(スルーホール、貫通接続;Duchkontaktierung)によって実現される。
これによって確実なコンタクトを達成することができるが、プロセス導入は手間が掛かるものであり、したがって時間およびコストの嵩むものである。
別の構成では、複数のセラミック基板の間に位置する電気的な構造体をコンタクトするために白金ワイヤが使用され、白金ワイヤは、セラミック基板の平面から突出しているので、白金ワイヤはコンタクトのために提供される。材料として白金が使用される。なぜならば白金は、セラミック基板の比較的高い焼結温度下で十分な耐熱性を有しているからである。このような形式のワイヤは、その欠点として比較的大きな厚さを有しており、これによってセラミック基板の間の導出箇所で結合部の剥離する恐れがある。
さらにドイツ連邦共和国特許出願公開第19638280号明細書には、センサエレメントの耐熱性のコンタクトが記載されている。センサエレメントは、コンタクト箇所を有する接続側の区分を備えており、接続側の区分は、コンタクト部分と材料接続的(stoffschluessig)にコンタクトされている。コンタクト部分は、少なくとも接続コンタクトと結合された区分で層を有しており、層によって、コンタクト部分と接続コンタクトと間の材料接続式の結合が実現されている。コンタクト部分は、拡散ろう接もしくは拡散溶接によってコンタクト箇所と結合される。
このようなセンサエレメントは、内燃機関の排ガスにおける酸素含有量を特定するために使用される。そのようなコンタクトは、内部に位置する構造体が別の手段、たとえば接続孔によって電気的に外向きに結合されていない場合、サンドイッチ状に形成された素子にとって適しているものとはいえない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19638280号明細書
したがって本発明の課題は、冒頭で述べたような形式の、電気素子を製作する方法ならびに電気素子を改良することである。
この課題を解決するための本発明の方法によれば、少なくとも1つの構造体を、基板の平面上で最終的に形成される電気素子の外側画成部を越えて突出して延びるように、配置する。
またこの課題を解決するための本発明の装置によれば、少なくとも1つの電気的な構造体が、可撓性の焼結材料から成っている。
従属請求項には、本発明の別の有利な実施形態を記載した。
先ず本発明は、電気素子、特に多層状のセラミック素子、たとえばセラミックセンサエレメントを製作する方法から出発しており、ここでは基板、たとえばグリーンセラミックシート上に、電気回路のための少なくとも1つの構造体が未焼結状態で取り付けられる。本発明の根底を成す思想によれば、少なくとも1つの構造体が、基板の平面上で、最終的に形成される素子、たとえばセラミックセンサの外側画成部を越えて突出するように、配置される。未焼結の、突出して延びる少なくとも1つの構造体を取り付けるために、スクリーン印刷法または転写法が適しており、ここでは構造体は、まず支持シート、たとえばカプトンシート(Kaptonfolie)またはパコタン(Pacothane)から成るシート上に配置され、シートから基板に転写される。
本発明の有利な実施形態では、複数の基板、たとえばまだ処理されていないセラミックグリーンシートは、未焼結の回路構造体と共に上下に重ねて配置される。次いで構造体は、有利には焼結されて、セラミック素子が形成される。
さらにまた有利には、突出して延びる少なくとも1つの構造体のために、未焼結状態で基板に取り付ける際に固有形状安定性を有している材料が使用される。このことは、突出して延びる構造体の形状を不都合に損なうことなしに、基板を後続処理するのに必要である。これによって場合によっては突出して延びる複数の構造体を備えた積層素子が製作される。
さらに有利には、突出して延びる少なくとも1つの構造体のための材料選択は、構造体が、焼結プロセス後に、とりわけたとえば鉛シートまたは銅シートと同様に可撓性であるように、行われる。このような可撓性によって、突出して延びる構造体は、たとえば有利には接続コンタクトとして使用することができ、このような接続コンタクトは、所定の位置でろう接、溶接、ギャップ溶接、接着またはボンディングによって、比較的大きな回路装置に取付可能に変形することができる。
突出して延びる構造体の材料選択は、特に最終的な使用位置における要求温度を考慮して調整することができる。
たとえば耐熱性の電気的なコンタクトを形成するために、印刷用のペーストを使用すると有利であり、ペーストは、白金とセラミック支持骨格とを混合物で含有する。このような構造体によって、内燃機関の排ガスにおける酸素含有量を特定するためのたとえばセンサエレメントを実現することができる。
焼結に際して突出して延びる少なくとも1つの構造体の考えられる変形に対抗するために、さらにまた、突出して延びる構造体が焼結プロセスに際して支持される、ということが提案される。
本発明による方法によって、電気的な構造体は、たとえばセラミックから成る、特に積層形成された素子で、比較的簡単にコンタクトを備えることができる。
適当な導体路(突出して延びる構造体)を作業平面(基板平面)上で突出して案内することによって、貫通接続孔、貫通絶縁、貫通接続、接続コンタクトおよび接続コンタクト補強は省略することができる。適当な導体路を形成することを目的とした転写法のために、印刷された導体路構造体を転写フィルムに取り付けて、導体路構造体を転写フィルムから適当な基板に積層すればよい。このために2つの作業ステップが必要である。したがって前述のように行われる貫通接続のための5つの作業ステップに対して、3つの作業ステップを節減することができる。
たとえば耐熱性のセンサのコンタクトのための、公知の白金ワイヤと比べて、白金をベースとする、適当に突出して延びる焼結構造体のために必要な量は、比較的小さく、これによって材料コストを削減することができる。
白金ワイヤとは異なって、突出して延びる少なくとも1つの構造体を形成するためのセラミック−金属混合物、特にセラミック−白金混合物の有する利点によれば、構造体の焼結プロセスに際して、特に少なくとも1つの構造体の配置されたセラミック基板の焼結も規則的に行われる。これによって基板上に配置された少なくとも1つの構造体との、基板の比較的良好な結合が得られる。さらに基板と少なくとも1つの構造体との良好な結合は、少なくとも1つの構造体の剥離に抗して作用する。
本発明の別の思想は、複数、たとえば2つの上下に重ねられた基板、特にセラミック基板から成る素子、特にセラミックセンサに関するものであり、ここでは少なくとも1つの基板に配置された電気回路が設けられており、また基板の平面上で素子の外側画成部を越えて外向きに突出して延びる少なくとも1つの電気的な構造体が設けられており、この場合電気的な構造体が、可撓性の焼結材料から成っている。これによって貫通接続を介してのコンタクト形成に対して、比較的小さな素子を形成することができる。焼結材料とは、素材、有利には微細な粒子から、焼結過程の経過後に生じる材料である。
突出して延びる電気的な構造体の焼結材料として、特に焼結過程後に、0.5〜25質量パーセントのセラミックと残りの大部分の金属とから成る混合物が適している。焼結プロセス前に、適当なペーストは、追加的に結合材と溶剤との成分を含有しており、この成分は焼結過程の間に大幅に低減されるか、もしくは混合物から完全に除去される。
別の有利な実施形態では、電気的な構造物のための、焼結された焼結材料は、0.5〜3質量パーセントの酸化アルミニウムを有していて、残りの大部分の金属を有している。
さらに有利には、電気的な構造体のための、焼結された焼結材料は、5〜15質量パーセントの酸化ジルコンと残りの大部分の金属とから成っている。
金属として、有利にはたとえば耐熱性のセンサのために、白金が使用される。
特に混合比もしくは材料に関して、焼結後に破断せずに屈曲できる焼結材料が存在する。
極めて良好な結果は、焼結後に10質量パーセントの酸化ジルコンと87〜90質量パーセントの白金とを含有する焼結材料で得られる。選択的に1.05質量パーセントの酸化アルミニウムと約97〜99質量パーセントの白金とを含有する焼結材料が適している。
焼結材料の、未焼結のペースト状の素材混合物は、記載の材料の他に追加的に結合材と溶剤とを含有している。
セラミックと金属とから成る混合物は、焼結後に、金属サーメットとも呼ばれ、金属が白金である場合、白金サーメットと呼ばれる。
突出して延びる電気的な構造体の有利にはフラットな構成、つまり構造体が厚さよりも著しく大きな幅を有する構成によって、材料節減が得られるだけでなく、電気的な構造体の導出箇所における層形成された素子の剥離リスクが低減される。
本発明の特別な実施形態では、電気的な構造体が、コンタクト可能になる、つまり接続コンタクトとして利用できるようになるまで突出して延びている。たとえば突出部分は幅よりも大きくなっている。
さらに有利には、単数または複数の構造体が、複数箇所で、素子、特にセラミック素子、たとえばセラミックセンサの外側画成部を越えて突出して延びている。そのような構成は、素子の、上下に重ねられた複数の基板の間で、比較的複雑な電気回路をコンタクトする必要がある場合、特に有利である。
突出して延びる構造体を簡単な形式でコンタクトとして利用するために、電気的な構造体は、所望の形状に屈曲可能であるように、たとえばコンタクトループの実現が可能になるまで突出して延びている。これによって引張負荷の軽減が得られる。
有利には、特に多層状のセラミック素子として、前述の構成をした排ガスセンサが形成される。
次に本発明の実施の形態を図示の実施例を用いて詳しく説明する。
図1には、たとえば上下に重ねられた3つのセラミック基板2,3,4から成る電気素子1を示した。セラミック基板3,4上で電気回路(図示せず)を外向きにコンタクトするために、可撓性の焼結材料から成るフラットな白金焼結構造体5,6,7,8が、セラミック基板2とセラミック基板3との間もしくはセラミック基板3とセラミック基板4との間で外向きに案内されている。白金焼結構造体5,6,7,8は、たとえば積層時点でグリーンセラミックシートとして提供される各基板3,4に対する転写法によって、未焼結状態で積層される。適当に処理されたセラミックグリーンシートは、次いで上下に重ねられ、カバー層のセラミック基板2が設けられる。次に全体の積層構造体は、有利にはまとめて焼結される。
白金焼結構造体は、有利には適当なペーストを用いた印刷プロセスによって、転写過程のための転写シートに準備される。
このための材料として、スクリーン印刷法に用いられるような特にペースト状の混合物が適している。
図2には、素子1に対応する素子20を示した。素子1とは異なって、中間層のコンタクトは、白金焼成構造体によって実現されるのではなく、白金ワイヤ21,22,23,24によって実現される。白金ワイヤの直径は、白金焼結構造体の厚さよりも大きくなっており、これによってワイヤ導出箇所21a,22a,23a,24aは剥離し易く、最悪の場合素子20の破損の生じる恐れがある。
1 電気素子、 2,3,4 セラミック基板、 5,6,7,8 白金焼結構造体、 21,22,23,24 白金ワイヤ、 21a,22a,23a,24a ワイヤ導出箇所
Claims (15)
- 電気素子(1)を製作する方法であって、
基板(2,3,4)上に、未焼結状態で、電気回路のための少なくとも1つの構造体を取り付ける方法において、
少なくとも1つの構造体(5,6,7,8)を、基板(2,3,4)の平面上で最終的に形成される電気素子(1)の外側画成部を越えて突出して延びるように、配置することを特徴とする、電子素子(1)を製作する方法。 - 未焼結の回路構造体を備えた複数の基板(2,3,4)を、上下に配置する、請求項1記載の方法。
- 突出して延びる少なくとも1つの構造体(5,6,7,8)のために、未焼結状態で基板(2,3,4)に取り付ける際に固有形状安定性を有する材料を使用する、請求項1または2記載の方法。
- 突出して延びる少なくとも1つの構造体(5,6,7,8)が、焼結プロセス後に可撓性であるように、突出して延びる少なくとも1つの構造体(5,6,7,8)のための材料選択を行う、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 突出して延びる少なくとも1つの構造体(5,6,7,8)を、焼結プロセスの際に支持する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 突出して延びる少なくとも1つの構造体(5,6,7,8)を用いて、電気回路のための接続コンタクトを実現する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 上下に重ねられた複数の基板(2,3,4)から成る素子(1)であって、
少なくとも1つの基板上に配置された電気回路が設けられており、基板(2,3,4)の平面上で素子(1)の外側画成部を越えて外向きに突出して延びる少なくとも1つの電気的な構造体が設けられている形式のものにおいて、
少なくとも1つの電気的な構造体(5,6,7,8)が、可撓性の焼結材料から成っていることを特徴とする、上下に重ねられた基板から成る素子。 - 電気的な構造体(5,6,7,8)が、フラットに形成されている、請求項7記載の素子。
- 電気的な構造体(5,6,7,8)が、コンタクト可能になるまで突出して延びている、請求項7または8記載の素子。
- 単数または複数の構造体(5,6,7,8)が、複数箇所で、セラミック素子(1)の外側画成部を越えて突出して延びている、請求項7から9までのいずれか1項記載の素子。
- 電気的な構造体(5,6,7,8)が、所望の形状に屈曲可能になるまで突出して延びている、請求項7から10までのいずれか1項記載の素子。
- 電気的な構造体が、0.5から25質量パーセントのセラミックと、残りの大部分の金属とから成っている、請求項7から11までのいずれか1項記載の素子。
- 電気的な構造体が、0.5から3質量パーセントの酸化アルミニウムと、残りの大部分の金属とから成っている、請求項12記載の素子。
- 電気的な構造体が、5から15質量パーセントの酸化ジルコンと、残りの大部分の金属とから成っている、請求項12記載の素子。
- 排ガスセンサのために、請求項7から14までのいずれか1項記載の素子を使用する方法。
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