JP2005329153A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】 布地や縫い糸の材質或いは各縫い針の間隔変動にかかわらす、安定した縫い品質を維持する。
【解決手段】 複数の縫い針21,22,23を一列に並べて下端部で保持する針棒24を介して各縫い針を上下動させる針駆動機構と、各縫い針に通された縫い糸を針板11の下で捕捉するルーパ機構と、各縫い糸を縫い糸挿通部に挿通させると共にミシン主軸に同期して各縫い糸を引き上げる揺動天秤51を備える天秤機構と、天秤機構による各縫い糸の糸供給源からの繰り出し量を調節する繰り出し量調節機構60とを備え、繰り出し量調節機構が、少なくとも並びの両端に位置する二つの縫い針21,23について異なる縫い糸繰り出し量に調節可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の縫い針を並べて保持するミシンに関するものである。
従来のミシンには、下端部に複数の縫い針を一列に並べて保持する針棒を介して各縫い針を上下動させる針上下動機構と、針棒の上下動に同期した単一のルーパの進退移動により各縫い針に通された縫い糸のループにルーパ糸を挿通させるルーパ機構と、針棒の上下動に同期して揺動する天秤によりループ形成後の各縫い糸を引き上げる天秤機構とを備えている。
そして、針上下動機構が針板上の布地に対して各縫い針を突き通し、針板の下方において各縫い針の上昇開始により形成される各縫い糸のループをルーパの前進移動によって捕捉すると共にルーパ糸を挿通させる。さらに、天秤機構は天秤の先端部が上昇する方向に揺動させることで当該天秤の先端部の糸穴を通過する各縫い糸は上方に引き上げられて張力が付与され、各糸供給源からは縫い糸が繰り出され、布地側では各縫い糸のループが締められて縫製が行われる。
ところで、上記従来のミシンは、複数ある縫い針に対して単一のルーパの前進移動により各縫い糸の捕捉を行うことから、各縫い糸はルーパの先端部が前進移動する軌跡に沿って一列に並んで針棒に保持されている。さらに、後退位置にあるルーパに遠い位置にある縫い針ほど縫い糸の捕捉が後に行われることから、ルーパに遠い位置にある縫い針ほど低位置として、縫い針の上昇開始からルーパによる縫い糸の捕捉に間に合うように針棒に保持されている。
このように各縫い針ごとに保持位置に高低差が設けられていると、縫製時には高位置に保持された縫い針ほど布地に浅く突き通されることとなり、その結果、高位置となる縫い針ほどループが小さく形成され、三本並んで形成される縫い糸の縫製状態が均一にならないという問題があった。
かかる問題を解消するために、上記従来のミシンでは、天秤が下死点まで下降する際に各縫い糸と当接してその糸経路を変化させる糸繰り出し機構を備え、当該糸繰り出し機構が、低位置となる縫い針の縫い糸ほど糸経路の変化量を小さくなるように設定されていた。つまり、天秤下死点位置での糸経路を小さくして糸供給源からの繰り出し量を予め低減させておくことで、ループが大きくなる低位置の縫い針に対して天秤引き上げ時の布地側からの縫い糸引き上げ量をより大きくして、各縫い針ごとの縫製状態の均一化を図っていた。
特開2003−320190号公報
しかしながら、上記従来例では、糸繰り出し機構の糸経路長変化量及びこれによる天秤引き上げ時の布地側からの縫い糸引き上げ量が各縫い針ごとに異なるように設定されているが、その差は一定のままである。
かかる場合、布地や糸の種類によって縫い糸のループの形成状態が変化すると対処できないという不都合が生じていた。
さらに、複数の縫い針は、各縫い糸の縫い目の間隔を変えて縫製を行う場合に、異なる間隔で縫い針を固定する針留を用いる等して、各縫い針の並び方向の間隔が調整される。この時、各縫い針の間隔が変化してもルーパが各縫い針ごとに所定のタイミングで縫い糸の捕捉を行う必要があることから、各縫い針の間隔調整に伴ってその高低位置も調整される。
その結果、各縫い針ごとに糸経路長の差異が一定である場合、各縫い針の間隔変化に伴う高低位置変化に対応できず、縫い品質が安定しないという不都合が生じていた
本発明は、縫い品質を安定させることをその目的とする。
請求項1記載の発明は、複数の縫い針を一列に並べて下端部で保持する針棒を介して各縫い針を上下動させる針駆動機構と、各縫い針に通された縫い糸を針板の下で捕捉するルーパ機構と、各縫い糸を縫い糸挿通部に挿通させると共にミシン主軸に同期して前記各縫い糸を引き上げる天秤機構と、天秤機構による各縫い糸の糸供給源からの繰り出し量を調節する繰り出し量調節機構とを備え、繰り出し量調節機構が、少なくとも並びの両端に位置する二つの縫い針について異なる縫い糸繰り出し量に調節可能である、という構成を採っている。
上記構成では、各縫い針は針棒と共に下降して布地を突き通した後で上昇する際に当該布地の下方で各縫い針の縫い糸のループが形成される。これらのループにルーパを挿入してルーパ機構が捕捉してルーパ糸の挿通を行う。その後、天秤機構により各縫い糸の引き上げが行われ、各縫い糸の締め付けによりループが消滅すると共にルーパが後退してルーパ糸のループが形成される。かかるルーパ糸のループは、次回の各縫い針の下降により縫い糸に捕捉されて縫い糸が挿通される。つまり、縫い糸とルーパ糸とが交互にループ形成とループへの挿入とを繰り返して縫製が行われる。
一方、繰り出し量調節機構は、天秤機構により糸経路が変えられる各縫い糸に係合してその糸経路長の変化を促し、これにより、各縫い糸の糸供給源からの繰り出しを行わせる。このとき、繰り出し量調節機構は、少なくとも、複数ある縫い糸の内、並び列の一端部に位置する縫い針に導かれる縫い糸を含むグループ(一端部に位置する縫い針単独でも良い)と、並び列の他端部に位置する縫い針に導かれる縫い糸を含むグループ(他端部に位置する縫い針単独でも良い)とで、異なる糸繰り出し量で繰り出しを行うように調節することが可能となっている。
そして、繰り出し量調節機構において、最も低位置保持される縫い針(例えば一端部に位置する縫い糸)に導かれる縫い糸を含むグループには、最も高位置保持される縫い針(例えば他端部に位置する縫い糸)に導かれる縫い糸を含むグループよりも繰り出し量を少なくなるように調節する。各縫い糸において、予め繰り出された縫い糸は、天秤機構の縫い糸引き上げ時に、消費されることとなる。
この際、ループが大きく形成される低位置の縫い針については、繰り出し量が少なかった分、天秤による引き上げ量が多くなり、十分な緊縛が行われる。また、ループが小さく形成される高位置の縫い針については、繰り出し量が多かった分、天秤による引き上げ量が少なくなり、過度の緊縛が回避される。即ちこれにより、高低差が最も大きな並び列の両端に位置する各縫い針間で、双方の縫製がバランス良く行われることとなり、縫い品質の安定化が図られる。
さらに、布地や縫い糸の種類変更或いは各縫い針の配置間隔変更に伴う高さ変更が行われた場合にあっては、これらの影響を最も顕著に生じやすい並び列の両端となる縫い針間で個別に繰り出し量調節を行うことが可能であることから、結果として、その影響を抑制し、縫い品質の安定化が図られる。
なお、繰り出し量調節機構は、上述のように、複数の縫い針を少なくとも二分類に分けて繰り出し量をそれぞれ設定可能だが、より多分類に分けてそれぞれ繰り出し量を設定しても良いし、各縫い針毎に繰り出し量設定を行っても良い。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、繰り出し量調節機構が、各縫い針ごとに異なる縫い糸繰り出し量に調節可能である、という構成を採っている。
上記構成では、繰り出し量調節機構が縫い糸毎に個別に繰り出し量設定を行う。つまり、これにより、各縫い針が全て高さが異なり、ループの形成状態が個別に異なる場合であっても、繰り出し量を個別に設定することができ、全ての縫い針についてバランス良く縫い糸の締め付けを行わせることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、繰り出し量調節機構は、天秤機構の上昇又は下降時に縫い糸に当接して糸経路を曲げる複数の当接部材を備えると共に、当接部材の保持位置をそれぞれ各縫い糸の糸走行方向又は糸走行方向に交差する方向に移動調節して繰り出し量を調節する、という構成を採っている。
上記構成では、複数の異なる繰り出し量を設定する場合に、各繰り出し量に応じた当接部材を用意し、対応する各縫い糸に、その繰り出し量に応じて糸経路長が長くなるように移動調節された各当接部材を当接させる。
なお、当接部材の保持位置の移動調節方向は、縫い糸の糸走行方向又は糸走行方向に交差する方向であれば良いが、ミシンを水平面に設置した状態おいて、水平方向又は垂直方向に移動調節可能とすることがより好ましい。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、繰り出し量調節機構は、天秤機構の上昇又は下降時に全ての各縫い糸に当接して糸経路を曲げる単一の当接部材を備えると共に、当接部材の傾斜角度を各縫い糸の糸経路長が変動する方向に調節して繰り出し量を調節する、という構成を採っている。
上記構成では、複数の縫い糸が所定方向に沿って並んだ状態で天秤により下方に移動した場合に、各縫い糸の並び方向に対して傾斜した単一の当接部材が全ての縫い糸に当接する。このとき、当接部材は傾斜しているため、各縫い糸に対して生じる糸経路長の変化量が異なる状態が形成される。つまり、各縫い糸に対して異なる繰り出し量の設定を行うことができると共に、当接部材の傾斜角度によって、その各繰り出し量を調節することができる。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明と同様の構成を備えると共に、当接部材を、縫い糸の天秤機構との係合位置よりも糸供給源側に配置する、という構成を採っている。
上記構成では、繰り出し量調節機構の当接部材が縫い糸の天秤機構との係合位置よりも糸供給源側に位置することから、天秤機構の下降時において、縫い糸に当接部材が当接し、糸供給源から縫い糸の繰り出しを行う場合に、天秤機構が介在しないことから円滑に繰り出しが行われる。
請求項1記載の発明は、少なくとも、最もループの形成状態に差を生じる並び列の一端部に位置する縫い針に導かれる縫い糸と並び列の他端部に位置する縫い針に導かれる縫い糸とで糸繰り出しを異なる量に設定することが可能であることから、布地や縫い糸の種類変更或いは各縫い針の配置間隔変更に伴う高さ変更が行われた場合であっても、並び列の両端となる縫い針間で個別に繰り出し量を適宜調節することができ、ループ形成状態の差を生じても、双方の縫い糸に適切な締め付けが行われ、縫製全体をバランス良く行うことが可能となる。つまり、縫い品質の安定化及び向上を図ることが可能となる。
請求項2記載の発明は、繰り出し量調節機構が、各縫い針が全て高さが異なり、ループの形成状態が個別に異なる場合であっても、繰り出し量を個別に設定することができ、全ての縫い針についてバランス良く縫い糸の締め付けを行わせることができ、縫製全体をさらにバランス良く行うことが可能となり、縫い品質のさらなる安定化及び向上を図ることが可能となる。
請求項3記載の発明は、上昇又は下降した天秤により案内される縫い糸に当接する移動調節可能な複数の当接部材を所望の繰り出し量に応じて設けるという簡易な構成により、各繰り出し量調節が可能となることから、構成の簡易化による全体の生産性向上を図ることが可能となる。
請求項4記載の発明は、単一の当接部材の傾斜角度により各縫い糸に異なる繰り出し量設定を行うことができ、かかる簡易な構成により生産性の向上を図ることが可能となる。さらに、単一の当接部材に対する操作で各縫い糸の繰り出し量調節が可能となり、調節作業の繁雑性を解消し、操作性の向上を図ることが可能となる。
請求項5記載の発明では、繰り出し量調節機構の当接部材が縫い糸の天秤機構との係合位置よりも糸供給源側に位置することから、縫い糸に当接部材が当接して糸供給源から縫い糸の繰り出しを行う場合に、天秤機構が繰り出しの妨げとなることなく円滑に行うことが可能となる。
(ミシンの全体構成)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態に係るミシン10の全体構成を示す概略図である。図1はミシン10の斜視図である。
上記ミシン10は、図1に示すように、全体形状がコ字状となる本体フレーム2を備え、当該本体フレーム2は、その下部に位置すると共に内部に後述するルーパ機構を格納するミシンベッド部2aと、ミシンベッド部2aの一端部から上方に立設されたミシン縦胴部2bと、ミシン縦胴部2bの上端部からミシンベッド部2aと同方向に延設されたミシンアーム部2cとを備えている。
ここで、以下の説明において、本体フレーム2のベッド部2aの長手方向に沿った方向をY軸方向とし、縦胴部2bの立設方向であってY軸方向に直交する方向をZ軸方向とし、Y軸方向とZ軸方向の双方に直交する方向をX軸方向とする。さらに、ミシン10は、水平面上に設置した状態において、X軸方向及びY軸方向が水平面に沿った状態となり、Z軸方向が垂直上下動方向に沿った状態となる。
ミシン10は、図1に示すように、下端部に三本の縫い針21,22,23を一列に並べて保持する針棒24を介して各縫い針21,22,23を上下動させる針上下動機構と、ミシンベッド部2aの針板11の下方において、針棒24の上下動に同期した単一のルーパ25の進退移動を行わせることで各縫い針21,22,23に通された各縫い糸Tのループにルーパ糸Lを挿通させるルーパ機構と、針板11の上方であって各縫い針21,22,23の針落ち位置の近傍でスプレッダ26の進退移動を行わせることで各縫い針21,22,23の並び方向に沿って上飾り糸Sを掛け渡した状態で縫い込ませるスプレッダ機構と、各々の糸供給源から繰り出される各縫いT,ルーパ糸L,上飾り糸Sに個別に所定の張力を付与する糸調子機構30と、糸調子機構30の下流側において各縫い糸Tに潤滑油を供給する糸潤滑手段41と、各縫い糸Tを個別に挿通する糸穴を備える三本の第一の糸案内42を備える糸案内機構と、ミシンアーム部2cの先端側下端部に設けられると共に各縫い糸Tを個別に挿通するガイド穴を有する第二の糸案内43と、針棒24の上下動に同期して揺動する揺動天秤51によりループ形成後の各縫い針21,22,23を布地側から上方に引き上げる第一の天秤機構と、針棒24の上下動に同期して上下動を行う昇降天秤52によりループ形成後の各縫い針21,22,23を布地側から上方に引き上げる第二の天秤機構と、第一の天秤機構による各縫い針21,22,23の糸供給源からの繰り出し量を調節する繰り出し量調節機構60とを備えている。
(針上下動機構)
針上下動機構は、ミシンアーム部2cの先端側においてZ軸方向に沿った状態で同方向に往復可能に支持された針棒24と、ミシンアーム部2c内にY軸方向に沿って配設されたミシン主軸(図示略)の回転駆動力を往復上下動駆動力に変換して針棒24に付与する図示しないクランク機構とを備えている。
針棒24の下端部には、三つの縫い針21,22,23がY軸方向に沿って一列に並んで保持されており、これら各縫い針21,22,23は、ミシン縦胴部2bから遠方となるものほどその先端の高さが低くなるように保持されている。即ち、縫い針21が最も低く、縫い針23が最も高く針棒24に保持されている。
なお、かかる針棒24の下端部において、各縫い針21,22,23のY軸方向における配置間隔とZ軸方向における縫い針の高さはいずれも個別に調節することが可能となっている。
(ルーパ機構)
ルーパ機構は、各縫い針21,22,23が布地を貫いて針板11の下方まで下降した後に再び上昇することで形成される各縫い糸のループに挿入されるルーパ25と、ミシンベッド部2a内でY軸方向に沿って配置されると共にミシン主軸に同期して回転する図示しない下軸と、ミシンベッド部2a内でY軸方向に沿って配置されると共にルーパ25を先端部で保持するルーパ軸27と、下軸の回転駆動力を同じ周波数のスラスト方向の往復駆動力に変換してルーパ軸27に付与する図示しない周知の伝達機構とを備えている。
上記ルーパ25は、各縫い針21,22,23の配列方向と一致するY軸方向に沿って延設されると共にその先端部がミシンベッド部2aの先端部側(ミシン縦胴部2bと反対側の方向)を向いてルーパ軸27の先端部に保持されている。そして、ルーパ軸27による前進移動により、最も近い縫い針23から縫い針22,縫い針21の順番で各縫い糸Tのループに挿入される。これにより、ルーパ25に沿ってその先端部まで案内されているルーパ糸Lが各縫い糸Tのループに挿入され、縫製が行われる。
(スプレッダ機構)
スプレッダ機構は、先端部で上飾り糸Sが折り返されるように掛け渡されたスプレッダ26と、ミシン主軸の回転駆動力を同じ周波数のZ軸方向を中心とする往復揺動駆動力に変換してZ軸方向に沿ったスプレッダ26の基部に付与する図示しない周知の伝達機構とを備えている。
スプレッダ26の先端部はやや円弧状に湾曲しており、基端部を中心に往復揺動することにより先端部がおおむねY軸方向に沿って進退移動を行う。このスプレッダ26は、先端部をおおむねY軸方向に沿わせて前進させることで上飾り糸Sの折り返し形状の内側領域を各縫い針21,22,23の針落ち位置となるように案内し、針落ち後に後退移動することで上飾り糸Sを各縫い針21,22,23の並び方向に沿って掛け渡す。スプレッダ26は、上記進退移動を各縫い針21,22,23の上下動周期に合わせて行うことで布地の上面に各縫い針21,22,23により鋸歯状に縫い込まれる。
(糸調子機構)
糸調子機構30は、ミシン縦胴部2bの側面に配設されると共に各縫い針21,22,23の各縫い糸Tと上飾り糸Sとルーパ糸Lに個別に対応して設けられた五つの糸調子31〜35を備えている。各糸調子31〜35は、いずれも、糸を挟持するための一対の糸調子皿と、糸調子皿同士を圧接させる弾性体と、弾性体の圧接力を調節するつまみを備えている。かかる構成により各糸調子は、つまみで適正な圧接力に調節されつつ各糸を挟持することで繰り出し方向に抵抗力を付与し、各糸に適切な張力を発生させている。
なお、ルーパ糸Lは、図示しない糸供給源から繰り出され、糸調子35に掛け渡されてミシンベッド部2aの内部を伝ってルーパ25まで導かれている。
また、上飾り糸Sは、図示しない糸供給源から繰り出され、糸調子34に掛け渡された後に、ミシンアーム部2cの基端部側の下部に設けられたルーパ糸ガイド36によりミシンアーム部2cの先端側に案内され、さらに、ミシンアーム部2cの先端部側面に設けられたルーパ糸調子37及び図示を省略したルーパ糸案内を介してスプレッダ26の先端部まで導かれている。
(糸潤滑手段、第一の糸案内機構等)
糸潤滑手段41は、ミシンアーム部2cの基端部側面に設けられ、糸調子機構30を通過した各縫い糸Tを通過させることでこれらに潤滑油を供給する構造となっている。
第一の糸案内機構は、ミシンアーム部2cの側面であって糸潤滑手段41の下流側に設けられ、各縫い糸Tに個別に対応して三本の第一の糸案内42を備えている。
第一の糸案内42はいずれも棒状であってその長手方向がZ軸方向に沿うように支持されている。さらに、第一の糸案内42はその上端部に糸通し穴が形成されると共に上下に沿って移動調節し図示しない止めネジにより固定することができるように設けられている。また、三本の第一の糸案内42はX軸方向に沿って並んで配置され、これにより、三本の縫い糸TはおよそX軸方向に沿って並んだ状態でミシンアーム部2cの先端部まで掛け渡された状態となる。
第二の糸案内43は、ミシンアーム部2cの先端部側面下部に配置されている。そして、第二の糸案内43は、三本の縫い糸Tが個別に通される三つの糸通し穴が設けられている。各縫い針21,22,23の並び方向に対応して、第二の糸案内43の三つの糸通し穴は、Y軸方向に沿って並んで形成されている。かかる第二の糸案内43の各糸通し穴に通された縫い糸は、各縫い針21,22,23に導かれるようになっている。
(第一の天秤機構)
第一の天秤機構は、ミシンアーム部2cの側面であって第一の糸案内42と第二の糸案内43との間に配設されている。そして、この第一の天秤機構は、各縫い糸Tを個別に通す三つの縫い糸挿通部としての糸通し穴51a,51b,51cを備えた先端部を上下に揺動させる揺動天秤51と、揺動天秤51の基端部をX軸回りに軸支すると共にミシン主軸の回転駆動力をX軸回りの往復揺動動駆動力に変換して揺動天秤51に付与する図示しない周知の伝達機構とを備えている。
揺動天秤51は、その先端部にX軸方向に並んで三つの糸通し穴が形成され、基端部を軸支する伝達機構がX軸回りの揺動駆動力を付与することから、先端部が円弧の軌跡を描きつつ上下動を行う。揺動天秤51の先端部の揺動範囲は伝達機構により調節可能であり、揺動天秤51の先端部がほぼZ軸方向に沿って揺動を行う範囲に調節されている。これにより、揺動天秤51の先端部は上死点位置と下死点位置とがそれぞれ一定の位置となるように調節されている。
また、揺動天秤51は、糸案内機構の第一の糸案内42と第二の糸案内43の間に配設され、各縫い糸Tは、それぞれ各第一の糸案内42の糸通し穴から、揺動天秤51の糸通し穴を介して、第二の糸案内43の糸通し穴まで到達するように掛け渡される。
そして、揺動天秤51の先端部が下死点位置にある場合に、糸案内機構の第一の糸案内42の各糸通し穴位置から第二の糸案内43の糸通し穴位置までを結ぶ直線よりも上方に位置しており、上死点位置では第一の糸案内42から第二の糸案内43を結ぶ直線からさらに遠ざかる位置となる。
従って、揺動天秤51は、その先端部が上死点に移動すると、第一の糸案内42から第二の糸案内43までの糸経路長が最大となり、各縫い糸Tについて糸供給源から糸繰り出しを行うと共に布地側からの糸引き上げを行うこととなる。
(第二の天秤機構)
第二の天秤機構は、ミシンアーム部2cの先端部上面に配設されている。そして、この第二の天秤機構は、各縫い糸Tを個別に通す三つの糸通し穴を備えた上端部を上下に揺動させる昇降天秤52と、ミシン主軸の回転駆動力をZ軸方向に沿った上下動駆動力に変換して揺動天秤51に付与する図示しない周知の伝達機構とを備えている。
昇降天秤52は、その先端部にX軸方向に並んで三つの糸通し穴が形成され、当該先端部は、第二の糸案内43の上方に配置されている。そして、糸案内機構の第一の糸案内42から昇降天秤52を介して第二の糸案内43に各縫い糸Tが掛け渡され、或いは、糸案内機構の第一の糸案内42から揺動天秤51及び昇降天秤52を介して第二の糸案内43に各縫い糸Tが掛け渡される。
このように、各縫い糸Tを掛け渡した状態において、昇降天秤52はその上死点に移動すると、第一の糸案内42から第二の糸案内43までの糸経路長が最大となり、各縫い糸Tについて糸供給源から糸繰り出しを行うと共に布地側からの糸引き上げを行うこととなる。
なお、第一の天秤機構と第二の天秤機構とは、それぞれ一方のみを単独で使用する場合と、双方を併用する場合とがあり、図1では第一の天秤機構を単独使用している状態を示している。
(繰り出し量調節機構)
図2は繰り出し量調節機構60をY軸方向に沿って見た側面図、図3は繰り出し量調節機構60の要部をX軸方向に沿って見た拡大正面図である。
繰り出し量調節機構60は、図1に示すように、ミシンアーム部2cの先端部側面に設けられ、揺動天秤51の先端部と第二の糸案内43との間において、下死点位置にある揺動天秤51の先端部に近接するように配置されている。
かかる繰り出し量調節機構60は、一端部においてミシンアーム部2cの先端部の側面に支持された支持板61と、支持板61に装着される当接部材としての第一の繰り出し板62と、第一の繰り出し板62に装着される当接部材としての第二の繰り出し板63と、三本の縫い糸Tをそれぞれ所定の通過位置を規定するガイド板64とを備えている。
支持板61は、ミシンアーム部2cの側面上からX−Z平面に沿った平板部が立設されている。
第一の繰り出し板62は、止めネジにより長穴を介して支持板61に装着されている。かかる第一の繰り出し板62は装着状態において、その長穴がZ軸方向に沿うように形成されており、止めネジを緩めることにより第一の繰り出し板62を支持板61に対してZ軸方向について位置調節すると共に止めネジを締結することで任意の位置に固定することが可能となっている。即ち、図中略Y軸方向の糸経路を有する縫い糸Tの走行方向に交差する方向に移動調節して固定することができる。
第二の繰り出し板63は、止めネジにより長穴を介して第一の繰り出し板62に装着されている。かかる第二の繰り出し板63は装着状態において、その長穴がZ軸方向に沿うように形成されており、止めネジを緩めることにより第二の繰り出し板63を第一の繰り出し板62に対してZ軸方向について位置調節すると共に止めネジを締結することで任意の位置に固定することが可能となっている。即ち、この第二の繰り出し板63も、図中略Y軸方向の糸経路を有する縫い糸Tの走行方向に交差する方向に移動調節して固定することができる。
また、この第二の繰り出し板63は、そのX軸方向の幅が第一の繰り出し板62よりも小さく設定されており、第一の繰り出し板62のX軸方向における片側に寄せられて配置されている。
ガイド板64は、各繰り出し板62,63に対して下流側(第二の糸案内43側)に隣接して支持板61に支持されている。かかるガイド板64には、X軸方向に沿って並んだ三つの糸通し穴64a,64b,64cが形成され、各糸通し穴64a,64b,64cには揺動天秤51から第二の糸案内43に掛け渡される各縫い糸Tが個別に通される。そして、ガイド板64は、各繰り出し板62,63の上端部よりも低位置に配置されており、揺動天秤51からガイド板64に掛け渡された縫い糸Tが各繰り出し板62,63の上端部に当接するようにガイド板64及び各繰り出し板62,63が配置設定されている。
図2に示すように、前述した揺動天秤51の先端部に設けられた各糸通し穴の内、X軸方向一端部に位置する糸通し穴51aには、針棒24に最も低い位置で支持される縫い針21に挿通される縫い糸Tが挿通され、さらに、当該縫い糸Tはガイド板64の糸通し穴51aに最も近い糸通し穴64aに挿通される。このとき、当該縫い糸Tは、第一の繰り出し板62の上端部に当接する。
また、揺動天秤51の先端部に設けられた各糸通し穴の内、X軸方向中間に位置する糸通し穴51bには、針棒24に二番目に低い位置で支持される縫い針22に挿通される縫い糸Tが挿通され、さらに、当該縫い糸Tはガイド板64の糸通し穴51bに最も近い糸通し穴64bに挿通される。このとき、当該縫い糸Tも、第一の繰り出し板62の上端部に当接する。
そして、揺動天秤51の先端部に設けられた各糸通し穴の内、X軸方向他端部に位置する糸通し穴51cには、針棒24に最も高い位置で支持される縫い針23に挿通される縫い糸Tが挿通され、さらに、当該縫い糸Tはガイド板64の糸通し穴51cに最も近い糸通し穴64cに挿通される。ところで、前述した第二の繰り出し板63は、第一の繰り出し板62に対して糸通し穴51cと糸通し穴64cとを結ぶ線上に配置されている。このため、最も高く配置される縫い針23に通される縫い糸Tのみが、第二の繰り出し板63の上端部に当接させることが可能となっている。
つまり、予め第二の繰り出し板63を第一の繰り出し板62よりも高く配置しておくことにより、図3に示すように、揺動天秤51が下死点に位置するときに、最も高く配置される縫い針23に通される縫い糸T(図3では二点鎖線で図示)のみについて糸経路長を長く確保することが可能となっている。
第一及び第二の繰り出し板62,63はその上端部が、下死点における揺動天秤51の先端部から第二の糸案内43までを結ぶ直線よりも高位置となるように設定されており、揺動天秤51が下死点まで下降したときに、繰り出し量調節機構60が存在しない場合よりも各縫い糸Tの糸経路長を余分に確保する。
かかる余分となる糸経路長相当量に応じて揺動天秤51の下降時において各糸供給源から繰り出しが行われる。その結果、余分に繰り出された量に応じて、その後の揺動天秤51の上昇による縫い糸Tの引き上げ量が低減される。
したがって、ループが最も小さくなる縫い針23について、揺動天秤51の下降時における縫い糸Tの繰り出し量を他の縫い糸Tに比して余分に設定することで、縫い糸Tの引き上げ量を低減でき、各縫い針21,22,23の縫製による縫い目形成状態が均一化される。
(ミシンの動作説明)
以下、上記構成からなるミシン10について第一の天秤機構を使用する場合を例にして動作説明を行う。なお、繰り出し量調節機構60の第二の繰り出し板63は、予め、第一の繰り出し板62よりも高く位置調節されているものとする。
まず、各縫い針21,22,23が下降して針板11上の布地に突き通され、下死点から上昇に転じると各縫い糸がループを形成し、各ループに前進するルーパ25が挿入される。また、スプレッダ26も前進し、上飾り糸Sの折り返しによる三角領域が各縫い針21,22,23の次の針落ち位置に形成される。そして、上死点に到達した各縫い針21,22,23が再度下降すると、上飾り糸Sの三角領域内に縫い針21が挿通され、上飾り糸Sは各縫い糸Tに縫い込まれる。
また、ルーパ25の後退によりルーパ糸Lのループが形成されると共に当該ループに下降する各縫い針21が挿入される。これらが繰り返されることで、三本の縫い糸Tの縫い目がいずれも布送り方向沿って形成されると共に布地の上と下とでそれぞれ上飾り糸Sとルーパ糸Lとが縫い込まれる飾り縫いの縫製が行われる。
一方、針棒24の下降に応じて第一の天秤機構の揺動天秤51はその先端部の下降が行われ、縫い針21及び22の縫い糸Tはいずれも第一の繰り出し板62の上端部に当接して所定量の繰り出しが糸供給源から行われる。一方、縫い糸23の縫い糸Tは、第二の繰り出し板63の上端部に当接して他の二本の縫い糸Tよりも余分量の繰り出しが糸供給源から行われる。
その結果、針棒24が上昇を開始すると、布地への差し込み量が最も少ない縫い針23の縫い糸Tについて他の二本の縫い糸Tに比してループが小さく形成されるが、揺動天秤51の上昇時における縫い糸Tの引き上げ量も低減され、各縫い糸Tの縫い目形成状態が均一化される。
また、布地や縫い糸の種類が変わり、布地と縫い糸Tとの摩擦変化等によりその縫製状態が変化した場合や、各縫い針21,22,23の間隔の変更に伴い、その高さの新たに変更された場合には、第二の繰り出し板63の第一の繰り出し板62に対する高低差を調節する。これにより、各縫い糸Tのループの形成状態の差が抑制され、布地や縫い糸の種類の変化、各縫い針21,22,23の間隔変化に対しても対応することができる。
(実施形態の効果)
上記構成からなるミシン10は、繰り出し量調節機構60において、Y軸方向に沿って一端部側の縫い針21及び隣接する縫い針22に供給される縫い糸Tが当接する第一の繰り出し板62に対して、Y軸方向に沿って他端部側の縫い針23に供給される縫い糸Tが当接する第二の繰り出し板63の相対的な高さ調節を行うことが可能であることから、一定の高低差で各縫い針21,22,23が針棒24に支持される場合はもとより、布地や縫い糸Tの材質等により各縫い針21,22,23の高低差の影響を生じ得る場合や各縫い針21,22,23の間隔変更により高低差に変動を生じる場合であっても、縫い針21,22と縫い針23との間で糸繰り出し量差を適宜調節することで、ループの不均一の影響を抑制し、縫い品質の安定化及び向上を図ることが可能となる。
(繰り出し量調節機構の他の構成)
図4乃至図8においてそれぞれ繰り出し量調節機構の他の例を示す。なお、各例において、前述した繰り出し量調節機構60と同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略するものとする。
図4は繰り出し量調節機構の第一の他の例をY軸方向から見た図である。かかる繰り出し量調節機構60Aは、揺動天秤51の糸通し穴51bからガイド板64の糸通し穴64bを通過する縫い糸Tに当接する当接部材としての第三の繰り出し板65Aを新たに備えている。かかる第三の繰り出し板65Aは、第二の繰り出し板63と同様にZ軸方向に沿った長穴を介して第一の繰り出し板62に止めネジにより装着されている。即ち、この第三の繰り出し板65Aも、略Y軸方向の糸経路を有する縫い糸Tの走行方向に交差する方向に移動調節して固定することができる。
かかる構成により、第三の繰り出し板65Aの高さを第一の繰り出し板62に対して調節することができ、その結果、三本の縫い糸Tの全てについて個別に繰り出し量を設定することが可能となり、各縫い糸Tごとに生じるループ形成状態の差に対して個別に対処でき、全ての縫い糸Tについてバランス良く縫製を行うことが可能となると共に縫い品質の安定化及び向上を図ることが可能となる。
図5は繰り出し量調節機構の第二の他の例をY軸方向から見た図である。かかる繰り出し量調節機構60Bは、前述した第二の繰り出し板63と第三の繰り出し板65Aとを直接支持板61に装着している。このため、第一の繰り出し板62Bを前述した第一の繰り出し板62と比してX軸方向について幅を小さく設定している。
かかる構成により、各縫い糸Tについて個別に繰り出し量の設定を行うことが可能となると共に第一の繰り出し板62の移動調節に伴い第二の繰り出し板63及び第三の繰り出し板65Aの位置変化を生じさせないという利点がある。
図6は繰り出し量調節機構の第三の他の例をY軸方向から見た図である。かかる繰り出し量調節機構60Cは、当接部材としての繰り出し板62Cを一枚で構成した例を示している。
かかる繰り出し板62Cは、各縫い糸Tが個別に当接する三つの凹部66C,67C,68Cがその上端部にX軸方向に沿って並んで形成されている。凹部66Cには縫い針21に導かれる縫い糸Tが当接し、凹部67Cには縫い針22に導かれる縫い糸Tが当接し、凹部68Cには縫い針23に導かれる縫い糸Tが当接する。
そして、繰り出し板62Cは、繰り出し量が最も少なくて済む縫い針21に導かれる縫い糸Tが当接する凹部66Cが形成された端部側において、支軸となる段ネジにより揺動可能に支持板61に装着されている。一方、繰り出し板62Cの他方の端部には支軸となる段ネジを中心とする円弧状の長穴が形成され、当該長穴を介して止めネジが繰り出し板62Cを支持板に固定するようになっている。つまり、かかる構成において、止めネジを緩めることで繰り出し板62Cの揺動角度を調節でき、所定の角度で止めネジにより固定することができる。一方、繰り出し板62Cの揺動角度に応じて各凹部66C,67C,68Cは、略Y軸方向の糸経路を有する縫い糸Tの走行方向に交差する方向に沿って異なる高さに位置変動し、個別の繰り出し量が設定される。
かかる構成では、各縫い糸毎に異なる繰り出し量を設定可能とすると共に、部品点数の低減による生産性の向上を図ることが可能となる。さらに、単一の繰り出し板62Cに対する操作のみで各縫い糸の繰り出し量の調節を行うことができ、作業の効率化を図ることが可能となる。
図7は繰り出し量調節機構の第四の他の例をX軸方向から見た図である。かかる繰り出し量調節機構は、当接部材としての各繰り出し板62、63を下死点位置にある揺動天秤51の先端部から接離する方向(Y軸方向)に沿って移動位置調節可能に設けている。即ち、各繰り出し板62、63を略Y軸方向の糸経路を有する縫い糸Tの走行方向に沿った方向に移動調節して固定することができる。かかる構成の場合も、各縫い糸Tに対して糸経路長の変動を生じさせ、繰り出し量の調節を行うことが可能となる。
また、前述した各繰り出し量調節機構60A、60B、60Cの各繰り出し板についても、Y軸方向に移動する構成としても良い。なお、繰り出し量調節機構60Cについては、繰り出し板62CをY軸方向を中心として揺動可能としていたが、Z軸方向を中心として揺動可能に支持することで同様の作用を奏することとなる。
図8は繰り出し量調節機構の第五の他の例をX軸方向から見た図である。かかる繰り出し量調節機構60はその繰り出し板62,63が、揺動天秤51の先端部よりも糸供給源側に配置されている点に特徴がある。かかる配置とすることにより、各縫い糸Tを糸供給源から繰り出させる際に、繰り出し板62,63に対して揺動天秤51が介在しないことから円滑に繰り出しを行うことが可能となる。
かかる構成の場合、各繰り出し板62,63は揺動天秤51の先端部よりも糸供給源側であって第一の糸案内42よりも糸繰り出し方向下流側であることが望ましい。
なお、前述した図4〜図7に示す繰り出し量調節機構の例において、それらの各繰り出し板を同様の配置としても良い。
発明の実施の形態に係るミシンの全体構成を示す概略図である。 図1に開示された繰り出し量調節機構をY軸方向に沿って見た側面図である。 図1に開示された繰り出し量調節機構の要部をX軸方向に沿って見た拡大正面図である。 繰り出し量調節機構の第一の他の例をY軸方向から見た図である。 繰り出し量調節機構の第二の他の例をY軸方向から見た図である。 繰り出し量調節機構の第三の他の例をY軸方向から見た図である。 繰り出し量調節機構の第四の他の例をX軸方向から見た図である。 繰り出し量調節機構の第五の他の例をX軸方向から見た図である。
符号の説明
10 ミシン
11 針板
21,22,23 縫い針
24 針棒
25 ルーパ
51 揺動天秤
60,60A,60B,60C 繰り出し量調節機構
62,62B 第一の繰り出し板(当接部材)
62C 繰り出し部材(当接部材)
63 第二の繰り出し板(当接部材)
65A 第三の繰り出し板(当接部材)
T 縫い糸

Claims (5)

  1. 複数の縫い針を一列に並べて下端部で保持する針棒を介して前記各縫い針を上下動させる針駆動機構と、
    前記各縫い針に通された縫い糸を針板の下で捕捉するルーパ機構と、
    前記各縫い糸を縫い糸挿通部に挿通させると共に前記ミシン主軸に同期して前記各縫い糸を引き上げる天秤機構と、
    前記天秤機構による前記各縫い糸の糸供給源からの繰り出し量を調節する繰り出し量調節機構とを備え、
    前記繰り出し量調節機構が、少なくとも並びの両端に位置する二つの前記縫い針について異なる縫い糸繰り出し量に調節可能であることを特徴とするミシン。
  2. 前記繰り出し量調節機構が、前記各縫い針ごとに異なる縫い糸繰り出し量に調節可能であることを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記繰り出し量調節機構は、前記天秤機構の上昇又は下降時に前記縫い糸に当接して糸経路を曲げる複数の当接部材を備えると共に、前記当接部材の保持位置をそれぞれ前記各縫い糸の糸走行方向又は糸走行方向に交差する方向に移動調節して前記繰り出し量を調節することを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  4. 前記繰り出し量調節機構は、前記天秤機構の上昇又は下降時に全ての前記各縫い糸に当接して糸経路を曲げる単一の当接部材を備えると共に、前記当接部材の傾斜角度を前記各縫い糸の糸経路長が変動する方向に調節して前記繰り出し量を調節することを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  5. 前記当接部材を、前記縫い糸の前記天秤機構との係合位置よりも糸供給源側に配置したことを特徴とする請求項3又は4記載のミシン。
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CN113046931A (zh) * 2019-12-26 2021-06-29 Juki株式会社 曲折缝缝纫机

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