JP2005328483A - パラメータ供給装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【構成】 DSPが実行する信号処理のコンフィグレーション及びその信号処理を実行する際に使用するパラメータの値をミキサエンジンに供給するパラメータ供給装置において、パラメータの値を複数の部分からなるプリセットとして記憶しておき、各部分について使用するプリセットをコンフィグレーションと共にシーンとして指定できるようにする。そして、その指定を受け付けるためのシーンメモリ編集画面100に、シーンリスト110として、定義されている各シーンの番号及び名前と対応させてその各シーンで使用するコンフィグの名前を表示し、ユーザがシーンリスト110中のシーンを選択した場合に、そのシーンで使用するコンフィグで使用可能なプリセットを、そのシーンで使用するプリセットを他と区別できるようにプリセットビュー120として表示するようにする。
【選択図】 図8
Description
このようなミキサエンジン及びアプリケーションソフトについては、例えば非特許文献1に記載されている。
「DIGITAL MIXING ENGINE DME32 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2001年,p.23−75
そして、この場合において、シーンの呼び出しや保存の指示を受け付ける画面には、各シーン毎にシーン番号やシーン名を表示するのみであった。
あるいは、上記プリセット表示画面において上記選択候補の選択を受け付ける手段と、その手段が選択を受け付けた場合に、その選択に応じて、上記シーンリストにおいて選択されているシーンに係る上記第2の指定データの内容を、選択された選択候補を指定するものに変更する手段とを設けてもよい。
また、上記動作データの選択候補のうち使用されていないものを消去する指示を受け付ける手段と、その手段が指示を受け付けた場合に、その指示に応じてどのシーンに係る第2の指定データも指定していない選択候補を消去する手段とを設けてもよい。
まず、この発明のパラメータ供給装置が信号処理構成及びパラメータを供給する音響信号処理装置の具体例について説明する。図1に、このような音響信号処理装置の一例であるミキサエンジンの構成をブロック図で示す。
このミキサエンジン10は、図1に示すように、CPU11,フラッシュメモリ12,RAM13,表示器14,操作子15,制御ネット入出力部(I/O)16,MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)I/O17,その他I/O18,波形I/O19,信号処理部(DSP)20,音楽ネットI/O21を備え、これらがシステムバス22によって接続されている。そして、制御ネットワークを介して通信可能な制御装置から受信した信号処理構成に従って、DSP20を制御するためのマイクロプログラムを生成し、そのマイクロプログラムに従ってDSP20を動作させ、入力する音響信号に対して種々の信号処理を施して出力する機能を有する。
フラッシュメモリ12は、CPU11が実行する制御プログラムや後述するプリセットコンポーネントデータ等を記憶する書き換え可能な不揮発性記憶手段である。また、CADデータ、プリセットデータ、シーンデータ等も記憶し、構成記憶手段、パラメータ記憶手段、シーン記憶手段等として機能する。
表示器14は、液晶ディスプレイ(LCD)等によって構成される表示手段である。そして、ミキサエンジン10の現在の状態を示す画面、現在有効になっている信号処理構成や、後述するシーンの番号や名称を示す画面等を表示する。
操作子15は、キー、スイッチ、ロータリーエンコーダ等によって構成され、ユーザがミキサエンジン10を直接操作してシーンの選択等を行うための操作子である。
MIDII/O17は、MIDI規格に従ったデータを授受するためのインタフェースであり、例えば、MIDIに対応した電子楽器あるいはMIDIデータを出力するアプリケーションプログラムを備えたコンピュータ等と通信を行うために用いる。
DSP20は、波形I/O19から入力する音響信号に対し、設定されているマイクロプログラム及びその処理パラメータを定めるカレントデータに従った信号処理を施すモジュールである。このDSP20は、1つのプロセッサによって構成してもよいし、複数のプロセッサを接続して構成してもよい。
また、以上のようなミキサエンジンを複数接続し、協同して音響信号処理を実行する音響信号処理システムであるミキサシステムを構成することもできる。この場合でも、PCをシステム全体の制御装置やパラメータ供給装置として機能させることができる。
図2に示すミキサシステムにおいては、PC30と、それぞれ図1に示した構成を有するミキサエンジンであるエンジンE1乃至E6とを、ハブ50による制御ネットワークによって接続し、相互に通信可能としている。また、これとは別に、各エンジンをスイッチングハブ60による音楽ネットワークによって接続し、相互に通信可能としている。
このミキサシステムにおいては、ミキサエンジンを自由な組み合わせで協同的に動作させることが可能であり、ミキサエンジンを複数のグループ(ゾーン)に分けて動作させる場合には、スイッチングハブ60の機能により、音楽ネットワークをゾーン毎にVLAN(バーチャルLAN)として複数の部分ネットワークに分離して動作させるようにしている。このようにすることにより、各ゾーンで通信の全帯域を使用可能となる。また、VLANへの分離は、後述するゾーンデータの内容に従って行うようにしている。
また、ここでは制御ネットワークと音楽ネットワークとを別々に設けているが、接続するミキサエンジンの数に対してネットワークが十分に高速である場合には、このようにすることは必須ではない。例えばPC30もスイッチングハブ60に接続し、2つのネットワークを同じスイッチングハブ60を用いて構成するようにしてもよい。ただし、接続するミキサエンジンの数が多い場合には、通信の帯域が足りなくなることがあるので、図2に示したような構成が好ましい。
ユーザがPC30に上記の制御プログラムを実行させ、必要な指示を行うと、PC30はディスプレイにグラフィック表示の編集画面として図3に示すようなCAD(Computer Aided Design)画面40を表示させ、ユーザからの編集指示を受け付ける。そして、この画面においては、編集中の信号処理構成を、その構成要素である4bandPEQ,Compressor,Mix804等のコンポーネント(A)と、コンポーネントの出力端子(B)と入力端子(C)とを結ぶ結線(D)とによってグラフィカルに表示している。
なお、コンポーネントの左側に表示した端子が入力端子、右側に示した端子が出力端子である。そして、ミキサエンジン10への入力を示すコンポーネントは出力端子のみを有し、ミキサエンジン10からの出力を示すコンポーネントは入力端子のみを有し、それ以外のコンポーネントは全て入力端子と出力端子の両方を有する。
ここで、Input及びOutputのコンポーネントの各端子は、波形I/O19の入出力チャンネルを示し、Netoutコンポーネントの各端子は、音楽ネットI/O21から他のミキサエンジンへの音楽ネットワークを介した信号出力を示す。そして、ここには示していないが、音楽ネットワークを介した他のミキサエンジンからの信号入力を示すNetinコンポーネントも配置可能である。
また、複数のミキサエンジンを協同的に動作させて実行させる信号処理構成を編集する場合には、各ミキサエンジンについてCAD画面40を表示させ、エンジン毎の信号処理構成を編集することができる。
なお、PC30は、編集中に、画面上の信号処理構成に従った信号処理に必要なリソースの量を計算しており、これが編集対象のミキサエンジン10に備えるDSP20のリソースを上回った場合には、そのような処理は行えないため、ユーザにその旨を通知する。
そして、その後ユーザが、各コンポーネントについて設けたパラメータ制御パネルを操作することにより、そのパラメータ記憶領域に記憶された動作パラメータの値を編集することができる。また、ここで編集されカレントシーンに記憶されたパラメータは、コンフィグレーションと対応するプリセットとして所定の部分毎に複数記憶しておき、ミキサエンジン10に信号処理を行わせる際にコンフィグレーションと共に各部分のプリセットを任意に組み合わせて呼び出すことができる。この点については後に詳述する。
なお、ゾーンが複数ある場合にはゾーン毎に非オンラインモードとオンラインモードの切り換えが可能である。そして、複数のミキサエンジン10を有するゾーンについては、ゾーン内の各ミキサエンジン10について一括して切り換えが行われる。
オンラインモードへの移行後は、PC30側で行われた操作が直ちにミキサエンジン10の動作に反映され、逆にミキサエンジン10の操作子15で行われた操作が直ちにPC30の動作に反映され、双方のカレントシーンの内容が同一になるよう制御される。なお、上述した「コンパイル」の実行時に自動的にオンラインモードへ移行し、PC30側で信号処理構成が変更された時に自動的に非オンラインモードへ移行するようにしてもよい。
まず、図4及び図5にPC30側に記憶させるデータの構成を示す。
PC30にOS上で上記の制御プログラムを実行させると、PC30はそのプログラムによって規定されるメモリ空間に、図4及び図5に示すような各データを記憶させる。
1つのエリアデータは、PC30の制御の対象とする全てのミキサエンジンによって構成される「エリア」に関する情報を示すデータである。そして、図5に示すように、エリア管理データ及び1又は複数のゾーンデータを含む。このうち各ゾーンデータは、エリアに属するミキサエンジンのうち、1又は複数のミキサエンジンのグループを「ゾーン」として定義し、それらのミキサエンジンに実行させる信号処理の内容やその処理の際に使用するパラメータの値を示すデータである。
そして、各コンポーネントデータは、詳細の図示は省略するが、そのコンポーネントのユニークIDや、そのコンポーネントがどのプリセットコンポーネントに該当するかを示すID、およびPC30側の編集画面でそのコンポーネントが配置されている位置等を示すPC用表示データ等を含む。
このような各PC用CADデータが、PC30側に記憶させる構成データに該当する。
そして、各エンジンに関するSプリセットデータとCプリセットデータとして、それぞれ1又は複数の選択候補をPC30に記憶させることができるようにしており、その各々の選択候補をここでは「プリセット」と呼んでいる。プリセットデータ中のプリセットの数は、種類に応じて異なっていてよい。
入出力関連のパラメータは、入出力端子にどんな機器が接続されているかに応じて設定するものであるから、信号処理の内容が変わっても入出力関連のパラメータは変わらないことが多い。従って、入出力関連のパラメータを変化させずにコンポーネントに関するパラメータを次々と変化させたり、その逆を行ったりといった用途が考えられる。そこで、変化させない部分を繰り返し記憶させずに済むという観点からこのような分け方が好ましい。
このようなプリセットデータが、PC30側に記憶させる動作データに該当する。
シーンデータは容量が小さいため、シーンデータの記憶領域は、記憶し得る最大数(例えば999個)分の記憶領域をゾーンデータを作成した時点で用意し、デフォルトのシーン名(例えば「scene」+シーン番号)及びゼロデータを登録しておくようにするとよいが、新規にシーンを保存する毎にその分の記憶領域を用意するようにしてもよい。
また、上記の保存は、既存のプリセットへの上書きの場合もあるし、新規プリセットへの保存の場合もある。ただし、既存のプリセット中に、保存時点でのカレントシーンの内容と一致するものがあれば、新たなプリセットを作成せず、その既存のプリセットの番号をシーンデータに記載するようにすることもできる。
以上がPC30側に記憶させる主なデータであり、これらのデータは、HDD(ハードディスクドライブ)等の不揮発性記憶手段に記憶させておき、必要な時にRAMに読み出して使用するようにしてもよい。
そして、制御パネル等により、入出力用のボードや信号処理構成中のコンポーネントに関するパラメータの値を編集する際には、このカレントシーンにおけるパラメータの値を変更し、その結果は、部分毎にプリセットとして保存することができる。
これらの図に示すように、エンジンE1には、主要なデータとして、プリセットコンポーネントデータと、エンジンE1が属するゾーン(ここではゾーンZ1)についてのゾーンデータとを記憶させている。ただし、プリセットコンポーネントデータはフラッシュメモリ12に記憶させ、その構成内容はPC30側とは若干異なる。また、ゾーンデータはRAM13に記憶させ、エンジンE1が属するゾーンZ1で実行する音響信号処理のうちエンジンE1が担当する部分のデータであり、PC30側のゾーンデータを加工して作成するものである。そこで、これらのデータについて、PC30側に記憶させるデータとの相違点を中心に説明する。
これ以外の点は、PC30側のプリセットコンポーネントデータと同様であり、IDやバージョンについては、PC30側の対応するセットやコンポーネントと同じものを用い、対応関係が認識できるようにしている。
そして、エリア&ゾーン管理データは、ゾーンデータに係るゾーンおよびそのゾーンが属するエリアに関する情報であり、PC30側に記憶しているエリア管理データ及びゾーン管理データに含まれる情報を合わせたものである。すなわち、エリア&ゾーン管理データには、エリア管理データ中のエリアID,ゾーン数,エンジン数,各エンジン情報及び、ゾーンデータ中のゾーンID,ゾーン中エンジン数,ゾーン中各エンジンID,コンフィグ数,シーン数等のデータを含む。
また、シーンデータ群に含まれる各シーンデータに係るコンフィグ番号は、ゾーン内の各エンジンについて共通なものであり、プリセット番号についても、単に他のミキサエンジンに係るデータを参照しないようにすればよい。そして、プリセット番号のデータ量はごく小さいものであり、これを残しておいてもデータ量の観点からはあまり問題ないため、各ミキサエンジン10に記憶させる各シーンデータはPC30側と全く同じにし、処理の簡略化を図っている。しかし、記憶させるミキサエンジンで使用する部分だけ抽出するようにしてもよいことは、もちろんである。
また、ミキサエンジン10は、PC30において編集された信号処理構成に基づいて音響信号を処理するものである。そのため、CPU11は、PC30から受け取ったエンジン用CADデータに基づいてDSP20に実行させるマイクロプログラムを形成するようになっており、図6(c)に示すように、そのための作業領域としてマイクロプログラム形成バッファを用意している。
ここで、リソースの割り当てに基づいてマイクロプログラムを加工しているのは、ミキサエンジン10に備えたDSP20のアーキテクチャに対応させたものであり、別のアーキテクチャであれば、マイクロプログラム自体を加工する代わりに、例えば、割り当てたリソースに応じたパラメータをDSP20に設定するようにすべき場合もある。
また、この受け付けは、PC30が、図8に示すようなシーンメモリ編集画面又は図9に示すようなメイン画面をディスプレイに表示させ、この画面をGUIとして機能させて行うようにしている。そして、前者はシーンの編集を伴う場合に好適な画面、後者はシーンの選択のみを行う場合に好適な画面である。
このシーンメモリ編集画面100は、主としてシーンリスト110とプリセットビュー120を表示する画面であり、これらのシーンリスト110とプリセットビュー120自体がそれぞれGUIとして機能する他、シーンやプリセットに関する操作の指示を受け付けるための各種ボタン101〜107も表示している。
このうちシーンリスト110は、シーン番号表示欄111、シーン名表示欄112、コンフィグ名表示欄113を有する。これらの各表示欄は、それぞれ行毎に、シーンの番号・名称及びそのシーンに含まれるコンフィグIDが示すコンフィグの名称を表示する欄である。そして、シーンリスト110においては、これらの各表示欄に、既に定義されている各シーンの識別情報としてそのシーンの番号及び名称を表示すると共に、これと対応させて、その各シーンに含まれるコンフィグIDが示すコンフィグすなわちそのシーンにおいて使用するコンフィグの識別情報として、そのコンフィグの名称を表示するようにしている。
また、シーンリスト110においては、マウス等のポインティングデバイスにより、ユーザからのシーンの選択指示を受け付けることができるようになっており、ユーザは、シーンリストの任意の行をクリックすることにより、その行のシーンを選択することができる。未登録のシーンについても選択可能である。そして、選択されたシーンは、カーソル114によって示される。そして、それまでと異なるシーンが選択された場合、PC30はそれに伴ってプリセットビュー120の表示を更新する。
以上のようなシーンリストの表示及びシーン選択指示の受け付けに関して、PC30のCPUが第1の表示制御手段及びシーン選択受付手段として機能する。
以上のストアボタン101及びリコールボタン102の押下に伴う処理を行う際には、その際に作成してあったデータを上書きにより消去してしまう場合があるので、ユーザに実行可否の確認を求めるようにするとよい。また、シーンの呼び出しやミキサエンジン指示の受け付け及びに関して、PC30のCPUがデータ供給手段として機能する。
また、ディテールボタン103は、プリセットビュー120及びボタン104〜107の表示/非表示をトグルで切り替えるためのボタンである。
なお、これらのプリセットの情報をプリセットビュー120に一度に表示することができない場合には、スクロールバー126の操作によりスクロールを可能としている。
以上のようなプリセットビューの表示に関して、PC30のCPUが第2の表示制御手段として機能する。
このように、これらのシーンリスト110及びプリセットビュー120において、シーンデータ中の各パラメータや、プリセットの各パラメータの新規作成及び変更や保存の指示を受け付けることができ、すなわち、シーンの定義の指示を受け付けることができる。
そして、デリートボタン104が押下された場合、PC30は、カーソル125の位置のプリセットを削除する。ただし、いずれかのシーンにおいて使用されるプリセットは削除できないようにするとよい。また、各部分における最後の1つのプリセットは削除できないようにし、各部分について少なくとも1つのプリセットは残すものとする。
このような機能を設けたことにより、シーンの新規保存の度に新たなプリセットを作成したとしても、重複等により不要になったプリセットを容易に削除できる。従って、プリセットデータの記憶に要するメモリ容量を低減できると共に、プリセットビュー120の表示を見易い状態に保つことができる。
このメイン画面200は、PC30における編集/制御プログラムの動作を制御するための基本的な指示を受け付けるための画面である。そして、この実施形態の特徴とは直接関係ないため図示は省略したが、種々のアイコンやツールバー等により、図3に示したCAD画面40や図8に示したシーンメモリ編集画面100のような、制御プログラムによって実現される機能によって表示させる各種画面の表示/非表示の切り換えや、制御プログラムの動作全体に関わる設定等の指示を受け付けることができる。
すなわち、メイン画面200は通常動作で必要なインタフェースが用意されている画面であり、細かい設定を行う場合にはここから他の画面の表示を指示し、その表示させた画面で設定等の操作を行うことになる。
オンラインボタン204は、PC30と各ミキサエンジン10との動作モードの切り換え指示を受け付けるためのボタンであり、ユーザがこれを押下すると、PC30は動作モードをオンラインモードと非オンラインモードとの間でトグルで切り替える。
まず、図10に、ゾーンZiにおけるシーンjの保存指示を受けた場合にPC30のCPUが実行する処理のフローチャートを示す。
PC30のCPUは、ストアボタン101の押下等によりシーンの保存指示を受けると、図10のフローチャートに示す処理を開始する。そして、ミキサエンジン10がオンラインモードで動作中(以下「オンライン状態」という)であれば、ステップS1からS2へ進み、ゾーンZi管理データを参照し、ゾーンZiに属する全てのミキサエンジン10にシーンj保存命令を送出してステップS3に進む。
一方、ミキサエンジン10が非オンラインモードで動作中(以下「非オンライン状態」という)であれば、そのままステップS3に進む。
その後、保存先のシーンjが新規のシーンであるか、既存のシーンであっても保存前とコンフィグIDが異なる場合には、ステップS4又はS5からステップS6に進み、ステップS3で書き込んだコンフィグIDが示すコンフィグデータ中に、各部分の新規プリセットの記憶領域を作成する。この時点では、プリセットの名称はデフォルトのもの、データはゼロデータでよい。そして、ステップS7で、シーンデータjに作成した各新規プリセットを示すプリセット番号を書き込んでステップS8に進む。
保存先のシーンjが既存のシーンであってコンフィグIDに変化がない場合には、ステップS5から直接ステップS8に進む。
以上の処理により、PC30は、ユーザからの指示に従ってカレントシーンの内容をシーンデータとして保存することができる。この場合において、パラメータの値自体は複数の部分に分けてプリセットとしてコンフィグデータ中に保存しているが、シーンデータ中のコンフィグIDと各プリセット番号の情報を参照することにより、シーンを呼び出す場合にどのパラメータを読み出せば良いかを認識することができる。
また、ステップS6やS8において作成したり保存したりするプリセットは、処理を行うミキサエンジンにおいて使用するもののみである。また、図5に示したように、ミキサエンジン側にも全てのプリセットについてプリセット番号を記憶させるようにする場合でも、ステップS7で保存するプリセット番号は処理を行うミキサエンジンにおいて使用するプリセットの番号のみでよい。その他のプリセット番号については、使用したりPC30にコピーしたりすることはないので、古いデータやゼロデータが残っていても問題ないためである。
この処理を採用する場合、カレントシーンについて、1つのプリセットとして記憶させる「部分」毎に編集フラグを設けるものとする。そして、シーンが呼び出されたり保存されたり、あるいはデフォルトのパラメータが呼び出されて新たにパラメータの編集が開始されたりした場合に全ての編集フラグを「編集なし」を示す「0」にセットし、対応する部分のパラメータが変更された場合に、編集フラグを「編集あり」を示す「1」にセットする。編集中にコンフィグが変更された場合には、全ての編集フラグを「1」にセットする。
そして、その処理対象の部分の編集フラグの値が「1」であれば、ステップS14からS15及びS16に進み、図10のステップS6及びS7の場合と同様に、新規プリセットを作成してシーンデータjにその番号を書き込む。ただし、ここで処理するのは、処理対象の部分に対応するプリセットのみである。
そして、ステップS17でカレントシーンの次の部分を処理対象とし、次の部分があればステップS18からS14に戻って処理を繰り返す。なければ図10のステップS8に進んでカレントシーンの各部分のデータを保存して処理を終了する。
ステップS11及びS12でシーンjが既存シーンでありかつ保存前とコンフィグIDが同じであれば、そのままステップS8に進み、この場合の処理は図10に示したものと同様である。
なお、図10に示したような処理とこれを図11に示すように変更した処理とをユーザが適宜選択できるようにしてもよいし、これら以外の処理を採用することももちろん可能である。
なお、編集フラグについては、ミキサエンジン10側で独自に管理するようにしてもよいし、保存命令と共にPC30側から値を送信するようにしてもよい。
PC30のCPUは、リコールボタン102の押下等によりシーンの呼び出し指示を受けると、図12のフローチャートに示す処理を開始する。そして、ミキサエンジン10がオンライン状態であれば、ステップS31からS32へ進み、ゾーンZi管理データを参照し、ゾーンZiに属する全てのミキサエンジン10にシーンj呼出命令を送出してステップS33に進む。この命令は、ミキサエンジン10にPC30側と同様にシーンjの呼び出しを行うよう指示し、シーンの呼び出し後にも双方でカレントシーンの同一性を保てるようにするためである。また、この命令により、ミキサエンジン10に、呼び出し指示を受けたシーンjの内容に従った音響信号処理を実行させることができる。一方、ミキサエンジン10が非オンライン状態であれば、ステップS31から直接ステップS33に進む。
そして、ステップS38及びS39では、シーンデータj中の各部分のプリセット番号を読み出し、ゾーンZiにおける信号処理に使用中のコンフィグデータから、その読み出した番号の各部分のプリセットをカレントシーンの記憶領域にコピーして処理を終了する。
このような処理により、PC30は、指定されたシーンに係る信号処理構成及びその構成に従った信号処理に使用するパラメータを呼び出すと共に、ミキサエンジン10に対してその信号処理構成及びパラメータに従った信号処理の実行を指示することができる。
ミキサエンジン10のCPU11は、PC30が図12のステップS32で送出したシーンj呼出命令を受信すると、図13のフローチャートに示す処理を開始する。
この処理においては、まずステップS41でシーンデータj中のコンフィグIDを読み出す。そして、そのIDが信号処理に使用中のコンフィグのIDと同じでなければ、ステップS42からステップS43乃至S46に進む。そして、ステップS41で読み出したコンフィグIDを自身が使用するコンフィグのIDとして設定し(S43)、そのIDのコンフィグデータ中のエンジン用CADデータをワーク領域に読み出して(S44)、そのCADデータに基づいてプリセットコンポーネントデータ等を参照し、設定したコンフィグに係る信号処理を行わせるためのマイクロプログラムを生成してこれをDSP20に設定する(S45)。その後、読み出したCADデータに基づいてカレントシーンの記憶領域を確保して(S46)、ステップS47以降の処理に進む。
そして、ステップS47乃至S49では、シーンデータj中の各部分のプリセット番号を読み出し(S47)、使用中のコンフィグデータから、その読み出した番号の各部分のプリセットをカレントシーンの記憶領域にコピーし(S48)、コピー後のカレントシーンのパラメータの値に応じた係数をDSP20に供給して信号処理を実行させ(S49)て処理を終了する。
このような処理により、ミキサエンジン10は、指定されたシーンに係る信号処理構成及びパラメータに従った信号処理を実行することができる。
PC30のCPUは、シーンリスト110においてシーンが選択されると、図14のフローチャートに示す処理を開始する。そして、まずカーソル114を選択されたシーンjを示す行の上に移動し(S51)、そのシーンの内容を示すシーンデータj中のコンフィグIDを読み出す(S52)。
そして、そのコンフィグIDが前に選択されていたシーンのコンフィグIDと異なる場合には、ステップS53からS54に進み、読み出したコンフィグIDが示すコンフィグデータを参照し、そこに含まれる各プリセットデータに基づいて、各部分で選択可能なプリセットを部分毎に分けてプリセットビュー120に表示する。この表示は、図8に示した例ではツリー表示の部分に該当する。
また、ステップS53で同じ場合には、プリセットの表示を更新する必要はないので、そのままステップS55に進む。
以上の処理を行うことにより、PC30は、シーンリスト110中でシーンが選択された場合に、それに応じてシーンメモリ編集画面100の表示を更新することができる。
PC30のCPUは、シーンリスト110のコンフィグ名表示欄113等においてコンフィグの変更が指示されると、図15のフローチャートに示す処理を開始する。なお、この指示の受け付け方には種々の方法が考えられるが、ここではコンフィグ名表示欄113に表示したコンボボックスにおいて元と異なるコンフィグが選択されたことをもって変更の指示を受け付けたものとする場合の処理について説明する。
そして、ステップS63で、図14のステップS54の場合と同様に、変更後のコンフィグに係るコンフィグデータを参照してプリセットビュー120におけるプリセットの表示を更新する。そしてさらに、シーンデータjに各部分のプリセット番号としてデフォルトの番号を登録し(S64)、その番号を参照して、図14のステップS55の場合と同様に、変更後のシーンjにおいて使用されるプリセットを他のプリセットと区別する表示を行う。
その後、ステップS66でミキサエンジン10がオンライン状態であれば、ゾーンZi内の全てのミキサエンジンにシーンデータj中のコンフィグIDをPC30と同様に変更させるための変更命令を送出して(S67)処理を終了する。オフライン状態であればそのまま処理を終了する。
また、コンフィグ変更命令に応じたミキサエンジン10側の処理は図示を省略するが、この処理は単にシーンデータjの内容を変更するものであり、図15のステップS61及びS64と同様な処理を行うものでよい。
PC30のCPUは、プリセットビュー120においてラジオボタン124の操作によりプリセットの変更が指示されると、図16のフローチャートに示す処理を開始する。なお、この指示の受け付け方には種々の方法が考えられるが、ここではラジオボタン124の操作により元と異なるプリセットが選択されたことをもって変更の指示を受け付けたものとする場合の処理について説明する。
そして、ステップS73でミキサエンジン10がオンライン状態であれば、ゾーンZi内の全てのミキサエンジンにシーンデータj中のプリセット番号をPC30と同様に変更させるための変更命令を送出して(S74)処理を終了する。オフライン状態であればそのまま処理を終了する。
また、プリセット変更命令に応じたミキサエンジン10側の処理は図示を省略するが、この処理は単にシーンデータjの内容を変更するものであり、図16のステップS71と同様な処理を行うものでよい。
PC30のCPUは、整理ボタン107の押下等により不使用プリセットの削除が指示されると、図17のフローチャートに示す処理を開始する。
そして、この処理においてはまず、ステップS81で、シーンリスト110において選択されているシーンに係るシーンデータ中のコンフィグIDが示すコンフィグデータを参照し、そのコンフィグデータに含まれる全てのプリセットについて使用フラグを用意してOFFにセットする。
その後、シーンリスト110において選択されているシーンを処理対象とし(S82)、処理対象のシーンに係るシーンデータを参照して、そのシーンデータに含まれる各部分のプリセット番号のプリセットについての使用フラグをONにする(S83)。そして、この処理を、選択されているシーンと同じコンフィグを使用している全てのシーンを順次処理対象として繰り返す(S84,S85)。
そして、ステップS88でミキサエンジン10がオンライン状態であれば、ステップS86で削除したプリセットの各々について、そのプリセットを記憶しているミキサエンジン10に、そのプリセットの削除を指示するプリセット削除命令を送出して処理を終了する(S89)。オフライン状態であればそのまま処理を終了する。
また、ここでは選択されているシーンで使用しているコンフィグのみについて削除を行う例について説明したが、これに限られないことは上述の通りである。例えば、ゾーン内の全てのコンフィグについて削除を行うのであれば、ゾーン内のコンフィグに含まれる全てのプリセットについて使用フラグを用意し、シーンデータ群中の全てのシーンを順次対象としてステップS83乃至S85の処理を繰り返すようにすればよい。
また、プリセット削除命令に応じたミキサエンジン10側の処理は図示を省略するが、この処理は単に指示されたプリセットを削除するだけのものでよい。
複数のミキサエンジンを使用した大掛かりなシステムの場合、シーン全体の大きさは膨大になるし、ミキサエンジン1台のみについて見ても、複雑な信号処理を行わせる場合にはシーンの大きさが大きくなってしまう。従って、このような場合には、上記のように各部分のプリセットを選択的に組み合わせる方式が有効であると考えられる。
例えば、シーンリスト110にて各シーンで使用するコンフィグの名称を参照できるし、選択したシーンで使用するコンフィグについての各部分のプリセットの状態をそのすぐ近くのプリセットビュー120にて確認できる。また、その確認を行いながら使用するコンフィグやプリセットを容易に変更することもできる。さらに、整理ボタン107により、不要になったプリセットを容易に判別して削除し、データ容量の低減を図ることもできる。従って、シーンの指定や編集の際の操作性を改善し、ユーザが容易にその作業を行うことができるようになる。
また、ミキサシステムの制御装置やパラメータ供給装置として、PC30ではなく専用の制御装置やパラメータ供給装置を用いてもよい。その他にも、画面の表示形式やデータ形式あるいは処理内容、ハードウェア構成等について、適宜必要な変更を加えることが可能である。
Claims (8)
- 音響信号処理装置の信号処理部が実行する音響信号処理の信号処理構成及びその音響信号処理を実行する際に使用するパラメータの値を前記音響信号処理装置に供給するパラメータ供給装置であって、
前記信号処理構成の内容を示す構成データを複数記憶する構成記憶手段と、
前記各構成データと対応させて、該構成データが示す信号処理構成に係る音響信号処理を実行する際に使用するパラメータの値を、複数の部分からなる動作データとして、各部分毎に複数記憶するパラメータ記憶手段と、
前記構成データの1つを指定する第1の指定データと、前記第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データの中から前記各部分毎に使用する動作データを指定する第2の指定データとを含む1又は複数のシーンを記憶するシーン記憶手段と、
表示手段に、シーンリストとして、前記シーン記憶手段に記憶している各シーンの識別情報と共にその各シーンに含まれる第1の指定データが示す構成データの識別情報を表示させる第1の表示制御手段と、
前記シーンリスト中のシーンの選択を受け付けるシーン選択受付手段と、
前記表示手段に、前記シーンリストにおいて選択されているシーンに係る第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データのセットについて、前記各部分毎の選択候補を、前記選択されているシーンに係る第2の指定データが指定する選択候補を他の選択候補と区別できるように表示するプリセット表示画面を表示させる第2の表示制御手段と、
前記シーンのうち内容を前記音響信号処理に反映させるシーンの指定を受け付け、前記音響信号処理装置に、その指定されたシーン中の各指定データが指定する構成データと動作データとに従った音響信号処理を実行させるデータ供給手段とを設けたことを特徴とするパラメータ供給装置。 - 請求項1記載のパラメータ供給装置であって、
前記シーンリストにおいて、前記選択されているシーンに係る第1の指定データの変更指示を受け付ける手段と、
該手段が変更指示を受け付けた場合に、その指示に応じて前記第1の指定データを更新すると共に、前記プリセット表示画面の表示を、変更後の第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データの表示に変更させる手段とを設けたことを特徴とするパラメータ供給装置。 - 請求項1記載のパラメータ供給装置であって、
前記プリセット表示画面において前記選択候補の選択を受け付ける手段と、
該手段が選択を受け付けた場合に、その選択に応じて、前記シーンリストにおいて選択されているシーンに係る前記第2の指定データの内容を、選択された選択候補を指定するものに変更する手段とを設けたことを特徴とするパラメータ供給装置。 - 請求項1記載のパラメータ供給装置であって、
前記動作データの選択候補のうち使用されていないものを消去する指示を受け付ける手段と、
該手段が指示を受け付けた場合に、その指示に応じてどのシーンに係る第2の指定データも指定していない選択候補を消去する手段とを設けたことを特徴とするパラメータ供給装置。 - コンピュータを、音響信号処理装置の信号処理部が実行する音響信号処理の信号処理構成及びその音響信号処理を実行する際に使用するパラメータの値を前記音響信号処理装置に供給するパラメータ供給装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、前記信号処理構成の内容を示す構成データを複数記憶する構成記憶手段と、
前記各構成データと対応させて、該構成データが示す信号処理構成に係る音響信号処理を実行する際に使用するパラメータの値を、複数の部分からなる動作データとして、各部分毎に複数記憶するパラメータ記憶手段と、
前記構成データの1つを指定する第1の指定データと、前記第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データの中から前記各部分毎に使用する動作データを指定する第2の指定データとを含む1又は複数のシーンを記憶するシーン記憶手段と、
表示手段に、シーンリストとして、前記シーン記憶手段に記憶している各シーンの識別情報と共にその各シーンに含まれる第1の指定データが示す構成データの識別情報を表示させる第1の表示制御手段と、
前記シーンリスト中のシーンの選択を受け付けるシーン選択受付手段と、
前記表示手段に、前記シーンリストにおいて選択されているシーンに係る第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データのセットについて、前記各部分毎の選択候補を、前記選択されているシーンに係る第2の指定データが指定する選択候補を他の選択候補と区別できるように表示するプリセット表示画面を表示させる第2の表示制御手段と、
前記シーンのうち内容を前記音響信号処理に反映させるシーンの指定を受け付け、前記音響信号処理装置に、その指定されたシーン中の各指定データが指定する構成データと動作データとに従った音響信号処理を実行させるデータ供給手段として機能させるためのプログラム。 - 請求項5記載のプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記シーンリストにおいて、前記選択されているシーンに係る第1の指定データの変更指示を受け付ける手段と、
該手段が変更指示を受け付けた場合に、その指示に応じて前記第1の指定データを更新すると共に、前記プリセット表示画面の表示を、変更後の第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データの表示に変更させる手段として機能させるためのプログラムを更に含むことを特徴とするプログラム。 - 請求項5記載のプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記プリセット表示画面において前記選択候補の選択を受け付ける手段と、
該手段が選択を受け付けた場合に、その選択に応じて、前記シーンリストにおいて選択されているシーンに係る前記第2の指定データの内容を、選択された選択候補を指定するものに変更する手段として機能させるためのプログラムを更に含むことを特徴とするプログラム。 - 請求項5記載のプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記動作データの選択候補のうち使用されていないものを消去する指示を受け付ける手段と、
該手段が指示を受け付けた場合に、その指示に応じてどのシーンに係る第2の指定データも指定していない選択候補を消去する手段として機能させるためのプログラムを更に含むことを特徴とするプログラム。
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