JP2005135067A - プログラム - Google Patents
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Abstract
【構成】 ミキサエンジンに接続したPCに編集プログラムを実行させてミキサエンジンにおける信号処理構成を編集する場合において、この編集を行うためのCAD画面でユーザが遅延設定キー41を押下すると、遅延設定画面40′に移行し、編集中の信号処理の各コンポーネントと対応するように、そのコンポーネントにおいて不可避的に生じる遅延時間である本質遅延時間が表示され(表示E)、各コンポーネントの各入力端子に対応させて、その入力端子から入力する信号に与える遅延時間である調整遅延時間が表示され(表示F)るようにする。そして、PCが上記調整遅延時間の指定を受け付けて、その指定に従って編集中の信号処理構成における遅延の調整を行う。
【選択図】 図5
Description
このようなミキサエンジン及びアプリケーションソフトについては、例えば非特許文献1に記載されている。
「DIGITAL MIXING ENGINE DME32 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2001年,p.23−66
この発明は、このような問題を解決し、音響信号処理装置において行う信号処理の構成を編集する際に、必要な部分の位相合わせのみを容易に行うことができるようにすることを目的とする。
まず、図1を用いて、この発明のプログラムを実行するコンピュータであるPCと、音響信号処理装置であるミキサエンジンとによって構成したミキサシステムの構成について説明する。図1はそのミキサシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、このミキサシステムは、ミキサエンジン10とPC30とによって構成される。PC30は、ハードウェアとしては、CPU,ROM,RAM等及び表示手段としてディスプレイを有する公知のPCであり、WindowsXP(登録商標)などのオペレーティングシステム(OS)が動作するPCを用いることができるが、そのOS上のアプリケーションプログラムとして、この発明のプログラムの実施形態である編集プログラムを実行することにより、ミキサエンジン10における信号処理の構成を編集し、その編集結果をミキサエンジン10に転送し、編集した信号処理構成に従って動作させることができる。そして、以下に説明するPC30の動作や機能は、特に断らない限り、この編集プログラムの実行により実現されるものとする。
フラッシュメモリ12は、CPU11が実行する制御プログラムや後述するプリセットコンポーネントデータ等を記憶する書き換え可能な不揮発性記憶手段である。
表示器14は、液晶ディスプレイ(LCD)等によって構成される表示手段である。そして、ミキサエンジン10の現在の状態を示す画面、コンフィグデータに含まれる設定データであるシーンの参照,変更,保存等を行うための画面等を表示する。
操作子15は、キー、スイッチ、ロータリーエンコーダ等によって構成され、ユーザがミキサエンジン10を直接操作してシーンの編集等を行うための操作子である。
MIDII/O17は、MIDI規格に従ったデータを授受するためのインタフェースであり、例えば、MIDIに対応した電子楽器あるいはMIDIデータを出力するアプリケーションプログラムを備えたコンピュータ等と通信を行うために用いる。
DSP20は、波形I/O19から入力する音響信号に対し、設定されているマイクロプログラム及びその処理パラメータを定めるカレントデータに従った信号処理を施すモジュールである。このDSP20は、1つのプロセッサによって構成してもよいし、複数のプロセッサを接続して構成してもよい。
ユーザがPC30に上記の編集プログラムを実行させると、PC30はディスプレイに図2に示すようなCAD(Computer Aided Design)画面を表示させ、ユーザからの編集指示を受け付ける。そして、この画面においては、編集中の信号処理構成を、その構成要素であるDynamicFilter,AutoMixer2,Mixer402等のコンポーネント(A)と、コンポーネントの出力端子(B)と入力端子(C)とを結ぶ結線(D)とによってグラフィカルに表示している。なお、コンポーネントの左側に表示した端子が入力端子、右側に示した端子が出力端子である。そして、ミキサエンジン10への入力を示すコンポーネントは出力端子のみを有し、ミキサエンジン10からの出力を示すコンポーネントは入力端子のみを有し、それ以外のコンポーネントは全て入力端子と出力端子の両方を有する。
なお、PC30は、編集中に、画面上の信号処理構成に従った信号処理に必要なリソースの量を計算しており、これがミキサエンジン10に備えるDSP20のリソースを上回った場合には、そのような処理は行えないため、ユーザにその旨を通知する。
そして、その後ユーザが各コンポーネントについて設けたパラメータ制御パネルを操作することにより、そのパラメータ記憶領域に記憶された動作パラメータを編集することができる。また、ここで編集した結果のカレントシーンに記憶されたパラメータは、コンフィグレーション内のシーンメモリにそのコンフィグレーションに関する設定データであるシーンとして複数記憶しておき、コンフィグレーションに従ってミキサエンジン10に信号処理を行わせる際にカレントシーンに任意に呼び出すことができる。
オンラインモードへの移行後は、PC30側で行われた操作が直ちにミキサエンジン10の動作に反映され、逆にミキサエンジン10の操作子15で行われた操作が直ちにPC30の動作に反映され、双方のカレントシーンの内容が同一になるよう制御される。なお、上述した「コンパイル」の実行時に自動的にオンラインモードへ移行し、PC30側で信号処理構成が変更された時に自動的に非オンラインモードへ移行するようにしてもよい。
まず、図3にPC30側に記憶させるデータの構成を示す。
この図に示すように、PC30のOS上で上記の編集プログラムを実行すると、PC30はその編集プログラムによって規定されるメモリ空間にプリセットコンポーネントデータとコンフィグデータとを記憶させる。
そして、プリセットコンポーネントヘッダには、プリセットコンポーネントの種類を示すプリセットコンポーネントID及びそのバージョンを示すプリセットコンポーネントバージョンの情報を含み、これらによってプリセットコンポーネントを特定することができる。
このうち、コンフィグヘッダには、コンフィグデータを新規に保存する場合にユニークにつけるコンフィグID、コンフィグデータを改変した場合に変更してバージョンを示すコンフィグバージョン、コンフィグデータを作成した編集プログラムのバージョンを示すシステムバージョンの情報等を含む。
また、結線データには、編集された信号処理構成に含まれる複数の結線の各結線について、どのコンポーネントのどの出力端子からどのコンポーネントのどの入力端子へ結線が行われているかを示す接続データ、およびPC30側の編集画面におけるその結線の形状や配置を示すPC用表示データを含む。
以上がPC30側で使用する主なデータであり、これらのデータは、HDD(ハードディスクドライブ)等の不揮発性記憶手段に記憶させておき、必要な時にRAMに読み出して使用するようにしてもよい。
この図に示すように、ミキサエンジン10側でも、主要なデータとして、プリセットコンポーネントデータとコンフィグデータとを記憶させている。ただし、プリセットコンポーネントデータはフラッシュメモリ12に、コンフィグデータはRAM13に記憶させ、その構成内容はPC30側とは若干異なる。そこで、PC30側に記憶させるデータとの相違点を中心に説明する。
これ以外の点は、PC30側のプリセットコンポーネントデータと同様であり、IDやバージョンについては、PC30側の対応するセットやコンポーネントと同じものを用い、対応関係が認識できるようにしている。
なお、ミキサエンジン10は、PC30において編集された信号処理構成に基づいて音響信号を処理するものである。そのため、CPU11は、PC30から受け取ったエンジン用CADデータに基づいてDSP20に実行させるマイクロプログラムを形成するようになっており、そのための作業領域としてマイクロプログラム形成バッファを用意している。
ここで、リソースの割り当てに基づいてマイクロプログラムを加工しているのは、ミキサエンジン10に備えたDSP20のアーキテクチャに対応させたものであり、別のアーキテクチャであれば、マイクロプログラム自体を加工する代わりに、例えば、割り当てたリソースに応じたパラメータをDSP20に設定するようにすべき場合もある。
まず、図5に遅延調整を行うための遅延設定画面の表示例を示す。
このミキサシステムにおいて、図2に示したようなCAD画面40で信号処理構成の編集が可能であることは上述したが、この画面においてユーザが遅延設定キー41を押下(マウスでクリックする等も含む、以下同様)すると、CAD画面40の表示が、図5に示すような遅延設定画面40′に移行する。
この画面においては、信号処理構成の編集において配置したコンポーネントや結線はそのまま表示し、さらに遅延時間に関する設定値や計算値を表示している。
このように総遅延時間を算出すると、図5の例では、総遅延時間が一意に定まるのは、入力部(Input)及びDynamicFilterのみであるので、これらの出力端子について「(0)」又は「(1)」と表示している。
このような表示を行うことにより、ユーザは経路毎に総遅延時間の目安を知ることができ、調整遅延時間を設定する際の参考にすることができる。なお、ユーザがシフトキーを押下せずに遅延設定画面40′のいずれかの場所をクリックした場合には、結線の表示及び総遅延時間の表示Gを元に戻し、通常の遅延設定画面40′に戻るようにするとよい。
また、Mixer402については、同様な考え方から、各入力端子から入力する信号の総遅延時間が、総遅延時間の最も大きい一番上の入力端子の場合と等しくなるように、差分の調整遅延時間を設定している。ただし、一番下の入力端子については、信号が入力しないため、調整の対象からは外している。DynamicFilterについては、信号を混合せずに出力するコンポーネントであるので、表1に示したように、設定は行わないようにしている。
PC30のCPUは、ユーザによって編集プログラムの実行が指示されると、図10のフローチャートに示す処理を開始する。この処理によって、音響信号処理装置において行う信号処理の構成を編集する機能が実現される。
この処理においては、まずステップS21及びS22で、画面表示を図5の遅延設定画面に変更するとともに、同図を用いて説明した本質遅延時間の表示(表示E)及び調整遅延時間の表示(表示F)を行う。そして、ステップS23でさらに総遅延時間の表示(表示G)を行うための経路毎の遅延時間表示処理を行い、調整遅延時間の指定を受け付けるための遅延設定画面40′に移行する。
ここで、編集操作とはすなわち、図6に示したような設定用ダイアログ50を用いた調整遅延時間の指定である。ダイアログの制御に関する詳細な処理の説明は省略するが、この指定を受け付けた場合には、ステップS25でPC用CADデータ中の調整遅延時間の設定値を指定値に変更し、ステップS26でステップS23と同様な遅延時間表示処理を行う。なお、図示は省略したが、調整遅延時間を変更した結果、信号処理に必要なリソース量が増してDSP20で実行できなくなった場合には、変更を中止してその旨のエラー表示を行うものとする。
結線の選択があった場合のステップS31の処理は、詳細な説明は省略するが、図7を用いて説明したような表示を行うための処理である。
この処理においては、まずステップS41で、総遅延時間が確定可能な出力端子を少なくとも1つ有するコンポーネントの1つを処理対象として選択する。ここで、ある出力端子の総遅延時間が確定可能であるというのは、その出力端子が属するコンポーネントの入力信号間に相互作用がある場合には、そのコンポーネントの全ての入力信号の総遅延時間が定まっている場合であり、そのコンポーネントの入力信号間に相互作用がない場合には、そのコンポーネントのその出力端子に対応する入力端子への入力信号の総遅延時間が定まっている場合である。このようにするのは、出力端子における総遅延時間を求めるためには、信号処理構成の上流側から順に遅延時間を求めていく必要があるためである。
そして、ステップS44で、まだ総遅延時間が未定であり、かつ、総遅延時間の確定可能な出力端子を少なくとも1つ有するコンポーネントの1つを、次の処理対象として選択し、あればステップS45からS42に戻って処理を繰り返す。なければ、ステップS46でループを検索する。この検索は、各入力端子から結線を信号処理経路の上流に向かって辿り、入力部に着くまでに、一度通ったコンポーネントを再度通ることになった場合に、そこでループが発生したとして行う。
また、ステップS47でループがなかった場合には、それ以上処理対象となるコンポーネントは存在しないので、図12の処理を終了してもとの処理に戻る。以上の処理により、図5に示した表示Gを行うことができる。
この処理においては、まずステップS51で設定対象のコンポーネントを選択する。そして、これが遅延時間調整の必要なコンポーネント(入力信号間に相互作用のあるコンポーネント)であって、入力端子に入力する信号全てについて、入力部からその入力端子までの経路における総遅延時間が定まっていれば、ステップS52乃至S54で各入力端子の調整遅延時間を設定する。この場合において、信号が入力しない入力端子については、設定値は0にするとよい。
そして、これらの後、その設定値をディスプレイに表示させると共に次の設定対象を選択し、あればステップS52に戻って処理を繰り返す。なければ図13の処理を終了して元の処理に戻る。
以上の処理を行うことにより、各入力端子の調整遅延時間を自動設定することができる。
まず、調整遅延時間の自動設定は、複数の入力端子からの入力信号間に相互作用のある各コンポーネントにおいて各入力信号について総遅延時間が等しくなるように行う例について説明したが、これ以外のコンポーネントにおいても総遅延時間が等しくなるように設定するようにしてもよい。また、どのコンポーネントについて入力信号の総遅延時間が等しくなるようにするかをユーザが任意に指定できるようにしてもよい。あるいは、入力端子単位で、どのコンポーネントのどの入力端子とどの入力端子の総遅延時間を合わせるかを指定できるようにしてもよい。
特に、モノラルマイクからの入力等、他の入力とは位相に関連性を有さないソースからの信号が入力している場合、このような信号について遅延時間の自動調整を行うことは無駄である場合が多い。そこで、このような入力から入力する信号が通る経路については、自動設定の対象から除外するようにするとよい。
さらに、遅延時間の表示や設定をDAC時間を単位として行うようにしたが、ミリ秒等の、日常的に用いられる時間単位を用いて行うようにしてもよい。
さらにまた、遅延設定画面における総遅延時間の表示位置や、結線の同時選択の方法等も、上述した実施形態のものに限られることはない。遅延設定画面の表示も、編集画面からの移行ではなく、編集画面を残したまま新たに遅延設定画面を表示するようにしてもよい。
Claims (3)
- コンピュータに、
音響信号処理装置において行われる、それぞれ入力端子ないし出力端子を有する複数の構成要素と、該構成要素の出力端子と入力端子との間を結ぶ結線とからなる信号処理の構成を編集する機能と、
該編集の際にユーザの指示に応じて前記信号処理における遅延の調整を行う機能と、
該調整を行う際に、編集中の信号処理の前記構成要素と前記結線とを表示手段にグラフィック表示させると共に、その各構成要素と対応するように、その構成要素において不可避的に生じる遅延時間である本質遅延時間を前記表示手段に表示させる機能と、
前記各構成要素の各入力端子又は各出力端子に対応させて、その入力端子から入力する信号又はその出力端子から出力する信号に与える遅延時間である調整遅延時間を前記表示手段に表示させる機能と、
ユーザの指示に応じて、前記調整遅延時間の設定を行う機能とを実現させるためのプログラム。 - 請求項1記載のプログラムであって、
前記コンピュータにさらに、
ユーザから前記調整遅延時間の自動設定の指示を受け付ける機能と、
該指示を受け付けた場合に、前記編集中の信号処理の構成要素のうち複数の信号を入力する少なくとも1つの構成要素において、前記複数の信号が前記信号処理における入力部から入力してからある構成要素に入力するまでの総遅延時間が、その構成要素に入力する全ての入力信号について等しくなるように、その構成要素の各入力端子の調整遅延時間を設定する機能と、
この設定を行った場合にその結果を前記表示手段に表示させる機能とを実現させるためのプログラム。 - 請求項1記載のプログラムであって、
前記コンピュータにさらに、
前記各構成要素の各出力端子について、信号が前記信号処理における入力部から入力してからその出力端子から出力するまでの総遅延時間が、前記本質遅延時間の値及び前記調整遅延時間の設定状況に従って一意に定まる場合に、その定まった総遅延時間を前記出力端子と対応するように前記表示手段に表示させる機能を実現させるためのプログラム。
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