JP4182902B2 - 音響信号処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、指定された信号処理構成に従って音響信号処理を行う信号処理部を有する音響信号処理装置に関する。
従来から、音響信号処理部を、プログラムに従って動作可能なプロセッサを用いて構成すると共に、外部のPC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータにアプリケーションソフトを実行させて編集装置として機能させ、これを用いて編集した信号処理構成に基づいて音響信号を処理できるようにした音響信号処理装置が知られている。このような音響信号処理装置を本願では、ミキサエンジンと呼ぶ。ミキサエンジンは、PCにより編集された信号処理構成を内部に記憶し、その記憶している信号処理構成に基づいて単独で音響信号の処理を行うことができる。
また、編集装置上における上記信号処理構成の編集は、編集時に信号処理の構成要素となるコンポーネント及びその入出力間の結線状態をディスプレイの編集画面にグラフィカルに表示させ、視覚的に信号処理の構成が把握し易い状態で編集作業を行うことができるようにすることが行われている。そして、ユーザは、所望の処理コンポーネントを配置し、配置したコンポーネント間の結線を設定することにより、信号処理構成を編集することができる。
このようなミキサエンジン及びアプリケーションソフトについては、例えば非特許文献1に記載されている。
「DIGITAL MIXING ENGINE DME32 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2001年,p.23−66
また、このようなミキサエンジンに信号処理構成の内容を設定する方式として、本件出願人は、編集装置においてコンポーネント及び結線の配置を示す構成データを編集し、これをエンジン用のデータに変換してミキサエンジンに転送し、ミキサエンジンにこのデータに基づいた音響信号処理を行わせる方式を提案している(特願2003−368691,未公開)。この場合において、ミキサエンジンに複数の構成データを記憶させ、ユーザが任意にこれらの構成を切り換えて使用することが可能であった。
そして、この方式においては、各構成データに係る音響信号処理を実行する際に使用するパラメータの値を示す動作データを、構成データと対応させてミキサエンジンに記憶させ、各構成データに係る音響信号処理を実行する際に、ユーザから動作データの選択を受け付け、その動作データに係る設定値に従ってその音響信号処理を行うようにしていた。
しかしながら、このような方式においては、ミキサエンジンにおいて実行する音響信号処理の構成を、予め記憶させてある別の構成に変更しようとする場合、ユーザは、まず新たな構成データを選択し、その後で処理に使用するパラメータの設定値を示す動作データを選択する必要があった。
従って、変更の際に2種類のデータを順次選択する操作が必要になり、操作性が低いという問題があった。また、ミキサエンジンにおいて速やかに新たな構成データに係る音響信号処理を可能とした場合でも、ユーザが動作データを選択するまでは、ユーザの望む信号処理を行わせることができない。従って、信号処理構成変更の際のレスポンス向上に限界があり、途切れなく音響信号処理を行いながら信号処理構成を変更したいといった要求に十分に応えることができないという問題もあった。
この発明は、このような問題を解決し、指定された信号処理構成に従って音響信号処理を行う信号処理部を有する音響信号処理装置において、信号処理構成変更時の操作性を向上させると共に、信号処理構成変更の際のレスポンス向上を可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、この発明の音響信号処理装置は、音響信号処理を行う信号処理部を有する音響信号処理装置において、上記音響信号処理に使用するコンポーネントの選択及び組み合わせ方に加え、そのコンポーネント間の結線を規定する構成データを複数記憶する構成データ記憶手段と、上記各構成データのいずれかに対応する動作データであって対応する構成データが示すコンポーネントの組み合わせ及びそのコンポーネント間の結線でなる音響信号処理を実行する際に使用するパラメータの値を示す動作データを複数記憶する動作データ記憶手段と、上記構成データ記憶手段の記憶する構成データの1つを指定する第1の指定データと上記動作データ記憶手段の記憶する動作データのうち上記第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データを1つ指定する第2の指定データとを含むシーンデータを複数記憶するシーンデータ記憶手段と、上記構成データ記憶手段が記憶する複数の構成データから選択された現在の構成データが示すコンポーネントの組み合わせ及びそのコンポーネント間の結線でなる音響信号処理を上記信号処理部に行わせる信号処理制御手段と、上記現在の構成データが示すコンポーネント及びそのコンポーネント間の結線でなる音響信号処理のためのパラメータの値を示す動作データを記憶するカレントメモリと、上記カレントメモリに記憶している動作データを、上記音響信号処理を行っている信号処理部に供給する動作データ供給手段と、上記シーンデータ記憶手段からの1つのシーンデータのリコール指示を受け付けるリコール指示受付手段と、上記シーンデータ記憶手段への1つのシーンデータのストア指示を受け付けるストア指示受付手段と、上記リコール指示受付手段がリコール指示を受け付けた場合に、そのリコール指示されたシーンデータに含まれる第1の指定データが指定する構成データを上記現在の構成データとして適用してその構成データが示す音響信号処理を上記信号処理部に行わせると共に、指定されたシーンデータに含まれる第2の指定データが指定する動作データを読み出して上記カレントメモリに記憶させる動作データとしてリコールするリコール手段と、上記ストア指示受付手段がストア指示を受け付けた場合に、上記現在の構成データを指定する上記第1の指定データと上記カレントメモリに記憶している動作データを指定する上記第2の指定データとを含むシーンデータを上記シーンデータ記憶手段にストアするストア手段とを設けたものである。
このような音響信号処理装置において、上記ストア手段を、上記ストア指示受付手段がストア指示を受け付けた場合に、上記カレントメモリに記憶している動作データが上記動作データ記憶手段に上記現在の構成データと対応して記憶されている場合は、その現在の構成データを指定する第1の指定データとその記憶されている動作データを指定する第2の指定データとを上記シーンデータ記憶手段に記憶させ、記憶されていない場合は、上記カレントメモリに記憶している動作データを新たな動作データとして上記動作データ記憶手段に追加記憶させるとともに、上記現在の構成データを指定する第1の指定データとその追加記憶された動作データを指定する第2の指定データとを上記シーンデータ記憶手段に記憶させる手段とするとよい
以上のようなこの発明の音響信号処理装置によれば、指定された信号処理構成に従って音響信号処理を行う信号処理部を有する音響信号処理装置において、信号処理構成変更時の操作性を向上させると共に、信号処理構成変更の際のレスポンス向上を可能とすることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1の実施形態におけるミキサシステムの基本構成の説明:図1乃至図4〕
まず、図1に、この発明の音響信号処理システムの第1の実施形態を構成する音響信号処理装置であるミキサエンジンの構成をブロック図で示す。
図1に示すように、ミキサエンジン10は、CPU11,フラッシュメモリ12,RAM13,表示器14,操作子15,制御ネット入出力部(I/O)16,MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)I/O17,その他I/O18,波形I/O19,信号処理部(DSP)20,音楽ネットI/O21を備え、これらがシステムバス22によって接続されている。そして、制御ネットワークを介して通信可能な制御装置から受信した信号処理構成に従って、DSP20を制御するためのマイクロプログラムを生成し、そのマイクロプログラムに従ってDSP20を動作させ、入力する音響信号に対して種々の信号処理を施して出力する機能を有する。
CPU11は、ミキサエンジン10の動作を統括制御する制御手段であり、フラッシュメモリ12に記憶された所定のプログラムを実行することにより、各I/O16〜19,21における通信や表示器14における表示を制御したり、操作子15の操作を検出してその操作に従ってパラメータの値を変更したり、制御装置から受信した信号処理構成の情報からDSP20を動作させるためのマイクロプログラムを生成してDSP20に設定したりといった処理を行う。
フラッシュメモリ12は、CPU11が実行する制御プログラムや後述するプリセットコンポーネントデータ等を記憶する書き換え可能な不揮発性記憶手段である。
RAM13は、制御装置から受信した信号処理構成の情報を後述するコンフィグデータとして記憶させたり、カレントデータを始めとする種々のデータ記憶させたり、CPU11のワークメモリとして使用したりする記憶手段である。
表示器14は、液晶ディスプレイ(LCD)等によって構成される表示手段である。そして、ミキサエンジン10の現在の状態を示す画面、コンフィグデータに含まれる設定データであるシーンの参照,変更,保存等を行うための画面等を表示する。
操作子15は、キー、スイッチ、ロータリーエンコーダ等によって構成され、ユーザがミキサエンジン10を直接操作してシーンの編集等を行うための操作子である。
制御ネットI/O16は、ミキサエンジン10を後述する制御ネットワークに接続し、通信を行うためのインタフェースであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)方式、RS232C方式、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394方式、Ethernet(登録商標)方式などのインタフェースによる通信を行うことができる。
MIDII/O17は、MIDI規格に従ったデータを授受するためのインタフェースであり、例えば、MIDIに対応した電子楽器あるいはMIDIデータを出力するアプリケーションプログラムを備えたコンピュータ等と通信を行うために用いる。
波形I/O19は、DSP20で処理すべき音響信号の入力を受け付け、また処理後の音響信号を出力するためのインタフェースである。そして、この波形I/O19には、1枚で4チャンネルのアナログ入力が可能なA/D変換ボード,1枚で4チャンネルのアナログ出力が可能なD/A変換ボード,1枚で8チャンネルのデジタル入出力が可能なデジタル入出力ボードを適宜組み合わせて複数枚装着可能であり、実際にはこれらのボードを介して信号の入出力を行う。
その他I/O18は、上記以外の機器を接続し入出力を行うためのインタフェースであり、例えば外部のディスプレイ、マウス、文字入力用のキーボード、操作パネル等を接続するためのインタフェースが用意される。
DSP20は、波形I/O19から入力する音響信号に対し、設定されているマイクロプログラム及びその処理パラメータを定めるカレントデータに従った信号処理を施すモジュールである。このDSP20は、1つのプロセッサによって構成してもよいし、複数のプロセッサを接続して構成してもよい。
音楽ネットI/O21は、ミキサエンジン10を複数接続して使用する際に、後述する音楽ネットワークに接続し、他のミキサエンジンとの間で音響信号の授受を行うためのインタフェースである。通信方式については、制御ネットI/O16の場合と同様でよい。ただし、音楽ネットワークは、さらに音響信号をリアルタイム伝送するためのアイソクロナス転送の機構を備えており、ミキサエンジン10の音楽ネット出力端子から他の機器へ複数の音響信号を出力可能であり、また、他の機器からミキサエンジン10の音楽ネット入力端子へ複数の音響信号を入力可能である。
次に、図2に、以上のようなミキサエンジンと、制御装置であるPCとを接続して構成した、この発明の音響信号処理システムの実施形態であるミキサシステムの構成を示す。
図2に示すように、このミキサシステムにおいては、PC30と、それぞれ図1に示した構成を有するミキサエンジンであるエンジンE1乃至E6とを、ハブ100による制御ネットワークによって接続し、相互に通信可能としている。また、これとは別に、各エンジンをスイッチングハブ110による音楽ネットワークによって接続し、相互に通信可能としている。
PC30は、ハードウェアとしては、CPU,ROM,RAM等及び表示手段としてディスプレイを有する公知のPCであり、WindowsXP(登録商標)などのオペレーティングシステム(OS)が動作するPCを用いることができる。そして、そのOS上のアプリケーションプログラムとして所要の制御プログラムを実行させることにより、ミキサエンジン10における信号処理の構成を編集し、その編集結果をミキサエンジン10に転送し、編集した信号処理構成に従って動作させたり、ミキサエンジン10に動作を指示するコマンドを発したりする制御装置として機能させることができる。そして、以下に説明するPC30の動作や機能は、特に断らない限り、この制御プログラムの実行により実現されるものとする。
また、図2に示したようにミキサエンジンを複数接続して使用する場合には、複数のミキサエンジンを協同的に動作させて一連の音響信号処理を行わせることが可能である。そして、PC30ではこのような音響信号処理の構成を編集し、制御ネットワークを介して各ミキサエンジンに編集結果を転送して、これらを編集した信号処理構成に従って動作させることができる。
そしてこの際には、ミキサエンジン間での音響信号の送受信は、音楽ネットワークを介して行う。このミキサシステムにおいては、後述するようにミキサエンジンを自由な組み合わせで協同的に動作させることも可能であり、ミキサエンジンを複数のグループ(ゾーン)に分けて動作させる場合には、スイッチングハブ110の機能により、音楽ネットワークをゾーン毎にVLAN(バーチャルLAN)として複数の部分ネットワークに分離して動作させるようにしている。このようにすることにより、各ゾーンで通信の全帯域を使用可能となる。また、VLANへの分離は、後述するゾーンデータの内容に従って行うようにしている。
なお、制御ネットワークや音楽ネットワークの構築にハブ100やスイッチングハブ110を用いることは必須ではなく、他のハードウェアを用いてネットワークを構築してもよいことはもちろんである。
また、ここでは制御ネットワークと音楽ネットワークを別々に設けているが、接続するミキサエンジンの数に対してネットワークが十分に高速である場合には、このようにすることは必須ではない。例えばPC30もスイッチングハブ110に接続し、2つのネットワークを同じスイッチングハブ110を用いて構成するようにしてもよい。ただし、接続するミキサエンジンの数が多い場合には、通信の帯域が足りなくなることがあるので、図2に示したような構成が好ましい。
次に、PC30における信号処理構成の編集方式について説明する。図3及び図4は、PC30のディスプレイに表示させる信号処理構成の編集画面の例を示す図である。
ユーザがPC30に上記の編集/制御プログラムを実行させると、PC30はディスプレイにグラフィック表示の編集画面として図3に示すようなCAD(Computer Aided Design)画面40を表示させ、ユーザからの編集指示を受け付ける。そして、この画面においては、編集中の信号処理構成を、その構成要素である4bandPEQ,Compressor,Mix804等のコンポーネント(A)と、コンポーネントの出力端子(B)と入力端子(C)とを結ぶ結線(D)とによってグラフィカルに表示している。
なお、コンポーネントの左側に表示した端子が入力端子、右側に示した端子が出力端子である。そして、ミキサエンジン10への入力を示すコンポーネントは出力端子のみを有し、ミキサエンジン10からの出力を示すコンポーネントは入力端子のみを有し、それ以外のコンポーネントは全て入力端子と出力端子の両方を有する。
ユーザは、この画面において、「Component」メニューの操作で表示されるコンポーネントリストの中から信号処理構成に加えたいコンポーネントを選択して画面上に配置し、配置された複数のコンポーネントの任意の出力端子と任意の入力端子との間の結線を指定することにより、信号処理構成を編集することができる。
ここで、Input及びOutputのコンポーネントの各端子は、波形I/O19の入出力チャンネルを示し、Netoutコンポーネントの各端子は、音楽ネットI/O21から他のミキサエンジンへの音楽ネットワークを介した信号出力を示す。そして、ここには示していないが、音楽ネットワークを介した他のミキサエンジンからの信号入力を示すNetinコンポーネントも配置可能である。
また、複数のミキサエンジンを協同的に動作させて実行させる信号処理構成を編集する場合には、各ミキサエンジンについてCAD画面40を表示させ、エンジン毎の信号処理構成を編集することができる。
そして、エンジン間の接続関係については、別途図4に示すようなCAD画面40′を表示させ、この画面において編集することができる。この画面には、編集中の信号処理構成に係る音響信号処理を実行させるミキサエンジンを示すミキサコンポーネント41a,41b,41cが表示され、各ミキサコンポーネントはそれぞれ、その最下部にハッチングを付して示すように、音楽ネットワークを介した信号の入出力を示すネットワーク出力端子42及びネットワーク入力端子43を有する。
そして、ユーザは、CAD画面40の場合と同様にこれらの間の結線を指定することにより、各ミキサエンジンの上述したNetoutコンポーネントからの信号出力先及びNetinコンポーネントへの信号入力元を指定することができる。このとき、1つのネットワーク出力端子42から複数のネットワーク入力端子43へ信号を入力するような指定も可能であり、また結線毎にその結線で伝送される音響信号のチャンネル数を指定することも可能である。各結線についてネットワーク出力端子42付近に示した数字がそのチャンネル数に該当し、各エンジンにおいて同時に入出力可能なチャンネル数の合計は、音楽ネットワークI/O21の入出力能力、例えば入力端子数や出力端子数によって制限される。
また、各ミキサコンポーネントは、ネットワーク入出力端子の上側に、各ミキサエンジンの波形I/O19における入出力チャンネルを示す入力端子44及び出力端子45を有する。そして、これらの端子には、マイクシンボル46、デッキシンボル47、アンプシンボル48、スピーカシンボル49等により、ミキサシステムに接続する外部機器を設定することができる。ただし、この設定は、単なる覚え書きのようなものであり、ミキサシステムの動作に影響を与えるものではない。すなわち、実際に接続された機器がシンボルと合わなくても、その接続された機器から信号が入出力されることになる。
以上のような各CAD画面で編集した結果は、「File」メニューの「保存」を実行指示することによりコンフィグレーション(コンフィグ)として保存され、さらに「File」メニューの「コンパイル」を実行指示することによりコンフィグデータの一部のデータ形式をミキサエンジン用のデータ形式に変換した上でミキサエンジン10に転送して記憶させることもできる。
なお、PC30は、編集中に、画面上の信号処理構成に従った信号処理に必要なリソースの量を計算しており、これが編集対象のミキサエンジン10に備えるDSP20のリソースを上回った場合には、そのような処理は行えないため、ユーザにその旨を通知する。
また、信号処理構成に含まれる各コンポーネントについて、そのコンポーネントが信号処理構成に新規に配置されコンパイルされた段階で、その動作パラメータ(例えばミキサであれば各入力のレベル等)を記憶するための記憶領域がカレントデータを記憶するカレントシーン内に用意されると共に、その動作パラメータとして所定の初期値が与えられる。
そして、その後ユーザが各コンポーネントについて設けたパラメータ制御パネルを操作することにより、そのパラメータ記憶領域に記憶された動作パラメータの値を編集することができる。また、ここで編集されカレントシーンに記憶されたパラメータは、コンフィグレーションと対応するプリセット動作データとして複数記憶しておき、ミキサエンジン10に信号処理を行わせる際にコンフィグレーションと共に任意に呼び出すことができる。この点については後に詳述する。
〔第1の実施形態のミキサシステムで用いるデータの構成:図5乃至図9〕
次に、以上のようなミキサシステムにおいて用いる、この発明に関連するデータの構成について説明する。
まず、図5及び図6にPC30側に記憶させるデータの構成を示す。
PC30のOS上で上記の編集/制御プログラムを実行すると、PC30はその制御プログラムによって規定されるメモリ空間に、図5及び図6に示すような各データを記憶させる。
このうち、図5(a)に示したプリセットコンポーネントデータは、信号処理を編集する際に用いることができるコンポーネントのデータのセットであり、ユーザがカスタマイズできるようにしてもよいが、基本的にはメーカーが供給するものである。そして、データセット全体としてのバージョン管理を行うためのバージョン情報であるプリセットコンポーネントセットバージョンのデータと、そのデータセットを構成する複数のコンポーネントの各種類毎に用意されたPC用プリセットコンポーネントデータとを含む。
各PC用プリセットコンポーネントデータは、コンポーネントの性質や機能を示す情報であって、コンポーネントを識別するためのプリセットコンポーネントヘッダ、コンポーネントの入力や出力およびコンポーネントが扱うデータや動作パラメータの構成を示す構成情報、ユーザの数値入力操作に応じて上述したカレントシーンないし後述するプリセット動作データにおける各コンポーネントの個別の動作パラメータの値を変更する処理を行うためのパラメータ処理ルーチン、その処理において各コンポーネントの動作パラメータを表示用のテキストデータや特性グラフに変換するための表示・編集用処理ルーチンを含む。
そして、プリセットコンポーネントヘッダには、プリセットコンポーネントの種類を示す識別情報であるプリセットコンポーネントID及びそのバージョンを示すプリセットコンポーネントバージョンの情報を含み、これらによってプリセットコンポーネントを特定することができる。
また、上記の構成情報には、コンポーネントの入出力の構成を示す入出力構成情報やコンポーネントが扱うデータやパラメータの構成を示すデータ構成情報の他、コンポーネントの名前、編集画面にコンポーネント自身を表示する際の色や形状等の外観及びそのコンポーネントの動作パラメータを編集するためにディスプレイに表示する制御パネルのデザインや制御パネル上のつまみや特性グラフの配置を示すPC用表示データ等も含む。
ここで、このPC用プリセットコンポーネントデータのうち、構成情報中の、グラフィック表示の編集画面における編集に必要なPC用表示データや、表示・編集処理ルーチン中の、制御パネルに特性をグラフで表示するためのルーチン等は、ミキサエンジン10側の動作には必要ないデータであり、PC30側にのみ記憶させる。
一方、図6に示すエリアデータは、図2に示したミキサシステムの構成及びそのミキサシステムで実行する信号処理の構成を示すデータであり、種々の設定や情報を多数の階層に亘って記載したものである。そして、PC30はこのエリアデータを複数記憶することができる。
1つのエリアデータは、PC30の制御の対象とする全てのミキサエンジンによって構成される「エリア」に関する情報を示すデータである。そして、図6に示すように、エリア管理データ及び1又は複数のゾーンデータを含む。このうち各ゾーンデータは、エリアに属するミキサエンジンのうち、1又は複数のミキサエンジンのグループを「ゾーン」として定義し、それらのミキサエンジンに実行させる信号処理の内容やその処理の際に使用するパラメータの値を示すデータである。
また、エリア管理データには、エリアの識別情報を示すエリアID、エリアデータ中のゾーンデータの数を示すゾーン数、エリアデータが示すエリアに属するミキサエンジンの数を示すエンジン数、それら各ミキサエンジンのID,波形I/O19の入出力数,音楽ネットI/O21の入出力数,制御ネットワーク上のアドレス等を示す各エンジン情報等を含む。
ここで、「エリア」と「ゾーン」の関係について、図7を用いて説明する。図7は、図2に示したように6つのミキサエンジンが制御ネットワークによってPCと接続されている構成のミキサシステムを例として、エリアとゾーンについて説明するための図である。
まず、エリアには、基本的には、図7に示すエリア1の場合のように、システムの運用時に制御ネットワークによってPCと接続される全てのミキサエンジンを属させる。そして、PC30は、選択されているエリアに属するミキサエンジンのみを制御するようにしている。ただし、エリア2のケースで破線で示したエンジンE6のように、一部のミキサエンジンを「エリア」から外すことも可能である。この場合、エリアから外したミキサエンジンは、PC30の制御対象ではなくなり、単独で動作させることになる。
また、エリア中で、音響信号処理において協同的に動作させるミキサエンジンのグループをゾーンとして指定している。そして、PC30が各ミキサエンジンにゾーンを指定するデータを送信すると、これを受け取った各ミキサエンジンは、スイッチングハブ110のVLAN機能により、音楽ネットワークを各ゾーン毎の独立したネットワークのように機能させる。
ここで、1つのエリア中に設けるゾーンの数はいくつでもよく、1つのゾーンに属するミキサエンジンの数もいくつでもよい。また、物理的な配置位置とは無関係にゾーンを指定できるが、同じエリアにおいて1つのミキサエンジンが複数のゾーンに属することはないものとする。逆に、どのゾーンにも属しないミキサエンジンがあってもよいが、そのエンジンは、エリアから外したミキサエンジンと同様、PC30の制御の下で単独で動作させることになる。また、異なるエリアであれば、各ゾーンに属するミキサエンジンの組み合わせが変わって構わない。
エリアとゾーンの関係は以上のようなものであり、ユーザはミキサシステムに適用すべきエリアを選択する。そして、この選択がなされた場合、そのエリア内の全てのゾーンをミキサシステムに適用することが選択されたものとして取り扱うようにしている。この点に関連する処理については、後に詳述する。
図6の説明に戻ると、各ゾーンデータは、ゾーン管理データと、1又は複数のPC用コンフィグデータと、シーンデータ群と、その他のデータを含む。
そして、ゾーン管理データは、「ゾーン」の識別情報を示すゾーンID、ゾーンデータが示す「ゾーン」に属するミキサエンジンの数を示すエンジン数、それら各ミキサエンジンのIDを示す各エンジンID(特定データに該当する),ゾーンデータ中に含まれるコンフィグデータの数を示すコンフィグ数、ゾーンデータ中のシーンデータ群に含まれるシーンデータの数を示すシーン数等の情報を含む。
また、コンフィグデータは、ユーザが編集した信号処理構成の内容を示すデータであり、ユーザが編集結果の保存を選択した場合、その時点での信号処理構成の内容が1つのPC用コンフィグデータとして保存される。そして、各PC用コンフィグデータは、コンフィグ管理データ、ゾーンに属するミキサエンジン毎に、編集された信号処理構成のうちそのミキサエンジンが担当する部分の内容を示す構成データであるPC用CADデータ、およびそのPC用CADデータが示す音響信号処理を各ミキサエンジンに実行させる際の処理パラメータの値のセットである1又は複数のプリセット動作データを含む。
このうち、コンフィグ管理データには、コンフィグデータを新規に保存する場合にユニークにつけるコンフィグID、コンフィグデータに従って音響信号処理を行わせるミキサエンジンの数(通常はコンフィグと対応するゾーンに属するミキサエンジンの数)を示すエンジン数、コンフィグデータに含まれるプリセット動作データの数を示す動作データ数等の情報を含む。
また、各ミキサエンジンに対応するPC用CADデータには、CAD管理データと、編集された信号処理構成のうち対象のミキサエンジンで実行(担当)させる部分の各コンポーネントについてのコンポーネントデータと、それらのコンポーネント間の結線状態を示す結線データとが含まれる。なお、編集された信号処理構成に同じ種類のプリセットコンポーネントが複数含まれる場合には、それら各々に対して別々のコンポーネントデータを用意する。また、CAD管理データにはCADデータ中のコンポーネントの数を示すデータが含まれる。
そして、各コンポーネントデータは、そのコンポーネントがどのプリセットコンポーネントに該当するかを示すコンポーネントID、同じくどのバージョンのプリセットコンポーネントに該当するかを示すコンポーネントバージョン、そのコンポーネントが含まれる信号処理構成においてそのコンポーネントにユニークに付したIDであるユニークID、そのコンポーネントの入力端子や出力端子の数の情報等を含むプロパティデータ、およびPC30側の編集画面で該当するコンポーネントが配置されている位置等を示すPC用表示データを含む。
また、結線データには、編集された信号処理構成に含まれる複数の結線の各結線について、どのコンポーネントのどの出力端子からどのコンポーネントのどの入力端子へ結線が行われているかを示す接続データ、およびPC30側の編集画面におけるその結線の形状や配置を示すPC用表示データを含む。
このような各PC用CADデータが、PC30側に記憶させる構成データに該当する。また、各ミキサエンジンと対応するPC用CADデータが、部分構成データに該当する。
また、上記のコンフィグデータ中の各プリセット動作データはそれぞれ、PC用CADデータによって定められる音響信号処理を各ミキサエンジンに実行させる場合に、その処理において用いるパラメータの値を示す動作データを含む。そして、この動作データはミキサエンジン毎に設けている。
各ミキサエンジンについての動作データは、そのミキサエンジンで実行する処理の各コンポーネントに対応するパラメータの設定値であるコンポーネント動作データを含む。そして、この各コンポーネント動作データにおけるデータの形式や配列は、PC用CADデータに含まれるそのコンポーネントのコンポーネントIDとコンポーネントバージョンとで特定されるプリセットコンポーネントの、PC用プリセットコンポーネントデータ中のデータ構成情報と、PC用CADデータに含まれるそのコンポーネントのプロパティデータとによって定義される。
新たにコンフィグデータが保存された場合には、このプリセット動作データを初期化したり、他のコンフィグデータのプリセット動作データを自動的に読み込んだり、あるいはその時点でのカレントシーンの内容を、自動的にプリセット動作データとして保存するようにするとよい。
このような各プリセット動作データが、PC30側に記憶させる動作データに該当する。また、各ミキサエンジンと対応する動作データが、部分動作データに該当する。
また、ゾーンデータ中のシーンデータ群には、1又は複数のシーンデータが含まれ、その各シーンデータには、コンフィグデータを指定するコンフィグ番号(第1の指定データに該当する)と、そのコンフィグデータ中のプリセット動作データを指定する動作データ番号(第2の指定データに該当する)が含まれる。なお、コンフィグ番号が定まればCADデータは一意に特定されるので、コンフィグ番号はCADデータを指定するデータであると考えることもできる。
そして、ユーザがゾーン毎にこれらのシーンデータの1つを指定することにより、そのゾーンに属する各ミキサエンジンに、指定されたシーンデータに含まれるコンフィグ番号のコンフィグデータが示す音響信号処理を行わせると共に、そのコンフィグデータ中の、指定されたシーンデータに含まれる動作データ番号が示す動作データに係るパラメータの値を、音響信号処理の動作パラメータの値として使用させることができるようにしている。このような音響信号処理内容とその処理に係る動作パラメータの値の組み合わせをシーンと呼ぶ。
このようなシーンデータは、ユーザがPCに対し、シーン番号を指定して現在のシーン(設定状態)の保存(ストア)を指示することにより、その時点で有効なコンフィグデータを示すコンフィグ番号と、そのコンフィグデータ中の、保存時点のカレントシーンに対応するプリセット動作データ示す動作データ番号とが、シーンデータ群中の指定されたシーン番号のシーンとして保存される。このとき、そのコンフィグデータのプリセット動作データに、カレントシーンに対応するプリセット動作データがない場合には、上記のシーンの保存に先立って、カレントシーンが新たなプリセット動作データとして保存される。
また、ゾーンデータ中のその他のデータには、図4に示したような編集画面で設定された、音楽ネットワークにおけるミキサエンジン間の結線に関する情報が含まれている。
以上がPC30側に記憶させる主なデータであり、これらのデータは、HDD(ハードディスクドライブ)等の不揮発性記憶手段に記憶させておき、必要な時にRAMに読み出して使用するようにしてもよい。
また、以上のデータ以外にも、図5(b)に示すように、PC30においては、現在有効なコンフィグにおける現在有効なパラメータの値を示すカレントシーンも記憶している。ここで、このミキサシステムにおいては、ミキサエンジンはゾーン毎に独立して動作させることが可能であるので、カレントシーンもゾーン毎に用意している。そして、各ゾーンのカレントシーンのデータは、上述した各プリセット動作データと同一構成である。すなわち、そのゾーンに属するミキサエンジン毎の、またコンポーネント毎の動作データを組み合わせる形式としている。そして、制御パネル等により信号処理構成中の1つのコンポーネントに関するパラメータの値を編集する際には、このカレントシーンのそのコンポーネントに関するパラメータの値を変更する。そしてその結果は、1つのプリセット動作データとして保存することができる。
さらに、図5(c)に示すように、PC30には、上述した「コンパイル」の処理でコンフィグデータをミキサエンジン10に転送する際に、PC用CADデータからミキサエンジン10での処理に適した形式のエンジン転送用CADデータを形成するためのバッファも用意している。なお、各ミキサエンジンに転送するためのエンジン転送用CADデータは、PC用CADデータから転送先のエンジンに関係する部分を取り出し、上述したコンポーネントや結線のPC用表示データのような、ミキサエンジン10側では使用しないデータを削除し、さらにデータ間の不使用部分を詰めてパッキングすることにより形成される。
さらにまた、図5(d)に示すように、PC30には、PC30に接続されたミキサエンジンのエンジンIDとIPアドレスとを対応させたエリアデータも記憶している。PC30は、制御プログラムを実行することにより、所定の周期で制御ネットワークに接続されている機器(ミキサエンジン10を含む)のIDやIPアドレスなどの情報を自動的に収集するようになっており、その結果に基づいてエリアデータとして記憶されているエンジンIDやIPアドレスも更新される。すなわち、このエンジンIDやIPアドレスは制御ネットワークの最新の情報とみることができ、「エリア」や「ゾーン」が選択されたときに、このデータを参照することにより、必要なミキサエンジンが接続されているか否かを判断することができる。
次に、図8及び図9にミキサエンジン10側に記憶させるデータの構成を示す。ここでは、図2及び図7に示したエンジンE1に記憶させるデータを代表して示しているが、その他のミキサエンジンについても、データの構成は同様の考え方で成り立っている。
これらの図に示すように、エンジンE1には、主要なデータとして、プリセットコンポーネントデータと、エンジンE1が属するゾーン(ここではゾーンZ1)についてのゾーンデータとを記憶させている。ただし、プリセットコンポーネントデータはフラッシュメモリ12に記憶させ、その構成内容はPC30側とは若干異なる。また、ゾーンデータはRAM13に記憶させ、エンジンE1が属するゾーンZ1で実行する音響信号処理のうちエンジンE1が担当する部分のデータであり、PC30側のゾーンデータを加工して作成するものである。そこで、これらのデータについて、PC30側に記憶させるデータとの相違点を中心に説明する。
図8(a)に示すように、エンジンE1のプリセットコンポーネントデータは、エンジン用プリセットコンポーネントデータを含む。そして、このエンジン用プリセットコンポーネントデータは、エンジンE1に各コンポーネントに関する音響信号処理を行わせるためのデータであり、まず、表示・編集用ルーチンの一部に代えて、DSP20を動作させてそのコンポーネントとして機能させるためのマイクロプログラムを含む点でPC用のものと異なる。
さらにまた、図5(d)に示すように、PC30には、PC30に接続されたミキサエンジンのエンジンIDとIPアドレスとを対応させたデータも記憶している。PC30は、制御プログラムを実行することにより、所定の周期で制御ネットワークに接続されている機器(ミキサエンジン10を含む)のIDやIPアドレスなどの情報を自動的に収集するようになっており、その結果に基づいて図5(d)に示すように記憶されているエンジンIDやIPアドレスも更新される。すなわち、このエンジンIDやIPアドレスは制御ネットワークの最新の情報とみることができ、「エリア」や「ゾーン」が選択されたときに、このデータを参照することにより、必要なミキサエンジンが接続されているか否かを判断することができる。
次に、ゾーンデータについては、図9に示すように、エリア&ゾーン管理データと、1又は複数のコンフィグデータと、シーンデータ群とを含む。このミキサエンジンにおいては、1つのミキサエンジンが同時に複数のゾーンに属することがないようにしているので、エンジンE1は1つのゾーンデータのみを記憶することになる。
そして、エリア&ゾーン管理データは、ゾーンデータに係るゾーンおよびそのゾーンが属するエリアに関する情報であり、PC30側に記憶しているエリア管理データ及びゾーン管理データに含まれる情報を合わせたものである。すなわち、エリア&ゾーン管理データには、エリア管理データ中のエリアID,ゾーン数,エンジン数,各エンジン情報及び、ゾーンデータ中のゾーンID,ゾーン中エンジン数,ゾーン中各エンジンID,コンフィグ数,シーン数等のデータを含む。
また、コンフィグデータについては、コンフィグ管理データ、エンジンE1用CADデータ及び1又は複数のエンジンE1用動作データを含む。そして、コンフィグ管理データはPC用コンフィグデータの場合と同様なものである(エンジン数の情報は不要なので削除してもよい)が、エンジンE1用CADデータは、図6に示したPC用エンジンE1CADデータからPC用表示データを削除して上述のようにパッキングしたものである。また、エンジンE1用動作データは、PC30側に記憶していたプリセット動作データからエンジンE1用動作データのみを抜き出したものである。
これ以外の点は、PC30側のコンフィグデータと同様であり、IDやバージョンについては、PC30側の対応するコンフィグやコンポーネントと同じものを用い、対応関係が認識できるようにしている。
また、シーンデータ群についても、PC30側の対応するシーンデータ群と全く同じデータとしている。ここに含まれるのは、各シーンデータに係るコンフィグ番号と動作データ番号であり、これらの情報は、ゾーン内の各エンジンについて共通なものだからである。
なお、図8(b)に示すように、エンジンE1にも、DSP20に実行させる信号処理に反映させる設定データであるカレントシーンを記憶している。そして、カレントシーンのデータは上述したエンジンE1用動作データと同一構成である。ただし、エンジンE1が同時に複数のゾーンに属することはないので、現在属しているゾーンについてのみカレントシーンを記憶している。
また、ミキサエンジン10は、PC30において編集された信号処理構成に基づいて音響信号を処理するものである。そのため、CPU11は、PC30から受け取ったエンジン用CADデータに基づいてDSP20に実行させるマイクロプログラムを形成するようになっており、図8(c)に示すように、そのための作業領域としてマイクロプログラム形成バッファを用意している。
マイクロプログラムの形成処理では、まず、エンジン用CADデータに含まれる各コンポーネントのコンポーネントIDにより特定されるプリセットコンポーネントデータからマイクロプログラムを順次読み出し、各コンポーネントに動作に必要な入出力レジスタ、遅延メモリ、記憶レジスタなどのリソース割り当てを行い、割り当てたリソースに基づいてそのマイクロプログラムを加工してマイクロプログラム形成バッファに書き込む。
その際、エンジン用CADデータに含まれる結線データに基づいて、各コンポーネントの入出力端子に対応した入出力レジスタの間のデータの受け渡しプログラムもマイクロプログラム形成バッファに書き込むようにしている。
ここで、リソースの割り当てに基づいてマイクロプログラムを加工しているのは、ミキサエンジン10に備えたDSP20のアーキテクチャに対応させたものであり、別のアーキテクチャであれば、マイクロプログラム自体を加工する代わりに、例えば、割り当てたリソースに応じたパラメータをDSP20に設定するようにすべき場合もある。
〔第1の実施形態における信号処理構成の設定に係る処理:図10乃至図14〕
次に、ユーザがこのミキサシステムにおいて実行する信号処理構成を設定する際の処理について説明する。まず、エリア選択処理について説明する。
このミキサシステムにおいては、ユーザがPC30で信号処理構成の編集を行う場合、図3や図4に示したような編集画面の他、図10に示すようなナビゲートウィンドウ60もPC30のディスプレイに表示させるようにしている。
このナビゲートウィンドウ60においては、上述したエリア、ゾーン、コンフィグ、エンジンといった階層に分け、図6に示したような形式でPC30が記憶しているデータの内容をツリー形式で示している。なお、図10に示した例では詳細が表示されていない部分、例えばゾーン2の内容等も、その部分の詳細表示を指示すれば、表示させることができる。また、「エリア1」の右側の「(3−2)」は、エリア1には3台のミキサエンジンからなるゾーンと2台のミキサエンジンからなるゾーンとが存在することを示している。「エリア2」の右側の「(4−1)」は、同様にエリア2には4台及び1台のミキサエンジンからなるゾーンが存在することを示している。
そして、このナビゲートウィンドウ60においてユーザがコンフィグを選択すると、PC30はディスプレイにそのコンフィグにおけるゾーン内のミキサエンジン間の接続関係等を編集するための図4に示したようなCAD画面を表示させ、コンフィグの編集を受け付けるようにしている。このとき、ゾーンに属するミキサエンジンが定まっている場合には、CAD画面にはそのゾーンに属するミキサエンジンを示すミキサコンポーネントのみを表示させ、その追加および削除を行えないようにしている。
また、ユーザがエンジンを選択すると、PC30はディスプレイにコンフィグに係る信号処理内でそのエンジンが担当する部分の信号処理内容を編集するための図3に示したようなCAD画面を表示させ、選択されたエンジンに係る信号処理構成の編集を受け付けるようにしている。そして、ゾーン内の各ミキサエンジンについて機種やオプション装備が特定されれば、各ミキサエンジンにおける入出力数やDSP20の処理能力がわかるので、各ミキサエンジンに係る信号処理構成は、その能力の範囲を越えないように編集させるものとする。範囲を越えた場合には、警告を行うようにするとよい。
また、エリアやゾーンの構成を編集するためのCAD画面については図示を省略したが、ナビゲートウィンドウ60においてユーザがエリアあるいはゾーンを選択すると、PC30はディスプレイにこれらの編集するためのCAD画面を表示させる。そして、この画面では、エリアに属するミキサエンジンの機種やオプション等を設定したり、エリア内の各ゾーンを構成するミキサエンジンを設定したりすることができる。なお、データの編集時には必ずしも実際にミキサエンジンが接続されている必要はない。
以上のようなナビゲートウィンドウ60において、ユーザがエリアを選択し、そのエリアへの切り替えを指示すると、PC30は、エリアの切換えに係る処理を行う。しかし、この処理は、ミキサシステム中の各ミキサエンジンに対して新たなエリアに係るゾーンデータを転送する等、ある程度の時間を要する処理であるので、処理の実行前に図11に示すようなエリア切換え確認画面70をディスプレイに表示させ、ユーザに切換えを行ってよいか否か確認するようにしている。そして、ユーザがキャンセルキー72を押下した場合にはエリアの切換えは行わずに元のCAD画面に戻り、ユーザがOKキー71を押下した場合のみ、エリアの切換えに係る処理を開始するようにしている。
なお、信号処理構成の編集は、現在選択しているエリアとは関係なく行うことができるようにするとよい。
上記のエリアの切換えに係る処理は、図12のフローチャートに示すものである。
この処理においては、まずステップS1で選択されたエリアの1つめのゾーンを対象にし、ステップS2で対象ゾーンで使用する全てのミキサエンジンが制御ネットワークに接続されているか否か、すなわち選択されたゾーンデータに基づいてPC30から制御可能であるか否か確認する。この確認は、対象ゾーンのゾーン管理データに含まれる各エンジンIDと、PC30が記憶しているエリアデータ中のエンジンIDとを比較することにより、行うことができる。この処理において、PC30のCPUが確認手段として機能する。
そして、ステップS3で接続されていれば、すなわち制御可能であれば、ステップS4乃至S8において、対象ゾーン内のミキサエンジンを順次対象として、各ミキサエンジンに記憶させるべきコンフィグデータの生成及び転送を行う。なお、ここで行う生成処理(S5)は、対象ゾーンのPC30側でのゾーンデータに含まれる図6に示したような各コンフィグデータから、対象のミキサエンジンが担当する部分の信号処理構成を示すCADデータ及びその信号処理構成において使用するパラメータの値を示す動作データを抽出し、さらにCADデータをエンジン用の形式に変換して、図9に示したような対象エンジンへの転送用のコンフィグデータを生成する処理である。また、転送処理(S6)は、生成したコンフィグデータを、制御ネットワークを介して対象のミキサエンジンに転送して記憶させる処理であり、ミキサエンジンは、このコンフィグデータを受信するとエンジン用コンフィグデータとして記憶する。この処理において、PC30のCPUが転送手段として機能する。
対象ゾーン内の全てのミキサエンジンについて以上の処理が終了すると、ステップS9及びS10に進み、選択されたエリアにまだ対象になっていないゾーンがあれば、ステップ2に戻って処理を繰り返す。全てのゾーンが既に対象になっていれば、処理を終了する。
一方、ステップS3で対象ゾーンで使用するミキサエンジンが1つでも接続されていなければ、ステップS11及びS12で、ディスプレイにその旨の警告メッセージを表示させると共に、対応の指示を受け付ける。ステップS12で受け付ける指示内容としては、ここでは、接続されているミキサエンジンのみに対して必要なコンフィグデータを転送させる「強行」、対象のゾーンに関する処理を中止して次のゾーンの処理に移る「次ゾーン処理」、およびエリア切換えに係る処理そのものを中止する「中止」の選択肢を設けるものとする。
そして、ステップS13でその指示内容を判定し、「強行」であればステップS4に進んで処理を続行する、「次ゾーン処理」であればステップS9に進んで処理を続行する、「中止」であればそのまま処理を終了する、といった対応を行う。
なお、「強行」の場合には、対象ゾーン内のミキサエンジンのうち、制御ネットワークに接続されているミキサエンジンのみを対象としてステップS4乃至S8の処理を繰り返すようにするとよい。このような処理を行うと、対象ゾーンでは登録されている信号処理構成の一部しか実行できないため、通常は望みの音響信号処理を行うことができない。しかし、場合によってはそれでも部分的に実行させたいという要求があるため、このミキサシステムにおいては「強行」の機能を設けている。従って、この機能は必須のものではない。
上記のエリアの切換えに係る処理は、図12のフローチャートに示すものである。
この処理においては、まずステップS1で選択されたエリアの1つめのゾーンを対象にし、ステップS2で対象ゾーンで使用する全てのミキサエンジンが制御ネットワークに接続されているか否か、すなわち選択されたゾーンデータに基づいてPC30から制御可能であるか否か確認する。この確認は、対象ゾーンのゾーン管理データに含まれる各エンジンIDと、PC30が記憶している図5(d)に示したデータ中のエンジンIDとを比較することにより、行うことができる。この処理において、PC30のCPUが確認手段として機能する。
そして、ユーザは、ゾーン毎にシーンを指定することにより、すなわちゾーンデータ中のシーンデータ群からそのゾーンの音響信号処理に適用すべきシーンデータを選択することにより行うことができる。この選択が行われると、選択されたシーンデータに含まれるコンフィグ番号と動作データ番号が選択されたことになる。また、特定の動作データが選択され、それに付随してこれと対応するコンフィグ番号が選択されたと考えることもできる。
そして、PC30のCPUは図13のフローチャートに示す処理を実行する。図13は、ゾーンZiにおいてシーンデータjが選択された場合の処理を示すフローチャートである。
この処理においては、PC30のCPUは、まずステップS21でゾーンZi内の全てのミキサエンジンに、シーンデータj選択命令を送信する。この命令は、送信先のミキサエンジンに、シーンデータjを指定してそのシーンデータに係る信号処理を行わせる命令である。そして、どのミキサエンジンが送信先となるかは、ゾーンZi管理データ中の各エンジンIDのデータを参照して判断すればよい。
その後、ステップS22で、ゾーンZiのゾーンデータ中のシーンデータ群から、選択されたシーンデータj中のコンフィグ番号を読み出す。そして、それがゾーンZiにおいて現在設定されているコンフィグ番号と違う場合には、ステップS23からステップS24及びS25に進み、読み出したコンフィグ番号のコンフィグを使用する旨を設定し、その番号のコンフィグデータに基づいてカレントシーンの記憶領域を確保する。具体的には、コンフィグデータ中の各CADデータをもとに、信号処理構成に含まれる各コンポーネントのプリセットコンポーネントデータを参照し、ここに含まれるデータ構成情報からパラメータのデータ形式を認識し、その記憶に必要な領域を確保する。さらに、ステップS26で、設定したコンフィグデータに係る信号処理構成をディスプレイに表示する等の必要があれば、その必要に応じてPC用表示データ等へのアクセスを準備してステップS27に進む。コンフィグ番号に変化がなければ、ステップS23から直接ステップS27に進む。
そして、次のステップS27及びS28では、シーンデータj中の動作データ番号を読み出し、ゾーンZiについて現在設定されている番号のコンフィグデータから、読み出した番号のプリセット動作データをカレントシーンの記憶領域にコピーして処理を終了する。
一方、ミキサエンジン10のCPU11は、上記のシーンデータj選択命令を受信すると、すなわちシーンデータjに基づいた音響信号処理が指定されると、図14のフローチャートに示す処理を開始する。
この処理においては、CPU11は、まずステップS31で、ミキサエンジン10が記憶しているゾーンデータ中のシーンデータ群から、選択命令に係るシーンデータj中のコンフィグ番号を読み出す。そして、それが現在設定されているコンフィグ番号と違う場合には、ステップS32からステップS33乃至S36に進み、読み出したコンフィグ番号のコンフィグを使用する旨を設定し、その番号のコンフィグデータのうち、エンジン用CADデータをワーク領域に読み出す。そして、読み出したCADデータに基づいて、エンジン用プリセットコンポーネント中のマイクロプログラムから、設定した番号のコンフィグに係る音響信号処理を行うためのマイクロプログラムを生成し、これをDSP20に設定する。さらに、読み出したCADデータに基づいて、図13のステップS25の場合と同様にカレントシーンの記憶領域を確保する。ただし、ここで確保するのは、ミキサエンジン10自身で実行する部分の信号処理に係るパラメータの値を記憶する領域のみである。コンフィグ番号に変化がなければ、ステップS32から直接ステップS37に進む。
そして、次のステップS37乃至S39では、シーンデータj中の動作データ番号を読み出し、現在設定されている番号のコンフィグデータから、読み出した番号のプリセット動作データをカレントシーンの記憶領域にコピーすると共に、その動作データに係るパラメータの値に応じた係数データをDSP20に供給して音響信号処理に使用させ、処理を終了する。
以上の図13及び図14に示した処理を行うことにより、PC30側では、選択されたコンフィグに係る信号処理を、選択された動作データに係るパラメータ値を使用してミキサエンジン10に実行させることができる。また、ミキサエンジン10側と整合したコンフィグ及び動作データを現在有効なデータとして記憶し、信号処理構成やパラメータの編集に即応できる状態にしておくことができる。
また、ミキサエンジン10側では、PC30側からの指示に従って、指示されたコンフィグに係る信号処理のうち自身が担当する部分を、指示された動作データに係るパラメータの値を使用して実行することができる。
そして、以上説明したミキサシステムにおいては、エリア中に自由に任意の数のゾーンを設定できることから、PC30に接続された複数のミキサエンジンを、自由な組み合わせで協同的に動作させることができる。また、この際に物理的な配線の変更は不要である。
また、エリアを選択した際に、その中の各ゾーンについて、必要なミキサエンジンが揃っていることを確認した上で各ミキサエンジンに信号処理のために必要なデータを転送してしまうようにしているので、一度エリアを選択した後は、信号処理構成を変更する度にミキサエンジンの存在を確認するような必要はなく、コンフィグや動作データを選択するのみで、ゾーン毎に容易に信号処理構成の内容やパラメータの値を変更することができる。またこの際には、PC30からミキサエンジン10に簡単なコマンドを送信するのみでよいので、信号処理構成変更時のレスポンスを高速にすることができる。
さらに、シーンデータの選択により、使用するコンフィグと動作データとを一度に選択できるようにしているので、信号処理構成を変更しようとする場合の操作性がよく、またミキサエンジン10に、信号処理構成の変更と同時に好みのパラメータ値を使用した音響信号処理を開始させることができる。この点でも、信号処理構成変更時のレスポンスを高速にすることができる。
〔第2の実施形態:図15,図16〕
次に、この発明の音響信号処理システム及び音響信号処理装置の第2の実施形態であるミキサシステム及びミキサエンジンについて説明する。
この実施形態においては、エリアの概念を設けていない点が第1の実施形態と異なる。まず、この点について説明する。
このミキサシステムにおいては、エリアの範囲に囚われず、ユーザが協同的に音響信号処理を実行させたいミキサエンジンを自由に指定して1つのゾーンを構成させることができるようにしている。そして、この指定はゾーン毎に独立に行うようにしている。従って、例えば表1に示すようなゾーンの定義を可能としている。
Figure 0004182902
すなわち、この実施形態では、ゾーンに属するミキサエンジンが他のゾーンに属しているか否かに関わりなくゾーンを定義することを可能としており、1つのミキサエンジンが複数のゾーンに属するような定義も可能としている。また、ゾーンデータを編集する段階では、ゾーン内のミキサエンジンを、実際にPC30と接続されているミキサエンジンとの数や機種等は関係なく設定することも可能としている。
そして、各ミキサエンジンに音響信号処理を実行させる際には、ミキサシステムに設定するゾーンをゾーン毎に選択し、設定したゾーンに属する各ミキサエンジンを、そのゾーンで使用するものとして確保するようにしている。ただし、この場合、何れかのゾーンで使用するものとして確保されているミキサエンジンは、同時に別のゾーンで使用することはできないようにしている。
この実施形態のミキサシステムは、このような点が第1の実施形態のミキサシステムと異なるが、装置のハードウェア構成については、第1の実施形態の場合と同様である。一方、各装置に記憶させるデータの構成及び各装置が実行する処理は第1の実施形態の場合とは若干異なる。次に、この相違点について説明する。
まず、この発明に関連するデータの構成のうち、PC30側に記憶させる図6に示した部分と対応する部分を図15に示す。
この実施形態においては、「エリア」という概念を用いていないため、この図に示す通り、エリアデータ及びエリア管理データは存在しない。そして、これに代えてゾーンデータが最上位のデータとなっている。また、ゾーンデータについては、図6ではエリア管理データに含まれていた各エンジン情報も、ゾーン管理データに含めるようにしている。この情報は、ゾーンに属する各ミキサエンジンのIDを始め、入出力数やアドレス等の情報を含む。
これ以外の点では、ゾーンデータの構成は第1の実施形態の場合と同様なものである。
また、ミキサエンジン10側で使用するデータについては、ミキサエンジンが同時に2つのゾーンに属することがない点は第1の実施形態の場合と同様であるので、基本的なデータ形式は、第1の実施形態で図8及び図9を用いて説明したものと同様である。ただし、「エリア」の概念がないことに伴い、図9に示したエリア&ゾーン管理データの部分がゾーン管理データになり、エリアに関する情報が含まれなくなる点が異なる。
次に、PC30のCPUが実行するゾーンの設定に係る処理を図16に示す。
この実施形態のミキサシステムにおいては、PC30のCPUは、図10に示したようなナビゲートウィンドウ(ただし「エリア」に関する表示は行わない)においてユーザがゾーンを選択し、そのゾーンの設定を指示すると、図16のフローチャートに示した処理を開始する。この際にユーザに処理実行の可否を確認するようにしてもよいことは、第1の実施形態の場合と同様である。
図16の処理においては、ステップS41で、選択されたゾーンに属する全てのミキサエンジンが、他のゾーンで使用中でない状態で制御ネットワークに接続されているか否か、すなわち選択されたゾーンのミキサエンジンとして、選択されたゾーンデータに基づいて制御可能であるか否かを確認する。この確認は、選択されたゾーンに関する各エンジンIDと、他に設定されているゾーンで使用中のミキサエンジンの情報と、PC30が記憶しているエリアデータ中のエンジンIDとを比較することにより、行うことができる。そして、ミキサエンジンを同時に複数のゾーンで使用することは許可しないようにしているので、既に他のゾーンで使用中であるミキサエンジンについては、選択されたゾーンデータに基づく制御は不可能であると判断する。この処理において、PC30のCPUが確認手段として機能する。
そして、ステップS42で適切に接続されていれば、すなわち制御可能であれば、ステップS43乃至S48において、選択されたゾーン内のミキサエンジンを順次対象として、図12のステップS4乃至S8の場合と同様に、各ミキサエンジンに記憶させるべきコンフィグデータの生成及び転送を行う。ただし、ステップS46の処理は、この実施形態特有の処理であり、この処理において、対象のミキサエンジンが選択されたゾーンで使用中である旨を記憶する。このとき、対象のミキサエンジン自身にもその旨を記憶させるようにしてもよい。
一方、ステップS42で適切に接続されていなければ、ステップS49及びS50で、ディスプレイにその旨の警告メッセージを表示させると共に、対応の指示を受け付ける。この指示内容として、ここでは、他のゾーンで使用中でない状態で接続されているミキサエンジンのみに対して必要なコンフィグデータを転送させる「強行」およびゾーン選択に係る処理を中止する「中止」の選択肢を設けるものとする。
そして、ステップS50でその指示内容を判定し、「強行」であればステップS43に進んで処理を続行し、「中止」であればそのまま処理を終了する、といった対応を行う。
図16の処理においては、ステップS41で、選択されたゾーンに属する全てのミキサエンジンが、他のゾーンで使用中でない状態で制御ネットワークに接続されているか否か、すなわち選択されたゾーンのミキサエンジンとして、選択されたゾーンデータに基づいて制御可能であるか否かを確認する。この確認は、選択されたゾーンに関する各エンジンIDと、他に設定されているゾーンで使用中のミキサエンジンの情報と、PC30が記憶している図5(d)に示したデータ中のエンジンIDとを比較することにより、行うことができる。そして、ミキサエンジンを同時に複数のゾーンで使用することは許可しないようにしているので、既に他のゾーンで使用中であるミキサエンジンについては、選択されたゾーンデータに基づく制御は不可能であると判断する。この処理において、PC30のCPUが確認手段として機能する。
また、これとは逆に、ミキサシステムに設定されているゾーンの設定解除が指示された場合の処理を、図17のフローチャートに示す。
この処理は、設定解除を指示されたゾーンで使用していたミキサエンジンの信号処理を停止させ、使用中である旨の情報も消去して、未使用エンジンとして開放するものである。このとき、ミキサエンジンに記憶させてあるコンフィグデータを消去する必要はない。
以上の処理により、「ゾーン」の設定を解除し、そのゾーンで使用していたミキサエンジンを、他のゾーンで使用できる状態に戻すことができる。
シーンデータの選択及びそれに伴ってPC30が実行する処理、及びシーンデータ選択命令に応じてミキサエンジンが実行する処理は、第1の実施形態の場合と同様である。そして、この処理により、設定した各ゾーン毎に、そのゾーンで使用中の各ミキサエンジンに、選択された信号処理を選択されたパラメータ値を使用して実行させることができる。そしてこのことにより、第1の実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
なお、使用するミキサエンジンが重複しなければ、あるいは一部重複しても強行すれば、1つのミキサシステムに複数のゾーンを同時に設定できることはもちろんである。例えば上記の表1に示した例では、ゾーンZ1とZ2を同時に設定することができるし、ゾーンZ1とZ4も同時に設定することができる。そして、各ゾーンでどのミキサエンジンを使用するかは自由に設定できるようにしているので、この実施形態のミキサシステムにおいても、PC30に接続された複数のミキサエンジンを、自由な組み合わせで協同的に動作させることができ、その際に物理的な接続の変更は不要である。
また、この実施形態では、ゾーンZ2を設定したあと、これを設定解除してゾーンZ4を設定するような操作も可能である。上述した第1の実施形態では、このようなゾーン構成の変更を行う際にはエリアを切換えるようにしていた。しかし、この実施形態では、ゾーン単位で設定を行うことができるので、一部ミキサエンジンについてのゾーン構成変更のためにエリアデータ全体を用意する必要がなく、PC30に記憶させるデータ量を低減することができる。
そして、一部のミキサエンジンで音響信号処理中であっても、ゾーンで使用中でないミキサエンジンは、自由に取り外したり追加したりしてシステム構成を変更し、新たな構成に対応したゾーンを設定することができる。従って、システムの構成変更の自由度も増加させることができる。
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述したようなエリアやゾーンの概念を使用せず、非特許文献1に記載のようなカスケード接続によって複数のミキサエンジンを接続するようにしてもよい。また、ミキサエンジンをミキサシステムに1台のみ設けるようにしてもよい。
また、ミキサシステムの制御装置として、PC30ではなく専用の制御装置を用いてもよい。その他にも、データ形式や処理内容、ハードウェア構成について、適宜必要な変更を加えることが可能である。コンフィグデータを記憶させたミキサエンジンを制御装置から切り離して動作させることもできる。
以上の説明から明らかなように、この発明の音響信号処理装置によれば、指定された信号処理構成に従って音響信号処理を行う信号処理部を有する音響信号処理装置において、信号処理構成変更時の操作性を向上させると共に、信号処理構成変更の際のレスポンス向上を可能とすることができる。従って、この発明を利用すれば、操作性が高い音響信号処理装置を提供することができる。
この発明の音響信号処理システムの第1の実施形態を構成する音響信号処理装置であるミキサエンジンの構成を示すブロック図である。 この発明の音響信号処理システムの実施形態であるミキサシステムの構成を示す図である。 図2に示したPCのディスプレイに表示させる信号処理構成の編集画面の例を示す図である。 その別の例を示す図である。 この発明に関連するデータのうち、PC側に記憶させるデータの構成の一部を示す図である。 同じく別の一部を示す図である。 図2に示したミキサシステムにおける「エリア」と「ゾーン」について説明するための図である。 この発明に関連するデータのうち、ミキサエンジン側に記憶させるデータの構成の一部を示す図である。 同じく別の一部を示す図である。 図2に示したPCのディスプレイに表示させるナビゲートウィンドウの例を示す図である。
同じく、エリア切換え確認画面の例を示す図である。 図2に示したPCのCPUが実行するエリアの切換えに係る処理を示すフローチャートである。 同じく、ゾーンZiにおいてシーンデータjが選択された場合に実行する処理を示すフローチャートである。 図2に示したミキサエンジンンがシーンデータj選択命令を受信した場合に実行する処理を示すフローチャートである。 この発明の音響信号処理システムの第2の実施形態において、この発明に関連するデータのうちPC側に記憶させるデータの構成の一部を示す、図6と対応する図である。 同じくPCのCPUが実行するゾーンの設定に係る処理を示すフローチャートである。 同じくゾーンの設定解除が指示された場合の処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…ミキサエンジン、11…CPU、12…フラッシュメモリ、13…RAM、14…表示器、15…操作子、16…制御ネットI/O、17…MIDII/O、18…その他I/O、19…波形I/O、20…DSP、21…音楽ネットI/O、22…システムバス、30…PC、40,40′…CAD画面、60…ナビゲートウィンドウ、70…エリア切換え確認画面、100…ハブ、110…スイッチングハブ、A…コンポーネント、B…出力端子、C…入力端子、D…結線

Claims (2)

  1. 音響信号処理を行う信号処理部を有する音響信号処理装置であって、
    前記音響信号処理に使用するコンポーネントの選択及び組み合わせ方に加え、そのコンポーネント間の結線を規定する構成データを複数記憶する構成データ記憶手段と、
    前記各構成データのいずれかに対応する動作データであって対応する構成データが示すコンポーネントの組み合わせ及びそのコンポーネント間の結線でなる音響信号処理を実行する際に使用するパラメータの値を示す動作データを複数記憶する動作データ記憶手段と、
    前記構成データ記憶手段の記憶する構成データの1つを指定する第1の指定データと前記動作データ記憶手段の記憶する動作データのうち前記第1の指定データが指定する構成データと対応する動作データを1つ指定する第2の指定データとを含むシーンデータを複数記憶するシーンデータ記憶手段と、
    前記構成データ記憶手段が記憶する複数の構成データから選択された現在の構成データが示すコンポーネント及びそのコンポーネント間の結線でなる音響信号処理を前記信号処理部に行わせる信号処理制御手段と、
    前記現在の構成データが示すコンポーネントの組み合わせ及びそのコンポーネント間の結線でなる音響信号処理のためのパラメータの値を示す動作データを記憶するカレントメモリと、
    前記カレントメモリに記憶している動作データを、前記音響信号処理を行っている信号処理部に供給する動作データ供給手段と、
    前記シーンデータ記憶手段からの1つのシーンデータのリコール指示を受け付けるリコール指示受付手段と、
    前記シーンデータ記憶手段への1つのシーンデータのストア指示を受け付けるストア指示受付手段と、
    前記リコール指示受付手段がリコール指示を受け付けた場合に、そのリコール指示されたシーンデータに含まれる第1の指定データが指定する構成データを前記現在の構成データとして適用して該構成データが示す音響信号処理を前記信号処理部に行わせると共に、指定されたシーンデータに含まれる第2の指定データが指定する動作データを読み出して前記カレントメモリに記憶させる動作データとしてリコールするリコール手段と、
    前記ストア指示受付手段がストア指示を受け付けた場合に、前記現在の構成データを指定する前記第1の指定データと前記カレントメモリに記憶している動作データを指定する前記第2の指定データとを含むシーンデータを前記シーンデータ記憶手段にストアするストア手段とを設けたことを特徴とする音響信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の音響信号処理装置であって、
    前記ストア手段は、前記ストア指示受付手段がストア指示を受け付けた場合に、前記カレントメモリに記憶している動作データが前記動作データ記憶手段に前記現在の構成データと対応して記憶されている場合は、該現在の構成データを指定する第1の指定データとその記憶されている動作データを指定する第2の指定データとを前記シーンデータ記憶手段に記憶させ、記憶されていない場合は、前記カレントメモリに記憶している動作データを新たな動作データとして前記動作データ記憶手段に追加記憶させるとともに、前記現在の構成データを指定する第1の指定データとその追加記憶された動作データを指定する第2の指定データとを前記シーンデータ記憶手段に記憶させる手段であることを特徴とする音響信号処理装置。
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