JP2005313228A - ドラム缶中埋め溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドラム缶に対しすみ肉溶接する溶接部位に、溶接ビードの突き出しやアークの吹き抜けのような溶接欠陥が発生することを防止すると共に、スパッタの発生、溶接焼けをも防止するドラム缶中埋め溶接方法を提供する。
【解決手段】ドラム缶Dを、そのチャイム部3の内側を位置決め部材に沿わせてターンテーブル11上に位置決め載置し、溶接姿勢を固定させた溶接トーチ10bに対し回転駆動させる一方、回転水冷式裏当手段13の回転裏当体30を、位置決め部材との間でチャイム部を挟んで、溶接部位Pと対応するドラム缶の外周面に、連続して一定した圧力で押し当てて裏当てしながら溶接する。さらに、シールドボックスによる不活性ガスを併用したドラム缶中埋め溶接方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、胴筒の下端部と地板の周縁部を巻き締めて下向きに環状チャイム部を形成した金属製ドラム缶に適用し得る。特に、その種のドラム缶において、胴筒と地板の面が交わる内周縁をすみ肉溶接し、その溶接ビードで内周縁の隙間を中埋め処理するドラム缶中埋め溶接方法に関する。
各種の金属製ドラム缶の中には、内容物の漏洩防止効果が高く、加工も比較的容易であることから、下部側のチャイム部を巻き締め方式で成形したものがある。たとえば図4に示すように、胴筒1の下端部1aと地板2の周縁部2aを重ねてカール状に巻き締めて下部のチャイム部3を成形している。
しかし、巻き締め型のドラム缶Dでは、胴筒1と地板2の面が交わる内周縁4に沿って隙間4aができ、使用後に、隙間4a内に内容物の残渣rが詰まり、それがドラム缶をリサイクル使用するときに障害になっていた。
そこで、従来では、下記のようにアーク溶接機器を使用し、ドラム缶Dの上記内周縁4をすみ肉溶接し、その溶接ビードで隙間4aを中埋めし、これにより、内容物の残渣詰まりを防止してドラム缶のリサイクル使用が円滑に行われるようにしている。
従来のドラム缶用アーク溶接方法は、たとえば図5に示すように、溶接トーチ5bを保持したアーク溶接機本体5の可動アーム5aと、ドラム缶Dの設置台6と、裏当部材7とを備えている。裏当部材7は、熱伝導率の高い銅製で、同図(B)に示すように、やや肉厚な細長板材をドラム缶Dの周形状に合わせて環状に曲げ成形し、両端にボルト止め部7aを有した構造になっている。使用時は、溶接に先立ち、裏当部材7をドラム缶Dの内周縁4(溶接部位)と反対側外周に胴巻き状に巻き付け、ボルト止め部7aをボルト締めして裏当している。
そして、溶接時、設置台6上にドラム缶Dを載置し、ドラム缶D内に溶接トーチ5bを胴筒1内の隙間4aに向け挿入し、可動アーム5aを回動させて内周縁4をすみ肉溶接し、その溶接部位にできる溶接ビードで隙間4aを中埋め処理している。
他の従来のドラム缶用アーク溶接方法の中には、たとえば挟み付け式の図6に示すような裏当部材8を用いてドラム缶Dを裏当てするものもある。裏当部材8は、ドラム缶Dの周形状に合わせて各々半円状の切欠き凹部を設けた一対の裏当開閉板9・9を備え、各裏当板の切欠き凹部に、略扇状の銅製裏当ブロック9a‥を敷き詰めた構造になっている。そして、溶接に先立ち、ドラム缶Dの左右両側から裏当開閉板9・9を可動し、互いの裏当ブロック9a‥を介してドラム缶Dを挟み付けてチャイム部3の外周面に裏当していた。
ところが、従来、胴巻き式(図5)の裏当部材7を用いたドラム缶用アーク溶接方法では、溶接熱の影響で裏当部材7が膨張してドラム缶外周との間にギャップgを生じ、そのギャップgのある箇所で溶接部位に溶接ビードの突き出しやアークの吹き抜けのような溶接欠陥を発生しやすいという課題があった。
一方、挟み付け式(図6)の裏当部材8を用いたドラム缶用アーク溶接方法の場合も、溶接時、裏当ブロック9a相互間に生ずる間隙を通して、同様に溶接部位に溶接ビードの突き出しやアークの吹き抜けのような溶接欠陥を発生しやすいという課題があった。
また、上記した従来の胴巻き式(図5)、挟み付け式(図6)の溶接方法では、いずれも溶接機の可動アーム5aを回転させて溶接するために、たとえ倣い装置を付設したとしても、溶接ワイヤーがよじれて供給不安定となり十分な倣い効果が期待できず、その結果、アークの不安定から溶接ビードの突き出し、突き抜け、スパッタが発生していた。一方、ドラム缶の設置台側を単純に回転させる方式があったとしても、通常、ドラム缶外側溶接部位に対し連続して効率的に裏当材を冷却し、また不活性ガスを流出することは困難であるという課題があった。
更に、従来、上記したいずれの裏当部材7・8を用いる場合であっても、通常、溶接対象のドラム缶Dが真円ではなく、製造上歪に加工されることから、溶接時、溶接トーチ5bと母材間距離が不均一なためにアーク長が一定にならず、そのために厄介な所謂スパッタが発生してしまうという問題がある。そこで、スパッタ発生の対策上、可動アーム5aに倣い装置を付設するものもあるが、通常、それはアーク発生点より前方で溶接トーチ5bと母材間距離を予測倣いする構成であるため、検出距離が厳密には正確ではなく、その結果、アーク長の変動が生じてスパッタの発生を防止することができないという課題が依然として残っている。
そこで、本発明の目的は、ドラム缶に対しすみ肉溶接する溶接部位に、溶接ビードの突き出しやアークの吹き抜けのような溶接欠陥が発生することを防止すると共に、スパッタの発生をも防止するドラム缶中埋め溶接方法を提供することにある。
上記した発明の目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、金属製ドラム缶Dの中埋めに際し、不活性ガスを用いたアーク溶接において、前記ドラム缶Dを、そのチャイム部3の内側を位置決め部材に沿わせてターンテーブル11上に位置決め載置し、溶接姿勢を固定させた溶接トーチ10bに対し回転駆動させる一方、回転水冷式裏当手段13の回転裏当体30を、前記位置決め部材との間で前記チャイム部3を挟んで、溶接部位Pと対応する前記ドラム缶Dの外周面に、連続して一定した圧力で押し当てて裏当てしながら溶接することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のドラム缶中埋め溶接方法において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記回転水冷式裏当手段13にシールド手段50を併用し、溶接時、該シールド手段50に備えるシールドボックス54を、前記溶接部位Pと対応する前記ドラム缶Dの外周面に密着させて、前記シールド手段50のガス流出口から不活性ガスを流出し、前記シールドボックス54内を不活性ガスの雰囲気で満たしてなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のドラム缶中埋め溶接方法において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記位置決め部材に加えて、前記ターンテーブル11上に、シールド手段20を併設した環状のチャイム裏当手段12を設置し、溶接時、そのチャイム裏当手段12を前記チャイム部3の内周面に押し当てて裏当てすると共に、前記シールド手段20のガス流出口から前記溶接部位Pに向け不活性ガスを流出させて、前記チャイム部3内を不活性ガスの雰囲気で満たしてなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載のドラム缶中埋め溶接方法において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記溶接トーチ10bのドラム缶回転方向内面後方位置に、シールドボックス62を並設したシールド手段60を備え、溶接時、そのシールド手段60のガス流出口から不活性ガスを流出させて、前記シールドボックス62内を不活性ガスの雰囲気で満たしてなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3又は4に記載のドラム缶中埋め溶接方法において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記ドラム缶Dを、溶接時は前記溶接トーチ10bが前記溶接部位Pに対して下向き垂直姿勢になる角度位置に傾斜させて位置決め支持してなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、溶接時は、ドラム缶のチャイム部を、その内側の位置決め部材と、外側の回転水冷式裏当手段とでサンドイッチ状態に挟んで、常時連続して一定した圧力で押し付けているため、ドラム缶の溶接部位に、たとえ歪みがあってもこれを矯正し、また、母材側との間に隙間を発生させることなく、常に溶接トーチと母材の溶接部位間距離を一定に保ちながらドラム缶を回転し、これによって、所定のアーク長を変動させることなく常に一定に保ち、その結果、溶接部位に溶接ビードの突き出しやアークの吹き抜けのような溶接欠陥が発生するのを防止すると共に、スパッタの発生をも防止することができる。しかも、このとき、外側でドラム缶に押し当てた回転水冷式裏当手段の回転裏当体は、冷却水で冷却されているために、常に所定の吸熱効果を発揮し続けることができる。その結果、回転裏当体が従来の如く母材側の高温な溶接熱の影響を受けることが少なく、外側から溶接部位を効果的に裏当てすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、シールド手段のガス流出口から、不活性ガスを流出させて、シールドボックス内を不活性ガスの雰囲気で満たすことにより、溶接熱をもった溶接部位が空気中の酸素や窒素と反応して胴巻き状に変色して溶接焼けを起こす弊害を事前に防止することができる。その結果、溶接焼けをとる酸洗処理など後処理を余計に施す手間がなくなるし、ドラム缶の美的外観性も損なわれることがなく、溶接焼けが原因で耐食性が劣化したりする弊害の発生も防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、溶接時は、ドラム缶のチャイム部を、その内側の環状なチャイム裏当手段と、外側の回転水冷式裏当手段とでサンドイッチ状態に挟んで常時連続して一定した圧力で押し付けているため、ドラム缶の溶接部位に、たとえ歪みがあってもこれを矯正し、また、母材側との間に隙間を発生させることなく、常に溶接トーチと母材の溶接部位間距離を一定に保ちながらドラム缶を回転し、これによって、所定のアーク長を変動させることなく常に一定に保ち、その結果、溶接部位に溶接ビードの突き出しやアークの吹き抜けのような溶接欠陥が発生するのを、より一層確実に防止することができると共に、スパッタの発生をも、より一層確実に防止することができる。しかも、このとき、シールド手段のガス流出口から不活性ガスを流出させて、チャイム部内を不活性ガスの雰囲気で満たすことにより、チャイム部側の溶接焼けの発生をより確実に防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、さらに加えて、ドラム缶の胴筒内において、シールド手段のガス流出口から不活性ガスを溶接部位に向けて流出させて、シールドボックス内を不活性ガスの雰囲気で満たすことにより、溶接焼けの発生をより一層効果的に且つ確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、アーク溶接でのすみ肉溶接に際しても、溶接トーチから溶加材が溶接部位に向けて垂直に溶着し、溶接落ちがなくなり、溶接裏ビードが突出しない綺麗で良好な中埋め処理を施すことができる。
以上のとおり、本発明によれば、ドラム缶中埋め溶接の方法として、地板チャイム部側の裏当材と、回転する水冷式裏当材とで母材を押え込むことにより、吹き抜け、突き出しによる溶接欠陥が無くなり、且つ溶接距離を一定に保つことができるためアークが安定し、溶接欠陥、スパッタの発生を無くすことができる。更に、併設したシールドボックスにより溶接直後を不活性ガスの雰囲気で満たすことにより、溶接焼けのない品質の安定、酸洗処理を省略したドラム缶中埋め溶接方法を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のドラム缶中埋め溶接方法を適用するアーク溶接機器の一例で、溶接対象のドラム缶を断面にして示す概略正面図である。本発明の溶接対象は、金属製ドラム缶で、前記図4に示したと同様に、胴筒1の下端部と地板2の周縁部を重ねてカール状に巻き締めて下部側に環状チャイム部3を形成した巻き締め型のドラム缶Dである。
図示アーク溶接機器は、可動アーム10aで溶接トーチ10bを保持した周知のアーク溶接機の他に、特に、ドラム缶Dを載置するターンテーブル11と、間にチャイム部3を挟んでドラム缶Dを押し付けるチャイム裏当手段12および回転冷却式裏当手段13を備えている。
チャイム裏当手段12は、比較的熱伝導性の高い、例えば銅製の肉厚な帯状角材を、図1に示すように、ドラム缶Dのチャイム部3の内周形状に合わせ、チャイム部3と略同径の環形状に曲げ成形してなる。斯かるチャイム裏当手段12は、ターンテーブル11上にそれと同軸に固着し、後述する溶接時にドラム缶Dをターンテーブル11上に載置したとき、位置決め部材として、ドラム缶Dを所定中心位置に位置決めすると同時に、外周面がチャイム部3の内周面に接する構成になっている。加えて、同じターンテーブル11上にあって、斯かるチャイム裏当手段12には、シールド手段20が併設されている。
シールド手段20は、図示省略したが、ドラム缶Dのチャイム部3内に、その内周面にガス流出口を沿わせて配管したガス送給配管を備え、例えば20%Ar−COの不活性ガスが供給されると、その不活性ガスを、上記ガス送給配管を通してチャイム部3の内周面に向けて案内し、ガス流出口から溶接部位Pに向けて流出させる構造になっている。
さらに、図示アーク溶接機器は、上記チャイム裏当手段12に付設のシールド手段20の他に、図2に示すように、回転冷却式裏当手段13の回転裏当体30と隣接したドラム缶回転方向下流位置に、別途、シールド手段50を備えている。シールド手段50は、上記シールド手段20と同じ不活性ガスを供給する構成になっている。
さて、上記図示溶接機器を使用して本発明のドラム缶中埋め溶接方法を実施し、ドラム缶Dの溶接部位Pをアーク溶接ですみ肉溶接して中埋め処理するときは、ターンテーブル11上にドラム缶Dを、チャイム裏当手段12の外周に沿って載置して位置決めセットする。すると、チャイム部3の内周面にチャイム裏当手段12の外周面が圧接し、内側からチャイム部3を裏当てする。一方、回転水冷式裏当手段13が退避位置にある回転裏当体30を押当位置へ回動し、溶接部位Pと対応するドラム缶Dの外周面に押し当てる。そして、内側のチャイム裏当手段12と、外側の回転水冷式裏当手段13とでチャイム部3をサンドイッチ状態に押し付けて裏当てする。
また、シールド手段20および50を稼動し、不活性ガスを、ドラム缶Dに向けて放出する。そのとき、チャイム部3内のシールド手段20は、不活性ガスを、ガス送給配管を通してチャイム部3内へ案内してから、ガス流出口からチャイム部3の内周面に向けて流出し、経時、チャイム部3内を不活性ガスの雰囲気で満たしている。一方、外側のシールド手段50は、退避位置にあるシールドボックス54をシールド位置へ押し出し、その開口部を溶接部位Pと対応するドラム缶Dの外周面に密着させる。それから、不活性ガスを溶接部位Pの外周に向けて流出する。そして経時、シールドボックス54内を不活性ガスの雰囲気で満たす。
さていま、ドラム缶Dのアーク溶接ですみ肉溶接を開始する場合は、可動アーム10aを作動させて溶接トーチ10bを、胴筒1内にあって、特に回転水冷式裏当手段13の回転裏当体30の押当位置と対応する溶接部位Pに向け挿入し、溶接トーチ10bと溶接部位P間を所定距離にして位置決めする。しかる後、溶接トーチ10bからアークが発生すると、ターンテーブル11を回転駆動し、ドラム缶Dを回転させながら、すみ肉溶接を行って溶接部位Pに溶着する溶接ビードで内周縁の隙間を中埋め処理する。
このとき、本発明では、ドラム缶Dのチャイム部3を、内側のチャイム裏当手段12と、外側の回転水冷式裏当手段13とでサンドイッチ状態に挟んで常時押し付けているため、ドラム缶Dの溶接部位Pに、たとえ歪みがあってもこれを矯正し、また、母材側との間に隙間を発生させることなく、常に溶接トーチ10bと母材の溶接部位P間距離を一定に保ちながら、ドラム缶Dを回転させる。従って、所定アーク長を変動させることなく常に一定に保ち、その結果、溶接部位Pに溶接ビードの突き出しやアークの吹き抜けのような溶接欠陥が発生することが防止される共に、スパッタの発生をも防止される。しかも、このとき、外側でドラム缶Dに押し当てた回転水冷式裏当手段13の回転裏当体30は、冷却水が内部の流路を通して冷却されているために、常に所定の吸熱効果を発揮し続けることができる。その結果、回転裏当体30が従来の如く母材側の高温な溶接熱の影響を受けることが少なく、従って、外側から溶接部位Pを効果的に裏当てすることができる。
加えて、本発明では、ドラム缶Dの溶接部位P周りにおいて、チャイム部3内のシールド手段20の前記ガス送給配管から、不活性ガスを流出させて、チャイム部3内を不活性ガスの雰囲気で満たすと同時に、外側のシールド手段50からも不活性ガスを流出させて、シールドボックス54内を不活性ガスの雰囲気で満たしている。その結果、溶接部位Pが空気中の酸素や窒素と反応して胴巻き状に変色してしまう溶接焼けの発生が防止される。
以上の如く溶接部位Pをアーク溶接ですみ肉溶接して中埋め処理を終え、アークの発生が停止されると、ターンテーブル11の回転が止まる。その後、回転水冷式裏当手段13を稼動させて回転裏当体30を押当位置から元の退避位置へ回動し、ドラム缶Dから離隔させる。そして、所望時間後に、シールド手段20・50からの不活性ガスの供給を止める。外側のシールド手段50は、シールドボックス54をシールド位置から元の退避位置へ戻し、ドラム缶Dから離隔させる。
ところで、本発明のドラム缶中埋め溶接方法では、チャイム部3を間に挟んで設置したシールド手段20・50に加え、図1に示すように、ドラム缶Dの胴筒1内にあって、可動アーム10bで保持した溶接トーチ10bに、別途、シールド手段60を併設したアーク溶接機器を使用して中埋め溶接する構成にすることもできる。
シールド手段60は、可動アーム10aに取り付け連結したシールドボックス62を備え、このシールドボックス62に不活性ガスを供給する構成になっている。
そこで、本発明において、斯かる溶接機器を使用してドラム缶Dの溶接部位Pをアーク溶接ですみ肉溶接して中埋め処理するとき、シールド手段60は、可動アーム10aを作動させて溶接トーチ10bを、溶接部位Pとの間を所定距離にして位置決めセットすると、同時にシールドボックス62の開口部が溶接部位Pに密着する。それから、不活性ガスを、ガス供給ホース65を通して供給し、ガス流出口から溶接部位Pに向けて流出させる。すると、シールドボックス62内に不活性ガスが満たされるため、その不活性ガスの雰囲気によって溶接部位Pが空気中の酸素や窒素と反応して溶接焼けを起こすことを防止することができる。
ところで、上述した図示実施の形態では、水平なターンテーブル11上にドラム缶Dを直立させて、アーク溶接ですみ肉溶接した例を示した。しかし、本発明には、図示省略するが、ドラム缶の載置状態でターンテーブル11を所望角度傾けて支持する支持装置を備え、たとえば図3に示すように、ドラム缶Dを、溶接トーチ10bが溶接部位Pに対して下向き垂直姿勢になる角度位置(例えば20〜40度)に傾斜させて位置決め支持する構成にすることもできる。これにより、アーク溶接によるすみ肉溶接時は、溶接トーチ10bから溶加材aが溶接部位Pに向けて垂直に溶着し、その結果、溶接裏ビードの突出しない綺麗で漏れのない良好な溶接ビードを得ることができる。また、従来問題となった、溶接落ちの問題もなくすことができる。
また、上述した図示実施の形態では、ドラム缶Dのチャイム部3を、内側のチャイム裏当手段12と、外側の回転水冷式裏当手段13とでサンドイッチ状態に挟んで裏当てした例を示した。しかし、本発明のドラム缶中埋め溶接方法では、内側の上記チャイム裏当手段12に代えて、ドラム缶の位置決め用にターンテーブル上に設置した既存の、例えば円弧型の位置決め部材を使用し、ドラム缶Dのチャイム部3を、内側又は外側の該位置決め部材と、外側の回転水冷式裏当手段13とでサンドイッチ状態に挟んで裏当てする構成にしてもよい。なお、本発明において、シールド手段から供給する不活性ガスは、層流状態で流出させることが最も望ましい。
本発明のドラム缶中埋め溶接方法を適用するアーク溶接機器の一例で、その溶接対象のドラム缶を断面にして示す概略正面図である。 図1のA−A矢視図である。 ドラム缶を所定角度傾けてすみ肉溶接する状態を説明する概略構成説明図である。 ドラム缶のチャイム部の構造と溶接部位を説明する縦断面図である。 (A)は従来のドラム缶用アーク溶接機器に備える裏当部材の概略正面図、(B)は概略平面図である。 従来の他の裏当部材を示す概略平面図である。
符号の説明
D ドラム缶
P 溶接部位
1 胴筒
2 地板
3 チャイム部
10b 溶接トーチ
11 ターンテーブル
12 チャイム裏当手段
13 回転水冷式裏当手段
20・50・60 シールド手段
30 回転裏当体
54・62 シールドボックス

Claims (5)

  1. 金属製ドラム缶の中埋めに際し、不活性ガスを用いたアーク溶接において、
    前記ドラム缶を、そのチャイム部の内側を位置決め部材に沿わせてターンテーブル上に位置決め載置し、溶接姿勢を固定させた溶接トーチに対し回転駆動させる一方、
    回転水冷式裏当手段の回転裏当体を、前記位置決め部材との間で前記チャイム部を挟んで、溶接部位と対応する前記ドラム缶の外周面に、連続して一定した圧力で押し当てて裏当てしながら溶接することを特徴とする、ドラム缶中埋め溶接方法。
  2. 前記回転水冷式裏当手段にシールド手段を併用し、溶接時、該シールド手段に備えるシールドボックスを、前記溶接部位と対応する前記ドラム缶の外周面に密着させて、前記シールド手段のガス流出口から不活性ガスを流出し、前記シールドボックス内を不活性ガスの雰囲気で満たしてなることを特徴とする、請求項1に記載のドラム缶中埋め溶接方法。
  3. 前記位置決め部材に加えて、前記ターンテーブル上に、シールド手段を併設した環状のチャイム裏当手段を設置し、溶接時、そのチャイム裏当手段を前記チャイム部の内周面に押し当てて裏当てすると共に、前記シールド手段のガス流出口から前記溶接部位に向け不活性ガスを流出させて、前記チャイム部内を不活性ガスの雰囲気で満たしてなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のドラム缶中埋め溶接方法。
  4. 前記溶接トーチのドラム缶回転方向内面後方位置に、アフターシールドボックスを並設したシールド手段を備え、溶接時、そのシールド手段のガス流出口から不活性ガスを流出させて、前記アフターシールドボックス内を不活性ガスの雰囲気で満たしてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のドラム缶中埋め溶接方法。
  5. 前記ドラム缶を、溶接時に前記溶接トーチが前記溶接部位に対して下向き垂直姿勢になる角度位置に傾斜させて位置決め支持してなることを特徴とする、請求項1、2、3又は4に記載のドラム缶中埋め溶接方法。
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