JP3520743B2 - 周溶接方法および周溶接構造 - Google Patents

周溶接方法および周溶接構造

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JP3520743B2 JP30469997A JP30469997A JP3520743B2 JP 3520743 B2 JP3520743 B2 JP 3520743B2 JP 30469997 A JP30469997 A JP 30469997A JP 30469997 A JP30469997 A JP 30469997A JP 3520743 B2 JP3520743 B2 JP 3520743B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、閉じた溶接ビー
ドを形成する周溶接方法および周溶接構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般にタンクは、タンクの構成部材を溶
接することにより形成されるが、この場合、溶接の形態
として周溶接となる場合が多い。例えば、図6は、一般
的なタンクの構成を示す図であり、図に示すタンク1
は、胴体2に鏡板3を接合し、かつ胴体2にボス4を設
けた構成のものであるが、このタンク1の製作に際して
は、胴体2と鏡板3および胴体2とボス4が周溶接によ
って結合される。
【0003】図7は、そのタンク1の胴体2とボス4と
の溶接部付近の断面を拡大して示すもので、胴体2に
は、貫通孔5が設けられるとともに、ボス4の先端に
は、貫通孔5に挿入される小径部6が形成され、この小
径部6を貫通孔5に挿入した状態で、胴体2とボス4と
の外面境界部は、例えば、MIG溶接等によりその境界
部にビード11を形成しつつ環状に隅肉溶接されてい
る。そして、そのビード11は、始端部12と終端部1
3とが後述するような方法で重ね合わされている。
【0004】ところで、上記のような周溶接を行う場合
には、溶接の始端部12において、特に欠陥が生じやす
い。すなわち、始端部12では、まだ母材の温度が低い
状態であり、また、そのために溶接入熱が急激に逸散
し、溶け込み不足が生じやすいからである。
【0005】従来、この種周溶接において上記の欠陥を
防止する手段としては、溶接の終端部13(ビードの終
端部)を溶接の始端部12(ビードの始端部)に重ね合
わせることが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の周溶接方法
および周溶接構造においては、ビード始端部12の溶接
の不完全さを防ぐ方法として、ビードの始端部12にビ
ードの終端部13を重ね合わせるという方法をとってい
るが、その重ね合わせ部20は、例えば、図7に二点鎖
線で示すようにビードを単にビード始端部12に重ね合
わせるだけであるため、溶接の不完全な部分が完全に補
修できず、不完全な溶接部分が残ってしまうという問題
があった。
【0007】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、周溶接を行う場合において溶接始端部の溶接欠
陥の発生を十分に抑えることのできる周溶接方法および
周溶接構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の周溶接方法および周溶接構造において
は、つぎに示すような手段を講じた。すなわち、請求項
1記載の周溶接方法によれば、互いに接合された一方の
部材と他方の部材との境界部にビードを形成しつつ、こ
れら各部材間の溶接を連続的に行い、前記ビードの終端
部をその始端部に重ね合わせる周溶接方法であって、前
記ビードの終端部を形成するに際して、前記ビードの始
端部が形成されている方向に向けて、前記一方の部材と
前記ビードの始端部との境界部に一方の終端ビード部を
形成した後、これに続けて前記他方の部材と前記ビード
の始端部との境界部に他方の終端ビード部を形成するこ
とを特徴とする。
【0009】請求項2記載の周溶接構造によれば、互い
に接合された一方の部材と他方の部材との境界部にビー
ドが形成され、該ビードの終端部がその始端部に重ね合
わされている周溶接構造であって、前記ビードの終端部
は、前記一方の部材と前記ビードの始端部との境界部に
形成された一方の終端ビード部と、前記他方の部材と前
記ビードの始端部との境界部に前記一方の終端ビード部
に連続して形成された他方の終端ビード部とを備えてな
ることを特徴とする。
【0010】これらの周溶接方法および周溶接構造によ
れば、周溶接を行った際に溶接欠陥の最も生じやすい箇
所、すなわち、一方の部材とビードの始端部との境界部
および他方の部材とビードの始端部との境界部にビード
の終端部が形成される。したがって、溶接欠陥の発生が
十分に抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図1〜図3を参照して説明する。ここで説明する実施の
形態は、この発明をタンクの溶接部に適用した場合の例
であって、図6に示す胴体2とボス4との溶接部に適用
した場合の例である。図1において、図は胴体2とボス
4との溶接部を示す図であって、胴体2(一方の部材)
には、ボス4(他方の部材)が接合されており、その境
界部にはビード11が形成されて、これら胴体2とボス
4とが溶接されている。
【0012】したがって、互いに接合された胴体2とボ
ス4との境界部にビード11が形成され、このビード1
1の終端部23がその始端部22に重ね合わされている
周溶接構造であって、前記ビード11の終端部23は、
前記胴体2と前記ビード11の始端部22との境界部に
形成された一方の終端ビード部23aと、前記ボス4と
前記ビード11の始端部22との境界部に前記一方の終
端ビード部23aに連続して形成された他方の終端ビー
ド部23bとを備えて構成されている。
【0013】つぎに、上記の周溶接を行う方法について
説明する。この実施の形態の一例においては、溶接装置
としてMIG溶接による溶接装置を使用する。MIG溶
接による溶接法は、図3(a),(b)に示すように、
溶接トーチ30の内部に消耗電極(溶接ワイヤ)を引き
込んでそれを一方の電極とし、胴体2およびボス4を他
方の電極として両者間に電圧を印加してアーク溶接を行
うものであり、順次消耗電極を送り込み、これを消費さ
せて胴体2とボス4との境界部にビード11を形成しつ
つ溶接を行うものである。
【0014】溶接は、互いに接合された胴体2とボス4
との境界部にビード11を形成しつつ、これら各部材間
の溶接を連続的に行い、前記ビード11の終端部23を
その始端部22に重ね合わせて行うものであって、前記
ビード11の終端部23を形成するに際して、前記ビー
ド11の始端部22が形成されている方向に向けて、前
記胴体2と前記ビード11の始端部22との境界部に一
方の終端ビード部23aを形成した後、これに続けて前
記ボス4と前記ビード11の始端部22との境界部に他
方の終端ビード部23bを形成する。
【0015】この場合、終端部23を始端部22に重ね
合わせるに際しては、図2(a)および図3(a)に示
すように、溶接トーチ30を始端部22の上方より上位
に移動させて、始端部11とボス4との境界に沿って移
動させて、一定の長さの一方の終端ビード部23aを形
成した後、溶接トーチ30を移動してきた方向に下方に
傾斜をもたせてバックさせる。そして、溶接開始部22
aの位置までバックさせ、ほぼZ字状を描いて胴体2と
始端部22との境界に沿って、始端部22が形成されて
いる方向に向けて他方の終端ビード部23bを一方の終
端ビード部23aよりも長く形成し、溶接作業を終了す
る。
【0016】上記の周溶接方法および周溶接構造によれ
ば、始端部22に溶接欠陥が残っていても始端部22の
境界部分にビード11を形成しつつ溶接を行い、終端ビ
ード部23aと23bとを形成するので、溶接が確実に
行われ、胴体2とボス4との隙間やクラック等の溶接欠
陥が生じることなく溶接される。この場合上記のMIG
溶接による溶接装置を、例えば、図3(a),(b)に
示すように、胴体2を下方に位置させボス4を上方に位
置させた図に示す状態において、その装置の構成とし
て、溶接トーチ30を上下方向に移動可能かつ平面視し
た時に、ボス4を巡って水平方向に移動するような装置
の構成である場合に、これら二方向の動きのみの装置に
よって上記溶接が可能である。すなわち、図3(b)の
ビード始端40からボス4を巡る動きは水平方向の動き
だけで済み、図2(a)から図2(c)に示す方向の動
きは、溶接トーチ30を上下方向に動かし、かつ水平方
向に動かすという動きのみでこれらのビード11を形成
することができる。
【0017】したがって、この周溶接方法および周溶接
構造においては、MIG溶接による溶接装置として、ウ
ィービング動作等の複雑な動きをする装置を使用せず
に、単純な動きを有する溶接装置によっての溶接加工が
可能である。また、前述したように、MIG溶接による
溶接装置を使用すれば、上記のような水平方向の周回運
動および上下方向の移動を行った場合にも、溶接トーチ
30の電極と母材との間のアーク長さが常に一定に制御
されるので、溶接トーチ30の動きに応じて溶接条件が
変わることなく、常に良好な溶接を行うことができる。
すなわち、MIG溶接装置においては、溶接トーチ3
0から繰り出される一方の電極を構成する溶接ワイヤの
先端と母材との間の距離が変化した場合、この変化に応
じて溶接ワイヤが供給される構成であるため、上記のよ
うに条件が常に一定になる。また、この場合の溶接は、
上記MIG溶接装置によって、周溶接を一つの連続動
作、すなわち、溶接トーチ30を母材から途中で離間さ
せることなく一回の動作で行うことが可能である。ま
た、上記の溶接において、一方の電極と母材との間に流
す電流値を初期の設定値よりも低く設定し終端部23を
溶接する場合には、終端部23の結晶粒が細かくなり、
組織が健全化されクラックや引巣等の溶接欠陥の発生が
十分に抑えられるという利点がある。
【0018】なお、上記の実施の形態においては、終端
ビード部の形状を概略Z字型としたが、図4に示すよう
に、逆C字型、また、図5に示すC字型等であっても良
い。
【0019】
【発明の効果】この発明の周溶接方法および周溶接構造
によれば、以下の効果が得られる。すなわち、始端部に
溶接欠陥が残っていても始端部の境界部分にビードを形
成しつつ溶接を行って終端ビード部を形成するので、溶
接が確実に行われ、一方の部材と他方の部材との隙間や
クラック等の溶接欠陥が生じることなく溶接することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示す図であって、胴
体とボスとを溶接する際のビード部の形状を示す斜視図
である。
【図2】 この発明の実施の形態を示す図であって、
(a)〜(c)はビード部の始端と終端との重ね合わせ
部の詳細を示す側面図である。
【図3】 この発明による周溶接方法を行う溶接装置の
動きを示す図である。
【図4】 この発明の別の実施の形態を示す図であっ
て、ビード形状が逆C字型である場合の溶接部の概略構
成図である。
【図5】 この発明の別の実施の形態を示す図であっ
て、ビード形状がC字型である場合の溶接部の概略構成
図である。
【図6】 この発明および従来の溶接方法が適用される
例として示したタンクの分解斜視図である。
【図7】 図6のタンクにおいて、胴体とボスとの溶接
部付近を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
2 胴体(一方の部材) 4 ボス(他方の部材) 11 ビード 22 始端部 23 終端部 23a 一方の終端ビード部 23b 他方の終端ビード部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに接合された一方の部材と他方の部
    材との境界部にビードを形成しつつ、これら各部材間の
    溶接を連続的に行い、前記ビードの終端部をその始端部
    に重ね合わせる周溶接方法であって、 前記ビードの終端部を形成するに際して、前記ビードの
    始端部が形成されている方向に向けて、前記一方の部材
    と前記ビードの始端部との境界部に一方の終端ビード部
    を形成した後、これに続けて前記他方の部材と前記ビー
    ドの始端部との境界部に他方の終端ビード部を形成する
    ことを特徴とする周溶接方法。
  2. 【請求項2】 互いに接合された一方の部材と他方の部
    材との境界部にビードが形成され、該ビードの終端部が
    その始端部に重ね合わされている周溶接構造であって、 前記ビードの終端部は、前記一方の部材と前記ビードの
    始端部との境界部に形成された一方の終端ビード部と、 前記他方の部材と前記ビードの始端部との境界部に前記
    一方の終端ビード部に連続して形成された他方の終端ビ
    ード部とを備えてなることを特徴とする周溶接構造。
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